九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
microRNA-875-5p plays a critical role for mesenchymal condensation in epithelial- mesenchymal interaction during tooth development
鮒田, 啓太
http://hdl.handle.net/2324/4110456
出版情報:九州大学, 2020, 博士(歯学), 課程博士 バージョン:
権利関係:(C) The Author(s) 2020. This article is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License,
(様式3)
氏 名 :鮒田 啓太
論 文 名 :microRNA-875-5p plays a critical role for mesenchymal condensation in epithelial-mesenchymal interaction during tooth development
(microRNA-875-5p は歯の発生において上皮―間葉相互作用における間葉
細胞の凝集に重要な役割を果たす)
区 分 :甲
論 文 内 容 の 要 旨
上皮−間葉相互作用は、肺、腎臓、毛、唾液腺および歯といった様々な器官の発 生に重要であり、これらの器官は、上皮の肥厚および間葉細胞の凝集という共通 のイベントを経て、様々なシグナル経路により発生制御が行われている。歯にお いては、神経堤細胞から分化した歯原性間葉細胞の凝集に PDGF シグナルが関 与することが知られているがその詳細は不明である。今回我々は、歯における上 皮 − 間 葉相 互 作用 の 分 子 メカ ニ ズ ム を 解明するた め、 cap analysis of gene
expression (CAGE) 解析を用いて歯に特異的に発現している転写開始点を網羅的
に検索した。その結果、クロモソーム 15qD1 領域に、歯に特異的な転写開始点 を発見し、同部位からmicroRNA-875 (miR875)が転写されている可能性を見出し た。そこで、胎生11日齢 (E11)から生後7日齢マウス歯胚よりtotal RNAを抽 出し、発現解析を行ったところ miR875-5p は発生初期の歯胚間葉細胞に発現し ていることが判明した。さらに、Luciferase assayにて歯胚の形態形成に関与して
いる Prrx1/2 が mir875 のプロモーター領域に結合し転写を促進している可能性
を示した。次に、miR875-5pの歯胚間葉細胞における機能を解析するため、マウ ス歯原性間葉細胞株(mouse dental pulp cell : mDP cell)にmimic miR875-5pを遺 伝子導入したところ、歯胚上皮細胞への遊走がみられ、PDGF添加により相乗的 に遊走能が亢進することを発見した。さらに、miR875がPDGFシグナルに抑制 的に作用する PTEN、および細胞遊走に影響を与えていることが知られる Stat1 の発現を抑制していることを解明した。これらの結果から、miR875は歯の発生 初期に特異的に発現し、PDGFシグナル経路を活性化し、間葉細胞の凝集を誘導 することで、上皮−間葉相互作用を制御している可能性が示唆された。