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[資料紹介] ドイツの企業者連合団体 : ドイツの企 業経営(三)

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[資料紹介] ドイツの企業者連合団体 : ドイツの企 業経営(三)

その他のタイトル [Material] "Wirtschaftsverbande" in German Industry.

著者 大橋 昭一

雑誌名 關西大學商學論集

巻 7

号 5

ページ 421‑444

発行年 1962‑12‑30

URL http://hdl.handle.net/10112/00021657

(2)

421 

ドイツの企業経営の実態を明らかにするために︑われわれは

前稿﹁ドイツの経営者﹂および﹁ドイツの経営管理﹂において︑

ドイツの企業における経営者の権威

(m

an

ag

er

ia

l a u

t ho r

i ty )

 

が絶対的権威

( ul t

i ma t

e

a ut h

o ri t

y )

とよぶべきものであって︑

その源泉が主として私有財産権

( pr i

v at e

pr

op

er

ty

)︑

天 職

( t h e

c a  

l l i n

g ) ︑=リート思想

( t h e

e l i t

e   i d

e ol o

g y)

とい

う一

︱︱

つの絶対的価値にあることを明らかにし︑さらにそうした非機

能的要因が実際の経営活動においていかに作用しているか︑ま

ドイツの企業者連合団体

は し が き

│  l 

資 料 紹

L ‑介」

ドイツの企業者連合団体

ー ド イ ツ の 企 業 経 営

た非機能的要因と機能的要因とはいかにからみあっているかを

企業内部の経営活動について追究したのであるが︑ドイツでは

企業外の企業者連合団体が大いに発達していて︑それらの団体

がたとえば団体交渉から広告︑経営者教育等にいたる広範囲な

活動を引き受け︑大きな役割を演じているので︑他の国とは異

なってドイツの湯合には︑企業経営の︱つの重要な側面を見落

さないがためには︑これらの団体の構造や活動︑その力等を明

らかにしておく必要がとくにあるであろう︒本稿では︑引き続

き基本的にはハルトマンの所説を中心としながら︑この企業外

の諸連合団体について簡単に究明することにしたい︒ところで

曰 ー

(3)

れているが︑さらに次の四種類がある︒ 益を促進し︑とくに一般社会︑政府・立法機関および他の産業

であって︑それは﹁成員の共同の経済的利

Wi rt sc ha ft sv er ba nd e

口 . るものをさしている︒

Ve rb an de  

ここでいう企業者連合団体であるが︑これはドイツで一般に

Ve rb ii nd e ︑特殊的には

Wi rt sc ha ftsverbiinde

とよばれてい

はごく一般的には﹁外部に

たいして規制的に限定的または封鎖的である︱つの社会的関係 であって︑しかもその秩序の保持が一定の人々のとくにそれを 成就せんとする態度によって保証されている場合のそれである (M ax e  W be r)

と概念規定されているのであるが︑

⑱ 

の四種類に大きく分けられるC

Ku lt ur ve rb an de   sc

ha ft sv er ba nd e 

p ol i t is c h e  V er ba nd e 

L̲ 

ドイツの企業者連合団体[(大橋︶

まず次

Be ru fs ve rb an de

たとえば

Bu nd es ve rb an dd eu ts ch er   Yo lk s, un d  B et ri eb sw ir te

等で︑後述の労働法上の

Be , ru fs ve rb an de

とは異なる︑単なる分類上の概念︒

ここで問題にする

Ve rb an de

はいうまでもなくこの

Wir t,

部門にたいしてそれを主張するもの﹂

( E . R

. Hu be r}

と考えら カルテルとは異なって市

場規制機能を有しない︑いわゆる日本でいう事業者団体

( tr a d e  a s so c i at i o n) で ︑ Fa ch ve rb ii nd e be ru fs st an di sc he   Ka mm er n当該経済部門の地域的利

害を代表するもので︑具体的には商工会議所

( In d u st r

i e

un d  H an de ls ka mm er

)︑手工業会議所

(H an dw er ks k am me r)

および農業会議所

(L an dw ir ts ch af ts ka mm er ) Ar be it ge be rv er ba nd e

使用者団体で︑労働組合ととも

Wi rt sc ha ft sv er ei ni gu ng

共同研究のための経済団体︒

このうち山は特殊なもので他の三者とは性格を若干異にする

Fa ch ve rb an de ,  Ka mm er n, B  er uf sv er ba nd e 

の三者であるが︑ドイツにおける企業者の団体には以上のよう

な経済的団体とともに思想的観点から形成されている︑さきの

Ve rb an de

の分類によれば国の

Be ru fs ve rb an de

に入れられ

るであろうところの︑クラブ的な社会的団体としての企業者団 から︑問題は

wi ss en sc ha f tliche, 

te ch ni sc he   un d  s oz i a le  

に労働法上のいわゆる

Be ru fs ve rb an de

(3)  (2) 

(1) 

o ff e n tl i c he   Ma rk tv er ba nd e 

四六

(4)

423 

体があり︑それも通常

Ve rb an de

て企業経営上とくに問題となる

Ve rb ii nd e

としては﹁事業者

使

者団体﹂の四団体が存在するのであり︑以下本稿においても企

業者連合団体という場合はこの四団体をさす︒

西

(

H•Hartmann,

Au th or it y  a nd   Or ga ni sa ti on n     i Ge rm an   Ma na ge me nt ,  P ri nc et on

1 

95 9.  

D r.   Ga bl er s  W ir ts ch af ts

L ex ik on ,  W ie sb ad en  1 95 6,  S S .  

302813030. 

現在の企業者連合団体

を有する最も重要な企業者連合団体は︑事業者団体である︒事

業者団体は産業部門別または生産の段階別に企業を組織してい るもので︑その主たる第一の任務は成員企業の共通の経済的利 益を確保︑増進することである︒大まかにいって事業者団体は︑

使用者団体とは労働組合との団体交渉に関与しない点で異なり︑

また会議所とは会議所が地域別組織を原則とするのにたいして

産業部門別の従断的組織である点で異なり︑さらに独立企業者

ドイツの企業者連合団体 ドイツ経済において今日もいろいろな点で最も強大な影轡力

t

ドイツ連邦工業連盟の構成

( 1 9 5 9

1

1

日現在)

\ 事 業 別 全 個 別 事 業 ラ ン ト 別

産業部門 1国連合会1者 団 体 1連 合 会

鉱 山 業

2 I  1 8   I  ‑

生 産 財 産 業 101  721 

4 8  

耐 久 財 産 業

9 2  

3 8  

消 費 財 産 業

1 2  

1 4 0  

8 6  

食 料 品 産 業

3 5  

1 7  

建 築 業

1 0  

1 6  

‑ │ 3 8 I  3 6 7   1  2 0 5   S t a t i s t i s c h e s  Jahrbuch f u r  d i e  Bundes‑

r e p u b l i k  Deutschland, 1 9 6 0 ,  S S .  1 5 7 ‑ 1 5 8 .  

第一表

よばれる︶を

業部門毎に の団体が各産

六七団体をか 活動共同体

(A rb ei ts ge me in sc ha ft Se lb st an di ge r  U nt er ne ,  hm er ,  A SU .)

 等の企業者のクラブ的社会的団体とは経済的職

能別団体である点において異なる︒事業者団体の数は一九五一︱︱

年全西独においてすでに五五0

邦工業連盟

(B un de sv er ba nd de r  d eu ts ch en   ln d u st r i e,   BD I.  

本部

K o l n

)

B D I

加入の事業者団体は第一表のごとく

ぞえ︑それら

八の全国連合

(H au pt ,  ve rb an de

形成し︑これらの連合会が

B D I

というトップ組織を形成して

いる︒これを企業数にしてみると︑最近の資料ではないが一九

工業関係の事業者団体の全国総連合体がかの有名なドイツ連

(5)

準において当該労働組合組織と団体交渉を行なうことである︒

基本 的に はあ くま でF ac hv er ba nd たる BD Iと は若 干異 なっ

ドイツの企業者連合団体

吾ア`五四年において︑Herrmannによれば全ドイツの企業

の七 五% がB DI に加 入し てい たと いわ れ︑

︵ま たH ar tm an n

によると︑一九五四年約一

0

万名の企業者や指導的な経営者が

BDIによって代表されていたと︑BDI自身は推定していたと

③ 

いわれる︒BDIは連邦政府だけではなくて各ラント政府におい

てそ の主 張を 実現 する ため に︑ ラソ ト代 表委 員( La nd ve rt re ,

tung)を独立的行政府を有するラント︑都市に設けているし︑

他方

︑地 域的 組織 体と して ラン ト別 連合 会( La nd ve rb an d) を

有し︑その数は一九五九年二

0

五に およ んで いる

︒B DI 自体 は︑

事業者団体の全国総連合体として︑主として全国的な経済政策

EE C

の問題等にも積極的に関与しているが︑労働力に関する

問題にも重大な関心をよせ︑前述のごとくドイツ最大の経営者

教育

事業

たる

Ba

de

n,

Ba

de

nに

おけ

るU

nt

er

ne

hm

er

,G

es

pr

li

ch

e

の開催にみられるように︑経営者や労働者の教育︑さらに一般

に生産性の問題等においても積極的に活躍している︒

ドイツ経済における第二の強力なる企業者連合団体は使用者

団体である︒その基本的職能は︑単一または複合的な産業別水 使用者団体の全国総連合体がドイツ連邦使用者団体連合 的問題︑最近ではとくに貿易問題︑通貨・金融問題やさらには

それ故使用者団体は農業を含むあらゆる産業部門に設立されて

いる

︒地

方的

水準

では

当該

地区

(O

rt

)ま

たは

地域

(B

ez

ir

k)

内 の異 なっ た産 業部 門の 使用 者団 体に よっ て社 会委 員会 (S cz ia l.

au

ss

ch

uB

)が

設け

られ

る︒

社会

委員

会は

労働

裁判

所(

Ar

be

it

s‑

ge ri ch t) で使 用者 側を 代表 する とと もに

︑地 方的 紛争 を当 該

労働組合の役員と直接交渉して解決するものである︒社会委員

会以上のレペルにおいては︑同一もしくは直接相関連した産業

部門

の使

用者

団体

によ

って

使用

者集

団(

Ar

be

it

ge

be

rr

in

ge

)

が形成され︑この仕事を担当する︒産業部門の中には使用者団

体が当該産業部門の事業者団体と全く同一の場合があるが︑こ

の場合にはこの事業者団体が経済政策的問題と社会政策的問題

の双方を取り扱う︒Herrmannの推定によると一九五三年現

在少なくとも全使用者の八

0

%が使用者団体に加入しており︑

未加入使用者の多くは家事労働者の使用者であった︒

(B

un

de

sv

er

ei

ni

gu

ng

e   d

r  d

eu

ts

ch

en

 

Arbeitgeberverb~nde,

BD

A.

本部

Ko

ln

)で

ある

︒ま

ずB

DA

の構

成は

︑B

er

uf

sv

er

ba

nd

として労働組合との団体交渉を主たる任務とするその性格上︑

四八

(6)

,425 

第二表

ドイツの企業者連合団体

ドイツ連邦使用者団体連合の 構成

( 1 9 5 9

1

1日現在)

産 三 業 部 門

1

連合会

1

体使用者

1  1 5  

4  1 9  

'製 造 業

2 0   1 9 2  

築 業

1  1 6  

1 0   6 6  

計 1

3 6   I  3 0 8  

ラソト連合会

I  1 4   I  5 1 8  

^ 

5 0   │  8 2 6  

S t a t i s t i s c h e s  Jahrbuch f u r  d i e   Bundesrepublik D e u t s c h l a i l d ,  1 9 6 0 ,  

s .   1 6 7 .  

ている︒すなわち︑産業部門別に形成されている各使用者団体

がさらに産業部門毎に従断的に全国連合会を組織し︑その上に

最高の全国総連合体としてBDAが存在している点は

BD

I

一応 同様 であ るが

BD

I

ではラント連合会が

BD

I

のラント

における支部のごとき存在にすぎず︑したがって各ラントにお

いても産業別にいくつかの連合会が存在するのとは異なって︑

BD A

ではラソト連合会はラソト内の全使用者団体をすべて包

括するものであり︑︵したがってラント連合会はラント数だけ

存在する︒︶かつBDAから独立した資格において

BD A

を構

成するものである︒ちなみに

BD

A加盟の連合会および使用者

四九

(s

em

i,

go

ve

rn

me

nt

al

  f u

n ,  

針を提示するのみである︒ただし全国的レペルでドイツ労働組 団体の数は︑一九五九年一月一日現在第二表の通りであった︒B

DA

自体は︑基本的には一産業部門または一ラントの範囲を

こえる社会政策的な問題に従事するのであり︑それ故通常は労

働組合との団体交渉に直接関与することはなく︑ただ基本的方

合総同盟

(D

eu

ts

ch

er

Ge

we

rk

sc

ha

ft

sb

'u

nd

̀D

GB

.)

等と争議

の解決について協議したりすることはしばしばあるが︑これは

自発的な調停︑和解の手段となっている︒それ故

BD

A の活動

領域は労働政策︑社会政策全般にわたり︑とくに労働組合政策︑

労働立法︑労働市場の諸問題が重要な活動分野をなしている︒

会議所は︑事業者団体および使用者団体とほ異なって︑地域

的利害を代表する地域的組織であるが︑その職能は会員にたい

する助言的職能と準政府的職能

c t i o

n ) である︒準政府的職能とは企業と政府との関係において

政府を援助することである︒ドイツにはこの会議所に前述のご

とく商工会議所︑手工業会議所︑農業会議所の一一一種類がある︒

ドイツではこれらの会議所への加入が強制的である地方のある

こともあって︑会議所への加入率は非常に高く︑たとえば商工

会議所に加入している企業者は一九五六年︱二五万人をかぞえ

(7)

ドイツの企業者連合団体

⑧ 

ている︒商工会議所は全西独において今日八一存在するが︑そ

れが各ラソト毎に連合会を形成し︑全国総連合体としてドイツ

商工会議所

(D

eu

ts

ch

er

I nd u

s tr i

e ,u n

d   Hande

ls

ta

g,

I  D

RT

⑲ 

本部

Bo

nn

)

を形成している︒

DI

HT

は各商工会議所間の協

力を維持︑増進するとともに︑会員企業の利益を連邦政府およ

びラント政府に主張する任務を有している︒

手工業では組織は二本建になっており︑

年の手工業者保護法

(H

an

dw

er

ke

rs

ch

ut

zg

es

et

z)

によって生

まれた︑行政区域

( Re g

i er u

n gs b

e zi r

k )

毎に設けられている

体として全く任意加入の同職組合

( In n

u ng )

がやはり行政区域

m u

h u  

 

を単位として存在している同職組合には

er

ba

nd

とよばれるラント水準での連合体があるが︑手工業会

議所と同職組合とが全国総連合体としてドイッ手工業中央連盟

(Z

en

tr

al

ve

rb

an

d  d

es

  de

ut

sc

he

n  Ha

nd

we

rk

s,

ND

H・

 

"  

" u  

Bo

nn

)

を形成している︒ 本部

以上は︑担当する職能︑分野に違いがあるとはいえいずれも

主として経済上の利益代表団体であるが︑これらの団体以外に

企業者のクラブ的存在としての社会的な思想的な団体がある︒

La

nd

es

in

nu

ng

sv

︑ 手工業会議所が地域的組織として存在するとともに︑職種別団

策こそが問題であり︑そしてまさにこのことが全国連合体たる 使用者団体にくらべて︑事業者団体の場合には全国的な経済政 たとえばカトリック系企業者同盟

(B

un

Un

te

rn

eh

me

r,

  BK

U.

︑独立企業者活動共同体)

(A

SU

)︑青年

企業者組織

( D i e

Ju

ng

en

  Un

te

rn

eh

me

r)

等である︒それら

の団体についてはすでに簡単であるが必要に応じて言及してき

d  

たの

で︑

たとえば

AS U

はいうまでもなく根本的には思想上の団体であるが︑利

益代表団体としても活躍しており︑経済政策や社会政策等に関

して積極的に行動している︒

以上のごとき多種多様な企業者連合団体において︑

BD

Iがそ

その影密力はアメリカの

BD

I

に相当する組織たる全米製造業

NA

M.

者協会

( Na t

i on a

l

A ss o

c ia t

i on  

o f  

Ma

nu

fa

ct

ur

er

s,

 

⑳  u 

の数十倍にもおよぶといわれている︒このような強大な力は︑

^  

HU  

ハルトマンによると︑会員が経営上この組織に依存せざるをえ

ないこと︑および会員が完全にこの組織の集権的構造の中に統

扱う商工会議所や︑問題が産業別︑ラント別において処理される 合されていることにもとずいている︒つまり︑地域的な問題を の力において相対的にも絶対的にも最も強大であり︑たとえば

一方

では

︑ 一八 九七

Jこではこれ以上ふれないことにするが︑

0

K at h

o li s

c he r

 

(8)

427 

ドイツの企業者連合団体

り︑それは少なくとも労働組合の規律同様に容赦のない

( r u c

k ,

ル結成運動の中で実施された最も厳格な手段﹂で確保されてお たとえば個々の商工会議所はその自律権

(A

ut

on

om

ie

) にた い

して非常に関心が高く︑商工会議所への加入は強制的である場

合も ある が︑

DI

HT

への加入は任意となっている︒また

BD A

の規約によれば団体交渉の際における意思決定権が加盟使用者

団体に与えられており︑BDAは勧告を行なうにすぎないし︑

他の問題についてもなるほど

BD

Aの決定に拘束力のあるもの

もあるが︑しかしその場合にはその決定は満場一致たることを

必要としている︒これにたいして

BD

I

の構成は厳格な集権的

構造をなしており︑

BD

I

を構成する各連合会は間接的な代表

をなしているにすぎない︒つまり︑BDAではそれを構成する

各連合会は一応︱つの独立した組織をなしているが︑

BD

I

それは

BD

I

を代表する代理人

( Ag e

n t)

にす ぎな い︒

それではこれらの組織において会員にたいする統制は具体的

にはどのように行なわれているのか︒

Ke

ss

le

r

によると︑第二

次大戦前においてたとえば使用者団体ではその規律が﹁カルテ な事情は

BD

I,

BD

A,

I  D

RT

の規約にそれぞれ反映している︒

BD

の力をより強大ならしめるのである︒そしてまたこのようI

s i c h

t s l o

s )

ものであった︒もちろんそれは︑労働組合の場合と

は異なって︑経済的なまたは社会的な処罰に限られていたが︑

相当にきびしいものであった︒たとえば罰金は相当高額のもの

で︑そのために多くの団体ではあらかじめ現金や有価証券︑

とくに多くの場合には一覧払の手形を保証金

( K a u

t i o n

) として

差し入れさせておいたほどである︒罰金はしばしば行なわれた

が︑除名

( A u s

s c h l

i e . B

u n g )

も時には行なわれた︒この場合に

は仕入先と得意先への同盟絶交宣言

( V e r

r u f s

e r k l

l i r u

n g )

と社

会的ボイコットが行なわれるために︑完全な経済的社会的没落

を意味していた︒また材料封鎖

( M a t

e r i a

l s p e

r r e )

と顧客封鎖

( Ku n

d sc h

a ft s

s pe r

r e)  

立の当初には︑アウトサイダーにたいして用いられたこともあ

るし︑労働組合と締結する労働協約の効力を通じてアウトサイ

ダーの団体への加入を強いることもあった︒

第二次大戦後こうした

Te

rr

or

is

mu

g  s ~占領軍の規制等によ

U

って一時弱まったのであるが︑その後占領軍の影響力が弱まり

規定がないこともあって︑連合団体は自由に規定するにいたり︑

今日 では

BD

I

BD

A‑

.@

権力行使の機構を︑それ以上集権的 伝統的な考え方が復活するとともに︑この点についての法上の といった類似の手段が︑使用者団体成

(9)

プをとっているかをみてみることにしよう︒ ている企業者連合団体の現状について概親したので︑次にこれ 以上で︑ごく簡単にではあるが︑現在ドイツにおいて活動し であり︑とくにドイツ最大の通信阪売店

He ss is ch er  

の設立に際して

Gr oB be tr ie b  d es  E in ze lh an de ls

を含め若干の事業者団体に

よって行なわれた﹁破壊を目的とした悪意あるボイコット﹂は

有名である︒

なお︑これらの企業者連合団体の運営は主として会員企業の

拠出する会費

( Be i t ra g )

i l よってまかなわれているが︑

によってきめられるこ

とが多い︒そして総会での投票権もまたこの額のいかんによっ

̀  

て差別されている場合が多い︒

らの企業者連合団体においていかなるものたちがリーダーシッ

Ha rt ma nn ,0 p.

cit••p.218.

(

W•Herrmann,

I nd u s tr i e ll e   Organisation, 

Ha nd wi jr te r,  

は賃銀の年総額

(J ah re sl oh ns um me )

額は事業者団体では主としてその企業の売上高︑使用者団体で

その

Ve rb an d 

ドイツの企業者連合団体

de

r  Mi tt el ,u nd  

で堅固な抵抗不能にして同時に多面的なものが全く考えられな

いほど強く階層的にそして全く官僚的に形成してきている﹂の

Ne ck er mi mn  K .G . 

bu ch  d e r .  S oz i a lw i s se n s ch a f te n ,  5 .   B d . ,   S tu tt ga rt

  / 

Tu bi ng en /G ll tt in ge n  1 9 5 6 ,   S .   2 7 1 .  

Ha rt ma nn ,  o p .  c i t . ,   p .   2 1 8 .  

囚前稿﹁ドイツの経営者ーードイツの企業経営H

﹂ ︒

固たとえばこうした観点からみた一九五三年現在のドイツ連邦使用

者団 体連 合 (B DA )の 構成 内容 は第 三表 の通 りで

︑純 粋の 使用 者団 体は 当時 では 相対 的に きわ めて 少数 であ った

(

W•Herrmann,

A rb e i tg e b er v e rb ! i nd e ,   a . a .   0 ・

S .

2 8 8 . mH ar tm an n,   op . i t .   c ,   p .   2 2 2 .  

Dr .G ab le rs   Wirtschafts,Lexikon,

.     S 6 9 6 . , , r . なみ に一 九五

0年

九月

︱‑

=日 現在 の︑ 農林 業︑ 家内 業的 事業 所を 除い た私 営事 業

( A r ) J e i t s t a t t )

総数

は二

0五

二︑

九0

二で

あっ

た︒

S ta t i st i s ch e s  J ah rb uc h  f o r  d i e  B un de sr ep ub li k,   19 5 8 ,   SS . 

第三表 ドイツ連邦使用者団体連合構成

の連合会.使用者団体の種顆

I

連合会

1

使用者団体1

純粋の使用者団体 11 

事業者団体を兼ね

るもの

2 2  

ラ ソ ト 連 合 会

1 2  

W. Herrmann, A r b e i t g e b e r v e r ‑ b l ! n d e ,  Handwilrterbuch der  S o z i a l w i s s e n s c h a f t e n ,  

1. 

B d . ,  

s .   2 8 8 .  

60 

4 3 5   3 4 0  

(10)

429 

1 56

1 5 7 .

S ta t i st i s ch e s  J ah rb uc h  f ur   di e  Bu nd es re pu bl ik ,  1 9 6 0 ,  

s s .  

2 16

2 1 7 .

DI RT

は一八六一年結成された

Al lg em ei ne r De ut sc he r  H an de ls ta g

0年一月一日現在西独の手工業経営は七八0

工業会議所は四五︑同職組合は九︑六三七であった︒

S ta t i st i s ch e s   J ah rb uc h  f u r  d i e  B un de sr ep ub li k,   19 6 0 ,   S . 1 5 6 .  

皿なお︑農業会議所については別にふれないが︑現在西独全体で一

S ta t i st i s ch e sJ ah rb uc h  f u r  d i e  B un de sr ep ub ,  l i k ,   1 9 6 0 .   S . 1 5 6 .  

⑫前稿﹁ドイツの経営者ードイツの企業経営H

Ha rt ma nn ,  o p .  c i t . ,   p p.   2 ̲ 2 3 1 2 2 4 .  

Ha rt ma nn ,o p c i t .   . ,   p .   2 2 3 .  

⑮最近ある小数グループが

BD I

への直接参加を申し入れたが︑

BD Iはこの申し入れを拒否し該当する事業者団体への加入を要請し

たといわれるが︑それは︑^ルトマンによれば︑直接加盟は

BD I

の階層的原理︑集権的原理にたいする︱つの危険をなすからである︒

なお︑後述のごとく︑戦前の

RD I

は直接加入を認めていた︒

Ha rt ma nn ,  o p .   c i t . ,   p .   2 2 4 .  

G•Kessler,

Ar be it ge be rv er ba nd e, a  H nd wl

!r te rb uc h  d er   St aa ts wi ss en sc ha ft en ,  1 .   B d. ,   Je na   19 2 3 ,   SS .  7 1 8

7 1 9 .

r er ro ri sm us

例第一五三条の規定︵団結加入を促進しまたは団結脱退を防止する

ための身体的強制︑脅迫︑名誉毀損または同盟絶交宜言を特別刑罰

の対象とするもの︶に違反するにもかかわらず︑同条例が効力を有

した一九一八年までにおいても︑条例違反として摘発されることは

ほとんどなく︑一五一︳一条は︑実際には︑労働組合にたいするピケッ

テング禁止立法としてのみ機能したのである°

K es s l er ,   a .   a . . ,   0  

s .  

7 1 8 .

久保敬治著﹁ドイツ労働法の展開過程﹂==頁および第五章︒

⑱他方時には労働組合の側から︑使用者団体から脱退した使用者の

団体

(U be rl au fe rv er ei n)

︑いわば黄色使用者団体

( ge l b er Ar be it ge be rv er ba nd

)が作られることもある︒たとえば

"

Fr ei e"

Ve re in ig un ge n  vo n  Ba ck er me is te rn ,  Gl as er me is te rn

̀  Sc hn ei de rm ei st er n

Frise

ur en i n  B er li n

黄色労働組合同様現実の生存力はあまりなかった°

K es s l er ,   a .   a .   0 . ,   S . 7 1 9 .  

⑱占領軍の企業者連合団体にたいする当時の政策は︑大体次の一ー一点H同一の任務にたいして複数の組識を容認する︒

口加入は任意であり︑かつ加入を拒否.できない︒

回企業者連合団体は諮問的職能

( co n s ul t i ve f un c t io n

)

K.   Pr i t zk o l ei t ,  D ie   ne ue n  H er re n,   Mu nc he n  1 9 5 5 ,   S . 1 6 4 .  

閥たとえば戦前の使用者団体では会費は大体年賃銀総額の一

00

0

︑五から四までの間であったし︑また現在の事業者団体では0

最低売上高の一

00

0の二といわれている︒ただし使用者団体でス

トライキ補償基金

( St r e ik e n ts c h ad i g un g ) .j l , J 設けている場合に

はもっと多い︒そしてこの会費は税法上費用として認められている︒

K es s l er ,   a . a 0 . .  

,  

S.718•Herrmann`Arbeitgeberverblinde,

a . a .

. ,   0   S .

 

290•Herrmann,

I nd u s tr i e ll e   Organisationeǹa.  a . O . S . ,   2 7 0 .  

(11)

430 

者たちは組織の枢要な地位をほとんど占めているが︑たとえば団体の一役員はハルトマンに た政策はそういった例であるといわれる︒ ドイツの企業者連合団体

近においては︑

指導者たち

企業者連合団体における﹁人﹂をみる場合まず知っておかな

ければならない事柄に︑﹁名士の原理﹂

(H on or at io re np ri nz ip )

という︱つの原則がある︒ここで﹁名士﹂とは︑組織から報酬

をうけることなしに成員の利益のために組織の管理を行なう

か︑組織内で重要な地位を占めている成員をいうのであるが︑

ドイツの企業者連合団体では︑組織の最高の指導的地位にある

ものたちは通常こうした﹁名土﹂たちなのである︒もちろん最

﹁名士﹂たちが組織の仕事に専心没頭せざるを

えないところから︑この公式の原理がくずれかけているという

ことは十分考えられるのであるが︑今日においてもこの原理に

関連した現象が企業者連合組織において見出されるのであり︑

I l l  

ハルトマンによると︑組織の集権性とか組織よりも人に指向し

さて︑企業者連合団体における指導者たちには二つのグルー

プがある︒その一っはいうまでもなく企業者たちである︒企業

BDIではこれらの企業者はさらに二つに分けられることができ る︒その一っは

BD

I

の議長団

(P ra si di um )

の大多数を占め

る超大企業の代表者たちで︑一九人の議長団中実に一六ー一七

人がこれらの大企業の代表者たちによって占められている︒今

︱つのグループは中小企業の代表者たちで理事会

(V or st an d)

に比較的多くの席を占めている︒ところがこの理事会ほ規約上

において力が弱いばかりではなく︑交替が議長団におけるより

も激しいということもあって︑重要な機関とはなっていないの

であ

る︒

BD

Iの指導的な企業者たちは以上のように二つのグル

ープに分けられうるが︑それ以外の基準をもって一概に特徴づ

けることは困難である︒しかし︑ハルトマソによると︑これら

の企業者たちは消極的に︑それに派遣されたために就任してい

るというよりは︑自ら率先してその職についているということ

だけは︑十分いいうるということである︒それは企業者にたい

する定義を﹁自立した政治的活動にたいする熱情を有するもの﹂

③ 

といいかえてもいいほどであると︑ハルトマンは皮肉っている︒

しかし以上のことは

BD

I

についてのみいいうることであって︑

たとえば

B D A !

, d .

ついてはもはや妥当しない︒ある企業者連合﹁B

DA

の最高の地位は人事管理

者に与えられる︒枢要な人物

(k ey pe rs on )

BD

I

にはいり

五四

参照

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