<論説>経営と責任
22
0
0
全文
(2) 2 (120). 横浜経営研究. 第W 巻. 2. 号 (1985). る. あ. ぎに用いられるので ,相互遊人モデル と 名づげ られる " 。. 輪. 理 の. ため. の. 築 柏 レ / Ⅰ フ モ. と. 乙 ﹂ 耳 社. 営 ヰ ﹁睦. ・. 11.1 ⅠI ー. と 提言. ここで,まず議論の手始めとして 市場経済 そ. デルと国家中央計画モデルを 対比しながら ,相 互 透入 モデルを導 き 出し,公共性とか社会的責. 1. 西独経営経済学の 時代の「経営と. 社会」. 任の問題を検討することにしたい。. モデル. (2) グーテンベルクのモデル. (1) 「経営と社会」モデル. 古くは, この市場経済モデルと 中央計画モデ. 「経営と社会」モデルとしては. ルの 対 此は, ドイツの経営学者の 議論において. ,いくっか の. モデルが想定される。 ①市場経済モデル. 見ることができる。 すなわち, グーテンベルク. 企. 業が,顧客など社会の他のメンバーと「市場契 約」を行ない ,その自己利益の追求は「見えざ る手 」によって社会の 調和をもたらす。 また, この場合政治過程は 市場契約過程に 影響を及ば さないとする。 ②搾取モデル 企業は,搾取 過程によって 他の社会と接触する。 ③法的モデ ノン. 第. は ,経済体制と無関連な事実として ,生産要素. 体系,経済性原理,および 財務均衡原理をあ げ,. この モヂル では,国の権威が,安定的調. 和 的な社会秩序を 保つ。 ④国家中央計画モデル 結社の自由が 認められていない 社会におい. これらの原理にもとづく 生産要素結合すなわち 純粋の技術的構成体を 経営と規定する。 ただ し ,経営には,経済体制にもとづく 要素がふく まれているので ,. この経営の規定だけでは ,経. 営的過程は無意味な 事象となる。 彼は,経済体 制の社会的・ 精神的根拠にもとづく 事実を体制 関連的事実と よ んでいろ。 この場合,一つの範. て,国家権威によって,社会全体が機能的に統 合され,管理されるとするモデルであ る。 ⑤ テ. 時として,自律原理,営利経済的原理,および 単独決定原理を ,また他の範時として器官原. クノ ストラクチュア・モデル. 理,計画的給付生産原理,および 共同決定権 承 認の原理をあ げる。 そして,体制無 関連的事実. 大企業の専門. 家が, 自分の会社だけでなく ,社会全体をも支 配する状態を 描く。 ⑥相互遠人システム・モデ ノン このモデルでは ,一方において経営目標 と社会目標とが 別個であ ることを示し ,他方に おいて両目標の 調整のプロセスが 備わってい る。 つまり,社会は ,経営の目標を考慮し, こ れに影響を与える。 そして,逆に経営は,社会 全体の目標を 考慮し, これに影響を 与える努力 を 示すのであ る 2)0 これらのモデルの 中で,①と②は,経営単位 の分離独立を 前提としており. ,何らかの取引手. 段によって社会の 他の部分と関係している 点か. にもとづく経営にたいして ,第1 の 範 時の原理. を決定要因として 加えるときに ,資本主義的・ 市場経済的体制の 経営形態,すなわち 企業が現 われる。 他方,第2 の 範 時の原理を加えるとき には,他の経済体制すなわち中央管理的・ 計画 的経済体制の 運営形態がみられるのであ る,)。. 結社の自由,利潤,および 経営参加にかかわる これらの 3 つの要因は, 両 経済体制を区分する 要因であ るが,必ずしも純粋な形で表われると はかぎらない。 今日の西独経済では ,共同決定 原理が実施せられているのであ る。. ら,並立システムといわれる0 また,③,④,. (3) ノン ロヴィッ ツ のモデル. および⑤は,あ る支配的権 威が,経営をふくむ. また,メレ p ヴィッ ツ は , ㈹市場経済と , (2). 社会全体を機能的に 統合し,管理するという面 から,支配的上位システムと呼ばれる。 ⑥は,. 中央計画経済との 間の経済体制として , (3准 金 的市場経済と. m4) 職場選択と消費選択の 自由を伴. 二 つ 以上の下位システムが ,互いに転換・交換. う. の 関係に入り,単一の事象・過程を 決定すると. して, (5膚理された市場経済を 掲げ,これを真. 計画経済を示し ,さらに両者の中間の体制と.
(3) 経 営. と. 責. 任. (121)@ 3. (奥村恵ヨ. の中庸の道として 推奨した。 (3)の社会的市場経 済は,生産手段の私的所有と市場による 生産の. とって最適な 体制を選択するさいに 中心となる 要因を摘出するのに 役立つであ ろう。 たとえ. 範囲・方向の 規定という点で 市場経済と変りは. ぱ ,自律原理(結社の自由. ない。 ただし,市場に干渉して自動作用を 維持 しょうとする 点で異なる。 この社会的市場経済. 場などの基本的・ 伝統的要因に 加えて,集中化 ( カルテル ), 経営参加,労働刺激といった派生 的 ・現代的要因であ る。 これらの後者の 派生的 要因は, 両 経済体制の中間形態を 採用する場合, とくに配慮すべき 要因ともなるものであ る。 ところが,環境変化の著しい今日, これらの. は , このような干渉にも 拘らず,「固定費現象 ( シュマーレン ", ハ ) の過小評価」によるカ ルテル形成, さらには「経営の 社会性 リッシュ. ). ( 二ッ ク. の等閑視」による 共同体論の軽視と. ), 利潤,中央計画,市. いう二つの欠陥をもっている。 他方, W4)の職場 選択・消費選択の 自由を伴う計画経済は ,生産 手段の共有および 中央による生産範囲の 計画を 行なうが,最終消費市場および労働市場という 二つの市場が 置かれている 点で,全面的計画経. 伝統的な経済体制要因をもってしては. 済 と異なっている。 この計画経済は , この二つ. 的な社会目標を ,利潤ないし平等分配として , これまでのように 単純に表現できないことは 確. の市場の存在にも 拘らず, イニシャティブの 阻. 害という欠陥をもっている。 (3)の市場経済のカルテルの 進展および共同体 形成 ( 参加 ) のないことという 欠陥,および(4). ,生起す. る社会問題に 対処することはできない。. ここ. で,「経営の 社会的責任」促進のための 要因を摘 出する必要性がみられる。 すなわち,それぞれ の 経済体制が保持している 国全体にわたる 包括. かであ ろう。 たとえば,アメリカ合衆国では, 今日一定水準の GNP を追求しながら ,新た に ,良質な生活,機会・ 報酬の均等,失業・事. の計画経済のイニシサティブの 阻害という欠点 から, メレロヴィッ ツ は, (5)の管理された 市場. 減少を求めている。 他方, ユーゴスラビアで. 経済を推奨する。 これは,あ くまで市場経済で. は,所得の平等分配や労働者の就業保障には ,. り,国家の課税政策により 間接的に管理され るのであ るが,上記の三つの欠陥は 免がれてい る。 ただし,国家による独占が生ずるというの. それほど力点を 置いていた い 。 むしろ,経済成. あ. が問題であ るが, この独占 は ,私的なものでは. なく国家的な 独占であ るべきだというのが ,彼 の見解であ るが。 彼のモデルは , 「経営と社会」. 故・病気・苦輪化の 不安の減少さらには 貧困の. 長最大化の手段として ,生産刺激の仕組みが強 調されるといわれている。. これらの目標は ,一方から他の経済体制への 移行とみるのか ,あるいは一つの 体制の進展・ 修正とみなすのかが ,議論の分; 、 れるところで. ,それは,経営の 固定 費現象によるカルテル 形成の問題,共同体論に よる経営参加の 問題,および計画経済によるイ ニシャティブの 阻止の問題が ,モデルの要因と. ろう。 ただ,確実にいえることは,包括的な 社会目標が単純ではなくなっており ,複数の目 標が,主要目標ないし主剤目標の形で 存在して. して取上げられているのであ. 経済体制が主要目標を 実現させるとしても , 副. の モデル. と 見なしてよく. る。. あ. いるということであ. る. 。 このさいには ,一定の. 次 目標は何らかの 機構がその実現を 保障しなけ 2.. 企業の経営者モデル. ればならないであ ろう。 本稿で論じようとして. (1) 経済体制の基本的要因と 付加的要因. いる「経営の 社会的責任」促進のために 必要な. この ょう に,経済体制の観点からする「経営. 要因とは, この 2. と 社会」のモデルは. 3. な副次 目標実現のための 機. ,すでに何十年も前に西ド イツにおいて 取上げられたところであ る。 この. 関が自主的な 形で実現する. ょう な形の「経営と 社会」モデルは ,. る。. あ る国に. 構, しかも国の権 限で実施するのでなく 個別機. 機構を指すのであ.
(4) 4@ (122). 横浜経営研究. 第W 巻. 第. 2. 号 (19%). 当てなければならないことは ,「公共利益」な. (2) 企業の経営者理論 「経営の社会的責任」を 実現するための 諸要 因を摘出する 試みにおいて , 「企業の経営者 理 論」というモデル ,さらには経営制度改善に関 する提言が役に 立っ。 これらは,市場経済と計 画 経済についての 修正モデルともい べきもの. いし「経営の 社会的責任」遂行の 観点であ り, さらに個別経営の 目標変化の観点であ る。 後者 の観点の目標変化について ,多くのモデルが提 示されている。 1 つは,行動的経済学者といわ. であ る。. チ, サィ モ ノ ,. う. なお,これらのモデルの提言に入る前に ,古. れる人々のモデルで ,. サイアートおよびマー. ウイリアムソン 等は,利潤最大. 化という単一目標を ,現実の証拠に照らして,. 典モデルといわれる 市場経済モデルおよび 中央 計画モデルについて ,公共利益の概念を入れな がら,投入・転換・産出の 関係を次のように 示. 修正してぎた. すことができる. 満足水準, といったものを 強調したのであ る。 また,第2 の傾向として ,経営の利害者集団に 眼を向 け ,株主の報酬以外の 目標に配慮した。 たとえば,労働組合,消費者バループ ,政府規. ( アディゼスおよびウェスト. ソ. による ) 。. ①市場経済モデル ( 専一的投入. )0 転換過程 ). ( 包括的産出 ). 0. そして,個人目標と企業目標と. の 乖離,経営者目標 (職務安全,好適環境,社. 会的尊敬,トップゆえの権 力 ), 最大化に代わる. 制など利害者集団の 圧力が取締役会にイン " ト. ②中央計画モデル ( 包括的投入 ). (M転換過程 )0 専一的産出. ). ク. を与えていると 説く。 ボーモル,チャンドラ. ーといった人々であ り,各種利害の調整のゆえ に,利潤ないし単一目標の最大化はもたらされ. ず,職務,賃金 増 ,品質,製品安全,環境 改. は ,各経営の専一目標を最大にしょうとする 男. 善 ,売上 増 といったことが ,株主報酬に加えて 考慮されるべきであ るとする 7)0 所有と支配とが 分離し,経営者が支配してい. 力が , 自動的に,包括的な公共利益の達成へと. る今日の大企業については ,経営の内部管理お. 導くとされる。 また,個別経営の経済的な目標 が,市場 ( 転換過程 ) での相互作用によって , 望ましい社会的・ 政治的価値をももたらすと 想 定される。 他方,下段が 中央計画モデルであ 60 このモデルに よ ると,階級のない 社会で. ょび 環境適合の態様に 注目すべきであ ろう。 伝. 上段が市場経済モデルであ. り, このモデルで. は,利害の一致がみられ,摩擦解消の機構が要 らないという 確信があ る。 全体の公共利益は , 既知のものとして 政府 ( 転換過程 ) の手で経済 計画として解釈され ,個別経営に よ り実行に移. 統的理論を修正し , これらの態様に 考慮を払. う. モデルを,「企業の 経営者理論」ないし「経営 者企業の理論」と 呼ぶことができる " 。. (3) 企業存続モデル さらに,注目すべき ものは,「企業存続モデ ル」であ る。 このモデルでは ,企業とその環境 との関係を強調し ,一定の環境のもとで均衡す る企業の能力こそが ,企業の生活力であるとす. される。'。. る 。 そして,一定の環境のもとで 規制される生. 面 体制では,公共利益の問題が,個別経営と は別のところで ,すなわち市場ないし政府の手 で,有効に解決されると想定されるのであ る。 さて,現代の社会では,この古典モデルから の乖離がみられ ,上述したよ にさまざまなモ デルが提示されている。 ここで,とくに焦点を. 態システムとして 企業を描くほうが ,よりよく. う. 企業の職能さらにほ 企業存続の条件を 知ること ができると考える。 イールズは , ①株主の用具. であ り,財産権が会社の目標とコースを 決定す る 伝統的株式会社,②経済的,政治的,および 社会・文化的環境に 繁 ってはいるものの. ,経済.
(5) 経 営. と. (奥村恵一 ). 責 任. (123) 5. 的 機能を中心とし ,利潤獲得機能を保持する 「調和のとれた 株式会社」,さらには③多種類の 利害者集団の 利益を均衡・ 調整・仲裁し ,公共. すれ ば ,企業は,利潤動機によって ,現在と 異なる方針にもとづき 社会的に価値があ る行動. 利益をそのまま 受入れる. あ. を 区分した。. メ. トワ株式会社の 三つ. それぞれについて ,戦略論と構造. 論とを展開しているのであ. る 9,。. なお,最後の. ぅ. をとり, しかもこの会社に 報酬をもたらすので る。 ( 公共利益の問題の 解決 力 しかしながら , これらの見解には 問題があ る。 すなわち,環境の変化が, この主張を持続 できなくしているのではないか 0 とくに課税政. メトロ株式会社は ,後述する「企業市民社会」 の提言の基礎となっている。 時代の変化につれて ,企業の性格が異なって くることを示し ,社会性をもつ「企業存続モデ. 策については ,租税の多面的な政策が十分弾力 的であ るかどうか。 市場機構に歪みを 導入しな いかどうか。 経済問題の解決が ,社会・政治目. ル」を展開している 人には,その 他, アマラ,. 標をも達成できるのかどうか。. 、ジャコ. 策は政府規制力を 増大させ,しかも分権 的な社 会参加への要求と 相反することになるのではな. ビィ, ヘィ およびグレイ ,. モンスン, マ. ッキ一等がいる '。 ' 。. そして, この 政. いか,、 )0. 3,. (2) 道徳変革学派一一あ るべき企業行動につ. 経営制度改善のための 提言. さらに, 「経営と社会」モデルの 展開にあ た っては, このモデルが 公共利益とか 社会的責任 0 間題を内包するがゆえに ,経営制度の改善と か経営行動のあ. るべき姿を,取扱わなければな. らない。 すなわち,企業行動の社会的評価・ 報 酬 システム,利害者集団代表者の 経営への 参 加 ,経営者の意識変革と道徳など,「経営の社 全的責任」遂行のための 前提条件ともいうべ き 問題について ,勧告をしなければならない。 アディゼスおよびウエストンは. ,. このよう. な,あるべき企業行動についての 勧告を, 3 点. いての勧告② 道徳変革学派は ,企業家の価値志向を変化さ せるよ 勧告するものであ る。 企業家は,現代 社会の目的・ 価値に照らして ,望ましい決定を う. 行な. う. べきであ るとする. ック ) 。 この学派に. よ. ( ボウ. ヱン ,フレデリ. ると,包括目標と一致し. これに導かれるような ,責任ある経営者を育成 することに努めなければならない。. この学派の. 主張をモデル 化すると,次のとおりであ る。 ③混合モデル ( 包括的投入. ). ( 転換過程. )C 包括的産出 ). にわたって整理し , これに論評を 加えている。 これを見ることにしょう。. (1) 純粋自由企業学派一一あ るべき企業行動 についての勧告① 純粋自由企業学派は ,あるべき企業行動につ いて,古典モデルの変更はこれ以上すべぎでは ないと勧告する。 経営責任の概俳を 変更するこ とは,むしろ害があ るとするのであ る ( リービ 、ソト ,. フリードマン ,. " ィェック )0. この立場の一つの 変型は,租税政策を用 い ,. 企業行動の指針となる 報酬システムを 変更する ことであ るという ( ボーモル, ラフ ) 。 たとえ. ぱ ,空気・水 汚染の原因となる 私企業の生産・ 消費の外部性に 対して,税を課するとする。 そ. この道徳変革学派についてほ ,企業家の志向 と態度の変更を 求めるのみで. ,外部環境や外部. 報酬システムを 考慮していないという 批判があ る。 企業家が,一方で 自分の目的 ( 一株当り利 益 額 ,売上利益率,利潤成長率などの 短期収益 性 指標 ). を追求し,他方において社会にとって. 最善のものに 従うというのは ,天真らんさんな 説であ るとする。 報酬システムを 変えることな く,この志向の方向を変化させるというのは. ,. ストレスを 大 ぎくするだけだという 批判であ る 12). (3) 利害者集団代表者の 取締役会への 参加.
(6) 6. (12%. 横浜経営研究 図工. 第W 巻. 第. 2. 号 (19㏄). 公共利益達成のための 握正 混合モチル ミクロ. マクロ. 利害者集団 A. 産. 投入. 包括目標 A. 転換. 取締・後会. 入. 包括目標. 投. 投. 入. 出. 転 換. 制約され 規制された 市場. 包括目標. 公共利益. B フィ(ドバック. 利害者集団. Cf. B. Adizes@and@ Weston,@ "Comparative@ Models@of@Soci l@Responsibility",@ Academy@ 佛伽 t JOoぴ沖 ㎡ , 16 (1), March,. 1973.. p.. あ るべき企業行動についての 勧告③ この参加勧告学派は. of@ Manage-. 116 メリ. ノ. およびトリスト ,. マックウイニ. イ. ,. ニュ. ,消費者,労働者,供給一 マン,スダイナ 一 ) 。. 業者, さらには政府の 代表者が,取締役会に選 任されるべきであ ると力説する。 ここでは,衝. 混合モデルとを 結合したものであ り,公共利益. この経営参加勧告の 学派に対しても ,批判が あ る。 すなわち,内部経営者が 変わらないとい う前提では,他のどのような代表者が出てきて も ,内部闘争が起るだけで,経済業績はあ がら ず,包括的な 公共利益も達成されない。 また, 利害者集団は ,投票権をもっものの ,業績の悪 いときには責任を 免れないのであ るから,経営. の 問題の解決を 示している。 この場合,最高意. 意思決定を具体化するさ い に,問題が残る。 そ. 思決定を行かう 経営者の志向,態度,価値を 変 更するのでなく , これを,他の利害者集団の 代. のため,最高政策において ,信頼,協力,およ. 突する利害を 内部的に解決することによって. ,. 包括的な公共利益に 向けて,企業行動がとられ ると予告する。 このモデルは ,図1 のごとく,古典モデルと. 表者によって. 制約し,会社に ,専一目標でなく. 包括的目標をもたせよ とする。 このモデル は ,それぞれの利害者集団が 専一目標をもっと う. い 5 点で古典モデルと 同じであ るが, これまで. 外部で解決されていた 衝突を内部的に 解決させ ようというのが ,改革点であ る. ( ヱメヴ. ィ. ,ェ. び共通価値志向が 存在しなければならない ", 。. (4) 国家中央計画モデルの 修正 社会主義,共産主義などの 中央計画モデル も, 新しい要求を 伴 環境の変化から ,修正を 加えられている。 たとえば,産業構造の変化か ら,農業・重工業から消費財生産に 成長が求め られ,他方生産工場に 利潤動機を導入してい う.
(7) 経 る. 営. 責 任. と. 。 また,多様な消費者欲求に 反応する誘因刺. (125)@7. (奥村恵づ. ることとなろ. う. 。 上記の ノン ロヴィッ ツ のモデ. 激機構を変化させ ( ドバ セ ) ている。 この消費 者 趣 好の変化により ,弾力性,地方色の 豊かさ. ルは,経営の社会的責任促進のための 条件を摘. が必要となり , さらには決定の 分権 化と中央計. と経営との関連性を 取上げたものと. 画の緩和が惹起せしめられてきたのであ る。 この中央計画モデルの 修正に対しては ,次の 論評があ る。 すなわち,国家経済モデルにおい て中央計画を 緩和し意思決定を 分権 化するかど うかは,その国の政治関係と 社会関係に依って. が,それでも消費者の利益,従業員の利益と 創 意 といったものに ,配慮が加えられているので あ る。 また,上述した「企業の経営者理論」,「企業 の存続モデル」,「あるべき企業行動」について. いる。 たとえ ぱ ,ユーゴスラビ ア の修正家の哲. の 勧告でほ,経営目標,経営存続の 条件,租税政. 学では,中央計画は ,民主的統制にそぐわな い。 また,生産性向上の源泉は,比較優位にも とづく専門化と ,国際分業とであ るが, これが 有効であ るためには,価格機構が資本市場を必. 策に. 要 とし, また能率向上のために 高水準の決定が. ギ一 問題等の諸要因が , 取り上げられている。. 出することをねらったものではなく. よ. ,経済体制. 思われる. る報酬システムの 変更と政府規制力の 増. 大,企業家の価値志向の変革と 外部報酬システ ム,利害者集団の代表者の経営参加と 包括的公 共利益の達成,誘因刺激機構,分権 化と ィ デオロ. 必要となる。 この場合には ,新しい政治的, イ. これらの要因は , まさに経営の 社会的責任達. デオロギー的論争が 惹き 起こされ,モデル形成. 成のために必要なパラメータであ. はより広汎な 意味あ いをもつこととなる. ができる。 しかし, これらの古典モデルの 修正. ィ. ( アデ. ゼス M'4, 。. るということ. ラ o Ⅹ Ⅰ の. ため. の. 進. 促. 任 ﹂. 黄. 的 杏 ' コ ". の. 社. 営. 経タ. Ⅱ メ I T.l. 論者の見解・ 勧告の弱点は. ,全体的考察よりも. 部分的要求への 配慮を行な. う. 環境変化への 適合が十分に. 認識されていない。. もので,そのため. つまり,環境を所与とし,全体的組織適合を必 要としないクローズ・システムとして. ェ. ・. 「経営の社会的責任」促進のために. 必要. れていた。. (2) 「経営と社会」モデルの 性格. な』ラメータ. (1) 「経営と社会」モデルの 諸要因. ここでは,次のような資質をもっオープン・. われわれは,経営が遂行しょうとしている 社 会的責任の内容をモデル. 取り扱わ. 化するのではなく ,. こ. システム・モデルが 必要であ り,変化する環境. において経営責任促進のために. 必要なパラメー. 0 社会的責任を 達成するために 必要な要因ない し条件について 検討しょうと 試みている。 これ. タを形成しなければならない。 ① オープン・システム 原理に基づき ,環境. らの条件は,経営覚的要因であったり経営内的 要因であ ったりするので ,結局「経営と社会」. 変化に適合する 動的な性格をもつ。 ② システムの一部だけを 変更するのでな. の モデルを想定したり 形成したりすることにな ろう 0 ノン ロヴィッ ツ のモデルに見られたごと. く,「固定費現象」にもとづくカルテル 化の回 避,経営共同体ないし経営参加の促進, イニシ ャティブの阻害の 回避, さらには政府の 間接的 介入といった 諸要因が問われる。 また, これら の諸要因をバランスをとって 包含する経済体制 といったものが ,現代的特徴を捉えて表現され. く. ,全体的な範囲を扱. う. 。. ③ 勧告的性格のものでなく ,構造と刺激の 変更を提供する。 全体の目標・ 環境発展と一貫 した,望ましい方向へ変化させる。 ④ 古典モデルの 目標は現在修正されている と認識する '。 '。. さて, オープン・システムのモデルは. ,上記. の 4 つの性格をもっており ,提案するパラメー.
(8) 8 (126) タ. 横浜経営研究. 第W 巻. もこれに関連して ,整備されなければならな. 第 2 号 (1985). (1) 社会報酬システムの 展開. い。 ここで, アヂィ ゼスおよびウェストンが 提. まず,「経営の社会的責任」の 促進を可能な. 示するパラメータ ,すなわち経営の社会的責任. らこめるのに 必要な " ラメータの第 1 は,包括. を達成させる 経営内覚の要因は , 次の 5 つのも. 的目標達成のための 社会報酬システムの 展開で あ る。 ここでは,①社会報酬システムの展開に. のであ る。 ①包括的目標達成のための 社会報酬 、ンステムの展開,②利害者集団代表者の経営参. 加,③経営者業績評価基準の拡大,④経営者の 動機・信条の 変化,および⑤政治機関の 介入, の 5 つであ る,。 )。 この 5. つの枠組みについて. は ,①を分解して,包括的目標や社会的報酬制 度の柱を立てたり ,③と④とを一本にするとい ったことも考えられる。 しかし, とりあ えずわ れわれはこの 5 つの枠組みにしたがって ,議論 を進めていぎたい。 それぞれの要因について. ,. 最近の理論の 発展を追い,とくにわが 国の経済 社会で適合できるモデルは 何かに主眼をおいて 検討を進めていくことにしたい。 すでに,簡単にふれたことでもあ るが, ここ. で 経済体制の要因と「経営の 社会的責任」促進 を可能ならしめる 要因とは, どのような違いが みられるのか ,付記しておきたい。 前者の経済. 体制論では,一定の経済体制を確立するための 条件を,政府が法などの手段によって 固定化さ せようとしている。 たとえば,経営参加につい ては, 従業員の利益のために「共同決定法」 を制定する。 また,固定費現象については,消 費者利益のために 反トラスト法を 設定する。 他. 方,商品選択・労働者の選択の 自由を確保する ために,政府がそれぞれの市場を形成する ,と いった口合であ る。 これに対して. ,「経営の社会的責任」遂行の. ための条件ほ , 同じく従業員や 消費者の利益を 対象としながらも. ,政府が直接介入することは. ない。 「経営の社会的責任」は ,政府の介入の ない,経営の 自主規制であ るためであ る。 もっ とも,自主規制であるだげに,この自主規制が 容易になるような 条件作りが社会一般の 視点か ら 必要となるわけであ る。 2.. 社会報酬システムの 展開. 加えて,②包括的目標および③経営の社会的報 告制度の問題が 取上げられなければならない。 政府が直接介入することなしに ,企業が社会 の包括的目標を 達成することは ,自由社会の立 場から望ましい。 今日,市場において, この目. 標はかなりの 部分達成されているにしても ,利 害者集団の立場から 見ると,必ずしも十分でほ ない。 そらかといって ,政府が直接介入して経 営にこの目標を 強いることは ,官憲主義への道 を 開くことになる。 ここで,経営が自主的に自 らを規制して , この包括目標に 到達することが. できるような 社会報酬システムを 展開すること が必要であ る。 アディ セス およびウェストンは ,今日の高度. 技術の進展に 対しては,たとえば超高速飛行機 について公害・ 高 費用の面から 社会的および 経 済的に抵抗があ ること,そして経営環境のこの ような相互依存性および 利害の多様性について 「魚のうちこ㏄ sh.SCale)」環境,,) と 名づけるこ とが好ましいことを 指摘する。 魚のうちこは ,. 独立した利害者集団でなく ,重なりあ った利害 者集団を図示するのであ る。 この相互依存性に よって,企業は 目的の最適化でなく 部分最適化 へと導かれ,それだけ社会全体の人の 環境と利 益とが重視されているのであ る。 彼等は, これらの諸点をふまえて ,パラメー タ ( 社会的責任促進要因 ) A として, 「包括的 目標に志向させる 社会的報酬システムの 展開」 を掲げている。 彼等によると ,社会では包括的 目標に役立つ 生産配給機構を 必要としているの. で,この包括的目標に企業を向かわせる 外部的 な 社会報酬システムを. 必要とする。 たとえ其体 性が少なくても ,追加の基準・規則を展開すべ きであ るとしている。 この包括的目標について は後述するとして ,経営者の段階でいえば, 経.
(9) 経. 営. 責. と. 営 者は,現在より数量化の少ない 無形の目標を. 任. (奥村恵一 ). く. 127) 9. しないが言質の 生活に役立つリーダーシップを. ②さまざまなレベルにおける 社会ないし地域 社会や,市民一般による企業評価。 地域社会に おいて,公正・健全な市民意識や 活動が期待で. 発揮したりすることになる。. きれば,企業の公共的活動は 著しく支援され ,. 追加したり,あ るいは必ずしも 高い利潤に帰着. は,. 外部報酬システム. このような経営者の 目標とかリーダーシッ. プを評価し,経営活動・ 経営決定を検討し ,. とりあ えず,マスメデ. アおよび社会政治リーダーシップ. 一般大衆が,会社の社会活動の雰囲気を 育て, 現在の報酬システムを 変化させるのに 役立つと いうのが,彼等の主張であ る,。 ,。 ラスのシステム. と. 0. ステムといえる。. ④新聞などマスコ 、 による評価のシステム。. 新しい企業市民社会は ,マスメディアの十分な 機能の活用が 必要であ るし,何らかの形での制 度的参加が望まれる ,。' 。. この評価制度のもとでほ ,企業の公共的活動. , プ. マイナスのシステムとを 区分. することが必要であ ろう. は,企業にたいする正統的なサンクションのシ. , さらには. このような社会報酬システムについては. 公正な活動。 エゴ. イスティックではない 消費者の異議申し 立て. 現実には, この社会報酬システムは ,不完全 ノ. 通じて報いられよう。. ③消費者のリーズナブルで. こ. れに従って報酬を 支払うものであ る ", 。. な形でしか存在しない。. その努力は社会的評価を. まず,マイナスのシ. ステムとしては ,企業が包括的目標に照らして. 不十分であ る場合,企業に悪い評点を与える シ ステムがあ る。 石油 シ,ック直後の一部の 企業 の無責任な行動にたいして ,消費者を中心とす る社会運動が 生じ,政府の 介入があ った。 この. 社会運動と政府介入という 二つの動きからマ イ ナス の評価システムが 存在し,企業を規制する 機関が存在することは ,明らかであ る。 しかし ながら,責任あ る行動を高く 評価するプラスの 評価システムがむしろ 存在しなければ ,社会の 評価システムは 不完全であ ると か わなければな. を 支援するような , プラスの社会的評価システ ムが提示されている。 ここでは,企業は,. コス. トの引下げに よ る利潤追求といったものをねら いとはしなくなる。 価格が高くなっても ,公的 義務と責任の 遂行をはかれば ,自治体の許認可 を. ぅ. げることができるし , また地域住民の 要求. に合致する製品やサービスが 選好されることに なろ 。 逆に,市民社会の一員としての 義務を う. 怠るときには ,. これらのシステムによって ,公. 的に私的に制裁されるのであ. る ", 。. (3) 包括的社会目標と 社会的報告制度 ここでは, 紙 巾の関係で論ずることはできな. いが,社会報酬システムが 目指す社会の 包括的 目標と,経営の社会的報告制度についても 言及 しなければならない。 何れの国でも ,経済体制. らない。. (2) わが国の社会的評価システム. 日本生産性本部は ,「新しい企業市民社会の 提唱」という 提言の中で,公共的組織原理を尊 重 する企業について ,その努力を評価するシス. ,経済体制の基本的目標では 十 分でなく,付加的目標が 複数追求されている。. テムが必要であ るとして,次を示している。. い. ①地方自治体のような 公的諸機関の 介入。 地 方自治体は , 限られた範囲にせよ ,法的手段を. は会社と利害者集団との 協調性を意味し ,それ だけ会社目標の 拡大を指摘するのであ る。 次の,会社の社会的報告制度は ,会社が年次. 講ずることもできるし. ,公共的事業の発注の権. 限 をもっ。 ここに,第三者から構成される委員 会などの審議を 通じて,市場の原理ばかりでな く,公共的組織の原理を ヵウ ソ 度化をはかることができょ. ぅ. 。. ト. した発注の制. の如何を問わず. 上述した社会的評価制度は , う. 「会社市民性」と. 包括的な社会目標を 掲げるもので , ここで. 報告書で社会的関連をもつ. 事項として一体何を. 報告すべきかという 問題であ る。 能率とか生産 性に加え,従業員教育程度の増大,社会的に意 味あ る経験,会社の地域社会への 努力の影響な.
(10) 10 (128). 横浜経営研究. 第W 巻. どをふくめて ,報告する制度である。 たとえ. 第. 2. 号 (1985). 意味で,収益性などの経済的価値にたいする 一. ば,教育,文化,都市開発,人種問題について , つの歯止めとしての 機会を果たしている。 何を行なったか ,. これらに総予算の 何パーセン. トを投入したか ,その結果はどうであ ったか,. 後者の歯止め ほ ,倫理的価値の導入であ り, 文化的価値の 展開を意味する。 ニックリッシ. ロ バーナー. などについて 報告する。 その報告を整理して ,. ュ,. 社会的責任遂行会社として ,上位5 ㏄社の会社 をリストアップするといったことができる。. 組織体を共同体あ るいは協働システムとみて ,. ユーゴスラビアでは ,会社がスポンサーとな. ゴイダ. ド. たちは,企業ないし. 人間の人格を 企業ないし組織体において 復活さ せている。 ニックリッシ ュ の経済性概俳が 可及. っている教育プロバラム ,社員の文化活動に投. 的最大生産および 可及的公平配分を 意味し ,. 下した予算規模,地域社会の要求に応ずる 貢献 といったものに ,社会的関心が払われていると いう 22)0. くに公平配分の 点で構成員にたいする 正義・良 心という形而上学的価値を 適用しょうとしたこ とは,倫理学派といわれるのえんのものであ る。 ゴィダ 一のい. う. と. 正義も幅広い 構成員をもつ. 3. 利害者集団代表者の 経営参加. 共同企業体の 公平成果配分を 目指すものとし. (1) 「経営の社会的責任」の 遂行と経営参加. て ,同様な意味に解釈してよい。 また,バーナ. 脱 工業社会の顕著な 特質は,個人の参加ない し関与の欲求が 増大してきたことであ る。 ま. ードは,企業内道徳基準として宗教価値の適用 を否定するものの ,組織体維持の面から仕事の た,直接的・個人的な利害関係よりも , よ 広 達成と誘因の 満足とを内容とする 効率と能率の 汎な 活動についての 責任感情が , 強く見られ 概念を展開するのであ る。 ここでは,価値生産 る。 おそらく,現代社会においては個人の心理 にたいして,価値分配が,しかも広い意味での 的孤立感があ り, これが自己表現とか 自己実現 価値としての 誘因の分配が 取上げられているの のために,参加要求を高めているものと 思われ であ る。 る。 企業の経済的価値に 関して,歯止めを考え (2) 経営参加と包括的社会目標 る 方法に,従来二つが考えられてぎた。 一つ 経済的価値の 歯止めとしての 前者は,経営の は,技術論者が行なった共同経済的生産性 ( 社 社会的責任遂行と 包括的社会目標の 問題であ 会的責任遂行 ) の提唱であ り,二つは,規範学 り,後者は経営共同体形成によ る経営参加の 問 者が行なった 人間性を基礎に 置いた倫理の 導入 題であ り,末項で取扱お としている。 ここで であ る。 問われているのは ,前者の社会的責任の遂行の 前者は,たとえばシュマーレンバッ " の 主張 ための条件ないし 要因として,後者の経営参加 がその一つであ るが,一方で私的利潤の獲得方 を挙げてよいかどうかということであ る。 通 法と計算方法の 著述に主眼を 置きながら,他方 常,責任遂行と参加とは別個に 論じられる場合 で私的利潤と 共同経済的生産性 ( 包括的社会日 がみられる。 アディゼスおよびウェストンは , 標 ) との調和を予定する。 しかし,企業におい 経営参加を,「経営の 社会的責任」の 実現を容 て固定費の存在のためにカルテルが 形成され, 易ならしめるための 一 要因と考え , 次のように 両者の調和が 不可能になっていることを 認め, 述べている。 すなわち,会社の機構は,経営参 り. う. 固定費削減の. 方法を論述した。 共同経済的生産. 加という要求や 傾向に調子を 合わせることであ. 性 ,社会的収益性,社会関連利益,社会開発利 る 。 「魚のうちこ」モデルでは ,社会は相互に 関 益といった価値観は ,前項の「包括的な社会目 連しており,」 っ 0 集団の行為は 他の集団に影 標」として,私的利潤の独走を妨げ,私的利潤 響する。 このことから ,すべての多種類の政策 が社会利潤と 接触し合致する 場を捉えるという 形成集団 ( 取締役会,地方自治体), 大会,委員.
(11) 経 営. と. 責 任. (129)@11. (奥村恵一 ). 会は,社会全体に,大きな影響を及ぼすことが. て, 次のものを挙げている。 すなわち,包括的. 認識され,そのため ャこ ,. な社会目標への 要求が増えてぎていること. これらの政策形成集団. ,. 目. について,拡大された代表への要求が 増大して いるのであ る。 そのために,彼等は,パラメー タとして,経営参加を 掲げ,「代表を 拡大する これらの傾向は ,すべての局面 ( 企業にかぎら ず ) で持続するであ ろうし,新しい世代の社会 心理的要求を 反映するであ ろう」 としてい. 標と目標とのあ いだのトレイドオフが 時として ふさ ね しくないこと ,社会環境の変化が急速に 増していること ,経営者の会議の構成が異質に. る,,,. 績評価基準の 拡大を挙げている。 新しい環境. それでは,何故またどういう形で経営参加が 「社会的責任」を 促進することになるのであ ろ うか。 それは,前述した図 1 において,利害者 集団 A および B が,包括目標を取締役会に導入 するためであ ろう。 この包括目標 は ,市場を経 て ,公共利益に役立っのであ る。 政策形成機関 に,包括的目標を導入するという 意味で,経営. で , 目標が経済生産量でなく 社会過程の評価で. るときには,社会志向をもった有効性と能率 を評価する用具としては ,従来の投入産出モデ ルでは余りに 狭い。 そのために,社会的な相互 作用過程を有効に 評価する有機モデルが ,社会 福祉達成のために 求められている。 要するに, 既知の目標を 既知の手段で 達成する形の 管理で. 参加は,包括的目標ないし 公共利益をねらいと. なく,社会的相互作用に 目標手段を向かわせ ,. する「社会的責任」の 遂行を可能ならしめるの であ る。 もっとも, この場合,経営者それ自体 は, 目的ないし理念の 変更を強いられることは. 触媒となるものでなければならず. なく, この点が , 次の「経営者業績評価基準の. 拡大」と異なる 点であ る。. なっていること ,. 目標の拡大と 利害の多様性が. 将来増大するであ ろうこと,である。 そして彼等は , " ラメータとして ,経営者業. あ. 者 教育の新しい 方向でもあ る,。 ,。. (2) 経営者の階層と 役割 経営者の階層を 考えると ぎ ,. ルや口. ヮ. トップは, ,ド. 一の経営者の 社会的責任遂行の 行動を. 十分に評価しなければならない。. 4.. 経営者業績評価基準の 拡大 (1) 経営者業績評価基準の 拡大 経営者は,正当性の 議論でみられる よう に, かっては階層をなす 権 力システムと 考えられて いた。 しかし,今日では, 二略 伝達回路をも ち. ,参加を許容する調整 力 であ ると理解される. , これが経営. トップが, 旧. 態 依然とした評価システムを 部下についてもっ ている場合にほ ,また本社が支社にたいして 伝 統的な立場を 採るときには ,. 、 ドルとか支社の. 経営者は,社会的責任遂行の 行動をとることが できない。 この意味でも ,経営者の業績評価シ ステムは,社会的責任遂行の" ラメータとなる. ようになってきた。. のであ る。. 経営者は, どのような基準によって 評価さ れ,何について報酬を支払われるのであ ろう. さて,上述のような経営者の報酬システム な いし業績評価基準の 拡大は,経営者の役割につ. か 。 これは,抽象的な絶対的な目標の 達成とい. いてのモデルが 変化し多様化してきたことを. ったものではないといわれている。 むしろ,製 品や市場の機会を 編成し直し実現させる 能力 や, この実現過程を 管理する能力 ( 管理技術を. すものであ る。 経営者の主たる 役割は , い. 的責任組織」の 方向へ動くにつれて ,経営者の. タイミング. 役割を定義し 直すことが必要となってぎた。. よ. く採用する能力. ). 思われる。 アディゼスおよびウェストンは. に依っていると. ,経営者の報 酬構造に,一貫性がなくなっている 理由とし. 示 う. ま. でもなく,職業的役割であ るが,社会が「社会 こ. こで,経営者の二つの主要な 役割と , 四つの追. 加的な役割を 示せば,次のとおり多様な形をと っている。.
(12) Ⅰ. 2 ( 30). 横浜経営研究. Ⅰ. 第Ⅵ 巻. 第 2 号 (19㏄ ). るとされ,現. ①受託者としての 役割。 社会資源の建設的な 利用に責任をもつ。. 在は,企業の社会的責任は ,社会価値とか公共. 役割。 経営と環境との. 利益に応わしい 行動をとること , と考えられて. ②対境担当者としての. ね ちその価値・ 選 好の流布 ) であ. いる。. 境界面で働くの. これまで,経営者は,社会に対する義務を認. ③実務経営者としての 役割。 自己の活動とそ の環境との関連 づ げにおいて,いっそ 5 社会対. めながらも,社会的価値を無視することがしば. 応 的であ る。. しばであ った。 これを無視してきたのは ,利潤. ④生産性担当者としての. 役割。 社会的便益・. 費用に一層の 関心をもつ必要があ る。 ⑤変革担当者としての 役割。 組織内部の社会 的指令を具体化する よう 求められる。 ⑥リーダーとしての 役割。 高 質の生活とマク これらの経営者の 役割の変容が ,全社的に認 められていることが ,業績評価基準の拡大の双 提 -となるであ ろう 0. 5. 経営者の理俳の 変更 (1) 社会的価値の 認識と経営理俳の 変更 広汎な包括的社会目標の 形成とこれに 基づく 社会的評価システム ,意思形成過程への代表者 の参加,さらには業績評価基準の 拡大と報酬 構 造の変化といったものは ,経営者の意識を変化 させ, これが社会的責任の 遂行を可能ならしめ 経営者の社会的責任を. 認め,遂. 行する度合いは ,経営者自身の意識の変化, す なわち経営理俳の 変更の度合いに. 依っている。. 社会性を帯びた 新しい経営哲学は ,経営者の個 人的利益を超えた 専門化の速度を 早め,責任を 強調する。 これに基づく 経営者の経験と 技能 は,広汎な社会問題解決に一層役立つことにな る 。 このように,経営者の理念の変更は ,社会 的責任遂行についての 第 4 のパラメータとなる のであ る⑥。 経営者の理俳の 変化ということは. ,社会的価. 値を経営者がどのように 認識するかに 繋がって いる。 伝統的には,経営者の唯一の責任は ,株 主利潤の最大化にあ ると考えられ ,次いで,企 業の社会的責任は ,経営者の個人的価値システ ムを反映すること. と,株式会社の役割を考慮できなかったこと. ,. 社会的要求の 評価に困難を 感じていたこと ,さ らに全体的 居、 考に欠けていたことに 依ってい. ロ社会的課題に 取組んでいる 湖 。. る要因となる。. 動機によるし ,また結果を懸念することにもよ っていた。 さらに,その理由は,社会的・物的 環境の変化を 反映することができなかったこ. ( 経営者の利益と. 関与,すな. る,, ). (2) 経営理俳と経営責任 経営理俳は,社会的価値を 反映し, ときに は,社会にたいする責任をきめ細かく 規定する ほど,整備されていることが必要であ る。 それ でこそ,経営理俳が社会的責任遂行の 要因の一 つといわれるのであ る。 たとえば, 「日本ジョ ンソン社の経営理俳」では. ,社員,株主,消費. 者,取引先,および 社会に対する 経営責任の遂 行について,細かい規定がみられる ,。'。 今日の. 企業は,企業の全体像を社会にコーポレート・ アイデンティティの 形で提示し,企業価値の売 買につとめることが 必要となっている。 経営理 念を , 単なる理想の 表現とみるのでなく ,実像 の コミュニケーションと 考えるべ き 時代が到来 している。. 経営者は,個人の価値観を,地域社会,大 学,経営者の集りなどとの 社会的接触によって 発展させる。 また,強制,説得,条件作りなど を 経て,経営者の社会的関心は ,その価値体系 の一部となる。 そのさい,経営理俳は,経営者 の業務要求に 適するよ 9 に,経営者の心理的能 力を維持する 手助けとなっている。 つまり, 経 営 者は,経営社会化にあたって,心理的背景を 価値体系ないし 理念の形で,すでに用意してい ると考えることができる ,。'0.
(13) 経 営. と. 責. 6. 市民参加を双提にした 行政機関の介入 (1) 行政機関の介入と 市民参加 政府の介入とか 市場機構の修正ということが 取上げられている。 それというのも ,変化の速 度が速いほど ,また環境条件の乱れが 大 ぎく ,. 相互依存度が 高まるほど, 「他者」の行動を 規 制する よう にという圧力が 大ぎくなるのであ る。 他方,政府の介入を,その権 力増大への懸念 から,その動 ぎを遅らせる 理論もみられる。 す なわち,規制団体の経済力を集中させること は,政治力の再集権 化をもたらす。 この場合, 権 力の増大した 政治機関は,環境変化に適合し にくく,変化に速かに対処することは ,むつか しいと考えられる。 さらに,市民参加を伴 のでなければ ,政府 機関の役割が 果たせないという 考え方もあ る。 う. 社会の教育水準の 上昇, コ. 「. ュ ニケーシ,. ン技. 術の進歩,余暇時間の増大,自己実現欲求の増 大,政治過程への関与欲求の高まりの 下でほ, 政府 は ,力の抵抗を受げやすい。 政府が,質の 高い生活などの 問題を解決するためには ,個人 の政治過程への 参加が不可欠であ るとする 30)0 上述のアディゼスおよびウェストンは ,第5. 任. (奥村息 う. (131)@13. 政治機能を果たす 新設機関への 分権 化が必要で あ ること,任意団体が一般福祉基準によって 個 人行動を導くことが 可能となっていることを , 主張する ", 。. (2) 社会相互依存と 行政指導 これらの主張の 根底には,社会にある組織体 の役割は,いかに有効に社会発展に 貢献したか によって評価されるという ,社会貢献論ないし 社会相互依存論がみられる。 すなわち,企業, 政府,および他の複合集団の 将来の役割は ,有 効な社会発展への 貢献によって 基本的に決定さ れると述べる。 経営の社会的責任遂行のための 要因として, 行政の役割を 掲げることは ,仝日において必須 のことであ るが,政府の権 力を増大させないと いう配慮 と ,政府の行政介入がどれほど 社会発 展に貢献するかの 評価が可能とならほげればな らない。. その上で,政府の行政は,確かに「経営の社 会的責任」遂行のために ,多くの面で役に立 つ。 それは,責任遂行がなされないときに. ぺナ. ルティを課するという 意味ではなく ,政府の公 共政策によって ,経営を指導するという 意味に おいてであ る。 すなわち,政府は,環境基準を. の経営の社会的責任遂行のための " ラメータと. 設定し , 望ましい成果を 実現させるために 刺激. して,市民参加を前提にした行政機関の 介入 ( 役割 ) を掲げる。 すなわち,政府介入の 方向. を加え. への圧力があ るものの,一般大衆の 政治過程へ の有効な参加がなければ. ,この介入の動きを遅. らせる新しい 機構が展開される。 あ るいは, 反 支配階層の感情が 広まり,緊張を高めることに. ( ペナルティも. 課する ), また政府契約. も行なう。 たとえば,会社の公害防止投資のために ,政 府が 税 優遇, 低 年利資金の貸与,補助金の 供 与,信用保証,公害防止準備金設定の容認など を行なえば,企業は公害防止投資を 行な い やす. なる。. くなる。 また,政府が,住宅建設,都市再開発. 彼等は,行政の介入を簡単に 認めることほし ない。 行政介入の方向への 圧力があ るといいな. など社会開発といわれる 領域において ,補助金. がらも自らそれを 主張しなかったり. ,政治介入. 供与,低金利資金貸与,国有地の貸与,加速度 償却の容認などを 行なえば,それだけ経営の社. は政治権 力の増大をもたらすとか ,あるいはた. 会化が容易になるであ ろう。 とくに,政府が,. とえ税による 介入であ っても政府権 力を増大さ. 社会的に望ましい 財貨および用役について 市場 ( 社会的市場 ) を創造できるときには ,企業は, 社会生活の質の 改善といった 面で,その責任を. せるとか論評するのであ る。 さらに,上述の市 民参加,度支配階層の感情の問題に 加え,政治 機関領域に複数の 機関が必要であ. ること,同じ. 発揮しやすくなるであ ろう s幻 。.
(14) 14 (132). 横浜経営研究. 第 2 号 (1985). 第W 巻. (2) 混合経済体制の IV. ェ. ・. この貸本主義の 原点が行きつくところが ,資 本主義の無限の 発展の場所なのか ,あるいは社. 経営と社会との 関係 「経営の社会的責任」促進のための. 静態と動態. " ラ. メータの性格. 会主義との中間点なのかはさてお パラメ. (1) 経済体制を示す 要因と経営社会化を 促進 する要因 以上,「経営の社会的責任」促進のための 条 件ないし要因としての " ラメータ一について ,. 説明を加えてぎた。 すなわち,㈲社会報酬シス. テムの展開, (2風害者集団代表者の 経営参加, (3) 経営者業績評価基準の 拡大, (4) 経営者の理俳 の 変化,および(5)市民参加を双提にした 行政機. 関の介入,の 5 つであ る。 促進要因としての 世 論の 力 といったものは ,㈲の社会報酬システム の展開のところで 少しふれるに 上った。 他方, 経営社会化を 阻害する要因も ,確認しておかな ければならない。 それは,①技術の未開発,② 利益システム ,③資金調達の困難,④代替原料 の欠如,⑤国 ・地方自治体の 非協力,⑥経営ス タッフの不足,の景気の悪さ,などといったも. 一. き,. これらの. ターが経済体制を 弾力的な形としてい. ることは,否めない。 貸本主義と対応する 体制 として社会主義を 想定すれば,両者の経済体 制,ならびに両者の要因を 一定の比率でもっ 混 合 経済体制が存在する。 これらの制度は , 来る 方向は違 にしても,環境変化の挑戦を受けて う. いることは事実であ る。 上記 5 つのパラメータ. ーは,特定の国の制度的特質を 示すのではな ,社会化促進の要因であ る。 これらの要因は 何れの制度の 国々にも適合するのであ り,それ く. だげに, これらの " ラメータが備わっている 程 度と形態は , 国によって異なって 来よう。 この. 点 ,アディゼスおよびウェストンは,パラメー ターを備えるモデルの 特質として,①環境変化 に関するオープン・システム 原理をもち,②部 分的でなく全体的なシステム. 変更をねらって い. る, ③望ましい方向へ 変化させる刺激であ る, のであ る。 さらに④古典モデルとは 異なる目標をもつとし ところで,上述の5 つのパラメーターは ,経 ている。 ここでは,政府が進める経済体制改革 済体制の要因とは , どのような関連をもってい といったものではなく ,経営制度に関する経営 るのであ ろうか。 経済体制の要因とは ,たとえ 者 および利害者集団の ,自発的で自主的な改革 ば 資本主義についていえば ,私有財産,利潤動 であ ることを,付け加えたけれ は ならない。 す 機,分業,個人的自由,経済人,消費者主権 , なわち, これら 5 つのパラメーターは ,各国の. および政府の 限定的役割といったもの ,あるい は個人主義, 自由, 私有財産, 利潤,平等機 自然法,および限定政府 会 ,競争,労働倫理,. 経済を,そのパラメータ 一の配合にもとづい. といったものであ るぬ。. るならば, これらの 5 つの " ラメーターは ,. これらの資本主義の 要因ないし仮定は ,古典 的あ るいは伝統的な 要因であ って,いわば資本 べ き ものであ ろう。 その 資 主義の原点ともい 本主義の原点は ,環境の変化その他諸々の理由. の自主規制を 実現させ,経済制度を 自主的に改 草 するバックボーンともい う べ き ものであ る。. て,表現するのである 0 しかも,ここで「経営 0 社会的責任」を 経営の自主規制として 規定す こ. う. 2. 経営と政府との 関係. によって,社会化されたければならない。この. CD) 多元社会における. 社会化を促す 要因が, しかも政府がそれほど 介 入しない範囲で 社会化を促す 要因が,上述の 「経営の社会的責任」を 促進する要因であ ると. ところで,経営と政府との関係についてふれ. いえ よう 。. 諸機関の相互作用. ておくことにしたい 0 それというのも ,. このパ. ラメーター論で 前提とされる 経済体制や政府の 役割は何であ るかに留意しなければならないか.
(15) 経. 営. と. 責. 「政府 介. らであ る 0 このことは,パラメータ 5. 入」の性格を 一層明確にすることにも 通じてい る。一般に,アメリカの 経済社会館であ る多元主. 義 (pIuralism) は,権力をもつ経営とか 政府と かの組織体が ,相互に衝突し均衡し,権力の分 散と均衡が図られる 状態を想定している。 とこ ろが, アディゼスおよびウェストン. ,. さらに近. くはオオウ チ は,経営や政府の組織体が協力し て 社会に貢献すべきことを 強く主張している。. 任. (奥村 息づ. (133) 15. 事業,商品テステの助成 ( 財団法人日本消費者 協会 ), 消費生活改善監視員,行政機関の 消費 者相談制度と 産業界の苦情処理体制整備の 指 導,消費生活アド" ィザ 一の活用 ( 財団法人日 本産業協会 ) など⑤は,行政指導の細かい配慮、 を 明示するものであ るが,それだげに,消費者. 自身の自主的な 活動が望まれるところであ る。 この ょう な社会評価制度によって ,企業行動 を責任あ るものとすることができる。 この評価. ているかどうかが 問われる。 また,経営の政策. 制度は,一定の社会,経済体制に添ったもので あ り,さらに,この 経済体制に関連した「包括 的な社会目標」に 繁 っている。. ,取締役会への代表の参加と. まず,社会・ 経済体制についていえば , この. いう個別的要求の 充足よりも, この機関が社会 にどの程度貢献しているかによって 決定される. 評価制度を必要とする 体制は,単純な市場経済 ではないし, また中央計画経済でもない。 それ ほ,市場原理を補完する企業市民社会であ り, これは公共的組織原理によって 貫かれている。. すなわち,包括的な社会目標が想定され , こ. の目標について 経営や政府の 政策が正しく 動い 形成機関の将来は. ことが重要であ る。 ここで想定されている 社会. 親 は,多元社会における諸機関の健全な 相互作 用といったもので ,将来の機関の特質は,多元 社会の変革する 過程や機関の 相互作用によって 決定される, と 考えられる④。 ここでは,諸機 関の敵対関係でなく ,緊密な友好関係が望まれ. 「日本生産性本部」の 提言によると , ここに 企 棄市民社会とは ,企業を」っ 0 市民集団として. ており,相互作用のダ イナ,ズふからもたらさ. 概念化し,企業の公的市民性を 重視し , ょり統 合された市民集団としての 役割と責任を 遂行す る主体として ,企業の存在を考えようとするも. れる一層大きな 社会利益が期待されている。. のであ る。 この社会は,私的な市場原理に企業. ここで,議論の整理のために ,包括的な社会. 0 行動を放任するのでなく ,企業内,企業相互. 的目標,諸機関の 相互作用のダイナ ,ズム,公共 間,企業と様々なレベルでの社会問,企業と消 利益,行政と「経営の社会的責任」といったこと. 費者間のような 社会的次元で 共有する,公的な. ほ ついて,簡単に考察してみることにしたい。. 目標や価値の 達成にむかって 協働するシステム. (2) 社会的評価制度と 包括的社会目標. であ る。 ここで,他の社会話集団とも 協働・ 調. すでに, 前節の 1. 和 でき,企業が自らの公共性,社会性を積極的. 開」で述べたよ. う. 「社会報酬システムの 展. に,社会では,政府介入とは. 離れた,公共ないし大衆一般に. よ. る評価制度が. 設定されなければならない。 その中の「消費者. に認識して活動する 原理を,公共的組織原理と いう。 もともと, この企業市民概俳 は ,二つの. のリーズナブルで 公正な活動」については ,賢. 要素を含むものであ る。 すなわち,一つは市場 交換取引の範囲を 超える組織目標の 容認であ. 明な消費者を 育てる消費者教育が 必要であ る。. り,二つは 利害者集団間の「相互に 望ましい目. 通産省の『かしこい 消費生活へのしおり』は ,. 標」達成のためにこれら 集団間の提携の 必要性. 同省の消費者保護行政の 一環を示すものであ る が, この行政が,消費者のレベルアップに役立. を認識することであ る " 。 前者を包括的目標の. つことは,間接的に,社会的評価システムの向 上に資するものとなろう。. このさい,行政に関. する法律や制度に 加えて,通産省の商品テスト. 容認とし,後者を公共的組織化の 必要性の認識 と 規定することができよう。 後者の公共的組織 原理は,われわれが先に述べた「諸機関の 友好 的相互作用」にほかならない。.
(16) 16@ (134). 横浜経営研究. 第W 巻. 第 2 号 (1985). (3) 企業市民社会と 価値. 成されない。 これによって ,所得・ 富 分配の強. 企業市民社会は ,公共的組織原理をもって市. い平等性が得られる ,。'。. 場システムを 補完する社会であ る。 これは社会 諸集団が協調して ,公的な目標や価値の達成 仁 むかって協働するシステムであ り,このさい包 括 的な社会目標が 何であ るかが問われるであ ろ う。 上述の「日本生産性本部」の 提言では, C の ような社会目標として. ,経済成長分配の時代の. 目標 (GNP, 豊かな社会の 実現,高度な経済 的成長・発展 ) のように一義的に 明確なもので ないにせ よ ,社会的価値観の変化と国民的目標 の転換を背景として. ④ 社会ての支配的価値であ る要件は,次の ものを満たすことであ る。 ③人口比率という 広 汎 さ ,⑥時間の長さを示す継続性,⑥速さ, 確 実性などの強さ ,および⑥文化的英雄および価 値シンボルの 価値伝達者の 誇り ,,)。. ⑤ 企業をふくめ 組織体の衝突・ 均衡のさい には, 善 ,友愛などの価値が生ずることがあ り. なければならない 切 。. (5) 社会目標と社会指標. ,「公益性や公共性の尊重,. あ るいは人びとの 安定や充足のような 諸価値を も 重視する,より福祉的な社会の. 達成にあ る」 としている。 ここで,公共的・ 福祉的価値が 重 視されるのであ る。 もっとも, この提言は,. こ. ,またその価値にもとづいた均衡が目ざされ. これらの社会的目標論ないし 価値論は , 少な. からず抽象的であ るため,いっそう 具体的な社 金指標の展開が 期待される。 ① あ る国の目標を ,憲法の内容に従って, 個人,平等,民主的過程,教育,芸術・ 科学,. て,創造性,自主性,合理性,適応性の 軽視を. 民主経済,技術変化,農業,生活条件,および 健康・福祉,さらには海外へも目標を 拡大し. 意味するものではない , としている。 これらの. て ,公開・平和建設援助,自由社会防御,武装. 価値が軽視されているときには ,企業の健康や バイダリティ 自体が失われるためであ る。 企業 の健康やパイタリティが 低下すれば,福祉目標. 解除,および国際連合と列挙する ,,)。. の公共的・福祉的価値の 重視が, 企業にとっ. の達成は困難となるのであ る 申 。. (4) 社会的価値と 経営価値 包括的な社会目標や 社会的価値をどのように 企業価値に結びつげるかについては ,多くの研 究や主張がみられる。 ①. アメリカの価値の. 変遷を,伝統的なも. の,現在のもの,そして脱 工業社会のものと 大 きく 3 つに区分し,時代によって変化する企業 技術変化がアメリカ 価値にどのような. 合が必要とされる ", 。. ③ わが国の社会開発については ,社会指標 が開発されている。 その目的は,③国民の福祉 水準の全体的な 判定,⑥社会報告の作成,⑥社 会計画の策定てあ る。 指標は,健康,教育・ 学. 習・文化,雇用と勤労生活の質,余暇,所得・ 消費,物的環境,犯罪と 法の執行,家族, コ、. の対象となる 価値を認識させる "' 。. ②. 社会福祉行政については ,その必要性, 反映すべき社会価値,追求すべき 目的,そして 実務で実現すべき 目的が問われている。 ここ で,社会価値,社会目的,および 社会実践の統 ②. イ. ュ. ニティ生活の 質,およぴ 階層と社会運動とい. ソ " クト を与えるかについて 検討し,アメリカ. ぅ柱 ごとに設定される ") 。. の価値の登録表を 作成する 呵 。. ,最近,国民生活審議会の 政策部会調査委員会. ③. 社会的価値を 個人および組織体に 適用す. では,その中間報告の中で新指標 (NS. I) を. るさいには,焦点価値,組成価値,および 分配. 提案した。 新しい指標で ,国民生活の現状をみ. 価値の 3 つの価値に注目する 必要があ ると述べ る 。 たとえば,平等主義という 焦点価値は,強. ると,健康や経済的安定など 暮らしの基礎的な 条件は向上しているが ,離婚率の上昇,単身赴. 力な集権 化政府という 組成価値によってしか 達. 任の増加,高校進学率の停滞など,家庭生活,.
関連したドキュメント
身体主義にもとづく,主格の認知意味論 69
式目おいて「清十即ついぜん」は伝統的な流れの中にあり、その ㈲
る、というのが、この時期のアマルフィ交易の基本的な枠組みになっていた(8)。
C.
[r]
在学中に学生ITベンチャー経営者として、様々な技術を事業化。同大卒業後、社会的
これに加えて、農業者の自由な経営判断に基づき、収益性の高い作物の導入や新たな販
労働者の主体性を回復する, あるいは客体的地位から主体的地位へ労働者を