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田中 美吏1)  柄木田 健太2, 3)  村山 孝之4)  田中 ゆふ5)  五藤 佳奈6) 

心理的プレッシャー下でのダーツ課題における

サイズ知覚とパフォーマンス結果

1) 武庫川女子大学健康・スポーツ科学部 〒 663-8558 兵庫県西宮市池開町 6-46 2) 大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科 〒 590-0496 大阪府泉南郡熊取町朝代台 1-1 3) 武庫川女子大学男女共同参画推進課 〒 663-8558 兵庫県西宮市池開町 6-46 4) 金沢大学国際基幹教育院 〒 920-1192 石川県金沢市角間町 5) 近畿大学経営学部 〒 577-8502 大阪府東大阪市小若江 3-4-1 6) 武庫川女子大学短期大学部 〒 663-8558 兵庫県西宮市池開町 6-46 連絡先 田中美吏

1. Department of Health and Sports Sciences, Mukogawa Women’s University

6-46 Ikebirakicho, Nishinomiya, Hyogo 663-8558 2. Graduate School of Sport and Exercise Sciences, Osaka

University of Health and Sports Sciences

1-1 Asashirodai, Kumatoricho, Sennangun, Osaka 590-0496

3. Gender Equality Promotion, Mukogawa Women’s University

6-46 Ikebirakicho, Nishinomiya, Hyogo 663-8558 4. Institute of Liberal Arts and Science, KanazawaUniversity Kakuma-machi, Kanazawa, Ishikawa 920-1192

5. Faculty of Business Administration, Kindai University 3-4-1 Kowakae, Higashi-Osaka, Osaka 577-8502 6. Junir College Division, Mukogawa Women’s University

6-46 Ikebirakicho, Nishinomiya, Hyogo 663-8558 Corresponding author tnk@mukogawa-u.ac.jp

Abstract: Motor behavior couples with several types of environmental information perceived by actors. The

phenomenon by which perceptions are distorted by the psychological state of an actor, including motivation, desire, and anxiety, is known as dynamic perception, and many athletes experience this under the psychological pressure of competition. The effects of pressure on the perception of target size before (pre-performance judgement) and after (post-performance judgement) a dart-throwing task and the relationship between size perception and performance outcome in the task were investigated experimentally. Healthy novice female university students (N =20) participated in the experiment. Pressure manipulations included performance contingent competitive cash rewards and comparative others. The results indicated that psychological and physiological stress responses were successfully induced, as indexed by significant increases in state anxiety and heart rate under pressure. Moreover, there were no significant differences in pre- and post-performance size perception between pressure and non-pressure conditions in all participants. However, participants with reduced throwing accuracy under non-pressure, as compared with non-pressure, perceived the target to be smaller under pressure in post-performance judgement. It is possible that attentional change including conscious processing and distraction, as well as kinematic changes, led to a decrement of motor skills performance that might have caused perceptual distortion under pressure. Exploratory multiple regression analysis to identify factors leading to perceptual distortions of target size under pressure indicated that participants reporting larger trait anxiety judged the target to be smaller in only pre-performance judgement.

Key word: dynamic perception, action-specific perception, stress, choking

キーワード:力動的知覚,行為特定性知覚,ストレス,チョーキング

Yoshifumi Tanaka1, Kenta Karakida2, 3,Takayuki Murayama4, Yufu M. Tanaka5 and Kana Goto6: Size perception and performance outcome in a dart-throwing task under psychological pressure. Japan J. Phys. Educ. Hlth. Sport Sci.

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序 論 プレッシャーとは「高いパフォーマンスを発揮 することの重要性を高める因子」と定義されてお り(Baumeister, 1984),スポーツのパフォーマン スに影響する.正の影響はクラッチ(clutch)(Otten, 2009, 2013),負の影響はチョーキング(choking) (Baumeister, 1984; Masters, 1992)と呼ばれ注 1),そ れらが生じる心理的および生理的要因について複 数の理論や仮説が提唱されている.認知不安,身 体不安,自信の 3 要因とパフォーマンスの関係を 表す多次元不安理論(Martens et al., 1990)や,覚 醒水準とパフォーマンスの関係を表す逆 U 字理 論(Courts, 1942; Malmo, 1959)が例に挙げられ る.心理的要因に関しては,運動遂行時の注意焦 点や注意配分の変化に基づいた理論や仮説も存在 する.プレッシャー下では動作への内的注意が増 し,自動化されたスキルの脱自動化によってパフ ォーマンスが低下することを説明する意識的処理 仮説(Masters, 1992),注意散漫が理由で注意容 量内にスキル遂行に必要な注意資源が不足し,パ フォーマンスが低下することを説明する処理効率 性理論(Eysenck and Calvo, 1992)や注意制御理 論(Eysenck et al., 2007)が提案されてきた.そして, クラッチやチョーキングといったパフォーマンス への影響がこれらの理論や仮説で説明できること を実証する豊富な研究結果が得られている. これらの心理的及び生理的要因とともに,パフ ォーマンスの基となる運動行動は,行為者が外的 環境を知覚し,そこから得られる情報を利用する 中で産出されるため,パフォーマンスには環境の 知覚という要因も関わる.対象の大きさ(サイ ズ),高さ,幅,広さ,位置,傾斜および対象ま での距離といった空間知覚,対象の速度知覚や重 さ知覚,対象とする場の時間知覚などが例に挙げ られる.相手選手のフォームのように,対象のキ ネマティクスもスポーツ選手は知覚する.これら の環境の知覚が,行為者の動機づけ,願望や期待, 緊張や不安などの心理状態によって変化すること は力動的知覚と呼ばれ(加賀,1987),プレッシ ャー下での運動行動においても生じる.チョーキ ングを経験した試合におけるバドミントン選手 は,自陣コートを広く,ネットを高く,さらに は相手の身体を大きく感じたことを回想してい る(村山ほか,2009).さらに,プレッシャーに よって弓道選手は的を遠くに感じ,テニス選手 は相手コートを狭く感じ,野球の投手はストラ イクゾーンが狭く見えることを回答している(兄 井・本多,2013).これらの研究は,スポーツ選 手が経験したことの主観報告に留まっているが, プレッシャーの影響で知覚が変化することを示唆 している.したがって,プレッシャー下における 知覚の変化を調べ,さらにはパフォーマンスとの 関連を明らかにすることで,プレッシャー下での パフォーマンスについて既存の理論や仮説では説 明されていない知覚という新たな観点から理解を 拡げられる. そして近年,プレッシャー下での運動行動に おける力動的知覚の生起の真否を調べる実験研 究が行われ始めている.ゴルフパッティングを 課題に用いた研究では,プレッシャー下でパフ ォーマンスを低下させた実験参加者において, 課題遂行後にカップのサイズを小さく知覚する こ と が 示 さ れ て い る(Gray and Cañal-Bruland, 2015).一方,力動的知覚が生じないことを示す 研究も見られ,プレッシャー下でのゴルフパッ ティングにおいて課題遂行前にカップまでの距 離知覚が変化しないことや(小笠ほか,2016), 射撃課題において射撃のタイミングはプレッシ ャー下で尚早反応を示すが,課題遂行後に判 断した相手までの距離知覚は変化しないこと (Nieuwenhuys et al., 2012)が報告されている.こ のようにプレッシャー下での力動的知覚をテー マとした研究が行われ始めているが,その数は 少なく,研究間での結果も一致していない.こ の不一致には,運動課題,対象とする知覚の種類, スキルレベル等の実験参加者の個人特性,プレ ッシャーの種類や強度など,様々な要因が関与 していると考えられ,さらに多くの研究を蓄積 する必要がある. 以上のようにプレッシャー下での運動行動にお

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ける力動的知覚の生起の真否を調べる研究だけで なく,知覚とパフォーマンスの関係について,非 プレッシャー下での運動課題を対象とした研究 も行われている.行為者の能力に応じて知覚が 変化することは行為特定性知覚(action-specific perception)と呼ばれ(Witt, 2011),知覚とパフ ォーマンスの関係も行為特定性知覚に関する主 要な研究テーマであり,多くの研究が実施され ている.そしてこれらは,課題遂行前の知覚が その後のパフォーマンス結果にどのように影響 するかを調べる研究と,パフォーマンス結果が 課題遂行後の知覚にどのように影響するかを調 べる研究に大別できる.課題遂行前の知覚とパ フォーマンス結果の関係について Cañal-Bruland et al.(2011)は,ゴルフパッティング遂行前にお けるカップのサイズ知覚と課題成功率の正の相関 を示した.エビングハウス錯視図形の中心円をカ ップに見立てたゴルフパッティングでは,カップ のサイズを錯視により大きく知覚すると成功率や 正確性が高まり,錯視により小さく知覚すると成 功率や正確性が低下することや(Witt et al., 2012; Wood et al., 2013),ミュラーリヤー錯視図形を用 いてターゲットまでの距離知覚を操作したゴルフ パッティングでも,ターゲットまでの距離知覚が 伸びるとボールの停止位置がターゲットの奥にな ることが示されている(小笠ほか,2016).走高 跳のバーの長さを変えることでバーの高さ知覚 を操作した研究では,バーを低く知覚すると跳 躍高が高くなり,バーを高く知覚すると跳躍高 が低くなることが報告されている(兄井・船越, 1992).一方,ダーツにおける的のサイズ知覚と 課題成績(Wesp et al., 2004),アメリカンフット ボールのフリーキックにおけるゴールポストの幅 知覚や高さ知覚と成功数(Witt and Dorsch, 2009), ポインティング課題におけるターゲットのサイズ 知覚と課題成否(Kirsch et al., 2014)に関係がな いことを示す研究も見られる. このように課題遂行前の知覚とパフォーマンス 結果の関係については,知覚がパフォーマンス結 果に影響することを示す研究と影響しないこと を示す研究が混在している反面,パフォーマン ス結果が課題遂行後の知覚に及ぼす影響を調べ た多くの研究では,概してパフォーマンス結果 に依存して知覚が変化することが報告されてい る.スポーツを課題にした研究では,ソフトボー ルの打率とボールのサイズ知覚(Witt and Proffitt, 2005),ゴルフラウンドのスコアとカップのサイ ズ知覚(Witt et al., 2008),ゴルフパッティングの 成功数とカップのサイズ知覚(Cañal-Bruland et al., 2011),ダーツの成績と的のサイズ知覚(Wesp et al., 2004),アーチェリーの成績と的のサイズ 知覚(Lee et al., 2012),テニスのサービスリター ンの成否とネットの高さ知覚やボールの速度知覚 (Witt and Sugovic, 2010),ならびにアメリカンフ ットボールのフリーキックの成功数とゴールの幅 知覚や高さ知覚(Witt and Dorsch, 2009)で検討 されており,これら全ての研究でパフォーマンス 結果が良い時には課題難易度が低く感じる方向に 環境を知覚し,パフォーマンス結果が悪い時には 課題難易度が高く感じる方向に知覚している. 以上より本研究では,知覚とパフォーマンス の関係を調べる複数の先行研究で活用されて いるダーツ課題を用いて(Cañal-Bruland et al., 2010; Wesp et al., 2004),課題遂行前における的 のサイズ知覚に対するプレッシャーの影響を調 べ,さらにはプレッシャー下での課題遂行前の サイズ知覚とその後のパフォーマンス結果の関 係を調べることを目的とする.加えて,課題遂 行後における的のサイズ知覚に対するプレッシ ャーの影響を調べたうえで,プレッシャー下で のダーツ課題のパフォーマンス結果と課題遂行 後のサイズ知覚の関係を調べることも目的とす る.上記の背景から,以下の 2 つの仮説に対す る実験的検証を行った.1)スポーツ選手の主観 報告(兄井・本多,2013;村山ほか,2009)を 基に,プレッシャー下では課題遂行前と遂行後 のそれぞれにおいて的のサイズを小さく知覚す る.2)プレッシャー下での課題遂行前において 的のサイズを小さく知覚する実験参加者はパフ ォーマンスを低下させ,プレッシャー下でパフ ォーマンスを低下させる実験参加者は課題遂行 後に的を小さく知覚する.

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また,行為特定性知覚に関する先行研究で は,行為特定性知覚を生じさせる心理的および 生理的要因について多くの検討が重ねられてお り,複数の要因が言及されている.性格特性 (Stefanucci and Proffitt, 2009), 不 安 や 恐 怖 の 感 情(Stefanucci and Proffitt; Stefanucci et al., 2008; Witt and Sugovic, 2013),身体への負荷(Lessard et al., 2009; Proffitt et al., 2003)などが例に挙げ られる.プレッシャー下でのパフォーマンスは, 心理面や生理面の変化が複合的に相互作用しな がら産出されるため,これらの要因がプレッシ ャー下での知覚に対しても作用する可能性が考 えられる.そこで本研究では,プレッシャー下 でのパフォーマンスに影響する心理的および生 理的要因として先行研究で取り上げられてきた 特性不安,状態不安,成功不安,心的努力,自 信,心拍数を測定し(e.g., Vine and Wilson, 2010; Weinberg, 1978; Wilson et al., 2007),プレッシャ ー下でのダーツ課題の遂行前や遂行後における 知覚の変化を規定する要因を仮説探索的に調べ ることも目的とする. 方 法 1. 実験参加者 ダーツ競技の経験がない 20 名の健常な成人女 子大学生が参加した.実験参加者は,実験開始前 に研究説明書を読み,その後に実験参加に対する 同意書に署名した.この同意書には,自らの意志 で実験から自由に離脱できる旨も記されていた. なお本研究は,武庫川女子大学の人を対象とする 研究等倫理審査の承認(承認番号 16-33)を得て 行った. 2. 装置 高さ 180 cm,幅 90 cm の白パネルにプロジェ クター(EPSON 社製 EB-S18)を利用し,パワー ポイントで作成した直径の異なる黒円を投射し, 的 (ターゲット) とした.パネルに刺さったダー ツ(バレル)の位置をビデオカメラ(Panasonic 社製 HDC-HS300)を用いて撮影した.ビデオカ メラとプロジェクターは実験参加者とパネルの間 に一列になるよう配置し,実験参加者からパネ ルまでの距離は 300 cm,ビデオカメラからパネ ルまでの距離は約 150 cm,プロジェクターから パネルまでの距離は 130 cm とした.的の中心の 高さは地面から 105 cm とした.心拍数の測定に は,ワイヤレスの胸部装着型発信機(Polar 社製 WearLink+W.I.N.D トランスミッター)と腕時計 型受信機(Polar 社製 RS800CX トレーニングコン ピュータ)を使用し,実験中の心拍数を記録した. 3. 課題 (1) 運動課題 実験参加者には,後述する習得およびテストの 全試行において,パネルに映し出された黒円の的 の中にダーツを投じること,ならびに出来る限り 黒円の中心にダーツを刺すように努力することの 2 つを目標にダーツ課題を行うよう教示した.な お,的の円内を同一の黒色とし,的全体の知覚を 促すために的の中心点は呈示しなかった注 2) (2) 課題遂行前の知覚課題(以降,「事前判断」 と略す) 実験参加者にはダーツ課題を遂行する直前に的 のサイズ(直径を 1 cm 間隔で推定し,口頭で回 答するよう教示した注 3).この条件の各試行では, 課題遂行前のサイズ知覚に対して,その前の試行 における視覚フィードバックによる結果の知識 (パネルに刺さったダーツの位置)が影響しない よう,ダーツをリリースした直後に閉眼させた. そして各試行において,実験者がパネルに刺さっ たダーツを抜くまで閉眼状態を続けさせ,結果の 知識を与えないようにした. (3) 課題遂行後の知覚課題(以降,「事後判断」 と略す) ダーツ課題を遂行し,視覚フィードバックによ る結果の知識を得た後に注 4),的のサイズを 1 cm 間隔で推定し,口頭で回答させた.事前判断とは 異なり,閉眼の指示は行わず,常に開眼状態で課 題を行わせた.事前判断と事後判断は別試行で行

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わせたため,同一試行内で事前判断と事後判断の 双方を行うことはなかった. 4. 手続き Table 1 に,本実験の手続きを時系列で示した. 初めに,社団法人日本ダーツ協会(2003, pp. 22-28)に写真付きで書かれている投げ方の基本(グ リップ,スタンス,スローイング(アドレス,テ ークバック,フォロースルー))を教示した.そ の後に,課題に慣れるために,100 試行(1 ブロ ック 10 試行× 10 ブロック)の運動課題習得を行 わせた.事前判断を想定し,リリース直後に閉眼 し,結果の知識を得ないで 10 試行を実施するブ ロックと,事後判断を想定し,結果の知識を得な がら常に開眼状態で 10 試行を実施するブロック を交互に行わせた.習得の 100 試行における的の 直径は 35 cm とし,サイズ知覚に関与せずに,運 動課題を習得することに意識を集中させるため に,習得では的の直径について教示を与えなかっ た.後述するテスト 80 試行における的の直径が 最大 50 cm,最小 20 cm であったため,その中央 値である 35 cm を習得における的の直径に設定し た. そして,ダーツ課題遂行とともに的のサイズを 判断する知覚課題習得を 13 試行実施させた.こ れら 13 試行における的の直径は 17 cm から 3 cm 間隔で 53 cm までの計 13 サイズとし,13 サイズ をランダムに呈示したなかで課題を行わせた.後 のテストにおける的の直径が最小 20 cm,最大 50 cm であったため,この範囲の直径を正確に見積 もることができるよう,この範囲を含む 17 cm か ら 53 cm までを知覚課題習得における的のサイズ とした.なお,これらの 13 試行は,上記の事前 判断と事後判断それぞれを 6 試行もしくは 7 試行 で構成し,各試行後には,的の直径の正解をフィ ードバックした. 続けて,テスト 80 試行(非プレッシャー条件 40 試行(事前判断ブロック 20 試行+事後判断ブ ロック 20 試行),プレッシャー条件 40 試行(事 前判断ブロック 20 試行+事後判断ブロック 20 試 行)を行わせた.各条件の事前判断ブロックと 事後判断ブロックの 20 試行における的の直径は

Table 1 Time course of the experimental procedure Preparation phase

Participant gave their informed consent and responded to the trait anxiety inventory. They received instructions on the dart-throwing task and the throwing form.

Acquisition of the dart-throwing task (100 trials)

Closed-eyes condition (five blocks of 10 trials; the target had a diameter of 35 cm in all trials) Open-eyes condition (five blocks of 10 trials; the target had a diameter of 35 cm in all trials) † One open-eyes and one closed-eyes block were performed alternatingly.

Acquisition of perceptual judgement task (13 trials)

Pre-performance judgement block (six or seven trials in the closed-eyes condition; target diameters from 17 to 53 cm) Post-performance judgement block (six or seven trials in the open-eyes condition; target diameters from 17 to 53 cm) † In each trial, participants were requested to verbally state the perceived diameter of the target in centimeters before or after dart-throwing.

Test (80 trials)

Pre-performance judgment non-pressure condition (20 trials) Post-performance judgment non-pressure condition (20 trials) Pre-performance judgment pressure condition (20 trials) Post-performance judgment pressure condition (20 trials)

† Each condition consisted of 5 randomized trials multiplied by 4 target diameters (20, 30, 40, and 50 cm). †† Participants responded to the state anxiety inventory before non-pressure and pressure conditions.

††† In each trial, perceived anxiety, mental effort, and confidence required to succeed in the task were assessed by using the VAS before dart-throwing.

Note. The orders of non-pressure and pressure conditions, pre-performance judgement and post-performance judgement blocks were counterbalanced between participants to avoid any order effects; VAS = visual analog scales

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20,30,40,50 cm の 4 サイズを用い,それぞれ 5 試行とした.20 試行内での的のサイズの呈示順 は,同じサイズの的が連続しないようにランダム に呈示した.非プレッシャー条件とプレッシャー 条件を行う順番,ならびに各条件内での事前判断 ブロックと事後判断ブロックの実施順序は,順序 効果の影響を除外するために実験参加者間でカウ ンターバランスを取った.テストの全試行におい ては,的の直径に関する正解のフィードバックを 与えなかった. 5. プレッシャーの負荷 プレッシャーをテーマとした近年の多数のス ポーツ心理学研究に倣い(e.g., Gray and Cañal-Bruland, 2015; Ring et al., 2015),賞金と他者比較 を利用したプレッシャーの負荷を試みた.プレッ シャー条件の開始前に,これから行う 40 試行(事 前判断ブロック 20 試行+事後判断ブロック 20 試 行)において,ダーツがターゲットに入った数が 全実験参加者の上位 3 名は,1 位から順に 10,000 円,5,000 円,3,000 円の賞金が得られることを教 示した.さらに,全実験が終了後に 40 試行の成 功数(ダーツが黒円の的に入った数)に関する成 績が公表されることも伝えた.加えて,運動課題 習得 100 試行における成功数がダーツ初心者全体 の下位 30% に位置しており,これから行う 40 試 行において成功率が改善しなければ学習実験のデ ータとして利用できないという偽教示を与えた注 5).この偽教示に関しては,実験終了後に各実験 参加者に対してディブリーフィングを行った. 6. 測定項目 (1) 心理指標と心拍数 習得を開始する前に,新版 State-Trait Anxiety Inventory-Form JYZ(STAI: 肥田野ほか , 2000)を 用いて特性不安を測定した.非プレッシャー条件 とプレッシャー条件の開始前には状態不安を測定 した.さらに非プレッシャー条件とプレッシャー 条件の各試行の開始前に,運動課題を成功させる ことに対する不安,心的努力,自信の 3 項目につ いて,100 mm の横線の左端に「全くない」,右端 に「非常にある」と書かれた視覚的アナログ尺度 (Visual Analog Scale: VAS)に回答させ,1 ㎜単位 で評価した.心拍数は,各条件の事前判断ブロッ クと事後判断ブロックの 20 試行中の平均心拍数 と最大心拍数を算出した. (2) サイズ知覚エラー テスト 80 試行の各試行において口頭で回答し た的の推定直径から実際のターゲットの直径を引 いた値を実際のターゲットの直径で除すことで, サイズ知覚エラーの指標とした.この指標の値が 0 より小さい場合は的を実寸より小さく知覚し, 大きい場合は的を大きく知覚したことを意味す る. (3) パフォーマンス結果 直径 20,30,40,50 cm のそれぞれの的に入っ たダーツの数から課題の成功率を求めた.さら に,パネルに刺さったダーツを撮影した動画を基 に,二次元上の誤差算出法(Hancock et al., 1995) により,各プレッシャー条件の事前判断ブロッ クと事後判断ブロックの 20 試行における MRE (Mean Radial Error: 的中心からの絶対誤差),SRE (Subject-centroid Radial Error: 的中心からの恒常 誤差),BVE(Bivariable Variable Error: 変動誤差) を算出し,パフォーマンス結果の指標とした. 7. 統計解析 賞金と他者比較のプレッシャー操作による心理 面や生理面の反応を調べるため,STAI による状 態不安得点,VASによる成功不安,心的努力,自信, ならびに最大心拍数と平均心拍数のそれぞれに対 して対応のある t 検定を行い,非プレッシャー条 件とプレッシャー条件の平均の差を比較した.さ らに,プレッシャー下では課題遂行前と遂行後 のそれぞれにおいて的のサイズを小さく知覚す るという仮説を検証するため,事前判断ブロッ クと事後判断ブロックのそれぞれにおけるサイズ 知覚エラーについて対応のある t 検定を行い,非 プレッシャー条件とプレッシャー条件の平均の差 を比較した.非プレッシャー条件とプレッシャ

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ー条件のパフォーマンス結果を比較するために, 成功率,MRE,SRE,BVE のそれぞれに対して ブロック(2:事前判断ブロックと事後判断ブロ ック)×条件(2:非プレッシャー条件とプレッ シャー条件)×的のサイズ(4:20,30,40,50 cm)の 3 要因分散分析を実施した.3 要因とも対 応のある要因とし,多重比較には Bonferroni 法に よる有意水準の調整を行った. プレッシャーによる課題遂行前のサイズ知覚変 化がパフォーマンス結果に及ぼす影響を検討する ため,非プレッシャー条件よりもプレッシャー条 件において事前判断ブロックのサイズ知覚エラー が増加した実験参加者 9 名(サイズ知覚大群)と 減少した 11 名(サイズ知覚小群)に分けて,非 プレッシャー条件とプレッシャー条件の MRE, SRE,BVE のそれぞれの変化量(以降,「ΔMRE」, 「ΔSRE」,「ΔBVE」と略す)について対応のない t 検定を行い,群間比較を行った.また,プレッ シャーによるパフォーマンスの増減が課題遂行後 のサイズ知覚に及ぼす影響を調べるため,非プレ ッシャー条件よりもプレッシャー条件において事 後判断ブロックの MRE が減少した 14 名(パフ ォーマンス向上群)と増加した 6 名(パフォーマ ンス低下群)に分けて,非プレッシャー条件とプ レッシャー条件のサイズ知覚エラーの変化量(以 降,「Δ サイズ知覚」と略す)について対応のな い t 検定を行い,群間比較を行った. プレッシャーによる課題遂行前のサイズ知覚 の変化に関連する心理的および生理的要因を探 索的に調べるため,事前判断ブロックでの Δ サ イズ知覚を従属変数とし,STAI 特性不安得点, 非プレッシャー条件からプレッシャー条件にか けての STAI 状態不安得点の変化量(Δ 状態不安), VAS における不安の変化量(Δ 成功不安),心的 努力の変化量(Δ 心的努力),自信の変化量(Δ 自信),平均心拍数の変化量(Δ 心拍数)の 6 つ を独立変数として投入するステップワイズ重回 帰分析を行った.続けて,プレッシャーによる 課題遂行後のサイズ知覚の変化に関連する要因 を探索的に調べるため,事後判断ブロックでの Δ サイズ知覚を従属変数とし,特性不安得点,Δ 状態不安,Δ 成功不安,Δ 心的努力,Δ 自信,Δ 心拍数,ΔMRE,ΔSRE,ΔBVE の 9 つを独立変 数として投入するステップワイズ重回帰分析を 行った. 以上の分析には SPSS ver.21 を使用し,有意水 準を 5% 未満とした(両側検定).なお,心拍数 は 2 測度(平均心拍数と最大心拍数),パフォー マンス結果のエラーは 3 測度(MRE, SRE, BVE) を用いて分析したため,これらの変数の t 検定に 関しては第 1 種過誤を防ぐために,5%÷ 2 測度 = 2.5%未満,5%÷ 3 測度≒ 1.7%未満を有意水 準とした.対応のない t 検定においては,Leven 検定を用いて等分散の確認を行った.重回帰分析 に関しては,コルモゴロフ・スミルノフ検定を利 用し,従属変数が正規分布していることを確認 し,さらには独立変数間に多重共線性がないこと も VIF(Variance Inflation Factor)を算出すること で確認した.有意差が得られた t 検定の結果に関 しては,効果量 r も以下において記述する.r が .50 以上であれば効果量大,.30 以上であれば効 果量中,.10 以上であれば効果量小である(Field, 2013, pp.386-387).分散分析における効果量には, 偏イータ 2 乗(partial η2)を記述する. 結 果 1. プレッシャーの操作チェック Table 2 に,心理面や生理面の各指標について 非プレッシャー条件とプレッシャー条件における 全実験参加者の平均と標準誤差を示した.STAI 状態不安得点はプレッシャーによる有意な増加が 認められ(t (19) = 3.23, p < .01, r = .60),平均 心拍数(t (19) = 2.90, p < .01, r = .55)や最大心 拍数(t (19) = 3.67, p < .01, r = .65)も有意に増 加した.VAS を用いて測定した成功不安,心的 努力,自信に有意差は見られなかった. 2. サイズ知覚 Table 2 には,課題遂行前と遂行後のターゲッ トのサイズ知覚エラーに関して,非プレッシャー 条件とプレッシャー条件における全実験参加者の

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平均と標準誤差も示した.遂行前と遂行後の両方 で非プレッシャー条件とプレッシャー条件の有意 差は見られず,全実験参加者の平均においてはプ レッシャーによる的のサイズ知覚の差は見られな かった. 3. パフォーマンス結果 Table 3 に,事前判断ブロックと事後判断ブロ ックの非プレッシャー条件とプレッシャー条件 におけるパフォーマンスの各指標の平均と標準 誤差を的の直径別に示した.3 要因分散分析の結 果,成功率においてはサイズの主効果(F (3, 57) = 58.89, p < .001, η2= .76)が示された.多重比 較によれば,的の全てのサイズ間で有意差が認め られ,課題の難易度に応じた成功率であることが 示された.さらに,成功率(F (1, 19) = 16.35, p <.01, η2= .46),MRE(F (1, 19) = 43.86, p <.001, η2= .70),SRE(F (1, 19) = 45.35, p <.001, η2

Table 2 Means and standard errors of psychological and physiological indices in non-pressure and

pressure conditions

Non-pressure Pressure P-value State anxiety on STAI 44.70±1.72 50.50±1.55 .004* Success anxiety on VAS (mm) 50.40±3.84 53.81±4.30 .105 Mental effort on VAS (mm) 70.48±3.29 71.99±3.89 .387 Confidence on VAS (mm) 43.06±3.50 40.70±4.31 .236 Average heart rate (bpm) 79.51±2.92 81.03±3.11 .009* Maximum heart rate (bpm) 87.28±3.30 90.88±3.54 .002* Pre-performace size perception error (%) -9.27±2.19 -10.10±2.64 .426 Post-performace size perception error (%) -6.99±2.20 -9.41±2.64 .179 Note. STAI = state-trait anxiety inventory; VAS = visual analog scales; * significant differences between non-pressure and pressure conditions

Table 3 Means and standard errors of performance indices for each target size in non-pressure and pressure

conditions during pre- and post-performance judgement blocks

Pre-judgement block Post-judgement block Taeget size Non-pressure Pressure Non-pressure Pressure Success rate (%) 20 cm 22.00±5.79 22.00±4.57 32.00±6.05 32.00±4.68 30 cm 37.00±5.48 38.00±6.79 53.00±5.08 56.00±4.94 40 cm 51.00±8.14 59.00±6.88 70.00±5.71 65.00±5.40 50 cm 69.00±6.24 74.00±5.64 84.00±4.50 83.00±4.17 MRE (cm) 20 cm 24.85±2.43 24.31±1.83 18.53±1.38 15.94±1.11 30 cm 22.97±1.53 24.78±1.88 18.05±1.33 17.80±1.00 40 cm 25.66±2.19 22.19±2.13 18.69±1.57 18.91±1.08 50 cm 22.35±1.74 22.19±1.95 17.62±1.31 17.42±1.41 SRE (cm) 20 cm 20.77±2.88 21.67±1.99 15.02±1.58 10.24±1.29 30 cm 20.22±2.22 22.31±2.26 14.26±1.46 12.13±1.39 40 cm 22.31±2.18 19.23±2.42 14.95±1.68 15.08±1.44 50 cm 19.28±2.05 18.27±2.18 13.28±1.58 11.81±1.41 BVE (cm) 20 cm 16.92±2.21 14.49±1.05 13.49±0.96 12.85±1.01 30 cm 13.59±0.98 15.29±1.08 13.25±1.15 14.80±1.09 40 cm 14.91±1.44 13.53±0.77 14.19±1.02 13.38±0.93 50 cm 14.34±1.09 14.28±1.41 13.57±0.99 14.87±0.88 Note. MRE = mean radial error; SRE = subject-centroid radial error; BVE = bivariable variable error

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.71)にブロックの主効果が認められた.事前判 断ブロックではダーツを投じた直後に閉眼したた め,閉眼しなかった事後判断ブロックに比べてパ フォーマンスが低かった.4 つの全ての変数に, その他の主効果,ならびに 1 次と 2 次の交互作用 は認められず,全実験参加者の平均においては非 プレッシャー条件とプレッシャー条件のパフォー マンスの差は見られなかった. 4. サイズ知覚とパフォーマンス結果の関係 Table 4 に,事前判断ブロックでのサイズ知覚 大群とサイズ知覚小群における ΔMRE,ΔSRE, ΔBVE の平均と標準誤差を示した.全ての変数に 群間の有意差は見られなかった.非プレッシャー 条件とプレッシャー条件の課題遂行前における的 のサイズ知覚の違いによるパフォーマンス結果へ の影響は見られなかった. Fig. 1 に,パフォーマンス向上群とパフォーマ ンス低下群における事後判断ブロックでの Δ サ イズ知覚を箱ひげ図を用いて示した.群間に有 意差が認められ(t (18) = 2.54, p < .05, r = .51), パフォーマンス低下群の Δ サイズ知覚はパフォ ーマンス向上群に比べて小さく,非プレッシャー 条件からプレッシャー条件にかけてパフォーマン スを低下させた実験参加者は,課題遂行後に的の サイズを小さく知覚した. 5. プレッシャーによるサイズ知覚の変化を規定 する要因 Table 5 に,プレッシャーによる課題遂行前と 遂行後のサイズ知覚の変化に関連する要因を探 索的に調べるために行ったステップワイズ重回 帰分析の結果を示した.課題遂行前のサイズ知 覚の変化に対して,特性不安のみ負の有意な標 準化回帰係数を示し(β = −.529),他の 5 つの独 立変数は除去された.特性不安が高い実験参加 者ほどプレッシャー条件での課題遂行前におい て的のサイズを小さく知覚し,特性不安が低い 実験参加者ほど大きく知覚した. 試行後のサイズ知覚の変化に対しては,ΔMRE の み 負 の 有 意 な 標 準 化 回 帰 係 数 を 示 し(β = −.567),他の 8 つの独立変数は除去された.非プ レッシャー条件からプレッシャー条件にかけて ΔMRE を増大させた実験参加者ほど試行後に的

Table 4 Means and standard errors of Δperformance outcome indices in large and small size

perception groups under pressure Large size perception group

(n = 9)

Small size perception group

(n=11) P-value ΔMRE -5.78±13.63 -5.99±14.32 .992 ΔSRE -6.81±15.10 0.69±15.42 .736 ΔBVE 16.68±10.15 -23.47±15.11 .050 Note. Δ indicates the differences of scores from pressure to non-pressure conditions; MRE = mean radial error; SRE = subject-centroid radial error; BVE = bivariable variable error

Fig. 1 Box-and-whisker diagram of Δsize perception at

post-performance in performance enhancement and decrement groups under pressure. Note. The dot in this figure indicates outlier out of range from the third quartile + 1.5IQR (interquatile range) to the first quartile - 1.5IQR

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を小さく知覚し,ΔMRE を減少させた実験参加 者ほど大きく知覚した. 考 察 非プレッシャー条件からプレッシャー条件に かけて STAI 状態不安得点,平均心拍数,最大心 拍数に有意な増加が示され,プレッシャー操作が 実験参加者の心理面や生理面に対して有効であっ た.しかしながら,非プレッシャー条件からプレ ッシャー条件にかけての変化は,全実験参加者 の平均で STAI 状態不安得点が約 6 点,平均心拍 数が約 2 bpm であった.実験室環境においてプ レッシャーを負荷した先行研究では,STAI 状態 不安得点の増加が 2(Hatfield et al., 2013)―10 点 (Higuchi et al., 2002),平均心拍数の増加が1(Cooke

et al., 2010)―21bpm(Tanaka, 2015)の範囲であり, 本研究のプレッシャー条件におけるストレス反応 は,これらの先行研究の中では心理的には中強度, 生理的には低強度であったと考えられる. このようにプレッシャーの負荷によってストレ ス反応が生じた中で,課題遂行前(事前判断ブ ロック)と遂行後(事後判断ブロック)での的 のサイズ知覚は,全実験参加者の平均において は非プレッシャー条件とプレッシャー条件の有 意差が得られなかった.したがって,プレッシャ ー下では課題遂行前と遂行後のそれぞれにおい て的のサイズを小さく知覚するという仮説は支 持されなかった.全実験参加者の平均に関して は,先行研究においても課題遂行前(小笠ほか, 2016) と 遂 行 後(Gray and Cañal-Bruland, 2015; Nieuwenhuys et al., 2012)の両時点でプレッシャ ーによる有意な知覚の変化は報告されておらず, 本研究でも同様の結果が示された.実験室環境 のプレッシャー操作では,全実験参加者の平均 において有意な変化が示されるほどの力動的知 覚は生じない可能性が高いと考えられる.今後 の研究では,実際のスポーツ場面に近い実験設 定を行うことや,プレッシャーの負荷方法を変 えてスポーツの実環境に近い実験環境を設定し, ストレス強度に関する生態学的妥当性を高め, そのなかでの力動的知覚を調べることが課題に 挙げられる. プレッシャー下での的のサイズ知覚とパフォ ーマンス結果の関係については,非プレッシャ ー条件からプレッシャー条件にかけて事前判断 ブロックのサイズ知覚が大きくなった実験参 加者と小さくなった実験参加者間の誤差指標 (ΔMRE, ΔSRE, ΔBVE)に有意差が見られなか った.したがって,プレッシャー下での課題遂 行前において的のサイズを小さく知覚する実験 参加者はパフォーマンスを低下させるという仮 説も支持されなかった.行為特定性知覚につい て,知覚の変化はパフォーマンスに対して弊害 となる考え方(misperception)と,パフォーマン スを維持もしくは促進するための補償的な機能 (functional role)として働く考え方の 2 つが存在 する(Gray, 2014; Witt, 2011).一例として Gray は,疲労時のテニスショットにおいて向かって くるボールが速く感じることは,misperception な ら ば 振 り 遅 れ て ミ ス シ ョ ッ ト に 繋 が る が, functional role ならば疲労時はスイング速度が遅 いため,ボールを速く感じることで振り始める タイミングを早くし,振り遅れが防がれること を紹介している.したがって,本研究のプレッ シャー下での課題遂行前には,20 名中 11 名の実

Table 5 Results of stepwise multiple regression analyses to exploratory identify the factors in relation to

changes in size perception under pressure

Dependent variables Independent variables (β) adjusted R2

ΔSize perception at pre-perfromance judgement Trait anxiety (-.586**) .307** ΔSize perception at post-perfromance judgement ΔMRE (-.565**) .281** Note. In this table, only significant predictors of independent variables on dependent variables are shown; β = standardized regression coefficient; adjusted R2 = squared multiple correlation coefficient adjusted for the

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験参加者が的のサイズを小さく知覚したが,こ の知覚の変化がパフォーマンス結果に対しては misperception として働いた参加者と,functional role として働いた参加者が混在し,試行前の知覚 とその後のパフォーマンス結果に関係が見られ なかったと考えられる. 事 後 判 断 ブ ロ ッ ク の サ イ ズ 知 覚 に 関 し て は,プレッシャー条件でパフォーマンスの誤 差(ΔMRE)が大きくなった参加者は小さくな った参加者に比べてサイズ知覚が有意に小さく なることが示された.重回帰分析においても, プレッシャー下での課題遂行後の知覚の変化は ΔMRE によって説明できることが示され,プレ ッシャー下で MRE を増加させた参加者ほど的を 小さく知覚し,MRE を減少させた参加者ほど的 を大きく知覚した.これらの結果から,プレッ シャー下でパフォーマンスを低下させる参加者 は課題遂行後に的を小さく知覚するという仮説 は支持され,プレッシャー下でのパフォーマン ス低下に関する結果の知識が知覚を変化させる ことが本研究では明らかとなった.序論で記述し た通り,非プレッシャー下での運動課題において は,パフォーマンス結果が悪い時には課題難易度 が高く感じる方向に知覚が変化することが,こ れまでに数多く報告されている(e.g., Wesp et al., 2004; Witt and Proffitt, 2005).本研究の結果は,パ フォーマンス低下に伴うこのような知覚の変化が プレッシャーによって助長されることを示唆して いる. 以降では,プレッシャー下でパフォーマンス が低下すると,課題遂行後に的のサイズを小さ く知覚する原因を考察する.本研究では,プレ ッシャー下でのパフォーマンスに影響する要因 として先行研究で取り上げられてきた特性不安, 状態不安,成功不安,心的努力,自信,心拍数が, プレッシャー下での知覚の変化を規定する可能 性を想定し,これらを独立変数に加えた重回帰 分析を行った.しかし,重回帰分析に投入した これらの変数は除去されたため,これらは,本 研究のような低強度から中強度のプレッシャー 下での課題遂行後の知覚の変化には関連が見ら れない要因である可能性が示唆された.つまり, プレッシャー下でのパフォーマンス低下に伴う 知覚の変化には,これら以外の要因が関与して いると考えられ,以下が要因として推察された. 第 1 に,課題遂行中の注意の影響である.プレ ッシャー下でのゴルフパッティングにおいてパ フォーマンスを低下させた実験参加者は,カッ プのサイズを小さく知覚することに加えて,課 題遂行中に身体運動に対する意識的処理を働か せていた(Gray and Cañal-Bruland, 2015).また, 非プレッシャー下における飛行機の着陸シミュ レーション課題では,滑走路への注視時間が短 いと滑走路の幅を狭く知覚し,注視時間が長い と幅を広く知覚することも報告されている(Gray et al., 2014).プレッシャー下におけるパフォー マンスの低下は,意識的処理や注意散漫によっ て生じるという仮説や理論が存在するが,プレ ッシャー下での力動的知覚にも意識的処理や注 意散漫が関与している可能性がある. 第 2 に,プレッシャー下での動作変化の関与が 考えられる.上述の Gray and Cañal-Bruland(2015) の研究では,プレッシャー下でカップのサイズ を小さく知覚した実験参加者は,パッティング 動作のダウンスイング期におけるパターのピー ク速度の出現時間の早期化,ならびにインパク ト速度の増加を生じさせている.非プレッシャ ー下でのアーチェリー課題では,物理的制限法 を利用して弓を持つ手腕を安定させると,的の サイズを大きく知覚することが示されており (Lee et al., 2012),これらの先行研究は,動作変 化が知覚に関与することを示唆している.本研 究では,ダーツ投げのキネマティクスの評価を 行っていないため,プレッシャー下でのパフォ ーマンスの低下がどのような動作変化によって 導かれたかは不明であるが,プレッシャー下で パフォーマンスを低下させた参加者は,パフォ ーマンス低下に関連する動作変化を手掛かりに, 的のサイズという外的要因にパフォーマンス低 下の原因を帰属させた可能性が指摘できる.悪 い結果の原因を自己の行為ではなく,外的要因 に帰属させることは利己的帰属バイアスと呼ば

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れ(吉江,2017),時間知覚に対する利己的帰属 バイアスが不快感情に伴って促進することが報 告されている(Yoshie and Haggard, 2013).プレ ッシャー下での運動課題においても同様に,パフ ォーマンス低下という結果の原因を環境の知覚と いう外的要因に帰属させたことによるものと推察 される. また,プレッシャー下での試行前における知 覚の変化に関連する要因を仮説探索的に調べた 重回帰分析では,サイズ知覚が特性不安によっ て説明できることが示され,プレッシャー下で は特性不安が高い参加者ほど的を小さく知覚し, 特性不安が低い参加者ほど大きく知覚した.し たがって本研究では,プレッシャー下での試行 前の知覚の変化に特性不安の性格特性が関与す る仮説が立案された.8 m の高さのバルコニー に立ち,地面までの距離知覚を調べた研究でも, 高所恐怖の性格特性と距離知覚の正の相関が示 されているように(Stefanucci and Proffitt, 2009), 今後はプレッシャー下での知覚の変化と性格特 性の関係について仮説検証的に調べる研究が求 められる.本研究で仮説探索を目的に実施した 重回帰分析では,課題遂行前のサイズ知覚に対 しては 6,課題遂行後のサイズ知覚に対しては 9 の独立変数を投入した.さらに本研究のサンプ ルサイズは 20 名であり,統計的に十分なパワー を有していないという問題も含んでいる.今後 の研究では仮説を検証していくにあたり,適切 な独立変数の絞り込みを行い,さらにはパワー 分析を基に十分なパワーと認められるサンプル サイズを確保する必要がある. 以上より,プレッシャー下での力動的知覚に ついて今後は,アイカメラを用いた視線行動の 測定や,課題遂行中の注意焦点や注意配分の実 験操作を行うことで注意との関係を調べ,さら には性格特性,動作変化,利己的帰属バイアス などの影響も絡めながら,詳細に研究を進める ことを提案する.エビングハウス錯視図形の中 心円をカップに見立てた非プレッシャー下での ゴルフパッティングにおいては,錯視によるサ イズ知覚とパフォーマンスの関係に,課題成功 に対する自己効力感が関与することが示唆され ている(Bahmani et al., 2017).この研究のように, プレッシャー下での知覚とパフォーマンスの関 係に関しても,上記の要因が媒介変数や調整変 数として作用する可能性が考えられる.したが って,これらの要因を媒介変数や調整変数とし た仮説を立案し,その仮説検証を行うことも今 後の研究では求められる.このような研究を行 うことで,知覚がパフォーマンスに,ならびに パフォーマンスが知覚に直接的に作用するのか, もしくは他の要因を介して作用するのかについ て実験結果に基づいた議論が可能になると考え られる. まとめ 本研究ではダーツ課題を用いて,プレッシャ ーが課題遂行前における的のサイズ知覚に及ぼ す影響を調べ,さらにはプレッシャー下での課 題遂行前のサイズ知覚とパフォーマンス結果の 関係を調べることを目的とした.さらに,プレ ッシャーが課題遂行後における的のサイズ知覚 に及ぼす影響も調べ,プレッシャー下でのパフ ォーマンス結果と課題遂行後のサイズ知覚の関 係を調べることも目的とした.主な結果として, 課題遂行前のサイズ知覚に対するプレッシャー の影響は見られず,課題遂行前のサイズ知覚と その後のパフォーマンスの間にも関係は見られ なかった.しかし,課題遂行後のサイズ知覚に 関しては,プレッシャー下でパフォーマンスを 低下させた実験参加者に限定的に的を小さく知 覚することが明らかとなった.プレッシャー下 での知覚の変化を規定する要因を仮説探索的に 調べたところ,特性不安が高い実験参加者ほど プレッシャー下では課題遂行前に的を小さく知 覚することも示された. 注 注 1)「あがり」も choking の邦訳として使用されるが,「あ がり」は「特に重要な試合や勝敗を決する場面にのぞ んだときなどに体験される心身の過度の緊張状態」(本

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間,2008),「当落や社会的評価など自分自身に否定的 評価を受ける場面で,他者を意識し,責任感を感じ, 自己不全感,身体的不全感,生理的反応や震えを経験 することであり,状況によって他者への意識や責任感 の程度が変化すること」(有光,2005)のように,プ レッシャー下での心理面や生理面の反応に重きを置い た定義も存在する.プレッシャー下でのパフォーマン スの向上や低下を端的に表現する邦語が見当たらない ため,本稿では英論文において使用されている clutch と choking をカタカナ表記した外来語を使用する. 注 2)中心点を呈示すると,黒色の的全体を意識せずに, 中心点のみを意識して課題を行うようになりやすいと 予想した.そうなると,パフォーマンスに対する黒色 の的の重要度は低くなり,的のサイズ知覚を意識せず に課題を行うようになることを危惧した.つまり中心 点の呈示が,サイズ知覚とパフォーマンスの関係を調 べる本研究の目的の検証に対して不利益をもたらすと 考え,中心点の呈示を行わなかった. 注 3)呈示された的の直径と口頭回答によるサイズ知覚 との誤差は,テスト 80 試行における平均絶対誤差で 15.03 ± 6.47%(mean ± SD, N = 20),変動誤差で 13.12 ± 5.08%(mean ± SD, N = 20)であり,本研究におけ る知覚課題の測定誤差は大きかった.知覚の測定には, その他にも調整法や恒常法など様々な方法があるが, これらの方法は測定誤差を小さくできる反面,測定に 多くの時間を要する.本研究では,プレッシャー条件 の 40 試行において測定に多くの時間を要すると,プ レッシャーに対する慣れや意識の薄れが生じることを 危惧した.そのため,短時間で簡便にサイズ知覚を測 定することを優先し,的の直径の推定値を口頭で回答 する方法を採用した. 注 4)Cooper et al.(2012)によれば,円形ターゲットに 小石を入れる課題において,課題終了後にターゲット の呈示がある条件では課題の成否に伴うターゲットの サイズ知覚の変化が生じないが,課題終了直後にター ゲットをカーテンで隠すことで呈示をなくした条件で は,失敗試行では成功試行に比べてサイズを小さく知 覚することが示されている.この結果は,パフォーマ ンス結果に伴う知覚の変化が,外的環境の知覚よりも 試行後の記憶の歪みの影響を受けやすいことを反映し ている.本研究の事後判断における知覚課題では,的 とパネルに刺さった矢の位置について視覚フィードバ ックによる結果の知識を得られるようにし,サイズ知 覚に対して試行後の記憶表象よりも知覚表象の重みを 高めるようにした. 注 5)田中ほか(2012)の研究においても,大学生を対 象に課題の成否に対する賞金 10,000 円や学習実験の データとして利用できないという偽教示をプレッシャ ー(ストレッサー)として利用している.これらのプ レッシャーに対する主観的な心理的ストレス強度を, 0(全くストレスに感じなかった)から 8(かなりス トレスに感じた)の 9 件法によるリッカート尺度を 用いて測定しており,21 名の実験参加者の回答から, 賞金 10,000 円に対しては 5.47 ± 2.41(mean±SD),偽 教示に対しては 3.65 ± 2.41 の数値が得られている.こ の研究と同様に大学生を対象としている本実験におい ても,賞金最大 10,000 円やデータとして利用できな いという偽教示は,心理的ストレスを負荷するために 有効な操作であったと考えられる. 付記 本研究は,日本学術振興会(JSPS)科研費(研 究種目名:基盤研究(C),課題番号 : 16K01686) の助成を受けて行われた. 文 献 兄井彰・船越正康(1992)運動パフォーマンスの錯視効 果に関する研究―走高跳について―.スポーツ心理学 研究,19:5-10. 兄井彰・本多壮太郎(2013)スポーツにおける錯覚の生 起要因による分類.九州体育・スポーツ学研究,27(2): 25-33. 有光興記(2005)“あがり” とその対処法.川島書店, p.17.

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2017 年 10 月 11 日受付 2018 年 2 月 27 日受理 Advance Publication by J-STAGE

Published online 2018/4/16

Table 3   Means and standard errors of performance indices for each target size in non-pressure and pressure  conditions during pre- and post-performance judgement blocks
Table 4   Means and standard errors of Δperformance outcome indices in large and small size  perception groups under pressure

参照

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