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高松塚古墳の墳丘仮整備工事が竣工

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高松塚古墳の墳丘仮整備工事が竣工

 飛鳥美人や星宿図、四神等の極彩色壁画で著名 な高松塚古墳の石室が壁画の保存修理のために発掘・

解体されたことは、記憶に新しいところです。古墳 から取り出された壁画は、現在、修理施設内でカビ の除去作業等が進められていますが、修理が完了す るまでには約10年間を要することが見込まれてい ます。その間、現地では墳丘を1300年前の築造当 初の形状に仮整備して壁画修理の完了を待つことと なりました。このほど墳丘の整備工事が竣工し、

2009年10月24日より一般に公開されています。

 都城発掘調査部では、2004年度から文化庁の委託 を受け、高松塚古墳壁画の恒久保存対策事業にかか る発掘調査に従事してきました。 2006年度および20 07年度に石室解体にともなう発掘調査を実施した後も、

本年6月まで引き続き仮整備のための発掘調査を進 めてきました。今回の墳丘復元は、こうしたこれま での一連の調査成果に基づいたものです。

 高松塚古墳は7世紀末から8世紀初頭頃に築造さ れた二段築成の円墳で、下段部の直径は23m、上段 部の直径は18mあります。 0.354mを1大尺とする当 時の基準尺では、下段部が65大尺、上段部が50大尺 となります。また、北側から南東側にかけて墳丘裾 を取り巻くように、幅2.8〜4m、深さ0.4mの浅い周 溝が検出されました。現地では、こうした調査所見 にそって墳丘や周溝を復元しています。ただし、

遺構面や土層観察用の畦を保護するために、墳丘に は厚さ1mの保護盛土が全面にわたって施され、表 面は芝生で覆われています。

 さて、実際に現地を訪れて整備された高松塚古墳 を眺めると、墳丘の裾や下段テラスが南にむかって やや傾いていることに気づきます。実は、終末期古 墳とよばれる7世紀代の古墳は、風水思想に基づ いて丘陵の南斜面に築造される場合が多く見られ

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匈ぐ︑Z  独立行政法人国立文化財機構  奈良文化財研究所  〒630‑8577奈良市二条町2丁目9‑1 http://www.nabunken.jp/

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るのです。高松塚古墳と同様に極彩色壁画が描かれ たキトラ古墳でも、北側が高く南に傾斜する地をわ ざわざ選んで墳丘が築かれています。復元整備では こうした点まで忠実に再現しているのです。

 このほか墳丘の南東側には、昨年度の発掘調査で 確認された傑詰めの暗渠も復元的に示しています。

この暗渠は、石室周囲に浸透した雨水を墳丘外へと 排水するために墳丘築造以前に予め設置されたもの です。整備では、蝶の詰まった溝が墳丘裾から顔を 出した状態を表現しています。

 また、高松塚古墳の墳丘南側には、1975年にコン クリート製2階建ての壁画保存施設が建設され石室 解体直前まで稼働してきましたが、この重厚堅牢な 施設も仮整備にともない撤去されました。長らく壁 画の保存対策や発掘調査・整備工事等により、間近 で見学することのできなかった高松塚古墳ですが、

こうして親しみやすい姿にリニューアルされました。

この機会に、現地に足を運んでみてはいかがでしょ うか。       (都城発掘調査部 廣瀬覚)

仮整備完了後の高松塚古墳(南東から)

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