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兄弟姉妹の色イメージについて(調査結果から)

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兄弟姉妹の色イメージについて(調査結果から)

著者

久保田 力, 渡部 諭, 杉山 朗子

雑誌名

論集

42

発行年

2015-12-31

URL

http://hdl.handle.net/10097/00130334

(2)

兄弟姉妹の色イメ

ジについて

(調杏結果から)

はじめに

(研究代表者)ク、{呆田

杉山 朗子

渡部

私たちは, 2010年度以降「芸術的感性とスピリチュアリティ」を主要テー として共同研究を行っており, その結果を大小12本の論文によって報告してき た。 昨年度は, 本学会において, 2013年度に東北芸術工科大学にて実施した第 3回目の質問紙調査「色・五感・心理等に関するイメージ調査」(全学部生 2195人から1272人の回答収集=約58%)に基づき, 人間関係の色としてまず父 と母のイメージ色についての分析を発表した (『論集』41号及び『東北芸術工 科大学紀要』第22号,2015)。 そこでは,回答優位の半数以上が母の色の補色(反 対色)を父の色としている点 (逆も同様), つまり母の残像は父の色だという 特徴や, 母の色イメージにクリム色が首位を占めた点, さらに父母の色の組 み合わせ方に数種類のパターンが認められたことなどを指摘した。 引き続き本 稿においては, 兄弟姉妹の色イメージについて報告し, 家族関係の色のイメー ジの全体像に迫りたい。 なお, 上述の第3回目の質問紙調査の第1次集計結果 の全貌のグラフや図表 (自由記述部分含む)を 『東北芸術工科大学紀要』 第23 号(2016, 電子版のみで発行=https://tuad.e-manager .jp/)に掲載予定であるの で本稿とともに参照していただければ幸いである。 (以下の本文上の下線部は 要約的記述部分であることを示す。)本稿は直接的に「芸術的感性とスピリチュ アリティ」を論じたものではないが, その主題へ向けての助走的検討である。 2 一番目の兄弟姉妹の色イメージの象徴性について (1) 回答グラフの整理 以下, 本稿においては, 兄弟姉妹のイメージ色 (質問紙の問30と31)を分析 対象とする。 学生たちにはまず, 兄弟姉妹構成について回答してもらい, それ

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ぞれに色を当てはめて回答してもらった。 学生によっては3番目の兄や3番目 の妹がいる場合もわずかだが見られる。 ともあれ, 何人兄弟姉妹がいようと, すべての回答を集計し, 兄弟姉妹のそれぞれ4つの地位の全体の色回答の結果 が【図1】のグラフである。 幸いなことに, 不思議にも, 【表1】のように, 約1300人の学生たちには, ほぼ4分の1ずつの割合(25%前後)でそれぞれ兄 弟姉妹がいるということである。 したがって, 兄弟姉妹のそれぞれの色の回答 母数は4種ともほぼ均等になっているので, それら4種の地位・立場について はほぼ同等の重みで分析・判断することができる。 それらをさらに細分化して2番目までの兄弟姉妹までをそれぞれ集計・グラ フ化したものが【図2】である。 ここでは色の回答優位順の並び(ソート)で のグラフを示した。 実は, 全体, 男性, 女性, 芸術学部デザイン工学部という5種類のグラフ をカラーサンプル表の色順に表示したものとソトとのグラフをそれぞれ作成 してあるが, ここでば煩雑になるのを避けて, 全体のソートのグラフのみで論 を進めることにする。 なお, グラフ右端の数字は実際の回答者数を示す。 2番 目の兄弟姉妹の母数を示すそれぞれ56人, 47人, 42人, 33人という数値は1番 目の兄弟姉妹の母数350人前後に比較すると6分の1から10分の1と少数とな るため, 注意が必要である。 これが3番目以降の兄弟姉妹のグラフとなると, 1人の回答の重みが相対的に増すため, グラフの分割数は減少し, 1番目の兄 弟姉妹と同等な重みとは到底みなされなくなる。 それゆえ3番目以降の兄弟姉 妹のデータは割愛した。 ここで, 2番目までの兄弟姉妹の色回答状況の全体集計グラフ【図2】を見 ていて困るのは, 1番目, 2番目の兄弟姉妹という表示の仕方は, その回答主 体自身が兄なのか姉なのかという序列関係や, また男性なのか女性なのかとい う性別などが即座にイメージできにくいことであろう。 (もちろん, 割愛した 女性, 男性の集計グラフを見れば性別は個別に判明するが, 全体のグラフでは それらは区別されない。) そこで, 今回は二番目以降の兄弟姉妹の色回答をひとまず除外し, 一番目の 兄弟姉妹の色に限定して, 同性・異性からみた兄弟姉妹の色イメージの典型や 諸特徴を探ることにした。 そこから縦の序列関係や性別による回答色の特徴は 見出されるのかどうかに注目した。 例えばa「弟からみた兄」b「妹からみた

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兄」の色などというように, 同じ家族内において, 自分からみた他の1番目の 兄弟姉妹の色イメージを比較する。 したがって, 【図3】のグラフの表記にお いて, 例えば男性による「1番目の兄」の色の回答のことをもっとわかりやす

<,

a

「弟からみた兄」の色という言い方に変えた。 同様に, 女性による「1 番目の兄」の色の回答のことは, b「妹からみた兄」の色, また, 女性による 「1番目の妹」の色回答はh「姉からみた妹」の色等々と表記を変更した。 そ れにより, 具体的な自分の性や地位・立場が明確になるからである。 以下, 【図 3】のaからhまでの8種類のグラフを検討対象として論じる。 (2) 赤色の象徴性 まず,

a

「弟からみた兄」の色とb「妹からみた兄」の色について。 両者と も青が1位を占める。 青と赤は日本ではトイレの表示などによく見られるよう に男性色と女性色という刷り込み的象徴色である。 諸外国ではこのような二分 的象徴色が見受けられる現象はほとんどない。 一説によると, 1964年に開催さ れた「東京オリンピック」の影響だとされる。 邦人観戦者のみならず, 諸外国 からの見物者にもわかりやすいような表示の統一化が図られたらしい。 さて, 一般的に青には冷静さ, 理性的, 頼りがい, 知性といった象徴性が予 想される。 しかし, 2位以下には前者

a

が赤, 空色オレンジ, 黄色と続いて いるのに対して, 後者bは二位以下がダルブルー, 緑深緑と続いていて大き く異なる。 この場合の赤はa「弟からみた兄」の持つパワーや権力, 権威性, 支配力,活発さではないか。 赤が目立つ他のグラフを見ると

e

「弟からみた姉」 の1位やf 「妹からみた姉Jで2位を占める。 特に

e

「弟からみた姉」の赤に は女性性に加えて権威性や支配力, 活発さを同等に読み取ることができるので はないか。 b「妹からみた兄」での赤は2. 6%と極端に少ない。 つまり妹にとっ て兄はそれほど権力的, 支配的な存在ではない。 g「兄からみた妹」の赤やh 「姉からみた妹」の赤はそれほど多くはなく中間的な選択比率。 これは, 妹と いう存在が兄や姉からすれば権威性よりも女性性を含む元気さや気の強さと解 釈できるのではないか。 兄や姉の言うことを頑なに拒んで止まないような妹の 頑固さ, 意地の強さや気丈さを表す赤ではないか。 前に論じたように, 息子か らみた父には弟からみた兄ほど赤は多く選択されていない(前者が3. 7%=第 11位, 後者が7. 2%=第2位)ことは, 現代社会における父の権威性の失墜を

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図1 【兄弟姉妹の色イメージ:全体(ソト)】 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% (人) 兄 弟 姉 妹 図2【複数の兄弟姉妹の色イメージ:全体(ソト)】 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% (人) 1番目の兄 359 2番目の兄 56 1番目の弟 315 2番目の弟 1番目の姉

Cl

"

'

-

341 2番目の姉 11.9 42

"'�

I

1番目の妹 132 113 326 2番目の妹I 18 2

.L:J L .l�. ょ ':1.l-tl. ょ :,. 5 315. 33

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性 度数行% 性 度数行% 計 度数行% 表1 【被験者の兄弟姉妹構成】 兄弟4区分 ム口i 兄 弟 姉 妹 97 86 106 86 375 25.9% 22.9% 28.3% 22.9% 100.0% 315 277 285 274 1151 27.4% 24.1% 24 8% 23.8% 100.0% 412 363 391 360 1526 27.0% 23 8% 25.6% 23.6% 100 0% ※順序に関係なく兄弟姉妹のいる人数を集計。 マルチ回答となるので合計は被験者数を上回る。 図3【一番目の兄弟姉妹の色イメジ:全体(ソト)】 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% (人) a. 弟からみた兄 83 b. 妹からみた兄 268 c兄からみた弟 73 d姉からみた弟 239 e. 弟からみた姉 86 f妹からみた姉 252 g兄からみた妹 77 h. 姉からみた妹 247

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(32) ある程度暗示している可能性がある。 (3) 緑の象徴性について 同様にして, 黄色や緑などの象徴性を推察してみる。 例えば, 「緑」は人間 の成長(若さ)を軸とする明確な両義性(希望/不安, 安全/危険)という象 徴性で解釈できうる。 以下のように。 まず, a「弟からみた兄」には緑黄緑 はやや後半部(1 0位と11位)に続けて登場し(両者とも3.6%), それほどは目 立たない。 ただ, b「妹からみた兄」には3,4, 5位に続けて現れて, 合計する と18%と1位の青を凌ぐ割合となる。 同様に, d「姉からみた弟」にも緑は2 位と3位に続いて見られ, 合計15.9%に及び1位の青 (20 .5%)に接近する。 また,C「兄からみた弟」には黄緑が3位の8.2%を占める。 これらの結果は,緑・ 黄緑はどちらかというと女性(異性)から見られた兄弟に好まれて選択されて いる状況を示している。 一方, 姉や妹に対しては剛‘生からも異性からもそれほど好まれて選択されて はいない (e, f姉よりもg, h妹のほうに5%強で共に7位)。 中でもf「妹 からみた姉」のイメージとしての緑は最も少なく, わずか2%にすぎない。 このような状況を一貫して説明・解釈することのできそうな緑・黄緑の象徴 性をどのように捉えたらよいだろうか。 まず, 上記のように, ここでの緑・黄 緑は, 女性(姉妹)よりも男性(兄弟)のほうに選択順位が高いことから, 一 見女性性よりも男性性に比重が傾いているかのように見えるが, 上述のよう に姉妹にもやや下位にではあるが全体にわたって見受けられるのでやはり中性 的, ニュートラルで脱ジェンダ的な色と言える。 そもそも寒色でもなく暖色 でもない緑は中間的・中性的である。 中性的という点では黄色やオレンジと共 通した点がある。 中でも, b「妹からみた兄」とd「姉からみた弟」に比較的 顕著な現れ方をしている。 C 「兄からみた弟」(8.2%)もそう言える。 より子 細に見ると, b「妹からみた兄」では優勢順が緑 (7.5%), 深緑 (5.6%), 黄 緑(4.9 %)であり,一方d「姉からみた弟」では優勢順が黄緑(8.8%), 緑(7.1 %) で深緑はずっと下位に隠れる。 これは, C兄とd姉からみた弟には一般的に指 摘されているように, 若葉のような若々しさ(未熟さでもある)や成長力(不 安定さでもある)を感じるからだと考えられる。 これに対し, 緑は単に若いだ けでなく, もう少しバランスのとれた安定感や安心感が加味されているものと

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も考えられる。 そこには気遣いのできる自然な(健康的な)穏やかさ(優しさ) も含意されてもいるだろう。 ただ, 場合によってはそれらの長所的性質は “人 畜無害” のごとき凡庸さや保守的な非積極性 (受動性)へと転じる両面性を持 つだろう。 深緑は, 緑がより成熟した色と捉えられるからであろう, b「妹からみた兄J だけに比較的上位に現れる (しかも緑と黄緑に挟まれる位置)ほかは, グラフ 上で明確に確認できないくらいの下位にしか現れない。 これらの「妹」たちと いう回答主体は現役女子大生たちであるから, 20代後半,___,30歳くらいだと想像 される彼女たちの兄たちの中には, 立派な社会人として独り立ちしている成熟 した感じの男性像を確立している者たちがいても不思議ではない (実際にそう かということは別として)。 さらに, 姉妹に対するイメージとして若干現れる(g, h妹への色のほうが 選択率は高い)黄緑は, 上記の象徴性を絡めて想定するとすれば, やはりその 若々しさや新鮮さであり, 同時に未熟さや不安定さであろうと推測できるので はなかろうか。 緑や深緑はほとんど見られないことからも, そのように想定で きるのではないかと思う。 以上のように, 黄緑緑深緑は同じ緑系統でもそれらの象徴性の地平はか なり広くてアンビヴァレント(両義的)であるという特徴を持つものと考えら れる。 それは, 兄弟姉妹という人間関係・家族関係のイメージの世界における 限りにおいて, 決して曖昧(アンビギュアス)な色という意味ではない。 むし ろそれは, 若さや生命力が成長・成熟していくその現象自体をつぶさに象徴す る色であって, その道筋の両側に広がる希望と不安や安全と危険をそっくりそ のまま抱え込んだ色なのだと言ってもよいのではなかろうか。 その意味では,

. . .

緑の系統色は, 人間の成長を軸とする明確な両義性の象徴なのだ。 (4) その他の色の象徴性 a)ピンクとクリー ピンクは先述のように,g「兄からみた妹」に最も多く現れており,f 「妹 からみた姉」にも1位に現れている。 また, e「弟からみた姉」やh「姉か らみた妹」にもそれぞれ3位で現れている。 兄や弟という男性にはほとんど 浮上してこない。 これらの状況から, ピンクはやはりやさしい女性性_(やさ

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しい女らしさ)を象徴する色と推測することができよう。 因みに, g「兄からみた妹」の色イメージは他で論じた「男性」(息子) からみた「母のイメージ色」のグラフと酷似していることは興味深い。 全体 的に見ても, 姉妹へのイメージ色は「母のイメジ色」と部分的に似通った 状況が見て取れるのだが(『論集』第41号参照), その中でも, 特にg「兄か らみた妹」のグラフが男性からみた「母のイメージ色」のグラフとほぼ共通 している。 母へのイメージ色第2位のクリム色を黄色に見立て, 赤とオレ ンジの順序を入れ替えれば(赤とオレンジ両色の比率に大差はない)上位4 色(約50%)の現れ方は同じと判断してもよい状況である。(母のクリー 色は今回の調査特有の現象であった。 これが, 妹に対しては幼い明るさ, 中 性性を示す黄色に入れ替わっただけとも解釈できよう。 さらに言うと, これ は母の全体グラフともよく似ている。)ここには, 男性が自らの心を安心し て委ねることのできる異性(女性)像の典型的なイメージを母と妹に重ね合 わせることができるということを示唆するのかもしれない。 また, 逆に, 女性が母に寄せるイメージ色の第1位であるクリム色を除 いて比較してみると,母の2位以下のグラフは,f 「妹からみた姉」のイメー ジ色にかなり近づく。 ここには同性からみた目上の女性像の典型的イメー ジが看取できるように思われる。 しかし, クリーム色が第1位に上がるとい う現実は, 母はやはり母であり, 姉ではないという特徴を明確に示している こともまた事実として受け止めるべきである。 b)オレンジ オレンジはどうか。 オレンジはa「弟からみた兄」に4位の4. 8%がまず 見られるが, b「妹からみた兄」の色としては3%と多いほうではない。 兄 や姉からみた弟の色としても下位の色である。 しかし, e弟やf妹からみた 姉の色としては2位や3位と比率が高くなる。 g「兄からみた妹」の色でも 3位を占める。 最もオレンジが好まれるのは, h「姉からみた妹」の色であ り, 1位である。 これらを一貫して説明・解釈することのできるオレンジの 象徴性は, 一般的にもそうであると見倣されるように, 暖かさや明るさ(中 性的)ということではないだろうか。

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c)黄色 黄色はどうか。 黄色はa 「弟からみた兄」には5位に登場するが, b「妹 からみた兄」にはほとんど見出されない。 これに対し, 弟の色にはC兄から もd姉からも5%で中間位(6位と7位)に現れる。 同様に, 姉に対しても 黄色はe弟からもf妹からも5%程度の中間位に現れる。 ところが, 妹に対 しては, g兄からもh姉からも2位という上位に選択されている。 これらの 状況を一貫して説明・解釈することのできる黄色の象徴性は, オレンジより はもっと強く中性的で(妹の色の1位はピンクとオレンジ),ニュートラルな, 脱ジェンダーの色であり, やはり明るさを基本にしつつも, むしろやんちゃ で無邪気・元気な明るさと捉えられるのではなかろうか。 d)まとめ 以上のように, まず, グラフ中, 特にa 「弟から見た兄」の色のみは, 最 優位二色の青と赤を除いては他の兄弟姉妹関係のイメージ中で最も解釈し難 込(回答色が均等に多様に分散する)ということが言える。 また, f 「妹か らみた姉」とg「兄からみた妹」の両者には, やさしい女らしさ(ピンク) が優先的に認められる傾向があるものの, 前者fの姉は威圧的(赤)でもあ り, 後者gの妹は中性的で, 元気で明るい幼さ(黄色)もやさしさとほぼ同 等に認められた。 h「姉からみた妹」もまた上記と同様あどけなくて明る< 元気なイメージ(黄色)が強い。 オレンジはa「弟からみた兄」に4位の4. 8% がまず見られるが, b「妹からみた兄」の色としては3%と多いほうではな い。 兄や姉からみた弟の色としても下位の色である。 しかし, e弟やf妹か らみた姉の色としては2位や3位と比率が高くなる。 g「兄からみた妹」の 色でも3位を占める。 最もオレンジが好まれるのは, h「姉からみた妹」の 色であり, 1位である。 これらを一貫して説明・解釈することのできる主と ンジの象徴性は, 一般的にもそうであると見倣されるように, 中性的な暖か さや明るさということができうる。 3 結論的特徴について 以上のような, いくつかの特徴的な色に関しての象徴性の解読作業から, 次 のような, 兄弟姉妹において典型的に見られる特有の象徴的関係性が抽出でき

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(36) 久保田 カ・渡部 諭・杉山 朗子 るものと推定できる。 1)弟からみられたa兄とe姉には, それぞれ男性性(青)と女性性(赤)は 当然のことながら, 特に権威性, 支配力, パワーとしての赤を感じている側 面が認められる。 f 「妹からみた姉」に対する赤のイメージにもそれは含意 されていると推定できること。 2)特に, a「弟からみられた兄」のイメージに関しては, 男性性(青), 権 威性(赤)の印象以外は,兄弟姉妹の関係において非常に多彩なバリエーショ ンによってイメージされており, 最もステレオタイプ化されにくい関係であ ること。 3)黄緑緑深緑は同じ緑系統でも象徴性の地平はかなり広くアンビヴァレ ント(両義的)であるという特徴を持つ。 それは, 決して曖昧(アンビギュ アス)な色という意味ではなく, 逆に若さや生命力が成長・成熟していくそ の現象自体を具に象徴する色であり, その道筋の両側に広がる希望と不安や 安全と危険をそのまま抱え込んだ色なのだと言ってもよいのではないか。 そ

. . .

の意味で, 緑の系統色は, 人間の成長を軸とする明確な両義性の象徴なのだ ということ。 4) f 「妹からみられた姉」とg「兄からみられた妹」の両者には, やさしい 女らしさ(ピンク)が優先的に認められる傾向があるものの, f前者の姉は 威圧的(赤)でもあり, g後者の妹は中性的で, 元気で明るい幼さ(黄色) もやさしさとほぼ同等に認められること。 5) h「姉からみられた妹」もまた上記と同様あどけなくて明る<元気なイメー ジ(黄色)が強いこと。 このような分析によって, 家族関係の中の兄弟姉妹関係を全体的に読み解く ひとつの解釈が成り立つ。 それは, 上下の序列関係(年上・目上及び年下・目 下)と性別とによって生成された特有な象徴性として解釈できうる。 少なくと も, 芸術・デザイン系の大学生という若者たちが抱く自らの兄弟姉妹に対する 色のイメージに限ってはこのように見通す解釈法は可能であると思われる。 しかし, この解釈方法がどこまで普遍的妥当性があり, 有効であるかについ ては, 今後他の大学・芸術系大学の学生たちへの調査の拡大とその結果の比較

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検討によって判断・検証されるであろう。 また, 今回は調査対象が大学の学部 生であるが, 本稿の読み手自身の立場からのイメージに当てはめながら比較検 討していただくのも有効な判定手段だと思う。 そうすることによって, 始めて 自分の家族関係・兄弟姉妹関係の特性が具体的なイメージとともに立ち上がっ てくることに気付いていただけるだろう。 そこから, さらに新たな家族像を構 築する契機が訪れるかもしれない。 また, このような結果が従来の色彩理論の 妥当性への批判的確認作業や新視点導入の契機となることを期待したい。 ※本稿は平成25年度文科省科学研究費助成基盤研究C(課題番号25370073)に よる研究成果の一部である。 [先行研究および参考文献について] これまでの私たちの研究成果論文や参考文献については,『東北芸術工科大 学紀要』第23号(2016, 電子版のみ)に記載しておいたのでそちらを参照され たい。 ここで先行研究の所在等のことがらについて触れておきたい。 今回の私たち の調査に完全にあてはまるような先行研究は寡聞にして見出すことはできな かった。 ただし, 不安などの感情を15種の色票で探るという色彩象徴テストと いう手法で行なった事例は存在する。 以下のサイトに紹介されている松岡武氏 の手法である。(私たちがそれを直接参考にしたわけではない。) http://shoshisaikou.art.coocan.jp/chosaku/cpt/joshou. pdf また, 千々岩英彰氏編著の『図解世界の色彩感情事典』(河出書房新社, 1999)でも同様にいくつかのワードと色対応が研究されているが内容は多くな く, 「家庭」や 「男性」「女性」の色という程度である(これらは, 使用された 調査票の中の質問7の選択肢15種の中の3つとして設定されている。 同書, pp.25, 162, 165, 166. )色票で回答するという手法は私たちと同様であるが, 色 票は47種と私たちのものより多い。 その他 JFCAのカラーイメジマニュアルもあるようだが, これは逆の 方法で, 色を見せてそのイメージを多くの評定語で評価する方法を採っている。 ともあれ, 私たちの採った手法や規模とそっくりに先行する研究成果はいま

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だ存在しないと思われる。 小林重順編著『カラーリスト』(pp.125-126.)(講 談社, 1997)には今回の私たちの研究と同様の萌芽的成果が若干掲載されてい るが, ごく簡単な記載であり, 調査時期も古く, 調査規模も大きくはなかった ようである。 それゆえに, 私たちの研究が何がしかの新規な視点を加味するこ とができるものと思う。

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Analysis of Questionnaire Results Regarding

Color Imaging and How it is Expressed in Brother and Sister Relationships

(Abstract】

Chikara KUBOTA (Chief Researcher) Satoshi WATANABE

Akiko SUGIYAMA

We previously published a paper regarding the relationship of color imaging and how it is expressed in father and mother relationships in Ronsyu., No. 41. Now in this paper, we discuss the color images which are expressed between brothers and sisters (Questions 30 and 31). Eight kinds of graphs (a-h) are used to analyze the color imaging of, how elder brothers are seen by younger brothers and sisters, how elder sisters are seen by younger brothers and sisters, how younger brothers are seen by elder brothers and sisters, and how younger sisters are seen by elder brothers and sisters.

In the summary, our conclusions are as follows: we could point out five characteristics of the symbolistic features of some colors, such as red or green, and identify hierarchical relationships, as well.

1) Elder brothers and sisters are often seen by younger brothers in a way that tends to represent authority or power in the relationship, as expressed in the color red.

2) The Color imagery of elder brothers, especially as seen by younger brothers, has so much diversity, that no symbolism could be found among the chosen colors. It seems that there are no evident stereotypes to identify them.

3) Green definitely is identified as showing certain characteristics of ambivalence ( is not ambiguous) and is expressed in two forms in the process of growth and development. Green is strongly expressed in the physical and humanistic traits of life, and conveys safety and hope.

4) The color pink, was expressed by elder sisters regarding younger sisters, and by younger sisters regarding older brothers, which shows tenderness and a gentle femininity. Although, red was probably chosen in cases when some kind of coercion or intimidation

was felt.

5) Yellow should symbolize brightness and cheerfulness and is neutral, or innocent color felt by younger sisters when regarding both elder brothers and sisters .

参照

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