中国とアメリカの国交

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中国とアメリカの国交

NATO軍によるユーゴ空爆において、中国大使館を誤爆したことからアメリカと中 国

との間に修復し難い亀裂が生じている。このレポートでは、両国の会見等をニュース関 連

のホームページを利用し、今後の中米関係を考察しようと思う。

<1> 中国大使館誤爆

5月7日、NATO軍がユーゴ空爆の際、中国大使館を誤爆した。最新の技術を所有し ているはずのNATO軍が、何故大使館を誤爆してしまったのだろうか。

       以下の文章は、アメリカの発表である

【ワシントン8日山本彰】ベオグラードの中国大使館が七日、北大西洋条約機構(NAT O)軍によって誤爆された原因についてコーエン米国防長官とテネットCIA長官は共同 の声明を八日に発表、「パイロットのミスでもなくメカニズムの問題でもなく、同大使 館が攻撃目標だったユーゴスラビアの兵器供給調達庁の建物だと誤認されたために起き たものだった」とし、情報機関による建物についての情報が間違ったものであった点を 認めた。

また「攻撃目標を再確認する大規模な作業によっても、この誤認は正されなかった」 と指摘した。攻撃目標確認に使われていたベオグラードの地図が、かなり以前のものだ ったとの情報や、同大使館と兵器調達庁が近い距離に建っていて同じような外見をした建 物で区別しにくかったとの分析もある。さらに両長官は、「調査の結果、こうした誤認 が再び起きることはまずあり得ないことも判明した」とし、今後もNATOは集中的に 空爆を続行することを同声明文で表明している。

しかし、最新の軍事衛星を有するNATO軍が、「地図が古かった」、「建物が似てい た」といった理由だけで攻撃目標を誤るもの だろうか。中国側はこの発表に納得できず、

故意に狙ったのではないにしろ、何か意図的 なものを感じているようである。

 今回の誤爆によって、中国国内にはアメリ

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カに対する批判が激しく、北京のアメリカ大使館の前で大規模なデモが行われるなど、

各地で抗議活動が行なわれている。

<2> 中国の核技術盗用疑惑

 5月20日、アメリカから驚愕すべき内容の報告書が発表された。その内容とは、中国 が過去20年にわたってアメリカの核技術を盗み続けていた、というものであった。

  【ワシントン20日山本彰】中国による米ロスアラモス核研究所などからの米核情報盗用 についての報告書をまとめている米下院調査特別委員会(クリストファー・コックス委 員長)は二十日までに、全員一致で中国が計画的に米核兵器のデザインを盗み続けてい たと結論した。十九日に行われた秘密上院報告会で同報告書の内容にアクセスできた関 係筋の情報をもとに、ニューヨークタイムズ紙(二十一日付)が報じたもの。この報告 書は来週に公表されるが、同紙によると、コックス委員長のブリーフィングに参加した 上院議員は、報告書内容は「放置できない深刻なもの」と表明している。

 同報告書は、中国が核情報スパイにより、その核兵器情報を一九五〇年代のものから、

最新のものに飛躍的に向上させ、現在では米国と同レベルの水爆兵器デザイン情報を保有 している、としている。また、中国による秘密の米兵器デザイン情報の取得は、二十年 間に渡る情報収集の積み重ねによるもので、共和党、民主党両政権にわたっている。さら に、米政府の武器研究所から盗まれた情報は、一つ一つが番号をふって整然と整理されて おり、その中には米で最も洗練されたデザインとされる核弾頭W88を含め、七種類の最 新型核弾頭についての極秘情報がある。

同報告書の内容説明を受けたトレント・ロット上院院内総務(共和党)は二十日、「余 りに恐ろしい技術流出に、後ろ髪が逆立つ思いだった。二十六年間の議員生活でこんな大 変な報告を見たのは初めてだ」とし、クリントン政権がロスアラモス研でのスパイ疑惑 に直ちに対処しなかったこと、コックス報告の公開をホワイトハウスが遅らせてきたこ とを批判した。

この発表に対し、中国側は事実を否認しているが、盗用の事実を否定できる納得のいく 説明はない。

一方、文章中にもあるように、何故いまさらになってこの報告書が発表されるのか、

といった疑問がわく。しかも、先日の大使館誤爆で関係が悪化しているこの時期に、だ。

今回の一件で、中米関係はますます悪化し、回復は困難との見解が一般である。両国間 の国交正常化はいつになるのであろうか。

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<3> 台湾をめぐる両国間の衝突

中国、アメリカ両国は、1979年に国交を結ぶ。そして両国はお互いにパートナーシ ップを築いていこうとしてきた。しかし、アメリカ側の台湾に対する政策が、中国側の アメリカに対する不満をよんでいる。

中国の英字紙チャイナ・デーリーは、国際問題専門家らの話として、米国が台湾を戦域 ミサイル防衛(TMD)構想に組み入れる場合、米中関係は両国の国交正常化以来初めて 大きく後退することになる、と警告する記事を掲載した。

 現代国際関係協会の世界軍備管理の専門家、Ouyang Liping 氏は、「台湾を(TMD に)加えることで、米国は台湾との事実上の軍事同盟を作り上げようとしている」とし た上で、TMDは新たな世界軍備競争を引き起こすだろう、との見方を示した。

台湾は、中国本土にしてみれば、反体制派でありつまりは「敵」に等しい。その「敵」

に対し、アメリカは中国側の意に反するような行動をとっている。このアメリカの行動 が中国側の不信感を煽っているのではないだろうか。

  **** 今後、両国の間はどうなっていくのだろうか ****

中国国民の間には、こうしたアメリカに対する警戒心というものが少なからず存在し 続けていた。ユーゴ空爆の際の中国大使館誤爆事件はそうした中国国民の心理に多大な影 響を与え、反アメリカ的な風潮がいっそう高まったように思われる。

一方、核技術盗用の発表により、アメリカ国民の間にも中国に対する批判的な感情が生 じているであろう。最早、両国間に生じた亀裂は政府間のレベルを越え、国民間のレベ ルに達しようとさえしている。

両国は共に大国である。そのため、この問題はアメリカ、中国の範囲を越えて全世界 の問題になる可能性さえ孕んでいる。世界が平和であり続けるためにも、この問題の早 急な解決を強く望む。

このレポート作成に際し利用したホームページのURL http://www.imcnews.com/kosovo/round2.html http://www.mainichi.co.jp

http://www.peopledaily.co.jp/j

t992976 工学部情報工学科 山田 憲

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