• 検索結果がありません。

都市における新しい住民意識の発展

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "都市における新しい住民意識の発展"

Copied!
30
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)都市における新しい住民意識の発展 河 A. Study. 十. 村. 穂 Attitude. Changing. of the. New. 寸. Citizens Masuo. Urban. in the. of the. Area. KAWAMURA*. SUMMARY the changing attitude of the increasing of this article is to analyse area, in their toward the urban resiespecially attitude citizens can be from local political problems. What area up summed and. Tbe. aim. new・type. dential. researches 1) Most. the. present. of. the. author. in. participated. are. as. the. are. newly-settled citizens are to support They inclined. follows: professionals. and. white・. the. progressive parties・ or local tow.ar° a鮎irs: 2) non-localistic attitude negative formal leaders the block associations, the with and relations neighboring, in in district, intention to down the that settle persons and of in且uence collar. employees. They assume. present. address.. Althoughtheir. 3). stic, they They are皿Ore. are. attitude. not. politically apathetic in tbe・ 1∝al interested. for the citizen's significance settled there and the people to the 4) Their approach. affairs is negative local government. to the. and. government,. life, thanthe for generations・. old. more. conservative. and. non-locali・. and. autonomy・. aware. middle. of. its. classes. is of non・localistic or is traditional, personal, of old-type citizens character, while to In the their votes cast according election, they communalistic. for do the old-type "progressive-conservative''principle, residents while. impersonal and the the. concern. whose impersonal・ of the succeed proper. local. political. problems. that local. character of candidates. The above-mentioned. 5). urban. local. toward. for the Their new. local. fact. shows. government. the. appearance. is. intense. of new-type citizens, but and non-localistic become foundation the. may political consciousness If the democracy parties new-type of urban residents・ progressive in exercising the in organizing their new and political potentiality in the is promising for the local democracy leadership, the future. area.. *社会学教室(°ept.. of Sociology).

(2) 64. 河. 村. 十. <目. 寸. 穂. 次>. Ⅰ都市化の進展と住民の生活および意識の変貌 調査にあらわれた若干の問題点. Ⅱ. 1新任市民の社会学的特性. Ⅲ. 2. 非ローカル型住民の増加. 3. 非ローカル型住民の地方政治意識. 4. 非ローカル・非′く-ソナルな地方政治志向 新しい住民意識と地域民主主義の問題. Ⅰ都市化の進展と住民の生活および意識の変貌 (1)都市化の進展が住民の生活および意識,あるいほ住民の地域集団にいかなる影響 を与えるかというこほ,理論的にも実践的にも極めて重要な課題であるo元来都市化とい う言葉は,端的にほ人口の都市集中現象をさすことが多いのであるが,このような都市へ の人口集中は,都市地域の社会構造や生活様式にさまざまな変貌を与える。人口の絶対量 が増大し,密度が高まり,さらに人口移動が頻繁化し,かつ相互に異質化した人Juこよっ て構成される社会的分化がすすんだ都市社会-それほ既成の都市市街地域のみならず, 郊外地域をも含んだ一大都市圏を形成する一に展開される社会現象が一般にアーバニズ A(Urbanism)と呼ばれるoそういう意味で社会学的にほ都市化ほ社会的分化の進展とい う観点から理解することもできるであろう1'。人間の行動や意識の面に即しても,また集 団構造に即してみても,ノ都市は分化した社会である。部落・組・家族などの集団の同心円 的累積を特徴とする村落社会に対して,都市社会は多様に機能分化をとげた諸集団の異心 円的性格を示している。 従来家庭そのものの内部において,または家庭の属する近隣社会あるいほ地域社会を中 心に営まれてきた生活機能の重層性が崩壊し,職場を中心とする都心地域や盛り場におけ る生活拡充的機能の集中によって「機能的生活共同体的関係」が形成される。磯村英一は その具体的表現として,デパートや飲食店の形成,娯楽面での映画館や演芸場,居住生活 の延長であるホテルや旅館の出現などを指摘している皇'.しかも都心・盛り場における生. 活機能は匿名的なマス的状況のもとで遂行されるものであって,都市的′く-ソナ.)ティの 形成ほこのような観点から理解することができる。このような過程を通して,都市におい ては家庭と地域への帰属意識が稀薄化することが論じられることになる. かくのごとき諸特徴は,当然住居(家庭)と職場の明確に分化した近化的雇傭関係のも とにある市民層において最も顕著にみられることはいうまでもない。とくに最近における 遠距離通勤現象の増大によって,住居と職場が互に行政区画を異にしている場合がしばし ば生じており,鎌倉に住んでいる人が東京に通勤し,川崎に住む人が横浜に通勤するなど, 従来の自己完結的な地域社会の概念は大きく破られてきている。 (2)上に述べたような,都市化を社会分化を中心として把握する見解ほ,いわば都市.

(3) 都市における新しい住民意識の発展. 65. 化に関する1つの理念型的原則論であるが,現実には血縁・地縁的集団が崩壊していない のみならず,重要な社会的磯能を営んでいる事実に注目して都市社会の構造論を展開する 考え方がある.アメリカの都市社会学をこもこのような都市住民の生活構造の実証的研究を 通して,都市においても血縁集団や近隣集団の重要性を指摘する研究が見られるようであ るが8),日本の都市社会に即していうならば,有賀菩左衛門,鈴木栄太郎など,農村社会 研究に経験の深い学者のなかにこのような見解がみられるQ 「その生存 有賀は生活共同体としての家が,単独で生存していくことの困難さの故に・ を完うするためをこ他の家との生活関係を持たなければならない」という観点から「家連合」 という概念を展開せしめ,これによって釆落社会の研究にユニークなアプローチを提示し たことほ周知の通りであるが,彼ほ都市社会の分析においてもこのような視角の必要性を 強調した4)o この生樗集団としての家の連合組織という軌貴は都市研究においても軽々に 看過すべからざる問題提起であったが,鈴木もまた独自の都市社会論を構想したoそれは 「正常人口の正常生活」という視点から都市社会を把えようとするものであって,彼によ れば都市におけるもっとも基礎的な集団として世帯と職場(および学校)があげられるo このような見解は「生活の本拠」としての住居ないし世帯と,それによって形成される 「衆落社会」という構想にもとづいている.したがって彼にあっては都市社会に特徴的な 多種多様な機能的諸集団(彼のいう生活拡充集団ないし余暇集団)はあまり本質的な重要 性を与えられていないが,ただ彼の場合,いわゆる「地区集団」は一般の生活拡充集団と ほ異る性質を有するものとされている5'o何れにしても有賀にせよ鈴木にせよ・その永い 農村社会研究の業績の上に立って都市社会研究に進出した人たちであり,しかも彼らほ全 体としての国民社会の構造的特質とでもいうべきものに対する広い視野から問題を展開し ているので,随所に極めて深い洞察を含んでいることに注目しなければならず・今後の都 市社会研究にあたって無視しえない側面を示唆しているというべきであるo 現代都市なかんづく大都市圏がマス的社会であることは既に一般的常識となっているが, それにも拘らず家庭ないし住居を基底とした生活の営みが重要な意味をもっており,また いわゆる地域集団あるいほ地域住民組織なるものが,このような観点から再検討されるべ き側面をもっていることは否定できないであろうo (3)上に述べたような社会学固有の理論に基礎をもった都市理論とは別の系譜から, 最近都市における住民の意識や都市の地域集団ないし住民組織に対する関心がとみに高ま ってきた。それはいわば現代日本における政治状況の産み出したものであるo保守・革新 を問わず,政治が国民的ないし大衆的基盤に根をはって進められようとするとき,居住地 域における住民の組織や,そこでの住民の態度や行動を無視することができなくなってき たのである.革新勢力の側についていえば,たとえば過ぐる安保闘争において「国会周辺 での30万といわれるデモの高揚も,また居住地域を素通りしているものにほかならなか った」6,という反省から,居住地域における革新的基盤の確立と地域住民組織の再検討が 問題とされるに至った。それは「生活に根をおろした厚い層の国民運動の発展」7'によっ て「地域民主主義」の確立という課題にとりくもうという問題意識に支えられているo.

(4) 66. 河. 村. 十. 寸. 穂. また保守勢力の側においても,居住地域の末端組織が重要な存在として認識されほじめ てきた。たとえば既に自民党の昭和36年度運動方針ほ「市区町村支部を整備し,旧町村 に分会組織,さらに部落,町内に班組織をつくるよう指導する」と述べている8,。このよ うにして,居住地域における住民の動向ほすぐれて政治的観点から重要な戦略的ポイント となった。. かくのごとき運動論的あるいほ組織論的な見地は,まだ体系的な理論構成にまで発展し ているとほいえないようであり,むしろ課題・展望・要請の段階に止まっていると見るべ きであろうが,この場合にも,地域における住民の意識と行動,住民組織や地域集団,と くに都市化の発展という状況のもとにおけるそれについての綿密な実態把握が必要になっ てくる。. 都市の居住地域集団は,どのような形で現実に存在しているのか。居住地域の生活に住 民はどのような意識で,どのような関与をしているのか。それらはまたどのような形で地 方自治体の,さらにほ日本全体の問題につながっているのか。ますます進行する都市化の 過程のなかで,それらをめくtlる状況はどのように変貌しつつあるのかoそしてそのことは 地域の,さらには日本の民主主義の運命にどのようなかかわりをもつのか。これらの問題 が理論的にも実践的にも重要であることほ改めていうまでもないところであろう。 (4)もとより都市の住民ほ多様かつ異質的であり,それに対応して彼らの意識も行動 もさまぎまな多様性を示す.原則論的にいえば,社会分化を軸とするアーバニズムの進行 という現象は承認されなければならないであろう。しかしその進行過程にみられる具体的 な都市住民の存在形態,それを規定するさまざまな社会的要因の究明,その変動方向の探 求,このような諸問題の解明は,今後の都市行政の効果的推進のみならず,大都市時代と いわれる20世紀後半における民主主義の発展にとって不可欠の課題といわなければなら ない。. この小稿ほ,上のごとき問題意識にもとづいて,いくつかの住民調査の結果を検討しな がら・都市化の進展に伴って今後増加するであろう新しい住民の意識と行動様式を,とく に地域生活および地方政治のあり方に即して究明し,地域民主主義め発展という課題のな かで彼らがどのような地位と役割を担うであろうかという展望を試みようとしたものであ る。もとよりこのような巨大な問題の解決は筆者の能力を遠かに越えたものであり,この 議論も甚だ不十分でかつ多くの誤りに満ちているであろうが,何らかの問題を提示し得て いるとすれば望外の幸である. 註1)たとえば倉沢 進「都市化と地域組織」 (『社会教育』18巻10号), 1963, 9-10. pp. 2)磯村英一「近代都市の構造理論」 (『社会学評論』8巻2号), 1958, p. 29. 3)たとえば石川淳志・奥田道大「都市の地域集団に関する研究一都市化の過程における地 域集団の位置-」 No. (『東洋大学紀要』 13), 1959, pp. 93-97. 4)有賀菩左衛門「都市社会学の課題」眠族文化調査会霜『社会調査の理論と実際』), 1948, pp.29-73.. 5)鈴木栄太郎『都市社会学原理』, 1957,とくにpp. 6)都政調査会『大都市における地域政治の構造』, 7)都政調査会『地域活動の手びき』, 1961, p. 10.. 161-231. 1960,. p.. 7..

(5) 67. 都市における新しい住民意識の発展 8)松下圭一「地域民主主義の課題と展望」 Ⅱ. (『思想』,1961年5月号). p・. 3・. 調査にあらわれた若干の問題点. この章であつかわれる内容の多くは,ここ数年間に筆者が参画したいくつかの実態調査 の経験と成果にもとづいている.とくに以下に述べる3つの調査は,そのデータを直接使 用しているので,最初にこれらの調査の概略を簡単に解説しておきたいo ①. 湘南地域住民意識調査. これは藤沢市および湘南広域都市行政協議会の委託によって,藤沢市・茅ヶ崎市・寒川 町の2市1町の住民を対象として行った意識調査である.昭和40年の国勢調査を基礎と して,. 2市1町全世帯のなかから1,凱0の世帯を抽出し,その世帯主(もしくほこれに代. るもの)を調査対象とした。調査は調査票による配票留め置き法を用いて,昭和41年8 月下旬から9月上旬にかけて行われたoサソプル回収率は88・3%で,質問項目ほ住民生 活の実態,行政に対するニ-ド,地域生活や地方政治に関する問題,広域合併,生活圏な どの諸問題を含んでいる。この調査結果は,湘南広域都市行政協議会『住民意識調査報告 書』 (1967)として刊行された。この調査は中村八朗社会保障研究所員(現在,関東学院大 学助教授)と共同で行ったものであるが,同じデータにもとづいて,中村八朗「都市にお. ける住民類型一湘南地域の調査より-」. (『都市問題』58巻6号,. 1967)が書かれてい. る。以下本稿でほこの調査をく湘南調査〉と略称する。 ⑧ 神奈川県選挙意識調査 これは神奈川県選挙管理委員会の委託によって,相模原市・茅ヶ崎市・小田原市・秦野 市の有権者から各市それぞれ600,計2,400のサンプルを抽出し,調査票による郵送調査 法を用いて,昭和40年7月4日の参議院選挙の直前に行われた。郵送調査のせいで回 収率は43%弱にとどまったが,質問項目には,参議院選挙に関する問題・同年1-2月 の間に上記4市で行われた市長選挙に関連した問題,有権者の一般的政治意識や選挙啓発 に関する諸問題が含まれている。この調査結果は,神奈川県選挙管理委員会『明るく正し (1966)として刊行. い選挙運動効果測定一参議院選挙における政治意識と投票行動-』 勇横浜市立大学教授と共同で行われたものであるが, されている。なおこの調査は柳下 同じデータの一部にもとづいて,柳下 一社会科学系列-17巻2号,. 勇「政治意識における地域差」(『横浜市立大学論叢』. 1966)が善かれている。以下この調査を〈選挙調査〉と略. 称することにするが,その場合,種々の事情を考慮して,詳しい分析を加えたのは4市の サソプル中,茅ヶ崎市の253名だけであるoしたがって,この調査結果について言及する 場合,とくに明記しない限り茅ヶ崎市のみのサンプルについてであることをあらかじめこ とわっておく。 ⑨. 横浜市住民組織調査. これほ横浜市の委託によって横浜市内の2ケ所で行われた地域住民組織に関する調査で あるo すなわち昭和39年7月-8月に,既成中心市街地である西区伊勢町4丁目と農 業地域が着々と宅地化されつつある郊外の港北区青砥町の2地点で,町内の全世帯主(普.

(6) 68. 河. 村. 十. 寸. 穂. たはそれに代るもの)を対象として行われたものであって,質問項目は町内会(自治会)を 中心とした地域住民組織や地方政治に対する住民の意識に関するものが大部分である。面 接調査によって行われたが,回収率は伊勢町271名のうち69.3%,青砥町323名のうち 79・6%であった。この調査結果ほ,横浜市総務局調査室『住民組織と自治意識に関する 実態調査』 (1965)として刊行されている。なおこの調査ほ,前記柳下教授のほか,今井 清一横浜市立大学教授,山田. 操神奈川大学教授らと共同で行ったものであるが,このデ 勇「新住市民の自治意識一大都市近郊都市を中心とし. -タの一部を素材として,柳下 て-」. (『都市問題』 56巻5号,. 1965)が善かれている。以下本稿では,この調査を〈横. 浜調査〉と略称することにする。. 以上の3種の調査報告書およびそれに関連した共同研究者の諸論文は,本稿の斜述に際 して随時参照したが,特別の場合を除いてほ,いちいち注記しなかった。詳細については, これらの文献を見ていただければ幸である。. 1新任市民の社会学的特性 (1)都市化の進展ほ住民人口の社会増を斎す。とくに大都市圏への人口集中ほめぎま しく,さらに大都市圏それ自身の内部でほ,いわゆる人口のドーナツ化現象にともなって, 郊外および周辺衛星都市の人口増加がいちじるしい。国勢調査によって昭和35-40年の 人口増加率をみると,横浜市30%,相模原市60.7%,茅ヶ崎市47.1%,藤沢市40.6% など,全国平均をほるかに上廻っており,横浜市においても,郊外地域の戸塚区,港北区,. 保土ヶ谷区などは,それぞれ82.9%,. 59.1%,. 55.1%に達している。このような高い人. 口増加率が社会増に原因していることほ改めて述べるまでもないであろうoわれわれの く湘南調査〉においても,全サンプル中,昭和31年以降の来任老は46.7%を占め,茅 ヶ崎のみでは54・2%に達している。また〈選挙調査〉の結果をみても,大都市圏に包含 される茅ヶ崎市と相模原市のサンプルでは昭和31年以降の来任老がともに40%を超え ており,小田原市や秦野市に比べて格段の相違がある。 これらの社会増人口すなわち新任市民たちはさまざまな点で注目すべき属性をもってい るが,まず本稿においても基礎的な分析視角の1つをなす職業階層という観点からその特 性を考察しておこうoく湘南調査〉についてみると,く表1〉の示すように,管理職をふく む被傭老層の割合ほ来住時期が新しくなるにつれて増大しており,昭和39年以降のそれ においてほ73%に達している。とくに専門・事務のホワイト・カラーの増加が顕著であ る。く横浜調査〉の場合でも, 着であり,. 2地点の昭和35年以降釆住着94名のうち, 65%は被傭 22名の主婦を除いて勘定すると,来任老の85%が被傭老によって占められ. ることになる。. しかも年令的にみると,最近の来任者層ほ30代,. 20代が圧倒的に多く,さらに流入者 の絶対数が増大しているので,住民全体の人口が若い被傭者によって構成される傾向が一 層強まるであろう.このことほ地域社会の性格に大きい影響を与える中土ちがいない. これらの来任市民たちほ,とくに郊外地域や衛星都市の場合には,住宅事情によって都 心部から移動してきたものが多いが,しかし同時に就職や転勤という職業移動によるもの.

(7) 69. 都市における新しい住民意識の発展 表1職業階層×来任時期. 〈湘南詞査〉. が少なからずみられることを忘れるべきでほない。住宅事情による大都市圏内部での移動 〈湘南. 来任者にしても,大都市圏そのものへの流入契棲ほ多くの場合職業移動であって,. 調査〉についてみても彼等の生れた土地は殆んど全国的に分布しており,東京生れは全体 で17.5%にすぎない。その意味で来任人口は文化的パターンにおいてかなりの異質性と 多様性をもっているとみることができよう。 なお住宅事情を中心にして来任した人たちが必ずしも自分の家を持つ形で流入したとほ かぎらない。 し,. 〈湘南調査〉で住宅事情を理由にあげた人々のうち,. 43%は公団住宅に入居. 13%は借家に住んでいる.むしろ最近の来任市民の持家率は極めて低く,昭和39年. 以降の来任着では14%,. 36年-38年の来任着で31%にとどまっている。それに関連. して来任老においては家族構成が単純で成員数も少ないものが圧倒的にふえている. 以上極めて簡単に新来住市民の属性軒こついてスケッチを試みたが,一般的に彼等につい. てのイメージを措くならば,若い世代の被傭者層で,単純な家族構成の,まだ自分の家を 持っていない人たちであり,出身地は多様であるが職業を契機として大都市圏とくに京浜 地区に住むようになり,人口郊外化の流れを経験しつつあると概括することができるかも 知れない。. (2)都市化とくに郊外化現象の進展にともなって大量に形成されつつある新しい住民 がおよそ上に述べたような一般的特質を備えているとすれば,このような住民多数によっ て占められる地域が,従来のような一定の社会的特性をそのまま保持できる可能性は乏し いといわなければならない。一般に大都市や郊外地域は,農業や商工業を中心とする自営 業者(旧中間層)が住んでいた地域のなかにブルー・カラーやホワイト・カラーなどの被 傭老層が流入して居住し,彼らは勤め先に通勤するという形で変貌していくが,それは単 に人口量の増大だけでなく,人口の質の転換を意味しており,そのことは当該地域社会そ のものの変質を蘭す筈である。新しい住民はおよそ上に見たような属性を備えている人々 であるが,しからば彼らはいかなる意識の所有者なのであるか。とくに地域社会のあり方 や地方政治に対してどのような考え方を抱いているのか。この問題に関してはすでに多く.

(8) 70. 河. 村. 十. 寸. 穂. の見解が提示されているが,果して彼らほそのような存在なのか。新しい観点から彼らを とらえることはできないのか。このような点がこの章の中心的な課題をなすのである。以 下主としてわれわれの調査データを素材として,この問題を検討してみよう。 2. 非ローカル型住民の増加. (1)住民の意識がどのようなものであるかを問題にする場合,さまざまな視点が考え られるが,広い意味での政治的志向,具体的にほ政党支持傾向が,住民の意識一般つまり 物の考え方に重要な関係がありそうに思われる.そこで以下の考察においても,政党支持 傾向を住民意識考察の重要なポイントにするが,ただ従来一般に使われてきた保守・革新 という大枠に類型化することには若干の問題があるように思われるoたしかに保守・革新 という2大別は,それなりに意味もあり,また2つに分けられたそれぞれの層が数量的に 細分化されずにすむという長所もあるわけであるが,しかし,ふつう革新に分類される社 会党・民社党・共産党支持傾向にしても,それぞれかなりの重要な相違点を持っており, これを一概に革新という枠でくくることには多少の梼錯を感じさせるし,また支持政党の ないものを保守的政治志向と同一視することにもかなり問題がある。 たとえば辻村. 明は1953年に農林省の一般公務員239名について調査を行ったが,. く表2〉の示すように当時の右派社会党支持者の過半数ほ嫌いな政党として共産党をあげ ており,その意識構造はむしろ保守党支持者のそれに近いことがわかる。また支持政党の i?れわれの〈選挙調査〉でも同 ないものの20%ほ当時の自由党が嫌いと答えている1'o 様な調査を試みたが,公明党の誕生などの事情の変化があったために正確な比較はできな いけれども,く表3〉のように社会党支持者と民社党支持者の間にほやほり若干の相違が ある。したがって,各層の実数が少なくなって数量的考察のためには問題が残るが,一応 政党支持傾向を細分化して考察することにする。 このように政党支持傾向を1つの基本的視点と考えるわけであるが,政党支持ほそれ自 体住民の意識を構成する重要部分であり,前に述べた社会学的諸属性といろいろな点で相 表2. 好きな政党×嫌いな政党. く辻村 明・1953年調査〉.

(9) 71. 都市における新しい住民意識の発展 表3. 好きな政党×嫌いな政党. く選挙調査〉. 関していることが考えられる。とくに職業階層との関連についていえば,く湘南調査〉に ぉいて全サンプル中,社会党・共産党支持者は22%であるが,労働者層のみでは35%, 専門職層で33%,事務職層で29%を示しており,農業で5%・商・工・サービス業で 10%. というように自営業者層とほ明らかな差異がみられる。. また来任時期別にみると,多少の波はあるが,新しい来任市民層にほ社会党・共産党支 持者が多く,昭和39年以降のそれでほ32%が両党支持者となっており,民社党支持層 はそれに比べると割に各層に均等に分布している。 このように見てくると,住民の意識とくに地域生活や地方政治に対する方を考察する場 令,住民の来任時期,職業階層,政党支持傾向の3つを中心的な視点とすることが必ずし も見当外れの意図とはいえないであろう。なかでも後述のように政党支持傾向は最もしば しば分析の枠組としてとりあげられる。 (2)ほじめにも述べたように,都市的環境においては職場と住居の分離がいちじるし く進み,住居をとりまく居住地域に対する住民の関与と関心ほ極度に低下するといわれて 「一般的にいって,近所づきあいという いる。く湘南調査〉においても,これに関連して, ものについてあなたほどのようにお考えですか」という質問項目があるが,これに対する. 回答を職業階層別および政党支持別にみたものがく表4〉および〈表5〉である。表中の 「となり近所のものとは何かにつけてよくつきあうべきだ」と 「近隣親密度」というのは, 「あまりつきあわないように 「近所づきあいは程々にすべきだ」に+1, いう答に+2, すべきだ」に-1,その他の答に0の評点を与えて,サンプルの平均点を算出したもの. である.これをみると,職業階層的にはホワイト・カラ-ほあまり近隣生活-の関)bを示 さず,また政党支持別にみると民社党,社会党,共産党などの支持者にほ同様の傾向がみ られる。興味があるのはブルー・カラー層であって,彼等は農業主や商・工・サービスな どの自営業主ほどではないが,近隣親密度が高く,この傾向はその他の項目についても現 れていて,少なくとも地域生活に関する限り,ホワイトカラーとの意識構造上の差異に 注目する必要があろう.また「支持政党なし」の層が自民党支持層とはやや異って近隣親.

(10) 72. 河. 村. 寸. 穂. 近所づきあい×職業. 表4. 農業主. 十. 商工サー!. 管. 理. 専. 門. 事. 労. 務. 務. 何かにつけてよくつき あうべきだ 程々にすべきだ あまりつきあわないよ うにすべきだ DK・NA. 合. N=48. 計(10057o). N=224. N=231. N=201. 近隣親密度. 1.28. N =231 !. 1.49. く湘南調査〉 表5. 近所づきあい×政党支持. 自民i民社社. 会. 共. 産. 公. 明. 何かにつけてよくつき あうべきだ. 程々にすべきだ あまりつきあわないよ うにすべきだ. DK・NA. 合. 計(100ヲも). N=477. N=9〔). N=341. N=18. N=49. N=453. 近隣親密度 く湘南調査〉. 密度が低いことも一応指摘しておいてよいであろう.来任時期別に考察した結果は特に表 にほ掲げないが,新しい来任著ほど近隣親密度が低く,要するに新しい来任老,ホワイ トカラ-,革新政党支持者は一般に近隣づきあいに対する関心が低いといえるであろう. く横浜調査〉でほ,職場の上役,職者の同僚,職場の部下,仕事上の関係者(同業者や 取引先),学校時代の先生や友人,実家や親類,近所の人たち,宗教団体,政治団体,そ の他の分類リストをみせて,住民が日頃大切にしている相手ないし社会関係を選ばせると いうやり方で調べてみたところ,被傭老層でほ職場関係者に集中していて,. 「近所の人」. を第1位に選んだものほ僅かであるが,農業者でほ40%が「近所の人」を第1位に選ん でおり,その他の自営業者でも20%がそうであるように,被備考層が居住地域によりも 職場に結びついていることが示きれている。 (3)近隣関係や居住地域と最も具体的にかかわりあいをもつ組織として町内会あるい ほ自治会があることは周知の通りである.町内会はいろいろ批判されながらも,現在極め て普遍的な地域住民組織となっているが,町内会なるものほ一体あった方がよいのか,そ れともない方がよいのか。 〈湘南調査〉を素材としてこの点を考察してみると,来任時期.

(11) 73. 都市における新しい住民意識の発展 表6. 町内会は必要かX来任時期. 生れた 時から. 芸qE=T昭26 -. ぜひ必要. 22. あった方がよ. 42. い. どちらともい えない. 12. あまり必要な. 22. し. 絶対ない方が. 1. よい 3. DK・NA. 合計(1007o). N=319. N=57. N=185. N=130. N=158. N=178. 必要肯定率 く湘南調査〉 表7. 農業主. 町内会は必要か×職業階層. 菅麦藁主恒 管. あった方がよい. 55. 5胡82. 30. 1. ぜひ必要. 50. どちらともいえない. 3. 8. あまり必要なし 絶対ない方がよい. 8. 15. 9. 1. 1. 2. 合. 計(100%o). N-93. 11. 16. 2o. 49. 44. 48. 7. 13. 9. 30. 23. 19. 3. 2. 1. 0. 2. 3. 0. 3. 3. DK・NA. 理. N=181. N. N=48. =224. N=201. 必要肯定率 く湘南調査〉 表8. 町内会は必要か×政党支持 民. 社. 会. 社. 産. 共. 27. 45. 38. 7. 33. 6. 11. 13. 22. 22. 14. 22. 15. 0 7. 14. 2 1. 17. あった方がよい. 53. 60. 48. 2. 7. 8. 17. 17. どちらともいえない あまり必要なし. 絶対ない方がよい DK・NA. i. il (100%). 1. 1. 1. 0. 0. 2. 1. 0. 2. 0. 6. 3. N =477. N=90. N=341. N=18. N=49. N =453. N=82. 913. 16. 5 1. 21. 20胡91. 22. CO. ぜひ必要. N =1598. 必要肯定率 く湘南調査〉.

(12) 74. 河. 村. 十. 寸. 穂. 別,職業階層別,政党支持別の回答はそれぞれく表6〉,く表7〉,く表8〉のようになる。 表中の「必要肯定率」というのほ,. 「ぜひ必要」に+2,. 「あった方がよい」に+1,. 「あ. まり必要とは思わない」に-1,. 「絶対にない方がよい」に-2,その他の答に0の評 点を与えて,サンプルの平均点を出したものである。 地元生れや古くからの居住者では必要肯定率が高いが,新しい来任者になるほど肯定率 が下るとほ限らず,やや不規則な分布を示している。このことは後にふれるように町内会 というものに対する住民のイメージの相違を反映していると思われる0. 職業階層別にみると農業主や自営業主層で肯定率が高く,ホワイトカラーとくに知的 労働の比重の高い層において肯定率が極めて低い。このことほ学歴別にみた場合,大学卒 の肯定率が0.37,旧高専・短大卒で0.49と低いのに対応している。ここでもブルー・カ ラー層の町内会肯定率が相当高いことに注目する必要があるであろう. 政党支持別にみると各層とも比較的接近しているが,自民・民社・社会・共産の順に肯 定率が下降していることがわかるが,. 「支持政党なし」の層の肯定率が極めて低く,彼ら. を自民党支持層と一括して保守系住民と呼ぶのにほ問題があることを暗示している. このように新任市民,ホワイト・カラー,革新層において町内会の必要肯定率が低いの は,一般的にいって町内会とか自治会とかいわれているものが何となく共同体的,伝統的 ないし因襲的な印象を与えているという事実が背景になっていると思われるが,これらの 層においても否定的意見は少数であって,とくに絶対反対論は極く僅かである。したがっ て問題はむしろ町内会をいかなる性格の組織あるいほ団体と考えるかという点にあるわけ であり,このことに関しては次の節において改めて論ずることにするが,上記の3つの層 が非ローカルな態度から,一般にロ-カルな組織と思われている町内会に対する必要肯定 率を低くさせているという点ほ確かであろう。 (4)次に居住地域をふくめて,いわゆる地元の生活のなかで,フォーマルにもインフ. ォーマルにも住民生活の世話役的機能をもっている地域リーダ-に対する住民の関係を問 く湘南調査〉では「あなたは近所や地元の問題についてよく世話をする. 題にしてみようo. のほ誰々さんだということを御存知ですか」という質問項目があるが,これに対する回答 を職業階層別,政党支持別にみたものが,く表9〉およびく表10〉であるo表中の「世話 役認知率」というのほ,. 「自分自身よく世話する立場だ」という答に+4,. いるし,個人的にも親しく,政治についても話をする」に+3,. 人的にも親しいが政治の話ほしない」に+2, い」に+1,. 「あまりよくら知ない」に-1,. tーよく知って. 「よく知っているし,個. 「よく知っているが個人的なっきあいほな. 「全然知らない」に-2,その他の答に. 0の評点を与え,サンプルの平均点を出したものである。 職業階層的にほ農業主の世話役認知率が際立って高いほか,自営業者がこれに次いでい る。管理職を除く被傭者層は何れも評点がマイナスになっている。とくに上述の各項目で ブルー・カラーが比較的ローカルな性格をもっていることを指摘したにも拘らず,ここで は認知率が低く出ているo. これらの事実は,管理職層とブル・カラーの社会階層的地位 の高低を反映したものと解釈できるのでほなかろうか.政党支持別には社会党支持層の認.

(13) 75. 都市における新しい住民意識の発展 地域世話役認知×職業階層. 表9. 農業主. 商工サー 自由業主 管 ビス業主. 理. 専. 門. 事. 務. 労. 務. 総. 数. 3. 自分自身が世話役 熟知(政治の詰もする). 6. 熟知(政治の話はしない). 9. 知っているがつきあいな. 19. し. あまりよく知らない. 39. 全然知らない. 16 9. 明. 不. 合. 計(1007o). N=93. N=181. N=48. N=224. 世話役認知率. N -201. N=231. N=231. N=1598. -0.02. -0.08. ー0.08. 〈湘南調査〉 地域世話役認知×政党支持. 表10 民. 社. 社. 会. 共. 産. 公. 明. 支持党 な. し. 自分自身が世話役 熟知(政治の詰もする) 熟知(政治の話はしない) 知っているがつきあいな し. あまりよく知らない 全然知らない 不. 明 合. 計(1007o). N=477. N=90. N=341. N=18. N=49. N =453. N=82. N -1598. 世話役認知率 く湘南調査〉. 知率がマイナスを示しているが,民社党支持者はむしろ自民党支持層より高くなっている のは興味をひくと同時に,サンプルの数が少ないので確かなことはいえないが,共産党支 持者の評点が最高であることほ,同党の地域活動方針とも関連して注意してよいかも知れ ない。なおここでも,支持政党のない層ほ認知率がマイナスで,自民党支持層とのちがい を感じさせるものがある。来任時期別にみた結果ほとくに表示しなかったが,新しい来任 老ほど世話役認知率が低くなっていることはいうまでもない。 (5)以上の問題を総括した形で,住民の居住地域に対する安定性をみるために,く湘 南調査〉ではこれからもずっとこの市(町)に住みたいかどうかを訊ねた。その結果を職. 「なるべく永く 業階層別にみるとく表11〉のようになる。表中の永住希望率というのは, 「住居や仕事さえあれば,別に 「当分は住みたい」に+1, 住みたい」という答に+2,.

(14) 76. 河. 村. 十. 寸. 穂. 表11永住意志×職業階層 事. 務. 労. 務. 総. 数. なるべく永く住みたい 当分は住みたい 別にどこに住んでもか まわぬ. なるべく住みたくない DK・NA. 合. 計(1007o). N=201. N=231. N=231. N-1598. 永住希望率 く湘南調査〉 どこに住んでもかまわない」に-1,. 「なるべく住みたくない」に-2,その他の答に 0の評点を与えてサンプルの平均点を出したものであるが,管理職を除く被傭老層の永住 意志は相対的に低いことがわかる.なおここでもブル・カラーの評点が低くあらわれて いて,彼等が比較的p-カルな性格をもっているのではないかという前述の主張とやや臭 った結果が出ているが,この点についてはもう少し詳しい検討が必要と思われる. 永住意志の高低にほ来任時期や自分の住居を持っているかとか,その他いろいろな要因 が関連を持っているが,その具体的な内容は省略する。なお政党支持別に永住意志を詳し く追求する余裕がなかったが,一般的にほ革新的政治志向の持主においては永住希望率が やや低いといえるようである。. 以上のように,主として住民の来任時期,職業階層,政党支持の3要因を軸として,近 隣関係のあり方,町内会の必要性,地元世話役の認知,永住意志などについて分析を加え たわけであるが,これらの考察を通じて,新しい来任老において比較的多数をしめる被傭 者層とくにホワイトカラーおよび革新的政治志向の持主ほ,一般に地域生活に対して非 ローカルな態度を示していることがわかる。 註1)辻村 3. 明「官僚の意識構造」. (1959年,関東社会学会報告).. 非ローカ)L型住民の地方政治意識. (1)従来の一般的見解に従えば,上述のごとき非ローカルなタイプの住民は地域の生 活に対してのみならず地方政治のあり方に対しても無関心であり,彼らほ地域や地方自治 体にとってほ困った存在であり,いわば厄介者であると考えられがちであった。果して彼 らほ従来の見解通りの存在なのかどうか。この節は,いろんな角度からこのような問題点 を再検討してみることを目的としている。. 前節で町内会の必要性に対する住民の意見について述べたが,そこで町内会あるいは自 治会がそもそもいかなる性質の組織として考えられているかという点が重要だと指摘して おいた。ここではまず,住民が町内会を必要と思うのはいかなる理由からかという点を問 題にしてみよう。町内会の必要な理由軒こ関するく湘南調査〉の結果杏,来任時期別,職業.

(15) 77. 都市における新しい住民意識の発展 表12. 町内会必要理由×来任時期. 生れた 時から ゲマインシャ. フト的. 生活境能的 行政連絡的 対市要求的 伝統的・無意 識的 その他 DK・NA. %il. (100%). N=253. N=48. N=123. N=105. N=99. N=148. N=232. N. 1094. =. く湘南調査〉. 表13. 町内会必要理由×職業階層 自由業主 21. 26. 23. 34. 36. 32. 14. 11. 12. 16. 13. 22. 13. 9. 6. 9. 10. 16. 1. 1. 0. 1. 2. 4. ゲマインシャフト的. 34. 生活機能的 行政連絡的. 4 1. 41. 11. 7. 8. 3. 13. 14. 対市要求的 伝統的・無意識的 その他. 2. DK・NA. 合. 0. 1. 計(100%). ⊆N-133. N=82. N=121. N=132. N=162. N. N=173. =. 1094. 〈湘南調査〉. 表14. 町内会必要理由×政党支持. 民. 社. 社. 会. 共. 産. 25. 16. 生活機能的 行政連絡的. 33. 40. 31. 3 (古. 13. 9. 12. 8. 対市要求的. 7. 8. 17. 14. 16. 12. その他. 0. 1. 2. 0. DE・NA. 2. 0. 1. 8. 伝統的・無意識的. 合. 計(1007o). N=353. N=67. N=235. N=37. 11. 15. 16. 37. 27. 31. 34. 9. ー2. 4. 11. 15. 13. 0. 1. 4. 3. ll. 25. 26調101. 29. ゲマインシャフト的. 2. N=279. N=54. N =1094. く湘南調査〉.

(16) 78. 河. 村. 階層別,政党支持別にみたものが〈表12〉,. 十. 寸. 穂. 〈表13〉, 〈表14〉であるo. 来任時期別にみて,一般的にいえることは,. 「町内(部落内)の親睦・精神的まとまりな どのため」というゲマインシャフト的理由は,来任時期が新しい層では減少していき,過 に「防犯・保健衛生など自衛の必要から」という生活機能的とでもいうべき理由が増大し, さらに生活機能的要素が発展した形として,. 「住民が団結して市に要求するため」という 対市要求的な理由がふえてくるoとくに公団住宅に最近入居した層では,この対市要求的 理由をあげたものが39%に達していることは注意してよかろう。団地自治会が地域住民 組織として,従来の町内会の概念を大きく打破したものといわれているのも,このような 意識と関連していることはいうまでもない。 このような傾向を職業階層的に代表するのほ被借着層とくに専門職グループであり,彼 らの22%は対市要求的理由をあげているのが目立っている。このことは,学歴別にみて,. 大学卒グループが対市要求的理由を多くあげている(21%)のに対応している.ブルー. カラーでもゲマインシャフト的理由をあげたものほ少ないが,対市要求的理由をあげたも のほ意外に少なく,むしろ彼らでは「市役所からの連絡事務のため」という行政連絡的理 由が多いという特徴がある。行政連絡という要因をあげたものの意識構造にはさまざまな ニュアンスがあると思われるが,少なくともそれがゲマインシャフト的なものでないこと ほ事実であろうoただブルー・カラ-においては伝統的・無意識的理由(「1つの町内や部 落に町内会や部落会があるのは当然」とか「何となくあった方がよいと思う」という答) がホワイト・カラーに比べて多く,地域生活問題への対応という点でやはり相違があるよ うに思われる。. 政党支持別にみると,社会党支持層において対市要衷的理由をあげたものが多く,共産 党支持層はサンプル数が少ないので何ともいえないが75%が対市要求的理由をあげてい る.. 以上前節において非ローカルなタイプとして一括した新来住着,被傭老とくにホワイ トカラー,革新政党支持層などが,町内会の存在理由としていかなるものを考えている かということを見てきたわけであるが,彼らに共通していえる傾向としてほ,地域の住民. が共同して生活機能を自衛的に遂行すること,さらにその延長として住民の団結によって その生活機能の円滑な遂行を行政当局に要求しようとすることなどを町内会の存在意義と 考えていることが指摘される。彼らの間でほ,町内会という組織を一般に伝統的ないしロ ーカルな存在として否定的に評価するものが多い反面,町内会に従来のような意味を持た せず,生活機能遂行的さらには対市要求的な組織としての性格を持たせて,地域住民生活 向上への関心を托そうという志向が見られる 。彼等を一概に地域社会的無関心層というわ けにはいかないであろう。. く横浜調査〉ほ前述のように町内会をめぐる諸問題についてかなり詳しい考察をしたも のであるが,郊外の青砥町に来任してきた被傭老層たちが町内会の存在理由として多くあ げたのほ行政便宜的および生活機能遂行的なそれであった。郊外の新しい開発住宅地域に おいてほ一般に行政サービスがゆきとどかず,日常生活上の障害ほ住民自身が切り開いて.

(17) 79. 都市における新しい住民意識の発展. いかぎるをえない場合が多いが,都市生活の常として,これらの諸問題は1世帯のみで解 決することがしばしば困難であり,生活遂行上不可欠な諸問題は近隣をふくんだ地域全体 の協力団結を必要とするところが大であるo町内会の存在理由として生活横能的および行 政便宜的理由が多いのもこのような事情を反映していると思われるが,その場合,行政便 宜的というのは,いわゆる行政下諸機関化ということではなくて,却って行政サ-ビスの 周知,徹底,円滑化のために町内会の役割を期待したものであろう。このような期待ほや がて対市要求的志向につながると思われる. しかも青砥町住民の場合,町内会役員に選ばれたら,積極的にしろ,いやいやながらに せよ,とにかく引き受けてやると答えたものが,被傭者層において20%近くみられたこ とは注目してよいのではなかろうか。最末端の小単位である班や組の長は輪番制などで仕 方なくやっている人も多いが,それ以上の役員となるとあまり歓迎されず,とくに被傭者 層はそっぽを向きがちであると考えられているが,上記の事実ほ,条件の如何によっては 彼らも地域生活への参与を積極化させる可能性を示しているのかも知れない。何れにして も新しいタイプの住民がいかなる意味においても居住地域の問題に無関心であるという考 え方ほ修正される必要があるのではなかろうか。 (2)住民の対市要求を組織化するということほ当然その対象として市行政当局を予想 するわけであるが,いわゆる地方自治体の政治というものが住民によっていかなるものと 考えられているであろうか。く湘南調査〉ではこの問題について次のような質問を試みた。 すなわち「こんにちの政治は国や中央政治のやり方ですべてがきまるので,市や町の政治 「こんにちでも市や町の政治のや は誰がやうてもほとんど変らない」 (甲)という意見と, り方いかんで,市や町の住民の生活はたいへん変る」. (乙)という,対立する2つの意見を. 並べて,サンプルの考えをきいたのであるが,これを来任時期別,政党支持別にみたもの 「甲に大賛 なお表中の「地方重視率」というのほ, がく表15〉およびく表16〉であるo 成」に-2,. 「どちらかといえば乙に賛成」に. 「どちらかといえば甲に賛成」に-1, 表15. 中央と地方政治×来任時期. 生れた 時から. 昭36-38. 昭39-. 総. 数. 中央万能 やや中央万能 どちらともい えない. やや地方重視 地方重視 DK・NA. 合計(100ro). 地方重視率1. N=319. N=57. N=185. N=158. N=130. N=178. N=212. N=356. N. =. 1598. 0.74. く湘南調査〉.

(18) 80. 河. 表16. 3. 寸. 穂. 中央と地方政治×政党支持 社. 民 中央万能. 十. 村. 社. 会. 共. 産. 0. 2. 11. 0. 3. 2. 3. 6. 8. 8. 0. 2. 6. 6. 6. どちらともいえない. 13. 3. 8. 0. 1 (0. 17. 15. 13. やや地方重視. 34. 50. 40. 17. 22. 36. 26. 35. 地方重視. 35. 32. 34. 72. 43. 31. 22. 33. 6. 9. 0. 14. 0O. 29. 10. やや中央万能. 00. DK・NA. 合. 計(1007o). N =477. N=90. N=341. N=18. N=49. N. =453. N=82. N=1598. 地方重視率 〈湘南調査〉 +1,. 「乙に大賛成」に+2,その他の答に0の評点を与えて,サンプルの平均点を出し. たものである。. 来任時期別にみると,地元生れや古い時期から住んでいる人たちでは中央政治万能論が 相対的に多く,地方重視率が低いのに対して,新しい来任市民では時期別に多少の波ほあ っても地方重視率が高くなっているのは注目に値する。すなわち新来住老層が地方政治を 軽視し,これに無関心であるという一般的見解とは相反する結果が出ているからである。 また政党支持別にみても,革新政党支持者ほ何れも自民党支持者に比べて地方重視率が高 くなっている。共産党支持者はサソプル数の関係であまり正確なことほいえないにしても, 同党の日常的地域活動の方針とも関連して地方行政重視率が最高の評点を得ている。サソ プルの多い社会党支持層もやや自民党支持層より地方重視的債向をみせており,これまた 革新志向層の地方政治-の無関心という通説が必ずしもそのままでほ支持し難いことを暗 示している。なお学歴別にみると高学歴の人に地方重視的傾向が強くみられることも興味 がある。. この点はく選挙調査〉の結果を政党支持別にみたく表17〉についても同様である.た だし,この調査では甲の意見が「こんにちの社会でほ,国や中央の政府がしっかりしてい ればよいので,市町村がいちいち自治だ自治だと主張する必要はない」,また乙の意見が 「こんにちの社会では,住民のために正しい政治を進めていくには,市町村の立場がもっ と尊重されなければいけない」というように若干表現がちがっており,また回答の選択肢 が少ないのでそのまま比較するわ桝こほいかないが,僅かながら社会党支持者の地方尊重 主義的傾向がうかがえる。 ただこのような地方行政重視の意見ほ,いわば地方自治の「理念」であり,. 「たてまえ」. であって,その「現実」であるとは限らない。やや現実に接近した問題として,く選挙調 査〉では「あなたの住んでいる市の生活環熟ま市長になる人いかんで大変かわると思いま すか。それとも誰がやってもあまりかわりがないと思いますか」という質問をしてみたが, これに対する回答を政党支持別にみると,く表18〉のようになり,社会党支持者でほ「あ.

(19) 都市における新しい住民意識の発展 奉17. 中央と地方政治×政党支持. く選挙調査〉 表18. 市長いかんで市政が変るか×政党支持. く選挙調査〉. まりかわらない」という現実認識の方が多くなり,掛こ自民党支持層において「大変かわ る」という意見が多い。なお支持政党のない層は「あまりかわらない」という考えが圧倒 的に多いが,この層ほまた理念論においても中央政府万能論が一番多く・少なくとも地方 政治に関する限り無関心層の中核を形成しているといってよかろうo 何れにしても,革新的政治志向の持主は,理念的には地方政治重視的であるが,現実認 識ではかなり地方自治に対しで陵疑的であるoそれとも・現実においては,いわゆる「3 割自治」的事実認識を持ちながら,それにも拘らず,あるいはその故にこそ地方政治尊重 の理念が高いというべきかも知れないoしかし少なくともこの点でも・新来住市民や革新 政党支持者を簡単に地方政治や地域社会の問題に無関心だときめてしまうことはできない ように思われる。. (3)そこで地方政治に対する関心を測る1つの方法としてく湘南調査〉では「もし市 長さんが市民の声をきく会のようなものを開かれたら,あなたは出席なさいますか」とい ぅ質問を試みたが,この結果を来任時期別,職業階層別,政党支持別に考察すると,く表 「ぜひ出席し 19〉,く表20〉,く表21〉のようになるo表中の「出席希望率」というのほ, 「全 「なるべく出席したい」に+1,恨まり出席したくない」に-1, たい」に+2, 然出席したくない」に-2,その他の答に0の評点を与えて,サソプルの平均点を出し たものである.. もちろん,この質問だけで地方政治に対する関心度を測るわ桝こはいかないであろうが, 来任時期的には,やや波があるけれども地元生れの人たちでほ出席希望率が高く・最近の.

(20) 82. 河. 表19. 村. 十. 寸. 穂. 市民集会出席×来任時期. 生れた 時から. 昭39. -. 総. 数. ぜひ出席した しヽ. なるべく出席 したい. あまり出席し たくない. 全然出席した くない. DK・NA. 合計(10057o). N=319. N=57. N=185. 出席希望率 く湘南調査〉. 表20. 市民集会出席×職業階層. く湘南調査〉. 表21市民集会出席×政党支持. く湘南調査〉.

(21) 83. 都市における新しい住民意識の発展. 来任市民は前述の地方政治重視率は高いにも拘らず集会への出席希望率は低い。たとえば 公団居住者の出席希望率は0.60と低い。このことは,さきにふれた地方自治の理念と現 実の問題にかかわるかも知れない。あるいほ理念と行動の問題といった方がよいかも知れ ない。職業階層的にみると,地元生れにほぼ対応する農業主の出席希望率は高く,また管 理職を除く被備者層もサンプル平均よりも出席する傾向が強い。また政党支持別にみると 社会党支持層ほ自民党支持層よりやや出席希望率が高い。もちろん自民党層もサンプル平 均よりは高いが,ここでも支持政党のない層ほ出席したがらない傾向が強い。 市民の声をきく会とか,市政と市民の「対話」ということが最近よく問題になっている が,この調査では地元生れや農業主の出席希望率が最高を示し,また新来住着のそれが低 いなど,前に述べた地方政治重視の問題と若干くいちがう結果が出た。しかし被傭者や社 会党支持層の出席希望率ほ決して低いわけでほなく,農業を除く自営業者や自民党支持層 さらにほ支持政党のない層に比べて出席希望率は高く,地方政治あるいほ市政-の関心と いう点でやはり注意してよい調査結果だといってもよいのではなかろうかo (4)市政に対する関心と裏面において関係すると思われる現実の市政に対する満足・ 「あなたは現在,当市の市政のやり方に. 不満足の程度をく選挙調査〉でとりあげてみた。. っいてどういう感じをお持ちですか」という質問に対する答を政党支持別にみるとく表 「まあ満足し 22〉のようになるが,表中の「満足率」というのは「大いに満足」に+2, 「やや不満」に-1, 「大いに不満」に-2,その他の答に0の評点を ている」に+1, 与えてサンプルの平均点を出したものである。これをみると革新政党支持層において満足 率が低くあらわれている。このく選挙調査〉当時,サンプルの居住する茅ヶ崎市の市長は やや革新的な無所属であったが,自民党支持者に比べて革新系の満足率が低いという事実 ほ興味がある。また支持政党のない層は満足率が最も低いが,前に論じたようにその不満 を積極的に市政関与のなかで展開しようとする意欲はなさそうである. 以上,町内会の必要な理由,それと関連して町内会役員-の就任意志,中央政治に対す 表22. 市政-の満足×政党支持 社. 会. 0. 0. 0. 0. 0. まあ満足 特にどうということなし. 24. 15. 14. 3. 15. 30. 37. 36. 3. CO. 35. やや不満. 30. 大いに満足. 大いに不満. 市政に無関心. 満. 28. 33. 29. 15. 17. 10. 13. 3. 3. 6. 0. 2. 0. 16. 6. 5. DK・NA. 合. 29. CO. N=79. 計(1007o) 足. 率. 1. N=73. N=36. N=39. 1N=253. -0.47. -0.51. -0.42. く選挙調査〉.

(22) 84. 河. 村. 十. 寸. 穂. る地方政治の重要さ,市民の声をきく集会への出席希望などの各項目について,主として 来任時期別,職業階層別,政党支持別の考察を行ったわけであるが,前節で非ローカル型 住民と規定された市民層が地域住民組織のあり方や地方政治の問題について決して無関心 層と呼ばれるべき傾向を示さず,むしろローカル型住民よりも強い政治的関心を示してい ることが明らかになった.もとよりこの点に関してほ,さらに詳しい注釈や再検討を必要 とするけれども,少なくとも彼ら非ローカル型住民を地方政治無関心型と割り切ってし普 うことには大きい疑問があるといえるであろう。 4. 非ローカル・非パーソナルな地方政治志向. (1)非ローカル塑住民が地方政治に対して無関心でなく,かえって強い関心の持主で あるといっても,彼らの地方政治へのかかわり合いの仕方は,従来のローカル型住民に代 表されるような意識や政治行動をともなったものとほかなり異った性格をもっている。こ の節では彼らの地方政治への関与の仕方にある種のパターンがあるのでほないかという点 を論ずることにする。 まず最初に地方政治の担い手として重要な役割をもっている市会議員について住民の考 え方をみると,く湘南調査〉では「あなたほ近所や地元から市会議員を出したいと思いま すか」という質問をしたが,その回答を職業階層別,政党支持別にみたものがく表23〉 およびく表24〉である。表中の〈出したい率〉は「ぜひ出したい」に」-2, 表23. 「できれば. 地元市議×職業階層. く湘南調査〉 表24. 地元市議×政党支持. く湘南調査〉.

(23) 85. 都市における新しい住民意識の発展. 出したい」に+1,その他の答に0の評点を与えて,サンプルの平均点を出したもので ある。. 職業階層的には農業やその他の自営業主,政党志向的にほ自民党支持層において出した い率が高く,専門職に代表されるホワイトカラーや社会党支持層において低くあらわれる。 この場合も,サンプル数が少ないけれども共産党支持層の考え方が社会党支持層と甚だ異 っている点は注意してよかろう。 これと関連してく横浜調査〉では「市会議員は地元の利益を第一に考えて,住民の世話 「市会議員は地元の利益代表ではなく,市政 をする立場で活動すべきだ」という意見と, 全体という立場から活動すべきだ」という意見を対比させて,住民の意見をきいたが, く表25〉に示されるように,社会党支持層ほやや市政全体の立場を市会議員に期待してい ることがわかる。つまり市政とか地方政治を重視してこれに関心を寄せるといっても,い わゆる地元主義的なローカルな関心からでほない人々が存在することを知っておく必要が ある。 表25. 市会議員の活動態度x政党支持. く横浜調査〉. (2)く選挙調査〉には市長選挙に関連する質問項目がかなり多かったが,まず市長を 選ぶ基準としてどんな原則によるのかという問題から考察してみよう。これを政党支持別 にみたのがく表26〉であるが,社会党支持層は際立って「保守的か革新的か」という基準 をあげており,自民党支持層が「政治的手腕や実行力」に集中しているのとよい対照をな している。このように社会党支持層が市長選挙においてもかなり非′く-ソナルな志向を示 表26. 市長を選ぷ基準×政党支持. 保守か革新か 人 柄. 12. 政治的手腕. 45. 18. 中央との関係 地つきかどうか DK・NA. 合. 計(1007o). く選挙調査〉.

(24) 86. 河. 村. 十. 寸. 穂. していることほ注目してよいであろう。. また市長選挙に際して,投票意志の決定をする場合,一番有力な「てがかり」になった ものは何であったかという点をきいてみると,. 族の意見」, 「友人・知人の意見」,. 「候補者本人とのつきあい」などというパーソナルな要. 「労働組合のスイセン」,. 因が相対的に少なく,. 〈表27〉のように,社会党支持層では「家 「支持政党のスイセン」などの機能集団と. の関係を示す要因や「一般新聞の地方版の記事」というようなマス・コミュニケ-ショソ の影響が大きい比重をしめている。 表27. 市長選判断の手がかり×政党支持. 家族の意見. 18. 友人・知人の意見. 16. 侯補老とのつきあい. 只). 労組のスイセン. 4. 農協のスイセン. 0. 同業団体のスイセン. 0. 婦人会のスイセン. 1. 宗教団体のスイセン. 0. 支持政党のスイセン. 7. 勤め先の上役の依頼 有力者の依頼. 0. 一般紙地方版. 2. 20. 地元新聞. 3. 立会演説会. 5. 個人演説会. 6. 街頭演説. 5. DK・NA. 6. 合. 計(1007o). く選挙調査〉. さらに市長選挙にあたって,特定の個人または団体から候補者のスイセンとか投票依頼 を受けた経験があるかどうかをく表28〉によってみると,社会党支持層は「家族・親戚・ 友人・知人・有力者」からのパ-ソナルな依頼を受けた割合が低く, 「労働組合のスイセ ン」が際立って高率を示している。自民党支持層にみられる団体のスイセンほ農協や婦人 会など,かなり地域組織的性格の強いものであって,一般的にほローカルな色彩のものと いってよいであろう。 このように市長を選ぶ基準,市長を選ぶための判断のてがかり,投票依療やスイセソを. 受けた経験などの調査結果を通じて社会党支持者に代表される革新的市民層の意識や行黍 様式ほかなり非ローカルで非パーソナルな性質をもっており,地方政治への関与のアブロ -チが従来一般的に考えられてきた伝統的でロ-カルな地方政治関与のイメ-ジを修正さ.

(25) 都市における新しい住民意識の発展 表28. 市長選での投票依頼×政党支持 社. 会. 社. 民. 家族・親戚から. 20. 19. 友人・知人から. 39. 支持党 な. し ウ】. 1. 18 33. 33. 36. 労組でスイセン. 5. 3. 5. 農協でスイセン. 5. 3. 0. 同業団体でスイセン. 0. 0. 婦人会でスイセン. 6. 0. 宗教団体でスイセン. 0. 3. 勤め先の上役から 有力者から. 3. 3. 5. 7. 8. l8. その他の人から 依頼を受けず・ NA. 10. 3. 10. 42. 50. 合. 4 ハ心. 計(ro). 回答者(100Yo). N=79. N=73. N=36. N=39. N =253. 〈選挙調査〉. せるような契機をもっているといえるのではなかろうか。このことほさらに,地域や地方 の政治を単に閉鎖的な体系内の問題として処理し,これに対応するという態度でなく,一 国全体のレベルでの政治の体系的一環として開放的視野の中でとらえるという発想が新し い市民層の中に芽生えつつあるのではないかという予想につながる。. く選挙調査〉では衆議院選挙から市会議員選挙に至るまで各種の公職選挙について,住 民がどの選挙に最も関心があるかを訊ねた。実際には関心の深い順に第3位まであげさせ たが,ここでは政党支持別に第2位までに限ってく表29〉を掲げておいた。この調査は 前述のごとく郵送調査であって回収率が低かったが,回答をよこした人たちは保守的にせ よ革新的にせよ,政治意識は一般に高い層であると考えられる。したがって全体に衆議醍 選挙を第1位にあげた人が多かったのはそのためかと思われるが,それほともかくとして, 社会党支持者では衆議院選挙を第1位にしたものが58%であったのに対して市会議員選 挙を第1位にあげたものが16%にすぎなかった。自民党支持層でも衆議院選挙が42% で一番高かったが,市会議員選挙が27%をしめていて,社会党支持層との相違があらわ れている。社会党支持層は第2位においても参議院選挙という国会レベルのそれをあげた 人が割合多く,彼らの政治的志向がもともとロ-カルな地方政治にないことを思わせる. しかも彼らの地域生活や地方政治の重要性への認識や関心が必ずしも低いとはいえず,む しろ自民党支持層のそれを上廻る傾向さえ見せていることは前節で論じた通りであるが, このことは彼らの地域生活や地方政治への関心の持ち方が,伝統的で地元主義的でなく, もっと開放的な全政治体系のなかで普遍的原則を通して地域や地方政治の問題に対応しよ うという態度を示しているものと考えてよいのではなかろうか。.

(26) 河. 88. 村. 表29. 2位. 寸. 穂. 選挙関心×政党支持 社. 1位1. 十. 民. 会. 社. 支持党なし. 1位】 2位. 衆議院. 2. 9. 58. 4. 参議院(全国). 1. 1. 1. 14. 1位1 5. 総. 数. 2位. (0. 8. 56. 5. 50. 7. 0. 11. 8. 10. 2. 9. 2. 8. 参議院(地方). 1. 6. 5. 11. 0. 6. 0. 5. 県知事 県会議員. 6. 14. 3. 19. 6. 17. 0. 26. 4. 16. 3. 9. 1. 8. 0. 8. 3. 8. 2. CO. 市. 長. 市会議員 DK・NA. 合. 計(1009ち). 15. 43. 14. 29. 11. 42. 23. 23. 16. 34. 27. ー3. 16. 12. 22. 6. 10. 23. 20. ー3. 4. 4. 1. 3. 3. 3. 0. 0. 4. 5. N=79. N=73. N=36. N=39. N. =253. く選挙調査〉. (3)く湘南調査〉で「日本の多くの市や町をみますと,市役所や町役場の仕事(たと えば広報の配布,薬品の配給など)杏,住民がいろいろ手伝っているところと,余り協力 していないところがあります。この点についてあなたは次のどの意見に賛成ですか」とい (-2), 「多少 う質問をして,市役所の仕事に対して住民が「一切協力する必要ほない」 「なるべく協力すべきだ」 (+2)という選択肢を設けた。こ ほ協力してもよい」 (+1),. の結果を政党支持別にみたものがく表30〉であるが,自民党支持層が「協力率」において もっとも高く,社会党支持層ではやや低く出ている。住民がどの程度に行政遂行に協力す べきかということは,それ自体極めて解答困難な問題であるが,少なくとも共同体的社会 における共同労働慣行のような形で住民が行政に協力あるいは無償奉仕するということは, 現代の都市社会でほありえないところであり,住民の行政協力も住民の了解と納得におい て行われる筈のものであってみれば,無原則的一般論として「なるべく協力すべきだ」と もいいかねるわけであり,無原則的行政協力に対する批判的態度ということほ,やはり上 に述べた非ローカル・非パーソナルな地方政治志向と関連するものを含んでいるとみてよ 表30. 住民の行政協力大政党支持. 〈湘南調査〉.

(27) 89. 都市における新しい住民意識の発展 かろう。. 以上いくつかの調査結果をもとにして,新しいタイプの住民の地方政治志向が従来一般 化されていた地方政治-の関与のイメージを修正させる可能性のあることを指摘したので ぁるが,要するに非ロ-カル・非パーソナルな態度ほ必然的に地方政治への無関心にみち びくと考えられがちであったのに対して,新しい地方政治への関与パターンが,非ローカ ル・.非パーソナルな地方政治志向のなかに芽生えつつあるとみることができるのではない かということを論じたかったのである。. Ⅱ. 新しい住民意識と地域民主主義の問題. (1)大都市地域における自治と民主主義ほ空洞化の危機に直面しているといわれるo 鳴海正春はこの空洞化が3重の疎外条件によって加東されているというQすなわち,. ①市. 民の側の条件として,都市生活構造の変容によって市民の中枢に無関心層が増大すると同 ②自治体行政の例の官僚化,形式 時に地域の末端は保守層支配のもとに固定化すること, 化,既成鮭織との癒着によって市民とのコミュニケーショソが窒息化すること,. ③私的経. 済と社会的費用の公共性との矛盾によって,市民の生活問題の解決(たとえば公害防止) の責任が一般化・抽象化されてしまい,無責任体系が都市を支配し,市民は不満から無力 感・疎外感に陥ること,である1'。 旧中間層の地元主義的で伝統的な意識と行動,職場と住居の分離した被傭者層の非地元 的浮動性と地域への無関心とが重なって,大都市においても,地域生活や地方政治は依然 として低迷を続けるのみならず,かえって住民自治と民主主義の崩壊・形骸化が促進され る可能性が指摘されている. (2)この小稿では,とくに職業階層としての被傭者層,さらにこれとかなり内面的に 関連をもつ革新的政治志向所有者層を中心として,彼等の地域生活と地方政治に対する意 識や態度について若干の検討を試みてきたわけであるが,その結論の重要な部分は,彼ら の地域生活や地方政治に対する態度は非ローカルとして特徴づけられるにしても・それは 少なくとも意識や原則論の次元においては「地域や地方への無関心」と呼ばれるべきもの ではなく,むしろかえって旧中間層や保守的政治志向所有者よりは高い関心度をもってい るということであった。しかし同時にそのような関心の持ち方は従来の観念で考えられて いたようなパタ-ソによってではなくて,非ロ-カル・非パ-ソナルな′くタJ/によって. であるということもまた重要な論点であったoこのことから,都市化の過程が進行するに っれてますます増加すると思われる上記のような新しい住民層によって,地域生活と地方. 政治のあり方は根本的な転換期にさしかかっているといえるのではないであろうかo新し い無関心層として識者をなげかせ,地方自治を空洞化させる最大の責任者と考えられてき た,この新しい住民層が,かえって新しい地方政治の基盤となる可能性こそが問題にされ るべきでほないのか。. しかし既にたびたび論じてきたように,彼らの基本的な行動パタ-ソは非ロ-カル・非 パ-ソナルであるo地域民主主義論の重要な課題ほ彼らの革新的エネルギーを居住地域の.

(28) 90. 河■ 村. 十. 寸. 穂. 「根っこ」の中に組織化するということであるが,彼らの非p-カル・非パーソナル性を どのように解釈し,これにどう対処するのかという点を抜きにしてほ有効な実蹟を実現す ることほできないであろうoもとより筆者としても,これに対する確信の持てる展望と処 方勤ミあるわけではないが,漠然とした感想めいたものを記して問題点を示し,同時に忌 博のない批判を期待したいと思う。. (3)く湘南調査〉でほ,町内会・婦人会・青年団・PTA・氏子組織・消防団・社会福 祉協議会などの地域集団的色彩を持つ組織への参与状況およびそこでの役職経験を基準と して,地域社会への参与度の高いものから低いものの順に,住民を「地域社会型」. 「近隣. ・. 型」. ・「準近隣型」 ・「準孤立塑」 ・「孤立型」という5類型に分仇これらをさらに政治的志 向によって「革新」と「保守」に2分して,合計10の住民類型を設定したが,各類型の 分布状況はく表31〉の通りである皇)o これでみると革新型住民では地域組織-の参与度が 保守層に比べてやや低く出ていることがわかると同時に,革新・保守を問わず都市化の進 行度の高い地域でほ一般に住民の地域組織参与の程度が低いという結果がでている。そう いう意味で,都市の革新型住民を基盤とする地域民主主義の昂揚・定着という課題ほ,そ の頃望において切実なものがあることほ十分に理解されながら,その現実的可能性という 点でほ極めて大きい障壁に当面するであろうことが予想されるo 表31住民類型のうちわけ. く湘南調査〉. (4)新しい型の住民が都市地域に増加することの,地域生活や地方政治に対して持つ 意尭は,まずその消極的なプラスであろうoすなわち,彼らの非ローカル・非パーソナル. な態度ほ,伝統的な地域支配を否定する契機となり,たとえば市会議員とか区会議員など が町内組織を地盤として出てくるなどということが徐々に困難になりつつある。新しい住 民層の増加によって古い型の地域組織はそのままでは機能しえなくなり,何らかの変容を 迫られるようになるoたとえば町内会などのなかで, ほやらせない」,. 「最低のところ住民の不利益なこと. 「いわば悪いことだ桝まチェックしていく」8)という可能性,つまり消極. 的プラスが生れるであろう。. (5)しかし消極的プラスを超えて,積極的プラスを組織化し,しかもそれを日常的レ ベルにおいてヴィヴィッドに発展させることほ甚だ困難であろう。もとより公害問題・保 育所問題・交通問題・ゴミ処理問題等々,住民生活の場としての地域社会ほ,現代社会の 矛盾の「はきだめ」4)となっており,新しい住民運動展開の温床となる可能性を持ってい るが,同時に都市の社会的条件ほそのような運動の組織化と日常化にとって必ずしも有利.

参照

関連したドキュメント

We present sufficient conditions for the existence of solutions to Neu- mann and periodic boundary-value problems for some class of quasilinear ordinary differential equations.. We

In Section 13, we discuss flagged Schur polynomials, vexillary and dominant permutations, and give a simple formula for the polynomials D w , for 312-avoiding permutations.. In

Analogs of this theorem were proved by Roitberg for nonregular elliptic boundary- value problems and for general elliptic systems of differential equations, the mod- ified scale of

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A

Definition An embeddable tiled surface is a tiled surface which is actually achieved as the graph of singular leaves of some embedded orientable surface with closed braid

Correspondingly, the limiting sequence of metric spaces has a surpris- ingly simple description as a collection of random real trees (given below) in which certain pairs of

[Mag3] , Painlev´ e-type differential equations for the recurrence coefficients of semi- classical orthogonal polynomials, J. Zaslavsky , Asymptotic expansions of ratios of

Roberts (0 (( Why Institutions Matter :The New Institutionalism in Political Science, Palgrave ( ) Public Administration Review, vol. Context in Public Policy and