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10 和事象の確率

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Academic year: 2021

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Revised at 00:55, January 1, 2011 確率 第10http://mathadvanced.blogspot.com/ 1

10

和事象の確率

10.1

3の倍数、または4の倍数

(公平な)サイコロを1個振って出た目について色々考えてみましょう。

『出目が2の倍数である』と云う事象をA、『出目が3の倍数である』と云う事象を B、『出目が4の倍数である』と云う事象をCとします。

このとき事象A, B, Cの確率P(A), P(B), P(C)はそれぞれ P(A) =3

6 =1

2, P(B) =2 6 =1

3, P(C) = 1 6 です。

『事象B, Cのうち少なくともいずれか一方が起きる』場合、つまり、『出目が3の倍 数であるかまたは4の倍数である』と云う事象を考えると(これを記号BCで表し ます)、6通りある全ての結果のうち3か4の倍数は3、4、6の3通りありますから

P(BC) = 3 6 = 1

2 = 1 3+1

6 =P(B) +P(C) です。

しかし、事象ABを考えるとこれは『出目が2か3の倍数である』ですから、全 ての結果のうち該当する結果のヴァリエーションは2、3、4、6の4通りであって

P(AB) = 4 6 6= 5

6 = 1 2+1

3 =P(A) +P(B) であり、いつも足し算で計算出来るわけではありません。

確率の計算の分子・分母を良く見てみると、

P(A) +P(B) = ]{2,4,6}

]{1,2,3,4,5,6} + ]{3,6} ]{1,2,3,4,5,6}

= ]{2,3,4,6その1,6その2} ]{1,2,3,4,5,6} P(AB) = ]{2,3,4,6}

]{1,2,3,4,5,6}

と云う具合に単純にP(A) +P(B)としたのでは、2の倍数でもあり3の倍数でもある 6を重複して2回カウントしてしまっている事が分かります。

10.2

和事象、積事象

定義10.2.1 事象A, Bを考えるとき『A, Bのうち少なくとも一方は起きる』と云

う事象も考える事が出来ますが、これをA, Bの和事象(union of events)と言い、

記号でAB表します。

また、『事象A, Bが同時に起こる』と云う事象も考える事が出来、これはA, B の積事象(intersection of events)と呼ばれ、記号ABで表します。

同じ確率で起こるN個の(根元)事象のうち、事象Aに該当するものはNA通りの ヴァリエーションがあり、事象Bに該当するものはNB通りだったとしましょう。

更に事象A, Bの両方に該当するものがNAB通りあるとするなら、『ABの少な くともいずれか一方に該当するもの』はNA+NBNAB通りあります。

NA+NBでは足し過ぎていて、両方に該当するものを重複して足してしまっている からです。

従って

P(AB) = NA+NBNAB

N

= NA

N +NB

N NAB

N

=P(A) +P(B)P(AB)

が成り立っており、もしもP(AB) = 0であるならば、つまり、事象Aと事象Bが 同時に起こる事がない場合にはP(AB) =P(A) +P(B)が成り立ちます。このよう な場合、ABは互いに排反であると言います。

定義10.2.2 2つの事象A, Bが同時に起こらないとき、これらは互いに排反であ

る(mutually exclusive)と言います。

これは根元事象のうちA, B双方に該当するものが1つもないと云う事であり、

その意味も込めて空集合の記号を使ってAB=と書いたり、積事象AB は空事象であるとも言うでしょう。どんな事象であれ、それに該当する根元事象 のヴァリエーションが0通りである様な事象は全て空事象と呼ばれこの記号で表現 されます。

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10.3

余事象

事象Aに対してその 否定 を考えましょう。

(公平な)サイコロを1回振ると云う試行において、『出目が2の倍数である』こと を事象Aとするならばその否定は『出目が2の倍数でない』です。事象Aの 否定 事象の事をAの余事象(complementary event)と言って記号A¯で表します。

当たり前ですがこの2つの事象A,A¯は同時には起きませんので互いに排反です。し かも、全ての結果(根元事象)は事象Aに該当するか、該当しないかいずれかですか ら、全てのヴァリエーションN通りのうち、事象Aに該当するものを除いた残り全て が事象A¯に該当します。これはそれぞれの該当するヴァリエーションの総数をNA, NA¯

とすればNA+NA¯=Nと云う事を意味しますから確率を計算すると NA

N +NA¯

N = N N P(A) +P( ¯A) = 1

P( ¯A) = 1P(A) が成り立ちます。

10.4

問題演習

練習問題 10.4.1 (教科書5ページ問9) トランプ52枚をよく切って1枚を抜く

とき、絵札が出る事象をA、ハートが出る事象をBとします。次の問いに答えて 下さい。

(1)AB,B,¯ A¯B, AB¯はそれぞれどんな事象ですか。

(2)ABCが互いに排反になるような事象Cの例を作って下さい。

(1)

AB ハートの絵札が出る事象

B¯ ハートが出ない事象(あるいは、ハート以外が出る事象)

A¯B ハートの1〜10が出る事象

AB¯ 絵札か、またはハート以外が出る事象

(2)ABはハートか、または絵札が出る事象ですから、これと同時に起きない様 な事象としては例えば『スペードの2が出る事象』があります。

練習問題10.4.2 (教科書6ページ問10) 2つのさいころを振るとき、目の和が6

となる事象をA、目の和が9となる事象をBとします。次の確率を求めて下さい。

(1)P(A) (2)P(B) (3)P(AB)

(1)目の和が6となる結果のヴァリエーションは(1,5),(2,4),(3,3),(4,2),(5,1)の 5通りあり、全ての結果が6×6 = 36通りですから求める確率はP(A) =365 です。

(2)同様に目の和が9となる結果のヴァリエーションは(3,6),(4,5),(5,4),(6,3)の 4通りであり、従って求める確率はP(B) = 364 =19 です。

(3)2つの事象A, Bは同時には起きませんから、求める確率は P(AB) =P(A) +P(B) = 5

36+ 4 36 = 9

36 = 1 4 です。

(3)

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練習問題10.4.3 (教科書7ページ問11) 袋の中に白玉4個、黒玉5個が入ってい

ます。これから3個の玉を取り出すとき、次の各事象が起こる確率を求めて下さい。

(1)3個とも同色である。 (2)白玉と黒玉の両方が含まれる。

(1)取り出した結果のヴァリエーションは9個の玉のうちの3個を(同時に、従っ て順序は付けずに組として)取り出すわけですから9C3通りありますが、このうち3 個とも同色である様な結果のヴァリエーションは、まず全て白玉の場合で4C3通り、全 て黒玉の場合で5C3通りあります。従って求める確率P

P =4C3+5C3 9C3

=

4·3·2 3·2·1+53··42··31

9·8·7 3·2·1

=24 + 60 9·8·7 =1

6 です。

(2)これは(1)の事象の余事象ですから求める確率は116 =56 です。

練習問題 10.4.4 (教科書8ページ問12) 袋の中に赤玉、白玉、黒玉が10個ず

つ、それぞれ1から10までの番号がつけられて入っています。この袋の中から玉 を1つ取り出すとき、赤玉である事象をA、番号が1、2、3のいずれかである事 象をBとします。このとき、次の確率を求めて下さい。

(1)P(AB) (2)P( ¯AB) (3)P(AB)¯

(1)まず基本的な確率を求めておきましょう。

P(A) =10 30 = 1

3, P(B) = 9 30 = 3

10, P(AB) = 3 30= 1

10 すると、

P(AB) =P(A) +P(B)P(AB) = 10 30+ 9

30 3 30 = 16

30 = 8 15 が分かります。

(2)

P( ¯A) = 1P(A) =20 30 = 2

3, P( ¯AB) = 6 30 = 1

5 ですので、

P( ¯AB) =P( ¯A) +P(B)P( ¯AB) = 20 30+ 9

30 6 30 = 23

30 となります。

(3)いや、別にね、そんなやり方でやらなければならない事はないんですよ。その 事象がどう云う事象なのかきちんと見極めて、該当する結果のヴァリエーションをきっ ちり数えてやればいいんです。

この事象は『赤玉であるか、または、番号が4〜10であるかどちらか』と云う事象 ですので該当するものは24個あります。従って求める確率は

P(AB) =¯ 24 30= 4

5 となります。

参照

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