居住活動の活性化方策 : 大阪府住宅供給公社についての事例研究
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(2) 534. 居住活動の活性化方策. ウ ン (単 身者用住 宅 )を 含 め24,210戸 で ある。分譲住宅 の うち,公 社設立 の 主 旨とな ってい る積立分譲住 宅 は ,10,659戸 が供 給 された。また ,府 営住宅 用地 と して31,841戸 分 の宅地 を造成 ,供 給 した。 公社住宅 は ,公 社法 の 目的に記 されて い るよ うに「 居住環 境 の良好 な 集団 住宅 および宅地を供給す る」 ことに あ り,設 立以来高 ま る住宅 需要 に こたえ て建設戸数 は順調 に増加を続 けたが ,経 済 は高度成長 期 か ら安定成長期 へ と 移行 し,住 宅需要動向 も量 の不足時代 か ら質 の充足時代 へ と変移 して い くな かで ,住 宅個体 の供給 に とどま らず ,地 域整備 と連携 した住宅供 給 や住宅需 要 の多様化 に対応 した住宅供給 に努力 してい る。その概要 は表. 1,図 1,図. 2に 示 す とお りで あ る。 表 1 公社事業 の経過. 1大 量 供 給 期 用脚 拠. 地 得分. 有用用. . 保 イ。口. 2.住 宅 建 設 戸 数 イ。分 譲 住 宅. 300ha以 上. 170∼ 180ha. 60∼ 140ha 40∼ 90ha. 13∼ 16ha. 4,000戸 台. 400-2,000「 ヨ. に漸増. 口。賃 貸 住 宅 1,000∼ 2,000戸 台. 3.住 宅 床 面 積 イ。分 譲 住 宅 口.賃 貸 住 宅. 4.分 譲 価 額. 5。. li建 設 低 落 期. 5ha前 後. │‖. 質向上 多様化期 ,. 200ha. 20ha前 後 20∼ 40ha. 考. ・ 保有地の ピークは46 年 の360ha. 500∼ 1,200戸 台 1,600∼ 1,000戸 台 ・ 住宅建設戸数 の最高 下廻 る 年次は46年 の約5,000 1,500∼ 100「 ヨ ヨ 戸 ,最 低年次は50年 に急減 700-1,300「 に回復 の約450戸 300∼ 600戸 台 150∼ 400戸 台 054年 以降は建設中止. 52∼ 80m2台. 60∼ 85m2台. 70∼ 105m2台 ・ 住宅床面積は45年 以. 70∼ 83m2. 79∼ 85m2. 84∼ 105m2台. 60∼ 67m2. 70コ 〆台. 52∼ 60m2. 300∼ 600万 円. 1,100-1,600フ ラF弓 2,000∼ 2,800万 円. 住宅の応募倍率 イ.分 譲 住 宅 口.賃 貸 住 宅. 備. 2.7∼ 13.2倍. 3.2∼ 34.7倍. 2.2∼ 7.0倍. 1.7∼ 22.8倍. 1.6∼ 4.8倍. 1倍. 降80m2台 に,53年 以 降90m2以 上にアップ した ・ 分譲住宅価額 ア ップ には面積増 ,質 向上 が含まれ る ・ 応募倍率は48年 を ピ ークに減少傾向にあ る 。現在空家な し. 1.2 社会的 環境 の変 化 と公社 の問題 点 地価 の継続的 な 高騰 な どによ る住宅価額 の上 昇 と,一 方 で は個人所得 の伸 び悩 みや世帯数 を上廻 る住宅供給 とい った住宅 難 の質的転換 の 時代 を迎 えた.
(3) 535. 大 森 敏 江. 年. . 度 ト ー 4 . 4 4. . 2 王 ヽ. 取得 は主に公 簿,処 分は実績面積 保 有地 には既精算団地 は含 まない。 従 って. T二. 尾 [1皆 草 暴 塁 万 讐 警 F=貪 署. 3取 得面積 に指定用地含む。 図 1 用地取得・処分・保有地面積の年度別推移. こと もあ って ,昨 今 の住 宅供給 を と りま く環境 は非常 に厳 しい ものにな って い る。なかで も公社事業を め ぐる特定的 な変化 と して ,公 共住宅供給事業. ,. と りわ け公共分譲住宅供給にう いて ,民 間 か らの批判 が強 ま りつつ ある こ と があげ られ る。公社事業 が主 目的 と していた 積 立分譲制度 は ,財 形 制度 の発 足 や民 間住宅 に対す る公庫 融資 の付与 によ って す でにその意 義 を 失 って しま った 。また ,昭 和54年 まで続 けて きた公社 賃貸住宅 は,府 か らの 融資率 の 減 退 ,行 政上 の役割 の不 明確化 な どによ って ,建 設 ,供 給 が困難 とな って きて.
(4) 居住活動の活性化方策. 536. 賃貸 (戸 ). 分譲 (戸 ). 3,Ψ 02,9001,900. 年度. 1,0002,0003,000 1,307. 40 41. ︲ ︲鮮 , 琳﹃2. 42 43. 440 │. 637 │. 848. 44. 1,133 :. 1,392. 45. 2,176. 46 47 380S覇 ヨ48 580番轟 霧瓢49 345]墨 ヨ50 400霧 烈罰51. 616. ご. 分譲住宅. 656 │. 396壺 彗 ヨ52. 829. 340墨 繊ヨ53. 1,317. 150翻 54. 1,259. :. 941. 0155. o156. 766 │. 879 図2. 賃貸 0分 譲 住宅建設戸数 の年 度別推移. い る。 他 方 ,経 営主 体 の 立場 か らみ る と の 適 用 ,法 制 に よ る経 営 活 動 の 制 約. ,. ,. 価格 ,家 賃 の決定 にお け る個別原価主 官僚的 な組織体 制 な どが事業活動 の活. 発 な展 開 を さまた げ て い る。. 1。. 3. 公社事業 の方向性. 公社事業 をめ ぐる社会的環境 の変化や問題点 を検討 してみ ると,公 社 の進 ` む べ き新 しい方 向 が浮 び上 って くるよ うに思 われ る。それ は ,い わば ライ フ・ デ ィベ ロ ッパ ー 、 とで もい うべ き方 向 で あ る。.
(5) 大 森 敏 江 公 社 の 役 割 に は ,パ ブ リック・ デ ィ ベ ロ ッパ ー ,コ ミュ ニ テ ィ. 537 ア イベ ロ. ッパ ー ,ラ イ フ ・ デ ィ ベ ロ ッパ ー の 3つ が あ る と考 え られ る。. パ ブ リック・ デ ィベ ロ ッパ ー とは ,公 共 の立 場 か ら住宅や関連施設 を供給 す る役割 で ,こ れ ま で主 に行 なわれて きた仕 事 で ある。 コ ミュニ テ ィ・ デ ィベ ロ ツパ ー とは ,地 域 に密 着 して住環境 を形成 す る役 割 で ,市 街地再 開発 へ の 参加 な ど,事 業 の比重を高 めつつ あ る。 そ して ライ フ・ デ ィベ ロ ッパ ー とは ,既 存 の ス トック資産 の維持改善 を は か り有効 活用 をすす め るとともに ,居 住者 の居住活動 の 活性化 を促す役割 で あ る。公社 が将来 に向 って 重点 を 置 くべ き役割 で あ ると考 え られ るが ,現 在 の と ころ ,ほ とん ど未 開拓 の状態 に あ るといえ る。. 2.居 住活 動 の 活性 化万 策 2。. 1. 集住 ライ フの開発 と誘導. 中高層住 宅 は ,す でに都市住宅 と して一 般化 し,共 同住宅 づ くりの ノ ウハ ウは豊 富 に蓄積 されて きた。 しか しなが ら,そ こでの生活 の仕方 ,居 住様式 につ いて は ,そ れに見合 っただ け の ものが育 ってお らず ,い ま だに居住者 の 対応 のまず さか ら,住 宅や共用施設 の使用 ,管 理 をめ ぐって ,あ るいは居住 者 ど う しの生活 にかかわ つて ,様 々な トラブルを起 こ しが ちで あ る。共 同住 宅 に住 んで生活を大切 にす るとい う ことは ,人 とのつ なが りを大切 に し,共 同 の 力 によ つて よ り良 い生活を築 いてい くこ とで あるのに ,隣 近所 とは 口 も きか ぬ ことが個人主 義的 に洗練 された生 き方 で あ るとの錯覚 が支配 した 時期 さえ あ った。 集住 す る ことの本来 の良 さ,楽 しさを取 りもどすためには ,共 同生活 にふ さわ しい行動様式 や居住活動を育 てて いかな ければ な らな い。賃貸住 宅 と分 譲住 宅 とで は ,そ れぞれ管理 の仕方 が異 な る ことか ら,管 理 にかかわ る問題 につ いて は個別 の検討 が必 要 で あるが ,中 高層住宅 にお け る集住 ライ フに 関 す る問題 につ いて は ,賃 貸 ,分 譲 とい う所有形 態 の違 いによ る差 はな い と考 え られ る。以下 で は ,管 理問題 につ いて は ,賃 貸 と分譲 とを 分 けて ,集 住 ラ.
(6) 538. 居住活動の活性化方策. イフにつ いて は ,共 通 の問題 と して検 討 して い る。. (1)充 実した集住ライフの実現 集住 す ることの利点 を積極的 に生 か した環境 づ くりが必要 で あ るが ,そ の 第 一 段階 と して ,物 的 な計画 の 多様性 ,柔 軟性 と連 動 して 多様 な人 々か らな る地域 社会 の形成 が望 まれ る。そのための方策 と して今 回 と りあげ た項 目に つ いて は ,新 規供給 は もちろんの こ と,ス トックにつ いて も,空 家募 集や 中 古流通を とお して ,あ るいは ,そ れぞれの共用空 間や共用施設 の維持管理計 画 の 中 で 実現 して い くことが望 まれ る もので あ る。 まず ,三 世代 家族 や二 世帯家族 ,高 令者世帯や身障者 へ の配慮 が必 要 で あ ろ う。核家族化 が進 んだ とはいえ ,現 在 で もわが国 の65才 以上 の高令者 の約. 7割 は家族 と同居 して い る。夫婦 がそろ って心 身共 に元 気 な 時 は必 らず しも 同居 を望 まないが ,健 康 が衰 えた り,配 偶者 を失 った りす ると同居 を望 む も のが増 えて くる。世代 の異 な る ものの 同居 は様 々な葛 藤を生 みが ちで あ るが. ,. 住宅 の面 か らは ,台 所 や便所 を別 に した 同居 ,隣 ど う しに住 む隣居 ,ス ー プ の さめな い位 の距離 に住 む近居 等 ,そ の解 決策 はい くつ か考 え られ る。 この よ うな多様な同居形 態を可能 にす る計画を 日常 の 安全性 の確保 とと もに進 め. ,. 高令者 および高令者 を抱 え る家族を積極 的に受 け入 れ る こ とが望 まれ る。わ が国の高令化 の進展 は ,世 界 で も類 をみな いス ピー ドで進 むため ,そ れ へ の 対処 は急務 で あ る。 身障者 につ いて は ,障 害 の種類 や程 度 によ って 住宅 に求 め られ る ものが異 な るので一概 にはいえないが ,少 な くと も,共 用部分 は車 イス で補助 な しで 移動 ,利 用 で きるよ うに し,改 造 を容易に して下足制を採用 す る等 の柔軟 な 計画 と,住 戸位 置を 1階 また は エ レベ ー タ ー停止階 に とる等 の配慮 が あれば. ,. 一 般 の共 同住 宅 の 中 でで も快適 な生活 が 営 め る可 能性 が あ る。 また ,単 身赴任 ,離 婚 ,家 庭 を作 らな い生 き方 の選 択等 に よ って ,今 後 ま す ます高 ま ると考 え られ る単身者 の住宅需要 に も応 えて い くこ とが必 要 で あ る。現在 で も単 身者用 の住宅 はあ るが ,ほ とん どが賃貸 で ,一 人住 ま いを ラ イフ コースの一 時期 だ けの もの と して と らえた計 TJで あ るため ,多 くはそ の.
(7) 大. 森. 敏. 江. 規模 が小 さ く,間 取 りも画 一 的 で ある。近年 ,生 活水準 の 向上 と価値 観 の 多 様化 か ら,住 宅 の規模 は必 らず しも家族人数 に比 例 す る もので はな く,む し ろ ライフス タ イル の影響を強 く受 け るものにな って きて い る。単身者 に も広 く門戸 を開放 し,各 々の ライ フス タ イル に適 した住戸 の選 択 を可能 にす るこ とが望 まれ る。 以上 ,い ずれに して も入居 に 際 して は ,入 居者側 に住 戸位 置 に 関す る選択 の 自由を与 えな ければ な らな い が ,現 段階 で は入居 者 が住宅形式 の特性 や住 戸位 置 による居住性 の違 い等 を 十分 に理 解 して いないために ,自 分達 の生活 や 行動様式 にふ さわ し くな い住 宅形 式や住戸位 置 を選択 して しまい ,不 満を 持 った り,近 隣 と トラブ ル を起 こ してい る例 が少 な くな い。 入居者 と住宅 との不適合 を さ け るために は ,供 給者側 か らの あ る程度 の入 居指導 ,入 居 コ ン トロールが必要 と考 え られ る。特 に高層住宅 に つ いて は. ,. その適応 層 は ,低 層住宅 の適応層 よ りも範 囲が狭 く,高 令者 や 身障者 ,乳 幼 児 を持 つ 家族 に とって は,高 層 とい う住 宅形式 その ものに起 因す る特性 が生 活上 の大 きな障害 とな ると考 え られ る こ とか ら,コ ン トロールの必要性 は大 きい といえよ う。 と ころで ,従 来 ,団 地や ニ ュー タ ウ ンの子供 の 問題点 と して ,生 活経験 の 狭 さ,遊 び文化 の貧弱 さ,母 親支配性等 が あげ られて きた。 これ らは と りも なお さず ,こ れまで の 集住 ライフが子供 に とって望 ま しい環境 で はなか った こ とを示 して い るといえよ う。住 み替 え志 向が高 い とはい うものの ,そ こに 定住 して ,子 供 を生 み ,育 ててい る世帯 は少 な くない。次代 をにな う子供達 が 自由 に伸 び伸 び と育 ち得 る環 境 を作 る ことが ,も っ と真剣 に考 え られね ば な らな い。なぜ な ら, 子供 に とって ,「 遊 び 」 は , 日常生活 の 中 で心 身を鍛 え ,社 会 に適応 す るた めに必要 な倫 理感や情緒 を養 い ,人 間関係 に慣 れて い くた めに不可欠 の もの と考 え られ るか らで あ る。住戸 内 での遊 びがあ る程度 規制 され ざるを得 ない共 同住宅 に あ って は ,子 供 の発達段階 に対応 した遊 び 場を確保 す る こ とは ,不 可欠 の条件 で あ るといえ よ う。 その他 ,よ り多様 で快適 な 集住 ライ フを めざ して ,小 菜 園 ,図 書室 ,工 作.
(8) 居住活動の活性化方策. 貿θ. 室等 ,さ まざま な共用施設 ,設 備 の設 置 に も積極 的 に取 り組 む こ とが望 まれ る,公 社 が企画 し,あ らか じめ計画 の 中に組 み込 む ,あ るいは一 定 の空間 だ けを確保 してお き,居 住者 の要求 を聞 きなが ら何 かを作 ってい くとい うや り 方等 が考 え られ る。前者 の場合 には ,そ の計画意図 につ いて居住者 の理解 と 協 力を求 め る仕 事 が ,後 者 の場合 には ,様 々な意 見を調整 しなが ら 1つ の も のにま とめて い くコ ンサ ル タ ン ト的 な仕 事 が要求 され る。また ,出 来 上 った 施設 の運営 ,管 理 は利用者 が共 同 で行 な うべ きもので あ るが ,成 功 に導 くた めの ノウハ ウにつ いて は,公 社 の 助言 ,協 力が求 め られ るで あろ う。 いずれ に して も,公 社 に期待 され る役割 は大 きい。 (2)「 住」情報提供の充実化 「 住」 とい うのは ,単 に物 的 な モ ノと しての住宅 とい う ことだ けでな く. ,. そ こでの生活を も含 めた広 い意味を持 つ もので あ る。 「 住 」情報 は ,大 き く 3つ に分類す る ことがで きる。 第 1は. ,ど の地域で どのよ うな住宅 が供 給 されて い るのか とい った ,住 宅. 選択 の 第 1段 階 に必 要 な情報 (物 件情報)。 第 2は ,特 定 の物件 の具体 的 な性能 に 関す る もので ,需 要者 が 自 らの住要 求 に適合す るか ど うか調 べ るため の情報 (性 能情報)。 第 3は ,入 居後 ,居 住者 が住宅を住 み こな して い くための情報 (生 活情報 ) で あ る。 二 段階供給方 式 や コーポ ラテ ィブハ ウ ジ ングのよ うに ,居 住者 の参加 や 目 前 でや る ことの傾 向 が強ま って きてい る中 に あ って ,「 住」情報 の持 つ 意味 と役割 は ,ま す ます増大 して きて い るといえ よ う。一般 に ,物 件情報 は量的 に は多 いが ,パ ンフ レッ ト等活字 を媒体 と した ものが多 く,書 式 が一定 でな ぃた め ,他 住宅 との比 較 が難 しい。公社住宅 につ いて は ,テ レホ ンサー ビス パ ンフ レッ ト,新 聞広告 ,ち ら し,ダ イ レク トメー ル ,モ デ ルルームその他 比較的多様 な方法 で物件 の情報 が流 されてお り,そ の 内容 につ いては需要者 の信頼 を得 て い る。 性能情報 や生活情報 につ いて は ,情 報 その ものが不足 してい る。. ,.
(9) 大 森 敏 江. 541. 性能情報 につ いて は ,住 宅 の性能 を購入者 に的 確 に知 らせ る「 性能表示 制 度」 の構想 が存在す る。表示 す べ き性能項 目,そ の表示方法等 まだ検討す べ き余地 が残 されて はい るが ,そ の研究成果 を 積極 的に取 り入 れ ,公 社 が性能 表示 の範 を示 す ことが望 まれ る。 生活情 報 につ いて は ,代 表的 な もの と して「 住 ま いの しお り」 があげ られ る。共 同住宅 での居住経験 を持 つ ものが少 なか った 頃 に は生活 の手 引書 と し て熱心 に読 まれ ,そ れが共 同住宅 での生活 の 安定 に果た した役割 は大 きい も ので あ った。 しか し今 日,多 くの人 に と って ,共 同住宅 に住 む とい う ことは と りたててめず ら しい ことで はな く,「 住 ま いの しお り」 へ の 関心 もあま り 高 くな い 。 とはいえ ,新 しい住 宅で生活を は じめ るにあた って ,ほ とん どの 人 が しお りに 目を とお して い る し,賃 貸住 宅 の場合 は ,そ れを読 む ことが入 居 の前提条件 で もあ る。また ,住 居 管理 の主 な遂 行者 で あ りなが ら,住 ま い に 関す る系統的 な情報 に接す ることの少 な い主婦 に と つて 「 住 ま いの しお り」 は最 も身近 な情報 で あ る等 ,そ の情報伝達 の手段 と しての有効性 につ いて は. ,. 他 に代 わ り得 る ものがない。 と りあげ る内容 によ って は ,居 住者 の住 ま い と 環境 と近 隣 の人 々へ の 関心 を高 め ,住 み方 や 行動様式 を洗練 させ てい く上 の 有 効 な手段 とな り得 るので はないだ ろ うか。公社 の現行 の 「 住 ま いの しお り」 の 内容 は ,入 居 のための手続 き,住 戸 の手 引 き,団 地生活 (禁 止事項 )等 で 構成 されてい るが ,住 戸 の手 引 きの内容 にはすでに 陳腐化 した ものがあ り. ,. 改訂 の必要 があ ると考 え られ る。管理 の し くみや苦情処理体 制 ,団 地生活 の 積極的 な特性 ,居 住者 の果 たす べ き役割 ,居 住者 と住宅 0環 境 との 関わ りの あ り方等 の 問題 も含 めて新 しいタ イプの「 住 ま いの しお り」 の作成 が望 まれ る。 と ころで ,生 活 は 日々変化す る もので あ り,次 々に さまざまな問題 が起 き て くる ことが予想 され る,入 居前 に 1度 配布 され るだ けの 「 住 ま いの しお り」 で は ,そ れ らの問題 に柔軟 に対処 で きな い。そ こで 別 の方策 が考 え られ な け ればな らな い。 前回 の公社住宅研究会 で も想案 されて いた「 公社住宅 ニ ュー ス」 の発行 もそ の 1つ と考 え られ る。.
(10) 542. 居住活動の活性化方策. 「 公社住宅 ニ ュー ス」 は ,生 活情報 や物件情報 とともに ,公 社 が実施 した 調査研究 ,実 験 試行等 の成果報告 ももりこみ ,共 同住宅 の しくみ ,つ くるプ ロセス と管理 へ の居住者 のかかわ り方等 へ の認識を高 めてい くとい う役割 が 期待 され るもので あ る。 しか し,こ れ も活字を媒体 と した情報 で あ り,す ば や い解 決 が望 まれ る個別性 の高 い問題 には適 当で はな い。臨機応変 に対処 で きる もの と して ,居 住者 の疑 問や悩 みに応 え る相談 窓 口等 が開設 され る こと が望 まれ る。相談 にの るの は管理人 で もよい し,あ るいは新 たに生活経験 の 豊 かな主 婦等を対象 に ,ハ ウ ジ ングア ドバ イザ ー とい った よ うな ものを養成 して もよ い。要 は ,住 ま いに 関 して ある程度 の 専門的知識 を持 ち,居 住者 の 相談 に親切 に機敏 に応 じ,居 住者 の立場か らそ の解決策 を考 え られ る人 で あ る こ とが必 要 なので あ る。. (3)居 住活動を支える公社業務 計画意図を生 か し,良 好 な住環境 を形成 ,維 持 してい くには ,居 住者 な ら びに居住者組織 の適切な対応 が不可欠で あ る。公社 は ,こ れ までに多 くの共 同住 宅を建設 ,供 給 し,そ の生 活を見守 って きたが ,そ の経験 の蓄積 か ら得 られ た もの を積極 的に居住者 に返す こ とによ って居住活動 を支 え ,活 性化 さ せ て い く必要 があ る。 集住 ライフにお け る居住活 動 の うち,公 社 がその あ り様 につ いて 助言 ,協 力 して い くべ きと思 われ る ものに管理組合 や 自治会 の活動 が ある。それ らに 積極的 にかかわ ってい く居住者 な らび に居住者組織 を育 て る ことは,共 用施 設 や 共有財産 に対す る関心 を高 め ,プ ライバ シーを保 ちつつ ,コ ミュニ テ ィ を大切に して ,気 持 ち良 く生 活 してい く方法を体得 させ て い くことにな ると 考 え られ るか らで あ る。 管理組合 は ,そ れぞれ の建物 ,敷 地 ,附 属施設 の管理 また は使用を ,よ り 円滑 に実 施 し,区 分所有者 の共 同 の利益 の増進 と良 好 な住環境 の確保 を図 る ために結成 され る もので ,そ の役員 や 規約 は区分所有者 が 自主 的 に決 め るべ き もので あ り,公 社 が介入す る ことは避 け るべ きで ある。 しか し,区 分所有 者 の 管理意識 ,管 理 へ の参加意識 は千差万別 で ,必 らず しも管理 に対す る積.
(11) 大. 森 敏 江. 極性 ,自 発性 は期待 で きない。管理 組合 が組織 と して 安定 し,実 際 にその 力 を発揮 で きるよ うにす るにはど うすればよ いか 等 につ いて は ,公 社 の助言. ,. 協 力 が必要 と考 え られ る。 また ,こ れ まで管理 組合活動 は分 譲住宅 に住 む ものだ けの もの と考 え られ て きたが ,共 同 の利益 の増進 と良好 な住環境 の確保 は,賃 貸住宅 において も 達成 す べ き課題で あ る。賃貸住宅 につ いて も賃借人 によ る管理組合 の結成 を 呼 びか け ,公 社 は当該住 宅 の維持管理費 の一 部 を組合 に任 せ て居住者 の維持 管理 へ の参加 を促 す よ うな こ とが検討 されて もよいので はな いだ ろ うか。 自治会 は ,分 譲住宅 において は時 と して管理組合 と同 一 の もの と考 え られ が ちで あ るが ,自 治会 は地域 によ るつ なが りを基本 とす る自治組織 で あ り. ,. 区分所有者 だ けでな く賃借人 や管理人 ,場 合 によ って は別 の 団地 に住 む人 々 を もそ の構成員 とす ると ころで 管理組合 とは異 な る。また ,管 理組合 の 目的 が区分所有者 の財産管理 (主 と して物 の管理 )で あ るのに対 し,自 治会 の 目 的 は ,地 域生 活 の 向上 や良好 な コ ミュニ テ ィの形成 とい った ,よ り深 く人 々 の生 活にかかわ る もので ある。 共 同住宅 にお ける快適 な生 活 は ,本 来 ,両 者 の有機 的 な活動 によ って 実現 され る もので あ ると考 え られ ることか ら,公 社 は ,管 理組合 だ けでな く,自 治会活動 の必要性 を も啓蒙 し,そ の活性化 につ いて も助言 ,協 力す る こ とが 望 まれ る。 その他 ,居 住活動を支 え る公 社業務 と して早急 に手 を打 つ 必要 があ ると思 われ る ものに苦情処理体 制 の整 備 が あ る。居住者 か ら持 ち込 まれ る苦情 は非 常 に多岐 にわた って い るが ,設 計施 工上 の不 備 によ るもの ,管 理業務上 の不 都合 によ る もの ,居 住者間 の 問題 に係 るもの ,販 売及 び権 利上 の 問題 に係 る もの等 に分 類す ることがで きる。それぞれ対処 す る部署 が異 な るが ,居 住者 は必 らず しも適切な と ころへ 相談 を持 ちか けて い る訳で はな く,苦 情 が しか るべ き部 署 に届 くま でに も時間 がかか ることが多 いよ うで あ る。現在 ,居 住 者 か らの苦情を直接 に受 けてい るの は ,現 地 の管理人 で あ った り,公 社 の各 部署 あ るいは住宅団地 サー ビスセ ンタ ー やその支 所 で あ った り様 々で ある。.
(12) 544. 居住活動の活性化方策. ゆえにそ の実態 も不 明確 で ,苦 情 の 内容 ,件 数等 につ いて も詳細 には把握 さ れてお らず ,ど のよ うに対処 したかにつ いての記 録 もな い。 トラブ ルの発生 を予防 し,か つ 発生 した トラブ ルに対 して的 確 にす ばや く 対応 してその解決を図 るには ,苦 情受付 の 窓 口を 一体化 し,持 ち込 まれた問 題 が ど こで解 決 で きるかを検討 し,当 該部署 へ まわす とい う体 制 づ くりが必 要 と考 え られ る。 ところで ,現 実 に持 ち込 まれ る相談 の 中 には ,苦 情 とい うよ りも,居 住者 の 切実 な生 活要求 で あ る場合 もあ る。それを苦情 と して処理 して しまい ,住 宅や住環境 を改善 してい くエ ネ ルギ ーの芽 を摘 み とって しま う ことのな いよ ヽしな ければ な らない。そのた めに も,受 付 窓 口には ,親 切で適切 な判 断 己 うノ 処 置 ので きる係員 の配 置 が必 要 で あ り,そ の養成 が望 まれ る。. 2。. 2. 維持管理体制 の充 実. (1)公. 社住宅管 理 の 実態 と問題点. 現在公社 が管理 して い る賃貸住 宅 は,121団 地 ,23,160戸 で ,高 層 が 10% 中層 が90%で あ る。入退去 管理 ,財 産管理等 の管理実務 の うち,住 宅 の維持 管理実務 は財団法人大阪府住 宅 団地 サー ビスセ ンターに 委託 して い る。また 長期分譲住 宅 12団 地 228戸 につ いて も経常 的 な修繕を同 セ ンタ ーに委託 して い る。 大阪府住 宅団地 サー ビスセ ンタ ーは,昭 和42年 に大阪府住宅供給 公社 の賃 貸住 宅 9,738戸 を管理す る団体 と して設立 された もので あ るが ,そ の後 昭和 45年 には府営住宅 の 管 理 も受託 ,昭 和48年 には大阪府 の外郭団体 の指定 を受 け ,現 在管理戸数 146,000余 戸 を数 え る ものに発展 して い る。そ の 中 で公社 の修繕業務 は図 3の よ うな体 制 で 行 なわれてお り,年 間修繕費 は昭和57年 度 で 約 10億 円で あ る。 経常 的 に生 ず る修繕 につ いて は ,現 地 に在住 す る管理人 を とう して入 居者 か ら提 出 され る「 補修 申請書」 に基 づ いて処理 されて い る。また ,退 去跡 の 修 繕 につ いて は ,セ ンタ ーの職員 が現地 に出向 いて 検査を行 ない (専 任 管理. ,.
(13) 大. 森 敏 江 ↓ 一. ︵ 施 行 ・完 了 ︶ r九了印 ︶. 0万 円未 満 2 ︵ 雑 修繕 ︶. ︵ 補 修 申請 書 ︶ ↓. (発 注 )→. F ︵. ︵ 設計書作 成 ︶︵ 協 議書作 成 ︶. ︵ 起 案 工事 ︶. 図 3 公社賃貸住宅修繕業務 フ ローチャー ト (財 団法人大阪府住宅団地 サー ビスセンターとの関係) 人 を 置 く団地 に つ いて は ,当 人 の 検 査 )10日 ∼ 14日 以 内 に修 繕 を完 了 す る こ とに な って い る。 しか し,実 際 に はそ の 対処 が迅速 で な い 場 合 が あ り,居 住 者 の 不 満 の 声 は高 い。 また ,退 去 跡修 繕 の 費 用 負 担 を め ぐ って の トラブ ル も 少 な くな い よ うで あ るが ,こ れ らの修 繕 の ほ とん どが 出張 所 で 処 理 され て い る こ と もあ って ,そ の 声 は公 社 ま で 届 きに くい。 計 画修 繕 は ,あ らか じめ 年 度 初 め に公 社 が決 め る計 画修 繕 計 画 に基 づ いて 行 な わ れ る。主 な もの は ,鉄 部 塗 装 ,外 装 替 ,各 戸 量水 器 取 替 え 等 で あ った が ,必 ず しも初 期 性 能 を保 ち他 の 部 分 の 劣 化 を 防 ぐた め の 明確 な 修 繕 周 期 に の っと って い る訳 で はな く,傷 ん で しま って か らの 事 後修 繕 的 な もの に な っ て い る もの もあ る。 そ の 他 ,配 電 盤 や 給 水 施 設 の 点 検 ,受 水 槽 ・ 高 置水 槽 ・ 給水 塔 ・ 浄 化 水 槽.
(14) 貿δ. 居住活動の活性化方策. の 清掃等 ,建 物 と一体 とな って 団地生活 を支え る諸設 備 の維持管理業務 も委 託 されて い るが ,そ の結果 は セ ンタ ー止 りで ,公 社 で は各 団地 の実態 が十分 把握 されていない場合 があ る。 以上 のよ うに現在 の維持管理業務 委託 には問題点 も少 な くな い。 一 方 , 住宅管理 は公社 の直接管理 で ,専 任 管理人25名 (53団 地), 兼任 管 理人 75名 (68団 地),補 助管理人 8名 (8団 地 )を 配 置 し,対 応 してい る。 管理人 の主 な業務 は ,住 宅管理状 況 の把握 ,補 修 申請書 の処理 ,入 居者 の 指導 , 届書等 の受理 0承 認 (公 社 との連 絡業務), 集会所 の管理 ,不 正 使用 の是 正 ,家 賃通張 の配 布 ,家 賃収納 にかか る指導 ,災 害時 の現地処理等 ,広 範多岐 にわた って い る。公社 の管理人 の概要 は表 2に 示 す とう りで ある。 表 2 公社管理人 の概要. 最 年少 平. 経 験 年 数 (年 ). (才 ). 年. 均 最年長 最. 短 平. 均 最. 管 理 戸 数 (戸 ) 長 最. 月ヽ平. 均 最. 大. 専任管理人 兼任管理人. 39. 61.5. 73. 0.6. 4。. 0. 11。. 9. 105. 601. 24. 39.8. 72. 0.4. 5.5. 12。. 0. 24. 108. 167. 補助管理人. 29. 34.7. 46. 1.7. 5。. 10。 1. 112. 275. 430. 2. 1,260. 専任 管理人 は ,公 務員 の退 職者 が 9割 以上 を 占 め ,兼 任 管理人 ,補 助管理 人 に つ いて も本務 は公務 員 とい うのが多 い。 これ まで公社 の管理人 につ いて は団地 内居住 が採用条件 で あ り,そ の他 の事柄 につ いて は特 に規定 はな く. ,. 管理 に 関す る専門的知識や経験 の有無 は問われなか った。現在 の管理人 は中 高年層 が圧倒 的に多 いが ,そ れ は中高年層 でな い とで きな い仕 事 で あ るとい うよ りも,む しろその待遇 の悪 さが若 い人 に魅 力を感 じさせ な いので はな い か と考 え られ る。 集住 ライ フ,共 同住宅居住 ゆえ の管理問題 は ,生 活管理 に までかかわ って くる こ とが しば しば ある。 ライ フデ ィ・ ベ ロ ッパ ー と しての 一 翼 をにな う管理人 と して は ,入 退居管理 や事務的連絡だ けでな く,ち ょ っ と した設備修繕 あ るいは ,よ り住 み心地 の良 い住 宅 ,住 環境 を作 って い くた めの生 活相談 ,ア ドバ イス等 にその業務 を拡 げ る ことが要求 され るで あろ う これに応 えて い くた めには ,機 械 ,設 備 ,建 築 ,そ して集 住 ライフに関す る.
(15) 大 森 敏 江. 知識 。技術を さ らに高 め るとと もに ,そ の待遇 改善 を はか り,管 理人 とい う 職業 を魅 力 ある専門職 と して 確立す る ことが必要 と考 え られ る。また ,そ の 間 回の広 い細 々 と した仕事 は主婦業 と相通 じる ものが ある ことや ,あ る程度 の在宅勤 務 が可能 な ことを考 え あわせ ると,管 理人 は男性 と限定 せ ず ,家 事 労働 の省 力化や育児期間 の短縮等 によ って 多 くの 自由時間 を持 て るよ うにな った主 婦層 の エ ネ ルギーを活用す ることも考 え られ て よい。 一 方 ,各 住戸固有 の 問題 につ いて は ,管 理人 にた よ るので はな く,居 住者 自身 の手 によ って適切 な処 置 がな され るよ う指導 ,誘 導 して いかな ければ な らな い。管理 に 関す る情報 の提供 ・ 管理知識 ・技術修得 のための公 開講座 の 開催等 ,各 種 の啓蒙 ・ 教育活動を積極 的に実施 して ,居 住者 の管理意識 の 改 革 と知識 ・ 技術 の 向上 を図 って い く必要 が あ る。その講 師を つ とめ る こと も 管理人 の新 しい仕 事 の 1つ と考 え られ る。 ところで ,担 当戸数 につ いて も再検討 が必 要 と考 え られ る。現在公社 の基 準 は ,専 任 管理人 1人 当 り 500戸 とな ってい るが ,根 拠 は明確 で はな く,実 際 には 2倍 以上担 当 して い る もの もい る。広範多岐にわた る管理人業務 を考 え ると, 1人 当 り平均約 600戸 とい うのは多す ぎるといえ よ う。団地を全体 と して と らえ ,迅 速 に対処 して い くのに適切 な担 当戸数 な らび に管理人 の配 置 の仕 方 の 検討 が必 要 で ある。. (2)修 繕・補修体制の見直 し 維持管理 につ いて は ,傷 んだ と ころを なおす とい うや り方 か ら,傷 み の早 期発 明 へ ,さ らにそ の予防 ,住 戸 の改善 へ と積極的 な取 り組 みが望 まれ るが その実現 のために は ,住 宅 の最 も身近 にい る居住者 の力を活用 す る ことが有 効 と考 え られ る。 ⑤入居 予定者 によ る入 居前点検 の実施 分譲 の場合 は瑕疵保証 との関係 もあ って ,一 応行 なわれて は い るが ,そ の 方法 につ いての マニ ュアル はな い。一 方 ,賃 貸 の 場合 は入居前点検 は行 なわ れていない。 もとよ り,素 人 に 十分 な点検 がで きるはず はな い。 しか しなが ら,点 検項 目とその チ ェ ック リス トを用意 し,点 検を促す ことによ って ,維. ,.
(16) 548. 居住活動の活性化方策. 持 管理 に対す る関心 を高 め ,日 常点検 の ポ イ ン トを知 ら しめ ることにな るで あろ う。 この こ とは ,長 い 目でみれば公社住宅 の資産価値 の保全 に もつ なが る,ま た ,そ の際管理人 が立会 い ,補 修負担 区分等 につ いて再度説明 してお くことによ って ,後 の補修 をめ ぐっての トラブ ル もある程度減 らす こ とがで きるので はな いだ ろ うか。 ②住宅 の定期点 検 の実施 公社 の ア フタ ーサー ビス は ,年 々充実 が図 られ ,瑕 疵補修 につ いて も,従 来 は躯体 2年 で あ った ものが ,昭 和57年 8月 に は躯体 10年 に改正 された。F隈 疵補修基準 の 改正 によ つて ,分 譲 も長 くその居住者 とかかわ りあ って い くこ とにな るが ,そ のよ うな 中 で居住者 が最 も望 んで い る ことは ,定 期点検 の実 施 で あ る。昭和58年 度 か らは表 3の よ うな要領 で行 なわれ る ことにな って い るが ,そ の うち 2年 目ま での 5回 の点検 が業 者 に義務 づ け られ てい る。 3年 目以 降 につ いて も入居者 の要望 があれば これに応 え る ことと してい る等 ,ラ イフデ ィベ ロ ッパ ー と しての積極 的 な姿勢 は評価 で きよ う。 賃貸住宅 の場合 は ,附 帯設備 の点検 は住 宅団地 サー ビスセ ンタ ーの手 で 行 なわれてい るが ,住 宅 につ いて は ,管 理人 が住宅管理状況 の把握 の一環 と し 表 3 公社分譲住宅の定期点検時期及び点検項 目 調査点検時期. 2週 間以 内. 点. 検. 項. 目. 点検 立会者. 備. 考. か し補修基準 の 施 工 業者 全 項 目 及 び公社. 公社 は必要 に応 じて立会 を行 う. 施工業 者. 入居者 の 要望 が な ければ原則 と して公社 は立会 しな い. 3ケ 月 〃 6ケ 月 〃. 2ケ 年 〃 3ケ 年以後 (注. 間目 期項 修た 補い の除 準を 基年 上1 同の. 1ケ 年 〃. 入居者 の要望 に よる項 目. )点 検時期は工事の引き渡 し日か ら起算 し,未 入居 の住戸 について は,そ の期間内にある点検時期は省略出来るが未入居期間 のか し 補修基準 の適用 について は,別 途協議す る。.
(17) 大. 森. 敏. 江. 549. て行 な って い る場合 が あ るだ けで シス テ ム化 されて いない 。 しか し,賃 貸住 宅 にお け る定 期点検 の実施 は ,住 宅 の住 み心地 を良 く し,寿 命 を 伸 ばすだ け でな く,居 住者 の公社 へ の信頼 と維持管理 へ の 関心 を 喚起 す ると考 え られ る。 住 宅 の損耗 や損 傷 を最 も早 く発 見 しや す い立場 に あ る居住者 の 自主 的点検を 巧 みに誘導す る ことがで きれば ,公 社 はさほどの負担 を強 い られ る ことな く 定期点検を実施 していけ るので はな いだ ろ うか。 賃貸 ・ 分譲 いずれに して も定期点検 の効率 的 な 実施 には ,居 住者組織 と公 社 との連 絡 が十分 とれて いな くて はな らな い。 ここで も「 公社友 の会」 の活 動 や「 公社住宅 ニ ュース」 の発行 ,管 理組合 や 自治会活動 へ の支援等 の効果 が期待 され る。 ③修繕 ,補 修 カルテの作成 とその有効利用 ・住宅 を供給 した ものがその 修繕 ・ 補修 を も手 が けてい くことは ,初 期条件 がわ か って い るだ け に有 利で あ り,経 年的 ,継 続 的状 況把握 も可能 で あ る等 利点 が 多 い。現在公社 の分譲住宅 の修 繕 ,補 修 は ,I隈 疵保証期間後 は公社業 務 の範 囲外 で あ る。 しか し実際 に は ,要 件 によ って は十数年 た って もなお補 修 業務 を実施 した り,居 住者 か らの相談 にの った り して い る ことか ら,瑕 疵 保証期間後 もその修繕補修 を手 が けて い く下地 はで きて い るといえ よ う。賃 貸住 宅 につ いて は ,実 務 は大 阪府住宅 団地 サー ビスセ ンタ ーに委託 されて い るため ,公 社 で は詳 細 は把握 されて いない。修繕補修 にかか った金額 だ けで な く,団 地別 に ,具 体 的 な修繕 内容 ,工 期 ,使 用材料等 につ いて も記録 ・保 管 し,そ の分析 ,検 討結果を 一 般修繕 や計 画修繕計画 に有効 に利用 す る こ と が望 まれ る。建設年度 は同 じで も,そ れぞれ の 団地 の周辺環境 や 居住者 の住 み方 ,管 理 へ の 関わ り方 の違 いによ って ,劣 化 の程度 は様 々で あ る。そ の実 態 を把握 し,効 率的 な修 繕 を進 めてい くには ,団 地別 の修繕 ,補 修 カルテを 作成 し,そ れぞれ の実情 に応 じて柔軟 な対策 をたてていかね ばな らない。 予 算額 によ って修繕計画 をたて るので はな く,計 画 か ら予算 が は じき出 されね ばな らな い。. (3)維 持管理体制の整備.
(18) 居住活動の活性化方策. 55θ. ①賃貸住宅管理業務 の直 営化 と居住者参加 の誘 導 建物 の効用 を長 く保持す るには ,一 貫性 ,継 続性 ,継 承性 の ある管理 が望 まれ るが ,そ れに は ,住 宅 の供 給者 によ る直営管理 が有 利で あ る ことは言 う ま で もない。 現在公社 の管理実務 を受託 して い る大阪府住宅団地 サ ー ビスセ ンタ ー は. ,. もと もと公社住宅 の管理 のために作 られた組織 で はあ るが ,府 営住宅 の管理 を受託 してか らは ,そ の数 が公社住宅 の数を は るかに上 回 り,昭 和56年 度 の 事業費 でみ ると,公 社住 宅 の管理 が 占 め る割合 は ,13。 3%に す ぎな くな って い る。主 にメ ンテナ ンス業務 を受 け持 ってい るが ,ほ とん どが出張 所 で処理 されてお り,そ の体験 か ら学 ばれた知識や新 しい管理技術 が フ ィー ドバ ック されて公社 の新 しい開発計画 の 中 に と り入 れ られ るよ うな体 制 にはな って い な い。 また ,20万 円以上 の修繕 に つ いて は ,公 社 との協議 が必 要 な ことか ら. ,. 速 やかな対処 がで きに くい等 の欠点 が あ る。 一 方公社 で は ,ラ イフ 。デ イベ ロ ッパ ー と してその本来果 たす べ き役割 を 意欲 的 に開発推進 してい こ うとい う気 運 がたかま って きて い る こ と等 か ら. ,. 管理業務直営化 の機 は熟 して きて い るといえよ う。昭和58年 度 か ら,計 画修 繕 の一 部 が直営 で行 なわれ るとい う こ とで あ るが ,一 般修繕 に つ いて も検討 し,よ り積極 的 にかかわ つて い くことが望 まれ る。 とは いえ ,団 地 とい う地域 の 中 で生 じるす べ ての こ とを供給者 が管理業務 と して受 け とめ る こ とは困難 で あ る し,不 必要 で もあ る。住 宅 の管理行為 の 中 には ,近 隣 へ の気 くば り,共 同生活 のルー ル の遵守 ,自 治会活動 へ の参加. ,. 住 宅や玄 関まわ りの清掃 ・ 点検等 の維持管理 とい った ,賃 貸 ・ 分譲 の いかん にかかわ らず住生活 の一 部 と して 自 らの責任 でな す べ きものが含 まれ てい る 管 理業務直営化 に あた つて は ,居 住者 の管理 に 関す る権利 と義務 を明確 に し. ,. 公社 との適 正な役割分担 を図 る こと,ま た ,現 在 の管理水準 が低 いた めに. ,. 望 ま しい管理 を実現 す るに は管理 費 の増大 が伴 わな けれ ばな らない こ と等 に 対 して居住者 の理 解 を得 るとい ったよ うな ことが必要 にな って くる。 それに は ,先 述 した「 住 ま いの しお り」 や「 公社住宅 ニ ュース」 の発行 ,管 理人 や.
(19) 大 森 敏 江. ハ ウ ジ ングア ドバ イザ ーの活躍 ,管 理組合 や 自治会活動等 が大 きな力 とな る で あろ う。 ②分譲住宅管理 へ の 関与 賃貸住 宅 の管理 の直 営化 と関連 して ,分 譲住宅 の管理 問題 につ いて も,積 極 的 な取 り組 みが期待 され る。修 繕業務 の受託 ,管 理人 の養成 とその派遣. ,. 「 公社住宅 ニ ュース」 の発行 や ,修 繕積立金 の あ り様等 につ いての啓蒙 活動 。 それを反 映 した 共 同住宅 の建設 ,分 譲 (例 えば ,管 理人室 の設 置 ,維 持管理 しやす い建物形 態 の 開発等), さ らに進 んで , 分譲後 も管理業務 を公社 が担 当 し住居 管理 の本来 あ るべ き姿を 具現 して い くモ デ ル管理住宅 の建設 ,運 営 等 が考 え られ る。また ,住 宅協会 時代 の老朽化 した狭小 な住 宅 の建 て替 えや 増 改築 が今後行 なわれて い くはずで あ るが ,公 社 がその ノ ウハ ウを住宅 の建 て替 えや増 改築を望 んで い る人 々に提供 す ること も考 え られ よ う。特 に ,増 改築 に つ いて は ,一 般住宅市場 で も需要 の増大 が見込 まれてい る ものの ,誰 にたのんだ ら,ど の よ うな増 改築 が ,い くらで ,ど の くらいの期間 でで き. ,. どのよ うな助成 措置が あ るのか とい った情報 を提供 す る体 制 が整備 されて い な い。 「 住 」情報提供 の充実化 の一環 と して , 例 えば , 増 改築 モ デ ルル ーム を開設 し,ハ ウ ジ ングア ドバ イザ ーを常駐 させ る等 ,公 社 がその先駆 とな る ことが期待 され る。.
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