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潜水艦とは

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Academic year: 2021

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(1)

『潜水艦に生かされている中小企業の技術』

(第7回「神金ものづくり活性化研究会」)

2016.6.15

ひょうごTTO代表 佐野 正

(2)
(3)

潜水艦とは

1.軍事技術は世界の最先端技術を駆使。潜水艦技術も同様。

2.潜水艦の歴史は、100年強で1800年代後半から軍事用として発展。

3.日本での一番艦は1906年にホランドクラスが誕生。

   米国のゼネラルダイナミクス社からの図面供与。

   有名な佐久間艦長の事故(舞鶴に展示)。

4.現在日本は、最新鋭潜水艦を18隻から22隻に増艦中。

   そのうち8隻はスターリングエンジンを搭載した最新鋭AIP(Air Independent

   Propulsion)艦。

5.日本の潜水艦は日本の最新技術が反映され、世界でトップクラスの静粛性を

   確保。

6.現代の潜水艦は、戦争の道具・手段というより抑止力。

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(4)

『潜水艦のメカニズム完全ガイド』

(海の忍者を解剖する)

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本書出版の経緯

1.秀和システム(株)から執筆依頼、執筆着手(2015.1月)

2.目次案協議(2015.6~7月)

3.印税契約(2015.8.25)

4.書籍内容の協議(2015.9~12月)

5.書籍タイトルの協議(2016.1月)

6.査読(2016.2月)

   (1)防衛省海上自衛隊【JMSDF】

   (2)海洋研究開発機構【JAMSTEC】

   (3)川崎重工業㈱【KHI】

7.出版(2016.3.15)

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本書出版の背景

1.出版社    -航空機、ロケット、宇宙船、潜水艦等よく耳にする乗り物だが、その技術については      あまり知られていない。    -科学技術に興味を持つ人は意外に多い。    -最近潜水艦の記事がよく新聞で取り上げられる。    -潜水艦はほとんど知られていない⇒知的興味を満たす本は売れるだろう。     2.防衛省海上自衛隊    -『防衛装備移転三原則』(2014.4.1閣議決定)の前後から、自衛隊の活動、      自衛隊装備品の技術優位性について広く国民に周知する努力。(新聞・TV等)    -『特定秘密保護法』(2014.12.10施行)の観点からは、潜水艦技術はすべて      秘密ではないが、どこまで開示できるか明確ではない。       ⇒本書の査読を通じて潜水艦技術に関する開示レベル(ガイドライン)が一応         設定されました。(雑音低減に関しての章は全面削除)

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本書で示唆する内容(個別技術の解説は別にして)1/2

安全保障・・・

 1.安全保障(国防)は独立国家の条件:ただし、国民の理解とリスペクト必要     ・トランプ氏(Make America Great Again) の政策

・習金平氏(中華民族の偉大なる再興)の政策     ・プーチン氏(強いロシアの再建)の政策        さて日本としてどう対応??? ★軍事技術は・・・  2.(過去)軍事技術が民生技術をリード(人類の進歩に貢献)          SPIN OFF(軍事⇒民生):原子炉・パソコン・インターネット・GPS・デジカメ・・・     (現在)軍事技術と民生技術が相互乗り入れ          SPIN 0N(民生⇒軍事) :飛行機・光ファイバー・炭素繊維・半導体素子・・          DUAL USE(軍事⇔民生):ロボット・スマホ・ロケット・パワーアシストスーツ・・・  3.軍事予算の縮減に伴い、軍事技術輸出により自国の安全保障維持

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本書で示唆する内容(個別技術の解説は別にして)2/2

潜水艦の存在意義は・・・   4.戦争の手段・道具から戦争の抑止力に存在意義変化 ★潜水艦技術は・・・・    5.100年以上の継続的な建造ノウハウの積み重ね。(継続は力なり)   6.多様かつ広範な技術の集積:個別最適と全体最適   7.高密度構造・高密度艤装:匠の技に依存      ー匠からの脱却の必要性、3D・CAD(デジタル生産システム)の適用   8.ピラミッド構造の建造・メンテナンス体制   9.日本の潜水艦は最も安全な乗り物

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過酷な運用条件、設計条件

運用条件 ★海中で深く、静かに、長く存在し、不穏な船(海上・海中)を探索し、必要に応じて   攻撃でき、攻撃されたら回避することができる。これを隠密裏に行う。 設計条件 ★空気がない、高圧力(海水圧)、低温、暗黒、電波が使えない、絶縁困難(海水)  な環境で、100人近い乗員が数週間連続して安全に活動できる。    事故により浮上できなくなれば 乗員全員死亡可能性 潜水艦として機能するためには、究極の安全性追求が不可欠

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14 X舵 スターリング機関 水中反射材 非貫通潜望鏡 永久磁石電動機 液体酸素タンク 武器制御システム 新型水中吸音材 改良型ソーナー 個人用脱出器材 MK-10対応脱出筒17SS以降) 最新鋭そうりゅう型潜水艦の概要

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日本の潜水艦の技術的な特徴

動力,推進,操縦 ・通常動力型潜水艦:ディーゼルエンジンで発電+鉛電池に充電   (非原子力)   間もなく鉛電池⇒リチウム電池 ・電力系統は直流:交流が必要な場合はインバーターで変換 ・推進:電動機でプロペラ駆動(直流電動機⇒永久磁石電動機(交流)+インバーター) ・操縦:縦舵、横舵、潜舵で水中三次元操縦(縦舵+横舵⇒X舵) 深く、長く、静かに潜航できる技術(徹底した隠密性確保) ・深く:製鉄所(新日鉄住金、JFE)と最強の鋼材(調質超高張力鋼)を共同開発 ・長く:スターリングAIPシステム開発、次は燃料電池AIPか      長期間艦内生命維持(酸素・二酸化炭素・一酸化炭素・水素・PM) ・静かに:ここ数十年で飛躍的に静粛化技術が進歩・・・この技術はトップシークレット 安全性,その他 ・超安全な乗り物(冗長性、高精度、高品質・・・):徹底した品質管理 ・機能拡大に伴う大型化を抑制(高密度艤装)  、大型化対策(水中吸音材、反射材) ・安全対策  ・乗員に対する魅力化対策 1 2 1 2

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日本の潜水艦の特徴

・少量量産型(同型艦を10年で10艦程度):自動車は大量量産型(100万台レベル)    航空機は中量量産型(1,000機レベル) ・三菱重工と川崎重工が受注(設計建造できるのは2社のみ) ・いずれも神戸で建造 ・毎年連続建造(防衛大綱の目標22隻維持)     -建造基盤維持、雇用維持、秘密維持も ・潜水艦の建造を支える企業は1,000社を超える(ピラミッド構造でほぼ役割固定) ・大手企業を除けば多くの企業(中小企業)が神戸およびその近郊に集積        ・建造から廃艦(メンテナンス)までの約25年間の責任維持施工 ・22隻への増艦を寿命延伸で実現。寿命延伸によるメンテナンス需要増加

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日本の潜水艦の特徴

・国産化率約100%(除、武器技術)

  -スターリングエンジンは外国技術だが国産化

  -オンコール(On Call)メンテナンス(稼働率向上)

・ 個別最適と全体最適の融合

  -個別最適、匠の技術者は多くいるが、全体最適の技術者は意外に

    少ない

・高密度構造・高密度艤装

  -匠の技に依存

  -匠の技術からの脱却の必要性、3D・CADの適用

      

(デジタル生産システム)

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日本の潜水艦の特徴

(造船所の役割と外注企業の役割)

・造船所技術:研究開発、設計(基本設計、詳細設計、生産設計)、       船体主要構造の製作、高密度艤装、艦全体の品質保証、       メンテナンス(機器メンテナンスはメーカー作業)とその維持 ・上記以外は多くの外注企業に依存:機器、艤装品、部品、加工、その他       ★造船所は外注企業をネットワーク化して円滑な調達かつ安定建造維持 ★三菱派、川重派、両社納入派 ★外注が納期、品質が維持できなくなれば立ち入り調査⇒改善策⇒それでもだめなら退場    ただし、新しい要求機能を満たす機器、部品、加工法を絶えず開拓     ●静粛性等絶えず進化している機能に寄与する技術     ●高密度艤装のため小型化、軽量化技術     ●省電力化技術     ●コスト低減に寄与する技術

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潜水艦の事故(例)

1.佐久間艇長の殉職  ー日本で建造された潜水艦の1番艦(ホランド型6号艇)  ー1906年竣工、事故は1910年  ー呉沖でスノーケル訓練中に吸気筒から浸水⇒浮上できず⇒全員死亡(14名)   2.ロシア原潜クルスク  -ロシアの巡航ミサイル原子力潜水艦  -1994年竣工、事故は2000年  -バレンツ海で訓練中、艦内で魚雷爆発⇒浮上できず⇒全員死亡(118名)

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日本の潜水艦の安全対策(安全性の確保で稼働率向上)

1.設計      ★安全性、信頼性確保された設計法、機器、部品の使用       ★フェールセーフ、冗長系の徹底 2.製作      ★機械化及び潜水艦に特化した熟練工(匠)による製造 3.検査(品証)★工程の各段階で検査、原則全数検査、約半年かけた海上試験       4.メンテナンス(定期検査、年次検査:徹底した予防検査) 5.浮上できなくなった場合の救難方法の確保 6.運用スキルの徹底した訓練 7.補給体制

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事故により浮上できなくなった潜水艦の救難(現在)

1.DSRV方式

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MK-10

(28)

最後に

ご清聴ありがとうございました。 28 1.国家の安全保障上、世界及び日本で潜水艦がなくなることはありません。 2.潜水艦は様々な技術の集積であり、その時代の技術進歩を取り入れてどんどん進化して        いきます。今後も神戸を中心にこの地区が日本の潜水艦の技術を先導します。 3.造船所が取り組む潜水艦技術は武器技術ではなく、過酷な海中で乗員が安心して活動    できるプラットホームの構築であり、『世界で一番安全な乗り物』を目指しています。 4.日本の場合、潜水艦は多くの外注企業の技術力に支えられています。    神戸市周辺には、1次、2次、3次外注が多く存在し、これらの企業なくして潜水艦の    建造は成り立ちません。

参照

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