自動走行型車椅子における画像認識を用いた距離推定法に関する研究
全文
(2) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AVM-93 No.3 2016/8/8. しの制限の少ない単眼カメラで撮影した画像から,学. き多数決を行うことで高精度な識別が可能となる.. 習済ラベルを認識してラベルまでの距離を推定する手 法を提案する.ラベル認識においてに入力画像に拡大 処理を施すことで認識距離の向上を図る.また,認識 結果を用いて画像上の像の大きさがカメラとの距離に 反比例する関係を用いて認識物体とカメラとの距離を 推定する.. 2. 画 像 認 識 画 像 認 識 の ア ル ゴ リ ズ ム を 図 1 に 示 す .画 像 認 識 は 学習フェーズと認識フェーズの2つのフェーズで行わ れる.学習フェーズで学習画像を特徴量データに変換 し,変換データに基づいて機械学習を行うことで学習 結果データを得る.学習結果データが画像認識を行 う. 図 1 画像認識のアルゴリズム. 際の識別器となる.そして,認識フェーズで入力画 像 を特徴量データに変換し,作成した識別器を用いて識 別を行う.提案法では,認識フェーズにおいて入力画 像に対して拡大処理を施している. A). Haar-like 特 徴 量 Haar-like 特 徴 量 [3] は ,近 接 し た 2 つ の 矩 形 領 域. の輝度差により得られる特徴量である.輝度差に着目. 図 2. Haar-Lke 特 徴 量. することで,照明条件の変動やノイズの影響を受けに く い と い う 特 徴 が あ る .図 2 に 示 す よ う に ,白 領 域 r1 と 黒 領 域 r2 の 輝 度 差 を 式 (1) に よ り 特 徴 量 を 算 出 する.. H(𝑟1, 𝑟2) = 𝑆(𝑟1) − 𝑆(𝑟2). (1). 図 3 Haar-Lke 特 徴 量 の パ タ ー ン 例. こ こ で S(r) は , 領 域 r の 輝 度 平 均 を 算 出 す る 関 数 で あ る .図 3 に 示 す パ タ ー ン を も と に ,位 置 や ス ケ ー ル を網羅的に変化させることにより膨大な特徴量を生成 する.人間の顔に適応した例を図 4 に示す.目や鼻を 含む領域は他の領域と比較して輝度値が小さく,輝度 差が大きく表れる.また,積分画像を用いることによ り ,各 領 域 の 合 計 輝 度 を 領 域 の 大 き さ に 関 わ ら ず ,4 点. 図 4 Haar-Lke 特 徴 量 の 適 応 例. の値の加減算で算出できるため高速に特徴量を算出す ることが可能となる. B). AdaBoost AdaBoost [4][5] は ,二 値( 対 象 ク ラ ス /非 対 象 ク ラ ス ). を出力する弱識別器を複数組み合わせて高精度な強識 別 器 を 学 習 す る ア ル ゴ リ ズ ム で あ る . AdaBoost で は , 学習画像に対して重みを付け,多数の弱識別器候補か ら誤識別する画像の重みの和が最小となる弱識別器を 選択する.その後,選択された弱識別器を用いて学習 画像を識別し,間違えた画像に対して高い重みを与え る.この処理を繰り返し行うことで識別が困難(重み. 図 5 AdaBoost. の大きい)な画像に対しても正しく識別する弱識別器 が 選 択 さ れ る .最 終 的 な 判 断 に は ,図 5 に 示 す よ う に , 選択した弱識別機の誤識別率からそれぞれの識別機に 対 す る 重 み( 信 頼 度 )𝛼𝑟 を 算 出 し ,弱 識 別 器 の 重 み 付. ⓒ 2016 Information Processing Society of Japan. 2.
(3) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AVM-93 No.3 2016/8/8. 3. 画 像 拡 大. 4. 距 離 推 定 法. 画像認識の問題点として,認識対象との距離が離れ. 画像上の物体の大きさはカメラとの距離に反比例. てしまうと認識できないことが挙げられる.これは,. する関係にある.この関係を利用して,大きさが既知. 対象物体から遠ざかることによって画像上の 認識対象. の対象物を認識して,対象物までの距離を推定する.. が小さくなり,認識対象を表す画素数が減少し,情報. 図 7 に距離推定条件を示す.まず,基準画像として対. 量が不足してしまうことが原因である.この問題を解. 象 物 ま で の 距 離 を 𝐿1 と し た と き の 対 象 物 を 撮 影 し ,. 決するために,不足した画素(情報)を画像拡大によ. 画像認識で得られた出力矩形の大きさから対象物の大. って補間することで,認識対象との距離が離れた場合. き さ 𝑆1 を 算 出 し て お く .次 に ,任 意 の 距 離 𝐿2 で 対 象. での認識を可能とする.. 物 を 撮 影 し , 同 様 に し て 対 象 物 の 大 き さ 𝑆2 を 算 出 す. A). Lanczos 拡 大. る . そ し て , 反 比 例 の 関 係 を 用 い た 式 (3)か ら 距 離 𝐿2. 画像の拡大は,既存の画像を構成する画素の間に新. を推定する.. しい画素を埋め込むことで達成される .新しい画素値 の 算 出 に は 補 間 関 数 w(x) が 用 い ら れ る . 拡 大 手 法 の. √. 𝐿2 =. 1 つ で あ る Lanczos4 拡 大 は ,距 離 x が 4 以 内 の 画 素 ,. 𝑆1 𝐿 𝑆2 1. (3). つ ま り 8x 8 画 素 を 参 照 し て 拡 大 後 の 各 ピ ク セ ル 値 を. 5. 実 験 結 果. 求 め る . Lanczos4 で は 式 (2)に 示 す 補 間 関 数 を 用 い て. 5.1 画 像 拡 大 に よ る 認 識 距 離 向 上 の 評 価 画像拡大により認識距離が向上するかを確認する ために,単眼カメラを用いて認識距離を比較する実験 を行った.実験内容は,図 8 に示すようにカメラと認 識 対 象 を 10cm ず つ 遠 ざ け て い き , ど の 距 離 ま で 認 識 可能かを測定する.認識対象物には,車椅子が使用さ れ る 病 院 を 想 定 し て , ベ ッ ド の 位 置 を 表 す BED-1 と い う マ ー カ を 使 用 し た( 図 9).表 1 に 実 験 条 件 を 示 し , 図 10 お よ び 表 2 に 実 験 結 果 を 示 す . 図 10 よ り , 拡 大 前 で は 認 識 で き な か っ た マ ー カ を 拡大後では正確に認識できていることが確認できる. ま た 表 2 よ り ,画 像 拡 大 の 処 理 を 加 え る こ と で 1.38 倍 の 認 識 距 離 の 向 上 が 確 認 で き る .本 稿 で は Lanczos4 補 間法により拡大を行ったが,よりエッジを鮮明化でき る 超 解 像 処 理 [6][7] を 用 い る こ と で 拡 大 画 像 の 高 精 度 化を実現することが可能となり,認識精度の向上が期 待できる.. 画素の補間を行う.. w(x) =. 1, 𝑥 4sin ( ) sin(𝑥) 4 , ∙ 𝑥 𝑥 0, {. 𝑥=0 0<𝑥<4. (2). 4<𝑥. 補 間 関 数 を 図 6 に 示 す 。Lanczos4 補 間 法 で は よ り 多 く の画素を補間に使用することで高精度な拡大を行うこ とが可能となり、拡大時に補間された情報により、認 識精度の向上が期待できる。. 図 8 実験内容 図 6 補間関数. 図 9 認識対象物 表 1 実験条件 特徴量. 図 7 距離推定条件. ⓒ 2016 Information Processing Society of Japan. Haar-Like. 機械学習法. Adaboost. カメラ解像度. 640 × 480 [pixels]. 拡大倍率. 2 × 2. マーカサイズ. 6 × 15 [cm]. 3.
(4) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2016-AVM-93 No.3 2016/8/8. (a) 拡 大 無 し. 図 11 距 離 推 定 結 果. 6. む す び 本稿では,自動走行型車椅子における画像認識を用 いた距離推定法を提案した.画像認識の際に入力画像 に 対 し て 拡 大 処 理 を 施 す こ と で 認 識 可 能 距 離 が 1.38 倍向上することを確認した.また,画像上の物体の大 きさがカメラとの距離に反比例する関係を用いた距離 推定法に画像認識を応用することで,正しい距離を推 (b)拡 大 有 り. 定出来ることを確認した.今後の課題としては,他の. 図 10 認 識 結 果. 画像拡大法の検討や画像処理の追加により,認識距離 の更なる向上と認識精度の向上が挙げられる.. 表 2 実験結果 認識可能距離 拡大無し. 240 [cm]. 拡大有り. 330 [cm]. 向上率. 1.38 倍. 5.2 距 離 推 定 の 評 価 画 像 認 識 を 用 い た 距 離 推 定 の 実 験 を 行 っ た . 5.1 節 の 実 験 と 同 様 に マ ー カ を 10cm 間 隔 で 撮 影 し ,4 章 で 説 明した距離推定法を用いて,撮影した距離の推定を行 った.画像認識によりマーカを認識し,出力矩形の大 き さ を マ ー カ の 大 き さ と し た . 図 10 に 実 験 結 果 を 示 す.青線が実際の距離で,赤線が本手法を用いて推定 した距離を示している. 実験結果より,撮影距離により誤差はあるものの, 正しい距離が推定できていることが確認できる.誤差 の原因としては,誤認識よりに出力矩形の大きさが実 際のマーカよりも大きくなるため,あるいは小さくな るためである.そのため,出力矩形の大きさを正確に 求めることで誤差を減らすことができ, この改善は今 後の課題である.. ⓒ 2016 Information Processing Society of Japan. 文. 献. [1] 「 介 護 人 材 の 確 保 に つ い て( 2014)」厚 生 労 働 省 社 会 保障審議会福祉部会・福祉人材確保専門委員 会 [2] 佐 藤 雄 隆 「 安 全 に 考 慮 さ れ た 車 椅 子 」 障 害 者 自 立 支 援 機 器 等 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト ,平 成 21 年 度 総 括研究報告書 [3] D. Peleshko and K. Soroka. Research of Usage of Haar-like Features and AdaBoost Algorithm in Viola Jones Method of Object Detection, Proc. of CADSM 2013. [4] P. Viola and M. Jones, “Rapid Object Detection Using a Boosted Cascade of Simple F eatures,” IEEE International Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR), pp. 511–518, 2001. [5] Y. Freund and R. Schapire, “A Decision-theoretic Generalization of On-line Learning and an Application to Boosting,” J. Comput. Syst. Sci., pp. 119–139, 1997. [6] T. Murakami, T. Takeuchi, T. Goto, S. Hirano, M. Sakurai: “Improving Detection Accuracy Utilizing Super-Resolution”, 2015 IEEE 4th Global Conference on Consumer Electronics (GCCE), pp. 244 – 255, Oct. 2015. [7] Jianchao Yang, Student Member, IEEE, John Wright, Member, “Image Super-Resolution Via Sparse Representation” IEEE Transaction on Image Processing, Vol. 19 No. 11, November 2010.. 4.
(5)
関連したドキュメント
I give a proof of the theorem over any separably closed field F using ℓ-adic perverse sheaves.. My proof is different from the one of Mirkovi´c
Theorem 4.8 shows that the addition of the nonlocal term to local diffusion pro- duces similar early pattern results when compared to the pure local case considered in [33].. Lemma
Keywords: continuous time random walk, Brownian motion, collision time, skew Young tableaux, tandem queue.. AMS 2000 Subject Classification: Primary:
Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A
Shi, “The essential norm of a composition operator on the Bloch space in polydiscs,” Chinese Journal of Contemporary Mathematics, vol. Chen, “Weighted composition operators from Fp,
A Darboux type problem for a model hyperbolic equation of the third order with multiple characteristics is considered in the case of two independent variables.. In the class
This paper presents an investigation into the mechanics of this specific problem and develops an analytical approach that accounts for the effects of geometrical and material data on
The object of this paper is the uniqueness for a d -dimensional Fokker-Planck type equation with inhomogeneous (possibly degenerated) measurable not necessarily bounded