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2. アラブ首長国連邦 (UAE) の特徴 (1) 連邦概要 独立 :1971 年 (1892 年から英国の保護領 ) 政策や法律 規則等で英国の影響が強い国造り 政体 :7 つの首長国による連邦制 ただし石油 経済開発は各首長国の権限 連邦政府は外交 軍事 通貨 金融等所管 人口 :826 万人

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(1)

中東・北アフリカ市場の可能性とUAEの経済情勢、ドバイの役割

(2)UAEの軽罪情勢、ドバイの役割

2014年11月

日本貿易振興機構(ジェトロ)

ドバイ事務所長

渡邊 全佳

ドバイの風景の変化

~左右いずれもシェイク・ザ―イド通り沿いのほぼ同じエリアの街並み。(左:1992年頃、 右:現在)

ドバイ政府観光商務局提供 撮影:ジェトロ 本オンラインセミナーで提供している情報は、ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。ジェトロでは、できるだけ正確な情報の提供を心がけ ておりますが、本オンラインセミナーで提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、ジェトロ及び執筆者は一切の責任 を負いかねますので、ご了承ください。

(2)

2.アラブ首長国連邦(UAE)の特徴

(1) 連邦概要

<7首長国>

・アブダビ Abu Dhabi

・ドバイ Dubai

・シャルジャ Sharjah

・ウンム・アル・カイワイン Umm al-Quain

・フジャイラ Fujairah

・アジュマン Ajman

・ラス・アル・ハイマ Ras al-Khaimah

• 独立:1971年(1892年から英国の保護領)

⇒政策や法律・規則等で英国の影響が強い国造り

• 政体:7つの首長国による連邦制

※ただし石油・経済開発は各首長国の権限。連邦政府は外交、軍事、通貨、金融等所管。

• 人口:826万人。うち自国民95万人(2010年央、国家統計局推計) 。

※政府統計でも異なる数字があるが、800~900万人が妥当な水準か。

• 面積:8万3,600km2(北海道程度)

ドバイは3,885km2で埼玉県程度

図.UAE国旗

アラブ首長国連邦

1.アブダビ 2.ドバイ 3.シャルジャ 4.ウンム・アル・カイワイン 5.フジャイラ 6.アジュマン 7.ラス・アル・ハイマ 1 2 3 4 5 6 7

カタール

サウジアラビア

オマーン

Image: ジェトロ作成

(3)

2.アラブ首長国連邦(UAE) の特徴

(2) 異なる首長国事情

表 UAEのGDP、自国民人口、失業率(首長国別)

(単位:ドル、%、人)

支出項目

GDP

自国民人口

失業率

金額(100万)

構成比

1人当たり

全体

270,335

100.0

32,968

947,997

4.2

アブダビ

162,405

60.1

59,694

404,546

5.5

ドバイ

80,097

29.6

28,438

168,029

1.8

シャルジャ

16,595

6.1

10,506

153,365

4.2

アジュマン

3,781

1.4

9,137

42,186

4.5

ウンム・アル・カ

イワイン

630

0.2

7,045

17,482

4.2

ラス・アル・ハイマ

4,285

1.6

11,801

97,529

5.9

フジャイラ

2,541

0.9

11,715

64,860

7.5

【注】GDP指標は2009年暫定値。失業率は2009年。自国民人口は2010年央推定値。UAE中央統計局の公表する統 計は一部の指標を除いて概して速報性に乏しく、現在同局ウェブサイトで確認できる最新値。

【写真】(首長府ウェブサイトより)

左:ムハンマド副大統領兼首相(ドバイ首長)

右:ハムダン・ドバイ皇太子(首長の息子)

•圧倒的なアブダビの地位(原油生産の9割、国土の8割、GDPの6割、自国民の4割強)

⇒ 首都とUAE大統領職はアブダビ(首長家はナヒヤーン家)

•アブダビに次ぐドバイ(GDPの3割。ビジネス・ハブとしてMENA地域随一の地位を確立)

⇒ ドバイ首長がUAE副大統領兼首相職を務める(首長家はマクトゥーム家)

•残り5つの北部首長国は1人当たりGDPも相対的に低い水準。財政的にアブダビに依存。

【写真】(大統領府ウェブサイトより)

左:ハリーファ大統領(アブダビ首長)

右:ムハンマド・アブダビ皇太子(首長の弟)

(4)

2.アラブ首長国連邦(UAE)の特徴

(3)対照的なアブダビとドバイ

• アブダビは石油・ガス中心の経済構造。しかし、近年は安価な原料コストを活かした製造業

育成や文化・観光振興等による産業多角化に注力している。

• ドバイは資源に乏しいことから、多様なフリーゾーン開設や港湾・空港開発等インフラ整備を

大胆に推進し、非石油部門育成に成功。商業、物流、観光等のサービス業の比率が高い。

農林水産業. 0.6% 鉱業, 56.0% 製造業, 5.5% 電力・ガス・水道業, 2.2% 建設業. 9.3% 卸・小売・貿易・修理 業. 3.4% 運輸・倉庫・通信業. 5.6% 飲食・宿泊業. 1.0% 金融業. 3.7% 不動産・ビジネスサー ビス業. 7.8% 政府サービス. 3.7% 社会・個人サービス 業. 2.1% 家庭内サービス業. 0.2%

アブダビの名目

GDP

(2012年) 2,482億ドル (UAE全体の66.7%) 出所:アブダビ統計センター 農林水産業, 0.1% 鉱業, 2.5% 製造業 , 13.4% 電力・ガス・水 道業, 2.2% 建設業, 7.8% 卸・小売・貿易・修 理業, 28.9% 飲食・宿泊業, 4.4% 運輸・倉庫・通信 業, 15.0% 不動産・ビジネス サービス業, 12.9% 社会・個人サービ ス業, 3.2% 金融業, 11.0% 政府サービス, 5.7% 家庭内サービス 業, 0.5%

ドバイの名目

GDP

(2012年) 909億ドル (UAE全体の24.4%) 出所:ドバイ統計センター

(5)

出所:IMF世界経済見通し2014年10月版(2012年以降は予測値)

注 :UAE当局の数値とは異なる場合がある。

2.UAE経済情勢

(1)GDP-ドバイ・ショックから着実に回復

・イラク戦争以降、油価高騰とオイルマネーの流入で高度成長を遂げる

・世界金融危機による油価下落やドバイ・ショックで09年にマイナス成長転落

・10年以降、危機から着実に回復。11年以降は油価高騰で高成長、GDPも過去最高

・アブダビ・ドバイ各首長国は、今後数年の予測として4~5%成長の強気の見通し

12.3 1.8 2.4 8.8 9.6 4.9 9.8 3.2 3.2 -5.2 1.6 4.9 4.7 5.2 4.3 4.5 4.4 4.4 4.5 4.6 -8.0 -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 0 100 200 300 400 500 600 (左軸)国内総生産(GDP) 10億ドル (右軸)実質GDP成長率 %

予測値

(6)

・経常黒字は2013年に微減も、過去最高水準を維持。

・サービス収支や経常移転収支の赤字を莫大な貿易黒字で補う構造

出所:UAE中央銀行

89,494 132,375 72,132 81,818 28,824 26,595 187,110 253,260 237,546 △ 400,000 △ 300,000 △ 200,000 △ 100,000 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 経常移転収支 所得収支 サービス収支 貿易収支 経常収支

2.UAE経済情勢

(2)国際収支- 巨額の経常黒字を計上

(7)

・消費者物価上昇率はバブル期に10%超も、近年は低位で推移。

・低インフレの要因だった住宅費が2013年から上昇の兆し。物価上昇圧力高まる見込み。

・政府は、不動産賃料や生活必需物資、

教育費等の価格引き上げ規制を

導入し、急激な変化を抑制へ。

2.UAE経済情勢

(3)消費者物価-バブル期のインフレは収束

1.3 2.8 2.9 3.1 5.0 6.2 9.3 11.1 12.3 1.6 0.9 0.9 0.7 1.1 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

図.UAEの消費者物価上昇率推移

%

表. UAEの消費者物価指数(CPI)上昇率(支出項目別:2011~2013年)

(単位:%)

支出項目

ウェート

CPI上昇率

2011年

2012年

2013年

全体

100.0

0.9

0.7

1.1

住宅

39.3

△ 2.4

△ 2.6

0.3

食品・非アルコール飲料

13.9

5.9

5.2

2.7

運輸

9.9

3.7

0.2

1.0

衣類・靴

7.6

△ 1.9

2.4

0.3

通信

6.9

0.0

0.0

△ 0.0

レストラン・ホテル

4.3

0.8

4.1

1.9

家具・家庭用品

4.2

3.6

2.1

0.9

教育

4.0

3.7

4.5

5.4

娯楽・文化

3.1

4.6

0.2

0.9

医療

1.1

0.5

1.1

0.4

アルコール飲料・タバコ

0.2

2.2

6.4

14.3

その他財・サービス

5.3

3.9

1.6

△ 0.2

【出所】UAE国家統計局

【注】ウェートは、同局の直近データ『CPI年報2010年版』記載のもの。

(8)

2.日本・UAE経済関係

~日本の対UAE貿易動向

・日本は機械類を輸出し、鉱物性燃料を輸入。大幅な入超構造。

・13年は、輸送機械以外が振るわず、前年比5.1%減。海外企業との競争激化により

日本企業が生産・輸出拠点をアジアにシフトさせていることも要因。

・一方、輸入も原油価格の下落などにより微減。

2012年

2012年

金額

金額

構成比

伸び率

金額

金額

構成比

伸び率

輸送機械

4,493

4,638

54.6

3.2 鉱物性燃料

43,307

41,911

98.6

△ 3.2

一般機械

1,519

1,215

14.3

△ 20.0

原油

33,440

33,279

78.3

△ 0.5

ゴム製品

563

531

6.2

△ 5.8

液化天然ガス

4,978

4,731

11.1

△ 5.0

鉄鋼製品

591

464

5.5

△ 21.4

液化プロパン

2,338

1,994

4.7

△ 14.7

電気機械

616

445

5.2

△ 27.8

軽質油・調製品

1,732

1,154

2.7

△ 33.4

特殊品(再輸出品)

224

308

3.6

37.4

液化ブタン

788

710

1.7

△ 9.9

鉄鋼

263

203

2.4

△ 22.6 アルミニウム

553

516

1.2

△ 6.7

合計(その他含む)

8,956

8,496

100.0

△ 5.1 合計(その他含む)

43,982

42,521

100.0

△ 3.3

〔出所〕 財務省「貿易統計(通関ベース)」から作成。

輸出

輸入

2013年

2013年

(9)

表.ドバイの2014年度予算( 【左】歳入、【右】歳出)

3. ドバイ

~ ヒト、モノ、カネを誘致し、各種の手数料収入で稼ぐ

・ドバイの財源は、各種の手数料(企業のライセンス取得料・更新料、不動産売買や

ホテル宿泊の手数料、ビザ手数料等)に大きく依存。そのほか税収(関税や石油会社・

銀行が支払う法人税)やわずかながら算出する原油からの収入もあり。

・歳出は公的セクターの人件費や、行政機関の整備・運営に要する費用が大半。

・2014年度予算は、歳入が前年比13.4%増の370億DH、歳出が同11.0%増の379億DHで、

9億DHの財政赤字。赤字幅は同41.2%減で、対GDP比では0.26%と低い水準。

歳入, 0%

手数料収

入, 67%

税収, 21%

原油収

入, 9%

投資配

当, 3%

出所:ドバイ金融庁

歳出, 0%

給与・賃

金, 37%

財・サー

ビス, 32%

インフラ・

プロジェク

ト, 17%

債務利払

い, 11%

資本支

出, 3%

(10)

3. ドバイ

~ドバイ・ショックを乗り越え、再び成長軌道に

・急成長を牽引した建設・不動産部門のバブルが2009年に崩壊するも、ドバイ経済の

従来からの基盤である『3T(運輸、貿易、観光)』の回復は早く、再び成長軌道へ。

・アルミやケーブル、食品加工・包装等の製造業も着実に発展し、基幹産業の一つに。

・ドバイ経済開発局は、2012年~2015年の平均成長率として4.6%を予想。

表.ドバイGDPの業種別伸び率と構成比

構成比

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年

全体

3.5

△ 4.3

3.5

3.0

4.1

4.6

100.0

 非金融部門

4.7

△ 6.4

2.7

3.5

4.0

5.0

90.2

  卸・小売・修理サービス業

1.3

△ 6.2

4.5

7.5

1.4

3.5

29.2

  運輸・倉庫・通信業

△ 0.9

7.4

9.2

2.7

7.3

5.6

14.8

  製造業

10.1

6.2

10.1

3.2

3.6

8.1

13.7

  不動産・ビジネスサービス業

1.1

△ 19.8

△ 2.6

△ 2.6

5.4

4.7

13.2

  建設業

18.2

△ 19.5

△ 14.7

△ 5.7

△ 4.2

1.3

7.7

  レストラン・ホテル業

0.6

4.6

6.3

14.7

16.9

13.0

5.8

 金融部門

7.5

6.3

△ 3.8

4.5

2.2

3.6

11.2

 政府サービス部門

19.3

36.8

20.9

△ 5.2

0.4

1.0

5.3

【出所】ドバイ統計センター統計に基づきジェトロ作成

【注】①2006年が基準年。②2011年及び2012年を除き暫定値。

③主要部門のみを抽出したため、構成比合計は全体の値と一致しない。

伸び率

2013年

(単位:%)

(11)

•2003年から2008年までの高成長下、世界の主要港としてのプレゼンスを着実に拡大。

•近年は中国の新興港の追い上げにより順位を下げるも、取扱量自体は順調に増加。

3. ドバイ

~中東最大、世界有数のジュベル・アリ港

世界の港湾のコンテナ貨物取扱量(順位) 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 1 香港 香港 シンガポール シンガポール シンガポール シンガポール シンガポール 上海 上海 上海 上海 2 シンガポール シンガポール 香港 香港 上海 上海 上海 シンガポール シンガポール シンガポール シンガポール 3 上海 上海 上海 上海 香港 香港 香港 香港 香港 香港 深圳 4 深圳 深圳 深圳 深圳 深圳 深圳 深圳 深圳 深圳 深圳 香港 5 釜山 釜山 釜山 釜山 釜山 釜山 釜山 釜山 釜山 釜山 釜山 6 高雄 高雄 高雄 高雄 ロッテルダム ドバイ 広州 寧波 寧波 寧波 寧波 7 ロサンゼルス ロッテルダム ロッテルダム ロッテルダム ドバイ 寧波 ドバイ 広州 広州 広州 青島 8 ロッテルダム ロサンゼルス ハンブルグ ドバイ 高雄 広州 寧波 青島 青島 青島 広州 9 ハンブルグ ハンブルグ ドバイ ハンブルグ ハンブルグ ロッテルダム 青島 ドバイ ドバイ ドバイ ドバイ 10 アントワープ ドバイ ロサンゼルス ロサンゼルス 青島 青島 ロッテルダム ロッテルダム ロッテルダム 天津 天津 11 ドバイ アントワープ ロングビーチ 青島 寧波 ハンブルグ 天津 天津 天津 ロッテルダム ロッテルダム 世界の港湾のコンテナ貨物取扱量(万TEU) 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 13/03年比 1 上海 1,127 1,402 1,688 1,963 2,615 2,798 2,500 2,907 3,151 3,253 3,362 298.3% 2 シンガポール 1,841 2,133 2,319 2,479 2,794 2,992 2,587 2,843 2,994 3,126 3,224 175.1% 3 深圳 1,065 1,366 1,590 1,825 2,110 2,141 1,825 2,251 2,257 2,294 2,328 218.6% 4 香港 2,045 2,198 2,260 2,354 2,400 2,449 2,098 2,353 2,440 2,312 2,235 109.3% 5 釜山 1,029 1,142 1,184 1,204 1,326 1,345 1,195 1,416 1,616 1,704 1,769 171.9% 6 寧波 275 401 512 704 936 1,123 1,050 1,314 1,469 1,618 1,735 630.9% 7 青島 424 514 631 769 946 1,032 1,026 1,201 1,302 1,450 1,552 366.0% 8 広州 277 331 460 648 920 1,100 1,119 1,255 1,440 1,476 1,531 552.7% 9 ドバイ 515 643 762 892 1,065 1,183 1,112 1,160 1,300 1,328 1,364 264.9% 10 天津 300 382 480 595 710 850 870 1,008 1,150 1,230 1,301 433.7% 11 ロッテルダム 714 827 923 969 1,079 1,080 974 1,115 1,190 1,187 1,162 162.8% 出所:Containerization International資料よりジェトロ作成

(12)

0 10,000,000 20,000,000 30,000,000 40,000,000 50,000,000 60,000,000 70,000,000 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 人

表 ドバイ国際空港の年間旅客実績

3. ドバイ

~国際旅客世界1位をうかがうドバイ空港

•世界金融危機やドバイ・ショック、『アラブの春』などを経ながらも、一貫して増加。

・2013年は前年比15.2%増の6,643万人(国際旅客数世界第2位。全体でもトップ10入り)。

・空港拡張で2020年には年間取扱能力9,800万人予定。

・第2国際空港としてアール・マクトゥーム国際空港の整備も進む。将来的にはハブ空港に。

【出所】ドバイ・エアポーツ社 【注】 数値はドバイ国際空港の利用者数であり、ドバイ入域者数ではない.

アール・マクトゥーム国際空港

(DWC:ドバイ・ワールド・セントラル)

・ジュベルアリ港、ジュベルアリFZの後背地に建設中のSea &

Airの複合物流都市(面積140㎢=香港島の約2倍)。

・2010年6月に貨物便が、2013年10月に旅客便が開業。

・最終的には滑走路5本、年間1億6,000万人の旅客と1,200万

トンの貨物を扱う「世界最大の空港」を目指す。

・2020年ドバイ万博はDWCエリアで開催予定。

DWCウェブサイトより

(13)

• 2013年のドバイ宿泊客数は前年比10.6%増の1,101万人と過去最高を更新。

• ドバイ政府は2020年までの観光戦略を策定し、観光客2,000万人誘致を目指す。

• 高い消費意欲と観光客需要を見込み、世界の多くの小売企業がドバイに進出。

• 2020年万国博覧会(Expo2020)のドバイ開催が決定。来場者は2,700万人超を見込む。

表.ドバイ宿泊客数の国籍別推移

3.ドバイ

~絶好調の観光産業と、外資進出が際立つ小売業

※棒グラフ(右軸)・・・全宿泊客数

※線グラフ(左軸)・・・主要国別宿泊客数

0 2,000,000 4,000,000 6,000,000 8,000,000 10,000,000 12,000,000 0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 合計 サウジアラビア UAE インド 英国 米国 ロシア クウェート ドイツ オマーン イラン 中国 EXPO2020ウェブサイトより 出所:ドバイ観光・商業マーケティング庁

(14)

3. ドバイ

~再び相次ぐ大型プロジェクト計画

•2012年半ば頃から、政府系企業等による大型開発プロジェクト構想が相次ぐ。

•万博開催のため、ホテル室数を8万室(12年)から14~16万室(20年)へ増やす目標。

ムハンマド・ビン・ラーシド(MBR)シティ

・現ドバイ首長の名前を冠した大型都市開発計画

・10年、450億ディルハムを掛けて建設

・広さは4,320キロ㎡(サッカー場200個分)

・地区内に100棟、20,000室のホテルできる予定。

・世界最大の商業施設「Mall of the World」は7キロに及ぶ

全冷暖房完備のプロムナードを計画。

ブルーウォーターズ・

アイランド

・マリーナ地区沖合の人工島開

発計画

・世界最大の観覧車「Dubai

Eye」を核に、観光・商業・住居な

どの複合開発を計画。

ドバイ運河

・クリークとアラビア海の間の3㎞

を運河で接続。

・大規模ホテルや数百店舗のカ

フェ・レストランを開設し、一大観

光地に。

ザ・ラグーン

・MBRシティの一部として、ク

リーク沿岸部に建設予定の地

域開発プロジェクト。

・現在のダウンタウン地区の3

倍(600万㎡)規模。

デイラ・プロジェクト

・人工島パーム・デイラの1,600

ヘクタールに及ぶ開発計画。

・ホテルや商業施設に加えヨット

ハーバーや海洋施設を整備。

撮影:ジェトロ

(15)

3.ドバイ

~債務問題の行方は引き続き要注視

【出所】IMF (※1)Emirates National Bank of Dubai による政府関係機関への貸付 (※2)DEWA、DIFC、DAE、Borse Dubai、ICD等を含む

(※3)Emar、DIB、CBD等のドバイ政府の持分が5割未満の企業

【出所】IMF (※1)債務保証も含む (※2)ADCB, NBAD, UNB等

(※3)TAQAやIWPPに関する66億ドルのノンリコースローン等

ドバイ政府及び政府系企業の債務とその償還期限

アブダビ政府及び政府系企業の債務とその償還期限

1417億ドル

1050億ドル

○ ドバイ政府は2013年に大規模な繰越と一部の早期返還に成功。総計で微減。2018年が次の山場。

○ EXPO2020におけるインフラ開発にかかる財政支出が更なる財政負担になるため、要注視。

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 それ以降 合計 1.アブダビ政府(※1) 2,057 557 541 527 526 2,026 895 7,129 2.政府系企業合計 17,399 12,949 14,714 9,228 8,859 6,041 28,755 97,945 アブダビ投資庁関係(ADIC)(※2) 2,234 1,655 1,558 1,375 1,646 791 1,924 11,183 アブダビ水電力公社関係(※3) 2,108 1,958 2,191 2,480 2,370 1,466 10,327 22,900 エティハド 383 395 408 421 593 440 1,045 3,685 国際石油投資会社(IPIC) 4,877 3,363 6,465 2,279 3,263 731 11,705 32,683 ムバダラ開発公社(※4) 1,925 1,093 1,286 509 602 2,302 2,366 10,083 観光・開発投資公社 2,092 556 12 12 13 11 100 2,796 その他①(※5) 1,616 804 1,233 662 372 300 115 5,102 その他②(※6) 2,164 3,125 1,561 1,490 0 0 1,173 9,513 19,456 13,506 15,255 9,755 9,385 8,067 29,650 105,074 3.総計 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 それ以降 配分が決まっ ていないもの (※1) 合計 2,020 651 1,289 1,723 20,024 0 3,546 26,079 55,332 5,313 8,460 16,652 12,007 20,267 3,830 19,838 86,367 ドバイ投資庁関係 2,074 1,234 4,193 2,690 5,149 0 4,954 20,294 ドバイ・ワールド社関係(※2) 789 5,870 2,862 4,198 13,123 650 4,841 32,333 ドバイ・ホールディングス社関係 0 31 6,300 3,134 0 1,400 5,200 16,065 その他①(※3) 2,000 1,325 1,355 1,185 1,545 290 3,581 11,281 その他②(※4) 450 0 1,942 800 450 1,490 1,262 6,394 7,333 9,111 17,941 13,730 40,291 3,830 23,384 26,079 141,699 1.ドバイ政府 2.政府系企業合計 3.総計 (※4)Dolphin, EMAL等 (※5)ADPC, GHC, ADNEC等

(16)

3.

(参考)ドバイの首長国系企業系統図

•政府系2(ICD、Dubai World)、首長系1(Dubai Holdings)、その他1の4系統が並存。

(17)

• アフリカや中央アジア、インドといった有望な新興市場へのゲートウェイとしての地位

を確立することで、その成長をドバイの成長につなげる戦略。

• そのために、航空ネットワークを積極的に拡張するとともに、大規模会議や展示会開

催を通じた人的ネットワークの集積も推進。日本企業にとっても活用の価値あり。

下:エミレーツ航空の路線網

~アフリカ路線23都市を、今

後10年で4割超拡大の方針。

3.ドバイ

~周辺の新興市場の成長取り込みを図る

上:格安航空会社フラ

イ・ドバイの路線網

~中東に加え、中央

アジア、東アフリカ、イ

ンド等80都市に直行

便が就航(うち、アフリ

カは12路線)。

アフリカ・グローバルビジネスフォーラ

ムを2013年から開催

~2013年5月開催時には東南部アフリカ共

同市場(COMESA)19ヵ国からの代表団を

含む4,500名が参加。同フォーラムは年次イ

ベント化され、2014年10月に第2回が開催さ

れた。

ドバイ商工会議所も新興市場開拓を

活発化

~新興市場開拓のハブとしてのドバイの地

位を強化するため、ドバイ商工会議所は初

の海外事務所を2012年11月にアゼルバイ

ジャンのバクーに、2013年5月にはエチオピ

アのアジスアベバに開設

エミレーツ航空、フライ・ドバイのウェブサイトより

(18)

3. ドバイ

~躍進の要 多様なフリーゾーン

•外資100%での法人設立可能、スポンサーなしでの支店・駐在員事務所設立可能、自国民雇用義

務・外国送金規制なし、法人税・関税非課税等の優遇制度を持つ経済特区。

•UAE全体で約35のフリーゾーンが存在。うちドバイに約25のフリーゾーンが集中。

名称 首長国 設立年 概要 ジェベル・アリ・フリーゾーン(Jafza) ドバイ 1985年 UAE最初のフリーゾーンで、約6,400社が販売拠点、在庫拠点として進出している。 日系企業はメーカーを中心に約120事業所。 ドバイ空港フリーゾーン(Dafza) 1996年 空港、市内に隣接する立地条件により、直近ではJafzaよりも日系企業の進出が多 い。入居企業は約1,700社。うち日系企業は約65事業所。 ドバイ・インターネット・シティー 2000年 IT関連企業が多数入居。日系ではキヤノン、コニカミノルタビジネステクノロジーズ、 NTTコミュニケーションズ、KDDIなど約10事業所が進出。 ドバイ・メディア・シティー 2001年 報道関係企業のほか、広告代理店、調査会社等も。日系では日本経済新聞社、電 通マーコム、アサツー・ディーケイ、NHKなど約10事業所。 ドバイ・マルチコモディティーズ・センター(DMCC) 2002年 入居企業は7,330社(同FZ発表)とも9,000社とも(同FZウェブサイト)。当初は金、茶 等の商品取引のプラットフォームとして設立された機関。日系は数社が登記。 ドバイ国際金融センター(DIFC) 2004年 外貨建てオフショアバンキングに特化したフリーゾーン。域内金融ハブを目指し急成 長するも、金融危機やドバイ不動産バブル崩壊により2009年以降停滞。しかし2011 年のバーレーン騒乱拡大を受けて同国からDIFCに拠点を移す金融機関もあり、再 活性化の兆しも。2012年3月末時点の入居企業は約1,050社。日系ではメガ3行、三 井物産、三菱商事など10事業所以上が進出。 ドバイ・シリコン・オアシス 2004年 先端産業の研究開発機能誘致を狙う新興フリーゾーン。進出企業は530社強で、日 系では矢崎総業、富士通関連会社などが進出。

シャルジャ空港フリーゾーン(SAIF Zone) シャルジャ 1995年 ドバイのフリーゾーンと比較して事務所賃料が安く、Jafzaなどから移転した企業も。 日系では日野自動車、コベルコ・クレーンなど約15事業所が入居。 ラス・アル・ハイマ・フリートレードゾーン(RAKFTZ) ラス・アル・ハイマ 2000年 イラン、インドなど近隣国の中小規模企業の進出が多く、入居企業は7,000社とも。 2007年12月に日本メッシュ工業がUAEで日本企業初の工場を設立。 トゥーフォー54(twofour54) アブダビ 2008年 アブダビ・メディア・ゾーン庁傘下のメディア産業フリーゾーン。ソニー関連会社がコ ンテンツ制作施設の設立に協力。 マスダル・シティー 2006年 二酸化炭素排出ゼロのコミュニティー内のフリーゾーンで、環境関連企業の誘致を 目指す。2009年より登記受付開始。現在は仮オフィスで営業可能で、60社強が進出 済み。日系では三菱重工業が進出している。 スカイシティー(アブダビ空港ビジネス&ロジスティクス・パーク) 2006年 アブダビ国際空港に隣接する物流関係企業中心のフリーゾーン。開業が遅延してい たが、2012年1月に複数の地場・外資物流企業が操業開始。 出所:ジェトロ作成

(19)

出所:ジェトロ・ドバイ調

べ(各年5月末時点集計)

注 :

①同一法人であっても複

数の事業所を有する場

合は個別に計上。

②ジェトロ・ドバイで収

集・確認した限りの情報

に基づくため、実際の増

減と誤差がありうる。ま

た、定義・算出方法を随

時変更している。

3.ドバイ

~日本企業の新規進出は再び増加傾向

・MENA最大の日系企業の集積。ドバイ・ショックで進出は一時減少も、MENA市場の

ポテンシャルを見込んで再び増加基調。ドバイは12年に過去最高を更新。

・『アラブの春』の中でも安定性を保持したことで、ビジネス・ハブとして改めて脚光。

・2012年半ば以降、不動産価格の再高騰が懸念材料に。

62 65 68 78 85 98 114 121 118 110 111 115 108 116 2 6 6 8 12 18 38 51 69 73 75 89 101 117 37 38 36 38 47 59 77 85 90 80 80 79 85 90 27 28 28 28 28 33 35 50 56 62 69 73 76 79 2 2 6 4 4 3 10 18 18 22 22 24 26 29 101 109 110 124 144 175 229 257 277 263 266 283 294 323 130 139 144 156 176 211 274 325 351 347 357 380 396 431 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 その他首長国 アブダビ ドバイ(市中) ドバイ(その他フリーゾーン) ドバイ(JAFZA) ドバイ合計 合計

(20)

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