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建築物の敷地が防火指定の異なる地域にわたる場合の 建蔽率緩和の取扱いについて
2021年3月30日 日本ERI株式会社
建築基準法第53条に定める建蔽率の緩和については、令和元年6月施行の法改正により、これ まで防火地域内にある耐火建築物が対象であったものに加え、準防火地域内にある準耐火建築物 等も対象とする緩和拡大が行われています。この緩和の適用にあたり、建築物の敷地が防火指定 の異なる地域の内外にわたる場合、その取扱いについて明文化されていないケースがあり、申請 先により異なる運用も行われていたところですが、今回、国土交通省より技術的助言が発出され、
これらのケースについて取扱いが示されました。
詳細は下記の通りです。関係建築物を設計される場合は、計画等にお役立てください。なお、
技術的助言によらず、行政により別途運用を定めている場合もありますので、ご留意ください。
記
(1)法第53条で規定する建蔽率緩和の基本
敷地内にあるすべての建築物が所定の防火性能を有するものである場合の緩和
【緩和➀】防火地域(指定建蔽率80%の地域以外)(第3項第一号)
耐火建築物等*は、10%加算
【緩和②】防火地域(指定建蔽率80%の地域)(第6項第一号)
耐火建築物等*は、100%(建蔽率適用対象外)
【緩和③】準防火地域(第3項第一号)
耐火建築物等*又は準耐火建築物等*は、10%加算
(2)敷地が防火指定の異なる地域にわたる場合:法第53条で定める取扱い
【A】敷地が防火地域の内外にわたる場合(第7項)
敷地内の建築物すべてが耐火建築物等*である場合は、敷地すべてについて【緩和➀】
又は【緩和②】を適用する。
【B】敷地が準防火地域と、防火・準防火指定のない区域にわたる場合(第8項)
敷地内の建築物すべてが耐火建築物等*又は準耐火建築物等*である場合は、敷地す べてについて【緩和③】を適用する。
(3)敷地が防火指定の異なる地域にわたる場合:技術的助言で示された取扱い
(2)以外のケース(明文化されていないケース)について、以下の取扱いが示されています。
【A】敷地が防火地域の内外にわたる場合
防火地域、準防火地域ごとに【緩和➀】【緩和②】【緩和③】の適用を検討する。
【B】敷地が準防火地域と、防火・準防火指定のない区域にわたる場合 準防火地域の敷地部分について【緩和③】の適用を検討する。
*耐火建築物等:耐火建築物又は延焼防止建築物、準耐火建築物等:準耐火建築物又は準延焼防止建築物
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〔凡例〕 耐火建築物等
耐火建築物等・準耐火建築物等以外の建築物
(4)本技術的助言により緩和適用した場合の例
まず防火指定の異なる地域・区域ごとに【緩和1】【緩和2】【緩和3】の適用を検討して それぞれの建蔽率を算出し、敷地全体の建蔽率については各地域・区域の建蔽率を加重平均 して算出します(第2項)。
緩和を適用した場合は、確認申請書第三面7欄【チ.備考】欄に、緩和理由の記載が必 要ですので、緩和後の建蔽率を算出するための計算式を記載してください。
○確認申請書第三面7欄【チ.備考】欄の記入参考例
防火地域の耐火建築物等及び準防火地域の準耐火建築物等により、(200 ㎡×100%
+200㎡×70%)÷400=85%
○確認申請書第三面7欄【チ.備考】欄の記入参考例
防火地域の耐火建築物等により、(200㎡×100%+200㎡×60%)÷400=80%
耐 準
〔凡例〕 耐火建築物等 準耐火建築物等 ケース1
【防火地域】
建蔽率 80%
(敷地面積 200㎡)
【準防火地域】
建蔽率 60%
(敷地面積 200㎡)
耐
準
ケース2
【防火地域】
建蔽率 80%
(敷地面積 200㎡)
【指定なし】
建蔽率 60%
(敷地面積 200㎡)
耐
他
耐 他
■防火地域部分の建蔽率
⇒【緩和②】により100% ……ⓐ
■準防火地域部分の建蔽率
⇒【緩和③】により60+10=70% ……ⓑ
⇒
【 緩 和
②
】 に よ り 1 0 0
%
■ 準 防 火 地 域 部 分 の 建 蔽 率
⇒
【 緩 和 敷地全体の建蔽率:85%
(ⓐとⓑの加重平均)
■防火地域部分の建蔽率
⇒【緩和②】により100% ……ⓐ
■指定なし区域部分の建蔽率
⇒緩和の適用がないため60% ……ⓑ
⇒
【 緩 和
②
】 に よ り 1 0 敷地全体の建蔽率:80%
(ⓐとⓑの加重平均)
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〔凡例〕 準耐火建築物等
〔凡例〕 準耐火建築物等
○確認申請書第三面7欄【チ.備考】欄の記入参考例
準防火地域の準耐火建築物等により、(200㎡×80%+200㎡×70%)÷400=75%
○確認申請書第三面7欄【チ.備考】欄の記入参考例
準防火地域の準耐火建築物等により、(200㎡×80%+200㎡×70%)÷400=75%
ケース3
【防火地域】
建蔽率 80%
(敷地面積 200㎡)
【準防火地域】
建蔽率 60%
(敷地面積 200㎡)
準 耐
準
ケース4
【防火地域】
建蔽率 80%
(敷地面積 200㎡)
【準防火地域】
建蔽率 60%
(敷地面積 200㎡)
準 耐
準
■防火地域部分の建蔽率
⇒緩和の適用がないため80% ……ⓐ
■準防火地域部分の建蔽率
⇒【緩和③】により60+10=70% ……ⓑ
⇒
【 緩 和
②
】 に よ り 1 0 0
%
■ 準 防 火 地 域 部 分 の 建 蔽 率
⇒
【 緩 和
③
】 に よ り
、 6 敷地全体の建蔽率:75%
(ⓐとⓑの加重平均)
■防火地域部分の建蔽率
⇒緩和の適用がないため80% ……ⓐ
■準防火地域部分の建蔽率
⇒【緩和③】により60+10=70% ……ⓑ
⇒
【 緩 和
②
】 に よ り 1 0 0
%
■ 準 防 火 敷地全体の建蔽率:75%
(ⓐとⓑの加重平均)
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なお、法第53条第3項第二号で定めるいわゆる「角地等の緩和」については、敷地が防火指 定の異なる地域にわたる場合の取扱いに関わらず、敷地単位で適用されます。
国土交通省技術的助言は次ページの通りです。
本解説とあわせ、内容確認いただきますようお願いいたします。
※技術的助言は法令と同等に扱われるものではなく、地域による別途運用が定められている場 合はそちらが優先される場合がありますのでご留意ください。
○確認申請書第三面7欄【チ.備考】欄の記入参考例
防火地域の耐火建築物等及び準防火地域の準耐火建築物等及び角地等により、(200㎡
×100%+200㎡×80%)÷400=90%
耐 準
〔凡例〕 耐火建築物等 準耐火建築物等 ケース5:敷地が特定行政庁指定角地の場合
【防火地域】
建蔽率 80%
(敷地面積 200㎡)
【準防火地域】
建蔽率 60%
(敷地面積 200㎡)
耐
準 道路
道路
■防火地域部分の建蔽率
⇒【緩和②】により100% ……ⓐ
■準防火地域部分の建蔽率
⇒【緩和③】及び角地等緩和により
60+10+10=80% ……ⓑ
⇒
【 緩 和
②
】 に よ り 1 0 0
%
■ 準 防 火 地 域 部 分 の 建 蔽 率
⇒
【 緩 和
③
】 に 敷地全体の建蔽率:90%
(ⓐとⓑの加重平均)
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☆建築基準法の一部を改正する法律等の円滑な施行について(技術的助言)
令和3年3月3日国住街第204号
建築基準法の一部を改正する法律(平成30 年法律第67 号。以下「改正法」という。)等の施 行については、「建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(技術的助言)」(令和元年6 月24 日付け国住指第654 号、国住街第41 号)等により、その運用に係る細目を通知したころ であるが、改正法施行後の建築基準法(昭和25 年法律第201 号。以下「法」という。)第53 条 の規定に基づく建蔽率制限の緩和に係る補足を、地方自治法(昭和22 年法律第67 号)第245 条 の4第1項の規定に基づく技術的助言として、下記のとおり通知するので、その運用に遺憾なき ようお願いする。
記
1.敷地が防火地域の内外にわたる場合の建蔽率緩和に係る考え方
敷地が防火地域の内外にわたる場合であって、敷地内の建築物の全部が法第53 条第3項 第一号イに規定する耐火建築物等(以下「耐火建築物等」という。)である場合は、同条第7 項に基づき、当該敷地は全て防火地域内にあるとみなして、同条第3項第一号又は第6項第 一号の規定が適用される。
一方、敷地が防火地域の内外にわたる場合であって、上記以外の場合は、当該敷地内の防 火地域、準防火地域ごとに、当該地域内にある建築物の耐火建築物等又は法第53 条第3項 第一号ロに規定する準耐火建築物等(以下「準耐火建築物等」という。)の別に応じて、同条 第3項第一号又は第6項第一号の規定が適用される。
2.敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合の建蔽率緩和に係る 考え方
敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合であって、敷地内 の建築物の全部が耐火建築物等又は準耐火建築物等である場合は、同条第8項に基づき、当 該敷地は全て準防火地域内にあるとみなして、同条第3項第一号の規定が適用される。
一方、敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合であって、
上記以外の場合は、当該敷地内の準防火地域にある建築物の耐火建築物等又は準耐火建築物 等の別に応じて、同条第3項第一号の規定が適用される。
以上 技術的助言