サ-ビス・マ-ク法制化の諸問題--西独法の現状を踏
まえて
著者
中村 武
著者別名
T. Nakamura
雑誌名
東洋法学
巻
19
号
1
ページ
p1-30
発行年
1976-01
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00006069/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.jaサービス・マーク法制化の諸問題
ー西独法の現状を踏まえてf
中 村
武
目 次 一、はじめに 二、不正競業法による保護の不完全性 三、サービス・マークの保護方法 四、サービス・マーク保護と商標法 五、むすび 一、はじめに コ定の標章のゆえに、第三者との取引、 ︵重︶ ものである﹂ ︵クンマアー︶ サーピス・マーク法割化の諸問題 契約締結に達するという多数企業の行動は、経済上の競争の中核を為す 一東洋法学 二
そして日本国も加盟している、工業所有権の保護に関する一八八三年三月二〇日のパリ条約︵一九五八年一〇月三 一日リスボン協定により改修︶の第六条の六は規定して. ﹁同盟国は.サ⋮ビス・マークを保獲することを約束す る。同盟国は.サービス・マークの登録については規定を設けることを要しない。﹂という。 十九世紀における農業経済から工業経済えの転換は.いわゆる産業革命といわれるものである。だが今臼.われわ れは他の経済革命に直面している、言葉をかえれば工業社会からサービス社会に転換したわけである。鵡の高度に進 化した経済社会における転換は.往時の産業革命とは雌と変り.何等の騒音をも発せず.鎮静の間に粛然毒して行わ れた。嬬の出現したサービス給付時代は.かつてフランスの経済学者で社会学者である蜜懲慶縄欝階が.審きに 瀞讐器蜘離讐騨欝図擁櫛む 糠響欝鱒総︵二十世紀における大希望︶で予書したと鑑ろである. それは原始産出物や 工業製品の高度に工業化きれた福祉社会における需用が一転して.サービス需用に転位したことを意味する。 ︵2︶ 最近アメリカの経済学においては.も 毒懇幕趨8馨露矯の観念を提唱する学者があらわれ.サービス給付業の領域が 次第に鱒大してゆくことが.統計上の調査によって明かにされた。総経済におけるサービス給付業の意義が増大する につれて.われわれのすべての生活環境に.多数の新らしい問題が提起されるにいたったことは当然である。多くの 企業は專ら.あるいは副次的にサービス給付行為をおこない.自己の生産品と関連きれたサービスを附加して給付す るようになった。 本来のサ!ビス給付営業としては、銀行.運送業.倉庫業.保険業.レストランやホテル・モーテル.浴場、染色 業.洗濯業があり、きらに従来存在を知られなかった職業︵例えばりース営業、フランチャイズ・システム.自由休養時間利用の設備であるボーリング場、テニス場、ダンスホール等の競技場、教習場学校等︶が多数あげられる。こ の驚くべきサービス給付企業の発展には、裁判や立法が是非対決せねばならぬ所である。 今日の経済界におけるサービス給付企業の意義を考えれば、そしてその標章機能が商標と類似するにも拘らず、サ ービス給付を行う企業のために商標法によって商標が厚い保護をうけると同様に、サービス給付業を表示する標章保 護をみとめる必要のあることは明白である。尤もサービスマークの保護についてはその極めて一部が不正競争防止法 ・商法の商号保護の規定によって、不完全ながら保護されているだけでその大部分は法の保護をまったく受けていな いばかりでなく、善意のサービスマーク使用者が、一部不正者の商標法悪用によって苦しめられている実例が続出し ていることに鑑み、且つ前示のパリ条約の国の保護義務をかえりみるときは、日本においても各国の例にならい、速 ︵3︶ かにサービス。マーク保護の法制化を考うべきである。 ︵i︶ ︵2︶ ︵3︶ くαq一.礫¢導奪Φき︾郎壌①監§αqωび①器一魯窪区ω島gお暮α段賞圃毒欝①畠窪畠窪≦o詳び。類興び”瀬鐸お①。o o.寅 くαq一・≦9簿鍔哨8び9↓びΦωo旨一8国8βo旨ざ2①類嗜○瓢くお①o o。や魏魯o 。 豊崎光衛・工業所有権法・有斐閣法律学全書、 コ一頁、荒玉・サービス・マークに関する諸問題﹂ジユリスト七六号二頁 以下、同﹁工業所有権保護同盟条約改正会議﹂法墜一二巻二号。中尾房太郎﹁サービス・マーク保護の法制化につあて﹂パ テント・二六巻一〇号三〇頁以下参照<αq一。き畠≦巴紳巽ω5毯ざ≦拶憲内○≦糞け黛①9窪亀蝕ω9類αqω導霞犀りぎω ごご 。お凝︸踏Φ津榊ピo o.魔㎝鎗●W男8ωoぼβ蝕oびU段ωo﹃鐸欝<o財U8霧菖o冴建嵩⑫o 陰No一〇ゲ①Pお紹旧麟暮審巳8げ①きO濁α夘 お誤ω●結評浮の弩餌壼︾の即d知−ぎ8導。お緕9描曾U。暮ω9①濁犠。ωαq霊思①伽震算①還蝕。舞一窪くg①巨αq琶αq 霊塊⑫①≦Φ筈嵩oび①欝幻8窪ののoげ¢欝り幻悶q勾山暮段鋒 お鰹ψQ oΦ︸閃鉱R\勾鉱臣o鉾の沁q即ーぎ酔巽錨お脇ω●ミ9程憎8℃触一簿ゆ ぎα償馨ユΦ嵩9 一霧伊ωあ麟奪 サーどス・マーク法制化の諸問題 三
東洋 法学
四二.不正競業法による保護の不完全性
現在の経済界におけるサービス給付企業の実情を考えれば.その企業のためにサービス・マーク保護の可能性を老 究する必要性が.ますます強く主張されている。この必要性はサービス企業の意義がまだ極めて僅少であった時代で あった時代においても.実際上の必要を充すための方法や、論議が行われた。瀞匁して実際的にはサーどスを商標法上 ︵臼本商標法二条・独商標法一条・スイス法一条等︶の商贔と看倣し登録することを主張する方法から出発した. これについて鷺麟郵凱響欝緯は.サービスをもって.商標法上の商晶と看倣すべきだと強く主張した。彼によ れば商標法のいう商標という言葉は.すべての物および営業上の給付︵匙⑪も 絵騨簿騒甑α幾駿諾触欝魯露淵欝綜誌魯︶ を意昧するものであって.その保護のためには商標の登録が最適の手段なのだ。特許庁はその登録申請をうけた際、 ︵4︶ その正当な限界を判断することができるが.その限界判定にあたっては余りに狭量であってはならならぬ。この寛容 な老え方はドイッ特許庁からもまったく承認されたが.学者の間では、サービス企業のためにサ⋮ビス・マーク保護 の必要をみとめながらも.商標法の規定の文言上.この説は肯定されなかった。 ところがこの自由主義的な登録の実際は.ドイッにおいては.一九六四年六月三醸の連邦最高裁判所の判例によっ ︵5︶ て、突如として打破られた。時恰もサ⋮ビス企業の重要性が一般にみとめられ、一八八三年三月二〇日のパリ工業所 有権保護同盟条約が、一九五八年一〇月三一段のリスボン修正第六条の六により、サービス・マークの保護を条約加 盟国の義務とした時代であっ沈。︸九六四年六月三日のドイッ連邦最高裁判所の料決によれば、洗濯業・染色業・清掃業者のサービス・マークの登 録は許されないとして、その申請を棄却したものであった。判決の示すところによれば、こうした営業にたいする商 標登録不許の理由は、これらの営業が決して取引上﹁商品﹂を提供するものでないと言うのではなく、むしろ取引上 染色業・洗濯業および清掃業者の商標なるものは老られないからだ。という訳は、サービス・マークには、他の営業 ︵6︶ の商品と識別する作用をもつ商標の本性に属する作用が欠けているからだ、と言うにあった。 もっとも独最高裁判所も、すべての場合にたいし、また最終的にサービス・マークの登録を禁止したのではなく、 生産品の加工、もしくは更にこれを材料としする製作業については、右の禁止は及ばないとしたとは錐、従前の特許 庁の寛容な登録の実際には一応の終止符がうたれた訳である。 けれども日本と同様に、経済的に大きな発展をした西独の法律状態が、他の諸国の法的発展と異ることは許されな い。また西独乙は日本と同様パリ条約に加盟し、リスボン協定の修正にも一九六二年に批準しているので、同条約第 六条のあのサービス・マーク保護の義務に、違反することはできない。だがこの条約規定は、ドイッにおいては一般 に、直接適用の可能性のある規範とは受取られていない。その訳は、保護義務の条件は空白的に定められているに過 ぎないからだ。 勿論それは単なるプログラム的規範ではなく、サービス・マ!クの類別が既に、なんらかの保護をうけていない以 上、パリ条約加盟国は、義務としてサービス・マークの保護に関する規定を設くべきだとされている訳である。そし てこのことは、ドイツにおいても当然と老えられているとともに、最高裁判所のいうように、パリ条約のマドリード サ⋮ビス・マーク法制化の諸問題 五
東洋法学 六 ︵7︶ 修正の如き保護は、西独不正競業法第一六条の規定により、認められていると考えられた。 しかしながらこの見解は.パリ条約のリスボン修正第六条の六の規定の.真の意昧に適合する見方ではない。たと えサービス・マークの登録を予定していたとしても、巴里条約の規定はドイッ共和国をして登録をするよう強制はしな いが、条約の規定はサービス・マーク保護の義務を課したものである。換言すれば条約第六条の六の規定の本旨は、登 録された標章にあたえたと同様の保護を.サービス・マークにもあたえる義務をみとめた訳である。だから連邦最高 裁凋所が指摘した不正競業法一六条︵韓本不正競争防止法第一条第一項二号︶によむ認められた既存の保護なるもの は.実は空に等しいものだ.そこに示された営業上の標章にたいする法的保護は.商標法上の保護に比較してはるか に軽い保護だ、西独不正競業法一六条は鷺本法の不正競争防止法一条に該当する条文であるが.その第三項には﹁営 業行為の特甥な標章は、営業上の標章その他自己の営業を他入の営業から区別するための施設.即ち当事者の取引の 関係において営業の標章として認められる施設と同一と看倣きれる。本条の規定には.商標および意匠についての保 護は及ばない﹂。と規定している。この規定はいわゆる営業標章︵の舘魯鎌欝聾器箆お謬︶に関する規定であって.実 際上はもっぱら登録をみとめられないサービス・マークの保護の基盤として利用きれるものであることは.鷺本不正 競争防止法一条一項二号の場合と同様であろう。 ところで西独不正競業法一六条一項の規定は、氏名、商号あるいはその他営業者の特別の名称が.他の競業者のそ れと混同きれる危険から保護することを規定している。言い換えれば同法の規定は氏名権・商号権の保護を補充する 規定であり、氏名権・商号権が特に営業上の名称として延長使用された場合の保護に関する規定なのだ。だから保護
の要約としては競業者が他の競業者の氏名・商号または営業の名称を恣に使用し、これにより競争者が正当に使用す る者の氏名・商号または営業上の名称と混用する危険を生ずる場合に限られる。このことは日本法︵不正競争防止法 一条一項二号︶の場合も明かに同様に解きれよう。 だからこの場合の法の容体は、全く氏名や商号または営業上の名称が、当然には商標法上の保護をうけない場合だ けに限り、保護があたえられる訳だ。 ︵但し氏名・商号が商標と同一の場合は別だ。例・東京赤坂の﹁虎屋﹂︶ 一定の種類の商品を、その原産地出所、あるいは由来にしたがい、個別的にさだめることを目的とする商標の場合 と異り、前示の独不正競業法一六条一項の標章なるものは、営業を営む者とその企業自身とを区別化するための企業 ︵8︶ 標章︵¢纂o旨魯導窪量魯窪︶に関するものだ。 右の不正競業者一六条三項にさだめる営業標章、および自己の営業を他人の営業から区別するために定められた施 設の保護は、商標法の場合と異り、企業そのものを他の企業と区別し、個別化するための標章にたいするものである が、それは氏名・商号またたは営業の特別な名称︵国鼠び評器旨①導。 。ぴ9蝕畠箋お︶を含むものではなく、ただ企業を他 の方法で表現したものである。第一に例示されるものは、一定の徽章・飾り物・シンボル・識別標・彩色結合等であ り、従って一般的にみて商標法の保護をうけるに適した標章である。右不正競業法一六条一項の規定により保護きれ る標章と異り、同法一六条三項に規定する営業上の標章︵○。ω魯無諾昏鼠島窪︶の保護は﹁その標章が当種の取引者 の間で営業上の標章として通用する場合だけに限り﹂あたえられるに過ぎない。 独不正競業法一六条三項による保護は、全国商標法二五条の装備︵︾霧ω婁9お︶保護︵臼本商標法二条・七四条 サ⋮ビス・マ董ク法制化の諸問題 七
東洋法学 八
参照︶に対応するものである。氏名や商号のような作用をもたず.また.氏名や商号のような指示力をもたない施設 は.それが営業取引に参加し来り.取引能力をもつに至ったとき、はじめて標章をもつことができ、そして保護され ︵9︶ る。 不正競業法一六条三項による、保護の基盤としての前提要件は.取引能力︵<ぐ 夢昏魯茜魯綴お︶あることが条件であ る。施設の標章は.当該の取引仲間のあいだで.その営業行為の標章として通用するという鑑とが.第三項のすべて の場合の保護の要件である.そうだとすれば.その保護は商標法上の保護に較べて実際上極めて軽いものである賦と が分明する。しかも.轡狐の権利発生の要件である取引上通用している事実を立証する責任は.勿論経済上かかる標章 が一般取引上通用していることを主張する者が負担する責任である、訴訟において争ある場合.かような﹁取引上の 通用状態︵ぐ興ぎぼむ 。αq魯鎌薦︶を確定するのは. きわめて至難事である、しかも主張者の立証責任は実際上も学説 上も.きわめて広い範囲にわたって要求される。その立証資料としては.経済団体の資料・商工会議所の報告.大衆 えの質問表︵霞のぎ離譲。 ・一蓉津おΦP盤塁ぎ霊羅︶等は不正競業法一六条三項︵霞本法における不正競争防止の一条一 項二号︶の規定にょり生ずる争いにつき.不可欠の立証方法である。 だから嘗てじ ご器り ・濁鋤霧が一九五五年.国際工業所有権保護会議で為した報告の中でいった次の言葉はきわめて適 切にこの間の事情を物語っている。 ﹁商号の標語またはス聡ーガンの役目をなしていないサービス・マークは.不正競業法一六条三項の規定によって のみ保護されているだけで、しかもそれが当該の取引市場で使用きれている場合だけに限られる。そこで船舶運送業者、保険会社の多くは、船舶旗やワッペンまたは頭文字︵モノグラム︶等を標章として使用している例が少くない。 ︵例・日本の場合・日本郵船NYK・川崎汽船の例K︶この場合の保護は、つねにその標章を取引上に使用してはじめ て与えられるものである。だがその取引上の使用という事実を立証することの困難さを老えるときは、保護をうける ことの困難不十分性が直ちにわかかるであろう。きらにまた、類似の標章に関しても、その保護の弱点を十分にただす ことを得ない点は、類似の立証の困難が立向っていることにあると思えば、保護を得ることに失敗することが多い。 これによってみても、不正競争法による保護が、商標法上の保護に比較して如何に軽少あるいは困難なものである ことが分るが、更にその保護の範囲の問題がある。不正競業法一六条一・三項による保護の場所的範囲は、かかる混 ︵10︶ 同の惧れある地域だけに限られ、同法による使用禁止の講求権が発生する。 不正競業法一六条︵日本法不正競争防止法一条一項二号︶による保護の要件である取引上に使用するという事実 は、営業標章が実際上の取引に使用された場合においてのみ、謂われる訳だ。だからその実際上の使用が全国におよ ばなかった場合には、同法の保護は当該の企業の標章が実際に営業の標章として取引上使用・通用した地方だけに限 りあたえられるに過ぎない。言い換えれば商標法二五条︵露本商標法二六条︶営業標章が広く一般に取引上使用され る地域だけに限り、保護があたえられられる止まる。 したがって不正競業法一六条三項︵日本法・不正競争防止法一条一項二号︶により保護をうける営業の標章︵サー ビス・マーク︶の所有者は、彼の販売地域を一層拡張して、競業者の販売地域に侵入することにより、その防禦権を 駆逐排除して、容易に競業者の旧来の商品と競争することができる結果となる。 サービス・マーク法制化の諸間題 九
東洋法学 一〇
かようにサービスマークの所有者の.法律上の地位は不安定であり.商標権者の地位に比較し.著しく不利益であ る。商標権者は全国にわたる正式の権利者であるにたいし.地域的に限界づけられた営業標章︵サービス・マーク︶ の所有者の法的地位は法的に困難な状態におかれている。こうした事実からみても.西独不正競業法一六条三項︵目 本の不正競争防止法一条一項二号︶による保護は.不十分なものであって、商標法の保護の不十分な代用品のような ものに過ぎない。だとすれば.政府はサービス・マークを保護すべ愚条約上の義務を.完全に履行したものとは謂わ れないだろう。 ︵4︶ ︵5︶ ︵6︶ ︵7︶ ︵8︶ ︵9︶ くαq鯉閃甑堀霧鳥獅蕪糞韓輝≦の灘ぎ捲種ぎ−蕪礁≦講簿爺齢ぎ圃躍糞馨層際瀞櫛艶難答な っ﹂鱒︾岡馨漏晩譲謄 箒⇔麟韓㌧蕊し っ\賦ーζ ご鋼一霧麟Q O印8録あ麟畷濁お①勲ψも 。な。“ たが裁判所が.かかる企業のサ!ビスの内容は.他の別種の企業のサービスとは.多くはその内容を異にし差別し得る点 については思い及ばなかったのは.浅慮であったといわれる。<αq轡等鴛露欝駄璽ご鶴属霧欝蒙講騨婁這総ωる峯 くぴq細⑦雲響ぴ鴛ミ麟驚漢疑①算 ≦舘⑱認繊魯⑩葭g財幹峯︾急略涛瓢糞し袈漸罫欝⑦蓉醗噂<ρこうした誤った考え は.田本の学者にもみられる、豊崎光衛・前掲書二一頁。 <喰燈雛鱒離鷺ぎ⇔讐類鰍霞欝⑱騨ド≦簿魯の墾巽富器魯楚︸9︾鐸簿鷺蔦影︾欝導,歴曽 ドイツ不正競業法一六条一項は規定してある﹁営業上の取引において.氏名・商号あるあは営業の特別の名称を.営業上 の企業もしくは印刷物に使用する者は.そのため他人の氏名・商号または特別の名称と混同する惧ある場合には、正当に これを使用する者から、その使用を中止するよう請求をうけることがある。﹂ くびq一◎ご ご巽一鷺ぎ9\類9巽露o鑓’≦簿昏①薯禽一︶ω出び血≦麟器蕊鼠9§器o簿驚≦簿㌫の≦ぐ登きo 陰器o簿唇欝︾鎌卑回㊤無︾博讐 雛刈巽㈱嶺¢≦P同法一六条三項の標識手段は氏名的指示力をもたない施設︵欝 ⇒欝覧鼻蜜認︶であり、氏名・商号また︵⑳︶ は特別の営業名称の外に、附加的な、差別のメルクマールである。同条一項は氏名権の保謹を目指し、第三項はこれに反. して、附従的に営業上の標章︵の①ωo猛津鴇9醤繊魯窪︶を保護しようと計るものである。 くαq押鋤壁鷺99良9震露Φ算 ≧ぎp■雛○ 。黛伽おq≦ρ ドイツ不正競業法︵六条三項や商標法二五条には、いづれも 当該の取引において︵ぎ蓉鼠巴げ幕$譲。簿Rく①葵①ξωぼ鉱零︶という言葉を使用しているが、日本法不正競争防止法 の場合には、こうした言葉を特に使用していないが、当然と心得た日本の立法者は、この附言を略したものと思う。サー ピス・マークたる標章が当該の取引において標章として使用・通用されていない以上、法の保護の問題は生ずる余地はな い。だかから日本法の不正競争防止法一条一項二号による保護も標章の混同の虞れとそれが一般取引上において使用・通 用されている二事実が認められたときに限り、与えられるものと言わねばならぬ。くαq一◎雲9ω鐘簿落9−頃駄段葭簿び ︾⇒舞績O o塁㈱霧≦Nρ 三、サービス⑪
マークの保護方法
サービス・マークに関する直接の保護規定が、ドイッ法や日本法に欠けていることは、国際条約の上からも非難さ るべきことである。 サービス・マークに関しては二⋮ス外交会議により保護の客体と看倣され、マドリード協定により、パリ条約六条 の六として、工業所有権保護条約の一部となった。このパリ条約には、一九七四年一月一日現在日本国を含め世界の 八○個国が加盟している。この二iス修正には、一九六六年二月一五日に、ベルギー、西独共和国・フランス、イタリ ヤ、ベルギi、ルクサンブール、モナコ、オランダ、スペイン、ポルトガル、ルーマニヤ、スイス、アラブ連合共和 国のあいだに実施効力を生じた。これにより、マドリード商標協定を通じ、商標の国際登録制度がサ⋮ビス・マーク サービス・マーク法制化の諸問題 一一東洋法学 一二一
にまで及んだが、霞本法や西独法においては.サービス・マーク登録の制度がみとめられていないので.その登録が 明確化されていない訳である。国際協定の精神または主義は、単にこれに適合したプ翼グラム的義務履行の姿を示す だけで.真にサ!ビス・マーク制度を移入し、法の統一をはかる努力を怠るものであるとの非難をまぬかれ得ない。 マドリード商標協定四条によれば、合同国際事務局に正式に登録が行われたときは.その登録の時から、条約加盟 国において.商標登録申請が直接行われたと同様の保護をうける。従って例えば.サービス・マークの所有者がフラ ンスにおいて登録をうけた後.さらにジ.一ネーブの国際事務局で登録をうけたときには.そのサービス・マークは. 西独において恰も初めから西独で直接登録申講したと同様の保護をうけることとなる.しかしながら.こうした保護 は.当然サービス・マークの所有者が西独や麟本において登録を受けようとしても.サービス・マークの登録の制度 は西独や臼本にはみられていないので.右のような便宣的な手段を施す余地なく.従って十分に法的保護をうけ得な い結果となる。 サービス・マークの登録をみとめず.また認めようとしない国においては.その実際上の取扱として.サービス・ マークを一般の商標と同様にみて.これを登録きせるという助け舟を出して.その不便を補う手段を講じている。 それは曽てじ 鐸ζ⇒がギ8法鼠ぎα霧巳色圃伊お器摩℃㍊誤簿鯵.で.指摘したスイスや西独の実例であるが.そ れらに登録されたいわゆる商標は.実はサービス・マークであり、技術上の観点からも.サービス・マークの類別に 入るべき筈のものがある。 右のようにして.多くの経営のために商標が登録されたが.その営業の経営行為は.専らサービス給付の遂行にあ︵H︶ るものが、少くない。このことは既にωΦ一Rや︾簿oこ因。嘗角が一九五五年に強調し立証したところである。だが こうした権道をとった理由は、当該の国においては、その商標法が現代の経済的必需に、適応した規定を設けないた めに己むを得ずとった策に過ぎない。だからそのような、形式的な保護措置は、厳格に条文の文言を解釈し適用すれ ば、有効とはいわれない。それは、標章の登録の原因を為した営業行為は実在せず、あるあは登録申請をした商品を 製造または販売していないので、訴訟上攻撃され立証されれば、その商標登録は取消される訳である。 サービス・マークの登録が行われている実状をみるに、アメリカにおいては、一九七〇年の商標登録数は、約三四 ︵鴛︶ ○、○○○件、サービス・マークの登録の数は約一七、○○○件に昇っている。だとすると、サービス・マークの登 録数は商標のそれに比較し5%にあたるに過ぎないが、サ⋮ビス・マークの経済上の意義は、商標の経済上の意義に 比較して高い価値を占めている筈である。その訳は、商標の多くは、実際上単に地域的制限をうけて使用される結果 となるが、多くのサービス・マークは主に大企業に利用きれ、その実際上の効果は大量に全国的または国際的に展開 している訳である。サービス・マークの登録をみとめている他の国においては、未だアメリカにおけるような、大き な経済上の意義をもつまでには達していない。イタリャにおいて知られる一九六三年乃至一九六五年迄の状況によれ ︵指︶ ば、登録商標数にたいする登録サービス・マークの数字上の比較は矯%乃至幻%または総%である。 ︵U︶ ︵皿︶ くひq一’○カ¢沁●一Φ誤o o﹄ミ。 <ひq督↓戦器霞欝蝉築囲①αq凶ω$吋o剛9①¢鉱審蜘ω鼠富9 サ茎ビス・マ⋮ク法制化の諸周題 一零ρ コ一一
︵捻︶
東洋法学
<αq圃。も o魏麟瓢℃ざ勲斜ρ伊 軽い9 一四四.サービス・マーク保護と商標法
サービス・マークの登録をみとめる諸国の名と年次を次に上げよう。エジプト︵︸九五六年︶.ブラジル︵一九四五 年V.デンマーク︵一九五九︶.フィンランド︵︸九六四︶.フラ、、咄ス︵一九六四︶.ハイチ︵一九五四︶.イラン 会九五八︶.イタリヤ︵一九五九︶.ユー.濃スラビヤ︵一九六一︶.ヵナダ︵一九五三︶.リビヤ︵一九六三︶.モ ナ隷︵一九五五︶. ノルウエー︵一九六一︶.オーストリヤ︵一九六九︶.フィリピン︵︷九四七︶.スェーデ∼、〆︵一 九六〇︶・韓国︵一九四九︶.ソ連︵一九六五︶・アメリカ︵一九四六︶である。 ところが.サービス・マーク登録制をみとめるに当って注意すべきことは、サーゼス給付業の種類には極めて多種 多様に亘るものがあるので.その合理的な類別がまづ第一に必要であり.サービス給付の態様による分類表の作製が 要件となる。ところが奇妙なことを発見するのだが.それはドイッの法的状態の特別性ともいうべき訳だが.サ⋮ビ ス給付についての類別は既に存在しているといわれる。サービスーマーク登録申講にはみとめられず、ただその類別 の方法だけが認められていたのだ。 一九六七年二一月五臼の連邦司法省令は.一九五七年六月一五日の二ース協定に基き.既存のドイッ公定商品分類 に加え.さらに商品ならびに工場または商業市場の為めにするサービス給付についての国際的類別表を、全西独なら びに西ベルリン地区に施行する旨をさだめた。その表はまづはじめに.三十四個の類別を定めるとともに.ついでサービス給付について、次のような類別表を掲げた。 42 41 40 39 38 37 36 35 このサービス給付業の種類の分類は、 た類別よりもはるかに広いものである。 第一番に の態度にふかい考慮を払ったものであり、サービス給付の申で明かに掲げられたサービス営業の外に後日の経済上の 発展実際にしたがい、後に類別表を補修する必要を予期しての措置である。 個々のサービス給付の類別につき、説明をあたえるに当っては、サービス・マークの登録が問題になる現在に存在 し、また将来行わるべきサービス給付業の実体についての簡短な概念を得る必要がある。これについては、まず例の サ⋮ビス・マーク法制化の諸問題 五 宣伝および営業制度︵≦段訂お。 。と&○のる り魯躁欝類霧窪︶ 保険及及び金融業 建築及び修理業 通信業 運送及び倉庫業 物質加工業 教育及び談話所 雑 アメリカが、一九四六年の商標法︵いわゆる欝浮跨一︾簿︶により採用し アメリカ商標法にもみられる所であるが、サービス給付業の分類に当って、 ﹁雑の部﹂が掲げられている。がこれはアメリカの立法者が、マドリード協定の二iス修正に調印した諸国
東洋法学 一六 二ース協定におけるサービス給付業からはじめねばならない。まづ前述の宣伝おらび営業制度︵≦巽算薦。 ・出&○曾 も像3鍛窮≦霧魯︶の類別︵アメリカでいう広告業および営業行為︶と称するものには、広告代理・広告映画製作.就職 相談所その他の営業行為.例えば経済相談所.翻訳事務所・タイプライター事務所、商事仲立業・名宛名簿ブ買ーカ ー.通信事業.住宅不動産仲立業.小企業のためにするコンピュータ記帳、パートタイム労働紹介業.印刷殊に簡易 印刷業.興椿所等が数え上げられる. 保険業および.金融業のなかには.各種保険業.銀行のほかかに.賃貸業.質屋.富くじ.金融仲立業、財産管理 業.信託与層業および最近麟覚しい発表を恭す婆ース営業がこれに属する。 建築および修理業のなかには.道路造設.高架地下建設業.建物取殿業.屋根瓦業.建築金具業.左官塗工職.そ の他の建築作業.足場作業.室内絵画装飾ならびに建築機具の修理等がこれに属する。通信業の中には.興信所.通 信仲介代理業.新聞雑誌発行業.ラジオ・テレビ営業がこれに入る。 運送・倉庫等業の類別のなかには.船舶業者、陸海上旅客貨物の運送業、航空業、各種倉庫業、馬車運送業.病傷 者運搬業.自動車等賃貸業.ガレージ営業、油タンク業.自動車鑑別センター.旅行案内.観光業がこれに属する。 特別な意昧をもつ分類は物質が工業であって.各種の加工業をふくむ総ての加工業におよぶのだ。これに属する営 業として掲げられるものは、織物の染色・捺染業、渡金業、鍛冶職.修理業.清掃研磨業、きらに食料加工業、料金 払道具製作業、料金錬磨業.冷凍、粗材の防腐加工業︵ぼ讐鍵三Φ讐おく8力魯露簿竃鑑露︶等が目覚しい業種で ある。教育および談話の分類申には.外国語学校、塾・予備校・各種学校・ダンス教習所・劇場映画館、音楽代理業、
実業学校その他の各種の私立学校、賃貸図書館・通信教育事業等がこれに属する。 雑の部の類別には、殊に多くのサービス給付業が数え上げられる。他の類別には、総てのサ⋮ビス給付業の総体を ふくむことは不可欠であるから、勢い雑の部に組入れられる結果となるからだ。これに属するものは第一にホテル、 モ⋮テル、客の来集する施設・民宿・パンシ.ンおよびサナトリウム、ならびに美容院があげられる。がなほ衣裳着 付け、マッサージ院、体育学校・理髪館、浴場︵公衆浴場トルコ風呂・サウナ︶もこれに入る。さらに、雑の部に入 るべきものとしては、農林・狩猟、漁業、園芸造園、牧蓄業であり、また家蓄飼育場、葡萄園経営葡萄酒醸造所、犬、 羊毛勇採業、虫害駆除消毒所、国有財産腐蝕防止所の如きものがある。 以上掲げた各種のサービス業については、当該の業者は、そのサービスに対応する標章の登録の意義を比較的軽く 老えるかもしれない。という訳は、これらの業務に、多くは地方的な中小企業によって経営されて来たので、商標の ように広い地域に亘り、多くは大企業によって営まれる企業に比べて、標章登録の意義は少かったであろう。たが、 現代の経済発展の結果既に薯しい変化が生じ、また近い将来に薯しい変化が生ずることは明かである。 例えばフランチャイズ・システムの如きは、既にふるくから知られていたシステムではあるが、最近におよんでは アメリカをはじめ日本でも西独においても、種々の経済部門でひろく、商品とサーピスとの垂直的販売システムとし ︵拠︶ て行われ、経済上少からぬ意味をもつに至った。 日本におけるフランチャイズ事業も、アメリカやまた欧州各国におけると同様に、その発展の必然性がみいだされ るが、その業界における職種は、アメリカにおけると同様に、あらゆる種類の営業をふくんでいるが、その企業者、 サービス・マーク法制化の諸問題 一七
東洋法学 一八
︵フランチャイザー浮雲鼠ぎび即跨9駐ΦαQ魯霧︶の数は目下約一八○と推定きれる。その重なる企業は.物品販売 業とては.衣料品︵エフワン・リオ・ジユン・ロベ等︶靴︵アメリカ屋靴店︶家具︵ハヤミヅ家具センター︶.玩具 ︵一心堂・秀月︶.食品︵伊藤ハム・丸越︶.和洋菓子︵ナヵサキヤ・プール進々堂・ユーハイム・ローゼンベルグ ・エーデルワイス︶.ラーメン︵えぞっ子・元祖札幌屋・後楽・サッポ鷲・どさん子等︶.すし︵小僧寿し・スーパ ー寿司︶大衆酒場︵養老の滝︶.ブ黙イラー︵鮒忠︶.レストラン︵郭ぼてん・不二家・とん兵衛︶.等の名が掲げ られる. 最近企業の生長は種種の企業集中の形態を生み、大企業の独占または寡占によ撫市場の支配.自由競争の放棄による 共同利益の追及をめざして、ヵルテル遇ンツユルンの制度が生れ、またプラント輸出のための経営上の協力関係︵灘僻 Q需醜舞瞬叢も ・器勢鉱蕪欝Φ︶を促進するフランチャイズ・システム或は経済上の利益協同団体又は企業協同体あるいはいわ ゆる企業連合︵9霧o蕪§同︶の制度が広く行われるようになり、諸国では特別の立法が取上げられるようになった。 フランチャイズ・システムにおいては.フランチャイズ・システムを創造した主脳者であるフランチァイズ企業者 が.フランチャイズ・システムの受入者︵汐憲魯一総費浮窪島騎魯魯糞爾︶にたいし.有償的に一定の商品またはサ ービスを給付し.一定の商号・商標・標章・意匠または装備を利用することを許し、かつフランチャイザーの灘琴箋− 頃○墾を利用し. フランチャイザーの有する組織および販売組織を尊重して.自己の計算においてサービス・販売営 業をさせるシステムである。フランチャイズ・システム等の決定的なメルクマールは.商号・商標または標章、シン ︵簸︶ ボル.店舗の装備開蓉≦−顛9鰻の利用等にある。フランチャイズ・システムは、前示のようにアメリヵにおいて発達した制度であるが、西独においても最近におい ては漸次この制度を採用する店舗が多数に上り、純然たるサービス給付の型をとるものも少くない。上述したサービ ス給付を営業とする中小企業は、このフランチャイズ・システムの有利性、殊に凶き≦−国o≦および商号またはサ ービス・マークを利用しようとして、フランチャイズの組織に加入しようと計る者が生じた。したがって、フランチ ャイズ・システムの営業維持発展のためには、サーピス・マークの創造および登録が、きわめて必要な条件となる。 サービス企業の水平的な協力関係は、最近日本においては海外諸国における大規模の事業、殊に住宅・水道・道路 の建設、ダムの開発等の経済計画参加を通じて行われる例が屡々みられる。この場合数個の大企業は作業合同の形で ︵≦Φき紹ΦB色霧畠路︶一体となって作業をすすめるので、その作業団体が共同作業の続くあいだサーピス・マーク をもつことは、経済上きわめて意昧深いものがある。 サービス・マークの問題を取扱った、今までの殆すべての学者は、個々の場合のサービス・マークの形成について だけを考えて説明していた。例えば上述の一九六四年六月三日の西独連邦最高裁判所の判例にしたがう、 98$ 仁&︿。頴簿鼠R両氏の意見によれば、われわれはサービス・マ⋮クについては、二様の種類のあることを知らねばな らぬ。その一つは加工標章︵閃霧3鮎欝⇒αqの器一島窪︶ともいうべきものであり、商品の加工研磨営業者のためのサービ ス・マークである。他は純然たるサービス給付業の標章であり、給付されるサービスは商品とは何等の関係をももた ない場合である。第一の重要な加工作業のためにする標章は、商標法的な保護を与うべきであるが、第二のサービス 給付標章については、これが登録を区裁判所に申藷するようにし、その保護は区裁判所の管轄地域だけに限るように サービス・マーク法制化の諸問題 一九
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︵絡︶ すべきだと主張した。しかしながら、こうしたサービス・マークの二様保護方法論に学者の賛成を得られなかったの は当然である。こうした二様保護方法は、サービス・マークを認めるすべての諸国においても.これを許していない のみならず.国際条約においても.サービス・マーク法の統一的取扱いの観念から出発しているものである。純然た るサーどス・マークが使用されるのは.サービスだけが提供されるところに限られるという老え方は.経済上の実際 においては.混合の給付がひろく行われ.またフランチャイズ・システムが流行している現代には、到底維持されな い学説なのだ. サービス・マーク登録の問題ならびにその各個の問題の解決は暫くこれを措き.サービス・マーク保護の方法の合 欝的な立法手段は.商標法の規定を.サービス・マークに準用することにより.容易に解決する.これは既に一九五 ︵葺︶ 五年惚 尊囲議凄鎚欝によって提唱された。 この方法は.既にイタリヤの立法者によって試みられていたところである。 ︵一九五九年ご一月二四欝法法律一. 一七八号︶。などドイッ商標法において.サービス・マークの保護規定を導入しても.商標法の規定に本質的な変更 を加える必要はない。だから薫葺竃巳○鼻題は既に一九五五年に提案して、商標法一条一項の規定﹁自己の営業にお いて取扱う自己の商品を他人の商品から区別しようと欲し商標を使用せんとする者は.その標章を登録簿に登録の申 請をすることができる。﹂に追加して.次の文言を二項に分けて拡大規定することを主張した。 ﹁この権利は次の者にも及ぶ。即ち自己の営業経営が全部または一部営業上のサービス給付におよび、そのサービ ス給付のために.一定の標章を使用しようと欲する者︵サービス・マーク︶にも及ぶ。﹂﹁以下の規定はサービス・マークにも準用される.特別の場合においても幅その関係は亦商標に準ずる。﹂ かように商標法第一条の修正により、サービス・マークに関しては、原則として商標と同様の規定が適用されるこ とになる。その結果、提案された第三項の規定からも明かなように、異議申立手続が、登録された商標と同様に、登 録申請をしたサービス・マークの申請者にも与えられる。この明確性は、はっきりとしておくことが必要である。若 しそうでないとすれば、両者は別個の標章部類に属するので、商標とサービス・マークとの間を混する危険が生じか ねない見解が発生するかもしれぬからだ。 その他商標とサービス・マークの保護期間、登録料、図式の記載方法、商標権侵害行為に関しても、両標章のあい だには、何等の特別差別の問題はなく、各規定の適用がみられる。 ドイツや日本の立法者が、サービス・マーク立法に躊躇する理由は、商標法上の問題の大部分を解明、殊に国際的 な発展を老え、全商標法の領域にわたる大改正を試みようとする為めであることが、窺われる。立法者は、サービス ・マークの間題は未だかならずしも、緊急の問題と考えないばかりでなく、不正競業防止法の規定にょり、さしたる 困難なしにこれを解決し得るものと思ったためである。だがサービス・マークの規制を、他の法律をもって代用し、 その立法を長く放棄延期することはできない。サービス・マークの需用は、現代の経済社会においては商標と同様に 極めて強く、サービス給付業者が、商品の製造または販売に従事する営業者に比較して、長く不当な取扱を受けるこ とは許されない。広大に激増した宣伝の影響・呼びかけの効力は、今日企業にたいしては決定的なものであり、流行 のスローガンを生むためのイメージ創造に欠くことのできない要素だとすれば、そのために主要な役割をつとめるサ サ達ピス・マーク法制化の諸問題 二一
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二二 ービス・マークの保護に欠陥のあることは、サービス給付業者の忍び難いところだ。 サービス・マークをもたず.イメージ作りの可能をもたない人は、きわめて.不利益な競争場裡にたたぎるを得な い、現代は優秀なイメージなしには、有利活発な経営は成立たない。そのイメージ作りにはサービス・マークは不可欠 の道具である。商標は今臼の商標法によって.本来の使命を十分に達成すすることはできないとしても.宣伝の職能 ︵綿︶ は有力につくしている。商標法上の保護をうけ得ないサービス・マークの所有者は.商標法上の保護をあたえられ. 優良な競業可能状態にある商標権者にたいし.不当にも不利な立場に立慧きれている. 園際条約上負担する義務を、十分に履行していない現下の不当な法律の規定のもとにあるサービス給付営業者には、 商標法におけると同じ保護があたえられぬことは.憲法の規定する平等の原則に違反するものである。それは立法者 の怠慢と称すべきものである。 今臓ひろく承認される学説によれば.平等の原則に違反した立法者の不作為というものは.単に不平等な法律上の 取扱いが存在する場合だけに限らず.立法者が不平等な有利性を作出した場合.あるあはこれが忍容きれた場合.す ︵欝︶ なわち消極な規定法︵鶏薦舞坤講ω鑓酔欝も ・犠⇔欝︶の存する場合にも認められる。 こうした場合を具体的に述べれば.例えば立法者が一定の人.一定の社会団体または経済団体にたいし.憲法上の 平等原則に反して特に有利性をあたえた場合.言い換えれば.法律的な権利・保障を.比較的同一の団体等にまった くあたえず、あるいは十分に与えなかった場合をいう。 上述のような場合に、たとえ法が具体的に立法者に.立法の委任を為した場合ではないとしても.かようにある経済上の団体に不利益をあたえることにより、立法者は法律が自ら有する事物の法則性警ω8凝霧簿Nぽ拝鉱齢︶に違反す るものである。立法者が自ら選んだ規則の原則が、批准きれた国際条約にも確認きれたに不拘、サービス給付経済に 標章保護の手を延べなかったことは、事物の性質にそむいた差別待遇だと言うべきである。 西独連邦憲法裁判所は、この憲法違反の訴にたいし、判決をもって立法者はサ⋮ビス給付業者の集群にたいし、平 等の原則を破り商品の製造または販売する営業者に比し、薯しく不利益な取扱いをした旨を確定した。この裁判上の 確認は立法者に対して、平等の原則に適応する立法をする義務が、課せられたことを意味する。 最後にわれわれは、現在世界において経済上高度の発達をとげながら、今日におよぶもなお依然としてサービス・ マークの制度をみとめていない珍らしい欧州の二国、スイスとイギリスの法律事情を指摘することを忘れてはならな い。 スイスにおいては、西独と同様長いあいだサービス・マークは、印刷物にたいする商品の類別の中に含ませるとい う抜け道を通して商標とし登録をされていたが、この自由主義的な実際上の取扱は、最近におよんで遂に破れた。そ こでスイス連邦精神的所有権庁は一九六八年に、標章保護に関する連邦法草案第一条で、サービス・マーク採用の規 定をおいて、いわゆる商品と関連するサービス・マークと、純然たるサービス・マ⋮クとの間には、何等の差別を設 ︵20︶ けてはならねとした。 一方イギリスのぎ毘9諾無↓罠留ζ貸一︷︾α貸窪富の会議は、一九六九年の年報で商務省に要望して、現行法の 改正に尽力するよう、殊にα⇔一く。8霧箆段豊窪8浮o嘆Φ隆お濤&ま騰一禮芭縁一窪窪ωR≦8凝&Φ竃節詩ωと サ⋮ビス・マーク法制化の諸問題 ⋮二
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︵激︶ 言った。 これらの事実によれば. スにおいても隆サ璽ピス・ 二四 スイスにおけるサービス・マーク制度の採用は、まもなく行われであろうし. マーク制の実現がちかく見られるものと予想される。 またイギリ ︵慧﹀ 〆へ 董5 ) く爵窺轡鵜羅欝驚騨熱欝蹄⇔霧擁戦滋答獣韓学難 舞嘘欝蜀秘P臣麟騨搭総湯 ﹁第二次世界大戦い蔭い.ツラン勢ヤイズは.毎年何千人というアメリカ人の夢ー自分のビッネスで自分がボスになる という夢.製昂の考察とアイヂィアと懸ともにして.あたらしいビジネス・エンパイヤーをきづく夢⋮を実現している 近代的ビ耕ネスたるマツン勢却イズは.アメ騨力のマーケッテングの伝統的なパターンに経済革命をもたみした、そして この革命は.全世界に波及しようとしている。﹂これはアメリヵのフランチャイズ専門家として有名なパリー・カーシ講 ㊤葺葉である。 ︵鶏霧藁潔欝鴇u、躊羅即慧魯瞬零箒 ゆ8羅︵鷺象賊幻Φ滋。 陰a酵藻訟○εギ霧餓8−篤瓢歴 ぎρお鎚土井輝 生・フランチャイズ・システム・商事法務研究会二九七二年工五頁。 アメリカにおいて.商品やサービスの販売方式としてのフランチャイズは.実は十八世紀もあったといわれるが.現代の フランチャイズの形式を確立したのは.一八九八年ののの器謎囲議○ε講および一九〇二年の沁繋農であるといわれる。 これにつづいて他の自動車メiヵー.石油・ソフト・ドリング・ボトリング.自動車アクせサリー.ヴプライテ⋮ストア 等が.フランチャイ.ス・システムで行われ.そして流通革命がおこっだのは.第二世界大戦以後のことである。そしてア 嘘リカは.多種多様の業種が、フランチャイズ・システムで行われているが.最も多くの業種は.自動車.トラックの販 売.飲食物−−清涼飲料水・ソフトアイスクリーム・ドライブインレストラン。菜子類.家具・カ⋮ペット.クリーニング 業、ドライクリーニング.ドラックストア⋮、ガソリン・オイルサービスステ1ション、工具・器具賃貸、エヤコンデイ シ欝ニング・サービス等である。 こうしたプラント輸廓のための等の作薬協同体を一個の法入とし、その法律関係の明確化をはかった新らしい立法は、フ︵16︶ ︵葺︶ ︵掲︶ ︵鶏︶ ︵20︶ ︵飯︶ <範 <αq轡 <αq圃● くσq一。 <瞥 くαq一。 悔8き欝陣Ω奉貯器o算ω︿①茜一蝕oげ①βα巽ω8簿”類Φ置①ぎo臓騨Oお・ 州経済同盟その他の諸国の立法者の注意を喚起するにいたった。くαq轡のo簿蹄一aく○鮮舅きPO器90老①奪Φ簿創.一馨霧禦 ランスの一九六七年九月壬二日の経済上の利益協同団体に関する政令︵の8昌①鷺の纂血、一導角卑惚8ぎ包聲①︶であり、欧 フランチャイズ業界の健全な発展をはかるため、日本フランチャイズ・チェーン協会は昭和四七年二月一日成立し、その 現在正会員二八社は、わが国におけるフランチャイズ業界を代表する、唯一の団体である。同協会は、フランタヤイス・ システムの健全化と発展を図るため協会の倫理綱要を定めたが、その協会所定の綱要第五に﹁フランチヤイザーは、その フランチヤイズ・システムのシンボルとなる商標またはサービス・マークが、フランチヤイジ⋮が販売する商品・役務の 品質を保証する機能をもつことを自覚し、フランチヤイジ⋮に良好で均等な品質の原料、商品、役務を提供し、すべての フランチヤイジーが販売する商品・役務が、つねに良好で均等な品質であるよう監督する。 品質に関する消費者からの苦情については、フランチヤイザーは、その商標またはサ⋮ピス・マークに対する信頼に応え て、円満な解決をはかるものとする。﹂と規定している。 昭和四八年九月二九日の﹁中小小売商業振興法は、連鎖化事業と称せられるフランチヤイズ・システムの取締規定を苦干 設けているが、サーピス・マークの登録には少しも触れていない。 尚ほ欧米諸国における、フランチヤイズ・システムに関する法制については、拙稿﹁フランチヤイズ・契約に関する比較 法的研究﹂国士館法学七号二九七五年・一六頁以下参照。 ぼの幻¢菌 U3ω8\くop鎖簿箆Φび お①㎝︸ψ&瓢。 ω燦ωω露頸β9の沁¢菊戯纂o露。お笛9ψ嶺O’ ︼UOの<㍉Φ瓢︸冒①一憎Pv ≦効村①圏㎜N①坤Oげ①昌 鐸⇒良 ≦Oけけぴ①∼<①村びo aぴ①ωO財戦飲鯵悶門一昌鵬● 頃餌讐鋤づ銑いΦ旨。の旨⇒ααq①の簿N・Go曹︾qぬレ零9︾鋒簿嚇︾N塁︾聾 くoお纂藝霞騰●勝こ餌暮o讐一茜Φ一一ωモg監Goρ 討冴oωびo艶o簿凄門おOO︸ψ欝樽Z桟﹄ρ お団ρ ω●謡一津 しQ サービス マーク法制化の諸閥題 二五
東 洋 法学 二六 五.むすび サービス・マ⋮ク制の創成は.現代経済の要求である。西独も霞本もパリ条約によって、サービス・マーク保護の 国際的義務を負担した。だが今やたといかかる条約上の義務負担がないとしても.憲法の定める平等の原則に基き. サービス・マ⋮ク使用者に商標権者と同様の保護をあたえる立法をすることは.立法者の義務でなければならぬ。不 正競争防止法. ︵独の不正競業防止法一六条︶の規定による保護は十分とはいわれない、サービス制度創成の条件・ 時機はすでに総てそろっている。しかもそれは簡短に.商標法の修正補足によって達成する撒とが可能なのだ. 濤本においてもサービス・マークの制度を早急に認めて.商標並みの保護をあたえる必要のあることは.近年広く 実務家や業界の間にも主張されてきた。 一面サービス・マーク登録制度が存在しないため、仮りに商標法を利用して法の保護をうけようとする者が多く、こ のような権利者が登録商標を振りかぎし.サ!ビス・マークとしての保護を発揮させようとしている。他面登録商標 権者は.これをもって強力な企業競争の武器として濫用し.サービス・マークの使用者を圧迫しているのが実状であ る。そうした事情も原因の一となって.商標制度においては、特許庁は現在四〇万件もの滞貨をかかえ、これに加えて 年間二〇万件もの出願がなされ、併せて六〇万件の審査処理を要する出願がなきれ.これにたいし僅かに二一万乃至 五万件程度の現有審査能力では.一年間の出願数さえ処理することができず、この較差により出願から商標登録まで には四年近くの歳月を必要とする事態にたちいたっている。こうした弊害を防ぐためには.商標登録制とサービス・
マーク登録制とを併設し、明確な制度として採用することにより、量的にも出願数を減少きせ、質的にも両制度を健 ︵22︶ 全化させることができるであろう。 弁理士会においては、サービス・マークについての諮問に応じ、昭和四六年度工業所有権特別委員会はサービス部 会を設け、サービス・マークに関する研究審議をとげることになった。そして昭和四七年度末にサービス・マーク小 委員会審議報告書を作成し、工業所有権制度特別委員会に提出した。その要領を示せば、 1、サービス・マークは商標法・不正競争防止法等の現行法制度では、完全な保護ができないので、適当な立法措 置により、早急にサービス・マ!クを保護する必要があることは本小委員会の会員の一致の意見である。 2、 ︵略︶ 3、サービス・マーク制度の立法化のためには、サービス・マークは商標と類似する面が多いので、できる限り商 標法の規定を準用し、商標法申にサービス・マークに特有の事項のみを規定すべきである。 4∼イ︵略︶ 4ーロ 商標法第一条申﹁商標を保護することにより﹂とあるを、 ﹁商標及びサービス・マークを保護することに より﹂と及び﹁商標の使用﹂とあるを﹁商標又はサービス・マークの使用﹂と夫々改める。 4ーハ 商標法第二条の次に、下記の第二条の二を説ける。 第二条の二 1、この法律でサービス・マークとは、サーピスの提供を業とする者がそのサービスの提供に関して使用する サービス・マーク法制化の諸問題 二七
東洋法学 二八
標章及び音響又は光による表示をいう。 2.この法律で登録サービス・マークとは.サ!ビス・マーク登録を受けているサービス・マークをいう。 3.この法律でサービス・マークについて使用とは、次に掲げる行為をいう。 一.サービスの提供に関して用いる物品にサービス・マークを附する行為。 二.サービスに関する広告.宣伝表.又は.取引書類にサービス・マークを附して展示し.又は頒布する行 為. 三.サービスの提供又は広告に関して音響又は光をも肇て.サービス・マークを表示する行為. 5ーイ サービス・マークの登録要件については.商標法の規定を準用し.特有な事項に限り.手当するものとす る。 5⋮欝 サービス・マークの区分については.政令により次のように定めることとする。 第一〇一類 第一〇二類 第一〇三類 第一〇四類 第一〇五類 第一〇六類 宣伝・事務 保険・金融 建築・修理 通信 輸送.保管 物質処理第一〇七類教育・誤楽