情報不完備なゲーム
2016年 6月27日
1 図 4-1 :強いタイプ
( -2 , 1 )
( 2 , 3 )
( 0 , 5 ) B
A B A
参入する
参入しない
阻止
共存
注意:括弧内の利得の順番はB,Aになっています。
2 図 4-2 :弱いタイプ
( 1 , 1 )
( 3 , 3 )
( 0 , 5 ) B
A
阻止
共存 参入する
参入しない
3 図 4-3: 強いタイプ、弱いタイプの合体
( 0 , 5 )
( 1 , 1 )
( 3 , 0 ) ( -2 , 1)
( 2 , 3 )
( 0 , 5 ) 自然
1/2で強いタイプ
1/2で弱いタイプ
参入しない
参入しない 参入する
参入する
阻止
共存 阻止
共存 r
r-1 B
A
補足:2つのどちらのタイプに行くかを決める点を自然という。
図4-3において、自然より上の行動を強いタイプとする。
また、自然より下の行動を弱いタイプとする。
次に、上記のゲームの木による表現を利得行列にします。
B\A 共存 阻止
参入する-参入する (3,2),1.5 (1,2),1 参入する-参入しない (3,0),0 (1,0),1 参入しない-参入する (0,2),3 (0,-2),1
注意:行列内の利得は、(B1,B2),Aという順番で並べられている。
また、Aの利得は、強いタイプにおける利得と、弱いタイプにおける 利得を用いた期待利得である。
これより、上記のゲームの木による表現より、参加する-参加する・参加する- 参加しない・参加しない-参加するの各信念を(1/2,1/2)・(1,0)・(0,1)とする。
以上の情報より、それぞれの行動が完全ベイジアン均衡になっているかを調 べる。
完全ベイジアン均衡の定義
1:各情報集合において、その情報集合に該当するプレイヤーが、その後の他 のプレイヤーの戦略を所与としたうえで、与えられた信念のもとで期待利得 を最大にする行動をとる。
2:各プレイヤーの戦略に基づくその情報集合に到達するまでの行動とその情 報集合における当該プレイヤーの信念が、整合的になる。
参加する-参加する
Aは共存、Bは両タイプで参入する、信念(1/2,1/2) よって、
(3,2),1.5・(1/2,1/2)となる。
なので、完全ベイジアン均衡である。
参加する-参加しない
Aは阻止、Bは強いタイプで参入する、弱いタイプで参入しない、信念(1,0) よって、
(1,0),1・(1,0)となる。
なので、完全ベイジアン均衡である。
参加しない-参加する
Bが強いタイプで参入しないを選択しているため、整合的でない。よって、
完全ベイジアン均衡でない。
練習問題
A\B B1 B2
A1 4,3 0,2
A2 1,2 2,1