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北島百合子 論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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(1)北島百合子 主. 論文内容の要旨 論. 文. Estrogen deficiency heterogeneously affects tissue specific stem cells in mice エストロゲン欠乏は,マウス組織特異的幹細胞に異なる影響を与える 北島. 百合子, 土居 華子, 小野 悠介, 浦田 芳重, 後藤 北島 道夫, 三浦 清徳, 李 桃生, 増崎 英明. 信治,. (SCIENTIFIC REPORTS・5 巻 2015;5:12861. doi: 10.1038/srep12861. 2015 年) 〔ページ数 7〕 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻 (主任指導教員:増崎 英明 教授) 緒. 言 女性は閉経後、脂質代謝異常、動脈硬化、骨量減少、泌尿生殖器の萎縮などが顕著 に増加し、様々な組織・臓器障害が出現する。その原因は、卵巣機能の低下によるエ ストロゲンの分泌低下によると考えられ、臨床的には、症状の緩和や予防医学的な観 点からエストロゲン補充療法を始めとした様々な治療・介入が行われている。しかし、 これらのエストロゲン欠乏に起因する閉経後の臓器障害の発生に関する詳しい分子 生物学的機序は必ずしも明らかではない。 近年の研究により、組織の再生修復には様々な組織幹細胞が重要な役割を果たして おり,これらではエストロゲン受容体が発現していることが明らかになっている。本 研究では、閉経後の臓器・組織障害にはエストロゲンの分泌低下による組織幹細胞の 機能低下が関与するとの仮説を立て、実験検証を行った。. 対象と方法 6 週齢の C57BL/6 雌マウスを用いて卵巣摘出によるエストロゲン欠乏モデルを作製 し、皮下埋め込み型の徐放 17βestradiol ペレットによるエストロゲン補充(E 群)あ るいは薬剤を含有しないペレットのみの vehicle 治療(OVX 群)を行い、Sham 開腹 手術を施行した正常雌マウス(C 群)をコントロールとして比較した。治療 8 週後に マウスから骨髄を採取し、骨髄由来造血幹細胞(c-kit 陽性)の総数および機能(コロ ニー形成能)、骨髄由来間葉系幹細胞(CD90、CD105 陽性)の総数、および前脛骨筋 組織由来骨格筋幹細胞(PAX7 陽性)の数を Flow Cytometry と免疫組織染色法により、 それぞれ定量的に評価した。.

(2) 結. 果 C 群と比べ OVX 群では、有意な体重増加と子宮萎縮を認めたが、E 群は C 群と有 意差を認めなかった。骨髄単核球の細胞数は 3 群で有意差が認められなかったが、c-kit 陽性造血幹細胞数は OVX 群で有意に増加していた。一方、造血幹細胞の機能を示す コロニー形成能は OVX 群で有意に低下していた。また、骨髄単核球中の CD90 陽性 細胞数は 3 群で有意差を認めなかったが、CD105 陽性細胞数は、OVX 群で有意差に 低下し、E群では増加した。さらに、PAX7 陽性骨格筋幹細胞数を検討したところ、3 群間で有意差は認められなかった。. 考. 察 エストロゲンは、核内転写因子であるエストロゲン受容体(ERα、ERβ)を介して 生殖臓器のみならず非生殖臓器にも作用する。万能胚性幹細胞を含め、生体内の各組 織・臓器に存在している組織特異的幹細胞にはエストロゲン受容体が発現しているこ とが知られており、本研究ではエストロゲン欠乏が組織幹細胞の性状や機能にどのよ うに影響を与えるかマウスモデルを用いて検討した。その結果、エストロゲン欠乏に より、骨髄中に造血幹細胞の数は増えるものの、造血幹細胞としての機能は低下する ことが示唆された。一方、骨髄由来間葉系幹細胞の数はエストロゲン欠乏により減少 し、造血幹細胞とは異なる作用の存在が示唆された。また,骨格筋幹細胞の数に関し ては治療後8週間までに有意な変化が認められなかった。今後は長期追跡や細胞の機 能評価が必要と考える。 以上のことから、エストロゲン欠乏がマウスの組織幹細胞に与える影響は,幹細胞 によって異なり,それらが閉経後の臓器特異的な機能障害に関与することを示唆され た。それらの分子生物学的機序を更に解明することは、閉経後の女性の健康障害に対 する治療法の開拓に寄与することになるであろう。.

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