OWLを用いた音楽嗜好データの表現と音楽情報推薦への応用
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(2) である.本手法の有効性を確認するために,本手法と. 3.1. 研 究 の進 行 方 法. 協調フィルタリング,および個人の音楽嗜好データを 集 合 論 的 に 扱 う 類 似 度 (Jaccard係 数 )に 基 づ く 音 楽 情 報. 本研究では,以下に示す手順で研究を進めた.. 3.1.1. 音 楽 デ ー タ の 収 集. 推薦との比較実験を行った.. 本研究では,個人の音楽嗜好データを用いるため,. 以 下 ,2節 で は 本 研 究 に 関 連 す る 研 究 に つ い て ,3節. アンケートによる音楽嗜好データの収集を行った.ア. で は 研 究 の ア プ ロ ー チ に つ い て 述 べ る . 4節 で は 音 楽. ンケート方法として,アンケート用紙による収集,電. 嗜 好 デ ー タ の OWL に よ る 表 現 例 , 5 節 で は 2 つ の OWL. 子 メ ー ル に よ る 収 集 ,Web ペ ー ジ の FORM 入 力 か ら の. 間 の 類 似 度 の 算 出 方 法 の 提 案 ,6節 で は 音 楽 情 報 の 推 薦. 収集など様々な手法でデータ収集を行った.アンケー. に つ い て 説 明 す る .7節 で は 音 楽 情 報 推 薦 の 実 験 と 評 価. ト内容は,アーティスト名,曲名,アルバム名,その. に つ い て 述 べ ,最 後 に ま と め と 今 後 の 課 題 を 8節 で 行 う .. 曲 の CD ま た は デ ー タ を 持 っ て い る か ど う か , そ の 曲. 2. 関 連 研 究. 興味なし,嫌い)の 5 つの項目について記述してもら. に 対 す る 嗜 好 の 5 段 階 評 価( す ご く 好 き ,好 き ,普 通 , 関連研究として,個人のプロファイルをシステム間 で共有することで,システムごとの適応精度の差異を 軽 減 す る“ A3”が あ る [2].こ れ は ,本 研 究 と 同 じ く 個. っ た . 合 計 81 名 か ら 音 楽 嗜 好 デ ー タ を 収 集 し た .. 3.1.2. 音 楽 嗜 好 デ ー タ の OWL で の 表 現 アンケートにより収集した個人の音楽嗜好データ. 人 の 嗜 好 デ ー タ を OWL で 記 述 し , プ ロ ト タ イ プ と し. と し て の 表 現 形 式 と し て OWL を 採 用 し た . こ れ は ,. て 本 の 推 薦 シ ス テ ム:PDL を 紹 介 し て い る .A3 で は ,. OWL で 表 現 さ れ た デ ー タ へ の 新 規 属 性 の 拡 張 容 易 性. 木の深さに応じたべき乗類似度を使用しているが,評. や再利用性,推論等の研究への適用を意識したためで. 価実験は行っていない.. あ る . OWL 表 現 の 補 助 ツ ー ル と し て Stanford 大 学 で. また,選択した商品と同じ商品を購入した他人の購. 開発されたオントロジー作成支援ツールである. 買 商 品 を 利 用 者 に 推 薦 す る ア マ ゾ ン が あ る [1].し か し ,. Protégé[5]を , 本 手 法 で 用 い る OWL 作 成 の フ レ ー ム ワ. アマゾンの推薦の場合,購買履歴のみを参照するため. ー ク と し て 利 用 し , 個 人 の 音 楽 嗜 好 デ ー タ 用 の OWL. に,その人が欲していない商品が推薦される場合が. の テ ン プ レ ー ト を 出 力 し た . こ の テ ン プ レ ー ト OWL. 多々ある.アマゾンでは,情報を推薦する手法に情報. を 基 に , ア ン ケ ー ト で 得 ら れ た 嗜 好 デ ー タ を OWL フ. フィルタリングで代表的な協調フィルタリングを用い. ァ イ ル で 表 現 す る プ ロ グ ラ ム を 作 成 し ,81 名 の 音 楽 嗜. ている.協調フィルタリングは,複数の利用者の情報. 好 デ ー タ の OWL フ ァ イ ル の 作 成 を 行 っ た .. を使う必要があるため,利用者数が少ない初期の段階. 3.1.3. 類 似 度 の 算 出 プ ロ グ ラ ム の 実 装 と 音 楽 情. では類似する利用者を発見できず,有効な推薦が期待. 報の推薦. で き な い コ ー ル ド ス タ ー ト 問 題 が 発 生 す る [3]. ま た , アマゾンの情報推薦システムの場合,クレジットカー ド を も つ 本 人 が , 家 族 用 の 商 品 ( 書 籍 や CD な ど ) を 購入した履歴とカード保持者本人の購買履歴が混在し てしまい,正しい情報推薦からかけ離れてしまうとい う状況も問題となる. 音楽データを対象とする推薦システムでは,岩濱ら [4]の 研 究 が あ る .こ の 研 究 で は ,音 楽 デ ー タ (MIDI)か ら特徴量を抽出し、その特徴量と個人の音楽データに 対する評価値から決定木を構築する.その決定木と評 価用データの特徴量を比べ,その人に音楽データの推. OWL フ ァ イ ル か ら 構 造 的 な 類 似 度 と ,デ ー タ の 集 合 論 的 な 類 似 度 を 与 え る Jaccard 係 数 に よ る 類 似 度 を 求 めるプログラムの実装を行った.一方,強調フィルタ リング手法も実装し,これら3つの手法による音楽情 報の推薦を行った.. 3.1.4. 本 手 法 の 評 価 本手法の有効性を検証するために,前記3つの手法 での音楽情報の推薦を,推薦適合率(推薦された曲の うち、その人が好んだ曲の割合)を定義して,比較評 価を行った.. 薦を行う.しかし,音楽データから特徴量を抽出する. 4. 音 楽 嗜 好 デ ー タ の OWL に よ る 表 現 例. のは困難である.. 本 提 案 手 法 で 用 い る 個 人 の 音 楽 嗜 好 デ ー タ を OWL で 記 述 し た 例 を 図 1( 深 さ 4)に 示 す .根 ノ ー ド か ら genre,. 3. 研 究 の ア プ ロ ー チ 本 研 究 で は ,A3 で 行 わ れ な か っ た 評 価 実 験 を 行 う と と も に , 本 手 法 で 定 義 す る OWL 間 の 構 造 的 な 類 似 度 の有効性を確認するために,協調フィルタリングと音 楽 デ ー タ を 集 合 論 的 に 扱 っ た 類 似 度 ( Jaccard 類 似 度 ) を用いた音楽情報推薦の結果との比較を行う.. sub-genre, artist, titleの 階 層 構 造 と し た . 葉 ノ ー ド で あ る titleに は , OWLの 特 徴 で あ る デ ー タ タ イ プ プ ロ パ ティ属性ノードを利用して,その曲を持っているかを 表 す “have”(boolean) , そ の 曲 に 対 し て の 興 味 を 示 す “like”( 非 負 の 実 数 値 ) の デ ー タ タ イ プ プ ロ パ テ ィ を 持. −278−.
(3) た せ る よ う に 工 夫 し た .OWLの 作 成 は 3.1.2節 で 述 べ た 手法で行った.. 図 3 OWLで 記 述 し た 例 ( Yさ ん , 深 さ 4). 5.2. 一 般 化 コサインの拡 張 「OWL 構 造 類 似 度 」 図1. OWLで 記 述 し た 例 ( Xさ ん , 深 さ 4). 一 般 化 コ サ イ ン 類 似 度 (GCS : Generalized Cosine Similarity)は 木 構 造 デ ー タ 間 の 類 似 度 を 表 現 す る ひ と つ の 手 段 と し て 提 案 さ れ た [6]. 類 似 度 を 求 め る 2人 の 音 楽 嗜 好 デ ー タ (Xの title: l1 ,Yの title: l 2 )に 対 す る 一 番 近 い 共 通 の 親 (LCA:Lowest Common Ancestor)用 い て → →. title間 の 類 似 度 l1 ⋅ l 2 を 求 め る .我 々 は ,[6]で 定 義 さ れ → →. た類似度( 図2. OWLで 記 述 し た 例 ( Xさ ん , 深 さ 3). l1 ⋅ l 2. ). に対して,深さによって変化する. 重 み D(depth) を 乗 ず る よ う な 拡 張 を 行 っ た ( 式 (2)) .. また,深さを変化させた場合の類似度を求めて音楽. 以 降 、 こ れ を 「 OWL構 造 類 似 度 」 と 呼 ぶ こ と に す る 。 → →. l1 ⋅ l2 =. 情報の推薦を行う実験も行った.X さんの深さ 4 の OWL 表 現 は 図 1 の 構 造 に な る が ,深 さ 3 の OWL は 図 2 の よ う に sub genre が 無 い 構 造 と し た .. 2 ∗ depth( LCAU (l1 , l2 )) * D(depth) depth(l1 ) + depth(l2 ). (2). 次 に ,OWL特 有 の 拡 張 機 能 の 一 つ で あ る デ ー タ プ ロ パ テ ィ と し て title( 曲 目 )ノ ー ド に 追 加 し た“ like”(式 → →. 5. 類 似 度 算 出 法 OWLで 表 現 さ れ た 任 意 の 2人 の 音 楽 嗜 好 デ ー タ の 類 似 度 計 算 に は , 以 下 に 示 す 2種 類 の 類 似 度 算 出 法 を 用. (3) の. ai と b j ) と 式 (2) を 一 般 化 し た l i ⋅ l j と の 積 の 和. を以下の式で求めた. → →. n. m. → →. A⋅ B = ∑∑ ai b j li . l j. いた.. (3). i =1 j =1. 5.1. Jaccard 係 数 Jaccard係 数 は ,デ ー タ を 集 合 論 的 に 扱 っ た 場 合 の 類 似 度 を 求 め る 一 手 法 で あ る . Xさ ん と Yさ ん の 音 楽 嗜. Aは Xの title( li )集 合 , Bは Yの title( l j )集 合 を 表 す . 式 (3)を 正 規 化 し た 値 を 「 OWL構 造 類 似 度 」 と す る (式 (4)). → →. 好 デ ー タ が あ っ た 場 合 ,Xと Yが 持 つ ノ ー ド の 和 集 合 と. sim( A, B) =. Xと Yの 持 つ ノ ー ド の 積 集 合 の 比 で 以 下 の 式 (1)で 求 め る こ と が で き る ( musicの ノ ー ド は 含 ま な い ).. sim Jacc ( X , Y ) =. X ∩Y X ∪Y. .. → →. (4). A⋅ A B⋅ B. LCA の 例 と し て ,図 1 の X の title“ h1”と 図 3 の Y (1). の title“ f2” の LCA を 求 め る . ま ず ,“ h1” の 親 ノ ー. Jaccard 係 数 を 求 め る 例 と し て ,深 さ 4 の 場 合 の 図 1 の X と 図 3 の Y の Jaccard 係 数 を 実 際 に 求 め て み る . X と Y の ノ ー ド の 和 集 合 は 28, 積 集 合 は 9 と な り , Jaccard 係 数 は 32.1%と な る .Jaccard 係 数 を 用 い る 場 合 , OWL の 構 造 は 一 切 利 用 し て い な い. A⋅ B. → →. ド は 「 浜 崎 あ ゆ み 」,“ f2” の 親 ノ ー ド は 「 福 山 雅 治 」 と な る た め , artist の 段 階 で は LCA は 求 ま ら な い . 次 に, 「 浜 崎 あ ゆ み 」の 親 ノ ー ド は「 ポ ッ プ ス 」, 「福山雅 治 」の 親 ノ ー ド も「 ポ ッ プ ス 」と な り ,sub genre の 段 階 で LCA が 求 ま る こ と に な る .. −279−.
(4) フィルタリングによる音楽情報推薦の結果を比較する.. 6. 音 楽 情 報 の 推 薦 前 節 で 類 似 度 を 求 め る 2つ の 手 法 に つ い て 説 明 し た が ,本 節 で は こ れ ら 2つ の 類 似 度 を 用 い た 場 合 の 音 楽 情. 7.1. 類 似 度 の比 較 音 楽 情 報 を 推 薦 す る 特 定 の 個 人 に 対 し て , 他 の 80. 報の推薦を行う手順,及び協調フィルタリングを用い. 人 の OWL と の 類 似 度 の 比 較 を 行 っ た .5 節 で 示 し た 2. た場合の音楽情報の推薦を行う手順を説明する.. 種 類 の 類 似 度 算 出 法 を 用 い て ,OWL の 深 さ が 3 と 深 さ 4 の 場 合 の 類 似 度 ,お よ び Jaccard 係 数 に よ る 類 似 度 結. 6.1. 類 似 度 を用 いた場 合 の音 楽 情 報 推 薦 前節で定義した類似度を用いた場合の音楽情報推. 果を図 4 に示す.. 薦の手順を説明する.音楽情報を推薦してほしい人A. OWL 構 造 類 似 度 は Jaccard 係 数 よ り も 大 き な 値 と な. さんを基準とし,他の人との類似度の計算を行う.類. っ た .ま た ,OWL 構 造 類 似 度 に お い て は ,深 さ 3 よ り. 似 度 の 計 算 を 行 っ た 人 数 の 上 位 数 %( 実 験 で は 10%) の. 深さ 4 の類似度が大きくなる結果となった.. 人 々 の OWLに 現 れ る「 曲 目 」を マ ー ジ す る .マ ー ジ し た 音 楽 デ ー タ で 重 複 す る 曲 目 が あ れ ば 削 除 し , Aさ ん の OWLに 含 ま れ る 曲 目 を 引 く .以 上 の 手 順 よ り 出 来 上 が っ た OWLに 含 ま れ る 曲 目 に お い て ,デ ー タ タ イ プ プ ロ パ テ ィ “like”の 評 価 値 が 大 き い 順 に ,上 位 の 適 当 な 数 ま で の 曲 を Aさ ん に 提 示 し , 評 価 を し て も ら う . 評 価 に は 式 ( 5) に 示 す 推 薦 適 合 率 を 用 い た . 推薦適合率 =. like評価の曲数 推薦全曲数. .. (5). 式 ( 5) に お け る like評 価 と は , Aさ ん に 推 薦 さ れ た 曲 を “ す ご く 好 き ”,“ 好 き ” ま た は “ 曲 を 知 ら な い が 聞 い て み た い ”( 注 : こ れ は ア ン ケ ー ト 項 目 に は な い ) 図4. と思った場合の評価である.この推薦適合率を用いる. Jaccard係 数 と OWL構 造 類 似 度 結 果 の 比 較. ことで,音楽情報推薦の各手法の評価を行った. OWL 構 造 類 似 度 の 深 さ の 異 な る 表 現 に よ る 類 似 度 の 差 は ,深 さ 3に 比 べ て 深 さ 4の OWLの 方 が sub genreの. 6.2. 協 調 フィルタリングを用 いた音 楽 情 報 推 薦 OWL で 表 現 さ れ た 音 楽 嗜 好 デ ー タ に 協 調 フ ィ ル タ. 階 層 が 増 え て い る 分 , よ り 近 い 親 が LCAの 値 と な る た. リングを適用した場合の音楽情報推薦は,音楽情報を. め ,式( 2)の 値 が 大 き く な り ,深 さ 4の OWL構 造 類 似. 推薦する人の曲に対する評価(データタイププロパテ. 度の値の方が大きくなったものと推察される.. ィ の like の 値 )を 手 が か り に し て , 音 楽 嗜 好 の 似 て い る人を見つける.そしてまだ視聴していない曲や評価. 7.2. 類 似 度 による推 薦 の比 較. を行わなかった曲の推薦度を推定することで,その人. Jaccard 係 数 と OWL 構 造 類 似 度 を 用 い た 場 合 の 音 楽. へ音楽情報推薦を行う.協調フィルタリングの式は,. 情 報 推 薦 を 比 較 し た . 類 似 度 を 求 め る た め に OWL を 比 較 す る 人 数 を 40 人 , 80 人 の 場 合 で そ れ ぞ れ 実 験 を. た と え ば [7]を 参 照 さ れ た い .. 行 い , さ ら に OWL の 深 さ 3 と 深 さ 4 の 場 合 に お け る 各手法による音楽情報推薦の推薦適合率を求めた.類. 7. 本 手 法 の 評 価 実 験 本手法による音楽情報推薦の性能を評価するため. 似 度 の 大 き か っ た 上 位 10%の 人 数 の 音 楽 嗜 好 デ ー タ を. に , 2 つ の 類 似 度 ( Jaccard 係 数 ( 式 1), OWL 構 造 類. 用いて音楽データの推薦を行い.求めた推薦適合率を. 似 度 (式 4)) に よ る 音 楽 情 報 推 薦 , お よ び 協 調 フ ィ ル. 表 1 に示す.. タリングによる音楽情報推薦の比較実験を行った.使 用する音楽嗜好データは,アンケートにより収集した. 表 1. 81 人 分 の デ ー タ で あ る . 7.1.で は 2 つ の 類 似 度 を 求 め. 類似度による推薦適合率 40 人 深さ 3. 80 人 深さ 3. 40 人 深さ 4. 80 人 深さ 4. る 手 法 に お け る 類 似 度 の 比 較 を 行 い , 7.2.で は 2 つ の. Jaccard 係 数. 44%. 44.7%. 40%. 42%. 類 似 度 に よ る 音 楽 情 報 推 薦 の 結 果 を 示 す . 7.3.で は 協. OWL 構 造 類 似 度. 35%. 44.7%. 58%. 62.5%. 調フィルタリングによる音楽情報推薦の結果を示し, 7.4.に お い て 類 似 度 に よ る 音 楽 情 報 推 薦 の 結 果 と 協 調. −280−. 表 1 よ り , Jaccard 係 数 に よ る 推 薦 適 合 率 は 人 数 や.
(5) OWL の 深 さ を 変 え て も 大 き な 変 化 は 見 ら れ な か っ た .. フィルタリングよりも推薦適合率が高くなったことで,. こ れ は , Jaccard 係 数 を 求 め る に は 2 人 の OWL の ノ ー. 本手法の有効性をある程度確認できた.. ド の 積 集 合 /和 集 合 で 計 算 さ れ る た め , OWL の 構 造 が 表 3. 深 さ 3 ま た は 深 さ 4 で あ っ て も ,sub genre が あ る か な 変化は見られなかったためと考えられる. OWL 構 造 類 似 度 の 場 合 は ,比 較 人 数 や OWL の 深 さ を変えることで変化が見られた.特に深さが 3 から 4 になった場合の推薦適合率が大きく向上していること が 表 1 か ら 分 か る . こ の 理 由 と し て , OWL の 構 造 が sub genre の 階 層 を 追 加 し 深 さ 4 に な る こ と で 、音 楽 情 報 を 推 薦 す る あ る 人 の 嗜 好 に 近 い 別 の 人 の OWL と の 類 似 度 が OWL の 構 造 の 深 さ 3 の 場 合 に 比 べ て 高 く な る た め と 考 え ら れ る . つ ま り , OWL の 構 造 を 拡 張 し , より詳細な音楽情報を付与することで,より個人の音 楽嗜好に近い曲が推薦されるので,推薦適合率が向上 し た と 思 わ れ る . 人 数 を 40 人 か ら 80 人 に 増 や し た 場 合の推薦適合率の向上は,音楽情報を推薦する人の嗜 好 に 近 い 人 の OWL が 増 え る こ と か ら , よ り 好 ま れ る 曲が推薦されたためであると考えられる.. 各手法による推薦適合率 40 人 深 さ 4. い か の 違 い で あ る か ら ,Jaccard 係 数 の 値 に 特 に 大 き な. 80 人 深 さ 4. Jaccard 係 数. 40%. 42%. OWL 構 造 類 似 度 協調フィルタリング. 58% 20%. 62.5% 25%. 8. お わ り に 本研究では,個人の嗜好データとして音楽嗜好デー タを取り上げ,アンケートにより収集した音楽嗜好デ ー タ を オ ン ト ロ ジ ー 記 述 言 語 と し て 代 表 的 な OWL で 表 現 し た .OWLの 類 似 度 を Jaccard係 数 と 一 般 化 コ サ イ ン 類 似 度 を 拡 張 し た OWL構 造 類 似 度 の 2種 類 の 方 法 で 類似度を算出し,適用分野として,音楽情報の推薦例 を報告した.また,協調フィルタリングによる音楽情 報の推薦も行い,本手法との比較実験を行った. 今 後 の 課 題 と し て ,OWLの 特 徴 で あ る 多 種 多 様 な セ マンティックス(属性)を付与したノードをデータタ イププロパティとして付加できる機能を活用して “like”,“have”以 外 の デ ー タ タ イ プ プ ロ パ テ ィ を 使 っ た. 7.3. 協 調 フィルタリングによる推 薦 協調フィルタリングを用いて,推薦する 1 人に対し て 推 薦 の た め に 利 用 す る 人 数 を 40 人 と 80 人 の 2 つ の 場合で,音楽情報の推薦を行った.なお,評価に用い る指標は,類似度による音楽情報推薦でも用いた推薦 適合率を用いた.表 2 に協調フィルタリングによる推 薦適合率の結果を示す. 表 2. 比 較 実 験 , 音 楽 情 報 の 推 薦 シ ス テ ム ( GUI) の 作 成 , コールドスタート問題への対処,音楽以外のデータを 本手法に適応した場合の有効性を示すこと,等が挙げ られる. 謝辞 本研究は,電気通信普及財団の援助を受けて 行いました.. 文. 協調フィルタリングによる推薦の推薦適合率 推薦適合率. 音 楽 情 報 の 推 薦 , Edit Distance等 , 異 な る 類 似 度 で の. 40 人. 80 人. 20%. 25%. 表 2 よ り ,40 人 を 用 い た 場 合 の 協 調 フ ィ ル タ リ ン グ の 推 薦 適 合 率 は 20%と い う 結 果 に な っ た .協 調 フ ィ ル タリングは,精度を増すためには母数の人数を増やす 必 要 が あ る た め , 人 数 を 40 人 の 倍 の 80 人 に 増 や し て 推 薦 適 合 率 を 求 め る と 25%と な り ,多 少 の 適 合 率 の 向 上が観測された.. 7.4. 類 似 度 による推 薦 と協 調 フィルタリングによる推 薦 の比 較 類似度を用いた場合の音楽情報推薦と協調フィルタ リングによる音楽情報推薦の結果を比較するため,各 手 法 に よ り 求 め た 推 薦 適 合 率 を 表 3 に 示 す .表 3 よ り , 本 手 法 で あ る OWL の 構 造 的 な 類 似 度 を 用 い る OWL 構 造 類 似 度 ( 深 さ 4) の 推 薦 適 合 率 が 大 き な 値 と な る こ とが分かる.情報フィルタリングの一手法である協調. 献. [1] Greg Linda , Brent Smith , and Jeremy York , “Amazon.com Recommendations Item-to-Item Collaborative Filtering,” IEEE Internet Computing, Jam-Feb.2003, pp.76-80, 2003 [2] 宮 上 大 輔 ,河 合 由 紀 子 ,田 中 克 己 ,“ A3:オ ン ト ロ ジーの共有によるユーザ適応のためのフレーム ワ ー ク の 提 案 ,” DBWS 2004, no.I-3, 2004 [3] 小 原 恭 介 , 山 田 剛 一 , 絹 川 博 之 , 中 川 裕 志 , “ Blogger の 嗜 好 を 利 用 し た 協 調 フ ィ ル タ リ ン グ に よ る Web 情 報 推 薦 シ ス テ ム ,” The 19th Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2005, no.2C2-02, 2005 [4] 岩 濱 数 宏 , 土 方 嘉 徳 , 西 田 正 吾 ,“ 決 定 木 を 用 い た音楽情報フィルタリングシステムとその有効 性 の 検 証 ”, 電 子 情 報 通 信 学 会 論 文 誌 , D-I Vol.J88-D-I, No.3 , pp.642-656, 2005 [5] Protégé, http://protege.stanford.edu/ [6] P. Ganesan, H.G. Molisa, J. Windom, “Exploiting Hierarchical Domain Structure to Computer Similarity,” ACM. Trans. Inf. Sys. Vol.21, No.1, pp.64-93, 2003. [7] 古 川 貴 志 ,増 田 宏 ,“ ユ ー ザ 操 作 可 能 な 協 調 フ ィ ル タ リ ン グ 推 薦 に 関 す る 研 究 ,” 東 京 大 学 教 養 学 部 修 士 論 文 , 2002. −281−.
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