• 検索結果がありません。

3次フルーエンシDA関数による標本化関数の代用

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "3次フルーエンシDA関数による標本化関数の代用"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

3 次フルーエンシ DA 関数による標本化関数の代用

関口明生

(電子制御工学科)

Signal Reconstruction

using Cardinal Basis Spline Function of Third-order

SEKIGUCHI Akio

(Department of Control Engineering)

Abstract: Cardinal basis spline functions of second-order and third-order was clearly denoted, in order to encourage

its recognition and new applications in the future. The basis function of infinite-order, which is known as the sampling function sinc(t), is used for the perfect reconstruction of the original signal from its periodically-sampled signal, based on the sampling theorem. By using the basis function of second-order or third-order as substitute for the sinc(t), we can reconstruct a continuous signal with frequently required smoothness of C1 or C2 continuity, under smaller amount

of calculation. The reconstructed signals are also denoted in matrix forms of their polynomial equation, respectively.

Keywords: fluency information theory, signal reconstruction, interpolation, C2 continuity, cardinal basis spline

1. はじめに

「標本化定理」1,2) といえば工学の多くの学生が 習う。「角周波数の最大値がfmaxの信号f(t)を標本化 する際には、少なくともfmaxの2 倍より高い周波数 で標本化すべきである。このとき元の信号 f(t)を標 本化関数sinc(t)と標本値 f(kT)(k は整数)から ( )sinc k t kT f kT T         

(1) によって完全に再生できる」ということである。 一方、寅市らの称するフルーエンシ情報理論を代 表するフルーエンシDA 関数3-5) は、その有用性に もかかわらず、ほとんど知られていないように見受 けられる。例えば、フルーエンシDA 関数が記載さ れた国内の書籍を見つけることは困難である。海外 の文献6) ではcardinal basis spline と称される例を見

つけることができた。学術的あるいは技術的な利用 については信号の再生すなわち補間のみならず微 分・積分・平滑化・データ圧縮など多くの伸び代が あるように考えられる。 筆者は9 年ほど前に 2 次のフルーエンシ補間を知 り用いた7) ことがあるものの、信号処理を専門分野 としているわけではなくその素養に優れるわけで もない。しかし、フルーエンシDA 関数やそれを用 いた補間について、私のような者にも実用上便利で あるということから、この研究ノートをまとめる。 特に、2 次フルーエンシ DA 関数については明確に 導出された式が見つかる8) が、2 階微分まで連続(C2 連続)である点で便利な3 次フルーエンシ DA 関数 については見受けられないため、実用性を考慮して 本稿で整理する。

2. 矩形関数や標本化関数との関係

(1)式のように標本化関数 sinc(t)を用いた再生は、 標本化定理を満たし式通りの計算が可能であるな らば、元信号を完全に再生する。一方、(1)式の標本 化関数を矩形関数 1 | | 1/ 2 rect( ) 1/ 2 | | 1/ 2 0 other t t t        (2) 木更津工業高等専門学校紀要 第53号(2020) 89

(2)

に置き換えれば、通常のDA 変換器の出力に似た階 段状の関数が再生されるi。 フルーエンシDA 関数は、図 1 に示すように、矩 形関数から標本化関数までの一連の関数に相当す る。矩形関数(0 次フルーエンシ DA 関数)による 再生が0 次ホールドであり、三角形関数(1 次フル ーエンシDA 関数)による再生が 1 次ホールドすな わち線形補間であり、標本化関数(次フルーエン シDA 関数)による再生が標本化定理における再生 であるii。 三角形関数の次とその次にあたる関数がそれぞ れ 2 次フルーエンシ DA 関数と 3 次フルーエンシ DA 関数であり、(1)式の標本化関数をこれらの関数 に置き換えて得られる関数を、2 次と 3 次のフルー エンシ補間という。すなわち、標本化関数の代用と してフルーエンシDA 関数を用いて標本値から元の 信号を再生しようとすることが、フルーエンシ補間 である。 n 次フルーエンシDA 関数は、図 2 に示すように 矩形関数どうしを n 回畳み込みした関数を用いて 求めることができる。これらの関数は、奇関数とし て表したn 次 B-Spline 基底関数9,10) でもある。

3. 2 次フルーエンシ DA 関数と補間

矩形関数どうしを2 回畳み込みした関数は

2 2 3 1 2 2 2 1 1 2 2 2 1 3 2 2

( ) (rect rect rect)( )

(4 12 9) / 8 , ( 4 3) / 4 , (4 12 9) / 8 , 0 other t t t t t t t

                 (3) である。この関数2(t)をそれぞれ–1/2, 0, 1/2 だけシ フトさせ、独立変数t が 0 で値が 1 となり 0 以外の 整数で値が 0 となるように定数(それぞれ–1/2, 2, –1/2)を掛けて足し合わせれば、2 次フルーエンシ DA 関数が以下の通り求まる。

2 1 2 2 1 2 2 3 2 2 2 3 2 ( 7 4) / 4 | | 0, (5 12 | | 7) / 4 | | ,1 ( ) (3 8| | 5) / 4 | | 1, (| | 2) / 4 | | ,2 0 other t t t t t t t t t t t

                (4) この関数2(t)を(1)式の標本化関数の代わりに用 いれば、周期 T の等間隔データ f(kT)に対して、周 期の半分ごとの区分多項式による 2 次フルーエン シ補間が求められる。 (1)式をそのまま用いて f(t)の値を求める際には基 本的に、多くの標本値が影響するため、実用上は計 i 矩形関数 rect(t)は、標本化関数 sinc(t)と互いにフーリエ変換の関 係にあるほか、0 次フルーエンシ DA 関数や奇関数として表した 0 次 B-Spline 基底関数に一致する。 ii これら一連の関数は、独立変数が整数であるときにクロネッカ のデルタ関数に一致する。 図1 矩形関数 rect(t)と標本化関数 sinc(t)と n 次フ ルーエンシDA 関数の比較 (n = 1, 2, 3) rect(t) 1(t)2(t)3(t) sinc(t) re ct (t) , 1 (t) , 2 (t) , 3 (t) , s in c( t) t -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 0 0.5 1 図2 矩形関数 rect(t)どうしを n 回畳み込んだ関 数n(t) (n = 1, 2, 3) rect(t)1(t) 2(t)3(t) re ct (t) , 1 (t) , 2 (t) , 3 (t) t -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 0 0.5 1 関口明生 90

(3)

算量が多くなり打切り誤差が生じる。 これに対し、2 次フルーエンシ補間の場合には隣 り合う2 点の間を補間するためにその前後の 2 点を 加えた計4 点で補間計算を行うことになり、計算量 は比較的少ない。 実用上は(1)式と(4)式をまとめて表すことで、計 算内容を整理できる。具体的には、 = (t – kT)/T, xk = f(kT) と表すこととすれば、0 ≤ < 1/2 すなわち kT ≤ t < kT+T/2 における補間多項式は 1 2 1 2 3 7 5 1 1 2 0 2 0 4 1 0 4 0 0 T k k k k x x x x

                            (5) と表すことができる。一方、1/2 ≤  < 1 すなわち kT+T/2 ≤ t < kT+T においては、(5)式の を(1 – )に 置き換え xkを含むベクトル内の要素の順番を反転 させて用いるか、それを整理して 1 2 1 2 1 5 7 3 1 2 12 14 4 4 1 1 7 3 1 T k k k k x x x x

                             (6) として計算することもできる。2 次フルーエンシ DA 関数による補間には、1 階微分まで連続性が保たれ る特徴(C1 連続性)があり、(5)式や(6)式の微分は 見ての通り容易に求められる。

4. 3 次フルーエンシ DA 関数と補間

矩形関数どうしを3 回畳み込みした関数は 3 3 3 2 3 2 3

( ) (rect rect rect rect)( )

( 2) / 6 [ 2, 1) ( 3 6 4) / 6 [ 1,0) (3 6 4) / 6 [0,1) ( 2) / 6 [1,2) 0 other t t t t t t t t

                         (7) である。この関数3(t)をそれぞれ–1, –1/2, 0, 1/2, 1 だ けシフトさせ、独立変数t が 0 で値が 1 となり 0 以 外の整数で値が0 となるように定数(それぞれ 1/6, –4/3, 10/3, –4/3, 1/6)を掛けて足し合わせれば、3 次 フルーエンシDA 関数が以下の通り求まる。

3 3 2 1 2 3 2 1 2 3 2 3 2 3 2 3 2 3 2 5 2 3 5 2 ( ) (28| | 45 18) /18 | | 0, (20 | | 33 6 | | 19) /18 | | ,1 ( 11| | 51 77 | | 37) /12 | | 1, ( 3| | 15 23| | 10) /12 | | ,2 (7 | | 51 123| | 98) / 36 | | 2, ( | | 3) / 36 | | ,3 0 ot t t t t t t t t t t t t t t t t t t t t t t

                                     her                (8) この関数3(t)を(1)式の標本化関数の代わりに用 いれば、周期 T の等間隔データ f(kT)に対して、周 期の半分ごとの区分多項式による 3 次フルーエン シ補間が求められる。 3 次フルーエンシ補間のためには隣り合う 2 点の 間を補間するためにその前後の 2 点ずつを加えた 計 6 点で補間計算を行うことになる。このため、2 次の場合と同様に、(1)式と(8)式をまとめて表すこ ともできる。具体的には、 = (t – kT)/T, xk = f(kT) と 表すこととすれば、0 ≤  < 1/2 すなわち kT ≤ t < kT+T/2 における補間多項式は 2 3 1 2 1 2 3 7 33 56 40 9 1 9 54 90 54 9 0 1 3 24 0 24 3 0 36 0 0 36 0 0 0 1 T k k k k k k x x x x x x

                                               (9) と表すことができる。一方、1/2 ≤  < 1 すなわち kT+T/2 ≤ t < kT+T においては、(9)式の を(1 – )に 置き換え xkを含むベクトル内の要素の順番を反転 させて用いるか、それを整理して 2 3 1 2 1 2 3 1 9 40 56 33 7 3 18 66 78 45 12 1 3 6 12 12 15 6 36 1 3 38 2 3 1 1 k k k k k k x x x x x x

                                                    T (10) 3次フルーエンシDA関数による標本化関数の代用 91

(4)

として計算することもできる。3 次フルーエンシ DA 関数による補間には、2 階微分まで連続性が保たれ る特徴(C2連続性)がある。

5. 計算例

図3 に 3 次までのフルーエンシ DA 関数を用いた 補間計算の例を示す。1 次フルーエンシ DA 関数は 三角形関数に等しいため線形補間に相当する。3 次 のフルーエンシDA 関数3(t)を用いた計算について 例示すれば、3 ≤ t < 3.5 における補間多項式は 33(t – 1) + 43(t – 2) + 63(t – 3) + 23(t – 4) + 3(t – 5) + 3(t – 6)と、3.5 ≤ t < 4 における補間多項式は 33(1 – t) + 43(2 – t) + 63(3 – t) + 23(4 – t) + 3(5 – t) + 3(6 – t)と表すことができる。この例では、標本点 のみを用いて補間曲線を計算しているため 3 次の 補間では両側2 点との間が結ばれていないが、その 外側にダミーの点を設ければその間も接続するこ とができる。3 次の補間では 2 次の場合に比べてな めらかな補間が実現できている。

6. まとめ

前述のように学術的に新しい点はない。3 次フル ーエンシDA 関数を明示的に導出した文献が見受け られなかったため、(8)式の通り導出した。フルーエ ンシDA 関数による標本の再構成すなわち補間を、 (5)式や(9)式のような独自形式で表した点も実用を 考慮してのことである。日本発の当該技術について 認知拡大と有効活用を願う。

参考文献

1) 平林晃:「信号の標本化」,電子情報通信学会「知 識ベース」,1 群 5 編 3 章,p.2, 2011. 2) 滝澤英一:「一般化された標本化定理―一変数 の標本化定理―」, 精密機械, Vol.41, No. 5, pp.16-20, 1974.

3) Kazuo Toraichi, Masaru Kamada, Ryoichi Mori: “Sampling Theorem in the Signal Space Spanned by Spline Functions of Degree 2”, IEICE Transactions, Vol.E68, No.10, pp.660-666, 1985. 4) 鎌田賢,寅市和男,森亮一:「一般次数のスプ ライン関数から成る信号空間における標本化 基底について」,電学論 A,Vol.J71-A, No.3, pp.875-881, 1988. 5) 高橋知幸,河辺徹,中村浩二,寅市和男,片岸 一起,大津展之:「不均等間隔標本補間に対す る 標 本 化 関 数 」, 電 学 論 C ,Vol.125, No.7, pp.1093-1100, 2005.

6) Stephen Kruzick, Justin Romberg: “Sampling and Reconstruction”, Sygnals and systems, Orange Grove Books, pp.185-197, 2009. 7) 関口明生,杉田栄彦,荒井裕彦:「傾斜絞りス ピニング加工法の開発―反力提示機能のある 教示システムを用いた教示再生加工―」,第 16 回 ロ ボ テ ィ ク ス シ ン ポ ジ ア 講 演 論 文 集 , pp.582-587(6B3), 2011. 8) 寅市和男,中村浩二:「DVD-Audio 用二次の標 本化関数」,電学論C,Vol.123, No.5, pp.928-937, 2003. 9) 市田浩三,吉本富士市:「スプライン関数とそ の応用」,教育出版,pp.18-28, 1979. 10) 桜井明,吉村和美,高山文雄:「パソコンによ るスプライン関数」,東京電機大学出版局, pp.23-31, 1988. 図3 等間隔標本値に対する線形補間と 2 次・3 次のフルーエンシ補間の比較 In te rp ol at io n t linear quadratic cubic 0 1 2 3 4 5 6 7 0 1 2 3 4 5 6 関口明生 92 (2019年9月24日受領)

参照

関連したドキュメント

In this way, we succeeded to find sufficient conditions for the absence of both eventually positive and monotonically non-decreasing solutions of (11) and eventually negative

The categories of prespectra, symmetric spectra and orthogonal spec- tra each carry a cofibrantly generated, proper, topological model structure with fibrations and weak

Recently, a new FETI approach for two-dimensional problems was introduced in [16, 17, 33], where the continuity of the finite element functions at the cross points is retained in

The torsion free generalized connection is determined and its coefficients are obtained under condition that the metric structure is parallel or recurrent.. The Einstein-Yang

We show that a discrete fixed point theorem of Eilenberg is equivalent to the restriction of the contraction principle to the class of non-Archimedean bounded metric spaces.. We

We include applications to elliptic operators with Dirichlet, Neumann or Robin type boundary conditions on L p -spaces and on the space of continuous

It is then natural to ask whether the analogue of Dahlberg’s the- orem ([Da]) holds for the heat equation in Ω. Of course, the graph of a function of class C 1/2 is in general

Abstract The representation theory (idempotents, quivers, Cartan invariants, and Loewy series) of the higher-order unital peak algebras is investigated.. On the way, we obtain