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微分積分学および演習Ⅰ 演習問題 7

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Academic year: 2021

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(1)

微分積分学および演習Ⅰ 演習問題 7

2018

年度前期

工学部・未来科学部

1

担当

:

原 隆

(

未来科学部数学系列・助教

)

自習課題 Seatwork assignment

※ 必ず

1

度自分なりに解いてみてから 解答をチェックすること

!!

(

解答は講義用ウェブページからダウンロード出来ます

) Try to give your solutionsbefore checking the answer.

You can download the answer from the webpage of this class.

問題

7-1. (

複素指数法則とド・モアヴルの定理

)

以下の複素数を

x+yi

の形で表しなさい。

(1) (

3 2

3 2 i

)4

(2) (1 +i)10 (3) (

3 2 1

2i )18

(4) (1−√ 3i)3

問題

7-2. (

複素数平面を通して見る複素数の掛け算

)

xy

平面上の以下の点の座標を求めなさい。

(1)

(2,4)

を反時計回りに

5

6π

回転し、原点

O

からの距離を

4

倍に延ばして得られる点

P

(2)

(3,5)

を時計回りに

1

4π

回転し、原点

O

からの距離を

1

2

倍に縮めて得られる点

Q

O

A

x y

R

S

(3) (

チャレンジ問題

)

A(2,2)

を中心とする半径

2

の円と、

A

に於ける直線

OA

の垂線

との交点

R,S (

左図を参照し なさい

)

[

ヒント

: R, S

を時計回りに

1

4π

回転した点

R, S

の座標 は簡単に求まるので、先ずはそれから求めてみよう

]

※ 余裕があれば『線形代数学Ⅰ』で学んだ 回転行列 rotation

matrixを用いて同じ問題を解いてみよう。

問題

7-3. (n

乗根の計算

)

以下の方程式の解を全て求めなさい

(

極形式表示のままで良い

)

(1) z12= 1 (2) z8=256i (3) z6= 4

24 2i

問題

7-4. (

三倍角の公式と複素指数法則

)

オイラーの公式と複素指数法則

(

またはド・モアヴルの定理

)

を用いて、三角関数の三倍角の公式

cos 3θ= 4 cos3θ−3 cosθ, sin 3θ= 3 sinθ−4 sin3θ

を導き出しなさい。

[

ヒント

:

講義で扱った倍角の公式の導出方法を参考にしよう

]

(2)

【解答】

問題

7-1.

(1) 3 2

3 2 i

=

vu ut(

3 2

)2

+ (

3 2

)2

=

3

であるから、複素数

3 2

3

2 i

を極形式表示すると

3

2

3 2 i=

3 (

3 2 1

2i )

= 3

( cos

(

1 6π

) +isin

(

1 6π

))

= 3e16πi

となる。したがってド・モアヴルの定理

(

または指数法則

)

より

( 3 2

3 2 i

)4

=

34e16πi·4= 9e23πi= 9 (

1 2

3 2 i

)

= 9 2 9

3 2 i . (2) | −1 +i|=√

(1)2+ 12=

2

であるから、複素数

1 +i

を極形式表示すると

−1 +i= 2

(

1

2 + 1

2i )

= 2

( cos3

4π+isin3 4π

)

= 2e34πi

となる。したがってド・モアヴルの定理

(

または指数法則

)

より

(−1 +i)10 =

210e34πi·10= 32e152πi= 32e32πi (

周期性

e2πi= 1

より

)

= 32e12πi= 32i .

(3)

3 2 1

2i =

vu ut(

3 2

)2

+ (

1 2

)2

= 1

であるから、複素数

3 2 1

2i

を極形式表示す ると

3 2 1

2i= (

cos (

5 6π

) +isin

(

5 6π

))

=e56πi

となる。したがってド・モアヴルの定理

(

または指数法則

)

より

(

3 2 1

2i )18

=e56πi·18=e15πi=eπi= 1 .

(4) | −1−√ 3i|=

√(−1)2+ (−

3)2= 2

であるから、複素数

−1−√

3i

を極形式表示すると

−1−√ 3i= 2

(

1 2

3 2 i

)

= 2 (

cos (

2 3π

) +isin

(

2 3π

))

= 2e23πi

となる。したがってド・モアヴルの定理

(

または指数法則

)

より

(−1−√

3i)3= 23e23πi·(3)= 23e2πi= 1 8 .

(3)

【解説】 ド・モアヴルの定理の演習問題。この手の問題がきちんと解けるようになるためには、与え られた複素数を 正しく極形式表示出来るようにする ことに尽きます。極形式表示を間違えた人は もう一度良く復習しましょう。

また、解答を極形式で答えていた方が何名かいらっしゃいましたが、特に断りが無い限り 三角関 数の値が分かる場合には三角関数を用いずに具体的な数で答える様にして下さい。例えば

(3)

の答え

1

ですが、これを

cos 21π+isin 21π

等と答えるのはあまりにも仰々しい

(

というか分かりにく

)

と思いませんか

?

さて、極形式表示から三角関数の値を具体的に求めるときに 符号等を間違えた 方が何名かいらっ しゃいました。確かにド・モアヴルの定理の問題では、偏角が

15

2 π

だの

21π

だのとかなり大きくな るケースが多く、そのことが三角関数の値を求めるときに間違えてしまう要因となっていると思いま す。この様な大きな偏角の三角関数の値を求める際には、

の整数倍を足し引きして、偏角が見易い数になる様に整える のが計算ミスを減らすための定石です。上記の例では、

15 2 π = 3

2π+ 6π 21π =π+ 20π

であり、

sin3

2π

cosπ

の形だったら

1

1

と直ぐに分かる筈です。

(2)

32i

と間違えたり

(3)

1

と間違えたりした人は、大きな偏角の三角比の値を求めるときに是非上記の様な戦略をとる様 に心掛けて下さい。

最後に、極形式を求めて一安心して、 絶対値の方の累乗を忘れている答案 が少なからず見られま した

(

例えば

(2)

(1 +i)10 =

2e34πi·10

としてしまっているものなど

)

。最初のうちは良くやり

がちな間違いですので、該当する方は次回からは同じミスをおかさない様に気をつけましょう。

(4)

問題

7-2.

(1)

(2,4)

を反時計回りに

5

6π

回転した後に原点からの距離を

4

倍に延ばす操作は、対応す る複素数

−2 + 4i

4e56πi= 4 (

cos5

6π+isin5 6π

)

= 4 (

3 2 +1

2i )

=2 3 + 2i

を掛けることに相当する。

(2 + 4i)·4e56π = (2 + 4i)(2

3 + 2i) = (8 + 4

3) + (48 3)i

より、点

P

の座標は

P(8 + 4

3,48

3)

となる。

(2)

(3,5)

を時計回りに

1

4π

回転した後に原点からの距離を

1

2

倍に縮める操作は、対応す る複素数

35i

2e14πi= 2

( cos1

4π+isin1 4π

)

= 2

( 1

2+ 1

2i )

= 1 +i

で割ることに相当する。

35i

1 +i = (35i)(1−i)

(1 +i)(1−i) = 28i

12+ 12 =14i

より、点

Q

の座標は

Q(−1,4)

となる。

(3)

A,R,S

及び直線

を原点を中心に時計回りに

1

4π

だけ回転した際に対応する点及び直線 を

A,R,S,

と定める

(

下図参照

)

O

A

x y

R

S

 時計回りに 1 4π回転

−→

反時計回りに 1 4π回転

←−

O

A x

y

R

S

このとき

(2 + 2i)eπ4i= (2 + 2i)· ( 1

2 1

2i )

= 2 2

より、点

A

を時計回りに

1

4π

だけ回転させて得られる点

A

の座標は

A(2

2,0).

また、

は直線

OA (=x

!!!)

と直交するため、直線

の方程式は

x = 2

2

となる。点

R,S

(5)

直線

x= 2

2

と点

A

を中心とする半径

2

の円周

(x2

2)2+y2= 2

との交点であるか ら、それぞれの座標は

R(2 2,

2) ←→ 2 2 +

2i S(2 2,−√

2) ←→ 2 2−√

2i

である。点

R,S

R,S

をそれぞれ原点を中心に

1

4π

だけ回転したものだから、

(2 2 +

2i)e14πi= (2 2 +

2i) ( 1

2 + 1

2i )

= 1 + 3i, (2

2−√

2i)e14πi= (2 2−√

2i) ( 1

2 + 1

2i )

= 3 +i

より

R(1,3),S(3,1)

と求まる。

【解説】 複素平面上での乗除と拡大回転操作の関係についての問題。想定以上に出来が悪かったで す。複素数のかけ算が、複素平面上の点の回転・拡大縮小操作に対応する ことは、複素平面を学ぶ 際にもっとも重要かつ面白い部分であるはずです。問題

6-3.

に手がつかなかった人は、数学Ⅲ のテ

キストなどを用いてよく復習しておくこと

を 強く お薦めします。

(1)

は比較的良く出来ていましたが、

4e56πi

の値を間違えている人も散見されました。注意しま しょう。

(2)

は意外とミスが多かったです。「時計回りに

1

4π

回転して

1

2

倍に縮める」操作は、講義で やった様に

複素数

2eπ4i

割る か、 「時計回りに

1

4π

回転」を「反 時計回りに

−π

4

回転」と見做して 複素数

1

2eπ4i

を掛ける

ことによって行うことが出来ます。誤答としてはこれ等がごちゃ混ぜになって、

1

2eπ4i

を掛けたり 割ったりしているものが多かったです。確かに混乱し易いところではありますので、しっかりと整理 しておきましょう。

(3)

は図形問題にも複素平面が利用出来ることを紹介するために選んだ応用問題です。勿論図形と 方程式のテクニックで解くことも出来ますが、回転 という操作が使える様になると、略解の様に

「傾いている図形」を「傾いていない状態に直して」問題を解く

と言うことが出来るようになり、図形問題に対するアプローチが飛躍的に増加します。興味を持った 方は他にも複素平面での回転操作を用いて解ける様な図形の問題を探してみましょう。

最後に、余力のある人は是非同じ問題を

線形代数学でまなんだ 回転行列

(6)

を用いて解いてみることにチャレンジしてみて下さい。両方のやり方で解いてみることで、複素数平 面と線形変換の双方の理解が確実に深まりますので。

問題

7-3.

(1) z=re

とおく。すると

256i= 256·(−i) = 256e32πi+2πki (

但し

k∈Z)

と表されるため、

問題文の方程式は

r8e(8θ)i= 256e(32+2k)πi

と書き直せる。絶対値と偏角を比較して

r8= 256, 8θ= (3

2 + 2k )

π

r = 2, θ= 3

16 +1 4kπ.

よって求める方程式の解は

z= 2e163πi, 2e167πi, 2e1116πi, 2e1516πi, 2e1916πi, 2e2316πi, 2e2716πi, 2e3116πi

8

(

複素平面上に表すと以下の様になる

)

Re Im

2e167πi 2e1116πi

2e1516πi

2e1916πi

2e2316πi

2e2716πi

2e3116πi

2e163πi= 2e3516πi

(2) z=re

とおく。すると

4 24

2i= 8e14πi+2πki (

但し

k∈Z)

と表されるため、問題文 の方程式は

r6e(6θ)i= 8e(14+2k)πi

と書き直せる。絶対値と偏角を比較して

r6= 8, 6θ= (

1 4π+ 2k

)

π

r =

2, θ= 1 24π+ 1

3kπ.

よって求める方程式の解は

z=

2e241πi,

2e247πi,

2e1524πi,

2e2324πi,

2e3124πi, 2e3924πi

6

(

複素平面上に図示すると以下の様になる

)

(7)

Re Im

2e247πi

2e1524πi

2e2324πi

2e3124πi 2e3924πi

2e241πi= 2e4724πi

【解説】 複素

n

乗根を求める基本問題。右辺の複素数をきちんと極形式表示出来れば、

zn =rnei(nθ)

との絶対値と偏角を比較するだけで簡単に解を全て求めることが出来ます。こちらも出来不出来は両 極端に分かれました。出来なかった人はやはり数学Ⅲのテキストの該当箇所を復習しておきましょう

(

慣れれば決して難しくはない問題です

)

また、偏角を比較する際に

8θ= 3

2π+2kπ

などの

2kπ

の部分が書けていない人が多かったです。

あるいは「そう言えばどっかに

k

とか出て来るんだよなぁ」ということだけ覚えていて、めちゃく ちゃなところに

k

を入れている人もいました。ここで

2πk

という数字が登場するのは勿論 角度は 一周

(

つまり

2π)

したらもとに戻る からです。その辺りのことをきちんと理解していれば、決して 変な間違いは犯さないはずです。この

2kπ

の部分があるからこそ、

n

乗根が ちょうど

n

個出てく る ことになるので、何気ない部分のように見えて非常に重要な部分です。しっかり復習しておきま しょう。

問題

7-4.

オイラーの公式

e = cosθ+isinθ

の両辺を

3

乗して

(e)3= (cosθ+isinθ)3 · · ·() (∗)

の左辺を指数法則とオイラーの公式を用いて計算すると

(e)3=ei(3θ) = cos 3θ+isin 3θ

となる。一方

()

の右辺を展開公式を用いて計算すると

(cosθ+isinθ)3= (cosθ)3+ 3(cosθ)2·(isinθ) + 3 cosθ·(isinθ)2+ (isinθ)3

= cos3θ+ 3icos2θsinθ−3 cosθsin2θ−isin3θ

= (cos3θ−3 cosθsin2θ) +i(3 cos2θsinθ−sin3θ)

(8)

となる

(i2=1

に注意

)

。これらを

()

に代入すると

cos 3θ+isin 3θ= (cos3θ−3 cosθsin2θ) +i(3 cos2θsinθ−sin3θ)

となるので、実部と虚部を比較して、公式

cos2θ+ sin2θ= 1

を用いて整理すると

cos 3θ= cos3θ−3 cosθsin2θ= cos3θ−3 cosθ(1−cos2θ)

= 4 cos3θ−3 cosθ,

sin 3θ= 3 cos2θsinθ−sin3θ= 3(1sin2θ) sinθ−sin3θ

= 3 sinθ−4 sin3θ

が得られる。

【解説】 オイラーの公式を用いた三倍角の公式の導出問題。講義で倍角の定義の場合を扱ったので、

比較的良く出来ていました。要はオイラーの公式の

3

(e)3= (cosθ+isinθ)3

を、左辺は指数法則を用いて計算して、右辺はそのまま展開して実部と虚部を比較すればおしまいで す。同様のやり方で

(

作ろうと思えば

) 4

倍角の公式、

5

倍角の公式も導き出せることを観察しておき ましょう。

さらに、講義では扱いませんでしたが、三角関数の公式の中で最も基本的な 加法定理

cos(α+β) = cosαcosβ−sinαsinβ

sin(α+β) = sinαcosβ+ cosαsinβ

もオイラーの公式を用いて導くことが出来ます。こちらも是非皆さんの手で確認しておいて下さい

! (

確認しておくと良いことがあるかも………

)

参照

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