発行日 2010-12-25 引用 (7): 80-164 , ; TOKUNAGA, Yoshitsugu タイトル著者

 

タイトル 持戒清浄印信」の写本とその価値の変容 著者 徳永, 良次; TOKUNAGA, Yoshitsugu 引用 年報新人文学(7): 80‑164

発行日 2010‑12‑25

﹇論 文﹈

……… ﹁ 持 戒 清 浄 印 信

﹂ の 写 本

と そ の 価 値 の

は じ め に

﹁持 戒清 浄印 信﹂ は明 恵上 人が 二十 四歳 の建 久七 年に 紀州 白上

︵東 白上

︶に おい て 行に 専念 して いた 時期 の出 来事 を基 盤と して 成立 した もの であ る︒ この 由来 につ いて に詳 述さ れて いる こと であ るが_︵

１︶

︑一 言す ると

︑紀 州の 東白 上に おい て修 行中 の明 殊菩 薩が 現れ 持戒 清浄 の印 明を 授け られ たと され るも ので

︑そ の遺 跡に は義 林房 喜海 る銘 文が 建て られ た︵ 現在 は後 世の 石碑 に換 えら れて いる

︶︑ とい うも ので ある_︵

２︶

︒ この

﹁持 戒清 浄印 信﹂ につ いて の本 格的 な研 究は

︑管 見の とこ ろ一 九六 七年 に納 冨 脱門 義聴 集記 解題

﹄の 中で 触れ られ たも のが ある

︒こ の中 で︑ 納冨 氏は 称名 寺の 湛睿 りを 明ら かに して いく 上で 重要 な資 料と して

︑金 沢文 庫蔵 の﹁ 持戒 清浄 印明

﹂を 中心

印 信 が 湛 睿 に よ っ て 関 東 に 始 め て も た ら さ れ 広 く 鎌 倉 一 円 に 相 伝 さ れ た こ と に つ い て 詳 述 さ れ た

_︵

納 冨 氏 は さ ら に 一 九 八

〇 年 に ﹁ 持 戒 清 浄 印 明

﹂ そ の も の に つ い て 極 め て 詳 細 な 論 考 を 発 表 さ れ た ︒ 文 庫

︵ 称 名 寺

︶ の み な ら ず 京 都 高 山 寺 ︑ 東 寺 金 剛 蔵 ︑ 仁 和 寺 塔 中 蔵

︑ 叡 山 文 庫 ︑ 滋 賀 来 迎 寺 ︑ 鎌 倉 妙 寺

︑ 青 蓮 寺

︑ 横 浜 宝 生 寺 に 所 蔵 さ れ て い る 合 計 二 十 六 点 の ﹁ 持 戒 清 浄 印 明

﹂ 類 を 取 り 上 げ ︑ さ ら こ に 記 さ れ た 六 種 の 血 脈 も 紹 介 さ れ

︑ そ の 成 立 ︑ 内 容

︑ 写 本 お よ び 伝 授 の 系 統 ︑ そ の 後 の 流 行

・ 受 質 的 変 容 に つ い て 検 討 を 加 え ら れ て い る

_︵

４︶

︒ 田 中 久 夫 氏 は

︑ 金 沢 文 庫 蔵 の ﹁ 持 戒 清 浄 印 明

﹂ の 全 文 の 翻 刻 を 紹 介 さ れ

︑ 高 山 寺 本 ︵ 田 中 氏 は

﹁ 本 ﹂ と す る ︶ を 対 校 資 料 と し て 用 い て い る ︒ こ の 高 山 寺 本 は 田 中 氏 の 示 し た 奥 書 か ら 見 る に ︑ 高 山 経 蔵 に 所 蔵 さ れ て い る 第 四 部 第 一 四 八 函 ６７ 第

号 の

﹁ 持 戒 清 浄 印 信 ﹂ で あ る ︒ さ ら に 同 論 文 で は 納 冨 同 じ く ︑ こ の 印 信 の 成 立 ︑ 伝 授 に つ い て 詳 細 に 述 べ ら れ て お り

︑ 鎌 倉 時 代 以 降 ︑ 明 恵 上 人 に 対 す る と 伝 説 の 形 成 が 広 く 普 及 し て い っ た こ と を 明 ら か に さ れ た

_︵

５︶

︒ 両 氏 も 指 摘 さ れ て い る が

_︵

６︶

︑ こ れ ほ ど ﹁ 持 戒 清 浄 印 信

﹂ が 京 都 の み な ら ず 関 東 に ま で

︑ ま た ︑ 間 に わ た っ て 相 承 さ れ て い る に も 関 わ ら ず ︑ こ の 資 料 に 対 す る 全 体 的 な 研 究 は ま だ 途 上 の 感 が あ る え ば

︑ そ も そ も 明 恵 上 人 が 文 殊 菩 薩 か ら 授 け ら れ た 印 信 に つ い て の 確 実 な 記 録 は い ま だ 見 出 さ れ て い

_︵

７︶

︒ ﹁ 持 戒 清 浄 印 信

﹂ 本 文 ︑ 血 脈 等 に 見 え る 記 録 に よ れ ば ︑ 少 な く と も 明 恵 上 人 は 義 淵 房 霊 典 に 印 信 を 授 け た こ と が 記 さ れ て い る が

︑ そ れ を 補 強 す る 資 料 は 現 在 ま で に 見 出 さ れ て い な い の で あ る た ︑ こ の 印 信 を め ぐ る 伝 承 の 総 本 山 と も い え る 高 山 寺 に お け る こ の 資 料 の 網 羅 的 な 調 査 ・ 紹 介 も な て い な い の で あ る

︒ そ こ で

︑ 本 稿 で は ま ず 基 礎 的 な 作 業 と し て

︑ 先

行 研

究 で

扱 わ

れ て

い な

い 高

山 寺

け る

﹁ 持 戒 清 浄 印 信 ﹂ 関 係 資 料 を 網 羅 的 に 紹 介 し た い

︒ ま た ︑ こ の 資 料 群 が い か な る る か 検 討 を 加 え て い く

︒ さ ら に

︑ 中 世 末 か ら 近 世 に か け て の 高 山 寺 に お け る 価 値 の 変 て い き た い と 思 う

︒ 一

高 山 寺 に 現 存 す る

﹁ 持 戒 清 浄 印 信 ﹂ 高 山 寺 現 経 蔵 に は 管 見 の 限 り 次 の 三 十 三 点 の 資 料

︵ 関 連 資 料 も 含 む

︶ が 見 出 さ れ る 寺 に 所 蔵 さ れ て い る 聖 教 目 録 の 整 理 番 号 順 に 紹 介 し て お く

︒ 掲 載 の 基 準 は 書 名 ・

︵ 現 体 裁

・ 奥 書 等 の 記 事 と し た

︒ ﹁ 持 戒 清 浄 印 信

﹂ 関 係 資 料 の 内 容 を 詳 細 に 検 討 し て い く は 包 紙 と そ の 中 に 包 ま れ て い る 本 体 部 分 が 一 体 と な っ て 保 管 さ れ て い る も の も 多 く ︑ ら を 一 括 し て 登 録 し て い る の で あ る が ︑ 内 実 を 見 る と 書 写 者 や 伝 授

︵ 受

︶

^︵_８

の

︶

経 過 が が あ る の で あ っ て

︑ 基 本 的 に 現 在 の 番 号 と は 切 り 離 し て 別 番 号 を 与 え る こ と と し た ︒ ま た

︑ ほ ぼ す べ て の 資 料 に 血 脈 が 記 載 さ れ て お り 伝 授

︵ 受

︶ の 実 態 を 物 語 る も の と で ︑ 血 脈 に 関 し て は 原 則 と し て 省 略 せ ず に 記 載 す る ︒ ま た

︑ 高 山 寺 典 籍 文 書 綜 合 調 査 目 録 に 採 ら れ て い る 書 写 年 代 ・ 筆 者 と は 異 な る 場 合 が あ る

_︵

９︶

︒ 高 山

寺 現 存 ﹁ 持 戒 清 浄 印 信

﹂ 関

係 資

料 一

覧

１ 傳法 院流 諸次 第︵ 九一 函３

︶

﹇１

﹈ 梵網 菩薩 戒本 印傳 流

一帖

○江 戸時 代明 和頃 写︑ 折本 装枡 形︑ 墨界

︑無 点︑

︵血 脈︶ 血脈 事 明恵 上人

義林 上人

恵月 上人 恵林 上人

了月 上人

林明 上人 了恵 上人

禅証 上人

恵浄 上人 圓証 上人

栄済 法印

信厳 法印 宏盛 法印

弁智 上人 菊渕 顕証 義淵

上人

明悟 上人

圓証 上人 静基 上人

乗信 上人

憲伊 大徳 厳範

実憲

︵奥 書︶ 右一 帖都 賀尾 僧衆 本求 記之 写了

２

﹇２

﹈ 持戒 清浄 印信

傳流

一帖

○体 裁等

﹇１

﹈ニ 同ジ

︑但 シ血 脈ヲ 付ス

︑

︵血 脈１

︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

高弁 上人 霊典

盛遍

良含 了然

法圓

本地 善暁

玄海

湛叡 高恵

圓恵

賢為 杲宝

賢宝

融然 祐潤

榮済

信厳 宏盛

!怡

菊渕 顕証

本兼 性

︵奥 書︶ 応安 七年 八月 十五 日権 少僧 都賢 宝 右以 此大 事奉 授八 幡善 法寺 長老

実照 小人

畢 応永 廿二 年九 月九 日法 印権 大僧 都融 然

陀羅 尼受 持功 徳甚 深不 可思 議也 非今 所用 故 略之 別可 流布 已上 異本

○在 之

︵以 上本 奥書

︶

︵血 脈２

︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

栂尾 高弁

明恵 上人

栂尾 方便 智院

空達 上人

定真

方便 智院 玄密 上人

仁真

恵林 上人

経弁

了月 上人 十無 尽院

高経

同院 林明 上人

公弁

同禅 証上 人

高祐

神尾 恵浄 上人

定秀

円証 上人

然経

高雄 密蔵 院法 印

榮済

仁和 寺心 蓮院 法印

信厳

宏同 法印

盛

同法 印改 真性

!怡

栂尾

菊渕

顕証

元兼 性

辨智

栂尾 田中 坊 栂尾 覚薗 院池 霊坊 典

義淵 上人

同院 明悟 上人

盛遍

東山 白毫 院円 光

良含

吉水 円龍 寺道 海上 人

了然

法円

上人

本地

上人

善暁

上人

行願 房上 人

玄海

湛睿

本如 上人 如仙

上人

高恵

円恵

延文 六正 十一 日授 之

賢為

東寺 観智 院法 印

杲寶

康安 元十 一十 三 同院

賢寶

融然

法印 高雄

普賢 院法 印

祐潤

同密 蔵院 法印

栄済

心蓮 院法 印

信厳

同院

宏盛

同院

!怡

栂尾

菊渕 顕証

八幡 善法 寺長 老

實照

同長 老

慈雄

歓喜 院法 印

宗秀

!怡 菊渕

顕証

︵マ マ︶

雖印 信一 致示 相承 之異 示

寛永 七年 九月 廿四 日記 之 金剛 仏子 顕証

︵以 上本 奥書

︶ ３

持戒 清浄 印信

︵一 一七 ５９函

︶ 一冊

○江 戸時 代初 期写

︑静 守︵ 孝源

︶筆

︑袋 綴装

︑朱 点︵ 仮名

︑ヲ コト 点・ 円堂 点︑ 江戸 初期

︶︑ 墨

︵仮 名︑ 江戸 初期

︶︑

︵表 紙右 下︶

﹁静 守﹂

︵外 題︶ 持戒 清浄 印信

栂尾

二之 内

︵血 脈１

︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

高弁 上人

覚薗 院義 渕上 人

霊典

同院 明悟 上人

盛遍

良含 了然

法圓

本地 善暁

玄海

湛叡 高恵

圓恵

賢為

東寺 観智 院

杲宝

賢宝

融然 祐潤

榮済

信厳

心蓮 院法 印 順兼 上人 心蓮 院法 印

宏盛

!怡

心蓮 院法 印

菊渕

岩本

顕証

本兼 性

︵血 脈２

︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

栂尾

明恵 上人

高弁 栂尾

方便 智院 東坊 定真

空達 上人

方便 智院 玄密 上人

仁真

十無 尽院 恵林 上人

経弁

了月 上人 十無 尽院

高経

同院 林明 上人

公弁

同院 禅証 上人

高祐

神尾 恵浄 上人

定秀 然円

証上 人

経

高雄 密蔵 院法 印

榮済

仁和 寺心 蓮院 法印

信厳

同法 印宏

盛

同法 印改 真性

!怡

栂尾菊 渕

顕証

元兼 性 栂尾 田中 坊

辨智

上人 栂尾 覚薗 院池 霊坊 典

義淵 上人

同院 明悟 上人

盛遍

東山 白毫 院円 光

良含

上人 吉水 円龍 寺

了然

道海 上人

法円

上人

本地

上人

善暁

上人

行願 房

玄海

上人

本如 上人

湛睿

如仙 上人

高恵

円恵

延文 六正 十一 日受 之

賢為

東寺 観智 院法 印

杲寶

康安 元十 一十 三 於観 智院 受之

同院

賢寶

融然

法印 高雄 普賢 院法 印

祐潤

同密 蔵院 法印

栄済

心蓮 院法 印

信厳

同院

宏盛

同院

!怡

栂尾

菊渕 顕証

元兼 性 八幡 善法 寺長 老

實照

上人

同長 老

慈雄

歓喜 院法 印

宗秀

心蓮 院

!怡

栂尾

菊渕 顕証

︵奥 書︶ 重受

雖印 信一 致示 相承 之異 于寛 永七 年九 月廿 四日 記之

金剛 仏子 顕証

︵以 上本 奥書

︶ ４

梵網 菩薩 戒本 印明 印︵ 一四 八函 ６４︶

一巻

○室 町時 代永 享九 年写

︑真 祐筆

︑巻 子本

︑墨 界︑ 墨点

︵仮 名︑ 返点

︑室 町

︵端 裏下

︶栂 地第 一箱

︵新 補表 紙外 題下

︶

﹁当 山上 人対

二本 文殊 大聖 授ク

給等 也極 秘云 々﹂

︵血 脈︶ 血脈 事

義林 上人

恵月 上人

恵林 上人

了月 上人 明恵 上人

義淵 上人

明悟 上人

圓証 上人

静基 上人 乗信 上人

憲伊 大徳

厳範

実憲 林明

上人

了恵 上人

禅証 上人

恵浄 上人

乗意 上人 真祐

圓証 上人

然経

栄済 信厳 竺譽 弁助 禅雅

︵奥 書︶ 永享 九年 十月 朔日 以尾 崎御 坊本 書写 之 真祐

※ 明恵 上人 から 真祐 まで 一筆

︵以 上︑ 真祐 筆︶

︑圓 証か ら竺 譽ま で一 筆︵ 以上

︑竺 譽筆 弁助

禅雅

︑一 筆︵ 以上

︑禅 雅筆 カ︶ ５

梵網 菩薩 戒本 印明 印︵ 一四 八函 ６５一

巻

○室 町末 期写

︑巻 子本

︑墨 点︵ 仮名

︑返 点︑ 江戸 初期

︶︑

︵外 題︶

﹁梵 網経 戒大 事也

秘本

﹂

︵端 裏︶ 栂地 第三 箱

︵別 筆︶ 地蔵 院

︵血 脈︶ 血脈 事

義林 上人

恵月 上人

恵林 上人

了月 上人 明恵 上人

義淵 上人

明悟 上人

圓証 上人

静基 上人 乗信 上人

憲伊 大徳 厳範 実憲

林明 上人

了恵 上人

禅証 上人

恵浄 上人

﹁乗 意上 人﹂

︵擦 消︶ 圓証

上人

然経

栄済 信厳

﹁竺 譽／ 八十 八才

﹂︵ 宏盛

弁智 秀智 菊渕 宥厳 顕証

※ 明恵 上人 から 信厳 まで 一筆

︑宏 盛以 後別 筆 ６

梵網 菩薩 戒本 印明 印︵ 一四 八函 ６６︶

一通

○江 戸初 期写

︑折 紙︑ 墨点

︵仮 名︑ 江戸 初期

︶︑

︵外 題︶

﹁梵 網経 戒大 事 秘本

﹂

︵血 脈︶ 血脈 事

義林 上人

恵月 上人

恵林 上人 明恵 上人

義淵 上人

明悟 上人

圓証 上人 静基 上人

乗信 上人

憲伊 大徳 厳範

実憲 了月

上人

林明 上人

了恵 上人

禅証 上人 恵浄 上人

圓証 上人 栄済 信厳 宏盛 弁智 菊渕 真盛 俊怡

※ 宏盛 弁智 一筆

︑菊 渕以 後別 筆︑ ７

持戒 清浄 印信

︵一 四八 ６７函

︶ 一巻

○江 戸時 代正 保四 年写

︑永 弁筆

︑巻 子本

︑朱 点︵ ヲコ ト点

・円 堂点

︑江 戸初 期︶

︑墨 点 名︑ 江戸 初期

︶︑

︵外 題︶

﹁持 戒清 浄印 信梅

尾相 承事 正保 年中 進﹂

︵端 裏外 題︶

︵朱 書︶ 菩薩 戒印 明ト 書タ ル印 信モ アリ

︵血 脈︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

高弁 上人

︵朱 書︶ 覚薗 院義 渕上 人

霊典

︵朱 書︶ 同院 明悟 上人

盛遍

良含

了然

法圓

本地 善暁

玄海

湛叡 高恵

圓恵

賢為

︵朱 書︶ 東寺 観智 院

杲宝

賢宝

融然 祐潤

榮済

信厳

︵朱 書︶ 心蓮 院法 印

︵朱 書︶ 順兼 上人 心蓮 院法 印

宏盛

!心 蓮院 法印

怡

菊岩

渕本

︵朱 書︶ 心蓮 院僧 正

宥厳

永弁

︵文 中識 語︶ 正和 三年

甲 寅太

神宮 参﹇

﹈ 之時 令寄 宿伊 勢國

﹇

﹈ 保庄 地蔵 堂于 時閏 三月 二日

酉 剋対

彼寺 主行 願 房玄 海上 人奉 伝受 右印 明之

末資 湛﹇

﹈

︵以 上本 奥書

︶

︵巻 末血 脈︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

栂尾

明恵 上高

人弁

栂尾 方便 智院 定真

空達 上人

方便 智院 玄密 上人

仁真

十無 尽院 恵林 上人

経弁

十無 盡院 了月 上人

高経

同院 林明 上人

公弁

同院 禅証 上人

高祐

神尾 恵浄 上人

定秀

然円 証上 人

経

高雄 密蔵 院法 印

榮済

仁和 寺心 蓮院 法印

信厳

宏同 法印

盛

同法 印改 了性

!怡

栂尾 田中 坊

辨智 上人

栂尾 岩本

菊渕

心蓮 院僧 正

宥厳 永弁

栂尾 覚薗 院池 坊霊 典

義淵 上人

同院 明悟 上人

盛遍

東山 白毫 院円 光

良含

吉水 円龍 寺

了然

道海 上人

法上

円人

本上

地人

善暁

上人

行願 房上 人

玄海

湛本 如上 人

睿

如仙 上人

高恵

円恵

延文 六正 十一 日受 之

賢為

東寺 観智 院法 印

杲寶

康安 元十 一十 三 於観 智院 受之

同院

賢寶

融然

法印 高雄 普賢 院法 印

祐潤

同密 蔵院 法印

栄済

心蓮 院法 印

信厳

同院

宏盛

同院

!怡

菊渕

栂尾 岩本 房

宥厳

心蓮 院僧 正

永弁

八幡 善法 寺長 老

實照

同長 老

慈雄

歓喜 院法 印

宗秀

心蓮 院 无!

文怡

菊渕

宥厳 永弁

︵奥 書︶

雖印 信一 致示 相承 之 矣 于時 寛永 七年 九月 廿四 日 記之

金剛 仏子 顕証

︵以 上本 奥書

︶ 正保

四年 十月 廿八 日以 顕証

予

御房 本写 之了 同日

!顕 証阿 闍梨 校合 了 末資 永弁 ８

持戒 清浄

︵私

一四 八函 ６８︶

一通

○江 戸時 代寛 文五 年写

︑折 紙︑ 片仮 名交 リ文 ヲ含 ム︑

︵奥 書︶ 文明 年号 至寛 文五 年百 八十 年歟 ９

持戒 清浄 口決 包紙

︵一 四八 ７５函

﹇１

﹈︶ 一紙

○江 戸末 期写

︑慧 友筆

︑

︵表 紙︶

︵梵 字︶

﹁vaivi

﹂

持戒 清浄 口決 慧友 １０

持戒 清浄 印信 包紙

︵一 四八 ７５函

﹇２

﹈︵ 一︶

︶ 一紙

○室 町末 期写

︑菊 渕筆

︵表 書︶

﹁持 戒清 浄印 信以

栄済 法印 筆跡 写之 了

菊淵

卅二 才

﹂

︵内 書︶ 大聖 文殊 告曰 口伝 而末 代四 部弟 子破 戒ナ

故ル

此持 戒清 浄秘 印汝 授ニ

也世 間流 布シ

有テ

情利 益ス ヘシ

此 戒ハ

仏性 無漏 之三 广耶 戒 秘印 明也 紀州 白上 峯松 木本

ニテ

親大 聖文 殊菩 薩 影向 アリ テ明 恵上 人授 被申 畢

・文 殊

明恵 上人

高弁

義林 上人

喜海

空達 上人

定真

仁玄 密上 人

真

経恵 林上 人

弁 然経 上人 栄済 信厳

宏盛

!_︵

怡︶

然経 以上 血脈 之墨

ヲハ

予門 付之 了後 世可 云詞 其覚 者也 秘蔵 之 右印 信高 雄密 蔵院 栄済 法印 手跡 也信 厳法 印 已来 之以 宏盛 法印 之記 予書 加之 １１

持戒 清浄 印信

︵一 四八 ７５函

﹇２

﹈︵ 二︶

︶ 一通

○室 町末 期写

︑信 厳筆 カ︵ 菊渕 血脈 加筆

︶︑

﹁高 山之 寺／ 十無 尽院

﹂複 廓褐 色方 印︑ 竪紙

︵末 尾︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

明恵 上人

義渕 房

明悟

盛遍 上人

円光

良含 上人

了然 上人 法円 上人

本地 上人

善暁 上人

行願

玄海 上人

湛叡

本如 上人

高恵

如仙 上人 円恵 賢為 杲宝 賢宝 融然 祐潤 栄済 信厳

○栄 済

宏盛

!怡 菊渕 文明 二年 八月 廿五 日於 高雄 密蔵 院心 蓮院 僧都 御房 奉授 筆能 々可 秘ゝ ゝ

沙門 栄済

判

※ 小書 の﹁ 栄済

﹂か ら菊 渕ま で菊 渕筆 １２

持戒 清浄 印信 包紙

︵一 四八 ７５函

﹇３

﹈︵ 一︶

︶ 一紙

○室 町時 代天 文元 年写

︑宏 盛筆

︑

︵奥 書︶ 凡此 文言 如本 之印 信之 嚢紙 写之 了 天文 元壬 辰年

十二 月五 日 金剛 宏盛 １３

持戒 清浄 印信

︵一 四八 ７５函

﹇３

﹈︵ 二︶

︶ 一通

○室 町時 代天 文元 年写

︑宏 盛筆

︑竪 紙︑

︵末 尾︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

明恵 上人

定真

仁真

経弁 高経

公弁

高祐

定秀

然経

栄済

信厳 宏盛

弁智

﹁_︵

別筆

︶

秀智

﹂ 天文 元壬 辰年

十二 月五 日於 栂尾 観海 院住 坊授 与弁 智畢 沙門 宏盛

︵花 押︶

︵端 裏︶

︵別 筆︶ 文禄 二年 潤九 月廿 一日 明俊 房秀 智授 与畢 善財 院弁 智八 十八 才

１４ 持戒 印信 包紙

︵一 四八 ７５函

﹇４

﹈︵ 一︶

︶ 一紙

○桃 山時 代天 正十 五年 写︑ 弁智 筆︑

︵端 裏︶

︵朱 筆︶ 栂地 第二 箱

︵奥 書︶ 凡此 文言 如本 之印 信之 嚢紙 写之 畢 天文 元壬 辰年

十二 月五 日 金剛 宏盛 天正 十五 年丁 亥卯

月廿 八善

財院

日上 人弁 智︵ 花押

︶ １５

持戒 清浄 印信

︵一 四八 ７５函

﹇４

﹈︵ 二︶

︶ 一通

○桃 山時 代天 正十 五年 写︑ 弁智 筆︑ 竪紙

︑

︵末 尾︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

明恵 上人 定真 仁真 経弁 高経 公弁 高祐 定秀 然経 栄済 信厳

宏盛 弁智

准后 義性 天正

十五 年丁 亥卯

月廿 八日

畢宿 金曜

於 大覚 寺殿 御道 場奉 授与 准后 義_︵

性︶

訖

沙門 弁智

︵花 押︶ １６

持戒 清浄 印信 血脈

︵一 四八 ７５函

﹇４

﹈︵ 三︶

︶ 一通

○江 戸中 期写

︑密 弁筆

︑折 紙︑

﹁明 恵上 人伝 記﹂ 抜書 アリ

︑

︵血 脈本 文︶ 持戒 清浄 印信 血脈 文殊

明恵 上人

方便 智院 定真

空達 上人

同院 玄密 上人

仁真

十無 盡院 恵林 上人

経弁

同院 了月 上人

高経

同院 林明 上人

公弁

同院 神証 上人

高祐

神尾 恵浄 上人

定秀

円証 上人

然経

高雄 密蔵 院法 師

栄済

仁︱ 心蓮 院

信厳

同院

宏盛

!怡

同院 法印 改真 性

ーー

弁智 栂尾 田中 房

菊渕 顕証 右以 法性 房本 写之 孝源 覚音 如密 快詠

空証

栄運

○義 淵 盛遍 良含 了然 法圓 本地 善暁 玄海 湛睿 高恵 円恵 賢為 杲宝 賢宝 融然 祐潤 栄済

信厳 宏盛

!怡 菊渕 顕証 孝源 覚音 如密 実_︵

照︶

慈_︵

雄︶

宗_︵

秀︶

!_︵

怡︶

菊_︵

渕︶

顕証 右顕 証ノ 記 密弁

１７ 持戒 清浄 印信 包紙

︵一 四八 ７５函

﹇５

﹈︵ 一︶

︶ 一紙

○桃 山時 代慶 長二 年写

︑弁 智筆

︑﹁ 高山 之寺

／十 無尽 院﹂ 複廓 褐色 印︑

︵奥 書︶ 慶長 二年 九月 十八 日授 与菊 渕畢 弁智 １８

持戒 清浄 印信

︵一 四八 ７５函

﹇５

﹈︵ 二︶

︶ 一通

○桃 山時 代慶 長二 年写

︑弁 智筆

︑﹁ 高山 之寺

／十 無尽 院﹂ 複廓 褐色 印︑

︵末 尾︶

︵血 脈︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

明恵 上人 定真 仁真 経弁 高経 公弁 高祐 定秀 然経 栄済 信厳 宏盛 弁智 菊渕 慶長

二年 九月 十八 日授 与菊 渕畢 沙門 弁智

︵花 押︶

１９ 持戒 清浄 印信 包紙

︵一 四八 ７５函

﹇６

﹈︵ 一︶

︶ 一紙

○桃 山時 代慶 長二 年写

︑弁 智筆

︑﹁ 高山 之寺

／十 無尽 院﹂ 複廓 褐色 印︑

︵外 題︶ 持戒 清浄 印信

︵表 書︶ 内ニ 受法 闍梨 作法 阿字 観作 法

︵奧 書︶

︵末 尾︶ 慶長 二年 九月 十八 日授 与菊 渕畢 弁智

︵別 筆︶ 元和 七年 十一 月九 日授 与俊 意畢 菊渕 ２０

持戒 清浄 印信

︵一 四八 ７５函

﹇６

﹈︵ 二︶

︶ 一通

○江 戸時 代元 和七 年写

︑菊 渕筆

︑竪 紙︑

﹁高 山之 寺／ 十無 尽院

﹂複 廓褐 色印

︑

︵末 尾︶

︵血 脈︶ 血脈 文殊 師利 菩薩

明恵 上人 定真 仁真