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雑誌名 山梨学院大学法学論集

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Academic year: 2021

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(1)

生涯学習振興イベントの在り方をめぐって : 「お 祭り」からの脱却 (政治行政学科創立二十周年記念 号)

著者名(日) 永井  健夫

雑誌名 山梨学院大学法学論集

巻 68

ページ 431‑441

発行年 2011‑11‑10

URL http://id.nii.ac.jp/1188/00000547/

(2)

涯 学 習 振 興 イ ベ ン ト の 在 り 方 を め ぐ っ て

│ │

﹁ お 祭 り

﹂ か ら の 脱 却

│ │

永 井 健 夫

目 次 はじ めに 一 生涯 学習 フェ ステ ィバ ルの 目的 二 フェ ステ ィバ ルの 運営 上の 特徴 三 行政 事業 レビ ュー にお ける 評価 おわ りに

は じ め に

二〇

一〇

︵平 成二 二︶ 年六 月三 日お よび 四日 に︑ 文部 科学 省所 管の 一二 の事 業を 対象 とし て﹁ 行政 事業 レビ ュ

(3)

ー﹂ の検 証作 業︵

﹁公 開プ ロセ ス﹂

︶が 行わ れ︑ 検証 対象 の一 つと なっ た﹁ 生涯 学習 フェ ステ ィバ ル﹂ は﹁ 廃止

﹂の 評価 を受 けた

︒一 連の

﹁公 開プ ロセ ス﹂ の結 果を 整理 した

( )

資料 を見 ると

︑﹁ 主な 理由

・コ メン ト﹂ とし て﹁ 生涯 学

習フ ェス ティ バル の目 的・ 趣旨 が不 明確 であ り︑ これ まで の成 果を 踏ま え︑ 国費 の投 入に つい ては 一旦 廃止 をし た 上で 再検 討す べき

﹂と 記さ れて いる

︒相 当の 予算 を注 ぎ込 んで 行う 全国 規模 の事 業で ある ので

︑そ れな りの 目的

・ 趣旨 をも って 実施 され てき たは ずだ が︑ この 事業 が依 って 立っ た条 件・ 前提 は︑ 予算 の適 切性

・透 明性

・効 率性 を 求め る今 日の 行財 政の 論理 には 合致 しな いよ うで ある

︒小 稿で は︑ その ギャ ップ とは どの よう なも のか

︑若 干の 検 討を 試み てお きた い︒

生 涯 学 習 フ ェ ス テ ィ バ ル の 目 的

生涯

学習 フェ ステ ィバ ル︵ 以下

︑﹁ フェ ステ ィバ ル﹂

︶は

︑一 九八 九︵ 平成 元︶ 年に 千葉 県で 第一 回が 開催 され て 以降

︑﹁ 廃止

﹂が 宣告 され るま での 間︑ 毎年 一回 ずつ

︑五 日~ 六日 程度 の日 程で

︑計 二一 回が 実施 され た︒ その 開 催地 と入 場者 数を まと めた のが 表 であ る︒ この 事業 を行 う目 的を 公式 に明 文化 した もの とし て︑ 次の よう な定 義づ けが ある

︒ 広く

国民 一般 に対 し生 涯学 習に 係る 活動 を実 践す る場 を全 国的 な規 模で 提供 する こと 等に より

︑国 民一 人ひ と りの 生涯 学習 への 意欲 を高 める とと もに

︑学 習活 動へ の参 加を 促進 し︑ もっ て生 涯学 習の 一層 の振 興に 資す る

― 432 ―

(4)

( )

こと

︒ ここ

に示 され てい るフ ェス ティ バル の趣 旨・ 意義 につ いて

︑行 政当 局は 各種 の媒 体を とお して 周知 を図 ろう とし 第&回

第'回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回 第21回

1990( 京都府 453,000 1989(平成元) 千葉県 244,000

開催年 開催地 入場者数

第回 第 回 第!回 第"回 第#回 第$回 第%回

1,411,000 1995( %) 北海道 768,000 1994( $) 富山県 655,000 1993( #) 愛知県 1,042,000 1992( ") 宮城県 1,023,000 1991( !) 大分県 682,000

山形県 711,000 2000( 12) 三重県 978,000 1999( 11) 広島県 1,175,000 1998( 10) 兵庫県 973,000 1997( ') 新潟県 834,000 1996( &) 福岡県

2006( 18) 茨城県 812,000 2005( 17) 鳥取県 281,000 2004( 16) 愛媛県 466,000 2003( 15) 沖縄県 350,000 2002( 14) 石川県 757,000 2001( 13)

2009( 21) 埼玉県 2,239,000 2008( 20) 福島県 554,000 2007( 19) 岡山県 811,000

〈表 生涯学習フェスティバルの開催地と入場者数〉

第21回全国生涯学習フェスティバル実行委員会『第21回全国生涯学習 フェスティバル報告書』(2000)145頁をもとに作成

(5)

た︒ たと えば

︑あ る雑 誌で は︑ フェ ステ ィバ ルを 行う 背景 と目 的が 次の よう に解 説さ れて いる

︱社 会の 活力 の維 持・ 発展 のた め︑ 学習 成果 が適 正に 評価 され る社 会の 形成 が求 めら れる 一方

︑人 々の 学習 意欲 の高 まり や新 たな 学 習需 要が 生ま れる

︵自 由時 間︑ 高齢 化︑ 科学 の発 展︑ 情報 化︑ 国際 化︶ なか

︑自 発的 意思 に基 づき 生涯 通じ て行 わ れる 学習

︵生 涯学 習︶ が重 要に なっ てい る︒ 実際 には

︑既 に多 くの 人々 が様 々な 学習 活動 に取 り組 んで おり

︑﹁ こ うし た日 頃か ら行 って いる 活動 の成 果を 発表 する 全国 的な 場を 団体 等を 通し 提供 する こと

﹂が 目的 の一 つで ある

︒ また

︑社 会の 変化 に伴 い︑ 学習 要求 も学 習機 会も 多様 化し

︑学 習内 容の 情報 化︑ ソフ ト化

︑サ ービ ス化 も進 展す る︒ 生涯 学習 の今 日的 な考 え方 を国 民に 理解 して もら うこ とも 課題 で︑ フェ ステ ィバ ルを 機に 多く の国 民が 生涯 学習 に 参加 し︑ 人生 を充 実さ せる 契機 とす るこ とが 期待 さ

( )

れる

!

要す るに

︑生 涯に わた る学 習が 望ま れる 現代 社会 にあ って

︑既 に学 習活 動に 取り 組ん でい る人 たち の成 果発 表の 場を 設け たい

︑と 同時 に︑ 生涯 学習 に関 する 理解 と参 加を 充実 させ る機 会と した い︑ とい うこ との よう だ︒

フ ェ ス テ ィ バ ル の 運 営 上 の 特 徴

では

︑こ の﹁ 成果 発表

﹂と

﹁理 解・ 参加

﹂の それ ぞれ をイ ベン ト化 する 事業 の基 本的 な方 法・ 考え 方は どの よう なも のだ った か? 文部 省の 担当 官に よる と︑

﹁生 涯学 習フ ェス ティ バル 全体 の主 催者 であ る文 部省 や開 催都 道府 県等 は︑ 各団 体や 企業 に個 々の 催し の主 催者 とし ての 参加 を呼 びか け︑ 場を 提供 し︑ 全体 の運 営を 担当 する

﹂こ とが 役割 であ ると い

― 434 ―

(6)

う︒ つま り︑ この フェ ステ ィバ ルの 事業 枠組 にお いて は︑ 行政 側︵ 文部 省︑ 教育 委員 会︶ は第 一の

﹁主 催者

﹂で あ るが

︑実 際に 行わ れる イベ ント の全 てに つい て企 画・ 運営 を受 け持 つわ けで はな く︑ むし ろ場 の確 保と その 催し の 周知 の役 に止 まり

︑個 々の イベ ント の主 導権 は参 加者

・参 加団 体に 委ね るよ うに した

︒こ うし た運 営方 法は

︑フ ェ ステ ィバ ルの 愛称 にち なん で︑

﹁ま なび ピア 方式

﹂と 呼ぶ よう 提案 され てい る︒ この 担当 官に よる と︑ この よう な︑ 参加 団体

・企 業の 自主 性や 主体 性を 大き く活 かす 方法 が採 られ たの は﹁ 生涯 学習 の名 の下 に︑ 知事 部局

︑民 間で あ ると を問 わず 各団 体・ 企業 等の 自由 で自 主的 な活 動を 広く 集め

︑展 開す るた め﹂ であ った

︒そ して

︑こ の﹁ まな び ピア 方式

﹂は

︑出 発点 の当 時と して は︑

﹁従 来の 行政 機関 が主 催す る催 しと はか なり 異な って いる

﹂も ので あっ た と

( )

いう

"

内容 やそ の変 遷に つい ての 詳述 は控 える が︑ フェ ステ ィバ ルで 実施 され てき た事 業は

︑開 会・ 閉会 の際 の関 連行 事︑ 生涯 学習 や社 会的 課題 など をテ ーマ とす るシ ンポ ジウ ムや 講演 会︑ 芸術

︑芸 能︑ 文化 活動 など の成 果発 表や 実 演︑ スポ ーツ やレ クリ エー ショ ンに 関す る体 験型

・参 加型 のイ ベン ト︑ そし て市 町村

︑各 種団 体︑ 企業 など によ る 情報 や提 案の 展示

︵生 涯学 習見 本市

︶な ど︑ 盛り だく さん であ る︒ この

﹁見 本市

﹂に は︑ 教育 分野 以外 から も様 々 な団 体や 企業 が参 加し てい る︒ これ は︑ 次の よう な意 味で

︑フ ェス ティ バル の狙 いが 象徴 的に 表れ てい る部 分で あ る︒ 生涯 学習 は﹁ 生活 のほ とん どあ らゆ る場 面に かか わり が

( )

ある

﹂も ので あり

︑こ れを 振興 する 施策 とし ては

︑生

#

涯学 習振 興法

︵第 三条 二︶ が求 める よう に︑ 教育 関連 以外 の様 々な 行政 分野 や民 間団 体・ 企業 とも 連携 しな がら 進 めて ゆか ねば なら ない

︒つ まり

︑生 涯学 習行 政は

︑従 来型 の教 育行 政と は異 なり

︑﹁ 教育

﹂や

﹁学 習﹂ と直 接的 な 関係 の無 い立 場や 組織 との 協働

・協 力が 鍵的 な要 素の 一つ とな る︒ 生涯 学習 を振 興す る仕 掛け であ るこ とを 狙う 以

(7)

上︑ フェ ステ ィバ ルに は様 々な

﹁非 教育 系﹂ の立 場か らの 参加 が望 まれ るわ けで あり

︑こ れを 端的 に実 現す る場 が

﹁見 本市

﹂な ので ある

︒ こう した フェ ステ ィバ ルは

︑や がて 海外 から も注 目さ れる よう にな った

︒た とえ ば︑ コミ ュニ ティ が学 習に よっ て再 生・ 発展 する 可能 性を 探る

﹁学 習都 市﹂

︵l ea rn in gc it y︶ の議 論の 中心 人物 であ るL on gw or th ,N .は

︑自 身が 参 加し た北 海道 での フェ ステ ィバ ル︵ 第七 回︑ 一九 九五 年︶ の雰 囲気 につ いて

︑ù それ は性 急な もの でも 権威 主義 的 なも ので もな かっ た︒ その 狙い は︑ 学ぶ こと の喜 びと そこ から 得ら れる 個人 的な 利益 を︑ 強く 勧誘 する こと にで は なく

︑刺 激し

︑感 じさ せ︑ 促す こと

︑要 する に祝 福す るこ とに ある よう だっ たú と記 し︑ ùヨ ーロ ッパ とし ては

︑ 学習 のマ ーケ ティ ング

︑つ まり 生活 様式 とし ての 学習 の演 出に つい て学 ぶべ き点 が多 いú と述 べて

( )

いる

︒実 際︑ 学

$

習の 意義 を市 民に 啓発 する

﹁ツ ール

﹂と して

﹁学 習フ ェス ティ バル

﹂が 各国 の都 市で 行わ れる よう にな るの だが

︑ Lo ng wo rt hは 日本 の﹁ 生涯 学習 フェ ステ ィバ ル﹂ をそ れら の原 型︵ pr ot ot yp e︶ とし て位 置づ けて

( )

いる

%

三 行 政 事 業 レ ビ ュ ー に お け る 評 価

学習

の成 果発 表の 場で ある と同 時に 生涯 学習 の理 解と 参加 を促 す機 会と して 実施 され てき たフ ェス ティ バル であ った が︑ 二〇 一〇 年の 行政 事業 レビ ュー

・公 開プ ロセ スに おい て﹁ 廃止

﹂の 評価 を受 ける に至 った

︒そ の場 で︑ フ ェス ティ バル の担 当者

︵説 明者

︶と して は︑ これ まで の参 加者 数が のべ 一六 九〇 万人 に達 し︑ 生涯 学習 の普 及・ 啓 発や 全国 的な 交流 促進 の面 で大 きな 成果 が得 られ てい るこ と︑ フェ ステ ィバ ルが 開催 され た地 域で は生 涯学 習推 進

― 436 ―

(8)

体制 の整 備が 進み

︑ボ ラン ティ ア活 動や 学習 活動 が活 性化 され たこ と︑ 学習 活動 の活 発化 の効 果は 開催 地の 近隣 の 都道 府県 にも 及ん でい るこ と︑ これ らを 訴え た︒ と同 時に

︑行 政事 業レ ビュ ーに 先立 って

︑第 二〇 回を 節目 に次 の よう に見 直し を行 った こと も報 告さ れた

︒す なわ ち︑ 第二 二回 の高 知大 会か らは 祭典 的な 色彩 を抑 え︑ 社会 的課 題 の解 決策 を図 る取 り組 みの 推進 に重 点を 置き

︑開 催日 数を 短縮 し︑ 経費 を節 減す るな どの 改善 策が 講じ られ るこ と にな

( )

った

︒こ れら の説 明に 対し

︑改 善の 努力 を見 守る 必要 を言 う評 価者 もい たが

︑生 涯学 習の 振興 にと って のフ ェ

&

ステ ィバ ルの 有効 性を 認め ない 評価 者の ほう が多 く︑ 全体 の評 価と して は﹁ 廃止

﹂と な

( )

った

'

評価 者た ちを 否定 的な 結論 に向 かわ せた 大き な要 因と して

︑一 つに は︑ 振興 すべ き﹁ 生涯 学習

﹂の 内容 につ いて 説明 者側 が評 価者 側を 納得 させ られ なか った 点を 挙げ るこ とが でき る︒ たと えば

︑次 のよ うな 場面 があ った

︒評 価 者の 一人 が︑ 生涯 学習 には 個人 の生 きが いと いう 側面 もあ れば 地域 や社 会の 活動 に生 かす とい う側 面も ある とい う が︑ フェ ステ ィバ ルは 何を 目指 して いる のか

︑説 明を 求め た︒ これ に対 し︑ 説明 者は 教育 基本 法第 三条 に言 及し つ つ︑ 生涯 学習 が趣 味や 教養 とい う形

︑社 会貢 献︑ 人へ の貢 献︑ ある いは 職業 にも 結び 付く こと を述 べよ うと した

︒ しか し︑ 別の 評価 者が

﹁い や︑ そん なこ とを 言っ てし まっ たら

︑何 でも お金 をだ さな けれ ばい けな くな りま す﹂ と 言っ て遮

( )

った

10

先に 触れ たと おり

︑当 初︑ フェ ステ ィバ ルは

﹁生 活の ほと んど あら ゆる 場面 にか かわ りが ある

﹂生 涯学 習に つい て︑ あら ゆる 分野 の行 政や 様々 な社 会的 立場 を巻 き込 んで 振興 する 手段 とし て意 味づ けら れた

︒フ ェス ティ バル を 推進 する 立場 から する と︑ この こと は当 然の 基本 前提 であ った わけ だが

︑評 価者 の観 点か らは そう はな らな い︒ 行 政事 業レ ビュ ーの 枠組 みに おい ては

︑生 涯学 習が 広汎 な意 味を 持つ 考え 方で ある とい う特 徴と

︑生 涯学 習行 政が 対

(9)

応す べき 生涯 学習 の範 囲と は︑ 互い に峻 別し て考 えら れな けれ ばな らな いと いう わけ であ る︒ 他方

︑多 くの 団体 を集 めた 全国 規模 の啓 発事 業に 国費 を投 ずる こと の意 義を めぐ って も︑ それ ぞれ の立 場で 見解 が異 なっ た︒ ある 評価 者が

︑埼 玉の フェ ステ ィバ ルで 五〇 億円 の経 済効 果が あっ たと いう 説明 につ いて

︑﹁ もう こ れは 啓蒙 活動 では なく て︑ 事実 上︑ ビジ ネス

﹂で あり

︑そ れほ どの 経済 効果 があ る事 業で あれ ば自 治体 が単 独で 行 えば よい

︑と 指摘 した

︒こ れに 対し て︑ 説明 者は

︑企 業を 含め て全 国規 模で 実施 する から こそ

︑多 くの 参加 者が 得 られ るの であ り︑ 都道 府県 単位 では 難し いと 応答 する

︒す ると

︑評 価者 側か らは

︑埼 玉の 多数 の参 加者 は広 告代 理 店や 有名 企業 が関 わっ たこ とに よる 面も あり

︑自 治体 が真 剣に 取り 組ん で得 られ る参 加者 数と は比 較で きな い︑ と の反 論が 示さ

( )

れた

11

主催 者で ある 文部 科学 省が

︑生 涯学 習の 振興 イベ ント のた めの 場と して フェ ステ ィバ ルと いう 枠組 みを 用意 し︑ 具体 的な プロ グラ ムや 展示 につ いて は自 治体 およ び各 種の 団体 に加 え︑ 種々 の分 野の 企業 に委 ねる

︒こ の﹁ まな ピ ア方 式﹂ が︑ 生涯 学習 フェ ステ ィバ ルを 特徴 づけ る方 法論 であ った のだ が︑ 評価 者か らす ると

︑生 涯学 習の 啓発 が 目的 なの か︑ ビジ ネス が目 的な のか

︑判 然と しな い事 業と 映っ たの であ る︒ フェ ステ ィバ ルは

︑現 在よ りも

﹁生 涯学 習﹂ とい う言 葉が 浸透 して いな かっ た一 九八

〇年 代終 盤に 始め られ たこ とも あっ て︑ 学習 活動 の意 義や 楽し さを 人々 に納 得さ せる ため の仕 掛け とし て機 能す るこ とは 必要 であ り︑ ゆえ に フェ ステ ィバ ルの 内容 や方 法が

﹁祭 典的

﹂に なる のも 必然 であ った

︒し かし

︑そ れを 全国 各地 で持 ち回 りの よう に 展開 して いく こと が︑ 生涯 学習 の振 興方 策と して 本当 に適 切だ った のか

︑再 考す べき 時期 とな った

︒目 指す べき 社 会と して

︑学 習文 化活 動が 明る く活 発に 行わ れる 状況 とい うの も望 まし い方 向で あろ うが

︑そ れだ けで 終わ って は

― 438 ―

(10)

なる まい

︒家 庭や 地域 社会 の次 元か ら地 球規 模の 次元 まで

︑現 代社 会は 様々 な課 題に 直面 して おり

︑そ れら が市 民 や社 会集 団の 学習 する 力に よっ て改 善・ 解決 され るよ うな 社会 に近 づく 必要 があ る︒ そう した 方向 に向 けて こそ

︑ 生涯 学習 は振 興さ れる べき であ る︒ 行政 事業 レビ ュー は生 涯学 習振 興策 の方 向転 換と して

︑ち ょう ど良 い機 会だ っ たと 言え よう

︒ おわ りに

﹁フ ェス ティ バル

﹂そ のも のの 今後 はど うな るか

︒先 述の とお り︑ 行政 事業 レビ ュー が行 われ る前 の二

〇〇 九年 度の うち に︑ 文部 科学 省で は︑

﹁生 涯学 習社 会の 形成 を通 じて

﹃地 域の 再生

﹄を 図る 具体 的実 証の 場へ の

( )

転換

﹂を

12

目指 して

︑フ ェス ティ バル の現 状の 見直 しと 今後 の在 り方 の検 討を 試み てい る︒ そし て︑ レビ ュー 後︵ 二〇 一〇 年 一一 月二

〇日

~二 二日

︶に 実施 され た高 知大 会は

︑﹁ まな びピ ア﹂ の愛 称を 継承 しつ つ﹁ 全国 生涯 学習 フォ ーラ ム﹂ とい うネ ーミ ング に変 更し

︑祭 典色 を抑 える 一方

︑課 題解 決型 のプ ログ ラム

︵﹁ テー マ別 フォ ーラ ム﹂

︶を 積極 的に 設け る形 にな

( )

った

13

続く 二〇 一一 年度 の開 催地 とし て︑ 二〇 一〇 年三 月に 岩手 が内 定し てお り︑ 二〇 一〇 年の 秋以 降︑ 開催 準備 が進 めら れて いた とこ ろ︑ 二〇 一一 年三 月一 一日 に東 日本 大震 災に よる 未曾 有の 大惨 事が 生じ た︒ その ため

︑岩 手で の 開催 は中 止と なり

︑二

〇一 一年 一一 月五 日と 六日 の日 程で

︑東 京に おい て代 替の イベ ント を開 催す るこ とと なっ た︒ 日程 は二 日間 に短 縮さ れ︑ 事業 名称 も﹁ 全国 生涯 学習 ネッ トワ ーク フォ ーラ ム﹂ と更 に改 めら れ︑ そこ では 生涯 学 習の 振興 に関 する 研究 協議

︑情 報交 換︑ ある いは ネッ トワ ーク 形成 など が主 目的 とな るよ

( )

うだ

14

(11)

この よう に︑

﹁ま なび ピア

﹂は

﹁お 祭り

﹂で はな く﹁ 共同 探究

﹂の 場に 変化 する 兆し が見 られ る︒ 町づ くり や社 会の 再生

・発 展に 実質 的に つな がる 形で の﹁ 生涯 学習 の振 興﹂ に資 する 事業 とな るか

︑今 後を 見守 りた い︒

︵ 注 ︶ 文部 科学 省﹁ 行政 事業 レビ ュー

﹃公 開プ ロセ ス﹄ の評 価結 果﹂(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__

﹇二

〇一 一年 八月

﹈︶

icsFiles/afieldfile/2010/07/28/1294465_1.pdf

︶ 生涯 学習 フェ ステ ィバ ル開 催要 綱︵ 平成 元﹇ 一九 八九

﹈年 五月 八日 文部 大臣 裁定

︶︒

!

︶ 生涯 学習 局生 涯学 習振 興課

﹁生 涯学 習フ ェス ティ バル

︱ま なび ピア

︱﹂ 文部 省﹃ 大学 と学 生﹄ 一九 八九 年六 月︑ 通巻 二八 二

ʼ89

号の 特に 五一

︱五 二頁

"

︶ 大西 珠枝

﹁生 涯学 習フ ェス ティ バル 開催 の意 義﹂

﹃教 育委 員会 月報

﹄︵ 第四 二巻 第一

〇号

︶一 九九 一年 一月

︑三 二︱ 三三 頁︒

#

︶ 同上 書︑ 三六 頁︒

$

Longworth,N.MakingLifelongLearningWork:LearningCitiesforALearningCentury.London:KoganPage,1999,p.209.

% Routledge,2006,p.55.Longworth,N.LearningCities,LearningRegions,LearningCommunities:LifelongLearningandLocalGovernment.London:

&

︶ 文部 科学 省﹁ 行 政事 業レ ビュ ーシ ート

(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afield-

﹇二

〇一 一年 八月

﹈︶

file/2010/06/02/1294207_7_1.pdf

'

︶ 文部 科学 省﹁

生 涯学 習フ ェス ティ バル

︱評 価結 果﹂ 12

(http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__

﹇二

〇一 一年 八月

﹈︶

icsFiles/afieldfile/2010/06/04/1294209_6_1.pdf

︶ 文部 科学 省﹁ 文部 科学 省行 政事 業レ ビュ ー﹃ 公開 プロ セス

﹄二 日目

議事 録﹂ 10

(http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/de-

﹇二

〇一 一年 八月

﹈︶

tail/1296134.htm

︶ 同上

︒ 11

― 440 ―

(12)

︶ 高知 大学 国際

・地 域連 携セ ンタ ー﹃ 高知 大学 国際

・地 域連 携セ ンタ ー年 報2 01 0﹄ 二〇 一〇 年︑ 二〇 頁︒

︵ 12

︶ 全国 生涯 学習 フォ ーラ ム高 知大 会実 行員 会事 務局

﹃全 国生 涯学 習フ ォー ラム 高知 大会 まな びピ ア高 知 20 10 報告 書﹄ 13

(http:

﹇二

〇一 一年 八月

﹈︶ 三九

︱七

〇頁

//lls-kochi-2010.pref.kochi.lg.jp/pdf/repo_whole.pdf

︶ 文部 科学 省﹁ 全国 生涯 学習 ネッ トワ ーク フォ ーラ ム︵ まな びピ ア東 京2 01 1︶ の開 催に つい て﹂ 14

(http://www.mext.go.jp/a_

﹇二

〇一 一年 九月

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