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「品質工学」誌の価値を高めるために(その1)

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Academic year: 2021

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本座談会の狙い

坂本 品質工学研究の普及や発展について,学会誌 をこれまで以上に活用してもらうためにはどのよう に編集したらよいか,あるいは学会誌の価値を高め るための編集はどうあるべきか等について話し合い たい。定例の編集委員会では限られた時間の中で決 められた議事予定をこなすのが精一杯なので今日の 席はこのテーマだけで話し合うために設けた。 一方,論文投稿数が減ってきている中ではあるが, 相変わらず企画や編集や査読に苦労している。投稿 論文や論説,解説等の投稿を促すとともに,査読と 編集作業をスムーズに進めていくために種々の課題 もある。 論文投稿を促す施策としては,今回の大会から会 員が社外発表の社内手続きを 1 回で済ませられるよ うに,大会発表の予稿を論文投稿できるようにした。 引き続き新しいカテゴリーの創設や,投稿の種別・ 区分の明確化など,改善策を実施してゆきたい。 今日は上杉さんにも参加していただいているの で , ま ず は 一 連 の 改 善 の 中 に 新 し い カ テ ゴ リ ー 「QE スクエア」の新設があるが,どのようにすれ ばこの欄が地域の研究会活動に利用していただける か検討してみたい。 もともと地域の研究会は学会の支部として組織さ れているわけではない。それ故に各地の研究会はそ れぞれに特色を有した活動を展開している。

研究会活動と学会誌の役割

澤田 以前から地域の研究会の皆さんにもっと学会 誌を活用していただきたい,と考えていた。地域の 研究会には全国に向けて発信したいことがもっとあ るはず。先般,神奈川県立産業技術総合研究所(以 下,神奈川産技総研)が主催し,神奈川品質工学研 究会の共催で実施した「品質工学フォーラム in 神 奈 川 」 に 参 加 し た の が き っ か け だ っ た ( 本 誌 Vol.27, No.3 に報告所収)。また関西品質工学研究 会による創立 20 周年記念講演会の開催報告も掲載 された。一つのモデルになるのではないかと感じて いる。 坂本 関西品質工学研究会では,今秋,京都技術科 学センター等との共催で「品質工学シンポジウム 2019 in おおさか」を計画している。また 25 周年で も特別記事を載せたいという希望があるようだ。 澤田 他にも東北品質工学研究会が毎年開催してい る機能性評価祭り(現在は「タグチメソッドフェス タ」と名称変更)がある。NMS 研究会では毎年 2 月に公開研究会を開催している。ほかの研究会でも それぞれ特色ある活動を展開している。以前,東北 研究会の“祭り”に参加させていただいたことがあ るが,30 名ほどが参加した万歩計の機能性評価ワ

「品質工学」誌の価値を高めるために(その 1)

For Enhancing Value of Journal of Robust Quality Engineering Society (1)

出版部会編集委員会

参加者:矢野耕也

(日本大学)

,江末良太

(IHI)

,窪田葉子

(日本水環境学会)

,坂本雅基

(花王)

,澤田位

(NMS 研究会)

,高橋和仁

(神奈川県立産業技術総合研究所)

,細井光夫

(小松

製作所)

,見原文雄

(日本能率協会コンサルティング)

,吉原均

(キヤノン)

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ークショップ,初心者向けのプログラムなど興味深 く見学した。こうした活動のほとんどは本誌の「掲 示板」に実施報告として掲載されるのみである。 矢野 これまでは「掲示板」の文字数の制約等もあ り出せなかったし,出せるような別の欄自体がなか ったのだが,今般新設される「QE スクエア」を活 用してもらえたらよいのではないかと考えている。 また文字数の制約の理由であるが,たとえば 2010 年の 2 月号(Vol.18,No.1)などは論説 3 報,解説 4 報,原著 6 報が掲載され,総計で 218 ページもあ り予算が超過をしていたため,当時の「広場」欄の 文字数の制約をお願いし,結果としてそれが現在も 続いているということである。東日本大震災の影響 があったのかどうかはわからないが,2011 年の夏 以降,段々ページ数が減っていったが,数年前の状 況と現在とでは異なっている。 澤田 今回の神奈川研究会のシンポジウムのよう に,学会誌に開催報告を掲載してほしい,という要 望が寄せられたこともある。本誌はそのような場を 提供し,地域の研究会に活用してもらうことが大事 なのではないか。問題は地域の研究会の方々がどう 考えるかということだと思う。学会誌の記事が足り ないので押し付けられたと誤解されたくない。 吉原 研究会がホームページを持っている。やるな ら,学会のホームページからリンクを貼るほうが合 理的ではないか。 澤田 その通りだが印刷物には視認性の良さなど印 刷物としての良さがある。いろいろなメディアを使 って発信すれば遺漏が減る。 矢野 地方の研究会に依頼をするにしてもそうでな くても,そもそも誰が書くのか,誰に執筆を依頼す るのかという問題がある。 澤田 誰が書くかというよりも,地方の研究会側の 意向を確認する必要があるのはもちろんであるが, 各々の研究会で運営方法も違うはずだ。 高橋 「品質工学フォーラム in 神奈川」について は研究所での実績となるため,参加人数が欲しいの で,呼びかけが必要であった。学会誌を通じて宣伝 するなど,学会を通したアナウンス,タイアップ, 報告をする仕組みがあったほうが良いのではないだ ろうか。 矢野 研究会とはいえ,企業の方が運営をしている ことがほとんどであろうから,押付けにならないよ うに依頼することが大事だと感じる。企業の業務内 の範囲でできれば理想的だが,そうはいかないこと が多いであろうから,無理は言えないと思われる。 高橋 研究会の独自性を尊重し,研究会の皆さんか ら押付けと誤解されないように議論する必要あるだ ろう。 吉原 新コーナー「QE スクエア」が活用できる。 これならルーチンにならないし誤解されないだろ う。 上杉 ひとまずは事例を作って掲載することが有効 だと思う。

神 奈 川 の 経 験

澤田 高橋さんは,中小企業に品質工学を広めたく て今回勤め先の公設試験研究機関(以下,公設試) を通じたシンポジウムを企画した。そして学会誌に 実施報告を載せた経緯がある。6 月号の記事を読者 がどう感じたか伺ってみたいし,他の地域の研究会 の皆さんのご意見を伺ってみたい。 高橋 神奈川研究会のメンバーでもあるので研究会 との共催というかたちをとった。神奈川産技総研の 企業支援のミッションとも合致したので,今回の動 きとなった。継続することが大事なので続けたいと 考えている。神奈川研究会の幹事である近岡さんも 今後規模を拡大したい意向である。 矢野 古くから活動をしている研究会も多数あるこ とから,必ずしも神奈川研究会がモデルケースとい うわけではないが,後発にしてはいろいろと動いて いるようにも感じることから,一例としてここの発 表会や公表例をサンプルにして,他の地方研究会に モデルケースとして知らせたらどうだろうか,とい う意味である。 澤田 毎号の本誌に掲載されている「掲示板」を読 んでいると各地の研究会は特色ある活動をしてい る。広島の研究会ではマツダやサプライヤーが中心 となって進めているし,地元の公設試や近隣の企業 や地元の大学等の協力を得たりして,それぞれが特 色を持って活動している。 細井 日本工業大学の二ノ宮先生が栃木や富山で, 地元の企業や品質工学会以外の学会と連携して品質 工学の紹介(中小企業向け)をしている。 見原 高橋さんは公設試としての仕事の一環として 中小企業に品質工学を紹介しているのだと思う。そ れと同じ動機が地域の研究会にあるのか。まったく 企業だけという研究会の場合でも,そういう動機が あるのだろうか。NMS 研究会などは全くの個人が

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集い運営している。 学校の先生がからむとわかりやすい。そういうと ころに働きかけた方がヒット率は高いのではない か。仕事に品質工学が入っていて,それを出しても らえれば回りやすい。論文が出てこない状況は動機 の無さにつながる。遡れば学会誌の存在意義につな がる。 高橋 品質工学会が他の学会と違うところだ。他学 会では,先生が,学生に博士号を取らせるためとか, 研究活動のために投稿するという動機が大きな部分 を占めていると思う。品質工学は企業所属の会員が 多いということもあり,論文を投稿することが必ず しも企業での評価につながらない場合が多いのでは ないだろうか。 窪田 企業に所属する技術者からの投稿は,企業の アピールに使えるかどうかが論文投稿のポイントに なる。 矢野 最近の風潮であるが,コンプライアンスとい う観点なのか,なんとなく企業が技術内容や成果を 公開することに厳しくなっている気がしている。当 たり前かもしれないが,知的財産の権利関係の手続 きがさらに面倒になっている。また昔は残業時間な どに論文を書いていた人も多数いたが,働き方改革 や残業時間抑制の影響などで今はできない。 上杉 発表するためには企業内の許可が必要とな る。企業にとって発表や投稿による具体的なメリッ トがないと,なかなか許可してもらえないように思 う。 澤田 九州工大の楢原先生の大会発表(システム・ サブシステムモデリングの数理)は,提案している テーマは企業とタイアップすべきテーマで協力して くれる企業を募る訴えで発表を結んでいる。先生の 研究なども企業の協力がないとはじまらない面があ る。そうした共同研究の場が学会であり研究会であ るだろう。タイアップしてくれる企業を全国に発信 するメリットがあるはずだ。 坂本 学会誌が企業内での研究の価値を高める場に もなるし,ひいては品質工学の社内での評価を高め ることにもなる。 澤田 発信することを通じて,研究会の存在をアピ ールすると同時に,研究のパートナー探しにも活用 できる。 上杉 それも新しく作った「QE スクエア」の意義 ではないか。 矢野 その通りだ。研究会活動の中には,企業側と して,言い方は非常に悪いのだが,コストをかけず に活動をアピールできるとか,広告を打てるという メリットもあるのではないか。その辺は業界や企業 にもよるし,またかなり昔の話になるので現在は違 っているかも知れないが,たとえばある学会発表の 大会に大挙して企業の社員が押し寄せていたケース があった。情報収集や同業他社の動向視察という意 味で,研究職よりも営業関係の参加が多かったとい うこともあったが,いい意味で大らかであったし, ある程度の成長をしていた時期や分野で見られた光 景かも知れないから,現在に同じことが当てはまる かどうかは微妙なところではあると思うが。 上杉 そもそも学会誌に投稿できることは本来は学 会員の最も大きな権利といってよい。しかし,情報 収集のためだけに学会誌を購読している会員が多い のではないかと思う。 窪田 逆に,発表するためだけに入会して,発表後 に退会する人がいる。 矢野 それほど発表者自身に当該分野の専門性があ るわけではないが,たまたま当該学会に近い内容で 研究をして発表をする必要性から入会したというケ ースは多いと思う。ゆえに,発表・掲載という目的 が達せられれば退会というのも仕方がないことかも 知れない。

研究会が発信したいことの理解

上杉 地方の研究会の方々に接するといろいろな見 方や考え方があると感じている。研究会連携委員会 の担当として,できるだけ伝えたいと思うが,研究 会運営にたずさわる当事者としての課題・悩みとか になると充分に伝えきれない。この場に,研究会の 率直な意見を出せる人を呼んだらどうか。研究会会 長からの意見聴取などもあるが,とりあえず神奈川, 東北,埼玉の研究会の主だった人に率直な意見を聞 いたら良いと思う。本音の部分は,当事者でないと 分からないし言えない。学会の研究会連携委員会を 活用するのも方法の一つだろう。 吉原 広島では産学官連携が進んでいるが,全国的 に公設試を見ると地方研究会との連携が薄い公設試 もあるし,全くないところもある。最初は広島でも 同じであったと聞いたが,公設試とマツダが積極的 な働きかけをして研究成果を出し,今日に至ってい ると伺っている。とりわけ日刊工業新聞に掲載され たマツダの研究事例,カキの研究事例など広島の研

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究会の質の高さがわかる。 坂本 広島の研究会の産学官連携の進め方を共有で きると良い。学会誌がそのような経験交流の場を提 供できるのではないか。 吉原 以前,矢野宏先生に企業の事例を論文化する のには何が必要かを聞いた時,良い指導者(コンサ ルタント)が必要だということだった。 見原 当時はそうだったかもしれないが,企業内で は仕事がうまくいくという動機が必要ではないか。 吉原 公設試が地方の窓口なので,そことつながる ことで Win-Win の関係になりたい。マツダがその 事例を示してくれたと思った。 見原 マツダにはサプライヤーも含めてうまくやっ ていきたいという動機がある。それをそのまま他の 研究会に持っていってもうまくいかない。 吉原 マツダは全国規模でサプライヤーが存在して いるので,全国に広がることを期待している。 高橋 連携がうまくいくことは大事だ。公設試にも クライアントが要る。大きな企業があるかどうかも 大事である。もちろん学会の場でも良いが,連携を 図れる相手がいることが重要だ。 矢野 たとえば自動車製造というような供給が系列 的な構造だからサプライヤーに出させたり,出すこ とができたというような部分があるのではないだろ うか。必ずしも自動車産業特有ではないとは思う が。 吉原 やっているところ,やっていないところに差 がある。未開拓ゾーンの開拓に寄与することが学会 の価値である。 見原 学会とつきあうことが,仕事上の動機になる ことが必要だ。 坂本 未開拓ゾーンの開拓が品質工学の研究を深化 させる。そのような場面で学会誌が役立つと良い。 吉原 現状では学会員間の横のつながりが少ないた め,関わりも意識もでこぼこがある。学会誌の活用 とは別に学会活動や研究会活動の意味や意義を改め て検討する必要があるのではないか。 高橋 どこでも同じであるだろうが,キーパーソン がいないと企業や公設試での品質工学の活動は進ま ない。問題はいかにキーパーソンを生み出すかとい うことだろう。品質工学普及の要かもしれない。 見原 やっているところに,もっと出してもらうよ うに働きかけると良い。 高橋 ところが,現状では肝心のキーパーソン同士 のネットワークが少ないのではないだろうか。 吉原 学会には地域に相談員制度があり,相談員が いる。現在は,10 か所の公設試の方が相談員にな っている。ほかの公設試にも新たな相談員が設けら れたり,相談員同士が連絡を取り合ったりするなど の横のつながりを強くする働きかけをすることも必 要だし,研究会同士で情報共有できる場の設営も大 事ではないか。もちろん「QE スクエア」も使える と思う。 見原 ほかの研究会の活動を知った方が良いに決ま っている。 吉原 前回の研究会連携委員会で,学会にしてほし いことを聞いたとき,空間的,物理的な意味での場 所の提供を希望する意見をいただいた。 矢野 現状の人員では難しいかも知れないが,学会 の全国規模のイベントに合わせて編集委員会を開催 しそこに出ていただくということにすれば,学会誌 の活用という面では場と時間の提供になる。 吉原 研究会のメンバーに編集委員になってもら う,というのはどうか。 見原 編集委員会の都度に出てくるのは大変なの で,研究会の方に編集委員会の特派員になってもら う,という方法もあるのではないか。

編集委員の特派員

澤田 各地の研究会に特派員を置く,ということか。 近頃挑戦しているスカイプの活用に習熟すれば可能 性はある。 矢野 研究会とはいえ,編集に関わるとなれば,研 究会側の負担が懸念される恐れもあるので工夫する 必要があるだろうが,検討する価値はあると考え る。 坂本 負担にならない形にすることや,モチベーシ ョンを高める工夫が必要だ。私たちの知恵の出しど ころだろう 見原 手っ取り早いのは仕事と研究をリンクさせる ことだが,実際には難しい。 吉原 研究会の幹事にすべて任せるのではなく,研 究会内で担当される方に特派員の仕事に特化しても らうことが必要だろう。 矢野 名称は編集委員だが,実態としては特派員的 な立場になってもらう方法も考えられる。学会内の 委員の所属のような,組織上の扱いの問題は出てく ると思うが。 高橋 公設試の人が加わっているのであればインタ

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ビューアーとして中立的な立場でヒアリングしても らうのも一つの方法だろう。公設試によるインタビ ューの方法は他の記事作成にも生かせる。 澤田 地域の研究会は全国に 18 か所ある。繰返し になるが毎号の「掲示板」を読んでいるとそれぞれ の研究会が活発に特色ある活動を展開しているのが 分かる。20 年以上の歴史がある研究会も多くある。 毎回の研究会報告は今までのように「掲示板」に簡 素化した報告(800 字以内)として掲載し,内容を 詳しく発信する場合はまとまった記事にして「QE スクエア」に掲載することにしたらどうだろうか。 矢野 研究会が 20 周年記念かそれ以上を迎えると ころもあるので,それを切り口にしてもよいのでは ないか。

記事作成の多様化

坂本 これまでは各地の研究会との連携や学会誌を 利用してもらう話だったが,他の学会誌を見ると, その時々のトレンドに学会の関心との関連性を見い だして,特集として取り上げる例がある。そのよう な,社会的な関心と品質工学の関連をどう取り上げ るか。そのような記事のニーズはあると思うし,会 員に興味を持ってもらえるのではないか。論説や解 説で特集として取り上げると面白い。 矢野 他の学会から品質工学特集への寄稿を頼まれ たことがある。そうしたものを本誌の記事に編みな おしても良い。確か以前細井さんも対応したことが あった(たとえば鋳造学会や油空圧技術の例で)。 こうしたものは時々の流行は や りを反映していることが多 いかもしれないが。 坂本 そのような学会と連携して,社会的関心を反 映する特集を企画したい。またそのような仕組みを 作りたい。 矢野 これまでも春の大会発表の予備審査で良かっ たもの,6 月の大会や秋の大会あるいは企業交流会 で良かった発表について依頼しているが,必ずしも 記事の執筆を受けてもらえるわけではない。会員に 対する一斉送信という意見もあったが,それだけで はなかなか書いてもらえない。書きやすくするため のテンプレートを用意したが,そもそも電子投稿に したいという要望もあり,その辺は書式や投稿シス テムや受入れ態勢ともかかわるので,すぐには対応 できない。またこの問題については規定の変更も必 要になる。 窪田 論文執筆に J-STAGE を利用するには,年間 の一定投稿数が必要になり,現状では難しいのでは ないか。 高橋 学会誌をネット配信している他学会ではトラ ブルもあり,紙ベース発行に戻った例もある。現状 では投稿は今の規約通りにするのがスムーズではな いか。ある学会では論文投稿はウェブにアップロー ドしているが,あらかじめ査読委員が決まっていて 納期までに査読するよう求められる。査読委員には 分野ごとにそれぞれ詳しい人が任命されていて,当 該の論文が投稿されると即座にメールで連絡が来 る。 窪田 現状では,紙で来たものを事務局が PDF に しているようだ。印刷して郵送するのは面倒なの で,メール添付での投稿を認めたらどうか。 吉原 会員専用ページに論文をアップロードできる ようになると良いのではないか。 矢野 原著投稿の場合では誰がその辺を管理・チェ ックするかという問題もある。投稿締切りのある一 時的なものであれば対応ができるが,投稿は大げさ に言えば 1 年 365 日受け付けていることになるか ら,見落としや見忘れは避けたい。もっとも時間記 録は明確なため,日時がわからなくなることはない と思う。 坂本 研究発表大会の予稿受付は実行委員がチェッ クしている。 窪田 事務局も,印刷物を PDF 化する手間の代わ りに 1 日 1 回チェックするくらいならできるはずで ある。ワードで送ってもらえば,その後の対応も容 易になるのではないか。 矢野 2018 年度の原著になった投稿数は 4 件だっ たが,それでも事務局に負荷がかかるので,電子ア ップロードのシステムにするには現段階ではすぐに は難しいかも知れないが,いずれはやらなければい けないことだと考えている。 吉原 今回の大会予稿で事前の連絡もあり 6 ページ 以上の報文が 7 件,5 ページのものが 2 件あった。 これらを確実に投稿してもらうよう働きかけること が必要ではないか。黙っていてはなかなか投稿論文 にならない。 坂本 大会当日に紙刷りの投稿呼びかけを渡した。 一斉メール送信で呼びかけてもよい。以前と同様に 受賞者にメールしてもよい。ただしフォローができ ていない。呼びかけを強化したい。 江末 会員に一斉メール送信して機械的に投稿を促

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すのもよいのではないか。 矢野 現在は事務局が実質一人の状態なので,業務 が集中している現状では難しい。ここのところ発表 者には投稿依頼を依頼文章にしてお願いしている。 問題はそのフォローだろう。逆に言えば,事務局の 負担が非常に大きいことに気づかねばならないと思 う。 窪田 事務局が一人体制では無理がある。増員でき ないのか。 坂本 事務局に相談して対応を考えたい。論説や解 説の投稿呼びかけには別のアプローチが必要だろ う。 (以下次号) (本座談会は,2019 年 6 月の研究発表大会の終了後 に開催された。)

論文執筆の参考に

論文の書き方は,各自それぞれ工夫すべきもので,あまり形式化すべきではないというのが, 編集委員会の考え方である。しかし,初歩的な記述方法をいくつか紹介する。 文章の作り方の形式が JIS Z 8301「規格票の様式」に示されている。これは JIS の作り方の 規格であるが,参考にするとよい。この中から一部参考になることを紹介する。 (1)章,節,項の建て方は次のようにする。 1.(章) 1.1 (節) 1.1.1 (項) (1)(箇条書き 1 の項目又は文章) ① (箇条書き 2 の項目又は文章) ② (2) ① 2. (2)文章の構成として,章と節,節と項の間に文章は入れない。例えば,章 1.の後に文章を 書いてから,節 1.1 を始めることはしない。 (3)研究論文では,細切れの文章ではなく,ある程度まとまった文章にする。 (4)図表の説明はできるだけ丁寧に書く。図表が何を示しているか,品質工学を分かってい れば判断できると思うかも知れないが,きちんとした説明が必要である。特に,横軸・縦 軸の説明,単位は,必ず記入する。 (5)論文のまとめでは,改めて,最初に書いた目的と最後に書いた結論とを簡潔に書く。学術 論文は客観的な正確さが要求されるので,具体的な論述のあとで,改めて論述の過程を振 り返るという意味がある。学会誌の多くの論文のまとめは単なる検討とか考察になってお り,通常の学術論文でまとめとしている部分が欠けている論文が多い。 (6)研究論文の中では,過度な敬語を使わない。また,謝辞を書くときも「ですます」調にす る必要はなく,本文と同じ「である」調でよい。 (7)参考文献では,基本的には原著論文を引用すべきである。大会発表は引用文献としては認 められない。自分の論文に関係した文献はすべて引用すべきである。

参照

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むしろ会社経営に密接