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本日の報告内容 1. はじめに 調査の背景 調査項目 2. 中国の石炭関連政策の動向 PM2.5 対策 ( 環境対策 ) 石炭消費量抑制方針 石炭取引の市場化改革など 3. 中国の石炭需給の現状 2013 年までの需給動向 4. 中国の石炭需給の将来見通し 2040 年までの需要予測 需給バランス予

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(1)

中国における石炭需給動向と見通し

及びその影響調査

平成25年度JOGMEC石炭開発部調査事業成果報告会

海外炭開発高度化等調査

平成26年6月6日

(2)

1

本日の報告内容

1. はじめに

調査の背景、調査項目

2.中国の石炭関連政策の動向

PM2.5対策(環境対策)、石炭消費量抑制方針、石炭取引の市場化改革など

3.中国の石炭需給の現状

2013年までの需給動向

4.中国の石炭需給の将来見通し

2040年までの需要予測、需給バランス予測(全国、地域別)

5.本調査の需給予測結果と世界への影響に関する考察

(3)

1.はじめに (1)調査の背景

2012年後半より、中国の石炭産業を取り巻く環境が大きく変化

◆「石炭産業の黄金の10年」が終焉

◆ 2002年~2011年⇒石炭の需要増、価格高騰、4兆元の景気刺激策効果

◆ 2012年後半以降⇒「4降5昇」と表現される厳しい状態

4つの下降=消費量、価格、投資、企業利益 5つの上昇=生産量、輸入量、在庫、生産コスト、売掛金

◆新たな課題への対応

◆ PM2.5問題を始めとする環境汚染問題の解決

◆エネルギー構造調整(非化石エネルギー比率の引き上げ)

◆石炭価格制度改革が本格化(発電用炭の自由契約制度等)

◆中国の石炭企業や石炭関連産業の構造問題が顕著に

◆石炭多消費産業の生産能力過剰、設備稼働率の低さ

(2013年の石炭生産能力の過剰は、推定8.2~10億トン)

⇒しかし、石炭輸入量は拡大し続けている

(出所)新聞網など

(4)

3

1.はじめに (2)調査報告書の構成

序 章 調査の背景(2012年後半以降の中国石炭産業の窮状)

第1章 中国の石炭関連政策の動向

第2章 中国の石炭価格制度改革の現状と課題

第3章 中国の石炭需要の推移と現状

第4章 中国の石炭の生産、開発、輸出入及び企業経営の動向

第5章 中国による外国炭の供給確保の動向

第6章 中国全体の石炭需給の予測

第7章 中国の地域別石炭需給の予測

第8章 中国の石炭需給の課題及び日本や世界の石炭供給への影響分析

(5)

2.中国の石炭関連政策の動向

(1)2013年~2014年の新政策

「大気汚染防止行動計画」(2013年9月)

⇒深刻化する大気汚染問題の解決を急ぐ (一次エネルギー消費に占める石炭比率の抑制、都市部の小型石炭焚ボイラーの廃止と天然ガス等の代 替エネルギーへの転換、老朽化生産設備の廃棄等)

◆一次エネルギー総消費量に占める石炭比率を

65%以下に引き下げ

⇒目標達成時期の設定が二転三転 「エネルギー発展の第12次5ヵ年計画」(2013年1月)では2015年 「大気汚染防止行動計画」(2013年9月)では2017年 「エネルギー工作会議」(2014年1月)では2014年中

◆輸出税撤廃、低品位炭の輸入規制に関する検討

◆石炭企業救済の観点からも検討されたが、発電企業が猛反発 ◆結局、2014年もゼロ関税政策をとる方針 2013年12月、財政部は「2014年関税実施方案」を下達)

◆産炭地での石炭由来

SNG事業、UHV長距離送電ルート敷設

◆都市部の石炭消費量抑制により必要となる代替エネルギーを開発 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 石炭 石油 天然ガス 水力・原子力・風力 百万toe 中国の一次エネルギー消費の推移 (出所)「中国エネルギー統計年鑑」各版より作成

(6)

5

「大気汚染防止行動計画」の骨子

<主な目標>

10ヵ条の措置と35項目の細則

2017年までに全国の地区級市以上の都市で、吸入可能な粒子物の濃度を2012年比で10%以上引き下げる。 ◆大気優良日数を年々増やす。 ◆北京・天津・河北地区の微小粒子状物質の濃度を25%、長江デルタ地区では20%、珠江デルタ地区では15% 引き下げる。特に、北京市では微小粒子物の年平均濃度を60μg/m3前後に抑制。

<石炭消費に直接関連する措置>

◆経済構造の転換、2017年までに一次エネルギー消費に占める石炭比率を65%以下に抑制。 PM2.5及びPM10対策として、都市部の小型石炭焚ボイラーを廃止し、天然ガス、電力、集中式熱供給に 転換。 ◆エネルギー多消費産業の生産能力拡張を厳しく規制し、老朽化した生産設備を廃棄。2015年までに、銑鉄 1,500万トン、粗鋼1,500万トン、セメント1億トン、板ガラス2,000万重量箱の生産能力を削減。 ◆クリーン・コールの利用促進。選炭率の70%以上への引き上げ。 ◆山元石炭火力発電の開発、長距離UHV送電線の敷設。 ◆小規模炭鉱(郷鎮炭鉱)の閉鎖。低品位炭の輸入規制の検討。 ◆石炭総量規制。2017年に「目標責任管理制度」導入。環境保護部が各地方政府と「目標責任書」を締結。

2.中国の石炭関連政策の動向

(1)2013年~2014年の新政策

(7)

◆天然ガス供給計画

発改委は「天然ガスの安定供給体制確立に関する若干の意見」 を2014年4月14日付で下達。

注目すべきポイントは以下の通り。

2020年の天然ガス供給能力は4,000億m

3

以上(可能な限り4,200億m

3

)を目指す。

「大気汚染防止行動計画」の方針に従い、2020年までに「煤改気」(石炭ボイラーの天然ガス用

への改修・転換)プロジェクトにおける天然ガス消費量1,120億m

3

を確保する。

天然ガス、特にシェールガス等の非在来型石油ガス資源の探査・開発に対する政策支援を強

化し、石炭ガス化モデル事業を合理的に推進する。

(出所)中国政府網 2014年4月23日 http://www.china5e.com/news/news-867404-1.html (ニュース概要の日本語翻訳)弊所ウェブサイト http://www.asiam.co.jp/images/common/news02.jpg

2.中国の石炭関連政策の動向

(1)2013年~2014年の新政策

(8)

7

2.中国の石炭関連政策の動向

(2)石炭取引の市場化改革

①発電用炭の自由契約制度開始(1)

◆中国炭の価格変動と価格競争力

2012年後半より中国炭の価格が大幅下落

◆環渤海一般炭総合平均価格(5,500kcal/kg) ⇒2011年817元(129.7ドル)、2012年707元(112ドル)、 2013年590元(96.8ドル) ◆原料炭もほぼ同様に下落傾向

◆東南沿海部では価格競争力で輸入炭に歯が立たず

◆特に一般炭への影響が大きい 例)2013年末の秦皇島~広州港の海上輸送費を61.1元/トン(10ドル)として比較 ・広州港の中国産炭(5,500kcal/kg)の荷揚価格=651.1元/トン(106.8ドル) ・豪州産一般炭の広州港着価格(CIF価格)=604.9元/トン(99.2ドル) ※豪州産輸入炭の方が、トン当たり46.2元/トン(7.6ドル)も安い

◆中国炭の価格競争力を削いでいる主な要因

◆石炭企業に対する様々な課徴金(一部は「乱収費」と呼ばれる不合理な費用徴収) ⇒中国の報道によると、少なくとも109項目の税金や費用、企業収益の25~30%を占める

◆中国の石炭価格が長年にわたり市場から隔離されてきた結果。価格競争力向上は容易でない。

環渤海一般炭総合平均価格(5,500kcal/kg)の過去3年の推移 (出所)秦皇島石炭網のデータをもとに作成

(9)

①発電用炭の自由契約制度開始(

2)

◆発電用炭の価格制度改革の経緯

1993年以前は石炭部と国家計画委員会が価格決定 1993年以後は「二重価格制度」を実施 ①発電用炭の重点契約に対する国家指導価格 ②市場価格 ⇒「社会の安定維持」を最優先し、二重価格制度を維持 ⇒石炭企業か発電企業に不利となる矛盾した制度 ⇒石炭価格の大幅下落や輸入炭急増により、制度矛盾が益々顕在化

「発電用石炭の市場化改革に関するガイドライン」(2012年末)

※2013年より 重点契約、発電用炭の二重価格制度を廃止 ⇒2014年用発電用炭の商談会は電力企業の買い手市場 ⇒目標は2年以上の長期締結。現状は四半期ごとの短期契約。 (市場価格の変動リスクに対する懸念が払拭しきれていない)

中国の石炭価格形成史の5段階区分 (出所)各種資料より作成 (出所)China Daily

2.中国の石炭関連政策の動向

(2)石炭取引の市場化改革

(10)

9

②石炭取引センターの開設

◆設立目的

・ローカルエリアの石炭価格を反映した取引を実現 (環渤海一般炭総合平均価格に対抗) ・オープンかつ公正な石炭価格の形成

◆特徴

・様々な形態の現物取引(商談会、価格競争等) ・オンライン受発注システム ・石炭価格や関連政策等の情報発信

◆設立の根拠

・「石炭産業の健全な発展を促すことに関する国務院の意見」 (2005年)

全国のセンター数

2013年末時点で31センター(中国石炭工業協会) 2013年12月、6大センターが山西・太原で商談会を共催

◆現状と課題

・中国(太原)石炭取引センターが最大 ・将来的には全国センターの設立を目指す? 612 530 631 559 497 451 454 400 450 500 550 600 650 環渤海一般炭総合平均価格(5,500kcal/kg) 中国太原一般炭取引価格指数(5,500kcal/kg) 単位:元/トン 中国太原一般炭取引価格指数と環渤海一般炭総合平均価格 の比較(2013年) (出所)秦皇島石炭網及び中国(太原)石炭取引センターのデータより作成 6大石炭取引センター (出所)各センターのウェブサイト

2.中国の石炭関連政策の動向

(2)石炭取引の市場化改革

石炭取引センター名 所在地(設立時期) 中国(太原)石炭取引センター 山西・太原(2007年10月) 秦皇島海運石炭取引市場 河北・秦皇島(2007年6月) 内モンゴル石炭取引センター 内モンゴル・オルドス(2009年9月) 徐州華東石炭取引市場 江蘇・徐州(2012年10月) 陝西石炭取引センター 陝西・西安(2010年11月) 北東アジア石炭取引センター 遼寧・大連(2010年7月)

(11)

③商品取引所での石炭先物取引開始

◆目的

◆オープンで公正な価格形成、リスクヘッジ機能等 ◆国有系企業が多い現物取引市場の構造調整 ◆現物と先物の両市場を活用して利益確保(目標)

◆大連商品取引所

(Dalian Commodity Exchange, DCE) ◆コークス先物 2011年4月15日

◆原料炭先物 2013年3月22日

◆ 鄭州商品取引所

(Zhengzhou Commodity Exchange, ZCE) ◆一般炭先物 2013年9月

◆ 現状と課題

◆初年度は多くの企業(石炭、発電)が模様眺め ◆石炭・電力企業で先物取引に精通した人材の育成が必要 ◆業績考課の厳しい国有企業がどの程度参加するかは不透明 ZCEの一般炭先物と秦皇島港一般炭(5,500kcal/kg) の価格推移 ZCE一般炭先物の受け渡し月決済価格 秦皇島港一般炭(5,500kcal/kg)FOB価格 元/トン (出所)ZCEの「マンスリーレポート」2014年第1期 DCEの原料炭先物の終値と 京唐港の河北産原料炭の荷揚価格 DCE原料炭先物の終値 京唐港の河北産原料炭(A10%,V24%,<0.8%S,G80)荷揚価格 (出所)DCE「大連先物市場マンスリーレポート」2013年第12期

2.中国の石炭関連政策の動向

(2)石炭取引の市場化改革

(12)

11

◆中国の一次エネルギー及び石炭の消費状況、世界との比較

2013年の一次エネルギー消費量は26.3億toe(2000年の2.6倍)

2013年の石炭消費量は17.5億toe(2000年の2.5倍)、一次エネルギー消費量の66.6%

2013年の石炭生産量は36.8億トン(2012年比0.8%増)(中国統計速報)

2012年の石炭消費量は世界全体の50.2%、石炭生産量は世界全体の47.5%を占め、CO

2

出量は日本の6.5倍以上、アメリカの1.6倍(BP統計)

◆中国の石炭需給は世界のエネルギー需給や価格に大きな影響を及ぼす

◆日本のエネルギー安全保障上も中国の受給動向の把握が重要

(出所)中国統計年鑑より作成 (出所)BP統計より作成 世界の石炭消費の推移 中国のエネルギー別消費量の推移

3.中国の石炭需給の現状 (1)消費動向

(13)

3.中国の石炭需給の現状 (1)消費動向

◆2012年の中国の石炭消費量

◆ 2012年の石炭消費合計は38億トン

(対前年比5.4%増だが2010年以降で最低の伸び)

⇒うち、

・転換部門の石炭消費は26.5億トン(69.8%)

・最終消費は11.4億トン(30.1%)

・統計誤差は513万トン(0.1%)(本調査の推計)

◆転換部門の石炭消費では、発電用が17.9億トンで

転換部門全体の67.3%を占める(中国エネルギー統

計をもとに再計算)

◆最終消費では、製造業が9.6億トンで、最終消費全

体の83.8%を占める

◆ 天然ガス利用促進により、家庭部門の消費は低下

(出所)中国エネルギー統計年鑑 中国の石炭消費の推移 (出所)中国エネルギー統計より再計算 (注)石炭の発熱量は5,000kcal/kg計算、鉄鋼業の石 炭消費にはコークスの消費を含まない。 転換部門の石炭消費構成(2013年)

(14)

13

3.中国の石炭需給の現状 (1)消費動向

◆省・直轄市・自治区別の消費量

2012年の消費量

1位:山東(4億233万トン)、2位:内モンゴル(3億6,620万トン)、3位:山西(3億4,551万トン)

◆中国統計の問題点

地域別石炭消費量の合計値と全国統計が一致しない、重複計算、数字の誤差が大きい。

◆北京の消費量は2005年以降減少 ⇒ しかし、PM2.5問題は深刻化

なぜ? ⇒ 周辺地域(内モンゴル、河北、山西)で消費量が大幅増

地域別の石炭消費量の推移 (出所)エイジアム研究所作成 地域別の石炭消費と面積当たりの石炭消費 (出所)中国エネルギー統計年鑑

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3.中国の石炭需給の現状 (1)消費動向

◆石炭消費量の炭種別構成(

2012年)

◆石炭総消費量に占めるシェア

一般炭72%、原料炭14%、無煙炭14%、褐炭11%(推計)

◆一般炭消費量の産業別構成(

2012年)

◆石炭多消費産業(4大産業)の消費量とシェア

電力16.9億トン(55%)、建材6.3億トン(20%)、石炭化学1.1億トン(4%)、鉄鋼0.7億トン(2%)

(出所)「中国エネルギー統計年鑑」各版より作成 電力 55% 建材 20% 石炭化工 4% 鉄鋼 2% その他 19% 一般炭消費量の産業別構成(2012年)(万トン) 順番 地区 消费量 シェア% 順番 地区 消费量 シェア% 1 江蘇 17,983 9.7 16 上海 4,322 2.3 2 山東 14,872 8.0 17 黒龍江 3,744 2.0 3 広東 14,019 7.6 18 湖北 3,651 2.0 4 内モンゴル 13,686 7.4 19 湖南 3,636 2.0 5 河南 11,868 6.4 20 甘粛 3,518 1.9 6 山西 11,740 6.3 21 広西 3,087 1.7 7 浙江 10,854 5.8 22 江西 2,984 1.6 8 河北 10,746 5.8 23 四川 2,876 1.6 9 安徽 8,085 4.4 24 天津 2,867 1.5 10 遼寧 6,282 3.4 25 吉林 2,793 1.5 11 陜西 5,522 3.0 26 雲南 2,298 1.2 12 福建 5,478 3.0 27 重慶 1,661 0.9 13 貴州 5,023 2.7 28 北京 1,387 0.7 14 寧夏 4,680 2.5 29 海南 877 0.5 15 新疆 4,425 2.4 30 青海 564 0.3 全土 185,548 100.0 2012年の省・直轄市・自治区の発電用石炭消費量(万トン) (出所)「中国エネルギー統計年鑑」各版より作成

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◆中国の石炭産業や石炭関連産業の構造問題

⇒石炭、鉄鋼、セメント産業では、生産量や生産能力の過剰が深刻

2013年の石炭生産能力の過剰は、推定8.2~10億トン。

2013年の粗鋼生産量は7.8億トン(日本の1.1億トンの7倍以上、世界全体の48.5%)

2000~2013年の粗鋼生産量の年平均伸び率は14.9%(日本は0.3%、中国を除く世界全体で

1.1%)(World Steel Association)

2013年のセメント生産量は24.1億トン(2012年比で2億トン増加)

2012年のセメント生産量は世界全体の58.4%

生産能力 生産実績 過剰能力 石炭(億トン) 45 36.8 8.2 粗鋼(億トン) 12 7.8 4.2 セメント(億ン) 35 24.1 10.9 板硝子 (億重量箱) 12 7.1 4.9 (注)2012年及び2013年のデータをもとに作成 (出所)各種資料より作成 石炭、粗鋼、セメント、板硝子の過剰生産能力

出所:World Steel Association

中国と日本及び世界の粗鋼生産量の比較

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3.中国の石炭需給の現状 (2)生産動向

◆全国生産量

◆ 2013年の生産量は36.8億トン (2012年比3,500万トン増) ◆対前年比伸び率は1.0%(2005年以降で最低)

◆地域別生産量

◆ 2012年及び2013年の地域別生産量トップ3 ◆2012年はこの 3省・自治区で全国生産量の58.2%を占めた ◆近年は生産拠点が「三西」地区(山西、陝西、内モンゴル西部)から西北地域(特に新疆)へ移行 2012年 (億トン) 2013年 (億トン) 1 内モンゴル 10.4 9.94 2 山西 9.1 9.6 3 陝西 4.7 4.93 全国生産量 36.5 36.8 (出所)中国統計年鑑(2013)及び中国国家統計局の統計公報より作成 23.5 25.3 26.9 28.0 29.7 32.4 35.2 36.5 36.8 17.9 7.6 6.5 4.1 6.1 8.8 8.7 3.7 1.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 % 億トン 生産量(左軸) 伸び率(右軸) 中国の石炭生産量と伸び率の推移 (出所)中国統計年鑑(2013年版)及び中国国家統計局の統計公報より作成

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17

3.中国の石炭需給の現状 (2)生産動向

◆新規炭鉱の開発計画

◆第12次計画期に7.4億トン/年を開発予定 6割以上が西部地域(特に内モンゴル、新疆)に集中

◆小規模炭鉱(郷鎮炭鉱)の閉鎖計画

◆2015年末までに全国で小規模炭鉱を2,000ヵ所以上閉鎖 、生産能力30万トン/年以下の炭鉱の新規建設禁止

◆国有電力5社の発電用炭の生産量・石炭自給率の

向上

◆2015年の石炭生産量は4.2億トンに達し、石炭自給率は 38.6%(2010年は18.8%)に向上する見込み

◆輸送インフラ強化

◆2013年の鉄道輸送量は23.2億トン、2015年の鉄道輸送 能力を30億トンに引き上げる方針

◆石炭生産企業の経営状況

◆2012年の上場31社の純利益は合計968億元(前年比 6.6%減) 箇所 年間生産量(万トン) 箇所 年間生産量(万トン) 箇所 年間生産量(万トン) 河北省 333 1,100 250 900 60 600 山東省 0 500 安徽省 110 440 80 400 20 200 河南省 535 6,500 400 5,700 200 3,000 山西省 283 3,000 陝西省 247 6,000 150 2,500 内モンゴル自治区 8 1,000 寧夏回族自治区 40 500 30 400 遼寧省 460 1,500 300 1,000 100 700 吉林省 185 1,800 150 1,500 80 800 黒龍江省 726 3,200 600 3,000 220 2,200 福建省 268 2,000 230 2,000 130 1,000 江西省 493 2,000 400 2,000 200 1,500 湖北省 398 1,400 300 1,200 150 600 湖南省 1,007 6,100 800 5,500 400 3,000 広西チワン族自治区 39 200 30 200 15 100 重慶市 702 3,000 600 3,000 200 1,200 四川省 1,278 5,800 900 5,500 400 2,500 貴州省 1,246 11,250 800 10,000 355 6,000 雲南省 1,025 7,500 700 7,500 350 5,000 甘粛省 200 2,000 130 1,000 50 500 青海省 38 210 30 200 20 300 新疆ウイグル自治区 271 3,000 120 1,500 50 800 総計 9,892 70,000 7,000 55,000 3,000 30,000 2015年(計画) 2020年(予測) 地域 2010年(実績) 2015年及び2020年の小規模炭鉱数(計画値と予測値) 「石炭産業発展の第12次5ヵ年計画の重点課題に関する研究」より作成

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3.中国の石炭需給の現状 (3)輸出入動向

2013年の輸出入量

輸入量:前年比13.4%増の3.27億トン(褐炭含) 輸出量:前年比19.0%減の751万トン(褐炭含)

◆主な輸入相手国

◆一般炭=豪州、インドネシア ◆原料炭=豪州、モンゴル(近年、カナダ、米国も増) ◆無煙炭=北朝鮮、ベトナム、ロシア ◆褐炭=インドネシア、フィリピン、モンゴル

◆主な輸出相手国

◆一般炭=韓国、日本、台湾 ◆原料炭=韓国、日本、北朝鮮 ◆無煙炭=韓国、日本 ◆褐炭=北朝鮮、ミャンマー 中国の石炭輸入量の推移 中国の石炭輸出量の推移 内訳 輸入量 (万トン) 一般炭 5,341 原料炭 7,542 無煙炭 3,965 褐炭 5,979 その他 9,880 内訳 輸出量 (万トン) 一般炭 339 原料炭 111 無煙炭 259 褐炭 4.1 その他 37.9 (出所)「中国エネルギー統計年鑑2013年版」及び国家統計局の速報値 212 249 1,081 1,110 1,861 2,617 3,811 5,102 4,034 12,584 16,310 18,210 28,841 32,708 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 万トン (出所)「中国エネルギー統計年鑑2013年版」及び国家統計局の速報値 5,505 9,012 8,384 9,403 8,666 7,172 6,327 5,317 4,543 2,240 1,910 1,466 928 751 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 万トン

(20)

19

3.中国の石炭需給の現状 (4)需給の現状

◆石炭需給の現状

◆中国エネルギー統計年鑑の石炭需給バランス表

・2000年~2012年の石炭最終消費の年平均伸び率は3.8%、2000年~2005年は6.2%、2005年~2010 年は2.3%、2010年~2012年は1.6%(伸び率が年々低下) ・2005年以降、工業部門(石炭最終消費で消費が最大)でも石炭消費量の伸びが低下 ・石炭需給誤差は年々拡大(2012年の部門別の石炭消費は石炭供給より2.7億トン少ない)

◆本調査で作成した最終石炭消費の推移

・中国の全国石炭統計をもとに一部元データの統計ミスを調整・修正した上で作成 ・2012年の石炭最終消費は11.4億トンで、中国の石炭需給バランス表の8.7億トンより約2.7億トン多い。 2000 2005 2010 2012 05/00 10/05 12/10 12/00 国内供給 136,795 226,941 329,772 380,033 10.7 7.8 7.4 8.9 生産 138,419 234,952 323,500 364,500 11.2 6.6 6.1 8.4 輸入 218 2,617 16,310 28,841 64.4 44.2 33.0 50.2 輸出 5,507 7,172 1,910 928 5.4 -23.2 -30.3 -13.8 在庫 3,665 -3,455 -8,127 -12,380 - - - -転換部門 85,179 156,232 227,684 265,281 12.9 7.8 7.9 9.9 火力発電 55,811 103,263 154,542 178,531 13.1 8.4 7.5 10.2 熱供給 8,794 13,542 15,253 20,251 9.0 2.4 15.2 7.2 コークス生産 16,496 33,167 47,150 54,068 15.0 7.3 7.1 10.4 石炭液化 0 0 213 378 - - - -都市ガス 960 1,277 1,040 799 5.9 -4.0 -12.4 -1.5 自家消費とロス 3,117 4,982 9,485 11,254 9.8 13.7 8.9 11.3 最終消費 55,913 75,383 84,351 87,056 6.2 2.3 1.6 3.8 農業・林業・水産業 933 1,514 1,711 1,766 10.2 2.5 1.6 5.5 工業 42,628 59,025 68,146 70,123 6.7 2.9 1.4 4.2 建築業 537 604 719 753 2.4 3.6 2.4 2.9 輸送・郵政・倉庫 882 811 639 614 -1.7 -4.7 -2.0 -3.0 商業 1,315 1,674 1,970 2,362 5.0 3.3 9.5 5.0 家庭 8,457 10,039 9,159 9,153 3.5 -1.8 -0.0 0.7 その他 1,161 1,716 2,007 2,283 8.1 3.2 6.7 5.8 誤差 -4,297 -4,673 17,737 27,696 - - - -実績 (万トン) 年平均伸び率 (%) 項目 中国の石炭需給バランス表 (出所)中国統計出版社「中国エネルギー統計年鑑 各年版」より作成 2000 2005 2010 2012 最終石炭消費 63,373 89,515 106,361 114,239 産業部門計 51,558 75,274 92,586 99,826 農林漁業 933 1,514 1,711 1,766 鉱業 1,638 1,297 1,495 1,597 建築業 537 604 719 753 製造業計 48,450 71,860 88,662 95,709 食料品 3,054 3,207 3,703 3,787 繊維 1,859 2,898 2,927 2,374 製紙 2,160 3,506 4,344 4,583 化学工業 10,891 15,138 16,895 20,103 窯業 13,805 20,036 23,509 24,814 鉄鋼 12,342 21,294 28,222 30,296 非鉄金属 1,513 2,488 5,715 6,411 金属機械 272 338 316 360 その他 2,554 2,954 3,031 2,982 民生部門計 9,772 11,713 11,129 11,515 家庭用 8,457 10,039 9,159 9,153 業務用 1,315 1,674 1,970 2,362 輸送部門 882 811 639 614 その他 1,161 1,716 2,007 2,283 項目 最終石炭消費の推移(万トン) (出所) 「中国エネルギー統計年鑑 2013」をもとに作成

(21)

3.中国の石炭需給の現状

(5)中国企業の海外での石炭権益獲得

①2013年までに中国が海外で獲得した石炭開発プロ ジェクト ◆ 65ヵ所、投資金額は計70億ドル、石炭可採埋蔵量は400 億トン以上 ◆うち、生産している炭鉱は11ヵ所、石炭可採埋蔵量は55 億トン、年間生産量は5,000万トン以上 (以上、中国の情報による) ②海外での中国の石炭供給確保の手段 1)中国企業による外国における炭鉱権益獲得 2)中国企業による外国企業との石炭供給契約 3)中国政府の外国に対する「融資買炭」政策に基づく石炭 の開発・輸入 ③炭鉱権益獲得件数が多い中国企業(全73件中) 1) 兗州集団(Yankuang Group;14件) 2) 中国中信集団(CIIC;11件) 3) 中国投資公司(CIC;9件) 4) 義馬煤業(Yima Coal;8件) ④獲得炭鉱件数が多い国(全73件中) ◆ 豪州(49件)、カナダ(7件)、モンゴル(6件)、インドネシア (5件)、米国(5件)、ロシア(1件) ◆兗州集団、中国中信集団、義馬煤業は全獲得炭鉱が豪 州にある ◆獲得炭鉱全73件中、生産が行われているのは21件( 豪州 カナ ダ モンゴ ル イン ドネシ ア 米国 ロシ ア 計 <石炭> 10;27 1;2 0;1 1;1 0;1 12; 32 兗州集団(Yankuang Group) 9;14 9; 14 永暉焦煤(Winsway Coking) 1;1 0;1 1;2 神華集団(Shenhua Group ) 0;1 1;1 0;1 1;3 中国中煤(China National Coal) 0;1 0;1 開灤集団(Kailuan Group) 0;1 0;1 山東能源(Shandong Energy) 1;3 1;3 義馬煤業(Yima Coal) 0;8 0;8 <鉄鋼> 0;4 0;1 0;5 宝鋼集団(Baosteel Group)* 0;4 0;4 首鋼集団(Shougang Group) 0;1 0;1 <電力> 1;2 1;4 0;0 2;6 広東粤電(Guangdong Yudean) 1;1 1;1 2;2 中国大唐(China Datang) 0;3 0;3 中国華能(China Huaneng)** 0;0 0;0 中国電力投資(China Power) * 0;1 0;1 <金融・投資> 3;13 3;4 1;5 7; 22 中国中信集団(CITIC Group) 2;11 2; 11 中国投資公司(CIC)*** 3;4 1;5 4;9 広東広晟(Guangdong Rising) 1;2 1;2 <その他> 0;3 0;0 0;5 0;8 中国鋁業(Chinalco)** 0;0 0;0 貴州国創(Guizhou Guochuang) 0;5 0;5 中冶集団(Metallurgical Group)* 0;1 0;1 大地工程(Dadi Engineering) 0;2 0;2 計 14;49 4;7 2;6 1;5 0;5 0;1 21; 73 中国企業による外国の炭鉱権益獲得の現状(企業別・国別)

(22)

21

本調査の予測手法

1)中国のエネルギー専門家に対するヒアリング、各地の石炭開発計画の検討

2)国内および国際専門機構(経済、エネルギー)の予測の前提条件の検討

3)計量経済と電源開発最適計画モデルの利用、石炭多消費産業の石炭消費原単位の推定など

4)シナリオの設定と検討(非化石エネルギー拡大、天然ガス利用拡大、石炭依存)

本調査の予測に使用したデータや情報

1)中国の公式統計データ(1995~2012年)

2) 調整した各地域の統計データ(全国統計との整合性をとるため)

3)日本の粗鋼、セメント、石炭火力発電などの石炭消費原単位

予測の前提条件

1)2012~2040年の世界のGDPの年平均成長率を2.1%に設定

2)IEAの石油、天然ガス価格予測結果

3)中国の炭鉱開発、天然ガス利用・導入計画、石炭多消費産業の将来発展計画、省エネ計画、

環境汚染防止行動計画などの実施

4.中国の石炭需給の将来見通し

(1)本調査の需給予測(前提条件)

(23)

22

①電力産業の石炭需要予測

2040年の石炭火力発電は4.7兆kWh~6.3兆kWh。石炭消費は20.9~28.2億トン(5,000kcal/kg換算)

②鉄鋼・セメント産業の石炭需要

2040年の粗鋼生産は6.8億トンで、2012年より減少し、 石炭消費は2.8億トンと予測。 2040年のセメント生産は約20億トンで、2012年の 22.1億トンより減少し、石炭消費は2億トン前後と予測。

③家庭部門の石炭需要

2040年の家庭部門の石炭消費は天然ガスの導入に より、2012年の9,153万トンから減少して3,423万 トンになると予測。

④その他部門の予測結果は報告書を参照

4.中国の石炭需給の将来見通し

(1)本調査の需給予測(中国全体)

実績 2012 2020 2030 2040 2020 2030 2040 2020 2030 2040 石炭火力発電 億kWh 36,771 45,482 49,181 46,509 46,938 57,617 58,125 47,777 58,189 62,782 石炭消費 万toe 89,266 103,295 111,110 104,523 106,601 130,168 130,628 108,506 131,459 141,094 石炭消費原単位 goe/kWh 228 227 226 225 227 226 225 227 226 225 原炭消費 万トン 178,531 206,590 222,219 209,047 213,203 260,336 261,256 217,012 262,918 282,188 (5,000kcal/kg) 省エネ強化 石炭消費原単位 goe/kWh 228 218 208 203 218 208 203 218 208 203 石炭消費 万toe 83,838 99,151 102,297 94,414 102,325 119,844 117,993 104,153 121,033 127,447 省エネ効果 万toe 5,428 4,144 8,812 10,110 4,277 10,324 12,635 4,353 10,426 13,647 項目 単位 非化石エネルギー 天然ガス拡大 石炭依存 電力産業の石炭需要予測 実績 伸び率% 2012 2020 2030 2040 40/12 粗鋼生産 万トン 72,388 82,656 79,458 68,028 -0.2 石炭消費 万toe 15,148 17,027 16,249 13,762 -0.3 原料炭 11,492 12,301 11,090 9,389 -0.7 無煙炭 3,656 4,726 5,159 4,373 0.6 石炭消費原単位 kgoe/トン 209 206 205 202 原炭換算 万トン 30,296 34,054 32,498 27,524 -0.3 原料炭 万トン 22,983 24,602 22,180 18,779 -0.7 無煙炭 万トン 7,313 9,452 10,318 8,745 0.6 セメント生産 万トン 220,984 232,750 216,992 179,886 -0.7 石炭消費 万toe 14,231 14,035 12,672 10,110 -1.2 石炭消費原単位 kgoe/トン 64.4 60.3 58.4 56.2 -0.5 原炭換算 万トン 28,463 28,070 25,345 20,219 -1.2 項目 単位 予測 (注)原炭は全て5,000kcal/kgに換算 鉄鋼・セメント産業の石炭需要予測

(24)

4.中国の石炭需給の将来見通し

(1)本調査の需給予測(中国全体)

23 ⑤一次エネルギー需要と石炭の役割 2040年の一次エネルギー消費は41億toe~44億toeで、2012年の29.4億toeより12~14億toe前後増 2040年の石炭消費は20~24億toeで、一次エネルギー消費全体の48.5%~54.3%を占める ⑥需給バランス 2040年の石炭(5,000kcal/kg換算)生産能力は 45億トン前後と推定 ◆石炭依存シナリオでは、需要が生産能力を上回り、 石炭輸入が必要になる可能性もあると推定 ◆ただし、実際に輸入が行われるかどうかは、 国内炭の生産・輸送コスト、炭鉱開発に関する政策、 国際市場の石炭需要や石炭販売価格などの動向に左右される 非化石エネルギー拡大シナリオ 1,942 2,094 2,155 2,008 476 589 679 747 164 234 372 504 357 445 671 881 2,939 3,361 3,878 4,140 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 2012 2020 2030 2040 石炭 石油 ガス その他 百万toe 天然ガス拡大シナリオ 1,942 2,127 2,346 2,269 476 589 679 747 164 247 396 595 357 425 586 732 2,939 3,388 4,007 4,342 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 2012 2020 2030 2040 石炭 石油 ガス その他 百万toe 1,942 2,146 2,359 2,373 476 589 679 747 164 234 372 511 357 425 593 737 2,939 3,394 4,004 4,369 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 2012 2020 2030 2040 石炭 石油 ガス その他 百万toe 石炭依存シナリオ 需給 シナリオ 2012 2020 2030 2040 生産能力 36.5 43.4 47.2 45.4 非化石 38.8 41.9 43.1 40.2 天然ガス 38.8 42.5 46.9 45.4 石炭依存 38.8 42.9 47.2 47.5 非化石 ▲ 2.4 1.5 4.1 5.3 天然ガス ▲ 2.4 0.9 0.3 0.0 石炭依存 ▲ 2.4 0.5 0.0 ▲ 2.1 バランス 需要 需給バランス予測

(25)

24

①2040年までの地域別の石炭需要予測

◆華北(北京、天津)、華東(上海)、中南(広東)の主要消費地で は減少するが、産炭地(山西、内モンゴル等)では増加。東北は 2030年頃に需要がピークに達する。 ◆西南では、貴州や雲南で石炭火力発電能力が増強され、2030 年にかけて需要が伸びる。 ◆西北では、新疆等で大型石炭火力発電や石炭由来SNG事業 が推進され、石炭多消費産業の西部移転も進み、需要増となる。

4.中国の石炭需給の将来見通し

(1)本調査の需給予測(地域別)

シナリオ別の地域別石炭需要予測 (単位:億トン) 実績 2012 2020 2030 2040 2020 2030 2040 2020 2030 2040 華北 9.6 11.1 11.7 10.9 10.7 12.9 13.5 11.6 13.0 13.5 東北 3.8 4.1 4.3 4.0 4.2 4.6 4.5 4.3 4.7 4.7 華東 10.3 10.8 10.2 9.1 11.5 10.0 8.3 10.8 10.3 9.7 中南 6.9 7.6 7.9 7.3 7.7 8.5 8.2 7.8 8.5 8.6 西南 3.6 4.0 4.2 3.8 4.1 4.5 4.3 4.1 4.5 4.5 西北 3.9 4.2 4.8 5.1 4.3 6.3 6.5 4.4 6.2 6.4 合計 38.0 41.9 43.1 40.2 42.5 46.9 45.4 42.9 47.2 47.5 地域 非化石 天然ガス拡大 石炭依存 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 華北 東北 華東 中南 西南 西北 2012 2020 2030 2040 億トン 地域別の石炭生産能力の推定 (単位:億トン)

②2040年までの地域別の石炭需給バランス

1)2020年~2040年の中国炭の生産能力の推定 ◆ 2040年までは、2014年と同様なコールフロー(華北と西北の石 炭を華東や中南に移出)が続く。 ◆華北は2020年に21.6億トン(中国全体の49.7%)、2030年に約 23億トン(49.4%)、2040年に23億トン前後(50.7%)で推移。西北は 2020年10億トン前後(23.3%)、2030年約12億トン(25.6%)、2040 年12.5億トン(26.6%)と拡大。沿海地域での減産や産炭地の西部 移転による輸送コスト上昇により、中南や華東では輸入が増える。 2)需給バランス ◆非化石エネルギー拡大シナリオでは、2020年~2040年にかけ て供給が需要を上回る。 ◆天然ガス拡大シナリオでは、基本的に需給バランスが取れる。 ◆石炭依存シナリオでは、2040年時点で華北や西北の石炭移出 可能量が華東、中南、東北、西南などの石炭移入量に及ばなくな り、需給がタイトになる可能性がある。 実績 2012 2020 2030 2040 2020 2030 2040 2020 2030 2040 華北 8.6 10.5 11.6 12.4 10.9 10.4 9.7 10.0 10.3 9.7 東北 ▲ 1.7 ▲ 2.4 ▲ 2.7 ▲ 2.8 ▲ 2.4 ▲ 3.1 ▲ 3.3 ▲ 2.5 ▲ 3.1 ▲ 3.5 華東 ▲ 7.0 ▲ 7.4 ▲ 7.0 ▲ 6.3 ▲ 8.1 ▲ 6.8 ▲ 5.6 ▲ 7.4 ▲ 7.0 ▲ 7.0 中南 ▲ 4.0 ▲ 4.9 ▲ 5.1 ▲ 4.8 ▲ 5.0 ▲ 5.8 ▲ 5.7 ▲ 5.1 ▲ 5.8 ▲ 6.1 西南 ▲ 0.1 ▲ 0.2 0.0 ▲ 0.6 ▲ 0.2 ▲ 0.3 ▲ 1.1 ▲ 0.3 ▲ 0.3 ▲ 1.3 西北 1.5 5.9 7.2 7.4 5.8 5.7 6.1 5.8 5.9 6.2 バランス ▲ 2.4 1.5 4.1 5.3 0.9 0.3 0.0 0.5 0.0 ▲ 2.1 天然ガス拡大 石炭依存 地域 非化石 地域別の石炭生産能力の推定 (単位:億トン)

(26)

25

5.本調査の需給予測結果と世界への影響に関する考察

◆本調査の予測結果と想定される世界への影響

①2020年、2030年頃まではいずれのシナリオでも中国炭の生産能力は需要を上回る

⇒中国の石炭輸送能力問題が解消されれば、石炭輸入量減少や輸出量増加につながり

、国際市場の石炭需給が緩和される可能性がある。

② 2040年になると、石炭依存シナリオで生産能力が需要を下回る

※幾つかの仮説について検討する必要がある。

◆中国で石炭の需要急増や供給不足が生じる可能性も懸念されるが、この場合には、

政府や民間企業が炭鉱開発を行う可能性が高く、石炭需給関係は基本的に緩和に向

かうと予測される。

◆為替レートの変動、生産コストの上昇、生産拠点の西部への移動による輸送コストの

上昇、環境対策費の上昇、天然ガス等の石炭代替エネルギーの利用促進により、沿

海地域での中国炭の価格競争力が今後、更に低下することも想定されるが、その場

合は、中国の石炭輸入量は今後、減少しない可能性が考えられる。

◆ただし、中国の石炭消費量は世界の石炭消費量の半分以上を占めており、中国の石

炭需給の変動が、長期的にも世界の石炭市場に大きなインパクトを与える可能性が

高いことは否定できない。

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