• 検索結果がありません。

ラット嗅上皮に特異的に発現する遺伝子の解析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ラット嗅上皮に特異的に発現する遺伝子の解析"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

修 士 論 文 の 和 文 要 旨

研究科・専攻 大学院 電気通信学研究科 量子・物質工学専攻 博士前期課程 氏 名 村吉 浩明 学籍番号 0933041 論 文 題 目 ラット嗅上皮に特異的に発現する遺伝子の解析 要 旨 動物において嗅覚は、食物を探したり、有害物質を判別したり、さらには天敵の接近を察知す るなど、生存に不可欠な感覚である。この嗅覚の情報変換機構に関しては、これまでの多くの研 究により、その全体像についてある程度明らかにされてきた。しかしながら、嗅覚に特徴的な順 応等の感受性の変化などについて、既知の分子だけでは説明できない現象もある。そこで当研究 室では、嗅覚系における発現がこれまでに知られていない遺伝子を同定し、その解析を行うこと によってそれらの分子機構の解明に近づけると考えた。本研究に先立ち我々は、嗅上皮に特異的 に発現する遺伝子を効果的に探索するために、Differential Display 法 (DD 法) により嗅上皮と 網膜における遺伝子発現の差異を比較し、44 の遺伝子を同定した。これらの遺伝子について、新 たにプライマーを作成し、PCR によってその特異性の検証を行ったところ、4 個の未知遺伝子と 9 個の既知遺伝子について再現性が得られた。これらの遺伝子はすべて、これまで嗅上皮におけ る発現が知られていなかった遺伝子である。 未知遺伝子については配列以外の情報が全くないため、遺伝子の機能的な特徴を予測するには まず、どの組織で発現しているかを調べる必要があると考えた。そこでDD 法により得られた 13 の遺伝子について、他の組織において発現が見られないかをRT-PCR により解析した (表 1)。そ の結果、他の組織に発現するものも見られたが、いずれの場合も嗅上皮に高い発現が見られた。 一方、嗅上皮には、におい物質を受容する嗅細胞の他にも、支持細胞や基底細胞、およびボーマ ン腺細胞などが存在する。そこで、得られた遺伝子が、嗅上皮のどの細胞において発現している のかを、In situ Hybridizaiton 法により解析した (表 2)。技術的な困難さから未決定のものもあ るが、半数近くの遺伝子について局在を明らかにすることができた。すでに述べたように、13 の 遺伝子の嗅覚における機能はこれまでに知られていない。今後、本研究の結果をもとに解析を進 めることにより得られる知見は、嗅覚メカニズムの全容解明にとって、決して小さくないインパ クトを与えると考えている。 表 1. RT-PCR の結果 表 2. In situ Hybridization の結果 嗅上皮のみ 嗅上皮と他の少数の組織 様々な組織 嗅細胞 支持細胞 未決定 2 8 3 4* 2* 8 数字は遺伝子の数を示している。*両細胞に発現している遺伝子が一つ存在する。

参照

関連したドキュメント

The torque acted beween picking ioop and new loop in the case of Picking Step F ; a, and B ; b... はその まま拾 い 目ル

[r]

その産生はアルドステロン合成酵素(酵素遺伝 子CYP11B2)により調節されている.CYP11B2

今日のお話の本題, 「マウスの遺伝子を操作する」です。まず,外から遺伝子を入れると

以上のことから,心情の発現の機能を「創造的感性」による宗獅勺感情の表現であると

第四章では、APNP による OATP2B1 発現抑制における、高分子の関与を示す事を目 的とした。APNP による OATP2B1 発現抑制は OATP2B1 遺伝子の 3’UTR

を,松田教授開講20周年記念論文集1)に.発表してある

そこでこの薬物によるラット骨格筋の速筋(長指伸筋:EDL)と遅筋(ヒラメ筋:SOL)における特異