<原著>コンピュータ応用簡易知能スケール(Computer Applied Dementia Scale)を用いた統合失調症患者の認知機能の研究
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(2) 1 4 2. 南川博康. 学的領域で使用される各種の認知機能検査が用いら. CADSを施行し,統合失調症における認知機能の研. れる.しかし,従来からよく用いられている総合的. 究を行った.. な認知機能検査は,長時間を要するものが多く被験. 方法および対象. 者にも負担が大きし判断にも熟練を要するものが 少なくない.さらに,これらの検査の結果と実際の. 9年間 対象は,単一の精神科病院において平均約 1. 社会生活機能にギャップが見られることも報告され. 経過を観察し得た,入院経験のある慢性妄想型統合. ている 10~11. 失調症患者である.現在も入院中の患者を長期入院. 一方で,以前から精神科領域では神経生理学的検. 患者群(以下入院群と略)とし,現在は外来通院中. 査としてアイカメラを用いて統合失調症患者やうつ. である患者を外来通院患者群(以下外来群と略)と. 病者の眼球運動や視線の動きを測定し,心理的な課. した.患者群に年齢・性別をマッチさせた健康成人. 程や認知機能との関連を探る研究が諸家によってな されてきた 12-15 しかし,実際にアイカメラが施行さ. を健常者群(以下健常群と略)とし患者群と比較し た.患者群は,いずれも本人に本研究の目的を口頭. れるのは,情意鈍麻・自閉傾向が目立ち自立的な社. と文書にて説明し同意を得た.全員に Kohs立方体. 会生活が営めず入院を続けている陳旧性統合失調症. K o h s 'BlockD e s i g nT e s t ) を行 組み合わせ検査 (. 患者が多く,適応される症例が限定されるためへ最. 9 7 . 5 : : ! : 2 0 . 3 ) であることを い,知能が正常範囲内 (. 近は臨床的には使用されることは少ない.. 確認した.Kohs立方体組み合わせ検査は,立方体ブ. 最近,下和田は,従来の認知機能検査とは異なっ. ロックの模様を手本の図版に従って並べ替えるもの. た視点から,描画テストに発想が由来する新しい認. で,完成度と完成までの時間で評価する.被験者は. 知機能検査として C omputer A p p l i e d Dementia S c a l e (以下 CADSと略)について報告した 17-18. 見ょう見まねでも十分に教示を理解できるため,言 語要因をほとんど介入させずに知能を測定できる.. CADSは,コンピュータ上のタッチパネルに 1 3 0個. さらに,表 1のように外来群,入院群は,性別,年. の点を規則的でなくばらばらに打つ」という単純な. 齢,擢病期間をマッチさせた.性別は入院群男性 9. 課題を被験者に課することにより,その打点のばら. 人女性 1 1人,外来群男性 1 1名女性 8人であり,平均. つき具合に注目して認知機能を測定する. CADS. 年齢は入院群48.3歳 : : ! : 8 . 9 歳,外来群平均年齢47.9. は , WAIS R,Kohs立方体組み合わせ検査 ( K o h s ' B lo ckD e s i g nT e s t ),ベンダーゲシュタルト検査な. 歳: : ! : 1 0 . 0歳であり,平均擢病期間は入院群 19.9年±. ←. 9 . 7,外来群1 8 . 5年土 1 0 . 2であった.なお,擢病期間. どの認知機能検査と高い相闘が得られ,認知症高齢. は,病歴聴取による推定発病以降を擢病期間とした. 者の認知機能障害の計測に用いられ,その意義が認. が,大部分の症例は発病より 1年以内に当院を受診. められている.検査時聞が 1~2 分と短く,簡易で. していた.. 被験者にも検査者にも負担のかからないことも大き. 以上の入院群,外来群,健常群の 3群に対して,. れる.特に, CADSは,統合失調症の認知機能を総. CADSを施行し, 1 点の分布のばらつき Jを測定し た. CADSは,図 1のように,タッチパネルとコン ビュータ本体で構成されている.図 1の左側のタッ チパネル上に図 2の格子図が表れ,電子ペンで打点. 合的に評価することにより,統合失調症の日常生. された情報がコンビュータに入力され,解析される. な特徴である.. CADSもアイカメラも,認知機能の全体を総合的 に評価するもので,総合的な認知機能検査と考えら. 活・社会生活の障害を総合的に評価することが期待. 2 仕組みとなっている.格子図は図 2のように横 1. される.そこで入院歴のある慢性の統合失調症に. 列・縦20行になっており,被験者へは「格子の中に. 表 1 対象の背景. 被験者 性別 年齢 J 擢病期間 薬物量. 総入院期間 BPRS全体 陽性症状全体 陰性症状全体. 入院群. 外来群. 健常群. 2 0人 1 男性 9 :女性 1 4 8 . 3 歳:t8 . 9 1 9 . 9年:t9 . 7 1 1 .5: t7 . 9 4 9 9 0日土 2 8 3 0 . 7 4 1 . 3 : t6 . 8 9 . 0: t2 . 3 3 2. 8 5: t7. 9 7. 1 9人 男性 11:女性 8 4 7 . 9歳:t1 0 . 1 8 . 5年:t1 0 . 2 5 . 1: t3 . 4 5 4 5 . 5日士 9 8 5 . 8 3 2 .5: t5 .3 6 . 7: t2 . 6 2 5 . 8 4: t4 . 1 4. 1 9 人 男性 9 :女性 1 0 4 2 . 9歳:t5 . 5. 。. (一) (一). ( ) (-). (ー) (ー).
(3) コンビュータ応用簡易知能スケール ( C o m p u t e rAppl ie dD巴m e n t i aS c a l e ) を用いた統合失調症患者の認知機能の研究 1 4 3 自由に ,3 0個の点を打ってください.ただし,規則. いて ,この CADS得点と擢病期間(年),総入院期間. 的でなくばらばらに打 ってください .Jと指示する .. (日数),使用薬物のハロペリドール換算力価 19 簡易. こうして得られた 30 個の点のばらつき具合に注目. i e f Psych i a t r i c Rat i n g 精 神 症 状 評 価 尺 度 ( Br. し,記入された打点の位置・打点の順番を座標(横. Scale:以下 BPRSと略)による精神症状評価の総. 1 2列 ・縦 20 行)と 時間 により特定して点の分布のば らつき具合の分析を行った 17,18 点 の 分布 のばらつ. 得点,BPRSの陰性症状の得点, BPRSの陽性症状. 1行に 1. 検定した .BPRSは,もともと統合失調症を対象に. きは. 1 列に 2~3 個ずつ( 平均 2 . 5個),. の得点との相関関係をピアソンの相関係数を用いて. ~2 個ずつ(平均 1. 5個)ある時が最もばらついてい. 開発された精神症状評価尺度であるが,症状を 1 8項. ると考えられる .CADSの算出方法は,その最もば. 目 7段階で評価できるようにしてあり,各尺度ごと. らついている時の得点を 1 0 0とし ,バラツキが悪くな. の各段階について評価基準が設けられていることな. るに従って得点が低くなるように計算されている .. らびに質問の仕方の具体例が用意 されていることも. 具 体的な CADSの算出方法は,文 献 17の通りであ. あって使用しやすく ,代表的な包括的精神症状評価. る.. 尺度として広く国際的に使用されている .陰性症状. 入院群と外来群を合わせた統合失調症患者群にお. は,感情の鈍麻と平板化,無感情,意欲 ・自発性欠 知,無快楽症,会話の貧困,寡動 ・動きの緩慢,社 会的引きこも りなど正常な精神機能の減少あるいは 欠如した状態で,慢性期になって前景に立ってくる 症状であり , 陽性症状は ,派手な症状,生産的な症 状とも呼ばれ,幻覚,妄想, させられ体験などの異 常体験や滅裂思考,興奮,昏迷などの症状であり , 急性期に顕著に見られる 20,21 さらに CADSで得ら れた得点につき ,健常群,入院群,外来群の 3群聞 において ,分散分析を行い, さらに多重比較の ため. Dunnet検定を実施した . 図 1 コンビュータ応用簡易知能スケール ( CADS) のシステム. 結. 果. 表 1のように ,対象のうち ,入院群は男性 9人女. 1人合計 20 人,外来群は男性 1 1人女性 8人合計 1 9 性1 人,健常者は男性 9人女性 1 0人合計 1 9 人で,年齢は,. 8 .3 歳:t8 . 9,外来群は 4 7 . 9歳:t1 0. 0,健常 入院群は 4 者は 4 2 . 9歳:t5 . 5であった .入院群の擢病期間は 1 9. 9 年:t9. 7,総入院期間は 4 9 90日: t2 8 30 . 7,外来群の擢 病 期 間 は 18.5年:t1 0. 2,総 入 院 期 間 は 545.5日±. 9 8 5 . 8であった .擢病期間は入院群と外来群でほぼ同 じであるが,入院期間 は入院群が外来群の約 9倍の 長期間であった. 1日使用薬物量は,入院群はハロ ペリドール換算力価で1 1. 5: t7 .9,外来群は 5 . 1: t3. 4 であった .BPRS全体は,入院群41 .3: t6 . 8,外来群. 3 2 .5: t5. 3であり ,陽性症状は ,入院群は 9: t2.3,外. 表 2 全統合失調症の諸要因と CADS得点の相関 データ数. 図 2 タッチパネルの 1 2x20の格子園. 擢病期間 入院期間 薬物量 BPRS全体 陰性症状 陽性症状. 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9. 相関係数. -0 . 0 1 6 2 8 0 . 02 20 2 0. 0 5 8 7 7 0 . 0 1 6 08 0. 1 9 6 6 6 0. 0 5 8 4 3. p 0 . 9 2 1 6 0 . 8 94 2 0 . 7 2 2 3 0. 9 2 2 6 0 . 2 3 0 2 0 . 7 2 3 9.
(4) 1 4 4. 南川博康. 来 群 は6 . 7: t2.6で あ り , 陰 性 症 状 は , 入 院 群 は. 3 2 . 8 5: t7.97,外来群は 2 5 .8 4: t4. 1 4であった.. 1 0 0. 0 対象患者の薬剤性パーキンソニズムは,入院群2. 8 0. 9 0・ 80-. . .. 1・ 7 0ω60. 70-. ~ 50. ω O 《 0 6050-. 4 0. 40-. 3 0. 3 0. 2 0. 20-. 1 0. 10-. U. 0 0. ... 1 0 0. . .. 9 0. 5人に振戦が見られたが,抗パーキ. 人においては. ・ .. 。. 5. 1 0. 1 5 2 0 2 5 30 3 5 4 0 45 羅病期間. 20. 25. 3 0. 3 5. 40. 4 5. 5 0. 55. 60. BPRS. 3a. 3d. 1 0 0. 1 0 0. 9 0. .. . ... 90-. . .. .. 回.. 8 0 7 0. 7 0. O 《 0 6 0 ω 5 0. ω 2 O. 5 6 0 0 -. 40. 40-. 3 0. 30-. 2 0. 20-. 。. 。. 1 0. 10-. o1000. 3000. 5 0 0 0 入院期間. 7000. 2 1 3 1 4 1 1 5 1 6 1 7 8 1 1 9 1 1 011 111211 31415. 9 0 0 0. 陰性症状. 3b. 3e. 1 0 0 9 0 8 0 7 0. 1 0 0. . ・ .. 90-. .. 8070-. 。 360 5 0. 。 ω 0 6050-. 40. 40-. U 0 《. 〈. 3 0. 30-. 20. 20-. 。 。. 。. 1 0. 105. 1 0. 1 5 20 薬物量 (mg). 2 5. 30. 20. 2 5. 30. 3 5. 陽性症状. 3c. 3f. 図 3 CADS得点と 6つの各要因との関係 3a 3b 3c 3d 3e 3f. CADSと権病期間の関係 CADSと入院期間の関係 CADSと薬物量の関係 CADSと BPRSの総得点の関係 CADSと陰性症状の関係 CADSと陽性症状の関係. 4 0. 4 5. 50.
(5) コンビュータ応用簡易知能スケール. C C o m p u t e rA p p l i e dD e m e n t i aS c a l e ) を用いた統合失調症患l 者の認知機能の研究 1 4 5 BPRSの陽性症状の得点について検討したが,その. ② │①. II. .. 100. . i .. 90 80 70. E. • . . . .. •. :. 0 ω60. . . .. O 《 50 40 30 20. 。 .. 1 0. 全てにおいて有意な相闘を認めなかった(図 3)•. CADSによって評価される統合失調症の認知機能 は , BPRSで評価される陽性症状とも,陰性症状と も,薬物療法にも曜病期間にも有意に関係しない. 6 7 人の認知リハビリテー と考えられる. BeF2 らは 2. .. ションプログラムをしている安定した統合失調症患 者について包括的神経心理学的テストを実施したと ころ. 6ヶ月後の陰性症状の変化と認知機能との聞. には妥当な関係が認められず,丹羽 23 は薬物療法と の関連について,課題遂行の持続性を測定する C o n -. t i n u o u sperformancet e s tを用いて統合失調症患者. 入院群. 外来群. 健常群. 対象. の認知機能と薬物との関係についても相関を認めな かったと報告しているが,これらの結果と一致する. しかし,慢性妄想型統合失調症の入院群,外来群, 健常群との比較では, CADS得点は入院群と健常群. ①. p=O.075. ②. p=O.031. との間で有意差が認められた. DSM-IV24 の統合失 調症の診断基準においては,特徴的症状の存在とと もに,社会的,職業的機能の低下が重視されており,. 入院群 n=20 人. 入院群と健常群とのもっとも大きな違いは「社会的, 職業的機能の障害 jである.兼田 25 らは患者の就労の. 外来群 n=19 人. 可否に関して擢病期間や精神症状そのものよりも,. 健常群 n=19 人. 言語性ワーキングメモリー,注意,遂行機能といっ. 図 4 3群間(入院群,外来群,健常群)の比較. た認知機能が大きな役割を演じると述べている. ン剤で改善し,筋強剛は認められなかった.外来群. 1 9人においては. 3人に振戦が見られたが,抗パー. キン剤で改善し,筋強剛は認められなかった.. 統合失調症の認知機能障害の一つの検査として, 従来からアイカメラを用いた研究がなされてい る12ー 15 黒丸らは視線の動き,視線の広がりが患者の. また,入院群と外来群を合わせた全統合失調症患. 日常生活・社会生活の障害と密接に関連することを. 者に対して, CADS得点と諸要因の聞の相関を見た. 示唆し,統合失調症患者では視線の動きが小さくか. が , 相 関 係 数 は 表 2 の よ う に 擢 病 期 間 r= 0 . 0 1 6 2 8,総入院期間 r=-0.02202,使用薬物のハロ ペリドール換算力価 r=0.05877,BPRSの総得点 r=-0.01608,BPRSの 陰 性 症 状 の 得 点 r=0 . 1 9 6 6 6,BPRSの陽性症状の得点 r=0.05843であ り,図 3のようにいずれも有意な相闘を認めなかっ. っ一定のリズムに固執する傾向があり,外界に対す. た.. CADS得点について,健常群と入院群と外来群と の 3群間で分散分析を行ったところ有意な差が認め られた ( F=3.5157,df=2/55,p=0.0366). さらに, 多重比較のため Dunnet検定を実施し,健常群と入 p=0.031 ) 院群との間で有意な差が認められた. ( ( 図. 4 ) .. る反応が常同的であると報告している 12 福田らの 観点から見ると,アイカメラによって明らかにされ る認知機能障害とは,指示されたことを覚えるとい う言語性記憶,作業に集中するための注意機能,計 画に基づいた行動を組織するという実行機能の 3つ 23 であると考えられている 16, 他方,精神科臨床において,パウムテストなどの 描画テストがよく使用され,統合失調症患者の描画 形態は経過によって変化することが知られてい る26-28 最近,横田らは統合失調症患者の描画テスト (パウムテスト)を経時的に観察し,退院群では,パ ウムテストの活動性,写実性,整合性のいずれも改. 考 察. 善傾向が見られたが,継続入院群では,活動性,写 実性,整合性のいずれも改善傾向が見られず変動が. 本研究においては,入院群と外来群を合わせた全. 大きかったことを報告し,描画特徴の改善が退院を. 統合失調症患者に対して, CADS得点と,擢病期間,. 予測し,その変動が入院の継続を予測しうることを 明らかにした 29. 総入院期間. 1日使用薬物のハロペリドール換算力. 価 , BPRSの総得点, BPRSの陰性症状の得点,. 最近,下和田は発想が描画テストに由来する新し.
(6) 1 4 6. 南川博康. CADSの有用性について CADSはタッチパネルに 1 3 0 個の点. い認知機能検査としての. 3 .W einbergerDR,G a l l h o f e rB ( 1 9 97 )C o g n i t i v ef u n c -. 報告した 17-18. 2 t i o ni ns c h z o p h r e n i a . I n tC l iPsychopharmacology1 ( s u p p l e4 )2 9 3 6 2 0 0 5 ) 認知機能と社会機能. S c h i z o p h r e n i a 4 . 根本隆洋 ( F r o n t i e r6:122-126. を規則的でなくばらばらに打つ」という単純な課題 を与えるものであるが,これは福田らの観点から見 ると,言語性記憶,実行機能,注意機能に加えて,. 5 . 松岡洋夫 ( 2 0 0 7 ) 統合失調症.精神誌 1 0 9;1 8 9 1 9 4. 眼球運動や手先の作業を効率よく進めるという視覚. 6 藤井康男 ( 1 9 9 9 )分裂病患者の認知機能障害の改善を目指. 一運動処理も含めた認知機能を評価できると考えら れる.このように. CADSは , 4つの統合失調症の認. 知機能を総合的に評価することにより,統合失調症 の日常生活・社会生活の障害を評価することができ, それゆえに,統合失調症の経過観察の評価に有用で あると考えられる.本研究の結果,慢性妄想型統合 失調症においては視覚一運動処理も含めた,言語性 記憶,注意機能,実行機能などの認知機能の障害の 存在が示唆される.. 11-322 して.臨精薬理2:3 7 福田正人,安藤直也,間島竹彦 ( 2 0 0 5 )認知機能障害とし 2 0:2 0 2 8 ての統合失調症.こころの科学 1 2 0 0 2 )精神 8 . 福田正人,上原徹,赤田卓志朗,池淵恵美 ( 分裂病の治療における薬物療法と心理社会的療法 合の理論的基礎について. その統. 3 1 1 4 4 .脳と精の医 13:1. 9 福田正人 ( 2 0 0 5 )統合失調症における認知機能障害の回復 1 6 6 と脳機能.精神障害リハ 9:6 1 0 . 山下委希子,松井三枝,倉知正佳,野原茂,高橋努, 2 0 0 2 )分裂型障害患者と精神分裂病患 加藤奏,黒川賢造 ( 4:8 4 5 8 5 1 者の神経心理学的プロフィールの比較.精神医 4. 最近,統合失調症の病態の中核が,知覚,注意, 記憶,思考,実行機能などの認知機能障害であると いう考え方が支持されるようになってきた.認知機. 1 1 山津涼子 ( 2 0 0 5 )初回エピソード統合失調症における認知 4:785-790 機能障害.臨精医3 1 2 黒丸正四郎,島田照三,菊川豪,大西守,小野俊之. 能障害は統合失調症の中核となる基本的障害である. ( 19 7 7 )精神病者におけるゲシュタルト認知について.精神. だけでなく,日常生活の機能レベル,社会適応能力,. 医1 9:4 0 9 4 1 5 1 9 9 8 )眼球運動を指標とした認知機能の発達と 1 3 郭 麗月 (. 就業能力に関して強く関与し,その評価は長期予後 の予測にも役立つことがわかってきた 1-6 さらに, 最近になって登場した非定型抗精神病薬(第 2世代 抗精神病薬)が認知機能を改善するという報告が相 次いでいる 30-34 このように,統合失調症の認知機能 障害は今後の精神医療における重要な概念になると 考えられており,予後の指標並びに治療標的として 評価されるようになってきている.当事者中心の精. 3:135-145 障害.近畿大医誌2 1 4 . 小島卓也(19 9 9 )精神生理.松下正明総編集.精神分裂病 01-218 1.臨床精神医学講座 2,東京:中山書庖, 2 1 5 福田正人,丹羽真一(19 9 9 )生物学的マーカーの利用可能 性.松下正明総編集.精神分裂病1.臨床精神医学講座 2, 東京:中山書庖, 4 4 1 4 6 1. 1 6 守屋裕文,安藤克己,豊田. 嘉,島菌安雄 ( 1 977)精神分. 裂病者とその家族の視覚性認知過程一注視点記録装置によ る分析. 9:387-397 .精神医 1. 神科治療・リハビリテーションの発展のために,統. 1 7 下和田英洋 ( 2 0 0 6 ) 新しい認知機能検査としての Com-. 合失調症の簡便な認知機能の評価法の確立は急務で あると言われている 30, 32, 34 今回報告した C ADSに. p u t e rA p p l i e dDementiaS c a l e (CADS) の有用'性につい. よる認知機能障害の評価法の活用は,このような近 年の精神医療の要請に寄与することが期待される. 謝 辞 稿を終えるにあたり,ご指導,ご高閲いただきました近畿大. 0:81-92 て:横断的・縦断的研究.近畿大医誌3. i d e h i r oShimowada,E i j iKirime,DaisukeK i t a h a t a, 1 8 .H A i r i Na o i,YokoOkuno,Kazuhiko Hitomi ( 2 0 0 7 )A New o n e m i n u t ed e m e n t i as c r e e n i n gt e s t( a u t o m a t e d 巴s t sr e p l a c e dby CPU q u a n t i f i c a t i o no ft h edawingt a s s i s t e dp l o t t i n g ) .I n tP s y c h o g e r i a t r i c s19: 165-166 1 9 .稲垣. 中,稲田俊也,藤井康男,八木剛平 ( 2 0 07)等価換. 学臨床心理センターの人見一彦教授に深謝いたします.また,. 算表を利用する際の留意点.精神神経病薬一覧. 直接ご指導いただきました近畿大学医学部精神神経学教室の. 3 4 1 4 1 東京:星和書庖, 1. 下和田英洋先生,向井泰二郎前准教授に心から感謝いたしま す.また,統計解析に関してご助言いただきました関西福祉科 学大学美濃哲郎教授に感謝申し上げます.. 文. 献. 1 .H arvey PD,Sharma T ( 2 0 0 2 )U n d e r s t a n d i n g and. 1i n i c i a n ' s T r e a t i n gC o g n i t i o ni nS c h i z o p h r e n i a :A c . M a r t i nD u n i t,UK . (丹羽真一,福田正人訳 handbook ( 2 0 0 4 ) 統合失調症ハンドブック.東京:南江堂) 2 .G reen MF ( 1 9 9 6 ) What Are t h eF u n c t i o nC o n s e .. q u e n c e so fN e u r o c o g n i t i v eD e f i c i t si ns c h i z o p h r e n i a s y c h i a t r y153・321-330 AmJP. 2 0 0 7年版,. 2 0 . 北村俊則 ( 2 0 01)簡易精神症状評価尺度.加藤正明編集代 1 9 表.縮刷版精神医学事典,東京;弘文堂, 1 2l.横田正夫 ( 2 0 0 1 )心理検査.野村総一郎,樋口輝彦編集. 0 5 1 1 1 標準精神医学,東京:医学書院, 1 2 2 .B e l lM DandMisharaAL( 2 0 0 6 )D oesn e g a t i v es y m p -. tomchanger e l a t et on e u r o c o g n i t i v echangei ns c h i z o p h r e n i a ?I m p l i c a t i o nf o rt a r g e t e dt r e a t m e n t s .S c h i z o p h r e n i aR e s e a r c h81: 17-27 9 9 )神経生理学.松下正明総編集.精神分裂 2 3 . 丹羽真一(19 6 9 1 9 9 病1.臨床精神医学講座 2 東京:中山書庖. 1 2 4 . Americanp s y c h i a t r i ca s s o c i a t i o n( 1 9 9 5 )D i a g n o s i t i c. ands t a s t i c a lmanualf o rm e n t a ld i s o r d e r sIV 精神疾患.
(7) コンビュータ応用簡易知能スケール ( ComputerAppliedDementiaS c a l e ) を用いた統合失調症患者の認知機能の研究 1 4 7 の分類と診断の手引(高橋三郎,大野裕,染谷俊幸訳)東京: 医学書院. 2 5 . 兼田康宏, LeeM A,ParkS,J a t h i l a k eK andMeltzer HY ( 2 0 0 5 ) 統合失調症の認知障害と就労.精神障害リハ 9:68~69 2 6 . 林 勝 造 , 一 谷 彊 ( 19 7 3 )陳旧性分裂病・うつ状態にみ られる特徴.バウム・テストの臨床的研究.東京:日本文化. 0 1 科学社, 69~ 1 2 7 . 標戸美佐子,平口真理,鳥居方策,柳下道子,吉本博昭, 滝良明( 1 9 8 5 )精神分裂病者と樹木画治療経過との関連 8 3 1 の中で.臨精医l4:1823~ 1 2 8 . 村山隆志 ( 1 9 8 9 )分裂病児の家族画の変遷『家族画の教え るところ .臨床病臥研究I V . 東京:金剛出版. 2 1 1~219 2 9 . 横田正夫,伊藤菜穂子,青木英美,清水修 ( 2 0 0 2 )精 神. 4:8 6 7 分裂病の描画特徴による予後予測の試み.精神医 4 ←. 8 7 5 3 0 . 福田正人 ( 2 0 0 5 )統合失調症の機能回復と脳機能評価.精 神誌 1 0 7:27~36 3 1.上島国利 ( 2 0 07)向精神薬.精神誌 1 0 9:6 0 4~608 3 2 . 稲田 健 ( 2 0 07)統合失調症の治療目標の変化と第三世代 pnJGenHospP s y c h i t r y1 9:300~ 抗精神病薬の役割. J 3 0 6 3 3 . HarveyPD, GreenPD, MeGurkS, RM elzerHY( 2 0 0 3 ) Chage i nc o g n i t i v ef u n c t i o n i n gw i t hr i s p e r i d o n e and o l a n z a p i n et r e a t m e n t : al a r g es c a l e,d o u b l e d l i n d,ran domizeds t u d y . Psychopharmacology1 6 9 :404~411 3 4 . MarderSR,上島国利,中村純,水野雅文 ( 2 0 0 7 )日 0:7l 8~718 本における非定型抗精神薬の展望.臨精薬理 1.
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