―3― 日ストーマ・排泄会誌 37(2):3 4,2021
[令和2年度学会賞]
令和2年度学会賞報告
令和2年度学会賞は平井菜穂氏に決定いたしました。 受賞者:平井菜穂 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 第36巻(第3号):106-113、2020 受賞の言葉 この論文は、日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会の主軸とは異なる内容であったた め、学会誌に掲載して頂いただけで感謝しておりましたところ、2020年度の学会賞まで授与し ていただき誠に有難うございます。 この論文の対象となる疾患は、理学療法士にとって、保険収載されておらず経験者が少ない ため、実際に治療に当たられている先生方の病院に見学させていただきました。また、この論 文は、排便障害に関連した学会などに参加して経験豊富な先生方にご相談させていただくなど、 皆様に教えていただきながら患者様と共に試行錯誤の中で行った経験をまとめたものです。ご 指導、ご協力いただいた全ての方々に心より感謝申し上げます。 最後に、様々な角度から助言をしてくださった編集委員の皆様、査読をしていただいた先生 方、事務局の方々に深く感謝申し上げます。この賞をいただいたことを励みに、今後も医療人 として精進して参りたいと思っております。誠に有難うございました。[研究報告]
骨盤底筋協調運動障害を呈する便排出障害には
肛門筋電計を用いたバイオフィードバック療法が有用である
平井 菜穂,角田 明良
亀田メディカルセンター [索引用語:骨盤底筋協調運動障害、便排出障害、バイオフィードバック療法]―4― 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 37巻2号(2021年6月号) 要 旨 【目的】骨盤底筋協調運動障害を呈する便排出障害(骨盤底筋協協調運動障害)に対する肛門 筋電計を使用したバイオフィードバック療法(Biofeedback Treatment,BFT)の介入効果を検証 する。 【方法】対象は2016年7月~2019年5月に骨盤底筋協調運動障害と診断されBFTを行った患者。 BFT施行回数は原則1ヵ月に1回計5回行った。治療効果の評価には、Constipation Scoring System (0-30)(CSS) ス コ ア、Obstructed Defecation Syndrome (ODS) ス コ ア、Patient Assessment of
Constipation Quality of Life(PAC-QOL)調査票を使用した。
【結果】対象者14例の年齢は73歳(58-85歳)で、男性が12例、女性2例であった。脱落例1例を 除き13例で効果の検討を行った。CSSスコアはBFT前14(4-18)からBFT後8(3-15)と有意に 改善し(p=0.007)、ODSスコアはBFT前16 (7-21)からBFT後7 (0-17)と有意に改善した(p =0.002)。PAC-QOLのOverallはBFT前1.9(1.0-3.6)からBFT後0.8(0.2-2.5)と有意に改善した(p =0.002)。 【結論】骨盤底筋協調運動障害患者を呈する便排出障害には、肛門筋電計を用いたバイオフィ ードバック療法が、便秘症状ならびに生活の質を有意に改善するため有用である。