The /laPanese ∫ournal of Ps)
’
chonomde’
Seience 2011,
Vol.
30,
No,
1,
ILO−
114講
演
論 文
音楽
と
聴 覚
の知 覚 的体 制 化
佐
々木 隆 之
宮 城 学院女 子 大学Music
and
the
mechanisms
of
auditory
perceptual
organization
Takayuki
SAsAKI
Miyagi
G
αhutn 彫ω ηθ聴 uηive7sity*
The
mechanisms of auditory perceptual organization playimportant
rolesin
music cornposi−
tion and music listening.
In somecomposition techniques,
such as‘
hocket’
and」
pseudo−polyphony
’
,
several Gestalt principles are e皿 ployed to give special effects of tonal grouping.
In the process of the perceptual segregation,
our auditory system can producethe
perceptby
reconstruction ofsound events and sub
−
events.
Key words :auditory perceptual organiza 止
ion,
hocket,
pseudo・
polyphony,
music sound restorationL
聴 覚の知 覚処 理聴覚系は耳に入っ て く る音の成分 を音源に対 応させ て
体 制 化 する仕 組み をもっ て いる。
Bregrnan
(1990
)はこの 仕組み を 「聴覚の 情景分 析 (auditory scene analy
−
sis)」と呼び,
聴 覚 系の知 覚 的 体 制 化にっ いて体系 的な研 究 を 行 っ て い る。
感 覚 処 理に よ っ て受 容さ れ た音 刺 激 は,
いっ
た ん その成分や要 素に分解さ れ た後, 知覚処 理 に よっ て環 境に適 応 する た めに最 も適 切な組み合わ せ が 行 わ れて聴覚 表 象が形 成さ れ る。
われ われ が認 識 する の は その表 象で あ り, 入力 刺激と は一
致し ない場 合があ る。
聴覚 系は,
音の開 始や終 了,
持 続 部を組み合わ せて 「音 事 象 」を構 成す る が (Nakajirna
et al.
,
2000 ;Naka−
jima
,
Sasaki,
Rernijn,
&Ueda ,2004
),
その と き に同 時に存在 する音の成 分を群 化する こ と に よ っ て音 色を構 成 して音 事 象の属性と して統合す る。 さ ら に
,
音 事 象 を継 時 的に群 化 することに よっ て音 脈 (aUditory stream )を 形 成して い る。 音 脈の形 成と音 色の形 成に関わる聴 覚の知 覚 的体制 化 の メ カニ ズムは,
音 楽におい て も重要な役割を 果た して い る。 と くに聴 覚の体 制 化の原 理として のゲ シタル ト要 *Department
of
Psychological
andBehavioral
Science
Miyagi Gakuin Women’
s University,
9−
1
−
1,
Sakuragaoka,
Aoba −ku ,
Sendai
981−8557 ,
Japan
因は, 作 曲や音楽の聴取に い ろいろ なか た ちで深い関わ りを もっ て い る。2
. 作
曲 技 法と聴
覚の体
制 化の仕 組 み 通 常,一
っの楽 器に よっ て 生 成された音はひ と ま と ま り と して 聞こえ,
旋 律や リズ ム を聞き取 る こ と が で き る。
ま た,
合奏の音の 中か ら特定の楽 器の 音を追うこ と がで きる。 当た り前の こ とで あるが,
そ こ に は い くつ か の ゲシ タル ト要 因が関わ っ てい る。一
っ の楽 器に よっ て 生 成され た音は,
類 同の要因,
よい連続の要因,
共通運 命の要因などを 満たしてお り,
その ことによっ て単一
の 音 脈を形成して い る。 同一
の 楽 器か ら出た音の 成 分は,
原 則と して ピ ッ チ や レベ ル の 変 動が共通 して い る ため,
共通運 命の要 因に よっ て まと ま りを 構 成 する。 そ の結 果 と して知覚さ れ る音色 は大き く変 化す ること は な く,
類 同の要 因に よる 群 化 が 行 わ れる。 また,
多 くの旋 律は滑 ら か な連 続を示 し,
群 化 を 促 進 する。
この当た り前の こ と と関 わっ て,
聴 覚の知 覚 特 性の研 究が行わ れ る は る か 前か ら,
聴 覚の知 覚 的 体 制 化の特 性 を う ま く利 用し た作 曲技法が用い ら れて い る。
「ボ ケ ッ ト(hocket,
hoketus
)」は旋律を断 片に分 解 し て, 複数の声部が交 替に各 断 片を受 け渡して 演 奏す る技 法で,13
世紀の ノー
トル ダム 楽 派の 時 代か ら教 会の 合 唱 曲な どに用い ら れて き た。 ブラー
ムス の交 響曲第1
番 の終 楽 章に も, こ の ポ ケッ トの 応 用 が 何ヵ所か見 られThe Japanese Psychonomic Society
NII-Electronic Library Service
The Japanese Psyohonomio Sooiety
佐々木:音 楽と聴覚の知覚的 体制化 111
こ
1
:
1
難
茎
茸
譱
韆
蠱
ヨ
Figure 1
.
Violin parts from thefinal
movernent ofBrahms ’Symphony
No.
1 (24thbar
).
Complete
passage can be heard when the two violin parts are played together.
き
:
ll
:
:
:
:
:
健 ;
1
璽
萋
毒攀
蒙
誤
ρ 尸 mp >
Figure 2
.
TrombQne parts from the 3rd mQvement of Tchaikovsky’
s Sixth Symphony ぐPathetique’
〉.
Thepassage
is
segmented and assigned to two trombones.
るDFigure 1 は
,
24小 節 目の ヴァ イ オ リンパー
トだ が,
第1
ヴァ イ オ リン と第 2 ヴ ァ イ オ リン で同 じ旋 律 を 分 担して い る。 両パー
トは そ れ ぞ れ ギャ ロ ッ プの よ う な リ ズムで演 奏 するが,
休 符の場 所が異なっ て い る。 合 奏で は そ れ が う ま く組み合わ さ れて32
分 音 符が連なっ た旋 律と な る。 第1
ヴァ イ オ リンと 第2
ヴァ イ オ リンは同じ 楽 器 群であり,
音 色の 類 同の 要 因を満た して い る。 ま た,
パ ッ セー
ジ は音 階 状に連 なっ て お り,
よい連 続の要 因 を 満た して い る。 合 奏で は,一
音お きに第 1 ヴァ イ オ 1丿ン と第2
ヴァ イ オ リンが一
緒に音を出してお り, その間の 音は どち らか のパー
トだ けが演 奏 し て い る。一
つ おきに 音が重な るこ と に よ り,
メ 丿1 バ リの あ る刻み を実 現して よ う と し た もの と考え ら れる。 これに続 く30 小節 目か らの ホル ン パー
ト で は,
第 1ホル ン と第 2 ホル ン が音を 受け渡 して演 奏してい る。 これ は,
ブレ ス に よっ て音が 途切れる こと がな い よ うに構 成して い る もの と解 釈で き るe さらに38
小 節 目か らの フ ルー
トパー
トで も第1
フ ルー
トと 第2
フ ルー
トの問で 同 様の 受け渡 し が行わ れ て い る。 ホル ン やフ ルー
ト の例で も,
類 同の要 因,
よ い 連 続の要 因が働い て い る。
ブラー
ム ス よ りもポ ケッ トの 技法 を 多用 して い るのがチ ャ イコ フ ス キー
で,
交 響 曲や バ レエ 音 楽の随 所に見 ら れる。 例えば,
交 響 曲 第6
番 「悲愴 」の第3
楽 章41
小節で は,
Figure
2
のよ う にアル ト・
トロ ンボー
ン とテ ナー ・
トロ ンボー
ンがパ ッ セー
ジ を分 担して演 奏 して いる。
同 じように,
ベ ル リ オー
ズの 幻想 交響曲の第 5楽 章で は,239
小節目か ら オー
ケス ト ラは 三つ の楽 器 群に分か れ,
大 掛か りなボケッ トを演 奏 する。一
方,
作 曲 技 法ではな く,
楽 器の特 性と して必然 的に ポ ケ ッ トと な るのがハ ン ドベ ル で あ る。 各 演 奏 者は い くっか のベ ルを担 当し,
ピッ チを分 担し て演 奏す る。
チ ャ イコフ スキー
の交 響 曲 第 6番 「悲 愴」の終 楽 章の 冒 頭で第 1ヴ ァ イオ リン と第 2 ヴァ イ オ リンが主 旋 律 を分 担 して演 奏 して い ることは よく知 られて い る (例え ば,Deutsch,
1982)。 こ こ で用い ら れて い る技法 はホ ケ ッ ト の一
種で 「網 目細工 〔durchbrochene Arbeit)」と 呼 ば れ る もの で あ る。
単 純に旋 律を受け渡 すの で は な く,
各パー
トが同 時に並 行 して音 符を奏で る が,
各パー
ト の演 奏 音の一
部が知 覚 的にっ なが っ て旋 律を構 成 する とい う技 法で ある。 チ ャ イコ フ ス キー
の場合, 第 2 ヴ ァ イ オ 1丿ン の 音と第1
ヴ ァ イ オ リン の音を交互につ な げ る と,
有 名な 「悲 愴」の旋 律が聞 こ え る こと とな る。
こ こで も,
類同の要因,
よい連 続の要因, そ して ピッ チの 近 接の要 因が働い て い る。 チ ャ イ コ フ ス キー
が な ぜ こ の 技 法を使 用した の か につ い て は諸 説 ある が,
真相は不 明 で あ る。 ボ ケ ッ ト で は,一
っ の旋 律を複 数の楽 器 (群 )が分 担 して演 奏 する が,
逆に一
っ の楽 器 が 複 数の旋 律 を 演 奏 し て い る よ うに聞か せ る とい う技法が 「疑 似ポ リフ ォ ニー
(pseudo−pelyphony
>」である。
管 楽 器の よ うに発 音 体が一
っ の 楽 器は,
特 殊な奏 法 を 除い て一
度に一
つ し か音を 出すこと がで き ない。 そ の よ う な楽 器で,
ソナ タ や変 奏 曲 を 作ろ うとする とき,
演奏に変化 をっ け る た め にポ リ フ ォ ニ ッ ク (多 声 音楽的)な効 果を 生 み出す技 法と して 疑 似ポ リフ ォ ニー
が用い られ る。
例えば,
テレマ ンの リ コー
ダー
の ための ソ ナ タ(Figure
3
)で は,
1本の リコー
ダー
が音 域を交 替 して 演 奏する ことに より,
音 域ご とに 演 奏 音が別の知 覚 的ま と ま りを構 成し,
ポ リフ ォ ニ ッ ク な 効 果 を生み出して い る。 速 い系 列で は,
ピッ チ の近 接 が群 化の要 因と して働 き,
ピ ッ チの近い音 同士が ま と まっ て 音脈を 形成す るの で あ る。 N工 工一
Eleotronio Library112 基 礎 心理学研究 第
30
巻 第 1号一
一
Figure
3.
Allegro
fronl
Telemann’
s Sonata for Recorder.
The sounds alternatingbetween
two p正tchranges yield stream segregation
.
FUGUEFigure
4.
Fugue
fromJ.
S.
Bach’
s’
Toccata andFugue
in
D
minor (BWV .565
).
polyphony is used in order tQ savethe
air consumption.
Technique
of pseudo一
vanNoorden
(1975
)は2
音が交 替す る系 列につ い て,
全体が一
つ の ま と ま りと して 知 覚さ れ る一
連 性 (temporal coherence )と音 域に よ っ て分か れ て聞こえ る分 裂(fission
)の状 態が生 じ る条件を実験に よ っ て 明 ら かに した。 彼に よれ ば,
二 っ の ピッ チ の音か ら な る ギャ ロ ッ プの系 列(ABA −ABA −…
〉の聞こえ は,
分 裂境 界 (fission boundary } と一
連 性 境 界 (temporal coher−
ence boundary )に よ っ て 三つ の 領域に分け ら れ る。 分 裂 境 界は系 列の速さ に関 係なく約3
半 音 (短3
度 )と な っ て お り,
短 3度よ り狭い音 程の系 列は一
つ の ま と まっ た音脈を形成する。一
方,一
.
連性境界は,
そ れ よ り も広い ピッ チ間 隔の時に系 列が複 数の音 脈に分 裂して聞 こ え る境界である が, 系列が速い とき に は狭く(15
音/ 秒で は約4 半音),
遅い ときに は広くな っ て い る (6 音/ 秒で は約 12半 音 )。
二 っ の境 界の間の領 域で は,
聴 取の 意 図に よっ て分 裂に も一
連に も聴くこと がで き る。1
秒 に 10音の速さ で 二 つ の 音 域を交 替 する系 列を演 奏した 場 合,
約4
半 音 (長3
度 )で分 裂して聴 くこ と が でき,
約 6半 音 (増 4度 )で は分 裂に し か聴 くこと がで き な く な る。Figure
3
の ソナ タ で は,
ア ウフ タ クト の3
音は2
半 音の 音程なの で ひ とっ な が りに聞こえ,
その後は ミー
レー
ドー
レー
ミー
レー
ドー
レ の 系 列 と一
ソー
ソー
ソー
ソー
ソー
ソー
ソー
の系列に分か れて聞こ え る。 こ の疑似ポ リフ ォ ニー
の技法は,一
度に一
っ の音 しか 出せ ない管 楽 器や そ れに近 い性格を もっ弦 楽器の 音楽に よ く用い られる もの であるが,一
度に 多数の音を出すこ と が可能な オル ガン曲にも使わ れて いる。 例え ばバ ッハ の 「トッ カー
タ とフー
ガ,
^ 短 調 」の フー
ガで は,
Fig・
ure 4 の よ うに疑 似ポ リフ ォ ニー
の手 法が 用い ら れて い る。 さ らにバ ッ ハ は平 均律クラ ヴィア 曲 集で も同 じ技 法 を用い て い る。 オル ガンで こ の技 法 を 用い るの は空 気の 節 約と い う重 要な理由があ る が,
ピア ノ のよ う な鍵 盤 楽 器で は とくに必 要 性が あ る とい うわけで は な く,
演 奏 効 果の一
つ と して用 い ら れて い る と解 釈で き る。
こ の よ うに,
ポケ ッ トや疑似ポ リフ ォ ニー
で はい くつ かのゲシタル ト要 因を う まく利 用して音 楽を聞か せて い る。3.
楽 音 と雑 音の知 覚 的 分 離 聴 覚入力は, その 意味的性格に よ っ て音声, 楽音, 雑 音に大きく分 類で きる。
聴 覚の知 覚 的 処理におい て も,
そ れぞ れ が別の音 脈に分 類 さ れて処理が進め ら れ る。
vanNoorden
(1975
)は音脈 分 凝と音 脈 間の 時 間 関 係の 判 断につ い て調べ る実 験を行い,
周 波 数 間 隔が離れる ほ ど時 間 関 係の 判 断が難 し く な るこ と を 明 ら か に し てい る。 こ の時 間 位 置の判 断の困 難さ は,
別の音 脈と して処 理されていることの証 拠 とい うことができる。Gregory
(1978)は短い音 楽フ レー
ズ中の ク リッ クの 時 間位 置を判 断 する実 験 を行い,
正 し く判断す るこ と が 難 し い こ と を示し た。 音 楽を レコー
ドで聴いて いた時 代 に は, レ コー
ド に傷が つ いてク リッ ク が入るこ とが あっ た が,
どこ に入っ て いる か を判 断す るの は とて も難 しい もの で あっ た。
もちろ ん,
音 声 信 号 中に ク リッ クが入っ た場 合で も同じことでt 正 確に は判断で き ず, フ レー
ズThe Japanese Psychonomic Society
NII-Electronic Library Service
The Japanese Psyohonomio Sooiety
佐々木:音 楽と聴 覚の知覚 的 体 制 化
113
の 境 界に聞こえるこ とが 多い とい う (Foder
&Bever,
1965
).
こ のよ う な知 覚 的分 離は刺 激の性 質だ けで 決ま る もの で は な く,
文 脈や経 験,
学 習に依 存する トッ プ ダウ ン処 理が関 わ る もの で あ る。
ア ブ 1丿力の コ イ サ ン語で は,
何 種類かの吸着音 (ク リッ ク)を子音と して用い てお り, ク リッ ク は音 声の中に位 置づ け ら れて い る もの と考え ら れ る。
わ れ われ凵本 人や西 欧 人は,
ク リッ クを音 声の中 に位 置づ ける こ とに 困難を感 じ る が,
彼らに と っ て ク リッ クは /s/や /k
/と同 様に子 音 と して順 序づ け るこ と がで きる の で ある。 また,
ア メ リカの作 曲 家,
ル ロ イ。
ア ンダー
ソ ンは 「紙やすりの バ レエ 」 と い う曲の 中 で,
紙や すりを こす る音を楽音と して用いて い る。 紙や すり を こする音は白色 雑 音に近 く,
普通に は楽 音とは別 の雑 音と して処 理 さ れ る は ずの 音で あ るが,
リ ズ ム を刻 むことに よっ て 音楽の一
部と して処理 さ れ る。 ま た,
ア ンダー
ソ ン の 「タ イ プ ラ イ ター
」で は,
タ イ プ ラ イ ター
を 打っ 音やマー
ジンのベ ル の音,
キ ャ リッ ジ リ ター
ンの 音が楽 音と して使わ れて い る。
Sasaki
(1980)は,
音 楽フ レー
ズ中の一
音を削 除して,
代わ りに雑 音 を 入 れて雑 音の時 間 位 置 を 判 断 する実 験 を 行っ た。
そこ で も,Gregory
の実験 と 同様に雑 音の 時 間 位 置は正 しく判 断さ れ な かっ た。 ア ンダー
ソ ン の紙 や す りと同 様の 音であ りな が ら,
楽 音と は知覚さ れ ない た め 時問 関 係の判 断が で き な く なっ たの で あ る。
こ の実験で は,
実 際に は削 除さ れて存 在し ないはずの楽 音が知 覚 的 に復 元されて い る。
これは楽 音 復 元 効 果と い う知 覚 現 象で あ り
,
連 続聴効果 (auditory continuity effect)や音素復元 効 果〔phQnemic restoration )と と もに
,
聴 覚 誘 導 (auditoryinduction
)と呼 ば れてい る(Warren ,1970
)c 連続 聴効果で は,
二っ の音が時間的に隣接して交替する 系 列に おい て,
大きい音が小さ い音の開 始 部と終 了 部を マ ス ク していて,
小さい音の興 奮パ タンが大 きい音の興 奮パ タ ンに含ま れて い ると き,
小さい音が断 続して い る とい う手が か り がな くな り,
連 続 した音と聞こえ る。
音 素 復 元 効 果と楽 音 復 元 効果で は,
削 除 し た音 素や楽音の 代わ りに雑 音 を挿 入 する こ とにより,
音が欠 落 して い る こ と を示 す 知 覚 的 証 拠 をなく して い る。
聴 覚 系は,
ボ ト ム ア ッ プ処理によっ て提 供 さ れ る 材 料 を用い て,
よ り 蓋 然 性の高い知 覚 的 解 決を選 択してお り,
そ こ には トッ プ ダウ ン処理が 深 く関わ っ て い る。
知 覚 的 復 元にっ い ては
,
よ り示 唆的な現象がRemijn ,
Nakajima,
&Tanaka
(2007)に よ っ て報 告されて い る。
Figure 5 の よ うに長 い上昇の グライ ド音と短い下降の グライ ド音が交差す る よ う な刺 激におい て,
交 差 部に短い空 隙 を 設 けると,
空 3000 oo15ハ
N ; あ o 匚 o コ ロ Φ 虚 ア50 TlmeFigure 5
.
An i1[ustration of a shared−
gap stim−
ulus pattern
.
A long ascending glide and ashort
descending
gtide cross each other.
Atthe crossing point
,
a50−
ms gapis
sharedby
both g!
ides.
隙は短い グラ イド音に の み聞こえ る とい うの で あ る。 す な わ ち,
短い グ ラ イ ド盲は途 切 れて 聞こ え る が,
長いグ ライ ド音は途 切れ ずに連 続して聞こえ る。
これは,
知覚 的 復 元が単にマ スキン グ と同 様の刺 激 事 態で あ り,
実 際 の マ スキ ングと知 覚 的に区 別で きな い か ら とい う わ けで は な く,
音 要 素の組み換え や 知 覚 的属 性の帰 属な ど,
高 度な能 動 的 知 覚 処 理に よっ て生 じて いること を示す もの で あ る。
以上,
聴 覚の知覚的 体制化にっ い て音 楽との関連で紹 介 して き た が,
こ こ で紹 介し た現 象以外に も,
音 階 錯 覚 (Deutsch,1975
)や無 限 音階 (Shepard,1964
)な ど,
音 楽に関わるおもしろ い聴 覚 現 象がい くっ か報 告されて い る。
こ の よ うな積み重ね に よ り,
音 楽と聴 覚の知 覚 的 体 制 化に関わ る研 究は今 後さ ら に進む もの と期 待さ れ る。 引 用文 献
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丿b
〃 辮 α‘0ゾ伽 オCOπ5 ’ゴ副SOO
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