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部分復元可能な秘密分散システムの分割方法による復元速度の評価

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Academic year: 2021

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平成29年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群

部分復元可能な秘密分散システムの分割方法による復元速度の評価

1180347

竹 中 壮 磨 【 ネットワーク信号処理研究室 】

1

はじめに

災害時,バックアップした医療データを外部の医療従 事者に瞬時に提供できれば,被災地での医療行為を円 滑に行うことができる.よって,バックアップした医療 データから医療行為に必要な情報のみを提供できる仕組 みがあればよい.そこで,部分復元可能な秘密分散シス テムが提案された[1].提案されたシステムは,意味の ある項目ごとにデータを分割し,分割したデータを分散 している.しかし,提案されたシステムは演算量が大き く,復元速度が遅いため,緊急的に医療情報を必要とす る災害時には適していない.本研究では,災害時に適し た速度で,部分復元できるように,データを一定のサイ ズごとに分割する方法を提案し,部分復元可能な秘密分 散システムの分割サイズによる復元速度の評価を行う.

2

部分復元可能な秘密分散システム

提案された部分復元可能な秘密分散システムの部分復 元アルゴリズムと復元にかかる演算量について述べる.

2.1 部分復元アルゴリズム

秘密分散するデータSを意味のある項目ごとに分割 したものを,Si(i= 1,2,3),Siのデータサイズをli する.S2を秘匿したまま復元するための紐付け情報を

U2=( ∏3

m=22lm, 1 )T

(1)

とする.分散時には,S1, S2, S3それぞれを(k,n)しきい 値秘密分散法を用いてn個の分散情報(以降シェアと呼 ぶ)に分散する.復元時にはSiのシェア集合W1, W3 れぞれからシェアをk個集め,U2を用いて部分復元用 シェアを作成し,復元すると,S1

3

m=22lm+S3=S となり,S2部分が秘匿されたSを得ることができる.

2.2 復元にかかる演算量

提案されたシステムでは,S以上のデータが表現でき る拡大体GF(2m)で復元演算を行い,一回の乗算にm2 の演算量がかかる.そのため,データサイズが大きい場 合,復元まで何時間もかかってしまうと予想できる.

3

提案システムと分割サイズによる復元速度 の評価

提案するサイズによる分割を行った部分復元可能な秘 密分散システムの部分復元アルゴリズムと復元にかか る演算量について述べる.そして,分割サイズによる復 元速度の評価を述べる.

3.1 サイズによる分割を行った部分復元アルゴリズム 分散するデータSを一定のサイズF2個に分割し たデータをSt(t= 1,2),Stを秘匿部分を選択できるよ

1 2048Byteのデータの復元にかかった時間(s) 分割サイズ 復元時間

16bit 0.0749998 32bit 0.0835935

うに分割したものをSt,i(i= 1,2),St,iのデータサイズ lt,iとする.S1,2を秘匿するための紐付け情報を

u1,2= (

2l1,2, 2l2,2, 1 )T

(2)

とする.部分復元したStを紐付ける,最終紐付け情報を b=

(

2F, 1 )T

(3)

とする.分散時には,S1,1, S1,2, S2,1, S2,2 それぞれを

(k,n)しきい値秘密分散法を用いてn個のシェアに分

散する.復元時にはSt,iのシェア集合W1,1, W2,1, W2,2

それぞれからシェアをk個集め,u1,2を用いて部分復 元用シェアを作成する.そして,部分復元用シェアを復 元すると,Stが得られ,最終紐付け情報bで紐付ける と,S1,1·F·2l1,2+S2,1·2l2,2+S2,2=Sとなり,S1,2

部分が秘匿されたSを得ることができる.

3.2 復元にかかる演算量

提案したシステムでは,GF(2F)上で復元演算を行 い,一回の乗算にF2の演算量がかかる.そのため,分 割サイズF を小さくするに従って復元にかかる演算量 を小さくできる.

3.3 分割サイズによる復元速度の評価

1に実装した提案システムで,2048Byteのデータ の復元にかかった時間を示す.表1より分割サイズを小 さくすれば,並列処理の実装やCPUの性能によって,

復元したいデータサイズが大きい場合でも十分高速に 復元できると推定できる.

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まとめ

本研究では,部分復元可能な秘密分散システム[1] 復元時間を速くすることを目的として,サイズによる分 割を行った秘密分散システムを提案した.分割サイズに よる復元速度の評価を行った結果,復元したいデータサ イズが大きい場合でも,分割サイズを小さくすれば,実 装環境によって,十分高速に復元できると推定できた.

参考文献

[1] 田中麻実,福冨英次,福本昌弘, “秘密分散バックアッ プした医療データの部分復元,”信学技報IA2015- 74,pp.31-36,Dec.2015.

参照

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