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LED ASA COLOR LED 3 3 ARI INTERNATIONAL Q

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朝日ラバー

(5162・JASDAQ スタンダード)

モーニングスター(株)

白石 和弘

■ 調色・調合技術に強み、表面改質技術の展開にも注目

車載向けをはじめとする工業用のほか、医療・衛生関連向けにゴム 製品を開発・製造している。同社が開発した「ASA COLOR LED」は、 LED にシリコーンゴムキャップを被せることで、これまで発色・発光 に難点があったLED 照明の課題を解決。同社のコア技術である調色技 術により、1 万色以上という豊かな発色も可能とした。この結果、LED 市場の拡大を背景に、同製品の需要は高まりつつある。 一方、同社は車載照明の彩色用ゴム製品を手掛けてきた経緯から、 ゴムの調合技術にも強みを持っている。この技術を活かし、医療・衛 生関連では、プレフィルドシリンジ(薬液があらかじめ充填された注 射器)向けの薬液混注ゴム栓など、医療の安全に寄与するゴム製品を 供給。また、スポーツ用品関連でも、高品質な卓球ラケット用ラバー を開発・製造し、世界中の有力選手が同社製品を使用しているなど、 ニッチな分野で独自の製品を数多く提供している。 新しい分野では、薬剤なしでゴムと素材を接着する表面改質技術を 開発済みで、同技術を応用したバイオ関連の製品開発も視野に入れて いる。表面改質技術は環境配慮型の技術でもあり、幅広い領域への展 開が期待される。業績は自動車市場などの影響を受けるが、独自の製 品を提供し続けることで、堅調な成長が続くと見込まれる。 会 社 概 要 所 在 地 埼玉県 さいたま市大宮区 代 表 者 横山 林吉 設 立 年 月 1976/06 資 本 金 516 百万円 (2010/09/30 現在) 上 場 日 1998/09/04 U R L http://www.asahi-rubber.co.jp/ 業 種 ゴム製品

技術力を武器に、高機能なゴム製品を多数提供

【業績動向】 売上高 前年比 営業利益 前年比 経常利益 前年比 当期純利益 前年比 EPS 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 2 0 1 0 / 3 実 績 4,667 -4.8 125 2.7 倍 91 6.5 倍 41 黒転 9.20 2 0 1 1 / 3 会 社 予 想 (2010 年 11 月発表) 4,850 3.9 173 38.0 100 9.0 61 45.7 13.41 ア ナ リ ス ト 予 想 4,850 3.9 173 38.0 100 9.0 61 45.7 13.41 2 0 1 2 / 3 ア ナ リ ス ト 予 想 5,500 13.4 250 44.5 155 55.0 100 63.9 21.98

JASDAQアナリストレポート・プラットフォーム<ベーシックレポート>

2011 年 1 月 19 日

主要指標 2011/01/17 現在 株 価 299 円 発 行 済 株 式 数 4,618,520 株 売 買 単 位 500 株 時 価 総 額 1,380 百万円 予 想 配 当 ( 会 社 ) 8.00 円 予 想 E P S ( ア ナ リ ス ト ) 13.41 円 実 績 P B R 0.5 倍

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2 ¾ 会社概要

自動車関連・医療関連・スポーツ用品関連と、さまざまな分野に高機能な工業用ゴム製品を製造・供 給している。主力の自動車関連では、スイッチ、スピードメータ照明用途などに、LED 彩色用シリコ ーンゴム製品「ASA COLOR LED」を提供。また、医療用では点滴輸液バッグ用のゴム栓や、スポー ツ用品では世界的に高シェアを誇る卓球ラケット用ラバーを手掛けるなど、ニッチな分野において独自 のゴム製品を数多く提供している。先進的な製品開発のため、大学との産学連携など研究開発に注力し ており、開発部門として開発本部およびファインラバー研究所を設置。現在、社員に3 人の工学博士を 擁している。 国内工場は福島県に3 ヶ所。海外では、子会社として朝日橡膠(香港)有限公司、東莞朝日精密橡膠 制品有限公司(広東省)、ARI INTERNATIONAL(米イリノイ州)の 3 社を抱える。11 年 3 月期 2Q 累計実績での売上構成比は、工業用ゴム製品が80.5%、医療・衛生用ゴム製品が 19.5%。 ¾ 企業理念 グループの基本方針として、「お客様に満足いただく製品・サービスを提供し、社会に貢献する」、「独 自の新製品・開発製品を、絶え間なく市場に供給し続ける」の2 つを掲げている。 ¾ 経営陣 代表取締役社長の横山林吉(しげよし)氏は、1976 年に当社入社(当時は有限会社朝日ラバー)。 技術部長、取締役営業部長などを経て、2003 年に社長に就任。現会長の伊藤巌氏は創業者。30 代で当 時勤務していたゴムメーカー(東全ゴム)を退職し、1970 年に同社(有限会社朝日ラバー)を設立し た。 ¾ 沿革 1970 年 05 月 有限会社朝日ラバーを設立

1976 年 06 月 株式会社朝日ラバーを設立。「ASA COLOR LAMPCAP」を開発、生産をスタート 1988 年 11 月 医療用ゴム製品の生産を開始

1989 年 06 月 スポーツ用品ゴム製品「卓球用ゴム製品」の生産を開始 1994 年 11 月 弱電用高精密ゴム製品「電池用ゴム製品」の生産を開始 1998 年 09 月 株式店頭公開(現・大阪証券取引所ジャスダック)

1999 年 06 月 米国イリノイ州に現地法人「ARI INTERNATIONAL CORP.」を設立

2000 年 02 月 青色 LED を白色に変換する LED ホワイトキャップ(現・ASA COLOR LED)を開発 2005 年 11 月 子会社「朝日橡膠(香港)有限公司」を中国・香港に設立

2010 年 07 月 中国広東省に生産工場を持つ「東莞朝日精密橡膠制品有限公司」を設立

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会 社 概 要

会社設立当初は、時計のゴム部品やカーオーディオ部品などを製造。しかし、これらの製品は原価率 が約7 割と高かったため、事業の収益性は低く、業績は厳しい状況にあった。その後 76 年に、シリコ ーン製ゴムキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」の開発に成功。工業用ランプは発光・発色にバラつ きが出やすく、電球メーカーやカーオーディオメーカーは苦戦していた。こうしたなか、ASA COLOR LAMPCAP は小型電球に被せることでさまざまな色を出せるゴムキャップとして、「発光・発色ムラを なくしたい」という各メーカーの要望に応え、最盛期には年間5 億個を出荷するなど主力製品に成長。 ASA COLOR LAMPCAP の開発時に培われた、照明にさまざまな色を添加する調色技術および色調管 理技術は同社のコア技術となり、現在の主力製品であるASA COLOR LED の開発に結びついた。

¾ コア技術

照明の調色技術が当社のコア技術。LED を含め、照明は光源自体で色を均質につくり出すことは技 術的に難しいとされる。同社はASA COLOR LAMPCAP の開発当初から蓄積してきた調色データをデ ータベース化し、検索システムを構築している。主力製品のASA COLOR LED は、青色 LED の上に 蛍光体・顔料を配合したシリコーンゴムキャップを被せたもので、キャップ内の蛍光体・顔料を調合す ることで多様な色をつくり出している。現在、ASA COLOR LED は 1 万色以上の発色を実現。微妙な グラデーション領域にある色の発色についても、キャップを被せるだけでムラのない光を出すことに成 功している。また、青色LED には光の波長や出力にそれぞれ特性がある。同社では各特性を 100 種類 以上に分類し、個々の青色LED ごとにキャップを制定することで、色調をコントロールしている。

ASA COLOR LED は現在、計器類など車載向け中心に採用されている。一方、商業施設などの一般 照明用途ではLED を大量に並べて使用するケースが多く、LED 単体の使用では発色・発光のバラつき により商品価値が下がってしまう場合がある。こうした課題をクリアするため、車載向け以外でもASA COLOR LED が採用されるケースが増えている。 ¾ 大株主(10 年 9 月末現在、四半期報告書よりモーニングスター作成) 氏名・名称 所有株式数(千株) 所有株式数の割合(%) 1 伊藤 潤 942 20.4 2 伊藤 巌 222 4.8 3 南日本銀行 216 4.7 4 朝日ラバー共栄持株会 185 4.0 5 朝日ラバー従業員持株会 153 3.3 6 室井 豊 134 2.9 7 武蔵野銀行 113 2.4 8 東邦銀行 97 2.1 9 横山 林吉 93 2.0 10 西京銀行 84 1.8

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4 ■ 点灯しているASA COLOR LED

会 社 概 要

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5 ¾ 事業環境 売上の大半が工業用ゴム製品、特に車載関連の製品であり、業績は自動車市場の影響を受けやすい。 11 年 3 月期 2Q 累計の連結業績は、リーマン・ショック後に急速に冷え込んだ自動車市場の回復を受け、 売上高は前年同期比2 割増、営業利益は同 2.7 倍となった。ただ、これまで国内の自動車販売を押し上 げてきたエコカー補助金が10 年 9 月で終了したことで、自動車市場の先行きには不透明感が漂ってい る。日本自動車販売協会連合会によると、2010 年の新車販売台数(登録車合計)は 1∼8 月まで連続し て前年同月を2 ケタ上回って推移してきたが、エコカー補助金が終了した 9 月には前年同月比 4.1%減 と一転して減少。その後も減少が続いている。ASA COLOR LED の売上については採用車種の販売状 況によるため、自動車市場全体の動きとは必ずしもリンクしないものの、第3 四半期以降、鈍化する可 能性がある。 一方、医療・衛生用ゴム製品は、顧客側の定期的な在庫調整による受注変動はあるものの、景気動向 による影響も受けにくく、需要は比較的安定して推移している。近年、国内の医療現場では、(1)感染 のリスクを低減できる、(2)誤った薬液量の注射を防止できる、(3)救急時に迅速な投与ができる―― などの利点を持つプレフィルドシリンジ(薬液があらかじめ充填された注射器)の使用が拡大。同社が 提供している薬液混注ゴム栓はプレフィルドシリンジの必須部品であり、今後一段と需要が高まると見 込まれる。同社では10 年 4 月から第二福島工場を増強(生産スペースを 1.5 倍に拡張)し、同 10 月よ り量産を開始。医療用ゴム製品の受注拡大に対応した生産体制を築いている。 ¾ 分野別の事業内容 分野別の事業は、工業用ゴム事業と医療・衛生用ゴム事業の2 つに大別される。工業用ゴム事業では、 主に車載用途でASA COLOR LED や ASA COLOR LAMPCAP などの彩色用ゴム製品を供給している。 また、小型燃料電池や二次電池などの電池の内圧が高まった際、ゴムの弾性によって圧力を逃がす微小 圧コントロールバルブなど弱電用高精密ゴム製品も製造。ほかに、CD プレーヤー・DVD デッキなど のディスクの出し入れガイド用のCD ローラーや、自動車のノックセンサー・ドアミラー防水用途など の O リングも手掛ける。スポーツ用ゴム製品では、卓球ラケットメーカー向けに、高品質のラケット 用ラバーを供給している。 一方、医療・衛生用ゴム事業では、テルモ(4543)や扶桑薬品工業(4538)向けに、点滴輸液バッ グ用ゴム栓や注射器用の薬液混注ゴム栓などディスポーザブル製品を供給。医療・衛生用ゴム製品は、 (1)針などを刺してもゴムくずが出ない、(2)液漏れを起こさない、(3)溶出する物質がない――と いった高品質なゴムを実現する同社の配合技術が活きる分野。ASA COLOR LED における調色技術と 同様に、こうした配合技術も他社との差別化ポイントの一つになっている。

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6 ¾ 主要な製品

「ASA COLOR LED」 青色 LED に被覆して LED 光を彩色するシリコーンゴムキャップ。ゴム内 部の蛍光体がLED の青色光を吸収することで発光する。独自の調色技術によって、1 万色以上の発光、 微妙な色調の発現、均質な発色を可能にしている。主に車載向けで、スイッチ関連、スピードメータ 照明、ナビコントロール関連、足元灯、オーディオ照明、LCD バックライト、などに採用されている。 トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)を中心に大手自動車メーカーの機器類に採用実績を持つ。ま た、看板など商業施設向けにも採用が進展。同社は、ライセンス契約を結んでいるLED 国内最大手メ ーカーの日亜化学工業(徳島県)からLED を調達。ASA COLOR LED を LED に被せた最終製品の 形にして、カーオーディオ機器などのセットメーカーに販売している。

「ASA COLOR LENS」 光透過率 94%以上という高い透明度を誇るシリコーン製のレンズ。シリ コーンの特性である耐熱性と耐紫外線性により、150 度を超えるような高温度環境下での使用に耐え るうえ、紫外線によるレンズの劣化も少ない。携帯電話やデジタルカメラ用のフラッシュレンズ、自 動車用VICS(カーナビゲーションなどに道路交通情報をリアルタイムに送信する情報通信システム) 受発信レンズ、街路灯照明レンズのほか、エコカーのヘッドライトなど通常のLED より温度が高くな るハイパワーのLED 向けなど、幅広い用途に使用されている。 「微小圧コントロールバルブ」 小型燃料電池のリリーフ弁。燃料電池は、水素と酸素による電気 化学反応を利用して発電し、発電時に水素ガスなどの発生によって電池の内圧が高まる場合がある。 同バルブは、燃料電池の内圧が一定以上になると、圧力に押されて変形、外部に圧力を逃がすことで 電池容器の破損を防ぐ機能を持つ。 「卓球ラケット用ラバー」 卓球ラケットの国内最大手メーカーに納入されており、全世界に流通 している。高摩擦抵抗により、直球にスピンがかかるという高性能・高品質の製品。10 年 5 月に開催 された「世界卓球2010 モスクワ」では、出場した選手の約 7 割が同社製品が使用されたラケットで試 合に臨んだという。金額ベースでは、世界の卓球ラケット用ラバーの半分程度を同社が供給。卓球ラ ケット用ラバーに求められる反発弾性や高摩擦抵抗などの性質は、一般の合成ゴムで出すことは難し く、天然ゴムと合成ゴムを混合することで製造される。11 年 3 月期 2Q 累計での売上額は 1 億 7,700 万円と業績への貢献度は小さい(連結売上高に占める割合は7.4%)が、同社の高度な調合技術が発揮 された製品。顧客の販売戦略が変更されたことで11 年 3 月期は売上が縮小しているが、同製品に対す るニーズは根強く、来期以降の販売回復が期待される。

事 業 概 要

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7 ¾ セグメント分析 売上高の8 割を占める工業用ゴム製品は、自動車向けを中心に、情報通信、スポーツ関連などの分野 に販売されており、景気変動の影響を受けやすい。過去 3 期の工業用ゴム事業の売上高をみると、54 億8,400 万円(08 年 3 月期)→41 億 1,200 万円(09 年 3 月期)→38 億 9,500 万円(10 年 3 月期)と 推移。09 年 3 月期は上期 25 億 4,100 万円・下期 15 億 7,100 万円となりリーマン・ショック後から急 減したが、10 年 3 月期は上期 15 億 9,300 万円・下期 23 億 200 万円と、その反動から回復をみせた。 11 年 3 月期は上期が前年同期比 26.1%増の 20 億 900 万円と前年同期比では回復しているが、リーマ ン・ショック以前の水準までは戻っていない。一方、医療・衛生用ゴム事業の売上高は7 億 9,500 万円 (08 年 3 月期)→7 億 9,100 万円(09 年 3 月期)→7 億 7,200 万円(10 年 3 月期)と推移している。 同社の医療用ゴム製品は、点滴輸液バッグ用ゴム栓や注射器に使用される薬液混注ゴム栓などのディス ポーザブル(使い捨て)用ゴム製品が中心。在庫調整による受注減少はあるものの、需要はコンスタン トに発生するため、売上は安定している。 医療・衛生用ゴムは、足元ではプレフィルドシリンジ向けの薬液混注ゴム栓が好調で、引き続き順調 な推移が見込める。同社は技術力を活かしてニッチな分野で展開。競合リスクは小さいものの、主力製 品ASA COLOR LED の拡販戦略を含め、今後は収益の柱である工業用ゴム事業をいかに強化していく かが成長のカギとなる。 4,581 5,484 4,112 3,895 3,960 791 772 890 795 721 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 工業用ゴム事業 医療・衛生用ゴム事業 (出所)会社資料よりモーニングスター作成 (百万円) 事業別売上高の推移 (会社計画)

セ グ メ ン ト 分 析

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セ グ メ ン ト 分 析

¾ 注目される新規分野 今後の展開が注目されるのが表面改質技術。表面の分子構造を変化させることで、接着剤を使用せ ずにゴム同士またはゴムと他の素材(金属、樹脂など)を接着する技術(分子接着)で、有機溶剤系 の薬品などが不要になるため環境配慮の面からもニーズが高まっている。同社ではこの表面改質技術 から、RFID(無線認識)技術を応用した IC タグを開発。09 年の夏から量産化している。情報通信分 野に限らず、医療・衛生用ゴム、車載向けのほか幅広く応用が進むとみられ、事業分野の拡充と製品 の高付加価値化に大きく寄与すると期待される。同社では今後、表面改質技術を応用して新たにバイ オ関連の製品開発も行う方針で、11 年 3 月期下期の設備投資計画(約 3 億 2,100 万円)に関連の費用 を盛り込んでいる。

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業 績

¾ 経営環境 矢野経済研究所の調査によれば、2010 年の LED 照明の市場規模は 09 年比 1.95 倍の 730 億円に達 するとみられる。LED は消費電力なうえ、高寿命、水銀や鉛などの有害物質を含まない、といった多 くの利点を持つため、今後急速に普及していくと見込まれている。ネックだった価格の高さも、東芝 (6502)に続き、シャープ(6753)、パナソニック(6752)といった大手メーカーが市場に参入したこ とで、大幅に低下。年に1 割程度の価格低下が進んでいるもよう。

ただ、ASA COLOR LED は LED に被せて使用されるため、最終製品は LED 単体に比べ価格が高く なる。他のLED メーカーでは、大量に生産した LED のなかから発光ムラの少ないものを選別する方 式を採用。同社のASA COLOR LED は個々の LED の特性に応じた製品を制定しているほか豊富な発 色が可能な点で優位にあるが、他メーカー品も改善が図られており、今後さらに価格面の競争激化が予 想される。このため同社では、原価を低減することでASA COLOR LED の価格を下げ、普及を一段と 加速したい考え。LED 自体の価格は低下しており、仕入原価は下がる傾向にあるが、製造工程の効率 化などによる原価削減には限界がある。このため、同社ではさらなる原価低減策を模索しているようだ。

一方、製品の標準化対応策として、10 年 11 月に(1)短納期化(最短で受注の翌日に納入可能)、(2) 白色系252 種類を標準スペックとする、(3)照明規格の JIS、米国基準 ANSI 以外への対応――などを 打ち出した。自動車内装のインジケーターなどのLED 照明では、白色系が求められている。同社では 白色系で252 種類を標準スペックとしたことで低価格化が可能となり、ASA COLOR LED は普及に弾 みがつくものと期待される。 ¾ 11 年 3 月期 2Q 累計業績について 11 年 3 月期 2Q 累計の連結業績は、売上高 24 億 500 万円(前年同期比 21.6%増)、営業利益 9,200 万円(同2.7 倍)、純利益 4,500 万円(前年同期はゼロ)。10 年 3 月期 2Q 累計との比較では、大幅な損 益改善となった。売上高の内訳は、工業用ゴム事業が20 億 900 万円(前年同期比 26.1%増)、医療・ 衛生用ゴム事業が3 億 9,600 万円(同 3.0%増)。前年同期は、世界的な景気悪化の影響から自動車市場 が急速に冷え込み、車載向けを中心とした同社ゴム製品の受注も急減。しかし、今期はエコカー補助金 などの需要刺激策の効果により自動車市場が回復したことを受け、同社業績も回復している。 四半期ごとにみると、1Q は売上高 11 億 9,200 万円(前年同期比 45.7%増)、営業損益 6,200 万円の 黒字(前年同期は1,600 万円の赤字)となったのに対し、2Q は売上高 12 億 1,300 万円(前年同期比 4.6%増)、営業利益 3,000 万円(同 40.4%減)。10 年 3 月期は、自動車関連の受注回復とコスト削減に より2Q の利益が伸長していた。一方、今期の 2Q では人件費カットの解除などで原価が上昇し、前年 同期比で減益。賞与などの支払いで人件費が増加した結果、1Q との比較でも利益の伸びが押さえられ た形となった。

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業 績

¾ 11 年 3 月期連結業績予想について 11 年 3 月期連結業績(通期)の会社計画では、売上高 48 億 5,000 万円(前期比 3.9%増)、営業利 益1 億 7,300 万円(同 38.0%増)、純利益 6,100 万円(同 45.7%増)を見込んでいる。2Q 決算(11 月12 日)の発表と同時に、期初予想(売上高 51 億 3,200 万円、営業利益 2 億 2,900 万円、純利益 7,500 万円)から下方修正した。スポーツ用ゴム製品分野において、世界各地での販売価格差を解消するた め、同社顧客が製品価格を引き上げ。この結果、販売が減少し、同社も影響を受けることとなった。 また、工業用ゴム製品で開発製品の量産立ち上げが遅れたことも影響した。

主力のASA COLOR LED の売上については、自動車市場の減速の影響により下期は上期に比べ減少 すると予想される。ただ、採用車種数は増加傾向にあることから、極端な落ち込みは考えにくい。一 方、スポーツ用ゴム製品は修正後計画並みで推移しているほか、医療用ゴム製品では医療現場でのニ ーズを背景に薬液混注ゴム栓などが足元で好調。修正後の通期計画に対する2Q 累計実績の進ちょく率 をみると売上高で49.6%、営業利益では 53.2%。モーニングスターでは、11 年 3 月期の業績は修正さ れた会社計画並みで着地すると見込んでいる。 ¾ 12 年 3 月期連結業績予想について 12 年 3 月期の連結業績は、国内自動車市場の見通しが不透明ではあるものの、採用車種の増加が見 込まれることから、ASA COLOR LED は堅調に推移すると予想する。白色系 252 種類の標準スペック 化で、低価格化が可能となっており、車載向けの採用が進展しそうだ。ただ、スポーツ用ゴム製品につ いては顧客の販売戦略変更の影響が続くとみられる。同社の卓球用ラバーは高品質で定評があり、持ち 直すとみられるが、回復は限定的になるだろう。医療・衛生用ゴム事業は今期に引き続き、好調を予想 する。モーニングスターでは、12 年 3 月期の連結業績について、売上高を 55 億円、営業利益を 2 億 5,000 万円と予想している。

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11 2008/3 2009/3 2010/3 2011/3 予 (アナリスト) 株 価 推 移 株価(年間高値) 円 750 500 320 -株価(年間安値) 円 393 224 229 -月 間 平 均 出 来 高 株 91,958 28,041 18,541 -業 績 推 移 売 上 高 百万円 6,284 4,904 4,667 4,850 営 業 利 益 百万円 414 46 125 173 経 常 利 益 百万円 325 14 91 100 当 期 純 利 益 百万円 211 -80 41 61 E P S 円 46.40 -17.65 9.20 13.41 R O E % 7.2 -2.8 1.5 -貸 借 対 照 表 主 要 項 目 流 動 資 産 合 計 百万円 3,584 2,480 3,660 -固 定 資 産 合 計 百万円 4,299 4,049 3,828 -資 産 合 計 百万円 7,883 6,530 7,488 -流 動 負 債 合 計 百万円 2,658 1,482 2,567 -固 定 負 債 合 計 百万円 2,224 2,233 2,060 -負 債 合 計 百万円 4,882 3,715 4,627 -株 主 資 本 合 計 百万円 2,964 2,829 2,856 -純 資 産 合 計 百万円 3,001 2,815 2,860 -キャッシュフ ロ ー 計 算 書 主 要 項 目 営業活動による CF 百万円 872 795 691 -投資活動による CF 百万円 -595 -541 -411 -財務活動による CF 百万円 -161 -271 251 -現金及び現金同等 物 の 期 末 残 高 百万円 516 508 1,036 朝 日 ラ ハ ゙ ー [ 5 1 6 2 / J Q ] 週 足 2 0 1 1 / 0 1 / 1 8

単価 売買高(平均)[千] PMA_13 PMA_26 VMA_13 VMA_26

07/03/26 - 11/01/17 [200] 03/26 06/11 09/10 12/10 03/10 06/09 09/08 12/08 03/09 06/08 09/07 12/07 03/08 06/07 09/06 12/06 30 20 10 0 750 700 650 600 550 500 450 400 350 300 250 575 (07/8/17) (07/10/25) 694 392 (08/4/24) (08/5/16) 500 224 (09/3/13) (09/7/7) 290 255 (09/7/13) (09/10/29) 320 229 (10/3/1) (10/4/12) 370 282 (10/8/24) (10/12/24) 323 2 0 0 8 2 0 0 9 2 0 1 0 2 0 1 1 (出所)㈱QUICK 上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。 上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び大阪証券取引所は一切責任を負いません。 上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。

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リ ス ク 分 析

・同社のゴム製品は多くが独自かつニッチな分野で展開されており、競合リスクは小さい。ただ、LED 市場の拡大もあり、ASA COLOR LED については他の LED メーカーとの競争激化が予想される。 ・新製品や開発製品については、顧客との打ち合わせにより、量産計画および販売時期が管理されてい る。しかし、顧客側の生産および販売計画の変更などで量産開始や納品時期がズレ込んだ場合、売上の 変動により業績に影響が及ぶリスクがある。11 年 3 月期においては、スポーツ用ゴム製品分野で顧客 の販売戦略変更の影響を受けたことで、連結業績を下方修正するに至っている。

・当社ゴム製品の主要なマーケットは車載関連。このため、自動車販売の動向が業績を大きく左右する。 LED 照明の自動車への採用は急速に進んでおり、当社の主力製品「ASA COLOR LED」は販売拡大が 予想されるが、景気の急速な悪化などにより自動車市場全体が大きく落ち込めば、業績への悪影響は避 けにくい。

・当社は、朝日橡膠(香港)有限公司と東莞朝日精密橡膠制品有限公司の二つの海外拠点を持つほか、 北米に販売子会社(ARI INTERNATIONAL CORPORATION)を抱えている。現地で政治・経済情勢 などの急変が起こった場合、事業活動に支障をきたす可能性がある。海外売上高は1 割未満と小さい(11 年3 月期 2Q 累計実績)ものの、為替の円高推移によって売上が目減りするリスクには留意したい。 ・製品原料であるゴムおよびシリコーンの市況が高騰した場合、原価率が上昇し、収益性が低下するリ スクがある。

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ディスクレーマー

1.本レポートは、株式会社大阪証券取引所(以下「大証」といいます。)が実施する「JASDAQアナ リストレポート・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、大証が作成したものではあり ません。 2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作 成されたものであり、その作成費用は、当該企業が大証に支払った金額に大証からの助成金を加えたう えでモーニングスター株式会社(以下「レポート作成会社」といいます。)に支払われています。 3.本レポートは、大証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、大証が文面上から明らかに 誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま せん)。 4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。 5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の 取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変 動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資 の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適 合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお 願いいたします。 6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当 該企業より情報提供を受けておりますが、本レポートに含まれる仮説や結論は当該企業によるものでは なく、レポート作成会社の分析及び評価によるものです。また、本レポートの内容はすべて作成時点の ものであり、今後予告なく変更されることがあります。 7.本レポートは、レポート作成会社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、大証及 びレポート作成会社は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であり、そのうちに重要な事項の記載が 欠けていないことやこの資料に記載された企業の発行する有価証券の価値を保証又は承認するものでは ありません。本レポート及び本レポートに含まれる情報は、いかなる目的で使用される場合におきまし ても、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、本レポート及び本レポートに含まれる 情報の使用による結果について、大証及びレポート作成会社は何ら責任を負うものではありません。 8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作 権を大証に独占的に利用許諾しております。そのため本レポートの情報について、大証の承諾を得ずに 複製、販売、使用、公表及び配布を行うことは法律で禁じられています。 <指標の説明について> 本レポートに記載の指標に関する説明は、大阪証券取引所ウェブサイトに掲載されております。 参照URL ⇒ http://www.ose.or.jp/jasdaq/5578

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