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土木学会論文集の完全版下投稿用

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論文

河川技術論文集,第19巻,2013年6月

利根川下流部における河川改修の効果算定法

に関する研究

THE EFEECTIVENESS OF THE RIVER IMPROVEMENTS

IN THE LOWER TONE RIVER

岩谷直貴

1

・福岡捷二

2

・銭谷秀徳

3

Naoki IWAYA, Shoji FUKUOKA and Hidenori ZENIYA

1正会員 工修 株式会社建設技術研究所(〒330-0071 埼玉県さいたま市浦和区上木崎1-14-6) 2フェロー Ph.D 工博 研究開発機構教授(〒112-8551 東京都文京区春日1-13-27)

3国土交通省関東地方整備局 利根川下流河川事務所 計画課長(〒287-8510 千葉県香取市佐原イ4149) In the Lower Tone River, channel dredging and widening have been conducted to respond to the large floods. However, the current river channel has still insufficient capacity for the present design flood. So, it is required the appropriate river improvement works in the future, and therefore it is important to clarify the changes in cross-sections and effectiveness of the past river improvement works.

We investigated changes in the characteristics of channel shape resulting from the channel widening by using non-dimensional plan shape parameters. The result provided that there was little difference of characteristics of plan shape between the natural meandering channel and the Lower Tone River after river improvement works in spite of conducting the channel widening. Furthermore, we suggested the effectiveness of the river improvement works in the Lower Tone River by using Fukuoka’s equation.

Key Words : the Lower Tone River, river improvement works, channel widening and dredging, flood flow, channel shape, Fukuoka’s equation

1.

はじめに

利根川下流部では大規模な洪水の発生に伴って,河道 改修のための低水路の浚渫・拡幅などが行われてきた. また骨材の需要による砂利採取も行われ,縦横断的,平 面的に河道が変化し,現在に至っている.この間に,河道 では流下能力が向上する一方で,湾曲部内岸での土砂の 堆積や河岸際で深掘れが数多く発生するなどの問題も顕 在化した.現在の河道においても,計画高水流量に対し て,未だ整備途上の段階であり, それに加えて,気候変化 による洪水規模・頻度の増大化によって, 河道周辺にお ける浸水・氾濫の危険性が高まることが予想される.こ のことから, 今後に向けて新たな河道改修方策が必要と なる.まずは,過去の改修工事がどのような経緯で行われ, それらの改修の効果はどうであったのかを個々の河川で 明らかにし,治水施設による河川改修の今後のあり方の 検討につなげることが重要である. これまで著者らは,利根川下流部における河道改修の 経緯を過去の工事資料等に基づいて詳細に調べ,各代表 洪水の水理量,河道平面形状の経年変化から,洪水流に対 応する河道縦横断面形状の断面変化を明らかにした1). また, 布川狭窄部周辺河道(85.5km~66.5km)において, 昭和56年から昭和58年に発生した5洪水を対象に,浚渫・ 拡幅を取り込んだ洪水流・河床変動解析を行い,浚渫・ 拡幅工事と洪水流による河道断面の変化等を見積もり, 昭和56年から昭和58年に行われた河道改修の効果を評価 した2).しかし,長期間にわたり,大きな費用を要して行わ れてきた河道改修については必ずしも十分な検討が行わ れていず, これまでの知見を活かして,どの場所を,どの ような方法で,改修を行うか等判断するには,不十分であ る.本論文では,利根川下流部において行われてきた,特 に拡幅・浚渫による河幅や河床高の改修効果について検 討を行う.まず,低水路拡幅前後の河道を対象に,岡田ら によって作図された河川の蛇行低水路の無次元平面形状 を表した図3)を用いて,改修工事前後の低水路平面形状の 特性について検討する.次に,代表的な洪水を対象に,沖 積地河川において治水,環境上,安定した河道断面を表わ すと考えられている福岡の無次元河幅,水深の式4)を用い て,河幅や河床高等の河道改修の効果を検討する.

(2)

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0 55.0 60.0 65.0 70.0 75.0 80.0 85.0 -9 -7 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11 13 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0 55.0 60.0 65.0 70.0 75.0 80.0 85.0 取手(85.3km) 太田新田(16.7km) 一之分目(31.2km) 横利根(40.1km) 川尻(44.5km) 金江津(54.7km) 新川(58.3km) 須賀(66.4km) 布川(76.5km) 押付(78.5km) 幅 (m ) 堤間幅 低水路幅 S36 H19 S36 S47 S55 H07 H17 縦断距離 (km) 水位・河床 高 (Y .P .m ) 縦断距離 (km) S34.8 観測水位 ピーク流量 6300m3/s S47.9 観測水位 ピーク流量 5800m3/s S47.9 痕跡水位 S57.9 痕跡水位 ピーク流量 7800m3/s H10.9 痕跡水位 ピーク流量 8600m3/s H19.9 痕跡水位 ピーク流量 7200m3/s 低水路平均河床高 S36 S47 S55 H10 H19 -11.0 -9.9 -8.8 -7.8 -6.7 -5.6 -4.5 -3.5 -2.4 -1.3 -0.2 0.8 1.9 3.0 河床高(Y.P.m) 図-2 利根川下流部の洪水ピーク時水位・低水路平均河床高縦断図 図-1 対象区間 単断面 複断面 Flow b) 55km~31km 図-4 利根川下流部(80km~31km)における昭和36年と平成19年の河床高コンター Flow 平成19年 (拡幅後) 昭和36年 (拡幅前) 平成19年 (拡幅後) 昭和36年 (拡幅前) 取手(85.5km) 佐原(40.0km) 河口堰(18.5km) 狭窄部 押付78.5km 須賀 66.4km 金江津54.7km 川尻44.5km 横利根40.1km 一之分目31.2km 布川76.5km 水位観測所 太田新田16.7km 河口(0.0km) 築堤(S55~S58) 引堤(S36~S39) a) 80km~55km 図-3 利根川下流部の低水路幅・堤間幅縦断図 Flow カラーページ希望

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2.河道改修による低水路平面形状の経年変化

対象区間は,図-1に示す利根川下流事務所の管理区間 である 85.5km~0.0kmであり,丸は水位観測所を示す.図-2,3は昭和36年から平成19年までの対象洪水のピーク時 水位・低水路平均河床高縦断図,低水路幅・堤間幅縦断 図を示す. 経年的な低水路の拡幅・浚渫工事により,河 道は,縦横断的に大きな変化が生じ,その結果,各改修工 事後に発生した洪水(昭和47年9月,平成10年9月洪水) は,各改修工事前に発生した洪水(昭和34年8月,昭和57 年9月)に比べ,水位が低下し,改修の効果が上がってい るのが分かる.図-4は,利根川下流部の低水路拡幅前の昭 和36年と拡幅後の平成19年の河床高コンターを示す. 低 水路の拡幅によって,平成19年の低水路河道は,平面的に も大きく変化している.次に低水路の平面形状特性の変 化を明らかにする. 図-5は,岡田ら3)により蛇行河川の無次元低水路平面形 状を表現した図である. この図は蛇行流路の低水路中心 線をSine-generated curveで近似できると仮定した上で,図 -6に示す低水路の平面形状特性を表す低水路幅bmc,蛇行 振幅Amp,蛇行波長Lを無次元化し,それぞれの関係を示 したものである. 縦軸の2Amp/Lは蛇行度を表すパラメー タであり,横軸のbmc/(2Amp+bmc)は,値が大きいほど直線河 道に近づく.図中の曲線は,bmc/Lが各値をとるときの縦 軸の2Amp/Lと横軸のbmc/(2Amp+bmc)の関係を示す.表-1は, 昭和36年と平成19年の検討区間の平面形状の諸元を示し, これらの値は,図-5にプロットされている. 表-1に示す 改修前後の各bmc/Lの実測値は,図-5の曲線群bmc/Lのそれ ぞれの値とほぼ対応している.また改修後のbmc/Lは,0.03 から0.06に集中し,bmc/(2Amp+bmc)は0.5以下の範囲であり, 他河川における無次元平面形状の傾向と同様であり3),改 修後の低水路河道においても,平面形は大きくは変わっ ていないことがわかる.その中でも,69.0km~62km区間, 43.0km~33.5km区間,38.5km~26km区間の各蛇行部で は , 特 性 値 の 変 化 量 が 大 き い . 特 に , 各 区 間 の bmc/(2Amp+bmc)の変化量は2Amp/Lの変化量に比べて大きく, 低水路の拡幅による影響が大きい.そのため,図-4に示す 低水路拡幅後のbmc/(2Amp+bmc)の変化量が大きい蛇行部は, L 2Amp bmc bmc/L L 2Amp bmc bmc/L 80.0km~69.0km 8830 3040 261 0.030 8830 2850 294 0.033 69.0km~62.0km 6500 1330 262 0.040 6500 1200 356 0.055 66.0km~58.0km 6750 1580 278 0.041 6750 1460 345 0.051 62.0km~52.5km 8500 2350 292 0.034 8500 2350 358 0.042 47.5km~38.5km 7670 1460 300 0.039 7670 1420 366 0.048 43.0km~33.5km 8200 1200 328 0.040 8200 1080 441 0.054 38.5km~26.0km 12000 2340 316 0.026 12000 2125 449 0.037 S36 H19 表-1 利根川下流部における昭和36年と平成19年の平面形状特性の諸元

0

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L bmc

(

mp mc

)

mc b A b + 2 低水路幅/蛇行帯幅 蛇行振幅 /蛇行波長 L Amp 2 低水路幅/蛇行波長 図-5 無次元平面形状の関係3) 図-6 平面形状パラメータの定義

蛇行波長

L

蛇行帯幅

2Amp+bmc

低水路幅

bmc

低水路中心線

Sine-generated curve 2

×蛇行振幅

2Amp 8 6 6 6 4 4 3 8 6 6 6 4 4 3 80.0km~69.0km 69.0km~62.0km 66.0km~58.0km 62.0km~52.5km 47.5km~38.5km 43.0km~33.5km 38.5km~26.0km S36 H19 0.020.04 0.060.08 流量 (m3/s) 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 S34 S36 S38 S40 S42 S44 S46 S48 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H01H03H05H07H09H11H13H15H17H19 計画高水流量 (布川) 計画高水流量 (取手) S34.8洪水 S47.9洪水 S57.9洪水 H10.9洪水 H19.9洪水 図-7 年最大流量 取手(85.3km) 布川(76.5km)

(4)

直線形に近づいていることがわかる.

3.無次元河道形成流量と無次元河幅・水深の関

係からみた改修効果の把握

昭和55年までの利根川の治水計画は,その時々に発生 した既往最大流量に対応するように改修が行われていた. 図-7の年最大流量に示すように昭和34年8月洪水,昭和479月洪水,昭和57年9月洪水,平成10年9月に発生した洪 水流量は,その時その時の既往最大流量よりも大きかっ たことから,この流量を河道形成流量とする大きな河道 災害が生じた.このため,再度災害を防止する目的で, 発生した河道形成流量を計画高水流量とする川幅,水深 の断面に改修が繰り返し行われてきた. 福岡は, 治水上,環境上望ましい河道断面は,式 (1),(2)に示す無次元河道形成流量に対する無次元河幅と 無次元水深の関係で表現できることを示している4). 図-8は,利根川下流各地点における改修工事前後の無 次元形成流量と無次元河幅・水深の関係を示す.ここで, Q:河道形成流量,B:水面幅,h:断面平均水深,I: 水面勾配,dr:代表粒径(=d60),g:重力加速度である. 矢印は,改修工事が行われた時期・内容を示す. 利根川下流部の河道断面は,図-3に示すように18.5km より上流部において,複断面形であり,各洪水のピーク 水位は高水敷高よりも高かったため,水面幅は堤間幅と なっている.引堤工事は一部の区間しか,行われなかっ たため,無次元河幅は,無次元河道形成流量の増加に 伴っても,ほとんど変化せず,全体平均曲線式付近に集 中している.しかし,無次元水深は平均式よりも下に分 布している.上下流部に比べ,堤間幅が十分広い取手 (85.3km)と須賀(66.4km)では,無次元河幅は上限式より も大きく,他の区間よりも河幅が十分広いことがわかる. そのため,特に取手(85.3km)付近では低水路の拡幅は行 われなかった(図-3).狭窄部に位置する布川(76.5km) 8

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d

B

r

d

h

5 r

gId

Q

40 . 0 5 80 . 2        = r r gId Q d B 0.40 5 33 . 6        = r r gId Q d B 40 . 0 5 25 . 4        = r r gId Q d B 上限曲線式 全体平均曲線式 下限曲線式 図-8 改修工事前後の無次元河道形成流量と無次元河幅・水深の関係 S34.8 S47.9 H19.9 取手85.3km 押付78.5km 布川76.5km 須賀66.4km 金江津54.7km 川尻44.5km 横利根40.1km 一之分目31.2km 太田新田16.7km 取 押 布 須 金 川 横 太 取 押 布 須 金 川 横 太 太 太田新田16.7km (S36以前の河道) 低水路の縮小 改修工事 低水路の拡幅 38 . 0 5 14 . 0        = r r gId Q d h 0.38 5 13 . 0        = r r gId Q d h 上限曲線式 全体平均曲線式 (2) (1) 40 . 0 5 40 . 0 5 6.33 80 . 2        ≤ ≤         r r r gId Q d B gId Q 0.38 5 14 . 0        ≤ r r gId Q d h 図-9 布川狭窄部の航空写真(平成11年)

(5)

では,無次元河幅は下限式よりも小さく,それ故に無次 元水深は上限式より大きくなっている.図-9の航空写真 に示すように狭窄部では,両沿岸部において人家が密集 しており,また,狭窄部下流部への大洪水流下を避ける戦 略的な治水の考え方から,引堤工事は行われなかった.そ の結果,無次元河道形成流量の増加に伴って,それぞれ の平均式に対して,無次元河幅は小さくなり,無次元水 深は大きな値を持つ.しかし,狭窄部上下流の浚渫によ り,昭和41年以降,浚渫が行われなかった5)布川狭窄部で も経年的に河床低下が生じ,大きな深掘れが存在してい る(図-2).しかし,平成10年以降は,図-7に示すよう に年最大流量より,大きい洪水が発生しているにもかか わらず,河床低下はほとんど進行していない.その理由 は以下のように説明される.図-10の77.0kmから76.0km区 間における平成22年のボーリング調査による地質横断図 に示ように,76.5km上流部では,河床表面が沖積層に比べ 侵食されにくい洪積砂質土層で覆われている.76.5km下 流部では,徐々に河床表層が洪積層から沖積層へと変化 しており,76.2km下流部では,地中全体が沖積層で構成さ れている.現在は, 洪積砂質土層によって河床高が維持 されている.76.5kmより上流でも,盛土層の下には,沖積 層が存在しており, 特に低水護岸が整備されていない 76.5kmから76.0km区間の右岸では,河岸際での洗掘が生 じることが懸念され,対応が必要となる. 次に改修工事が行われた区間について検討する.単断 面河道である18.5km下流部において,昭和36年以前は, 図-11 a)の昭和22年の航空写真に示すように,低水路幅1200mと広く,中州ができるほど土砂の堆積が顕著で あった.図-8に示すように,その時の太田新田(16.7km)の 無次元河幅は上限式を上回り,無次元量の関係からも, 河幅が著しく広かったことがわかる.昭和36年までには, 堆積した箇所において浚渫が行われ,その土砂を用いて, 高水敷造成が行われた.その結果,図-11 b)の平成11年 の航空写真に示すように,改修前に比べ,低水路幅は狭く, 昭和36年以降では,無次元河幅は上限値よりも小さくな り,これまで起こった流量に対しては,適切な河幅と なっている.18.5km上流部では,各区間において,低水 76.0k 76.1k 76.2k 76.3k 76.5k 76.6k 76.7k 76.8k 76.9k 77.0k 低水護岸 堤防護岸 Flow 76.4k 図-10 布川狭窄部(77.0km~76.0km)の地質状況 横断方向 縦断方向 埋土層 沖積粘性土層 沖積砂質土層 洪積砂質土層 洪積粘性土層 a) 昭和22年(低水路縮小前) b) 平成11年(低水路縮小後) 図-11 16km~8km区間の低水路縮小前後の航空写真

(6)

路の拡幅や浚渫が行われてきた.無次元河道形成流量に 対する無次元河幅・水深の関係では,無次元河道形成流 量の増加に伴っても,無次元河幅は,ほとんど変化して いない.それにもかかわらず,無次元水深は,平均式か ら下にプロットされている.これは,図-2に示す低水路 の拡幅・浚渫工事により水位低下が生じ,低水路の流下 能力が向上したためである.そのため,無次元河幅は, 平均式に集中している一方,無次元水深は,平均式より も小さくなっている.このことから,利根川下流部では, 再度災害を防ぐために,既往最大流量に応じるよう,低 水路の拡幅・浚渫工事が繰り返し行われた結果,各段階 の目標とする流量に対し,比較的余裕のある河道断面へ と変化してきた.しかし,利根川下流部の計画高水流量 は,図-7に示すように平成19年9月洪水の流量規模より も十分大きい.そのため,無次元河幅は,現在よりも下 限式に近付くことになり,河幅に余裕がなくなることが 想定される.そのことに対し,今後どのように河道改修 を進めていくべきか,これまでの河道改修の経緯や図-8 に示した無次元量間の関係等を用いて,十分検討し,合 理的な治水計画をたて実行していくことが重要である.

3.結論

本研究では,低水路拡幅や浚渫による低水路河道の平 面的な変化や河床高の変化に着目し,改修工事前後にお ける低水路形状特性について検討した.また,無次元河道 形成流量と無次元河幅・水深の関係を用いて,河道改修 の効果を検討した. 以下に本研究の結論を示す. 1) 岡田らの蛇行流路の無次元平面形状について導かれ た関係式より, 利根川下流部の低水路平面形は,低 水路拡幅後においても蛇行河川の平面形から大きく は変わらないが,経年的な改修によって低水路線形 は徐々に直線形に近付いていることを示した. 2) 利根川下流部では,既往最大流量の洪水が発生する 度に,その洪水に対応するよう,河道改修が行われた. その結果,各改修計画の契機となった計画高水流量 は,河道形成流量であった.このことから,無次元河 道形成流量に対する無次元河幅,水深の関係より,各 段階の計画高水流量に対して,比較的余裕のある河 道断面形に改修してきたことを示した.低水路の改 修工事では,無次元河道形成流量の増加に伴っても, 無次元河幅は,ほとんど変化しないことから,無次 元水深が福岡式に対し,どのように変化してきたか を見ることで,河道改修の効果を判断する上で重要 であることを示した. 3) 布川狭窄部は,下流河道に対して重要な治水上の役 割を果たすことから,積極的な改修が行われなかっ た.このため,無次元河道形成流量の増加に対し,無 次元河幅は必要幅より小さくなっている.しかし,狭 窄部上下流の浚渫により狭窄部の洗掘が誘発され, 河床低下が進行した.しかし平成10年以降は,河床 表層に露出した耐洗掘性の洪積砂質土層により,河 床高を維持していることが明らかになった.

参考文献 1) 岩谷直貴,福岡捷二,銭谷秀徳:利根川下流部における河道 改 修 の 経 緯 と そ の 効 果 , 土 木 学 会 論 文 集B1( 水 工 学),Vol.69,No.4,I_1003-1008, 2013. 2) 岩谷直貴,茂呂康治,福岡捷二:利根川下流部における布川 狭窄部周辺河道の経年変化とその解析, 土木学会論文集 B1(水工学),Vol.68,No.4,I_1135-1140,2012. 3) 岡田将治,福岡捷二:複断面河道における洪水流特性と流砂 量・河床変動の研究,土木学会論文集,No.754/Ⅱ-66, pp.19-31,2004. 4) 福岡捷二,坂口達哉:無次元流量に対する無次元河幅・水深 のとる範囲と整備途上河川への適用, 土木学会論文集B1(水 工学),Vol.68,No.4,I_1423-1428,2012. 5) 建設省関東地方整備局:利根川百年史,1987. (2013.4.4受付)

参照

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