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IRUCAA@TDC : №35:矯正治療のために抜歯した小臼歯を中切歯部に移植した上下顎前突症の治験例

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

№35:矯正治療のために抜歯した小臼歯を中切歯部に

移植した上下顎前突症の治験例

Author(s)

大塚, 亜理沙; 金子, 綾; 野嶋, 邦彦; 西井, 康; 澁井,

武夫; 末石, 研二

Journal

歯科学報, 113(4): 440-440

URL

http://hdl.handle.net/10130/3155

Right

(2)

目的:歯の自家移植は先天性欠如歯や保存不可能な 歯を補うのに有用ではあるが,移植歯のアンキロー シスや歯根吸収の発現の危険性から矯正治療では臨 床応用が困難なことが多い。今回我々は,埋伏犬歯 により歯根吸収を呈し保存不可能な中・側切歯を抜 歯し,矯正治療のために抜歯した小臼歯を中切歯部 に移植して矯正治療を行い,良好な治療結果を得た ので報告する。 症例:初診時年齢13歳9カ月の女子で,上顎前突を 主訴に来院した。現病歴として近医にて"3埋伏, 21│歯根吸収を指摘され,紹介先の病院で"3の抜 歯を行った。21│への対応と不正咬合の治療のた め来院した。顔貌所見として正貌はほぼ左右対称, 側貌はストレートタイプを示していた。口腔内所見 では"Cの晩期残存,"2の打診痛が認められた。大臼 歯関係は ClassⅡ,Overjet は+8mm,Overbite は +3mm であった。パントモ所見では"3の欠如, 21│の歯根吸収が見ら れ た。セ フ ァ ロ 分 析 で は ANB5°,U1 to FH 133°,L1 to FH 41°と上下顎 前 歯 唇 側 傾 斜 を 示 し た。以 上 に よ り"3の 欠 如, 21│の歯根吸収を伴う歯性上下顎前突と診断した。 治療計画は"Cを保存し,21│を抜歯し,矯正治 療のため抜歯する!4を前歯部に移植して,大臼歯の Full ClassⅡと正常な被蓋を獲得することとした。 治療にはエッジワイズ装置の0.018インチのプレア ジャステッドアプライアンスを使用した。 治療経過は治療開始2カ月後に"2の抜歯,10カ月 後に!4の近遠心のディスキングを開始した。そして 上顎前歯部舌側移動,大臼歯部近心移動を行い,大 臼歯関係の Full ClassⅡを獲得した1年3カ月後に " 1を抜歯し,!4を移植した。その後は順次ワイヤー サイズを上げ,空隙閉鎖を行い,良好な咬合が確立 したので装置を除去した。動的治療期間は3年で あった。 結果および考察:本症例では抜歯窩と移植歯の歯根 形態が異なるため移植歯を90°捻転させて抜歯窩に 移植した。また,移植後のアンキローシスによる矯 正治療の困難性を少なくするために上顎前歯の舌側 移動に伴う歯槽骨のリモデリングを獲得した後に移 植したことで良好な結果が得られたと考える。移植 後2年4カ月経過しているが,移植歯には生活反応 が認められ,病的所見は認められない。今後も経過 観察していく予定である。 目的:卒後教育では,動的矯正治療を中心とした診 断学や治療学に重点をおかれる傾向がある。しかし 動的治療後の後戻りや咬合の安定性についても,長 期管理に関する概念の修得が十分に行われる必要が ある。そこで東京歯科大学歯科矯正学講座の卒後研 修課程では,研修修了認定に際して,新規に配当さ れた治療症例報告に加え,引き継ぎ症例の長期保定 管理を行い,リテンションケース1症例を提出する ことが義務づけられている。今回,平成25年3月に 修了した卒後研修課程36期生9名は,本格矯正治療 を非抜歯で行った症例について,治療前,装置除去 時,装置除去から2年以上経過した資料を比較検討 した。 症例:症例は装置除去後2年9か月∼12年10か月経 過している男性3例女性6例であった。診断は叢生 6例,過蓋咬合1例,骨格性下顎前突1例,機能性 反対咬合1例であった。下顎の ALD は−3∼−6 mm であった。治療は,前方拡大が1例,側方拡大 と Disking が1例,前 方・側 方 拡 大 が7例 で あ っ た。拡大は上 顎 Quad-helix と 下 顎 Bi-helix に よ る 拡大が3例,上顎 Quad-helix と下顎 Wire による拡 大が3例,上下顎 Wire による拡大が2例,上下顎 可撤式拡大床による拡大が1例であった。保定装置 は上顎 に お い て Circumferential Type 単 独6例, Fixed Type 併用3例,下顎において Circumferen-tial Type 単独5例,Fixed Type 併用1例,Fixed Type 単独3例であった。 結果および考察:保定期間中の変化として,下顎前 歯の舌側傾斜が6例,上顎前歯の舌側傾斜が6例認 められた。7例において下顎前歯部に叢生発現を認 めるが,その発現量は ALD が−1∼−2mm と僅 かであった。前歯歯軸及び犬歯間幅径は初診時の値 に近づく傾向が認められ,叢生発現がその改善法に 起因すると考えられる。また,犬歯間幅径の拡大量 が大きいものほど幅径の減少が認められた。以上よ り,長期的に安定した咬合を得るために初診時の咬 合状態及び治療過程を踏まえ,適切に保定管理を行 う必要があると考えられる。

№35:矯正治療のために抜歯した小臼歯を中切歯部に移植した上下顎前突症の治験例

大塚亜理沙1),金子 綾1),野嶋邦彦1),西井 康1),澁井武夫2),末石研二1)(東歯大・矯正)1) (東歯大・オーラルメディシン口外)2)

№36:卒後研修課程第36期生による症例報告 −リテンションケースの検討−

森川泰紀1),惣ト友裕1),中村 優1),堀内彬代1),伊藤依子2),臼田圭恵3),梶谷美紗4) 島 千晴4),吉岡美幸4),東郷聡司1),末石研二1)(東歯大・矯正)1)(神奈川県)2)(埼玉県)3) (東京都)4) 学 会 講 演 抄 録 440 ― 92 ―

参照

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