日本列 島直下で現在進行 中の広域 変成作用

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地 学 雑 誌

Journal of Geography 113 (5) 600-616 2004

日本列 島直下で現在進行 中の広域 変成作用

丸 山 茂 徳 *  大 森 聡 一 *  岩 瀬 康 行 * *

On-going Regional Metamorphism beneath the Japanese Islands Shigenori MARUYAMA *, Soichi OMORI * and Yasuyuki IWASE * *

Abstract

Recent advances in seismic studies have revealed that earthquakes have a close link with chemical processes, i.e. metamorphic dehydration. From this point of view, we provide a new scheme for observation of on-going regional metamorphism in a subduction zone.

Combining the phase diagrams of MORB + water and peridotite + water with the thermal structure of the descending Pacific oceanic plate in NE Japan and in the Philippine Sea (PHS) plate in SW Japan, we can draw the distribution of metamorphic facies of regional meta- morphism. However, the most uncertain parameter is thermal structure, even though it has been calculated numerically, because of the difficulty of evaluating frictional heating, heat transportation by dehydrated fluids and mantle convection in the hanging wall. To overcome this problem, we have carried out different approach from seismic observations in estimating the thermal structure of a subduction zone, by applying the dehydration-induced earthquake hypothesis. This hypothesis involves the assumptions as follows : 1) any dehydration in the subducted slab induces earthquakes, 2) peridotite of the subducting plate is more or less hydrated, as well as the oceanic crust, and 3) the dehydration reactions proceed in near equilibrium condition.

Direct seismic determination of the depths of the blueschist or epidote-amphibolite facies to eclogite transformation, decomposition of serpentine (antigorite) , and the stability limit of clinochlore enable us to establish fixed points for the slab temperature. The seismogenic zone

(150•Ž to 350•Ž) , the depth limit of non-volcanic tremor seismicity, and the slab melting in SW Japan (800-900•Ž) were also used to fix temperatures at given depths. Three profiles in NE- Japan and two profiles in SW-Japan were examined, and their P-T paths along the Wadati- Benioff zone were estimated to be anti-clockwise in all cases. The P-T paths are consistent with those of metamorphic facies series from well-studied on-land regional metamorphic belts.

The P-T path of the subducting slab in NE-Japan is colder than that of the eastern-Shikoku section in SW-Japan, except for the Kii-peninsula section which has an almost similar P-T path to that in NE-Japan.

Comparison between the on-going metamorphism beneath the Japanese islands and the

* 東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻

* * 防衛大学校応用科学群地球海洋学科

Department of Earth and Planetary Sciences, Tokyo Institute of Technology

*  * 

National Defense Academy

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on-land regional metamorphic belts in the Sanbagawa and Kokchetav shows that the P-T conditions of these two metamorphic belts are located between that of NE-Japan and of the eastern-Shikoku profile.

A numerical model for wedge-mantle convection shows that the direction of the small corner flow of the wedge mantle causes a back current along the subducting slab. The area of the corner flow is wider in a shallow subduction zone corresponding to that in eastern Shikoku, and is narrower in a steeper subduction zone represented by NE-Japan. Since the exhumed metamorphic belts have intermediate P-T conditions between those in NE Japan and eastern Shikoku, We suggest that a change in the mode of wedge-corner flow from steep to shallow subduction plays some role in the exhumation of a metamorphic belt. Such a change in Cretaceous time from 120 Ma to 80 Ma may have promoted the exhumation of the Sanbagawa belt.

Key words : subduction zone, intraslab eathquake, regional metamorphism, dehydraion- induced earthquake hypothesis, northeastern Japan, southwestern Japan

キ ー ワ ー ド:沈 み 込 み 帯,ス ラ ブ 内 地 震,広 域 変 成 作 用,脱 水 誘 発 地 震 仮 説,東 北 日本,西 南 日本, 変 成 岩 の上 昇

I. は じ め に

変 成 岩研 究 の 意 義 の 一 つ は,地 殻‑マ ン トル ・テ ク トニ クス の物 理 化 学 的 条 件 の 提 示 に あ る。 岩 石 が 地 下 深 部 に もた ら され る過 程 や,地 下 深 部 か ら 地 表 に到 達 す る まで の 過程 の 物 理 化 学 的 条 件 の変 化 を変 成 岩 は記 録 し,我 々 は そ の 一 部 を解 読 す る こ とが で きる。 しか し,こ こで根 本 的 な問 題 と し て 存 在 す る の は,地 球 深 部 に お け る変 成 作 用 を対 象 と した場 合,我 々 は基 本 的 に地 表 付 近 ま で戻 っ て き た岩 石 しか取 り扱 う こ とが で き ない とい うこ とで あ る。 沈 み 込 み帯 で は常 に変 成 作 用 が 進 行 中 で あ るが,ど こ で も定常 的 か つ 広 域 的 に変 成 岩 が 上 昇 して い る わ け で は ない 。 し たが っ て,変 成 岩 が 上 昇 す る た め に は何 か特 別 な テ ク トニ ック な 条 件 が 必 要 な の だ ろ う。

岩 石 の 脱 水 脆 性 化 に 関 す る実 験(Raleigh  and Paterson,  1965;  Meade  and  Jeanloz,  1991;

Dobson  et al., 2002)は,地 震 を見 る こ と は脱 水 反 応 を見 る こ とで あ る,と い う理解 を生 み 出 した 。 これ らの 実 験 に よ る予 測 に基 づ き,和 達‑ベ ニ オ フ 面 の地 震 分 布 と予 測 され る脱 水 反 応 の位 置 を比 較

し 関 連 を 認 め る 報 告 が な さ れ て い る(Nishi‑

yama,  1992;  Seno  and  Yamanaka,  1996;

Peacock,  2001;  Omori  et  al., 2002;  Yamasaki and  Seno,  2003)。 ま た,西 南 日 本 に は,海 溝 に ほ ぼ 平 行 に 分 布 す る 非 火 山 性 長 周 期 微 動 の 存 在 が 報 告 さ れ て い る 。 こ れ は,一 つ の 解 釈 と し て,マ

ン ト ル ウ ェ ッ ジ ま た は 地 殻 内 の 流 体 の 移 動 に 起 因 す る と い う 説 明 が さ れ て い る(Obara,  2002;

Katsumata  and  Kamaya,  2003)。

脱 水 反 応,ま た は 流 体 の 移 動 と地 震 と の 関 連 を 示 唆 す る 研 究 は,蛇 紋 岩 の 実 験(Raleigh  and Paterson,  1965;  Meade  and  Jeanloz,  1991;

Dobson  et al., 2002)を 除 く と,主 に 震 源 分 布 と 脱 水 が 起 き て い る で あ ろ う 場 所 の 経 験 的 対 応 に 基 づ い て い る 。 蛇 紋 石 鉱 物 以 外 の 脱 水 が 地 震 を 誘 発 す る こ と に な る か ど う か を,実 験 で 確 認 し た 例 は ま だ な い 。 し か し,  Omori  et al.(2002,2004) は,以 下 の よ う な 推 論 か ら,あ る 応 力 下 に あ る 岩 石 が,流 体 と し て の 水 に 欠 如 し た 状 態 か ら水 が 存 在 す る 状 態 へ と 変 化 す る 時 に 地 震 が 起 こ る 可 能 性 が 高 い こ と を 示 唆 し て い る 。 岩 石 物 性 に 対 す る 水 の 影 響 に 関 す る 研 究(た と え ば,Karato  et al.,

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1986;  Hirth  and  Kohlstedt,  1996;  Chen  et al., 1998;  Karato  and  Jung,  1998)に よ る と,か ん

らん石 に10〜100ppmの 水 が加 わ っ た だ け で, か ん ら ん石 結 晶 の 粘 性 は1/100以 下 に減 少 す る。

ま た,鉱 物 粒 間 に水 が 浸 透 す る こ とに よ り,鉱 物 粒 子 の 結 合 が 弱 くな る こ と も 予 想 さ れ る(Ra‑

leigh and  Paterson,  1965)。 初 生 的 な 含 水 鉱 物 の 分 布 は,割 れ 目や 脈 に支 配 され て不 均 質 で あ る と考 え られ る か ら,脱 水 で 生 成 した水 も不 均 質 に 分 布 す る。 こ れ らの 要 因 に よ り,脱 水 反 応 に よ り 岩 石 中 に物 理 的 強 度 の 不 均 質 が 発 生 し,弱 化 した 部 分 が 急 速 な応 力 の 解 放(=地 震)を 誘 発 す る と 考 え られ る。 実 験 で蛇 紋 石 の 脱 水 分 解 に よ り誘 発

され た破 壊 現 象 は,間 隙 水 圧 の 上 昇 に よ る もの で は ない,な ぜ な らば,高 圧 下(約2GPa以 上)で は,水 を含 め た分 解 生 成 物 の 方 が 体 積 が 小 さ い か らで あ る。 したが っ て,脱 水 反 応 そ の もの が 破 壊 エ ネ ル ギ ー の起 源 とは 考 え に くい の で,水 の生 成 と と も に,な に か し らの応 力 の 存 在 も地 震 発 生 に は 必 要 で あ る。 脱 水 反応 の 進 行 速 度 に対 して地 震 は ご く短 時 間 の現 象 で あ る。 実 際 に は,脱 水 反 応 は 長 時 間 に わ た っ て 進 行 し,流 体 と して の 水 の量 が あ る閾 値 に達 した 時 に,地 震 が 発 生 す るの で あ ろ う。

この よ う に して実 験 や観 測 を 元 に構築 され た脱 水 誘 発 地 震 仮 説 は,地 球 内部 に お け る化 学 過 程 と 物 理 過 程 の 関連 を示 す とい う点 で,地 球 ダ イ ナ ミ ク ス に お け る革 新 とな り得 る。 そ れ と同時 に,今, そ こで 起 き てい る脱 水 反応,す な わ ち 変 成 作 用 を 間接 的 に観 測 す る こ とが で きる,と い う可 能 性 を 包 有 して い る。 本 論 文 で は,脱 水 誘 発 地 震 仮 説 に 基 づ き,地 震 観 測 お よ び地 震 波 トモ グ ラ フ ィ と岩 石 の相 平 衡 を総 合 化 して,東 北 日本 と西 南 日本 で 現 在 進 行 中 の変 成 作 用 の温 度 ・圧 力 条 件 を推 測 し, 変 成 岩 か ら求 め られ て い る変 成P‑T時 間経 路 や 変 成 相 系 列 と比 較 した 。 東 北 日本 で は 地殻 物 質 は マ ン トルへ と一 方 的 に運 搬 さ れ て い くが,西 南 日本 で は,現 在 上 昇 中 の 変 成 岩 が 存 在 す る可 能性 が 示 唆 され る。

II. 研 究 の 手 法 とデ ー タセ ッ ト

本 論 文 の議 論 で は,前 章 で述 べ た ス ラ ブ 内地 震 の 脱 水 誘 発 起 源 仮 説 に 基 づ き,以 下 の 仮 定 の下 に 議 論 を進 め る。1)沈 み 込 む プ レー トの 内部 で起 き るす べ て の 脱水 反応 は,地 震 を誘 発 す る。2)沈 み 込 む プ レー トのペ リ ドタイ ト部 で 起 き る地 震 も脱 水 反 応 起 源 で あ る。 そ の た め に,海 洋 プ レー トは 海底 面 か ら50km以 深 まで多 か れ少 な か れ加 水 作 用 を被 っ て い る。3)脱 水 反応 は平 衡 条 件 付 近 で進 行 す る 。 仮 定 の1は 前 章 で そ の可 能 性 を紹 介 した 通 りで あ る 。2に つ い て は,直 接 的 証 拠 と し て,

関東 下 の 太 平 洋 プ レー ト中 の ボ ア ソ ン比 分 布 が 含 水 鉱 物 の 存 在 を 示 唆 す る こ と が 示 さ れ て い る (Omori  et al., 2002)。3は,累 進 変 成 作 用 の 解 析 が可 能 で あ る とい う こ とか ら,経 験 的 に導 か れ る 結 論 で あ る(た とえ ば,Spear,  1993;  Miyashiro,

1994)。

震 源 の 分 布 と脱 水 反 応 を正 確 に対 応 させ るた め に は,温 度構 造 が 自明 で な け れ ば な ら ない 。 と こ ろが,温 度構 造 を独 立 に求 め る こ とが で き ない 。 そ の た め に,従 来 の研 究 で は数 値 計 算 モ デ ル か ら 温 度 構造 を見積 り,状 態 図 を参 考 に 脱水 反 応 を島 弧 断面 図 に投 影 し,震 源 分 布 と の 関連 を調 べ て き た(Peacock,  2001;  Yamasaki  and  Seno,  2003;

Hacker  et al., 2003)。 と こ ろが,そ の 結 果 で は, 脱 水 反 応 と震 源 との 相 関 に,良 い一 致 が見 られ て い る とは い い難 い 。 震 源 決 定 と反 応 のP‑T条 件 の 誤 差 を考 慮 して も,説 明 し切 れ な い程 の大 きな ず れ が 存 在 す る(Omori  et al., 2002)。 こ のず れ は 数 値 計 算 に基 づ く温 度構 造 か ら来 て い る。

本 研 究 で は,温 度構造 に関 して 逆 解 析 的手 法 を 採 用 し,震 源 と反 応 の 一 致 を優 先 させ,沈 み 込 み 帯 の 等 温 線 を描 く こ と に した 。 初 め に震 源 の深 度 を圧 力 に変 換 し,そ の圧 力 下 で 起 こ り得 る脱 水 反 応 の 温 度 を求 め る(Omori  et al., 2002,2004)。 こ こで,重 要 なの は,脱 水 分 解 反 応 が 不 連 続 反 応 に 近 く,相 対 的 で は あ る が,他 の 反 応 に比 べ て大 量 の 脱水 を起 こす 反 応 曲線 に注 目す る こ とで あ る。

これ は 上 述 の 仮 定 が 正 しい とす れ ば,地 震 の 頻 度 が急 激 に減 少 す る境 界 深 度 の温 度 が 求 ま る こ と を

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意 味 す る 。 そ の 反 応 と は,(1)海 洋 地 殻 の エ ク ロ ジ ャ イ ト相 転 移,(2)か ん ら ん 岩 中 の 蛇 紋 石 の 分 解,お よ び(3)緑 泥 石 の 高 温 高 圧 安 定 限 界 の 三 本 で あ る 。 さ ら に,ト モ グ ラ フ ィ に よ る 低 速 度 領 域 の 位 置,ボ ア ッ ソ ン 比 トモ グ ラ フ ィ,島 弧 火 山 の 位 置 を 考 慮 し て,内 部 整 合 性 の 最 も 高 い 温 度 構 造 を 帰 納 的 に 求 め る(図1)。 脱 水 反 応 の 温 度 ・圧 力 条 件 の 基 準 と な る 相 平 衡 図 に つ い て は,熱 力 学 計 算 で 描 か れ た ペ リ ドタ イ ト系(Omori  et al., 2004)

とOkamoto  and  Maruyama  (1999)に よ る 海 洋 地 殻(MORB)系 を 採 用 し た(図2)。

III. 東 北 日本 に お け る 現 在 進 行 中 の 広 域 変 成 作 用

東 北 日本 の 沈 み 込 み 帯 で は,約130Maの 太 平 洋 プ レ ー トが ほ ぼ 真 西 に 向 か っ て10cm/yrの 度 で 沈 み 込 ん で い る 。 東 北 日 本 下,二 重 地 震 面 上 面 の 地 震 の 震 央 分 布 図(Igarashi  et al.,2001)を

図3に 示 す 。ま た,海 溝 に 垂 直 な 断 面 か ら 幅50km の 範 囲 の 震 源(1985‑1995日 本 国 立 大 学 地 震 観 測 網:JUNETの デ ー タ)を 東 西 断 面 に 投 影 し た 震 源 分 布 図 を 図4に 示 す 。 図4に は,Zhao  et al.

(1997)に よ る 太 平 洋 ス ラ ブ の 上 面 の 境 界 と,お

よそ の プ レー ト下 面 の境 界 も重 ね 書 き され て い る。

東 北 日本 に お い て は,深 度100〜200kmの ス ラ ブ 内 部 に,二 重 地 震 面 が 発 達 して い る。 二 重 地 震 面 の上 面 と下 面 は,浅 部 で は約30km程 度 の 間 隔 を示 す が,200km付 近 で 上 面 と下 面 が 収 束 す る。200km以 深 で は 震 源 数 が 急 減 す る が,350 km付 近 に も震 源 が 分 布 す る。 図4に は示 され て

い な い が,こ の 地 域 の ス ラ ブ 内地 震 の最 大 深 度 は 600kmに 達 す る。 二 重 地 震 面 の 上 面 は,80km 以 浅 で は 海 洋 地 殻 の 内部 とス ラ ブ の か ん らん 岩 中

に 分 布 す る。 海 洋 地 殻 内 の 地 震 は,50〜60km と60〜80kmで 頻 度 が 高 い 。80km以 深 で は, 多 くの ス ラブ 内 地 震 は,ス ラ ブ か ん らん 岩 中 で 発 生 して い る。 現 在 まで の とこ ろ,東 北 日本 にお い て は流 体 の 移 動 に 関連 す る と思 わ れ る 非 火 山 性 長 周 期 微 動 は観 測 さ れ てい ない 。

以 上 の震 源 分 布 の 観 測 を,脱 水 誘 発 地震 の 仮 定 に基 づ い て 解 釈 す る と,東 北 日本 沈 み帯 の 温 度 構 造 と現 在 進 行 中 の変 成 反 応 は,図5の よ うに な る。

東 北 日本 で は50kmよ りも浅 い地 震 が 観 測 点 か ら 遠 い 海域 で 起 こ る た め,こ れ らの地 震 の 震 源 決 定 精 度 が あ ま り良 くな い。 そ れ で も,断 面 図 にお け る震 源 分布 の 頻 度 か ら判 断 して,海 溝 か ら内 側 の

(1)  Seismogenic  zone  (150‑350℃) (2)  BS/EC  transition  (550℃)

(3)  Hydrous  EC/dry  EC  transition (700℃  at  100km‑900℃  at  250km) (4) Non‑volcanic  tremor

(5) Seismicity  within  slab (6) Slab‑melting

(7) Tomography

図1  本 研 究 で 用 い た 方 法 の 概 念 図.

Fig. 1 Schematic diagram of the method of this study.

(5)

ベ ニ オ フ面 に沿 っ て,海 洋 地 殻 中 の 地 震発 生 帯 の 開 始 地 点(20〜25km深 度)を 海 洋 地 殻 の脱 水 反 応 の 開 始 と考 え る こ とにす る。 こ こが 変 成 反 応 に よる 脱水 の 開 始 地 点 と考 え,こ の深 度 に お け る 圧 力 と可 能 な温 度 範 囲か ら推 定 して,こ こ をパ ン ペ リー 石‑ア ク チ ノ 閃石 相 か ら緑 色 片 岩 相 の境 界 とす る。 す る と,こ の点 の温 度 は約330℃ 程 度 と 見 な さ れ る(図5)。 こ の地 震 帯 は50〜60km深

a)

b)

度 で,い っ た ん終 息 す るが,こ こ を緑 れ ん石 角 閃 岩 相 ま た は藍 閃石 片 岩 相 と角 閃 石 エ ク ロ ジ ャイ ト 相 と の境 界 とす る と,約500℃,海 洋 地 殻 中 の 地 震 は さ ら に60〜70km深 度 か ら80〜100km深 度 にか け て 引 き続 い て 起 き るが,密 集 した震 源 分 布 は,100kmま で に終 息 す る。この終 息深 度 が無 水 エ ク ロ ジ ャイ トの 生 成 地 点 と考 え る と,温 度 は 約600℃ で あ る。 この よ うな傾 向 は 南北 方 向 に幾 らか バ ラつ く傾 向 も見 られ る(図5)。 ス ラ ブ の上̀

面 で 起 き る地 震 に は 海 洋 地 殻 の 内 部 とス ラ ブ の か ん ら ん岩 最 上 部 で起 き る場 合 の 二 つ が あ り,地 震 の 応 力 場 の解 析 に よっ て,あ る程 度 の 区別 は可 能 で あ るが 完 全 で は な い。 図3〜 図5で は そ れ らの 区 別 が な さ れ て い な い が,発 震 機 構 の 解 析 と海 洋 地 殻 の 厚 さ を比 較 して 海 洋 地 殻 内 部 で 起 きる地 震

図2  a) MORB+H20系 の 相 図(Okamoto  and  Maru‑

yama,  1999を 修 正).

PA:  パ ン ペ リ ア イ トーア ク チ ノ 閃 石 相, BS: 藍 閃 石 片 岩 相,GS:緑 色 片 岩 相,EA:

緑 れ ん 石‑角 閃 岩 相,AM:角 閃 岩 相, AmEc:角 閃 石 エ ク ロ ジ ャ イ ト相,EpEc:

緑 れ ん 石 エ ク ロ ジ ャ イ ト相,HGR:高 グ ラ ニ ュ ラ イ ト相,GR:グ ラ ニ ュ ラ イ ト 相.数 字 は お よ そ の 含 水 量(重 量%)を 示 す.

b) か ん ら ん 岩+H2O系 の 相 図(Omori  et al., 2004を 修 正).

Atg:  ア ン チ ゴ ラ イ ト,Tc:タ ル ク,Chl:

ク リ ノ ク ロ ア,A:A相,Mg‑Sur:Mgサ サ サ イ ト

Fig. 2 a) Petrogenetic grid for the MORB+H20 system (modified after Okamoto and Maruyama, 1999) .

PA : Pumpellyite-Actinolite facies, B:

blueschist facies, GS : greenschist facies, EA: epidote-amphibolite facies, AM : amphibolite facies, EpEc : epi- dote-eclogite facies, HGR : high-P granulite facies, GR: granulite facies.

Numbers in the fields correspond approximate water content in the rock.

b) Petrogenetic grid for the peridotite+

H2O system (modified after Omori et al., 2004) .

Atg : antigorite, Tc : talc, Chl : clino- chlore, A : phase A, Mg-Sur : , Mg- surssasite

(6)

の 分 布 頻 度 を 示 し たIgarashi  et al.(2001)を 考 に し て 境 界 深 度 の 温 度 を 求 め た(図5)。

ス ラ ブ か ん ら ん 岩 中 の 二 重 地 震 面 の 地 震 は, 250km以 浅 で は,ア ンチ ゴ ラ イ ト,お よ び ク リ ノ

ク ロ ア の 脱 水 反 応 に 対 応 す る 。 各 帯 の 示 す 幅 は ク リ ノ ク ロ ア 分 解 の 連 続 脱 水 反 応 に 対 応 す る と 考 え ら れ る 。 ク リ ノ ク ロ ア の 安 定 限 界 は,典 型 的 レ ル ゾ ラ イ ト組 成 で60〜120kmで800℃ で あ る 。 180〜240km付 近 に お い て 二 重 地 震 面 が 収 束 す る が,こ れ は,ク リ ノ ク ロ ア か らMg‑サ ー サ サ イ トが 生 成 す る 反 応 と ア ン チ ゴ ラ イ トの 分 解 反 応 に

対 応 させ る こ とが で きる。 こ の 反応 が 起 き る た め に は180kmに お け る ス ラ ブ 内 部 の 最 低 温 度 が 600℃ 以 下 で あ る必 要 が あ る。240km以 深 の ス ラブ か ん らん 岩 中 の 地震 は,Mg‑サ ーサ サ イ トの 脱水 分解 に対 応 す る 。

東 北 日本 か ら沈 み 込 ん だ ス ラブ の 延 長 は 中 国北 京 の 下 部 まで到 達 し,マ ン トル遷 移 層(410〜660 km)で 滞 留 して い る(た と え ば,Zhao,2004)。

マ ン トル遷 移 層 に滞 留 した ス ラ ブ 内部 で は,等 圧 加 熱 に よ り1000℃ 程 度 でDHMSの 脱 水 が 起 こ り, この 反 応 が 最 深 部 の 地震 に対 応 し てい る と考 え ら

図3  東 北 日 本,二 重 地 震 面 上 面 地 震 の 震 央 分 布(黒 点),第 四 紀 火 山(丸 印), お よ び 活 火 山(三 角).

震 央 分 布 はIgarashi  et al.(2001)に よ る.A‑A',B‑B',C‑C'は そ れ ぞ れ 図4の 断 面 図 の 基 準 線 で あ る.

Fig. 3 Epicenters (black dots) , quatarnary volcanoes (circle) and active volcanoes (triangles) in the NE-Japan.

Epicenter map was taken from Igarashi et al. (2001) . Lines A, B, C correspond to the location of the cross-sections in Fig. 4.

(7)

A' A

B' B

C' C

れ て い る(Omori  et al., 2004)。

IV. 西南 日本 に お け る現 在 進 行 中 の 広 域 変 成作 用

西 南 日本 の下 に は8〜30Maの 年 代 を持 つ 若 い フ ィ リ ピ ン海 プ レー トが 伊 豆 半 島 か ら豊 後水 道 ま

で の 問 の 西 南 日本 に沈 み 込 ん で い る。 そ の 中 で, 最 も若 い 部 分 は南 北 走 向 を持 つ 紀 南 海 山 列付 近 に 対 応 し,紀 伊 水 道 の 下 に沈 み 込 ん で い る。 豊 後 水 道 以 西 で は100〜50Maの 古 い ブ イ リ ピ ン海 プ レー トが 九 州 と琉 球 列 島 の 下 に 沈 み 込 ん で い る。

この よ う に,西 南 日本 は東 北 日本 の よ う な一 様 に 図4  東 北 日本 震 源 分 布 断 面 図.

各 断 面 の位 置 は,図3を 参 照.

Fig. 4 Hypocenter distributions in NE- Japan.

The location of each section is shown in Fig. 3.

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A' A

B'

B

C' C

古 い 海 洋 プ レー トの 沈 み 込 み と は異 な り,場 所 に よ っ て,極 端 な違 い が あ る。 西 南 日本 の 下 に沈 み 込 む フ ィ リ ピ ン 海 プ レー トの,さ ら に下 位 に は, 東 側 か ら東 北 日本 の 下 に沈 み 込 ん だ太 平 洋 プ レー トが400〜600km深 度 に横 た わ っ て お り,こ の 地 域 の マ ン トル は 中 央 海嶺 直 下 の マ ン トル に比 べ

て 約10倍 の 含 水 量 を 持 つ と 考 え ら れ て い る (Komiya  and  Maruyama,  2004)。

Obara(2002)が 明 らか に した 西 南 日 本 沈 み 込 み 帯 の 和 達‑ベ ニ オ フ 面 の 等 深 度 線 と 非 火 山 性 長 周 期 微 動 の 震 央 分 布 図 を 図6に 示 す 。Kodaira  et al.(2002)に よ る 紀 伊 水 道‑四 国 東 部 下 の トモ グ 図5  東 北 日本,現 在 進 行 中の 変 成 作 用 と

温 度 の 定 点.

略 号 は図2に 準 ず る.

Fig. 5 On-going metamorphic reactions and the thermal fixed-points in NE-Japan.

Abbreviations are similar to Fig.

2.

(9)

D D'

D''

E E'

ラ フ ィ 断 面 と,Smith  et al.(2004)が 震 源 位 置 を再 決 定 した紀 伊 半 島 下 の 震 源 分 布 断面 を 図7に 示 した。 東 北 日本 と比 較 して,西 南 日本 で特 徴 的 な地 震 学 的 観 測 は 次 の4点 で あ る。1)関 東 地 域 (Omori  et al.,2002)を 除 く と,深 発 二 重 地 震 面 (DSZ)は 明 瞭 で な い。2)非 火 山性 長周 期 微 動 の 震 央 が,約50km幅 の 帯状 を呈 して,東 西 方 向 に 四 国西 部 か ら伊 豆 半 島 西 部 まで,ほ ぼ600kmに わ た っ て連 続 す る。 四 国 東 部 〜 紀 伊 水 道,お よび 知 多 半 島〜 名 古 屋 付 近 の2個 所 に は非 火 山性 長 周 期 微 動 が 欠 落 す る 。 非 火 山性 長 周 期 微 動 の震 源 は, 35〜50km深 度 の和 達‑ベ ニ オ フ 面上 盤側 の下 部

地 殻 内 部 に 位 置 す る 。Kodaira  et al.(2002)と Seno  and  Yamasaki  (2003)に よ れ ば,非 火 山 性 長 周 期 微 動 の 見 ら れ な い 断 面 で は,海 洋 地 殻 内 部 の 地 震 活 動 の 頻 度 は 低 く,逆 に ス ラ ブ か ん ら ん 岩 中 に 多 く の 震 源 が 位 置 し て い る(図7a)。3)西 日本 に お い て は,ス ラ ブ 内 地 震 は 中 央 構 造 線 下 付 近 で 無 く な り,そ れ よ り北 側 で は,和 達‑ベ ニ オ フ 面 の 追 跡 は 困 難 で あ る 。 最 近 のP波 トモ グ ラ フ ィ 像 に よ る と,フ ィ リ ピ ン海 プ レ ー ト と 思 わ れ る 高 速 度 異 常 の 北 限 は ほ ぼ 日本 海 の 海 岸 線 ま で で あ る が,そ の 付 近(80km深 度)か ら 高 角 度 で 折 れ 曲 が り,150km深 度 付 近 ま で 追 跡 で き る(Zhao  et 図6  西 南 日 本 非 火 山 性 長 周 期 微 動 分 布 と和 達‑ベ ニ オ フ 面 等 深 度 線(Obara,2002を 改 変).

丸 は 非 火 山 性 長 周 期 微 動 の 震 央 を 示 す.和 達‑ベ ニ オ フ 面 等 深 度 線 は5km間 隔.D―D'‑D'',E‑E'は そ れ ぞ れ 図 7お よ び 図8の 断 面 図 の 基 準 線 で あ る.

Fig. 6 Distribution of the non-volcanic tremors (after Obara, 2002) and depth contours for the Wadati- Beniof plane in SW-Japan.

Circles represent epicenters of the non-volcanic tremors. The depth contours were drawn for each 5 km. D- D'‑D''  and  E‑E'  represent  the  locations  of the  cross‑sections  in  Fig.  7 and  Fig.  8.

(10)

a) D' D

b)

E' E

al.,2004)。4)プ レー トの沈 み込 み角 度 は地 域 に よ っ て変 化 す る が,東 北 日本 と比 べ て非 常 に浅 く 約20〜30度 で あ る。 た だ し古 い 海 洋 プ レー トが 沈 み 込 む 九 州 か ら琉 球 にか け て は50〜60度 とな

り東 北 日本 と大 差 が な い 。

以 上 の震 源 分 布 の 観 測 を,脱 水 誘 発 地 震 モ デ ル か ら現 在 進 行 中 の変 成作 用 に対 応 させ た解 釈 を 図

8a,bに 示 す 。 西 南 日本 に お い て 重 要 な定 点 は 次 の3つ で あ る。1)非 火 山 性 長 周 期 微 動 の 流 体 は, 沈 み込 ん だ 海 洋 地 殻 とス ラ ブ のか ん らん 岩 か ら供 給 され て い る。 非 火 山性 長 周 期 微 動 の位 置 と和 達

‑ベ ニ オ フ面 の深 度 の 関連 よ り

,そ の 流 体 の 起 源 を 藍 閃石 片岩 相 また は緑 れ ん石 角 閃岩 相 か ら角 閃 石 エ ク ロ ジ ャイ ト相 へ の 転 移 と関連 させ,非 火 山 性

図7  西 南 日本 震 源 分 布 断 面 図.

a) D‑D'断 面(Kodaira  et al.,2002を 改 変),グ レ ー の 部 分 は 沈 み 込 む フ ィ リ ピ ン 海 プ レ ー ト の 海 洋 地 殻.点 線 は お よ そ の プ レ ー ト下 面 の 位 置.

b) E‑E'断 面(Smith  et al.,2004を 改 変).グ レ ー の 部 分 は 沈 み 込 む フ ィ リ ピ ン海 プ レ ー ト の 海 洋 地 殻.点 線 は お よ そ の プ レ ー ト下 面 の 位 置.影 は 非 火 山 性 長 周 期 微 動 の 震 源 が 分 布 す る と 考 え ら れ る 領 域 で あ る.

Fig. 7 Hypocenter distributions in SW-Japan.

a) D-D' section (modified after Kodaira et al., 2002) , Gray area is the oceanic crust of the Philippine Sea plate.

Dotted curve is an approximate bottom of the plate.

b) E-E' section (modified after Smith et al., 2004) . Gray area is the oceanic crust of the Philippine Sea plate.

Dotted curve is an approximate bottom of the plate. Shaded area in the mantle wedge is a possible source region of the non-volcanic tremor.

(11)

D'' D' D

b)

E' E

長 周 期 微 動 震 源 直 下 の海 洋 地 殻 内 の温 度 を固 定 し た。2)ス ラ ブか ん らん 岩 内 の 地震 は,蛇 紋 岩 お よ び緑 泥 石 の連 続 脱 水 反 応 に起 因す る と考 え られ る。

断面 に お け る震 源 分 布 が 帯 状 と して分 布 す る こ と は,連 続 反応 で 説 明 で きる。 深 さ25〜50kmに お け る こ の反 応 の 終 了 温 度 は,600〜800℃ 程 度

と して,ス ラブ 内 の温 度 定点 と した。3)ス ラブ が 比 較 的 高温 の た め,西 南 日本 で は ス ラ ブ 内 の 脱水 反 応 は,ほ ぼ 中 央 構 造 線 以 南 で 終 了 し て し ま う。

そ の た め,日 本 海 側 に 位 置 す る大 山等 の火 山 の マ

グマ の 起 源 と して,通 常 の 島 弧 火 山の よ う な マ ン トル の 加 水 融 解 とは異 な る 成 因 を考 え る必 要 が あ る。 こ こで は,海 洋 地 殻 の部 分 融 解 に よ りマ グ マ が 生 成 す る と考 え,海 洋 地 殻 の 脱水 部 分 融 解 温 度 (650〜900℃,70km)を 大 山 下 に固 定 した 。

V. 現 在 進 行 中 の 広 域 変 成作 用 の 構造 場:

コ ーナ ー対 流 の 力 学

こ こ まで は現 在 進 行 中 の広 域 変 成 作 用 のP‑T条 件 を 考 え て きた が,こ こ で は,変 成 岩 が 置 か れ て

図8  西 南 日 本,現 在 進 行 中 の 変 成 作 用 と 温 度 構 造.

略 号 は 図2に 準 ず る.

a) D‑D'‑D:断 面, b)  E‑E' 断 面.

Fig. 8 On-going metamorphic reactions and the ther- mal fixed-points in SW- Japan.

Abbreviations are simi- lar to Fig. 2.

a) D-D'-D" section. b) E-E' section.

(12)

a

b

い る場 の 力 学 的性 質 を 考 え る 。 地 表 で 観 察 され る 変 成 岩 に は,そ の 岩 石 の被 っ て きた構 造 運 動 が 鉱 物 組 織,結 晶 定 向配 列,断 層 ・裂 舞 な ど に記 録 さ れ て い る。 しか し,こ れ らの 記録 は,沈 み 込 み → 上 昇 過 程 の複 数 過 程 の 重 複 で あ る。 そ こで,こ こ で はマ ン トル ウ ェ ッジ の コー ナ ー 対 流 を数 値 計 算 に よ り見 積 っ た例 を用 い て,現 在 進 行 中 の 広 域 変 成作 用 の構 造 場 に つ い て議 論 す る。

海 洋 プ レー トが 沈 み 込 む こ と に よ り,沈 み 込 む プ レー ト(ス ラ ブ)の 直 上 の 大 陸 側 の マ ン トル ウ ェ ッ ジ も引 きず り込 まれ る。 そ の 結 果,マ ン ト ル ウ ェ ッ ジ に は ス ラ ブ の 運 動 に 沿 っ た 循 環 流 (コ ー ナ ー対 流)が 生 じる と考 え られ る。 こ の よ う な コー ナ ー対 流 の 考 え に 基 づ き,沈 み 込 み 帯 で の 流 れ 場,温 度 構 造 の 数値 計 算 が 多 数 行 わ れ て きた (た とえば, Honda,  1985;  Davies  and  Stevenson,

1992;  Iwase  and  Honda,  1993;  Ponko  and Peacock,  1995)。

岩 石 学 的 な 制 約 を 重 要 視 し た マ ン トル ウ ェ ッ ジ の コ ー ナ ー 対 流 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 最 初 に 行 っ た の はHonda(1985)で あ る が,Iwase  and Honda(1993)は さ ら に 進 め て 地 殻 お よ び 上 部 マ ン トル を 構 成 す る 岩 石 の 実 験 に 基 づ く温 度 と圧 力 に 依 存 す る レ オ ロ ジ ー を 取 り入 れ た コ ー ナ ー 対 流 の シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 っ た 。Iwase  and  Honda (1993)で は,さ ら に ス ラ ブ 上 面 に 沿 っ て 約60km の 深 さ ま で 存 在 す る ス ラ ス ト帯 で は 周 囲 に 比 べ て 粘 性 率 を1/100に 設 定 す る こ と で 滑 り状 態 を 再 現 し,当 時 し て は 可 能 な 限 り 現 実 的 な 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 っ た 。

図9a,bは 計 算 開 始 か ら240万 年 後 の 流 れ 場 と 温 度 場 で あ る 。そ の 他 の 研 究 と 同 様 に,海 洋 プ レ ー 図9  コ ー ナ ー 対 流 の2次 元 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 結 果(Iwase  and

Honda,1993)の 例.

計 算 開 始 か ら240万 年 後 の 流 れ 場(流 線 関 数)a)と 温 度 場b)を 表 し て い る.計 算 領 域 は500km×150kmで,地 殻 の 厚 さ は30kmで あ る.左 端 が 海 溝 軸 で 海 洋 プ レ ー トは45度 の 角 度 で 沈 み 込 ん で い る.等 温 線 の 間 隔 は130℃.

Fig. 9 Corner flow in a model mantle-wedge by the result of 2-dimensional

numerical simulation (Iwase and Honda, 1993) .

a) Stream line field after 2.4 My. b) Thermal structure. The area of 500 km •~

150 km were considered, and a 30 km-thick continent is assumed. Left end is

trench axis, and subduction angle is 45 deg.

(13)

a  NE  Japan‑type

b  SW  Japan

トの 沈 み 込 み運 動 に よ り引 き起 こ され た大 きな 反 時 計 回 りの流 れ が 見 られ る。 しか し,ウ ェ ッジ の 先 端 付 近 に は,深 さ30km付 近 を 中 心 に60km 程 度 の深 さ ま で の 小 さ な対 流 渦 が 発 生 し て い る。

この 小 循 環 流 は,同 じ温 度,圧 力 の 下 で は地 殻 は マ ン トル よ り も粘 性 率,密 度 が 共 に低 い た め に, ウ ェ ッ ジ小 コー ナ ー と他 の 部 分 との カ ップ リ ング が 弱 い こ とが 原 因 と な っ て 発 生 した もの で あ る 。 温 度構 造 を見 る とベ ニ オ フ面 に 沿 っ た 温 度 勾 配 は 4℃/kmで あ るが,ウ ェ ッジ 小 コー ナ ー 内 で は60 km深 度 で500〜600℃ の温 度 に達 して い る。

こ の ウ ェ ッ ジ小 コ ー ナ ー 内 の 流 れ は30〜60 kmの 深 度 で 形 成 さ れ た 広 域 変 成 岩 を上 昇 させ る 原 因 とな るか も知 れ な い。 そ の場 合 の 上 昇 速 度 は ス ラ ブ の 角 度 に も よ るが,海 洋 プ レー トの沈 み 込 み 速 度 の 数 分 の 一 以 下 に な るで あ ろ う こ とが 数 値 計 算 か ら見 積 られ る。

こ の 計 算 で は 沈 み 込 み 角 度 を45度 と し て い る が,浮 力 の 効 果 は 角 度 に鈍 感 で あ る の で沈 み 込 み 角 度 が違 っ て も本 質 的 に 同 じ現 象 が 起 こる こ とが 予 想 され る 。沈 み 込 み が 低 角 度 の場 合 は ウ ェ ッ ジ 小 コー ナ ー が よ り内 陸 側 ま で 延 び る こ とに な る。

ま た,こ の計 算 で は化 学 変 化 は考 慮 して い な い が, 脱 水 反 応 に よ る 密 度 お よび 粘 性 変 化 が マ ン トル ウ ェ ッジ で の対 流 に 影 響 を及 ぼ す 可 能 性 が あ る こ とが 示 唆 され る。

以 上 の数 値 計 算 の 結 果 よ り推 察 さ れ る,東 北 日 本 と西 南 日本 の現 在 進 行 中 の 広 域 変 成 作 用 の構 造 場 の模 式 図 を 図10に 示 した。 ウ ェ ッ ジ マ ン トル の コ ー ナ ー対 流 は,東 北 日本 で は小 さ く,西 南 日 本 で は大 き く大 山 下 まで拡 張 す る。 両 者 間 の差 は, 主 に プ レ ー トの沈 み 込 み 角 度 の 違 い に起 因 して い る 。

図10  東 北 日 本(a)お よ び 西 南 日 本(b)の ウ ェ ッ ジ マ ン トル ・コ ー ナ ー 対 流 の 模 式 図.

Fig. 10 Schematic diagrams showing corner flow in mantle-wedge.

a) NE-Japan and b) SW-Japan.

612

(14)

IV. 議 論

1) 現 在 進 行 中 の 変成 作 用 のP‑Tパ ス

前 章 まで の 結 果 か ら,東 北 お よび 西 南 日本 の沈 み 込 み 帯 で,海 洋 地 殻 が 被 っ て い る現 在 進 行 中 の 変 成作 用 の 変 成P‑Tパ ス を見 積 り,こ れ ま で に見 積 られ て い る,い くつ か の変 成 岩 の埋 没 ス テ ー ジ のP‑T経 路 と と も に 図11に ま と め た。 今 回 の 手

法 で 得 られ たP‑T経 路 は,い ず れ の沈 み込 み帯 に お い て も数 値 計 算 に よる 温 度 構 造 よ り も,よ り高 温 に位 置 して い る 。 しか し,反 時 計 回 りに屈 曲す る形 態 は共 通 して い る。今 回 比 較 した観 測 で得 ら れ たパ ス の 中 で は,東 北 日本 が 最 も低 温 側 で,西 南 日本E,三 波 川 変成 岩,Kokchetav超 高圧 変 成 岩,西 南 日本Dの 順 で高 温 に な る。

西 南 日本D(四 国 東 部)の 高 温 のP‑T経 路 は,

図11  現 在 進 行 中 の 広 域 変 成 作 用(海 洋 地 殻 上 面)のP‑T経 路 と,変 成 岩 か ら見 積 ら れ た 埋 没P‑T経 路,お よ び 数 値 計 算 の 比 較.

NEJ:東 北 日 本,SWJ(D):西 南 日 本D‑D'プ ロ フ ァ イ ル,SWJ(E):西 南 日本 E‑E'プ ロ フ ァ イ ル,SMB:  Ota  et al.(2004)に よ る 三 波 川 五 良 津 岩 体 エ ク ロ ジ ャ イ ト,KCH:コ ク チ ェ タ フ 超 高 圧 変 成 帯,(Maruyama  et al., 2002;  Masago,  2003;

大 森 ・眞 砂,2004本 特 集 号),H93:  Hacker  et al. (2003)の 数 値 計 算 に よ る 東 北 日 本 ス ラ ブ 上 面 の 温 度 構 造.P99:  Peacock  and  Wang  (1999)の 数 値 計 算 に よ る 西 南 日 本 ス ラ ブ 上 面 の 温 度 構 造.

Fig. 11 Subduction P-T paths of on-going metamorphism at the uppermost oceanic crust, regional metamorphic rocks, and numerical simulations for the uppermost subducted crust.

NEJ : NE-Japan, SWJ (D) : profile D in SW-Japan, SWJ (E) : profile E in SW- Japan, SMB : Iratsu-eclogite in Sambagawa belt (Ota et al., 2004) , KCH : Kokchetav Ultrahigh-pressure metamorphic belt (Maruyama et al., 2002;

Masago, 2003; Omori and Masago, 2004 in this issue) , H93 : numerical estimate for NE-Japan by Hacker et al., 2003, P99 : numerical estimate for SW-Japan by Peacock and Wang (1999) .

(15)

Komiya  and  Maruyama(2004)に よる 太古 代 の 沈 み 込 み 帯 の地 温 勾 配 と調和 的 で あ る。 沈 み 込 み 帯 の 深 部(大 山直 下 の 深 度)で は,も しそ こ に流 体 が 存 在 す れ ば,海 洋 地 殻 が 部 分 溶 融 して もお か

し くな い 。

紀 伊 半 島下(西 南 日本E)は,特 異 で あ る。 プ レー ト年 齢 は若 いが,沈 み 込 み 角 度 が 急 な た め(図 6,8),ス ラ ブ表 面 の温 度 は東 北 日本 と ほ ぼ 同 じに な る。 しか し図8bに 示 され る様 に,ス ラ ブ内 部 は 東 北 日本 に比 べ 高 温 な の で,蛇 紋 岩 起 源 の 地 震 が 東 北 日本 に比 べ て浅 所 で消 滅 して い る。

2) 広 域 変 成 帯 の上 昇 メ カ ニズ ム

三 波 川 変 成 帯 五 良 津 エ ク ロ ジ ャ イ トのP/T経 路 (Ota  et al.,2004)は,現 在 の 東 北 日本 と西 南 日 本 の 中 間 に位 置 して い る。 野 外 の 産 状 と組 織 を詳 し く観 察 して求 め られ た 変 成 温 度 圧 力 変 化 と変 成 相 系 列 は逆 時 計 回 りを示 し(Ota  et al., 2004),東 北 日本 と西 南 日本 で 求 め られ たP‑Tパ ス と同 じ傾 向 を示 す 。

三 波 川 変 成 岩 の最 高 変 成 度 部 の エ ク ロ ジ ャ イ ト の 放 射 性 同 位 体 年 代(SHRIMP年 代)は120〜

130Maで あ る(Okamoto  et al., 2004)。 これ は 累 進 変 成 作 用 の 年 代 で あ るが,広 域 変 成 帯 が 地 殻 中 部 まで 上 昇 して大 量 の流 体 が構 造 的 下 位(四 万 十 帯)か ら もた ら さ れ,ザ ク ロ石 を 除 い て ほ ぼ完 全 に 変 成再 結 晶化 した年 代 は約80Maで あ る(丸

山 ほ か,2004本 特 集 号)。 こ の 時 期(120〜80 Ma)の プ レー ト古 地 理 はイ ザ ナ ギ ・ク ラ プ レー ト

と太 平 洋 プ レー トの 間 の 中央 海 嶺 が 次 第 に接 近 し て,沈 み 込 む プ レー トの 年 齢 が 徐 々 に若 くな っ た 時 期 と対 応 して い る。 この よ う な変 化 は三 波 川帯 の 温 度 場 が東 北 日本 型 か ら西 南 日本 型 へ と変 化 し た こ とを 意 味 す る 。 実 際,三 波 川 変 成 岩 の高 変 成 度 部 の岩 石 の温 度圧 力 履 歴 は,減 圧 と共 にや や冷 却 され つ つ 西 南 日本 型 の 温 度 圧 力 パ ス へ の 移 行 を 示 して い る。 沈 み 込 む プ レー ト年 代 の 変 化 に対 応 して,海 洋 プ レ ー トの沈 み 込 み 角 度 も東 北 日本 型 か ら西 南 日本型 へ と著 し く浅 化 し,そ れ に伴 っ て, 広 域 変 成 帯 の 上 昇 を促 進 す る ウ ェ ッ ジ ・マ ン トル の 反流 が 深 部 まで 拡 大 した こ とが 推 測 され る(図 10)。

VII.  ま と め

脱 水 誘 発 地 震 仮 説 に基 づ き,物 理 的 な プ ロ セ ス で あ る地 震 と化 学 的 プ ロセ ス で あ る変 成 反 応 の リ ン ク を確 立 す る方 法 を提 示 した 。 この 手 法 に よ り, 観 測 か ら現 在 進 行 中 の 変 成作 用 の 条 件 を見 積 る こ

とが で きる。 海 洋 域 下 の 高 精 度 震 源 位 置 決 定,お よび 海 洋 地 殻 内地 震 とス ラブ ペ リ ドタ イ ト内地 震 の 厳 密 な分 離 が,本 手 法 の発 展 の た め に重 要 で あ る 。

変 成 岩 は,過 去 の 沈 み 込 み と上 昇 の テ ク トニ ク ス の 記 録 媒体 で あ る。そ して,そ の記 録 の解 読 に は, 現 在 の 地 球 上 の,様 々 な沈 み 込 み帯 で 現 在 進 行 中 の 変 成 作 用 を研 究 す る こ とが 重 要 な鍵 に な るで あ ろ う。 そ の 意 味 で は,リ ア ル タ イ ム に 近 い 観 測 に よる 地 球 科 学 と地 球 史 との 間 に も リ ン クが確 立 さ れつ つ あ る と言 っ ても 良い だ ろ う.

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(2004年9月2日 受 付,2004年10月23日 受 理)

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