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線虫研究の過去・現在・未来 その 2 線虫害の変遷

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(1)

2月号からのつづき)

2 線虫被害が問題になる作物の順位

線虫の被害作物に順位をつけるには二つの方法があ る。一つは都道府県が単独予算で行う線虫害関連試験の 対象作物の集計から線虫群毎に導かれる順位である(後 述)。もう一つはアンケートの線虫・作物類別ごとに報 告された線虫害を受ける作物の全国集計の件数である。

これらは販売目的で生産されるそれぞれの県の重点作物 で,線虫による減収や商品価値の低下が懸念され,何ら かの対策が取られているものである。したがって,たと え試験研究の対象でなくても,線虫の被害作物と捉えら れる資格を有する。その報告件数は生産規模も指標する と考えられることから,試験対象作物よりむしろ客観的 な順位を提供するかもしれない。ただし,報告数が多い からといって,被害も大きいというものではない。被害 の大きさは設問で尋ねた被害程度の大中小から求めた指 数で推定する方が良い(前掲)。

1) 西日本の線虫被害作物

以下,西日本でネコブセンチュウの加害作物の報告件 数を概観する(表―5)。果菜類では調査のI,II,III期を 通じて10作物ほどが上がっている。その内報告数がお おむね10件を超えるものは,メロン,きゅうり,トマ トであった。茎葉菜類は第I期には2品目しか上がって いなかったが,第II期には7品目,第III期には13

目に増加した。この中でねぎが全調査期間を通じて出現 するが,報告数は第III期でも3件にすぎない。根菜類 ではにんじん,だいこん,ごぼうが調査のIIIIII を通じて報告されていた。いも類の顔ぶれはかんしょ,

やまのいも,ばれいしょだったが,報告数が10件を超 えるものはなかった。果樹類は第I期には報告がなかっ たが第II期と第III期にはいちじくが高い頻度で報告さ れていた。第I期調査は野菜のシンポジウムが目的だっ たため,設問に果樹がなかったのかもしれない。果樹の 品目数は第II期の3から第III期の5に増えていた。

西日本におけるネグサレセンチュウの被害作物は,果 菜類では群を抜いていちごであった(表―6)。その報告 件数は調査のIIIIII期でそれぞれ10108件であ った。第II期と第III期では5作物が報告された。茎葉 菜類のネグサレセンチュウの被害品目は第I期には報告 されなかったが,第II期で4作物,第III期では8作物 に増加していた。根菜類ではだいこん,ごぼう,にんじ んが毎調査期に報告されていた。だいこんの報告件数は 調査のIII期では,それぞれ10件,11件であったが,

III期には6件に減少していた。花きでは全期間でき くの報告件数が多く,増加傾向を示していた。

その他の線虫の加害作物の報告頻度の推移を表―7 示した。シストセンチュウの被害作物は第I期では報告 されず,第II期から大豆とばれいしょが現れ,第III

線虫研究の過去・現在・未来 その 2 線虫害の変遷 (後編)

丸和バイオケミカル株式会社 技術顧問

(元農研機構 中央農業総合研究センター) 水久保 隆之(みずくぼ たかゆき)

連載

表−5 ネコブセンチュウ加害作物の報告件数(頻度)の推移(西日本)

作物類別 197988 198998 19992011 果菜類 メロン

きゅうり トマト すいか なす ピーマン えんどう オクラ かぼちゃ さやいんげん

13 13 11 8 6 3 2 2 1 1

きゅうり トマト メロン すいか なす ピーマン オクラ いんげん パイナップル

14 12 9 5 5 4 2 1 1

トマト きゅうり メロン なす ピーマン オクラ すいか にがうり いちご とうがん

12 12 8 4 4 3 2 2 1 1

(2)

表−5 つづき

作物類別 197988 198998 19992011 茎葉菜類 ねぎ

みょうが

1 1

ねぎ キャベツ らっきょう レタス チンゲンサイ ブロッコリー モロヘイヤ

2 2 1 1 1 1 1

ねぎ しそ レタス チンゲンサイ ブロッコリー アスパラガス なばな エンダイブ にら みょうが みずな たまねぎ にんにく

3 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 根菜類 にんじん

だいこん ごぼう

6 4 3

にんじん だいこん ごぼう しょうが

10 6 3 2

だいこん にんじん ごぼう しょうが

6 6 2 2 いも類 かんしょ

さといも やまのいも ばれいしょ

4 2 2 1

かんしょ さといも ばれいしょ やまのいも

9 5 4 2

かんしょ やまのいも ばれいしょ

8 2 2

豆 類 えだまめ 1 大豆 2

花き類 りんどう ばら きく つげ つつじ

3 2 1 1 1

スターチス ほおずき きく マーガレット りんどう トルコギキョウ

2 2 1 1 1 1

カーネーション きく

マーガレット しゃくなげ ソリダゴ

2 1 1 1 1

果樹類 いちじく

キウイフルーツ もも

6 2 1

いちじく もも みかん ぶどう かき

8 1 1 1 1

その他 みょうが

2 1

ミシマサイコ 水稲 小麦

1 1 1

表−6 ネグサレセンチュウ加害作物の報告頻度の推移(西日本)

作物類別 197988 198998 19992011 果菜類 いちご 10 いちご

すいか メロン きゅうり トマト

10 1 1 1 1

いちご きゅうり トマト メロン なす

8 2 2 1 1

茎葉菜類 ネギ

らっきょう ブロッコリー キャベツ

1 1 1 1

ねぎ しそ らっきょう レタス ブロッコリー なばな たまねぎ にんにく

2 2 1 1 1 1 1 1

(3)

表−7 その他の線虫の加害作物の報告頻度の推移(西日本)

線虫 197988 198998 19992011 シストセンチュウ

大豆

ばれいしょ

1 1

大豆 ばれいしょ カーネーション

2 1 1 イネシンガレセンチュウ

水稲 15 水稲 12

イチゴセンチュウ

いちご

ゆり

1 1

いちご しゃくやく せんりょう ぼたん ゆり

4 2 1 1 1 ハガレセンチュウ

きく 2 きく 1

イチゴメセンチュウ

いちご 2 いちご 5 いちご 1

ナミクキセンチュウ たまねぎ にんにく

1 1

たまねぎ 1

イモグサレセンチュウ

にんにく 1

ナミイシュクセンチュウ

つつじ 1 つつじ 1

ネモグリセンチュウ

れんこん

いぐさ

1 1

れんこん 1

表−6 つづき

作物類別 197988 198998 19992011 根菜類 だいこん

ごぼう にんじん

10 2 2

だいこん ごぼう にんじん

11 4 3

だいこん にんじん ごぼう

6 3 2 いも類 さといも

かんしょ ばれいしょ

2 1 1

サトイモ ばれいしょ かんしょ やまのいも

6 4 3 2

ばれいしょ かんしょ さといも

4 1 1

豆 類 大豆 2

花き類 きく ばら

6 1

きく

トルコギキョウ はなしょうぶ

7 1 1

きく マーガレット カーネーション

9 1 1

果樹類 いちじく 1 いちじく

もも かんきつ かき

1 1 1 1

その他 1 薬用人参

水稲 小麦

1 1 1

(4)

にはさらにカーネーションが加わった。イネシンガレセ ンチュウも第II期が初出で第III期でも報告され,報告 数は共に10件を超えた。第I期調査にこれがなかった のは,やはり野菜の線虫ではないためだろう。イチゴセ ンチュウも第I期は未報告で,第II期にいちごとゆりの 2品目,第III期はいちごを加えて5品目が報告された。

イチゴメセンチュウは第I期で2件,第II期で5件がい ちごで報告されたものの,第III期には1件に減少して いる。近年イチゴメセンチュウの発生は確認されていな いので,この第III期報告はイチゴセンチュウの誤認か

もしれない。このほか,イモグサレセンチュウが第III 期からにんにくで報告されていること,ネモグリセンチ ュウが第II期かられんこんで報告されるようになった ことが注目される。

2) 全国の線虫被害作物

全国対象の調査は第II,第III期に限られる(表―8)。

ネコブセンチュウの被害が懸念される品目は,果菜類で はきゅうり,トマト,メロン,なす,すいか,ピーマン が両調査期とも高い頻度で報告され,順位もほぼ同じで あった。茎葉菜類の被害品目数は,西日本の場合と同様,

表−8 ネコブセンチュウ加害作物の報告件数(頻度)の推移(全国)

類別 II期調査期間(198998年) III期調査期間(19992011年)

果菜類 きゅうり トマト メロン なす

33 31 18 9

すいか ピーマン オクラ いちご

9 7 2 2

トマト きゅうり メロン なす

31 30 18 10

すいか ピーマン オクラ にがうり

6 6 5 3

いちご とうがん

2 1

茎葉菜類 キャベツ ほうれんそう モロヘイヤ ねぎ レタス みょうが チンゲンサイ ブロッコリー

5 4 3 3 3 2 2 2

はくさい 2 ねぎ ほうれんそう レタス チンゲンサイ ブロッコリー キャベツ アスパラガス なばな

7 4 3 3 2 2 2 2

しそ たまねぎ にんにく モロヘイヤ はくさい パセリ こまつな ターサイ

2 2 2 1 1 1 1 1

エンサイ エンダイブ にら みょうが みずな バジル

1 1 1 1 1 1

根菜類 にんじん だいこん ごぼう しょうが

20 11 8 2

かぶ

おたねにんじん 2 1

にんじん ごぼう だいこん しょうが

14 9 8 2

かぶ 1

いも類 かんしょ やまのいも さといも

18 9 7

ばれいしょ こんにゃく

6 2

かんしょ やまのいも ばれいしょ

15 12 4

さといも こんにゃく

2 1

豆 類 いんげん えだまめ らっかせい

3 4 2

大豆 らっかせい

4 2

花き類 リンドウ ばら きく ほおずき スターチス シクラメン トルコギキョウ

3 3 3 2 2 2 2

ブバルジア こくちなし マーガレット ストック スイートピー ガーベラ はなしょうぶ

1 1 1 1 1 1 1

きく

トルコギキョウ りんどう カーネーション ばら

マーガレット ゆり

5 3 2 2 1 1 1

マトカリア カナリアナス ストック つつじ類 しゃくなげ ソリダゴ

1 1 1 1 1 1

果樹類 いちじく キウイフルーツ りんご もも ぶどう

16 4 3 2 2

おうとう パッションフルーツ

2 1

いちじく みかん ぶどう かき

キウイフルーツ 15

3 3 2 1

りんご もも なし 西洋なし

1 1 1 1

その他 1 ミシマサイコ 1

(5)

II期と第III期の間で著しく増加し,第II期では9 物であったが第III期には22作物にまで増えた。そのト ップは両調査期ともにねぎであった。根菜類のネコブセ ンチュウの被害作物のトップは両調査期ともににんじん

(報告件数各20,14)であった。これにだいこんとごぼ うが続くが,だいこんの順位は第II期の2位から,第 III期の3位に後退した。調査の第III期では根菜類の報 告数が全体に低下した。いも類では両調査期ともにかん しょがトップ(各18,15件)で次にやまのいもであった。

豆類では大豆が報告された。果樹類ではいちじくの報告

数が第II期で16件,第III期で15件であり,最も多か った。

ネグサレセンチュウの被害作物を表―9に示した。果 菜類では両調査期ともにいちごがトップであった(報告 件数19件,18件)。茎葉菜類では両調査期ともにキャ ベツがトップであったが,報告数は4件に過ぎない。茎 葉菜類の報告数は第II期の8件から第III期の16件に 倍増していた。根菜類では,だいこん(I期,II期の報 告 件 数 各26件,21件),に ん じ ん(同14件,11件) ごぼう(同10件,9件)が並び順位も動かなかった。

表−9 ネグサレセンチュウ加害作物の報告件数(頻度)の推移(全国)

類別 II期調査期間(198998年) III期調査期間(19992011年)

果菜類 いちご トマト きゅうり メロン

19 6 4 3

すいか なす

2 1

いちご きゅうり トマト なす

18 4 4 3

メロン オクラ ピーマン

2 1 1

茎葉菜類 キャベツ ねぎ レタス ほうれんそう モロヘイヤ らっきょう ブロッコリー

4 3 2 2 1 1 1

キャベツ レタス ねぎ しそ はくさい なばな たまねぎ

4 4 3 2 2 2 2

にんにく らっきょう パセリ ほうれんそう ブロッコリー モロヘイヤ つわぶき

2 1 1 1 1 1 1 根菜類 だいこん

にんじん ごぼう

26 14 10

かぶ

おたねにんじん 3 1

だいこん にんじん ごぼう

21 11 9

かぶ しょうが

4 1

いも類 さといも ばれいしょ やまのいも

11 5 5

かんしょ こんにゃく

4 1

やまのいも ばれいしょ さといも

5 5 4

かんしょ こんにゃく

3 1

豆 類 えだ豆 2 大豆 4

穀 類 陸稲 1 小麦

水稲

3 2

そば ひえ

1 1 花き類 きく

ばら

トルコギキョウ すずらん とりかぶと ニューサイラン レザーファン ストック

15 2 2 2 1 1 1 1

アナナス しゃくやく ぼたん はなしょうぶ シクラメン りんどう カーネーション

1 1 1 1 1 1 1

きく りんどう カーネーション ばら

マーガレット トルコギキョウ ゆり

ストック

19 3 1 1 1 1 1 1

つつじ類 1

果樹類 もも いちじく なし うめ

3 2 1 1

かんきつ ぶどう かき いちじく なし

3 3 3 2 2

キュウイフルーツ りんご もも うめ 西洋なし

1 1 1 1 1

その他 1 薬用人参

たばこ

1 1

(6)

いも類では第II期にさといもが11件報告されトップだ ったが,第III期では4件の報告に減り,順位も3位に 落ちた。豆類では大豆が第III期で4件報告されている。

なお穀類のネグサレセンチュウ害が小麦,水稲,蕎麦等 であがっていたが,実態には疑問がある。花き類ではき くの報告件数が群を抜いて多かった(第II期,III期で 各々15件,19件)。花き類で報告された品目は15(第 II期)から9(第III期)に減少した。第II期で4品目 だった果樹類は第III期には10品目に増え,花き類とは 逆の傾向であった。

その他の線虫の加害報告作物については次の通りであ る(表―10)。豆類のシストセンチュウの被害品目の順位 は,大豆,えだ豆,小豆,いんげんの順で変わらないも のの,どの品目の報告件数も第II期より第III期で増え ていた。ジャガイモシストセンチュウ発生地の拡大によ り,第II期で3件だったばれいしょの報告件数が第III 期では5件に増加した。また,第II期では1件のみだ ったカーネーションの報告が第III期には4件に増えた。

イネシンガレセンチュウの報告件数は第II期で27件も あったが,第III期に大きく減少し18件になった。イチ ゴセンチュウのいちごの報告件数は第II期の4件から III期の10件に増加した。ハガレセンチュウの被害品 目は第II期で5作物,第III期で7作物報告されていた。

一方,いちごのイチゴメセンチュウの報告は第II期の5 件から第III期の1件に減少した。おそらくイチゴメセ ンチュウと混同されていたものがイチゴセンチュウに整 理された結果であろう。イモグサレセンチュウが調査の II期と第III期にそれぞれ3件と4件報告された。そ の他ラセンセンチュウがエンサイとツワブキで報告さ れ,オオハリセンチュウが植木で報告された。

3) 線虫の被害作物の順位推定(全国の報告頻度に よる)

線虫を一括してそれらの被害作物を集計すると,線虫 害全般の被害作物の順位が得られる(表―11)。これが報 告件数から推定する線虫被害作物の順位である。この表 で見ると,最も線虫被害が懸念される作物は調査の第II III期に共通してトマトだった。きゅうりは第II期に トマトと同率1位だったが,作付面積の大幅な減少にも かかわらず,第II期でも2位の位置を占めていた。根 菜類のだいこんとにんじんはトップテンにはとどまるも のの,第III期でそれぞれ順位を下げた。だいこんは1 位から5位に,にんじんは4位から6位に下がった。大 豆は第II期では17位だったが,第III期は7位に躍進し,

トップテンに入った。同じく大豆ではあるが用途がえだ 豆のものの順位はあまり変化しなかった。2011年時点 表−10 その他の線虫の加害作物の報告件数(頻度)の推移(全国)

類別 II期(198998年) 第III期(19992011年)

シストセンチュウ 豆 類 大豆 えだ豆 小豆 いんげん

10 6 3 1

大豆 えだ豆 小豆 いんげん

13 8 1 1 いも類 ばれいしょ 3 ばれいしょ 5 花き類 カーネーション 1 カーネーション 4 イネシンガレセンチュウ

水稲 27 水稲 18

イチゴセンチュウ いちご わさび ベゴニア ゆり せんりょう

4 1 1 1 1

いちご しゃくやく わさび せんりょう ぼたん ゆり

10 2 1 1 1 1 ハガレセンチュウ

きく 5 きく 7

イチゴメセンチュウ

いちご 7 いちご 1

ナミクキセンチュウ

たまねぎ 1

イモグサレセンチュウ

にんにく 3 にんにく アイリス

4 1 ナミイシュクセンチュウ

つつじ 1 つつじ 3

ネモグリセンチュウ れんこん いぐさ

4 1

れんこん 4

ユミハリセンチュウ

ながいも 1

ミカンネセンチュウ

かき 1

ラセンセンチュウ

エンサイ

つわぶき

1 1 オオハリセンチュウ

植木 1

(7)

の国内の線虫害を受ける作物のトップテンは,トマト,

きゅうり,いちご,きく,だいこん,にんじん,大豆,

水稲,メロン,かんしょ,ごぼうの順となった。

被害作物の順位をネコブセンチュウに限定して見ると

(表―12),1,2位に前後してきゅうりとトマトが並んで いる点では,調査の第II期と第III期間に変化はなかっ た。根菜類には第II期と第III期に動きがあり,にんじ んが3位から6位に,だいこんが7位から10位に順位 を下げた。第II期に8位だったすいかも,第III期には

表−11  報告件数から見た線虫害の受ける作物の順位

(線虫を問わない)

順位

II期(198998)

順位

III期(19992011)

作物 累計 作物 累計

1 トマト 37 1 トマト 35

1 だいこん 37 2 きゅうり 34

1 きゅうり 37 3 いちご 32

4 にんじん 34 4 きく 31

5 いちご 30 5 だいこん 29

6 水稲 27 6 にんじん 25

7 かんしょ 22 7 大豆 21

8 メロン 21 8 水稲 20

9 きく 20 8 メロン 20

10 ごぼう 18 10 かんしょ 18

10 いちじく 18 10 ごぼう 18

12 やまのいも 14 12 いちじく 17 12 ばれいしょ 14 12 やまのいも 17 14 さといも 13 14 ばれいしょ 14

15 えだ豆 12 15 なす 13

16 すいか 11 16 ねぎ 10

17 大豆 10 17 えだ豆 8

18 なす 9 17 にんにく 8

18 キャベツ 9 19 レタス 7

20 ピーマン 7 20 カーネーション 6 21 ほうれんそう 6 20 キャベツ 6

21 ねぎ 6 20 さといも 6

23 レタス 5 20 すいか 6

23 もも 5 20 ピーマン 6

23 ばら 5 25 オクラ 5

23 かぶ 5 25 かき 5

27 れんこん 4 25 りんどう 5

27 トルコギキョウ 4 28 かぶ 4 27 キウイフルーツ 4 28 しそ 4

30 リンドウ 3 28 たまねぎ 4

30 りんご 3 28 なばな 4

30 モロヘイヤ 3 28 ほうれんそう 4

30 にんにく 3 28 れんこん 4

30 いんげん 3

30 小豆 3

表−12  報告件数から見た線虫害の受ける作物の順位

(ネコブセンチュウ)

II期(198998) III期(19992011)

順位 作物 累計 順位 作物 累計

1 きゅうり 33 1 トマト 31

2 トマト 31 2 きゅうり 30

3 にんじん 20 3 メロン 18

4 メロン 18 4 かんしょ 15

4 かんしょ 18 4 いちじく 15

6 いちじく 16 6 にんじん 14

7 だいこん 11 7 やまのいも 12

8 なす 9 8 なす 10

8 やまのいも 9 9 ごぼう 9

8 すいか 9 10 だいこん 8

11 ごぼう 8 11 ねぎ 7

12 さといも 7 12 すいか 6

12 ピーマン 7 12 ピーマン 6

14 ばれいしょ 6 14 きく 5

15 キャベツ 5 14 オクラ 5

16 ほうれんそう 4 16 ほうれんそう 4 16 えだまめ 4 16 ばれいしょ 4 16 キウイフルーツ 4 16 大豆 4

表−13  報告件数から見た線虫害の受ける作物の順位

(ネグサレセンチュウ)

II期(198998) III期(19992011)

順位 作物 累計 順位 作物 累計

1 だいこん 26 1 だいこん 21

2 いちご 19 2 きく 19

3 きく 15 3 いちご 18

4 にんじん 14 4 にんじん 11

5 さといも 11 5 ごぼう 9

6 ごぼう 10 6 やまのいも 5

7 トマト 6 6 ばれいしょ 5

8 ばれいしょ 5 8 きゅうり 4

8 やまのいも 5 8 トマト 4

10 きゅうり 4 8 キャベツ 4

10 キャベツ 4 8 レタス 4

10 かんしょ 4 8 さといも 4

13 メロン 3 8 大豆 4

13 ねぎ 3 8 かぶ 4

13 もも 3 15 なす 3

13 かぶ 3 15 ねぎ 3

15 小麦 3

15 りんどう 3

15 かんきつ 3

15 ぶどう 3

15 かき 3

15 かんしょ 3

(8)

順位を12位に下げた。

被害作物の順位をネグサレセンチュウに限定すると

(表―13,調査の両期間ともトップはだいこんだった。

調査の両期間のにんじんの順位も4位のまま変動しなか った。他の品目も順位が幾分前後したが,トップテン内 での顔ぶれは変わっていなかった。第II期と第III期の 間で根菜類の順位の低下がなかったことが,ネコブセン チュウ被害作物とは異なる特徴であった。

4) 都道府県の試験対象作物から見た線虫被害作物 の順位

線虫の被害作物の順位を決定するもう一つの方法は,

都道府県が独自予算で実施した線虫防除試験の対象作物 の出現頻度である。それを図―11,図―12に示した。こ れまで筆者(水久保,2000;水久保,2015)は自治体の 独自の線虫害関連研究は,その地域で特別の試験需要が あるからこそ課題化され,その対象作物は線虫による被 害も大きいに違いなく,線虫害を被る作物順位の判断材 料にふさわしいだろうと考えてきた。確かに,被害が大 きければ,緊急度や試験の優先度が高まり,課題化され やすい。しかし,研究が「流行り」で行われることも見 過ごせない。新しい防除手段(研究手段でもよい)が開 発されると,それが規範となって応用(あるいは適用)

研究があちこちで始まる。これはパラダイム追従型の研 究行動で,どの分野でも行われることである。良い例が 線虫対抗植物である。有望な対抗植物品種が開発される と,各県でその適用試験が始まる。それがネグサレセン

チュウ抑制に有望な対抗植物であれば,ネグサレセンチ ュウの被害が発生するだいこん畑で多数の試験が行われ る。こうして,対抗植物の試験数が増えるほど試験対象 作物のだいこんのカウント数が上がることになる。逆に 言えば,線虫被害が深刻な作物があっても,有望な手段 がなければ防除研究は行われない。昨今のように自治体 の試験場が対応すべき課題が多く,人員に余力がない状 況では,たとえ現場でどんなに深刻な線虫問題があって も試験に割く余力がない。したがって,全国の線虫被害 作物の順位は,線虫試験対象作物だけから判断すること は危険であり,参考にとどめるべき性質のものであろ う。むしろ,都道府県が報告した線虫被害作物頻度から 見るべきというのが現在の筆者の見解である。

繰り返しになるが,線虫害を受ける作物の日本の現在 のトップテンは,トマト,きゅうり,いちご,きく,だ いこん,にんじん,大豆,水稲,メロン,かんしょ,ご ぼうである。

次回は調査のIIIIIIの期間の線虫防除技術(農薬を 含む)の変遷を資料の集計結果を踏まえて通覧したい。

引 用 文 献

1)田中福三郎・古賀成司(1989): 平成元年度野菜病害虫防除研 究会シンポジウム講演要旨―土壌線虫を巡る諸問題―,野 菜・茶業試験場,日本植物防疫協会 共編,p.6899.

2)水久保隆之(1999): シンポジウム「線虫防除の戦略と展望」講 演要旨,日本植物防疫協会 編,p.131.

3) (2000): 植物防疫 54(1): 1122.

4) (2015): 日本線虫学会誌 45 : 6376.

図−11 II期(198998年)調査時の線虫害関連試験対象 作物の出現頻度分布

すいか れんこん さつき

レタス ごぼう いちご キウイフルーツ

水稲 にんじん いちじく さといも

メロン ばれいしょ にんにく

かんしょ きゅうり

大豆 やまのいも

トマト

だいこん

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

試験件数累計

作物

図−12 III期(19992011年)調査時の線虫害関連試験対象 作物の出現頻度分布

らっきょう しそ みょうが ねぎ にんじん

いちご ごぼう しょうが

あずき メロン

やまのいも ピーマン にんにく

きゅうり 水稲

大豆 かんしょ だいこん

トマト ばれいしょ

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

試験件数累計

作物

参照

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