The Japanese Society for Plant Systematics
NII-Electronic Library Service
The Japanese Sooiety for Plant Systematios
July
,1972 Acta
Phytotax .
Geobot . 79
メ シ
ダ 科 の 分 類 と 維 管 束 の 構 造
加 藤 雅 啓
*Masahiro
KATo
:Thc
Vascular
Structure
andIts
Taxonomic
Significance
in
thcAthyriaceae
メ シ ダ 科の分 類につ い て は ま だ定 説といわ れ る よ う な もの が ない
。
そ れ は,
この科 とそ の 周 辺の植 物の もっ て い る形 質が充分観 察されてお らず,
その 形 質につ い ての 分類 学 的評 価 が一
定して い ない か らで あ る
。
CHRIsTENsEN ( 1938 )
がメ シ ダ連と して ヘ ラシ ダ属,
メ シ ダ属,
それ らの 近 縁 属,
ナ ヨ シ ダ 属, Stenolepia
を考え たの が この 類 を認識 し た は じ ま りで あ り, そ れ 以来, ヘ ラ シダ 属 メシ ダ 属
,
それ らの 異 名と さ れ るこ と も ある よ うな近縁属 およ び ナ ヨ シ ダ 属が1
つ の 自然 群を構 成す る とい うこ と は一
般に認め ら れて き た。
し か し, ウス ヒ メ ワ ラビ 属, ウサ ギ シダ 属,
イワデ ン ダ風 ク サ ソテ ツ属
,
コ ウヤ ワラビ属,
キ ンモ ウ ワ ラビ属,Stenolepia
,Cheilanthopsis
はメ シ ダ属近 縁 とみ な さ れた り,全 然 別 の 群と 関係づ け られ た りして
,
今な お 分類 学 的位置づ けが はっ き り して いな い。 こ の 研 究で は,
これ らの属(ま た は種 類 群)
がメ シ ダ群
に 属する か どうか をはっ き りさせ,
メ シダ科の 範 囲 を明 らか にする た め,
特に維 管 束 構 造の 検 討 をおこ な っ た 。シダ 植 物の 根茎 や 葉 軸の解 剖 学 的 形 質に つ い て の研 究は前 世 紀か らな されて お り
, MILDE
( 1866 )
が メ シダ属とチ ャ セ ン シダ属 を 識 別 するた めの指 標の1
つ と して葉 軸 (葉 柄 と 中 軸 ) 内の維管 束の 構 造の 差を 取 り上 げた例は有 名で あ る
。
これ らの 知 見 は 小倉( 1938 )
に よ っ て集 大成 さ れ て お り
,
根茎の 中心柱の 形 態・
葉 跡の 数・
その 横 断面の 形な ど に注目 して 維 管 束の構
造の 進化の 傾 向が論じ ら れ た
。
その 後の 研究 に よ っ て も,
維 管 束の 構 造が属と か科の レベ ル で か な り一
定で あ り,
ある群は そ れに特 徴 的な構 造 を もつ こ と が知 られる よ うになっ て きて い る。
例え ばCHING ( 1940 ) ,
HoLTTuM ( 1947 ,
etc. ) ,
ALsTQN ( 1956 )
等 はメ シ ダ群を定 義す る指 標形質の1
つ と して 維 管 束の 構 造を 用い て い る。 この よ うに属 と か科の レベ ル で の シ ダの類 縁 関 係を解 明 す るの に維 管 束の構 造が 有 効で あるこ とが 認め られつ つ ある の で はあるが,
それに も拘 らず,
こ の形 質は特 定の シ ダにつ い て 断 片 的に観 察されて い るだけの 場 合が多 く,
ま と まっ た群で十分 の資 料につ いて観 察され
,
いろん な形 態を し た維 管 束の構 造の間の相互 関係につい て 論 議さ れ たこ と はほ と ん ど ない
。
メ シ ダ 群の場
合 も同様で, それ がこの群の範 囲を曖 昧に して い る原因の1
つ に な っ て い る。従っ て こ こでは, 狭 義 の メ シ ダ群
,
分 類 学的位 置づ けが研 究 者によっ て 異なる上 述の属,
問 題 の属 と類 縁がある といわれて きた 群の シ ダにつ い て 維 管 束の構造 を 比較 して, そ の分 類 学 的 意 義 を 検 討 し,
メ シ ダ 群が ど ん な 属 に よっ て構 成されて い る か, につ い て考
察 してみ たい。* 京 都大学理学 部植 物学 教室
N工 工
一
Eleotronio Library8G Acta
Phytotax .
Geobot . VoL
XXV ,2〜3
材 料 と 方 法
こ こで観 察した もの は メ シダ科で
41
種,
比較 材 料と して メ シ ダ科以外の もの で20
種で あ る。比較 材 料は,問 題にな る 属 が 関 係づ け ら れた こ との あ るもの をで きるだ け網 羅 するよ うに した。
材 料と して は野外か ら採 集 して きた もの か
,
栽培
の もの か,
で き る だ け 生 き た もの を使用 し た。 た だ し,
外 国 産の もの な どで止む を得ず乾 燥標本に よっ た もの もある。
根 茎の 維 管 束は
,
維 管 束以外
の 組織を ピン セ ッ トなどで 除 去 する早田( 1928)
の 方 法に よって観 察 し た
。
葉 軸の維 管 束は葉 軸の い くつ かの部 位を氷 結 ミクロ トー
ム で切片 をつ く り観 察した。
Cheilanthopsis
は入 手で きな か っ た。 将 来材料が 入手で き た時
観 察を補いたい 。観 察 結 果
根茎 の維 管 束
根 茎の維
管束
の構
造は,
狭 義の メ シダ群 (メ シダ属 ヘ ラ シ ダ 属,
そ れ らの近 縁 属,
ナ ヨ シ ダ 属 ),
帰 属が確 定 して いな い属 (ウス ヒ メ ワ ラビ属, ウ サ ギ シ ダ 属,
イワデ ン ダ 属,
クサソ テ ッ属,
コ ウヤ ワ ラビ属 ,キ ン モ ウ ワ ラビ属Stenolepia ) ,
そ して これ ら が関 係づけら れて き た群 (ヒ メ シ ダ群 ,
ナ ナバ ケ シダ群,
オ シダ群, シ シガシ ラ群 )の すべ て につ い て ,2 − 3
の特 殊な形 態を除いて ほ ぼ同じ構 造 をして お り, み るべ き差異 はな い( Fig .
レ6)。
すな わ ち, 単 純な網 状中
心柱で葉 隙が重な り合っ て い て,
断面 を み る と数本
の分 柱が 環状に配 列して い る。葉 隙は ラ セ ン状にな らんで い て
,
根跡 が各 葉隙の下の分 柱か ら出て いる。1
葉隙 当 りの根 跡の数は種によっ て 王
本
と か3
本と か決 まっ てい る場 合 もあ れば, 不 定の場 合 もある。キ ン モ ウワ ラ ビ の 根 茎は背 腹 性をもっ て お り
,
背 側に細い1
本の分柱が,
腹 側に幅の 広い1
本の分 柱 が 通っ て い て,
両 者 を他の 分 柱が連 結 して い る。 葉 隙は背側 の分 柱の 両 側に各1
列にならん で いる。根 跡は多 数,腹側の分柱か らの み出て い る。 また
,Anisocampium
cumingianumの 根 茎
( Fig . 3)
も同じ様に,背側 と腹 側に各1
本ず つ 分 柱が 通 っ て い る が,
わ ず かに腹 側の方
が 太い。
これ ら2
本の 分 柱を他の分柱がつ ない で い て,
葉 隙 を 取 囲ん で い る。 葉 隙は し た が っ て2
列 にな ら んで い る。
根 跡は背 側の分 柱か らも出て い る が数は少な く,
腹側の分 柱か ら比較
的多
く出てい る。
このA .
cumingianum の根 茎は 形 態 上,
葉隙が ラセ ン 状にな らん だ 根茎 とキン モ ウ ワ ラビ属 のような完 全な背 腹 性の ある根 茎の
中
間 的 な位 置を占
め る。 A .
cumingianum の背腹 性を お び た根 茎が背 腹 性の ない根 茎か ら導か れ た こ と は たぶ ん間 違い の ない こ とで あ る し,
キン モ ウワ ラ ビ属の場
合 も,
岩の 割 れ目 とい う生 育 場 所に 関 連 して2
次 的に生 じ た ら しいこ とは
,
岩 槻( 1964 )
に よ っ て 指 摘さ れて い る。
葉 隙の 形や大き さ は根 茎の状態 (匍 匐
,
直 立 な ど)と 関 連 して い て,
根茎 が長 く匍匐してま ば らに葉 をつ け る場 合( Fig . 2
,4)
は葉 隙も細 長い楕 円形 と な り,斜
上 或 い は 直 立で密に葉がつく場 合
( Fig .5
,6 )
は楕円 形 と か広
楕円 形で ある。
また キ ンモ ゥ ワ ラ ビ属やA .
cumingianum の根 茎( Fig. 3 )
の よ うに1
本の 分 柱が背 腹 両 側に ある場合
は葉 隙 も平 行四辺 形に似て い る。The Japanese Society for Plant Systematics
NII-Electronic Library Service
The Japanese Sooiety for Plant Systematios
J
皿ly
,1972 Acta
Phytotax .
Geobot . 81
s . b .
5
2
4 6
Figs。1−6.
Vascular structures of the rhizome肱 鰯 鶉 鸚 縱 贊
x、g
.
、F
’g議
。 。島嬲 跳 識
・.
F’g磁
5
. Woodsia
ρ吻∫’勲 g油 ∫, x 10.
Fig.
6.
A吻跏 n 乙,
idatii,
x 5.
Lt
.
:1caf trace,
r.
t.
:root trace, s.
b.
:subsidiary bundle・
葉 軸 (葉柄
,
中 軸)の 維管 束A .
狭 義のメ シダ 群狭
義の メ シ ダ群(
メ シダ属,
ヘ ラ シダ属,
それ らの 近縁属,
ナ ヨ シダ 属 )で はふつ う1 葉
隙N工 工
一
Eleotronio Library82 Acta
Phytotax .
Geobot . Vol .
XXV , 2 〜3
:
, ,
tk
.
ジ1
,
魑
、
B { lliliP }
Fig
.
7,
Fig,
8.
Fig.
9,
Fig. 10.
Fig
.
1L% o
7
A
蕊 》
A
、◎ 1
11
Figs
.
7−
11.
Vascular
structllres of the lea∫ axis.
4吻rピ襯 mesosorum , × 15, 75;A.
basal portion of stipe,
B.
upper portion of stipe.
1)ψ’aziumpu
〃ingeri ,
x lO, 100;A.
basal portion of stipe.
B .10wer
portion of rachis,
C,ystopteris sudetica,
x10,
100;A.
basal portion of stipe,
B.
10wer portion of rachis.
CornopteriS deonrアenti−
alala, x lO
,
25;A・
basalpQrtion
of stipe。
B.
upPcr pQrtion of stipe.
1)iplacium
んach{ノoense,
×5
;basal
portion of stipe.
当 り
2
本の 葉 跡が葉 隙の 下半分 を 囲 む分柱か ら 出て い る( Fig ・ 2
,3
,4 )。
葉 柄基部の断 面( Fig.
7− 10 )
を み る と, 2
本の維 管 束が左 右に対 称 的に な らんで いる。
各々 の維
管 束は外 側か ら内 側にか けて 順に内 皮
,
内 鞘,篩
部,
木部
が輪状
に配 列 して い る。 木 部は仮 導 管が集まっ て いわ ゆ る タツ ノt
トシ ゴ型 を形 作っ てい る。 木 部の 中 央 部は比 較 的 太い仮 導 管か ら成っ て い る が,
両 端に ある カ ギ 型 の部 位は細い仮 導 管か ら成る。 木 部の大 部 分は後 生 木 部で あるが,
カギ 型の部 位の つ け根に原生木 部が み られ る。 2 本
の維 管 朿は葉 柄 上 部 或いは中 軸下部で葉の 背軸 側の端
同 志 がつ な が っ て
1
本のU
字 状の維管束
になる。メ シ ダ群の
中
にはこの基 本 的な構 造と少 し異 なっ た構 造を示 す 例 がい くつ かある。
シ ロ ヤマシダt オニ ヒ カ ゲワ ラビなどの
大
型 のシダ( Fig ・1
,I
l )
で は2
本の維
管束
の他
に,
葉の背
軸側
The Japanese Society for Plant Systematics
NII-Electronic Library Service
The Japanese Sooiety for Plant Systematios
July
,1972 Acta
Phytotax 。
Geobot . 83
に
1−2
本の 小さい維 管 束が み られる が,
これ らは直接 根茎の分柱 か ら 出る場 合もあれ ば,
葉 跡の 基 部か ら枝分 れ す る
場
合 もあ る。 こ の付 加的な維 管 束は,
しか しシ ロ ヤ マ シダ,
オニ ヒ カゲワ ラ ビな どで も小型 の 葉で は み られない 。 その こ と か ら
, 2
本の維管束以外に維 管 束が あ る か ど う か は 葉柄の 大 き さと 関 係 して い る とも考え られ る が,
大 きさが 同 じ か それ以上 の葉 柄を もつ ヒ ロ バ ノ コ ギ リシ ダに は こ うい っ た維 管 束は み あ た らない 。 付 加的な維 管 束が あっ たと して
も
,
そ れ は 基本的 な2
本に つ け 加わ っ た もの で あ り,
シロ ヤ マ シダ,
オニ ヒ カゲワ ラ ビな どに み られる維 管 束の構 造は メ シダ群に普 通に見 られ る構 造と 根本的に 違 う ものと は 思 わ れ な い。
D
. 鯵 ,
C ’ 『 ’ t”
:コ o
鹽 鹽 髄 ’ 『 ’ ’ ”匿 一 ’ ’ ’ ” ノ
1A
. ⇔
o
Fig
・
12・
Vascular structure of the lcaf axis of 」Diplagium sguamigeru 」nA
.
basal portion of stipe,
×1,
50.
B.
upper portion of stipe , x 10, 50,
C.
10wer portion of rachis , x 10,50.
D.
basal portion of stipe of a smallleaf ,
x10
,
50.
また キ ヨタ キ シ ダ
( Fig . 12 ) ,
ミ ヤ マ シ ダで は, 2
本の葉跡が それぞれ葉 柄基部の 木部 の 中 央 部で2
つ に分れて合 計4
本にな る。 そ して葉 柄 中 部か ら上 部に か け て分かれて い た2
本が そ れ ぞ れ 結 合 して元通 りの2
本にな り,
中 軸 下 部でその2
本が結 合 して1
本のU
字 状の維 管 束に なる
。
この 場 合に も 小 型の葉( Fig . 12
,D )
で は2
本の 維管 束に分 岐がみ られ ず,
普通の メ シ ダ群の もの と 同 じ構
造 と な る。
キヨ タ キシダ, ミ ヤマ シダ に み られ るこ うい っ た構造
もメ シ ダ 群に典型 的 なも
のか ら 派生 した と推 定で きるpN工 工
一
Eleotronio Library84 Acta
Phytotax .
Geebot . Vo
弖.
XXV , 2 〜 3
さ らに ヤ マ イ ヌ ワ ラ ビ
,
イヌ ワ ラビ,
ヘ ビ ノネコ ザ,
ミヤマ シ ケシ ダな どで は葉 跡は2
本で は な く, 1
本の葉 跡が葉 隙 基 部の 分 柱か ら 出る( Fig .6 )
。 し か しす ぐに2
本に分か れて メ シ ダ 群に普通 に み られる構 造 と な る。 「1
本の 葉 跡 」 とい う形 態は,根 茎が直立 して 葉柄
最基部
が 細 く な る種に多 く観 察 さ れ る が,
根茎 が匍 匐 して 葉 柄 基 部が細 くな ら ない イ ヌ ワ ラビ で もこ の形 態が見 られる し,一
方タニ イヌ ワ ラ ビ とか サ トメ シダ とい っ た, ヤマ イヌ ワ ラビな ど と同じよ うに直 立 した根 茎で 葉柄
最 基部が 細くな る種で も葉 跡は2
本で 出る。 もっ ともこ れ らの場 合で も,
根 茎が匍 匐 する もの に 比べ て 葉 跡が 出 る位置 が か な り接 近 して く る傾 向は ある。
ヤマ イヌワ ラビな ど に見 られる こ うい っ た構 造もメ シダ群に普通 にみ られ る ものか ら, 葉跡の 出 る 位 置 が接 近 して結 局
1 本
になる こ とに よ っ て 派生 し た と考え られ る。B .
位置が は っ き りし て いない属ウス ヒメ ワ ラ ビ属
,
ウ サ ギ シ ダ 属,
イワ デ ン ダ属,
クサ ソ テ ッ属,
コ ウヤワ ラ ビ属,
キ ン モ ウワラ ビ属は狭 義の メ シダ群 と同 じ維 管 束の構 造を もっ てい る( Fig .13− 18 >
。 すな わ ち, 葉 隙 当 り2 本
の葉 跡が1 本
の葉柄に入 り,
上部に行 くと結 合 し て1
本のU
字 状の 維 管 束に な る。
そ して
,
葉 柄 基 部の 維 策 束の 木 部の 横 断面 は タツ ノオ トシ ゴ型 を し ている。
た だフ クロ シダは,
ヤマ イヌ ワラビな どと 同 じ よ うに葉 隙 基 部の分 柱か ら
1
本の葉 跡が 出る がす ぐに分れて2
本と な り,
それ か ら はメ シダ 群に見 られ るの と同じ構 造を示 す。 こ の フ クロ シダの維 管 束 も,
「2
本の葉 跡 」の 普通の もの か ら派 生 し た と 考 え られ る。
CHING ( 1933 )
は ウ サ ギシダ属の葉 跡は2
本
で ある が,
中 軸で で も結 合せずに2
本のま まで い る と述べ て い る が, これ は観 察の 誤 りで あっ て
,
イ ワ ゥ サ ギ シ ダ,
エ ビ ラシ ダは共に少 くと も中 軸の 中 部で結合
して1
本のU
字 状の 維 管 束に な る( Fig . 14 ) 。
だか ら,
ウ サ ギシ ダ 属の葉軸の維 管 束は結 合 する部 位が メ シダ群に典型 的な もの と比 較す る と や や高いけ れ ど も,
メ シ ダ群の もつ 維 管 束と 同 じ構
造 を し て い るとい える
。
一
方, Stenolepia
は葉 柄 基 部 し か 観察さ れ な か っ た が,
その 横 断 面( Fig.19)
を見る と,5
本の維 管 朿がC
字 状にな らび, 両端の太 い2
本の 維 管 束の 各々 の木 部は三 角 形を して い る。
し か し仮 導 管の 配 列, 5
本とい う維管束
の数 か ら 判 断 して,
この 三 角 形の木 部はオシ ダ群( Fig . 21 )
に見 ら れ る 逆 コ ン マ 型の カギ型の 部 位の ない もの とい え る。 従っ て, Stenolepia
の葉 軸の維 管 束は メ シ ダ群の もの と異な っ てい る と 判断さ れ
,
む し ろ オ シ ダ群の 構造 と比べ ら れるべ き もの で あ る。
C .
他の分類 群ヒ メ シダ群
( Fig . 20 )
で は,
木 部の 横 断面 が タツ ノオ トシ ゴ型 を し た2
本の葉跡 が葉 柄 中 部 か ら巾 軸.
ド部に か けて結 合 して
1
本のU
字 状の 維 管 束 に なる。 ヒ メシ ダ群の維 管 束はメ シ ダ 群の もの と基 本 的に 同一
の構
造を し て い る。ま た
,
オ シ ダ 群と ナ ナバ ケ シ ダ 群は互に 同じ維 管 束の 構 造を して い る( Fig . 21
,22 )
。 葉 隙 当り数 本の 葉 跡が出る が
,
そ の横
断面 を み る と葉の 向 軸 側に2
本の 太い,
木 部が逆 コ ン マ 型の 維 管 束があ り, これ ら を 両端にC 字
状に細い何本かの 維 管 束が配 列 してい る。 葉 軸の上部に い くにつ れて こ れ らの 維 管 束は互に結 合 し合っ て数は減るが
, 2
本の 太い 維 管 束は中 軸の 上 部で も 結 合せ ずに2 本
のま まで いる。
オ シ ダ群や ナ ナバ ケ シダ群の維 管 束の構 造とメ シ ダ群の もの との 中 聞 的な もの は存 在して いな い ようで , 両 者は 形 態 上 , 葉 柄に入 る維 管 束の 数 その 横 断面
の 形
,
その葉 軸 上の結 合 部 位の点で, はっ き り した 差異が あるとい える だろ う.
例えばッ ル デThe Japanese Society for Plant Systematics
NII-Electronic Library Service
The JapaneseSociety forPlant Systematics
July,1972 Acta Phytotax. Geobot. 85
16
・, sw
so
Fig.Flg.
Fig.
Fig.Fig.Fig.Fig.
13.14-.
15.
16.17.18.I9.
15
A
%
Se B -.
', mp 1:
B BI<l
t il ag2fraeq
.G6,lsiiilllij}
B wa
,S
"
N i ?,9ag es } es
Figs.IS-19. Vascular structures of the Ieafaxis
Aaystopterisj'apenica,x10,
25;
A. basalportion of stipe. B. upper portionof stipe.(lymnocarpium
jessoense;
A, basalpoTtion of stipe, × 10, 100, B. rniddle portion ofrachis, x25.
Hipedematittn
crenatum subsp..fauriei,
×10, 100; A. basalportion
of stlpe. B. middle portionof stipe.PVbedsiamanchuriensis, ×25,100; A. basalportion of stlpe. B.middle portienof stipe.
A41itteucciastruthiopteris, ×IO; A. basalportion of stipe. B. Iower portionof rachis.
Onocleasensibilis, x15, 50; A. basalportienof stipe. B,upper portionof stipe.
Stenotopiatristis;basalportion of stipe, × 5,50.
NII-Electronic Mbrary
86 Acta
Phytotax .
Geobot . Vol .
XXV , 2 〜 3
ン ダ や ジ ュ ゥモ ンジ シ ダな ど比
較
的小 型の シ ダ( Fig . 23 )
で は2 本
の葉 跡だけが 出るがす ぐに 各々 か ら1
本の 維 管 束が 分 岐して,
そ れ らが結 合 して3
番 目の細
い維 管 束 を 形 成す る。
太い 維 管 束の木 部の横 断面の形 は オシ ダ群に典型的に見ら れ る逆 コ ンマ 型で ある し,2
本の太い維 管 束は 中 軸上 部ま で結合
し な い。 葉跡の数が2
本で ある と い うよ うな表 面的な類 似はある が,
メシダ群の もの と は基
本
的な差異 が あ る。
A
態
・. BC
20
o
@’
Fig
.
20.
Fig
.
2L Fig.
22.
Fig. 23.
Fig
.24.
Fig
.25.
21
B 穂
@
0
0
ρ
o
A 隻
OP
C
◎
’
’ 』 』 一
丶. . 、 一 、
幽 一 ・ ・ B
rr ◎
}
二
.
oβ
@
. . …. ” 『
÷
“『 ’
A
Figs
.
20−
25.
24
221 い 23
爆 \ ( 鬱
Vascular structures of the leaf axis
Stegnqgramma
pogoi
subsp.
motli∬ima, × 10,
100;A,
basaユportion of stipe,
B,
middleportion of s直pe
.
.
4卿 ρんo瑠 5stipellattts , ×5, 100;A,
basal portion of stlpe.
B.
upper portion of stipe, C ,
upPer portiQn of rachis.
伽 oden ゼ5 brownii;basal
por
廿on of stipc,
x5,
50.
Polystichum craSped ・5・rztm ;10wer portion of stipe, x lO, 100
.
Woodwardia
ortentatis,
×5
;A .
bas
乱正portion of stipe,
B .
upper portion of stipe.
α upper portion of ra〔血is.
Blechnum niponicum
,
×10,25
; basal portion of stipe.
B.
middle portion of rachis.
C.
upPer ponion of rachis.
シ シガ シラ群の内
,
コ モ チ シ ダ属のよ う な 比較
的 大型の シダ( Fig . 24 )
で は2
本の太い葉跡 と2 〜 3
本の比 較 的細
い葉跡 が1
つ の葉
隙を取 囲む分 柱か ら出る。 太い葉 跡の木 部の横 断 面はメ シダ
群
な どの いわ ゆる タ ツ ノ オ ト シ ゴ型とよ く似た形を して い る。
し か しこの 場 合,
この2
本の葉 跡はメ シ ダ 科の もの と は異なっ て 中 軸上部にな ら ない と結 合 し な い
。
ま た シシ ガ シ ラ属 の よ うな小型 の シダ( Fig , 25 )
で は葉 跡は2
本だ が,
その 内の1
本か ら3
番 目の細
い維 管 束が 分 岐 する。 そ して2
本の太 い 維 管 束は,
や はり 中 軸 上 部 まで結 合せずに い る。
従 っ て,
シ シガシ ラ群の維 管 束の