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「こころの健康とたましいの健康」報告(2013年度 聖学院大学総合研究所カウンセリング研究センター主催 : 臨床死生学研究講演会) 利用統計を見る

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「こころの健康とたましいの健康」報告(2013年度 聖学院大学総合研究所カウンセリング研究センター 主催 : 臨床死生学研究講演会)

著者 関 智征

雑誌名 聖学院大学総合研究所Newsletter

巻 Vol.23

号 No.3

ページ 35‑35

URL http://id.nii.ac.jp/1477/00002718/

(2)

Title

「こころの健康とたましいの健康」報告(2013年度 聖学院大学総合研究 所カウンセリング研究センター主催 : 臨床死生学研究講演会)

Author(s)

関, 智征

Citation

聖学院大学総合研究所 Newsletter, Vol.23-No.3, 2014.3 : 35-35

URL

http://serve.seigakuin-univ.ac.jp/reps/modules/xoonips/detail.php?item_i d=4958

Rights

聖学院学術情報発信システム : SERVE

SEigakuin Repository and academic archiVE

(3)

35

報 告

 2013年12月17日、聖学院大学総合研究所主催で 臨床死生学研究講演会が行われた。講演者は、精 神科医の石丸昌彦氏。テーマは「こころの健康と たましいの健康」で71名の参加者があった。以下は、

講演内容の概略である。

 石丸氏は、こころの健康について、メンタルヘ ルスの現状から説明した。10年前から精神疾患は 我が国で最大の問題になっているにも関わらず、

医療資源がメンタルヘルスに投入されていないこ とをデータから実証した。また、石丸氏は、社会 構造の変化にも言及した。病気を受け止めるネッ トワークである、地域共同体、会社共同体、家族 共同体が弱くなり、精神科、心療内科に行く人が 増えたという。

 次に、石丸氏はたましいの健康について考える 上で、健康とは何かを聴衆に問いを投げかけた。

そして、自身がアメリカに住んでいた時、子供の 幼稚園の説明会で「子供の身体的、知的、社会的、

霊的な成長を楽しんでください」と言われたエピ ソードを披露。人間理解の中で霊的(スピリチュ アル)という次元があることがグローバル・スタ ンダードになっていることをWHOの動きなどから も説明した。また、自殺問題とこころの問題につ いても触れ、日本は自殺者の多さが外国からも憂 慮されているが、霊の部分をケアしないと自殺の 問題は解決されない、と展開した。

 続いて石丸氏は、死生観の喪失と回復について 述べた。まず、伝統的な死の意味付けと、古代か ら江戸時代までの神道、仏教、武士道などの死生 観を紹介した。神道では、「自ずと生出て、自ずと 滅ぶ」考えがある。また、映画『おくりびと』には、

死は「穢れ」であるという思想が見いだされる。

仏教では、釈尊の本来の教説は「死とは単に消滅 すること、それ以上でもそれ以下でもない」とい うものであるが、後年の前世來世の思想で極楽地

獄という概念が生まれた。また、戦中の死生観と して「悠久の大義に生き、死を見ること帰するが 如き」のようなものがあった。そして敗戦は、伝 統的な日本の死生観のアイデンティティ危機に なった、という。戦後の高度成長期に、「死につい て考えることをやめよう。生産して経済成長をす ることに集中しよう」とした結果、死生観が消滅 した。その結果、戦後の日本に欠けていたものは、

死生観と喪の作業である、という。

 最期に石丸氏は、日本の社会にキリスト教の死 生観を接ぎ木することを提唱した。キリスト教の 死の概念である「罪の報酬は死である」こと、ま た復活の希望、すなわちビオス(肉体の命)は滅 びるが、ゾーエー(永遠の命)は滅びないことの 可能性について論じ、講演は終了した。

(文責:関 智征[せき・ともゆき]聖学院大学大 学院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科博士後期 課程 2 年)

講演者:石丸昌彦 精神科医・放送大学教授(上段)

2013年度 聖学院大学総合研究所カウンセリング研究センター主催 臨床死生学研究講演会

「こころの健康とたましいの健康」報告

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