兜(島津家伝来・メトロポリタン美術館蔵)[修理 報告]
著者 田口 義明
図書名 在外日本古美術品保存修復協力事業 : 修理報告書
: 絵画/工芸品[平成14年度実施事業] : The Cooperative Program for the Conservation of Japanese Art Objects Overseas
開始ページ 181
終了ページ 199
出版年月日 2004‑03‑31
URL http://id.nii.ac.jp/1440/00005473/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
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兜(島津家伝米)
品名 :兜 (,Iぷ It'.家伝米) 所蔵: メトロポ リ タン文印扉f,;
J法 :最大長 44.2cm 最大 l~,'t\52cm j•,',•jさ 27.4cm } i)↑)l淑番・11)· :
1 4 . J 0 0 . 4 4
兜( 島津家伝来 )
i',i', 名:兜(,「,: j
i I , t
家)所)1泌: メ ト ロ ボリ タン尖帥直f,; アメ リ カ合衆11,.1 法: J::.: 蔽人・艮 44.2cm 最大11w;52cm 1',',•jさ 27.4cm
)り]・Ji':品番',;- : 14.100.44
はじめに
漆公修復家
I I I II iヽ和IJI=j
在外11本古文術,恰修似協)J れ業 ( I盗) のうち、 アメ リ カ合衆I
1 q キ
メ ト ロボ リ タン)こ術舟\J りj·;,泌 兜 (r.: j
i
I : i
キ 求) の保イ(修判!が、東京文化財飢究所第修似ア トリ 工に於しヽて10か)]余 り を経て 平成 15年,・3 Jl
20 11 に辺 I~ した。
の報古:Iりは、 保イ(修 JIil_で得られた新知兄を記録にま とめた ものである。 現査料の1呆イ[修J叶!.にあたり、
又化財修Jll)_ 小¥睾 .:ii~'虹氏の協力 と 具に』)j I i" を頂いた。
概要
II 本の'I'宵は武器の発辻や戦祉、·の変化により、各II炉代 foにぶ,~々な材質、 技法、 形態、 心屑が変化し緑け
,_。
平安、鎌介期では騎、!!うから号を射る騎、!炒戦が j:_ 流となり、 経!験に)I~ つ゜き創瓜 I・・大さi した祈形式の人各'iiが 作られる ようになった。
南北側の11、'i=代は山城が多 く築かれ、戦い も闊地戦や城攻めがL 流となリ 、徒歩戦に向いた'I I'1りが求めら
i した粘呆、 足揺きが(III Iで腎砿なJJH丸と)j及巻がL 流となった。
)心イ ..の凡期では、)JI吋丸、)l距巻は装飾'『I:に位;み1'j'r;)鬼であり、 兜は筋兜からjl11f 古陀形笛j 兜へ移1fキ した。 以 後、 II本各地では隆乱が絶えず、戦Iふtiは糾織化された足 iii苓trn隊が ド流とな リ 、 戦1か:,―J)jiLも鼓柏、鉄仰の使 川による祉歩中心の集団戦となるにつれ'I'肯の製作も筒使化が災求された。
鉄砲の出況によ り、 甲胄は従米の艮い、1ばを残し人 き く 改良が成された'1'1Ill: 具足が作られる ようになっ た。 '1'1111.キ 具足は身休の各部分を隙間無<防設する·]';に屯、,,',,:をおいた甲胄である。
-の,''1 II、ふ、各)ゞ名や武将の間では、斬新で奇抜な邸屑を凝ら し、 1lr'il』It 的で、かつ'X川本イ{[のリじが流 1f- し
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iJIが代の初期には、欽砲の技術'(I~、)|―川上により、 'I'胄の鉄地を)?くしたものへの試し限ちが流 1J' した。 この、弾眼がつけられた 1ード冑を4菜呉足と称した。至町 11か代後期から江戸II,'「代前期煩までは実川的で1洲略された兜か多かったが、以後は'IL和なJI,軒代が紬
、 甲肯'の必災が無く なると、)又っで1炭古的復古訓で装飾的なlド冑が女[まれ製作される よう になった。 甲胄は武—卜の戦場における1附れ姿であり、死装束でもあったのでうし祖の魂のこめられた造品と しで家名 紺ぷの しる しとされた。
視査料も、南北朝II寺代後期から奎町 IIか代前期にかけて製作された島店I':、家の迅晶である鉄鉢を川い、 iIキ. J ;
兜 (.I'. j:i I且荻伝米) 183
時代後期に懐古的伐古謁lで製作された兜である。 しかし、 iLI illふ代も木期になると、 1JLjif 武戦法などが採 用された事によ って、機敏な{i)J作がI¥I: : 災となリ、 甲'青の必災性が薄らいできた。
現資料の特徴として)叶庇、 吹返、 しころの部分には、 本のローラに又様を刻み込み、紙や,'1「などを快み 込んで圧縮し11111111の文様を付けるエンポス技術を川いて文オ贔が付けられた,1化が川いられておリ、雁丈を辿 ると 50砂和州のヨーロ ッパに遡る。 1・・・イ父虹族、 .'i= I院などの札翌や)~JI: に使われてしヽた装飢i,•, 閏 A:i'だが 17111:紀の
半ばにH本に渡米 し、 令),lf‑,'化と呼ばれ人変珍直された。 しかし、況賓料のしころ部分に施された11111 州の文
様表而には、1 且漆が喰ら i しており、 ヨーロ ッパの),lf-,,,1,: には兄ることの出米ない II本独,,,の漆 )l,f·,i化となってし る。
漆は;,i化怜11午代に桜祈剤として川いられ、 縄文11か代には唸料として、公飾的に黒漆と朱漆などで鮮やかに 色分けされた 1沿怜、木)l合漆岱なども 出,-. している。 このように数丁-ィトも i'',"から接 li 剤や喰料として川し‘
れてきた漆は、ウルシオール、水分、 ラッカーゼ、 ゴム質からな り、 ラッカーゼが窄氣I 卜の酸索を吸収 し、ウルシオールを硬化させる (i,',/1.J文 20~25℃、 湿炭 75~85% がラ ソ カーゼの蚊も活発に働 < 1!11!.i,111しであ ろ)。
漆ぱ光令に硬化すると、酸、アルカリ、溶剤などに似伐さ札る •j,;.なく 、 IW 水性、 IWJ/翡性に俊れている。 漆を裕布する .!.j¥. により索地ふ(1iを丈火にし、 また、装飾として冷られた漆には螺釧、蒔絵、彫漆、沈令、
キンマなどの多くの加飾技法が生み出され索地衣而を飾った。 4れにd、I/絵は II本独,,,の技法であり、他の11,.1 では兄る'ドは出米ない。
この様に、 1装れた索材である漆をI1:.Iのイ{-L.'...:を),:ぷする武具に施す']\"は極めて重災かつ白然のことであ り、我が 11,.1独,,,の、 ー1'1'1_;)厖で爪灼感のあるII
I ' ,
りが各11、乍代 fo・:に誕牛した。H 本で出,-. した最も 古い n 屯な費料としてぷ味をもつ漆喰りの武具にi'rr~I笛lのイ) l場迅跡から発掘された、
弥生後期に儀式川として使川されたと息われる木製i'州で漆が冷ら i した知111の残欠がある。 表而には幾何··;を 文様が彫られ朱漆と黒漆で色分けさi してお り、 ,.‑にりl|}らずに残ったのは、 極めて児例である。
形状・品質構造
現査料は、鉄鉢を除き、'が町 II炸代の札~武を I'.かんだ懐古的似古,似!で製作されてしヽる。
鉢の形状は、 総,•,':j27.4cm 、)氏径削後 44.2cm 、)贔 i52cmであ り、鉢の板の矧ぎ)jは後ii:_I
I
Iの板から),...れに 正ねて矧いでいき蔽期はIiI j ii・・・中板に‘りる部分で張り fY(めていく )j 法で製作され、鉢の似にはil吸巻板をま i す。星は鉢の矧板を留める鋲煩のことで、視賽料のように糸Illかな足がた<さん打たれたものを4、'i:に集糸祈、肱 星などと 占う。
現査料は、 ―, ̲:,--_j/\j星兜であ り、 令(本に 462 の足か打たれてある。 鉄鉢に打たれてある 462箇の内、 ~u i 時代後期煩に祈しく 1·rたi した星が、 1i1i1i:̲,1, の矧板の 3 枚、後正,,,の矧板の 2枚、 腰巻に接した矧板の間辺 に139 悩~i認めらiした。
八幡咆の癸),yにはt彫りか施され 7111111の心'iさがあ り、星鋲をも って鉢にn かれ鉢災で留められている。 その」..のイしを11 I心として菊)1、·,~ を 爪:ね、 小刻)Af付 1ミ緑の順に成ってお り 総似il .65cmの装飾的な八幡)人iりであ る。天辺{しの内径は 2.2cmある。
後正I Iの板には、笠印の小旗が付けら i したとさ れる笠印付鍛が付けられ、鉄鉢の低い位凶に尊限のfしが4 i怜[所付けられてあ,oJ0
鉢のよ令1(1iに摺り漆が施されIW錆処 J・用さi してあるのでイ·'1し:かに渋味のある光沢が見られる。
Makin)! a workin̲g stand Making ;i working sl;111cl
,,2 兜の受け台製作(3) 53 兜の受tr 台製作(4)
M,1king a working sland Making a working st;1ncl
こべりか」
) 1'/庇の形に沿って中央に渡り物の絵:',どと),';-JIJ 1:1の小緑杯...には炉,"{i'1i':, し:と呼ばれた{,',:.が貼られ、 絵:'r:と小緑砧 は紺、 il}i貨、 I'I、 紅の 4 色の糸によ る伏糾みで綿い付けられ、鋲叫が桜の形を した9 箇の小桜鋲で紹めら
れてお り、 際には金具廻りが施され、裏側には朱のビロー ドが貼られ鮮やかである。 小緑:'r: (,,",; l1 'il:'rt)
は、絵:}: の祉j強と装飾を兼ねた、 1 cm 甘り後の緑{,'·:で糾地に(•;/,li又をI'I抜きに した1}: である。
鉢裏には、鉄地に直接金箔が摺 り漆で貼られてお り、 11'1:接鉢に叫が触れぬよう に 卜文字,'化が張られ、 更
ももえ
にち りめん布のよ而を命1-1」かく縫い上げることで丈夫にする、 「I可正刺し」 と呼ばれる手法で縫われた布を 川い、叫にかかる衝撃を緩和した内張りがされてある。
腰巻には、鹿ルが!砧られ、 根割れの鋲で13 箇所m められており、)1麟',: と内張りの突き合わされている部
じゃばらふせぬい
分に臼と「I}i黄の二本の捻り糸を並べて縫い付けた蛇腹伏縫が施されてある。
兜を固定させるのに腰巻の左右側面i 中心からやや届庇奇りに 2箇所、 後正中に 1 箇所の計 3 箇所に舘が 取り つけられてある。
兜(,(ふ津家イム米) 1
54 漆塗膜の養生
Facing the urushi coatmg 55 漆塗)l莫の接許(1) Fixing the urushi coaling
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Fixing the urushi coallny;
,,7 漆喰)l災の1如"i:(3) Fixing Lhc urushi coaling
l1.i111,1.wi/n
60 漆固め(I) ms/1i wlla1111•
f(iwasaln
ゞ...~·、
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いざ●,` さと一
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m ~~ も! ~・~'· rr'"-· .
msl,i w1ta111e
`写 •囀鳥,
罰 d
62 新補の足掻留め Newly‑aclclc clagal,idome
。
Cleaning the surface of the f<almto
64 しころの補色(1) Toning the shil10ro
65 しころの補色(2) Toning Lhe sl,iltoro
兜(島 iW家伝米) 187
眉庇には鍬形と祓立の台を三光鋲で留め、 3 箇の鋲の !·.部には,,;:j
i
!j: .'家の丸に十文字紋が刻まれてお り、鍬形台と祓立台には丸に I文字紋、化 卜り +1叫紋、)州'れなどが刻まれてある。
しころは、兜鉢の後姐部から見'.iにかけて防兜する小札の綴椒をいう。 上より鉢付の板、 二の板、 三の
うな1/) とじ ひしぬい
板、四の板、と名づけ、最 卜.段を必統椒と 占い、必統板にはuu~11綴と菱縫が施される。畦1-1綴は色糸を数
た<ぽくぐみ
色組み混ぜた啄木糾の糾み糸を川い、必縫は、斜め I·文字の飾り純いのことである。
札板の構造は、 0.5mmn: の一枚りを 2枚!!古り爪ね、 補強のため111闊4.5mm、高さ 3111111 の棺円の形状をした鉄 の芯棒を札板の長さに沿わせながら中央に;;りき、 さらに芯枠の !·. Iヽ`には 3.5mm 間隔で 2-2.5111111の穴が窄け
られ、平状の叩紐を穴に辿し螺 J促状に絡ませ札板と鉄の心枠を繋ぎ止めている。
繋ぎ止められた札板の I·.1(1 iは、刻'戸漆で盛り I·.げられ、 二 l数枚の小札が階段状に巫ねられてあるよ う に見せかけた手法がとられている。
刻苧で形が込られた I·.I (1i 部分には、 化枝文 4焔のエンボス) IJI 「力ゞ施された0.3111111)'/の地:: ,'化を似い被せ、 l~.• 側の際に 2111m程折り込み、膠で貼られてある。
革紐で固定された鉄の心枠と、折り返された礼j.,'化の段),'.. :を卯めるために漆分の極めて少ない 卜地が2 度、
横方向に刷毛付けされ、衣而がり)[がれており、 :且漆が数)支喰られている。 エンボス /)II
1 :
されたよ側のか: 0 表面にも極めて苅< !,凡漆が喰られてある。ょ 111が I/ おどし
鉢付の板から菱統板にかけて131:"(;'j 所の奇索懸威が施され、 I.キトの札が一定の間で1巾紛できるよう ,·_)"·
れている。しころの形態は、 中途にふ<らみのある股瓜の形に似た亜れ方の餞嗅しころで、 江戸 II、'i=代に複 古調で製作された古式とされる。
吹返は、 眉庇の左右にみえる、 しころが後ろに)又り返った所で、況費料では 5 段あるしころのうち 2秒 が吹返されている。 しころの鉢付の板、 ..の板までをひねり返し、鉢付の板の吹返の内側に 2枚IIの札板 が少し重ねられた状態で添っており、表川 iには、 渡り物の絵ii"--:の),';-J!J 1:1に小緑印が貼られ、絵かと小緑:'i-: の 突き合わせ部分に紺、 ii}j筑、 i'I、 紫、糸[の色糸で飾紐いされに伏糾が紐状に縫い付けられ、 伏糾の内側の
J えもんかなく·
周囲を 小桜鋲で留め、 中心 よりやや I ·. に ,I'. j : i I t
キ家の 丸 に I · 文 ;, :紋が人 i しられた JJ,叶 文 金具か取り つ けてあり、
吹返の際には金具廻りが施されてい,o/0
ーの板の吹返には、 しころの必縫板の飾縫いとj,i]じIii 「~II綴、必縫がなされている。
損傷状態
視探料は、 しころの内側部分が許しく 損似し表側に返す'-]';が出米ない凡険な状態で搬人された。
叫裏には、百頂刺しと呼ばれる布が貼られており、 前 ,[中部分のイIi 地に、?揺図的な裂かれが見られる。 こ のイIi地には、銘兄の孔が付け られてあるが、銘を確認する 'j;,. が出米なかった為、 、?揺図的に裂かれた討);だと 息われる。 布の裂けIIから鉄鉢に刻まれた銘を探したが確認する'j;,. ができなかった。
内側の版巻に巻かれてある)l炉,•,の後」卜中にL 字に裂けた屈亦が兄られる。
しころ部分の鉢付の板と二の板の部分において 5 箇所に札板の仲縮 !'
I
在を貿めている足1蚤留めがされてめが dいるが、吹返奇り の/1~れの 2 箇所を除き 3 箇所の足掻留めの,'化紐が欠失している。 また、漆の冷)l如~m 分に 後袖の修 J叶!.箇所を数箇所確認した。
しころの災側令1本に冷られた裕)l莫表而に朽れが兄られ、鉢付の板、 口の板、 三の板、 四の椒、必縫板の 部分には刷t 付けされた漆下地)粋に芋のイ"'縮によ って縛が仝1本に牛じ坪き I·がりが兄られ、 一部には徐膜 の欠浴と欠失がおこっている。また、このlぷii大Iとは別に、 しころの札板を L から 1ヽ`ヘイ"'縮1'1在に辿按して いる)成がかえ って災いし、威糸を通す為に窄けられた穴の周 I川の漆 Iヽ・地)竹にも同じす111蒻が兄られた。
打に、義縫椒と 吹返に飾縫いされた畦 H 綴、 蕊縫いの周IHIに剛l知の 1幼みが I懇<飾縫いに沿って訓かい浮 が悩状に)ムがり ~t- うじて付いている状態である。
兜の表側には、 損1蒻がほとんど見られなかったが、)I~ れの鍬形は失われており、祓立台内には、 挿人さ れたままの前物が根元部分を残し残留してあるのが認められた。
兜を 卜.顎の部分で固定させる忍の緒と総約が失われていた。
修理方針
I 1111 りは、鉄、 •'1',:、漆、繊糾などの索材が)llいられた複合滋術である。 視査料は4屈こ漆と繊糾.:が接する箇
所の1均みが酷く従米の漆での接オ'}を行った場合には、繊維を約す恐れがあるので、 しに膠を中心とした現 状維特修J・用を碁本に周皿との調和をはかった。
しころ部分の鉢付の板と二の板を留めている 3 箇所の欠失した足掻佑めの)文糾を新しく補い、忍の緒、
総 fりを新調し取り付けた。
現査料は搬人II、'i' 、 1蒻みが酷く表に返す事が出米ない状態だったので漆唸膜の核打を俊先した。
修理工程と内容
(1) 調杏および互具の撮影
祝費料の索地や漆塗膜などの技法訓査を行うと同11かに祝状を与:J計蔽彩によ って記鉢にとどめる。また、 低んだ経糾しを推測し蔽善の修理を行う為の訓査を加える。
(2) 兜の受け台製作
兜の修埋を行う為には、 しっかりとした安定感のある兜の受け台が必要であり、ベニヤ板 6 枚を、兜の 後方の断面の形におおよそ切りぬき、放射状に配置し骨格とした。骨格の間には発泡スチロールを差し込 み、鼈熱カッターを用いて、ベニヤ板に沿っておおよその形に発泡スチロールを切り取り、 f應で調整 し原 即とした。
I -—- ‑
兜(島津家伝米) ]89
原型表面に樹脂と木粉を混合した物を箆付けし、 40メッシュの麻布を 1 枚被せ屹媒させた。 この作業を 数度繰り返し原型表面を強化した。 強化された受け台に兜を仮;;,;:きし、空隙を確認した後、 その部分に樹 脂と木粉を混合した物で允限を行ない、 この作業を数)文紐り返し、表側の兜のJI多に近づけた。
造られた受け台の表血に糾lで必涙紙を 4枚貼り重ね、兜を凶いた11、'i= に、 接したI 1(iが傷まないオ菜に ,:大し
この受け台の4、'i:徴は、人部分が発泡スチロールで出米ているので軽く、 災所は樹脂と本粉で強化されて おり丈夫な、点である。 修J叫作業を進める 卜で、 軽姑ゆえ ,,,,,, に灼度を変えられて、 的確に修J・用が出米 うに工夫した。
(3) 漆劉l如の -i!tl
I
キ:
剥落した喰股と糾落の危険のある冷)l如箇所に小)『に切った雁皮紙を糊で貼り、作業中での船l裕を ]勺i)jし
(4) 漆塗膜の接着および掃除
漆下地の浮き上がった塗膜の接 ,i"t-に、文1次性のある軟靱膠と三千本膠の 2種類を用いた。 合汝川として 三千本膠20パ一セント溶液を川い唸膜の強化と共に)l蓼の被)l岱をつくり接着の効果を高めた。 接許川として 軟靭膠を用いたが、 単品では扱いにくく 三千木)j蓼を加え調節しながらプラスチック ・ クランプで}十府を J.ヽ こなった。 クランプを解除後、 )
I :
イ''j°- 部分を確認し漆命)j災表面に付着した膠を丁寧に拭きあげ、押えきれ力 い部分に対して再度接貯を行なっ た。※吹返と菱縫板に飾縫いされた1111・:11綴、蕊縫の)訂IIJ!=Iの浮き上がった塗膜に膠を含浸する際、同時に繊維 ヘ膠が浸透してしまうので、唸)炭の) ,:‑イ午後、 )j蓼が汝透した繊維に対してスポイトで適聾の水を加え、 ティ シュ紙を置き指で圧)Jを)~IIえ余分の)j蓼を取り除いた。
(5) 際錆
下地は、極めて漆の分:化の少ない)l蓼 ド地に近い 卜.地付けがされており、)訂JIJHの露出した1辻也との調利を はかるため、京都)辛の1 廿利地の粉に三T 本)j蓼を)JI Iえた)j蓼 ド地での際納をおこない、余分な錆は糾\棒又は、
細い木棒の先端を鉛箪状に削 りウエスなどのイりを包み込んだもので l窮に拭き I·.げた。
(6) 漆固め
劣化した漆塗膜表面と下地部分を補強するため、ク リ ーンソルで希釈された生正味漆を珀に合ませ、糸威 を避けながら含浸をおこない、拭き上げた後 1 時:間ほどおき、 更に表面に残された漆を残さず拭きあげ
(7) 新補の足掻留め
欠失した 3 箇所の足掻留め部分に鹿革の紐を取り付けた。
(8) 兜の表側の掃除
鉄鉢、しころ表面の塵や埃などは平刷毛または筆を用いて払い落とし、付許した朽れは、 綿棒と、訓い 木の棒の先端を鉛箪状に削りウエスに包み込んだ布に、催かな湿氣かエタノール溶液を合ませて拭き I-·_ い
I
5 2
66 1)じ法: lし Mcasurcmcnls (cm)
4 4, 2
2 7, 4
67 兜法祉 Measurements (cm)