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原位置の環境を保持した地下水採水手法の高度化に関する提案

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Academic year: 2022

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原位置の環境を保持した地下水採水手法の高度化に関する提案

㈱大林組 正会員 ○安藤賢一,正会員 田中達也,正会員 下嶋隆史 正会員 長井千明,正会員 瀬戸彩子 原子力発電環境整備機構 正会員 三和 公 財団法人電力中央研究所 正会員 近藤 浩文 大成基礎設計㈱ 小川 賢

1.はじめに

放射性廃棄物の地層処分では,地下施設建設時の湧水量の把握とその対策,地下施設閉鎖後の核種移行評価 を行う際に,地下水流動を評価することが重要となる.地下水流動を評価するには,地形,地質構造,間隙水 圧及び透水係数等の定量的な情報が必要である.さらに,岩盤中の地下水の滞留時間を評価するためには地下 水年代を把握することが重要であり,核種移行においては,地下水の酸化還元電位(Eh)や水素イオン濃度

(pH)等が入力値となることから原位置の地下水化学組成データを取得することも重要である.これらの情 報を得るには地下に存在する水を“そのまま”採取することが望ましい.本報告では,これまでに開発されて きた採水技術のいくつかを例示した後,新たな採水手法の提案を行う.

2.採水技術とその特徴

地下水の採水手順は,パッカー拡張により採水区間を設定しボーリング孔掘削に用いた掘削水の影響を最小 限にするために揚水を行い,掘削水を排除した後に採水を行うことが一般的である.採水方法は,その特徴に よって,地表での採水と原位置での採水に大別できる.

地表での採水は,ポンプにより揚水された地下水を地表で採水するもので,簡便にかつ大量の採水が可能で ある.しかし,大気圧下での採水であるため,地下水中の溶存ガス量や酸素に触れることで影響されるRedox pairのような化学組成取得には,不適である.また,低透水性岩盤への適用において地下水を大量に揚水が出 来ない場合,採水区間から地表までの配管に含まれる地下水でない水を排除することに時間を要する.

原位置での採水は,地下水環境とほぼ同一の環境において採水が可能である一方,採水量の制約を受けると ともに特殊な採水機器が必要である.その他,コアの間隙中に含まれる地下水を圧縮抽水する方法もある.

以下,これまでに国内で開発された原位置の地下採水装置の概要を示す.

①ピストン式採水器は,採水器の外筒をスライドさせることにより採水部を密閉し地下水を被圧不活性状態 で採水できる装置である.採水原理は,図1に示す A 室に圧力を送り込むことによりピストン構造の駆 動部と連動し外筒がスライドする。スライドした外筒が採水部である B 室を密閉し地下水を取り込むも のである.

②後藤他(2008)による希ガスサンプラーは,ケーシング内にワイヤーで希ガスサンプラーを昇降し,被圧不 活性状態で地下水を採水できるシステムである.採水原理は,ワイヤーの先端に希ガスサンプラーを取り 付け,採水ポート開放状態で任意の深度まで降下させる.その後,重りをワイヤーに沿って自由落下させ,

重りとサンプラーの衝突による衝撃により採水ポートを閉鎖し,銅管内に地下水を採水するものである.

キーワード 原位置試験,孔内採水,ボーリング

連絡先 108-8502 東京都港区港南2-15-2 ()大林組東京本社原子力本部原子力環境技術部 TEL03-5769-1309 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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CS7‑059

(2)

パッカー直上採水用バルブ 採水部加圧ブロック

採水部(JFTロッド

 長さ任意調整 容量1L/1m

採水バルブブロック バルブユニット

手動バルブ

ブルドン管式圧力ゲージ

手動バルブ

送圧用チューブ

圧力源

ブルドン管式圧力ゲージ

抽出用チューブ

採水容器

手動バルブ チャンバータンク

圧力

圧力室

駆動部 採水部

外筒

駆動部 採水部

地下水

圧力室に圧力を加えることにより外筒がスライド

スライドが完了し地下水を封入

図 1 ピストン型採水装置

図 2 希ガスサンプラー 3.原位置における新たな採水方法の提案

上述の採水装置は,ボーリング孔内の採水を任意の回数実施でき,かつ採水を失敗した際にやり直せるメリ ットがあるが,ボーリング孔内の水を混合させる可能性がある.本報告で提案する採水方法は,採水前に実施 する水理試験装置の一部を改良し水理試験区間の直上において地下水を採取する方法である.最も掘削水の影 響がない採水対象区間直上の水を採水すること

に主眼をおいて,水理試験装置のバルブユニット を下端に配し,その直上に接続するJFTロッドの 上端にバルブユニットを追加し,JFTロッドの両 端を閉鎖することで採水できるシステムとした.

この方法は,原位置地下水採水において専用の採 水装置を水理試験装置内に降下させる必要がな く,低透水性の岩盤でも有効と考えられる.この 方法で採水した地下水は,地上で大気開放して地 下水を採取するが,地上での採水方法を改良する ことにより不活性状態の地下水を採水すること

も可能である.採取方法の概念を図 3 に示す.

図 3 パッカー直上採水装置 4.まとめ

本報告で紹介した複数の採水方法については,その特徴を十分に理解した上で調査の目的や地質環境に応じ て採水方法を選定することが望ましい.ここで提案した採水方法を改良することにより希ガス試料の採水への 適用も可能である.なお,提案した採水方法は,原子力発電環境整備機構と電力中央研究所が共同研究で実施 している「概要調査に向けた地質環境の調査技術・評価手法の実証」において,地上採水とともに提案した採 水方法を適用し,採水できることを確認した.

参考文献

後藤他 小孔径井戸に対する被圧不活性採水器の開発,日本地下水学会,秋季講演会講演要旨 2008.11 國丸他 原位置地下水の物理化学パラメータモニタリング装置および封圧採水の結果について,日本地下水学 会,秋季講演会講演要旨 2005.10

三和他 概要調査に向けた地質環境の調査技術・評価手法の実証(その1) 土木学会第64回年次学術講演 会 講演概要集 2009.9

AB

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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CS7‑059

参照

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