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駒澤大学佛教学部論集 18 009伊藤 秀憲「『正法眼蔵抄』口語訳の試み : 仏性(七)」

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Academic year: 2021

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(1)

Komazawa University 『

i

ω

i

Kom 三1z三1w三1 Umversrty 第 八 段                 ( 1 )                           ( 2 …                           … 2 )   杭 州 塩 官

安 国 師 、 馬 祖 下 の 尊

宿

な り 。 ち な み に

に し め し て い は く 、 一 切 衆 生 有 仏 性 。                 ( 3 )   い は ゆ る 一 切 衆 生 の 言 、 す み や か に

究 す べ し 。 一 切 衆 生 、 そ の 業 道 依 正 ひ と つ に あ ら ず 、 そ の 見 ま ち ま ち な り 。                                                     ( 4 )   凡 夫 ・ 外 道 ・ 三 乗 ・ 五 乗 等 、 お の お の な る べ し 。 い ま 仏 道 に い ふ 一 刧

生 は 有 心 老 み な 衆 生 な り 、 心 是

生 な る が               ( 5 )   ゆ へ に 。 無 心 者 を な じ く 衆 生 な る べ し 、 衆 生 是 心 な る が ゆ へ に 。 し か あ れ ぽ 、 心 み な こ れ 衆 生 な り 、 衆 生 み な こ れ   ( 6 )   有 仏 性 な り 。 草 木 国 土 こ れ 心 な り 。 心 な る が ゆ へ に

生 な り 、

生 な る が ゆ へ に

仏 性 な り 。 日 月 星 辰 こ れ 心 な り 。                                                                                             ( 7 )   心 な る が ゆ へ に

生 な り 、 衆 生 な る が ゆ へ に 有 仏 性 な り 。 国 師 の 道 取 す る 有 仏 性 、 そ れ か く の ご と き な り 。 も し か   く の ご と く に あ ら ず は 、 仏 道 に 道 取

る 有 仏 性 に あ ら ざ る な り 。 い ま 国 師 の 道 取

る 宗 旨 は 、 一 切

性 の み   な り 。 さ ら に

生 に あ ら ざ ら む は 、

性 に あ ら ざ る べ し 。 し ば ら く 国 師 に と ふ べ し 、 一 切 諸 仏 有 仏 性 也 無 。 か く                             ヰ   の ご と く 問

し 、 試 験 す べ ぎ な り 。 一

生 即 仏

と い は ず 、 一 切 衆 生

仏 性 と い ふ と 参 学 す べ し 。 有 仏 性 の

、   ま さ に 脱

べ し 。 脱 落 は 一

鉄 な り 、 一 条 鉄 は

な り 。 し か あ れ ば 、 一 切 仏 性

衆 生 な り 。 こ れ そ の 道 理 は 、   衆 生 を 説 透 す る の み に あ ら ず 、 仏 性 を も 説 透 す る な り 。 国 師 た と ひ 会 得 を 道

に 承

せ ず と も 、 承 当 の 期 な き に あ                                                                         ( 8 )   ら ず 。 今 日 の 道 得 い た づ ら に 宗 旨 な き に あ ら ず 。 又 、 自 己 に 具 す る 道 理 、 い ま だ み つ か ら 会

せ ざ れ ど も 、 四 大     ( 9 )                                                                                         ( 10 )   五

も あ り 、 皮 肉 骨 髄 も あ り 。 し か

る が ご と く 、 道 取 も 一 生 に 道 取 す る こ と も あ り 、 道 取 に か か れ る 生 生 も

り 。 駒 澤 大 學 佛 教 學 部 論 集 第 十 八 號   昭 和 六 十 二 年 十 月 一 九 三

(2)

『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) 仏 言 ハ 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 ト ア リ 、 是 ハ 一 切 衆 生 有 仏 性 ト ア リ 、 只 悉 ノ 文 字 ノ 略 シ タ ル 許 ニ テ コ ソ ア レ 、 不 レ 違 二 仏 膏 旦 但 仏 祖 ノ 皮 肉 ノ                                 ル 所 レ 通 不 レ 始 二 于 今 → 三 世 諸 仏 六 代 祖 師 未 レ 云 事 有 ト テ 、 先 師 如 二 三 世 諸 仏 説 法 之 儀 式 → 我 今 亦 如 γ 是 説 二 無 分 別 法 一 ト 被 レ 仰 先 師 ノ 御 詞           シ ヤ ク ソ ン   サ ウ ト ナ ル 時 ハ 、 釈 尊 ハ 蔵 身 ス 、 故 如 レ 此 被 レ 示 也 、 今 儀 不 レ 可 レ 違 レ 之 歟 、 国 師 ノ 一 切 衆 生 有             シ ヤ グ ソ ン 仏 性 ノ 道 理 ニ テ 釈 尊 ハ 悉 有 仏 性 ノ 仏 言 モ 被 ン         ノ へ ( 一 六 〇

b

) 演 ト モ 可 二 心 得 一 歟 、 四 祖 五 祖 ノ 問         エ ン 答 ノ 道 理 ヲ ウ ケ テ 、 迦 葉 釈 尊 等 モ 今 ノ 道 理 ヲ ノ ヘ タ マ ウ 演 給 也 ト 云 程 ノ 儀 ナ リ 、 又 一 切 衆 生 言、 ス ミ       サ ン キ ウ ヤ カ ニ 参 究 ス ヘ シ ト 云 云 、 実 一 切 衆 生 ト ア レ ハ ト テ 、 倉 卒 二 我 等 力 見 解 ノ 如 ク 不 レ 可 二 心 得 → 国 師 道 取 ノ 一 切 衆 生 ノ 言 能 能 参 究 ス ヘ シ ト ナ リ 、 故 今 仏 道 二 云 一 切 衆 生 ハ ト テ 、 委 被 レ 釈 レ 之、 尤 此 儀 二 可 二 落 居 一 也 所 詮 一 切 衆 生 有 心 無 心 衆 生 是 心 等 サ マ サ マ 被 レ 演 レ ト モ 、 只 所 詮 前 後 シ ト カ ク 入 チ カ ヘ ラ レ タ レ ト モ 、 是 皆 於 二 仏 性 上 一 ノ 談 ト 可 二 心 得 一 也 、 故 衆 生 皆 是 仏 性 也 草 木 国 土 是 心 ナ リ 、 ( 一 六 { a ) 心 ナ ル カ 故 衆 生 也 衆 生 ナ ル カ 故 有 仏 性 ナ リ 、 日 月 星 辰 是 心 也 、 心 ナ ル カ 故 衆 生 也、 衆 生 ナ ル カ 故 有 仏 性 也 ト 有 り 、 心 モ 衆 生 モ 草 木 国 一 九 四  

の こ と ば と し て は 〔 第 一 段 に 〕 「 一 切

生 悉 有 仏

」 と あ る 。 こ こ に は コ 切

仏 性 」 と あ る 。 た だ 「 悉 」 の 文 字 を

し た だ け で あ る 。 仏 の こ と ば に 相 違 し な い 。 も っ と も 、 仏 祖 の 皮 肉 ( 仏 法 ) が 通 じ る こ と は 、

に 始 ま っ た こ と で は な い 。 「 三 世 諸 仏 六 代

師 、 未 γ 云 事 有 」 ( 三 世 の 諸 仏 ・ 六 代 の 祖 師 、 未 だ 云 わ ざ る こ と あ り ) と 言 っ て 、

師 道 元 禅 師 は 「 如 三 二 世 諸 仏 、 説 法 之 儀 式 → 我 今 亦 如 レ 是 、         ( 11 ) 説 二 無 分 別 法 二 ( 三 世 の 諸 仏 の 、 説 法 の 儀 式 の 如 く 、 我 も 今 、 亦 、 是 の 如 く 無 分 別 の 法                       ( 12 ) を 説 か ん ) と お っ し ゃ ら れ た 。 〔 こ れ は 『 法 華

』 の こ と ば で

る が 、 こ れ が 〕 先 師 の お こ と ぽ と な る と き は 、 釈

は 〔 三 世 の

仏 ・ 六 代 の 祖 師 に 〕 蔵

す る 。 だ か ら こ の よ う に 示 れ さ れ た の で あ る 。 今 の こ と は こ れ に 違 う は ず が な い 。 国 師 の コ

生 有 仏 性 」 の 道 理 に よ っ て 、 釈

は 「 悉 有 仏 性 」 の 仏 の こ と ぽ も

べ ら れ た と も 理

す べ き か 。 〔 第 四 段 に あ る 〕 四 祖 と 五 祖 の 問 答 の 道 理 を 受 け て 、 迦

・ 釈 尊 等 も 、

の 道 理 を 述 べ ら れ た の で

る と 言 う く ら い の こ と で あ る 。 ま た 「 一 切 衆 生 〔 の 〕 言 、 す み や か に 参 究 す べ し 」 と あ る 。 実 に コ 切

生 」 と あ る か ら と 言 っ て 、

々 し く 我 々 の 〔 常 日 ご ろ の 〕 見 解 の よ う に 理 解 し て は い け な い 。 国 師 が 言 う コ 切

生 の 言 」 を 、 十 分 に 「

究 す べ し 」 と 言 う の で あ る 。 だ か ら 「 い ま 仏 道 に い ふ 一 切

生 は 」 と 言 っ て 、

し く こ れ を 釈 か れ る の で あ る 。 い か に も こ の こ と に

ち 着 く は

る 。 結 局 、 コ 切

生 」 は 「

心 」 ・ 「

心 」 ・ 「

生 是 心 」 等 さ ま ざ ま に 述 べ ら れ る け れ ど も 、 た だ 結 局 前 後 し て 、 あ れ こ れ 入 れ ち が え 〔 て

べ 〕 ら れ た け れ ど も 、 こ れ は

、 仏 性 の 上 に お い て の 説 と 理 解 す べ

で あ る 。 だ か ら 「

生 み な こ れ 〔 有 〕 仏 性 な り 。 草 木 国 土 こ れ 心 な り 。 心 な る が ゆ へ に 衆 生 な り 、

生 な る が ゆ へ に

仏 性 な り 。 日 月 星 辰 こ れ 心 な り 心 な る が ゆ へ に 衆 生 な り 、

生 な る が ゆ へ に

仏 性 な り 」 と あ る 。 「 心 」 も 「 衆 生 」 も 「

(3)

Komazawa University Kom 三1z三1w三1 Umversrty 土 モ 皆 仏 性 ナ ル 道 理 キ コ ヘ タ リ 、 国 師 ノ 道 取 ス ル 有 仏 性 ソ レ 如 レ 此 也 ト ア リ 尤 有 二 其 謂 → 只 尋 常 二 如 レ 思 一 切 衆 生 二 有 二 仏 性 呷 ト ハ 努 努 不 レ 可 心 得 一 也 、 一 切 衆 生 モ 仏 性 有 仏 性 モ 有 ノ 仏 性 也 、 更 有 無 相 対 ノ 義 二 非 サ ル 也 、 又 サ ラ ニ 衆 生 ニ ア ラ サ ラ ム ハ 、 右 仏 性 ニ ア ラ サ ル ヘ シ ト 云 云 、 有 仏 性 ハ コ レ 国 師 ノ 道 取 ナ レ ハ 可 y 謂 二 勿 論 今 ノ 衆 生 ノ 非 サ ラ ム ト 云 ハ 、 衆 生 ノ 上 二 非 衆 生、 有 仏 性 ノ 上 ノ ( 一 六 一

b

) 非 有 仏 性 ノ 道 理 也 、 即 心 是 仏 ノ 上 ノ 非 心 非 仏 会 不 会 程 ノ 事 ナ リ 、 又 一 切 諸 仏 有 仏 性 也               ン   ケ ン 無 、 如 レ 此 問 取 シ 試 験 ス ヘ キ 也 云 云 、 是 ハ 先 師               コ コ ロ ミ ル 鏨 カ ハ リ テ 国 師 二 可 y 問 ト 也 、 一 切 衆 生 有 仏 性 ハ ア リ 、 一 切 諸 仏 右 仏 性 ト 云 事 ハ キ ト 難 レ           ク ノ 有 事 也、 理 具 仏 性 ッ イ ニ 顕 ハ ル ル 時 ハ 、 成 仏 ト 云 上 ハ 、 仏 二 仏 性 有 卜 云 事 ハ 、 大 二 難 y 被 y 談 事 也 、 今 自 二 祖 門 一 ハ 尤 此 儀 ア ル ヘ シ 国 師 ハ 此 儀 ヲ モ 知 給 カ ト 鏨 ウ ケ ラ ル ル ナ リ 又 一 刧 衆 生 即 仏 性 ト イ ハ ス 、 一 切 衆 生 有 仏 性 ト 云 ト 可 二 参 学 一 云 云 、 是 ハ ( 一 六 二 a ) 一 切 衆 生 即 仏 性 ト 云 ハ シ タ シ ク 一 切 衆 生 有 仏 性 ト 云             イ サ サ カ シ ン ワ ン ヘ ハ 、 有 ノ 詞 力 聯   深 遠 二 似 タ リ 、 但 此 有 仏                       ワ ロ ソ カ ナ ル ニ 性 ノ 有 ヲ 脱 落 シ ヌ レ ハ 、 更 非 レ 疎 道 理 ア キ ラ ケ シ 一 切 衆 生 即 仏 性 ハ 猶 尋 常 ナ リ ヌ ヘ シ 、 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) 国 土 」 も 、 皆 「 仏 性 」 で

る 道 理 が わ か っ た 。 「 国 師 の 道 取 す る 有 仏 性 、 そ れ か く の ご と き な り 」 と

る 。 特 に そ の 〔 よ う に 言 わ れ る 〕 理 由 が あ る 。 た だ 普 通 に 考 え る よ う に 、 「 切

生 に 仏 性 が 有 る と は 、 決 し て 決 し て 理 解 す べ き で は な い の で あ る 。 = 切 衆 生 」 も 仏 性 、 「 有 仏 性 」 も 有 の

性 で あ る 。 〔 こ の 「 有 」 は 〕 決 し て

無 相 対 の 〔

の 〕

味 で は な い の で あ る 。 ま た 「 さ ら に

生 に あ ら ざ ら む は 、

仏 性 に あ ら ざ る べ し 」 と あ る 。 「 有 仏 性 」 は 「 国 師 の

取 」 で あ る か ら 、

論 と 言 う べ き で あ る 。 こ こ の 「 衆 生 に あ ら ざ ら む 」 と 言 う の は 、

生 の 上 に 非

生 、

仏 性 の 上 の 非 有 仏 性 と い う 道 理 で あ る 。 即 心 是 仏 の 上 の 非 心 非 仏 、 会 ・ 不 会 ほ ど の こ と で あ る 。 ま た、 コ 切 諸 仏

仏 性 也 無 。 か く の ご と く 問

し 、 試 験

べ き な り 」 と あ る 。 こ れ は 、

師 が し ば ら く か わ っ て 国 師 に 問 お う と い う の で あ る 。

切 衆 生 有 仏 性 」 は あ る 。 コ 切 諸 仏

仏 性 」 と い う こ と は 、 確 か に あ り そ う も な い こ と で あ る 。 理 と し て 具 え て い る 仏 性 が つ い に 顕 わ れ る と き 、 〔 そ れ を 〕 成 仏 と 云 う か ら に は 、 仏 に 仏 性 が

る と い う こ と は 、 は な は だ 説 か れ そ う も な い こ と で あ る 。

、 祖 門 〔 の 側 〕 か ら は 、

に こ の 〔 コ 切 諸 仏 有 仏 性 」 と い う 〕 こ と は あ る は

で あ る 。 国 師 は こ の こ と を も 知 っ て お ら れ る の か と 、 一 応 応 じ ら れ る の で あ る 。 ま た 、

切 衆 生 即 仏 性 と い は

、 一 切 衆 生 有 仏 性 と い ふ と 参 学 す べ し 」 と あ る 。 こ れ は 、 コ 切

生 即 仏 性 」 と 言 う の は 、 〔 コ 切 衆 生 」 と 「 仏 性 」 と が 〕 親 し く 、 コ 切 衆 生

仏 性 」 と 言 え ぽ 、 「 有 」 の こ と ば が 〔

る た め 、 コ

衆 生 」 と 「 仏 性 」 の 間 が 〕 ほ ん の 少 し 深 く て 遠 い よ う に 見 え る 。 し か し な が ら 、 こ の 「 有 仏 性 の 有 」 を 「

落 」 し た な ら ば 、 決 し て 〔 「 一 切

生 」 と 「 仏 性 」 と が 〕

で は な い 道 理 が 明 ら か で あ る 。 コ 切 衆 生 即 仏 性 」 〔 と い う 語 を 用 い る こ と 〕 は 、 や は り 普 通 の こ と で あ る に ち が い な い 。 特 に 、 コ 切 衆 生 有 仏 性 」 と い                                                       一 九 五

(4)

『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) コ ト ニ 殊 一 切 衆 生 有 仏 性 ノ 詞 力 、 法 ノ 甚 深 モ ア ラ ハ ル ル ナ リ 、 一 条 鉄 ト バ ク ロ カ ネ ナ リ 、 所 詮 又 余 ノ 物 ノ マ シ ワ ラ ヌ 心 地 也 、 解 脱 ノ 義 ナ リ 、 鳥 道 ト 云 モ 只 此 心 地 ア ト ナ キ 心 也、 悟 迹 ノ 休 歇 ナ ム ト 云 程 ノ 心 地 ナ リ 又 一 切 仏 性 有 衆 生 也 云 云 一 切 衆 生 有 仏 性 ノ 理 ノ ヒ ヒ ク 所 力 、 一 切 仏 性 有 衆 生 ト モ 云 ハ ル ル ナ リ ( 一 六 二

b

) ニ                 ト ウ 故 衆 生 ヲ 説 透 ス ル ノ ミ ニ ア ラ ス 、 仏 性 ヲ モ 説 透 ス ル ト ア リ 国 師 タ ト ビ 会 得 ヲ 道 得 二 承 当               コ セ ス ト モ 、 承 当 ノ 期 ナ キ ニ ア ラ ス ト ハ 、 国 師 ヲ ス コ シ ウ タ カ ハ ル ル 御 詞 也 国 師 此 道 理 ヲ 心 得 ス ト モ 承 当 ノ 期 ナ キ ニ ア ラ ス ト ハ 、 生 生 ヲ ツ ク シ テ モ ナ ト カ 解 脱 ノ 期 ナ カ ラ ム ト 云 程 ノ 義 也 、 然 而 今 日 ノ 道 得 イ タ ツ ラ ニ 宗 旨 ナ キ ニ 非 ト ユ ル サ ル ル ナ リ 、 又 実 ニ モ 自 己 二 具 ス ル 道 理 未 ミ ツ カ ラ 会 取 セ サ レ ト モ 、 四 大 五 蘊 モ ア リ 、 皮 肉 骨 髄 モ ア リ 、 覚 サ レ ト モ 如 レ 此 目 四 足 ス 、   其 定 二 道 騨 収 ( 一 亠 ハ 一 二 a )   モ 一 ・ 生 ノ 間 二 解 脱 ヲ ウ ル 事 モ ア リ 又 シ ラ サ レ ト モ 道 取 ニ カ カ レ ル 生 生 モ ア リ ト テ 、 我 コ ソ 覚 エ ネ ト モ コ ノ 道 取 ノ 道 理 ニ ハ ツ レ タ ル 事 ア ル マ シ ケ レ ハ 、 道 取 ニ カ カ レ ル 生 生 モ ア リ ト ハ 被 レ 釈 ナ リ 、 一 九 六 う こ と ぽ 〔 を 用 い る こ と 〕 が 、 〔 そ れ に よ っ て 〕 仏 法 の 甚 だ 深 い こ と も 顕 わ れ る の で あ る 。 = 条 鉄 」 と は 、 く ろ が ね ( 鉄 ) で あ る 。

局 、 ま た

の 物 が ま じ わ ら な い 意 味

い で あ る 。

脱 の こ と で

る 。 「

道 」 と 言 う の も 、 た だ こ の 意 味 あ い で

る 。 跡 が な い

味 で あ る 。 「 悟

の 休

」 な ど と い う ほ ど の 意

い で あ る 。 ま た 、 「 一 切 仏 性 有 衆 生 な り 」 と あ る 。 = 切

生 有 仏 性 」 の 理 〔 即 ち コ 切 衆 生 」 と 「 有 仏 性 」 と は

な る も の で は な い と い う こ と 〕 の 及 ぶ と こ ろ が 、 コ 切 仏 性

衆 生 」 と も 言 わ れ る の で あ る 。 だ か ら 、 「 衆 生 を 説 透

る ( 説 き つ く す ) の み に

ら ず 、 仏 性 を

説 透 す る な り 」 と あ る 。 「 国 師 た と ひ 会

を 道

に 承 当 せ ず と も 、 承 当 の 期 な き に あ ら ず 」 と は 、 〔 コ 切

生 有 仏 性 」 と の み 言 っ て 、 コ 切 諸 仏

仏 性 」 と も 、 = 切 仏 性

生 」 と も 言 わ な か っ た 〕 国 師 を 、 少 し 疑 わ れ る お こ と ば で あ る 。 国 師 が 、 こ の 〔 = 切 仏 性 有 衆 生 」 「 一 切 諸 仏

仏 性 」 の 〕 道 理 を 理 解 し な く て も 、 「 承 当 の 期 な

に あ ら ず 」 と は 、 生 ま れ か わ る こ と を 限 り な く

り 返 し て も 、 ど う し て

の 時 が な い で あ ろ う 、 〔 必

解 脱 の

が あ る は

で あ る 〕 と い う く ら い の

で あ る 。 そ う で あ る か ら 、 「

日 の 道 得 、 い た づ ら に

旨 な き に あ ら ず 」 と 認 め ら れ る の で あ る 。 ま た 、 ま こ と に 「

己 に 具 す る 道 理 、 い ま だ み つ か ら 会 取 せ ざ れ ど も 、 四 大 五

も あ り 、 皮 肉 骨

も あ り 一 。 〔 四 大 五

・ 皮 肉 骨 髄 が 具 わ っ て い る 道 理 を 〕 わ き ま え な く て も こ の よ う に 具 え て い る 。 そ の よ う に 、 「

」 も 一 生 の 間 に

脱 を 得 る こ と も あ る 。 ま た 知 ら な く て も 、 「 道

に か か れ る 生 生 も あ り 」 と あ っ て 、 自 分 は わ

ま え な く て も 、 こ の 道 取 の 道 理 に は ず れ た こ と が あ る は ず が な い の で 、 「 道 取 に か か れ る 生 生 も あ り 」 と 釈 か れ る の で

る 。

(5)

Komazawa University Kom 三1z三1w三1 Umversrty   凡 夫 外 道 三 乗 五 乗 等 ヲ ノ ヲ ノ ナ ル ヘ シ ト 云 ハ 三 乗 ト ハ 声 聞 縁 覚 菩 薩 也 、 是 二 人 与 レ 天 ヲ ク ハ エ テ 五 乗 ト 云 フ 、 三 乗 ヲ ハ 三 乗 教 ト イ フ 、 五 乗 ト 云 時 ハ 五 乗 教 ト イ ハ ス 、 但 天 台 宗 ノ 一 ノ 義、 人 天 ヲ モ 教 ト 云 事 末 学 見 出 也 、 秘 説 秘       ソ ウ                       シ ユ 説、 如 卞 増 一 中 亦 以 二 増 数 一 明 申 人 天 教 上 ト ク 釈                       ニ ノ 文 ア リ 云 云 、 自 二 五 戒 十 善 ( 一 六 三

b

) イ タ ル 鯛 噛 勅 防 餌 珂 貽 防 創 郵

増 一 阿 含 二 明 二 人 天 因 果 一 ト 云 事 全 ク 経 ノ 文 二 不 レ 見 ト 云 フ 、 天 台 宗 ノ 論 義 ニ ア リ 、 コ レ ヲ 答 ス ル ニ 、 誠 ニ シ カ ル 也 、 但 今 ハ 人 矢 ノ 所 習 ノ 因 果 ヲ 明 ヲ 指 テ 人 天 ノ 因 果 ヲ 明 ス ト ス ル ナ リ ト 云 、 是 ハ 不 明 之 義 也 、 明 ス ト 云 義 ハ 、 先 二 出 ス 如 増 一 中 等 文 ヲ 証 拠 二 出 ス ナ リ 、 此 等 秘 義 ト 云 ナ リ 、 釈 ノ 文 二 如 喟 増 一 中 亦 以 二 増 数 明 申 人 天 教 ム ト 云 ヘ リ 、 此 則 五 戒 十 善 ヨ リ 次 第 二 三 乗 教 ヲ 説 、 是 増 数 ノ 義 也   涅 槃 経 一 二 切 衆 生 悉 有 仏 性 、 如 来 常 住 無 有 変                         カ ム カ エ ヨ セ 易 ト イ フ 文 不 レ 見 ナ リ 、 句 句 ヲ 勘 寄 テ 如 レ 此 云 也 、 ( 一 六 四 a )   三 乗 五 乗 皆 分 別 心 ナ リ 槽 墨 广 湖 儲 班

  一 切 衆 生 有 仏 性 ト イ フ コ ノ 一 切 衆 生 ハ 、 自 レ 仏 螻 蟻 蚊 虻 マ テ ヲ サ シ テ イ フ 衆 生 ニ ハ ア ラ   ケ ヲ ア リ カ ア フ ス 、   一 切 衆 生 ノ 言 ス ミ ヤ カ ニ 参 究 ス ヘ シ ト ア 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 )   へ 「 凡 夫 ・ 外 道 ・ 三 乗 ・ 五

等 、 お の お の な る ぺ し 」 と あ る が 、 「 三 乗 」 と は 、

・ 縁

薩 で あ る 。 こ れ に 人 と 天 と を 加 え て 「 五 乗 」 と 言 う 。 「 三 乗 」 〔 の た め の 教 え 〕 を 三 乗 教 と 言 う 。 「 五 乗 」 と 言 う と き は 五 乗 教 と は 言 わ な い 。 た だ し 、 天 台

の 一 つ の 教 理 と し て 、 人 天 を

教 と い う こ と が 、

代 の

者 の 中 に

い 出 さ れ る の で あ る 。 「 『

説 、 秘 説 。 如 乍

一 中

以 二 増

一 明 中 人 天 教 占 』 ( 増 一 中 に 亦 、 増 数 を 以 て 、 人 天 教 を 明 か す が 如 し ) と 説 く 釈 の 文 が あ る 」 と 言 う 。 五 戒 〔 を 持 し て

に 生 ま れ て 〕 よ り 、 十

〔 を

じ て 天 上 〕 に 至 る 。 〈 阿 含 を 四 阿 含 と 言 う 。 増 一 阿 含 ・ 中 阿 含 ・ 長 阿 含 ・ 雑 阿 含 で あ る 〉 「 『

阿 含 に 人 天 の 因 果 を 明                         ( 13 ) か す 』 ( 増 一 阿 含 明 ・ 人 天 因 果 一 ) と い う こ と が 、 全 く 経 の

に 見 え な い 」 と 言 う 。 天 台 宗 の 論 義 に あ る 。 こ れ に

え る の に 、 「 誠 に そ う で あ る 。 た だ し 、

人 天 が 習 う 因 果 を 明 か す の を 指 し て 『 人 天 の 因 果 を 明 か す 』 と す る の で

る 」 と 言 う 。 こ れ は 不 明 の

で あ る 。 「 明 か す 」 と い う こ と は 、 先 に 出 し た 「 如

一 中 … … 」 の 文 を

に 出 す の で あ る 。 こ れ ら は 秘 義 と 言 う の で あ る 。 釈 の

に 、 「

増 一 中 以 増

明 人 天 教 」 と 言 っ て い る 。 こ れ は す な わ ち 、 五 戒 十 善 よ り 次 第 に 三 乗 教 を 説 く 。 こ れ は 増 数 の

で あ る 。 へ 『 涅 槃 経 』 に コ 切 衆

、 悉 有 仏 性 。

住 、 無 有

易 」 と い う 文 が 見 え な ( 14 ) い 。 句 句 を 考 え

せ て 、 こ の よ う に 言 う の で あ る 。 へ 「 三 乗 ・ 五 乗 」 は 、 皆 分 別 心 で あ る 。 〈 善 悪 一 切 諸 法 分 別 心 と い う 定 型 句 で あ る

V

ヘ コ 切

生 有 仏 性 」 と 言 う こ の 「 一 切

生 」 は 、 仏 よ り

・ 鰡 ・

ま で を                     ( 15 ) 指 し て 言 う

生 で は な い 。 コ 切 衆 生 の 言 、 す み や か に

究 す べ し 」 と あ る の は 、 「 い ま 仏 道 に い ふ 一 切 衆 生 」 の こ と で あ ろ う 。 一 九 七

(6)

      『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) ル ハ 、 イ マ 仏 道 ニ イ フ 一 切 衆 生 ノ 事 ナ ル ヘ シ 、   真 如 実 相 ノ 詞 ハ 尤 参 究 シ タ カ リ ヌ ヘ シ 、 業 報 ノ 衆 生 参r 究 シ テ ナ ニ ニ カ バ セ ム ト ヲ ホ ヘ タ ル カ 、 イ マ 仏 道 ニ イ フ 一 切 衆 生 ト 云 ユ ヘ ニ 参 究 ス ヘ シ ト ア リ 尤 目 ツ ラ シ キ 詞 也 、   有 仏 性 ト 云 有 ハ 、 有 無 ノ 見 解 ヲ ハ ナ ル ヘ シ 、 対 レ 無 シ タ ル 有 ニ ア ラ ス 、 余 門 ニ ハ 義 ヲ 立 テ イ カ ナ レ ハ ト 云 ヘ シ 、 今 ハ 只 ( 一 六 四

b

) 直 二 有 仏 性 ト イ フ 心 ア ル ヘ シ 、 教 ノ ヲ キ テ ニ ア ラ ス 、 闡 提 ト テ 仏 性 ナ キ 衆 生 ナ ム ト 云 モ シ ハ ラ ク ノ 義 也 二 乗 モ 不 レ 可 作 仏 ト 云 ヘ ト モ 、 法 華 ノ ト キ ハ 作 仏 ヲ ユ ル サ ル 、 カ ヤ ウ ノ 有 無 ノ 義 ニ テ ナ シ 、 タ タ 衆 生 ハ 有 仏 性 ト ナ リ 唄 馳 ヲ 有 仏 性 ト 云 ヒ 不 具 ノ 所 ヲ 無 仏 性 ト 云 ハ ム ト 昌 ハ ア ラ サ ル ヘ シ 、   イ マ イ フ 一 切 衆 生 ハ 、 有 心 者 ミ ナ 衆 生 ナ リ 心 是 衆 生 ナ ル カ ユ ヘ ニ ト イ フ 、 三 界 唯 一 心 心 外 無 別 法 ト イ フ ユ ヘ ニ 、 一 切 衆 生 ハ 有 心 者 ミ ナ 衆 生 ナ リ 、 心 是 衆 生 ナ ル カ ユ ヘ ニ ト イ フ 上 ハ 、 無 心 者 ヲ ナ シ ク 衆 生 ナ ル 条 無 二 異 儀 無 心 ト 云 ヘ ト モ 、 ナ キ 物 ヲ 無 ト イ フ ニ テ ナ ( 一 六 五 a ) シ 、 タ タ 有 ト 云 モ 無 ト 云 モ 、 心 ノ 上 ノ コ ト ナ リ 、 悉 有 ノ 有 一 = ア ナ ラ フ ヘ シ 、   コ ノ 衆 生 業 道 ノ 衆 生 ニ テ ハ ナ シ 、 二 乗 外 道 等 ヲ ハ 不 y 可 y 入、 但 有 心 者 ミ ナ 衆 生 ナ リ 、 心 是 一 九 八 ム 具 如 実 相 の こ と ば は 、 特 に 参 究 し た く 思 う で あ ろ う 。 業 報 の 衆 生 が

究 し て 、 一 体 何 人 の た め に な ろ う か と 思 わ れ た が 、 「 い ま

に い ふ 一

生 」 と 言 う の で あ る か ら 「

す べ し 」 と あ る 。 特 に 珍 し い こ と ぽ で

る 。 へ 「

仏 性 」 と 言 う 有 〔 を 理 解 す る に 〕 は 、

無 相 対 の 見 解 を 離 れ る ぺ き で あ る 。 無 に 対 し た

で は な い 。 余

で は 道 理 を 立 て 、 ど う い う わ け で 〔

仏 性 で あ る か 〕 と 言 う は

で あ る 。

は 、 た だ 、 直 ち に 「 有 仏 性 」 と い う 意

が あ る は ず で あ る 。 教 理 で は な い 。 一

提 と 言 っ て 、 仏 性 が な い

生 な ど と 言 う こ と も 、 仮 り の 考 え で あ る 。 二 乗 も 仏 と な る こ と が で

な い と 言 う け れ ど も 、 法 華 の

は 作         ( 16 )

を 許 さ れ る 。 こ の よ う な

の 意 味 で は な い 。 た だ

生 は 有 仏 性 と 言 う の で あ る 。 〈 具 え て い る と こ ろ を 有 仏 性 と 言 い 具 え て い な い と こ ろ を 無 仏 性 と 言 お う と い う の で は な い は ず で あ る 〉 へ 「 い ま 〔 仏 道 に 〕 い ふ 一

生 は

心 者 み な

生 な り 、 心 是 衆 生 な る が ゆ へ に 」 と 言 う 。 「 三 界

一 心 、 心 外 無

法 」 と 言 う の で あ る か ら 。 コ 切

生 は 、 有 心

み な 衆 生 な り 、 心 是 衆 生 な る が ゆ へ に 」 と い う か ら に は 、 「 無 心 者 を な じ く 衆 生 」 で あ る こ と は 異 義 が な い 。 「

心 」 と 言 う け れ ど も 、 無 い も の を 無 と い う の で は な い 。 た だ 、 有 と 言 う の も 、 無 と 言 う の も 、 心 の 上 の こ と で あ る 。 「 悉

」 の 「 有 」 に お い て 習 う べ ぎ で あ る 。

5

」 の 「 衆 生 」 は 、 「 業 道 」 の 「 衆 生 」 で は な い 。 「 二 乗 ・ 外 道 等 」 を 入 れ る べ き で は な い 。 た だ し 、 「 有 心 者 み な 衆 生 な り 、 心 是

な る が ゆ へ に 。

心 者 を な

(7)

Komazawa University Kom 三1z三1w三1 Umversrty 衆 生 ナ ル カ ユ ヘ ニ 、 無 心 者 ヲ ナ シ ク 衆 生 ナ ル ヘ シ 、 衆 生 是 心 ナ ル カ ユ ヘ ニ ト イ フ ト キ コ ソ 、 何 モ モ ル マ シ キ 時 二 、 二 乗 外 道 ト モ キ ラ バ レ ネ 、 コ コ ニ 談 ス ル モ ノ ハ 、 仏 性 心 衆 生 ニ テ ア ル ト キ ニ 、 心 仏 及 衆 生 ノ 義 ナ リ 、 コ レ 是 三 無 差 別 ト 心 得 ヘ シ 、   一 切 諸 仏 有 仏 性 也 無 文 、 此 諸 仏 ト 有 仏 性 卜 非 二 ( 一 六 五

b

) 前 後 一 切 衆 生 ノ 衆 生 ヲ 諸 仏 ト 取 替 事 、 仏 性 ノ 性 力 衆 生 二 具 シ タ ル ト イ フ 見 解 ヲ ノ ケ ム 為 ト モ 覚 ユ 、 シ カ ノ ミ ナ ラ ス 衆 生 ヲ ヤ カ テ 諸 仏 ト モ 云 ヘ シ 、 十 界 互 具 ス ル ニ ハ 、 仏 ニ モ 仏 性 ナ カ ル ヘ キ ニ ア ラ ス 、 余 門 ニ ハ 無 心 ノ 衆 生 ト 云 事 ハ イ ハ ス 、 無 心 ト 云 モ 失 心 ノ 者 ヲ イ フ ヘ キ カ 、 如 病 者 失 心 ナ ル ア リ 又 仏 法 ニ ハ 無 心 道 人 ト イ フ コ ト モ ア リ 、   此 次 談 二 菩 薩 ノ 事 ヲ 云 二 利 鈍 ノ 差 別 ア リ 利                     ケ 根 ノ 菩 薩 ハ 空 二 住 セ ス 出 仮 利 生 ス 、 鈍 根 ノ 菩                       ケ ノ ツ ハ サ 薩 ハ 、 沈 空 ノ 身 コ ヘ テ 、 出 仮 翼 カ ケ タ リ ト イ フ ( 一 六 六 a )   一 切 衆 生 即 仏 性 ト イ ハ ス 、   切 衆 生 有 仏 性 ト イ フ ト 参 学 ス ヘ シ ト イ フ 、 カ ク イ ヘ ハ ト テ 即 ノ 字 ト 有 ノ 字 ト ヲ タ テ ク ラ ヘ テ 、 即 ノ 字 ヲ 劣 也 ト ク タ サ ム ト ニ ハ ア ラ ス 、 即 心 即 仏 ト モ イ ヒ 、 凡 悩 即 菩 提 ト モ イ フ 即 コ ソ 親 切 ナ レ ト 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) じ く 衆 生 な る べ し 、 衆 生 是 心 な る が ゆ へ に 」 と 言 う と き 、 〔 即 ち 〕 何 も 漏 れ 〔 る も の が 〕 な い と き に 、 「 二 乗 ・

道 」 ど も を 斥 け に な ら な い 。 こ こ で 説 く も の は 、 「 仏 性 」 「 心 」 「 衆 生 」 で あ る と き に 、 「 心

生 」 の 意

で あ る 。 「 是 三 無 差 別 」 と 理 解 す べ き で あ る 。 ヘ コ 切 諸 仏 有 仏 性 也 無 」 。 こ の 「 諸 仏 」 と 「 有 仏 性 」 と は 、

と 後 で は な い の で あ る 。 コ 切

生 」 の 「

生 」 を 「 諸 仏 」 と

え る こ と 、 〔 こ れ は 〕 「 仏 性 」 の 性 が 「

生 」 に 具 わ っ て い る と い う 見

を 、 除 こ う と

る た め と も 思 わ れ る 。 そ れ ば か り で は な く 、 「 衆 生 」 を そ の ま ま 「

仏 」 と も 言 う べ き で あ る 。 十 界 互 具 す る ( 十 界 の そ れ ぞ れ が 、 互 い に 他 の 九 界 を 具 え て い る ) と き に は 、 仏 に も 「 仏 性 」 が な い は ず で は な い 。

で は 「 無 心 」 の

生 と 言 う こ と は 言 わ な い 。 「 無 心 」                                           ( 17 ) と 言 う の も 失 心 の 者 を 言 う べ き か 。 「 如 病

失 心 」 ( 病 者 の 心 を 失 す る が 如 し ) で

                                    ( 18 ) る こ と が あ る 。 ま た 、 仏 法 で は 「 無 心

人 」 と い う こ と も あ る 。

5

」 の 次 の

で 、

薩 の こ と を 言 う の に

鈍 の 差 別 が あ る 。 利 根 の

薩 は 空 に と ど ま ら ず 、 〔 空 よ り 〕 仮 に 出 て 衆 生 を 利 益 す る ( 従 空 出 仮 ) 。 鈍 根 の 菩

は 、 空 に 執 す る 身 を

え な く て 、

に 出 る 翼 が

け て い る と 言 う 。 ヘ コ 切 衆 生 即 仏 性 と い は

、 } 切 衆 生 有 仏 性 と い ふ と 参 学 す べ し 」 と 言 う 。 こ の よ う に 言 う か ら と い っ て 、 「 即 」 の 字 と 「

」 の 字 と を 比 ぺ て 、 「 即 」 の

っ て い る と け な そ う と い う の で は な い 。 即 心 是 仏 と も 言 い 、 煩 悩 即 菩 提 と も 言 う 「 即 」 は

切 で あ る け れ ど も 、

、 こ こ で 言 う 「 有 仏 性 」 の 「 有 」 の 意

い は 、 ま た 、 ど ん な 字 よ り

勝 れ て い て 、 こ の 「

」 の ほ か に 言 わ れ る で あ ろ う 一 九 九

(8)

      『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) モ 、 今 コ コ ニ イ フ 有 仏 性 ノ 有 ノ 心 地 マ タ 何 ノ 字 ヨ リ 勝 テ コ ノ 有 外 ニ イ ハ レ ヌ ヘ キ 有 ノ ナ キ 所 ヲ ア ラ バ サ ム ト 、 即 仏 性 ト イ ハ ス 、 有 仏 性 ト 参 学 ス ヘ シ ト ハ ア ル ナ リ 、   仏 性 ハ 又 尽 界 ス ヘ テ 客 塵 ナ シ 、 直 下 サ ラ ニ 第 二 人 ニ ア ラ ス ト 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 ノ 段 ニ ア リ 、 ( 一 六 六

b

) 無 客 塵 無 第 二 人 ノ ユ ヘ ヲ 一 条 鉄 ト イ フ 、 ニ モ 三 モ モ ノ ノ ア ル ヘ カ ラ サ ル 道 理 ヲ 如 レ 此 イ フ ナ リ 、   鳥 道 又 ア ト モ 無 二 辺 際 一 コ ト ニ ツ カ フ ユ へ 一 二 条 鉄 ノ 釈 ト ナ ル ナ リ 、 鳥 道 ハ ア ト ヲ ノ コ サ サ ル ナ リ 道 ノ ナ キ ニ ハ ア ラ ス 、 ソ ノ ア ト ナ シ 、       シ   コ 足 下 無 糸 去 ト 云 程 ノ 事 也、 カ カ レ ハ ト テ 、 又                     ケ ツ コ ウ カ ナ ラ ス 蹤 跡 ナ カ ラ ム ト 結 構 ニ ハ ア ラ ス 、 発                   ム ス ヒ カ マ ウ 心 二 蹤 跡 ナ シ ナ ム ト 云 程 ノ 事 也 、   抑 問 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 ノ 段 ニ ハ 悉 有 ハ 一 条 ( 一 六 七 a ) 鉄 ニ ア ラ ス ト キ ラ フ 詞 ア リ コ コ ニ ハ 一 条 ト ト ル 、 ヲ ナ シ 仏 性 ヲ 談 ス ル ニ 、 ヲ ナ シ 一 条 鉄 ノ 詞 ヲ カ シ コ ニ ス テ コ コ ニ ト ル 如 何 、 答 、 マ コ ト ニ 前 後 相 違 二 似 タ リ 但 カ シ コ ニ ス ツ ル モ コ コ ニ ト ル モ 、   一 条 鉄 ノ 是 非 シ タ ル ニ テ ハ ナ シ 仏 性 ト 云 事 ヲ ノ ミ 長 長 出 ナ ラ シ メ ム タ メ ニ イ フ ト 可 二 心 得 ハ カ ク ア キ ラ ム ル ト キ ハ 、 キ ラ フ ニ ア ラ ス 、 ボ ム ル ニ ア ラ ス 、 仏 性 ノ 道 理 二 両 所 ナ カ ラ ヒ シ ト 普 合 有 が な い と こ ろ を 表 わ そ う と 、

る の で あ る 。 二 〇 〇 「 即 仏 性 と い は

、 … 有 仏 性 と … 参 究 す べ し 」 と

性 は 、 ま た 「 尽 界 〔 は 〕 す べ て

塵 な し 、

下 さ ら に 第 二 人 あ ら ず 」 と 、 〔

一 の 〕 コ 切 衆 生 悉

仏 性 」 の 段 に あ る 。 「

塵 」 が な く 、 「 第 二 人 」 が な い わ け を 「 一

鉄 」 と 言 う 。 二 も 三 も 、 も の が

る は ず が な い 道 理 を こ の よ う に 言 う の で あ る 。 へ 「

道 」 は 、 ま た そ の 跡 も 辺

い こ と に

使

う か ら 、 コ 条 鉄 」 の

釈 と な る の で あ る 。 「 鳥 道 」 は 跡 を の こ さ な い の で あ る 。

が な い の で は な い 。 そ の 跡 が な             ( 19 ) い 。 「 足 下

去 」 ( 足 下 無 糸 に し 去 る ) と い う く ら い の こ と で あ る 。 そ う で あ る か ら と 言 っ て 、 ま た 必 ず 蹤 跡 が な い だ ろ う と の

図 で は な い 。 発 心 に 蹤 跡 が な い な ど と 言 う ほ ど の こ と で あ る 。 へ

て 問 う 、 「 〔

一 の 〕 『 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 』 の 段 に は 、 『 悉

は 一

鉄 に あ ら ず 』 と 斥 け る こ と ば が あ る 。 こ こ で は 『 一 条 〔 鉄 〕 』 と 解 釈 す る 。 同 じ 仏 性 を 説 く の に 、 同 じ 『 一

鉄 』 の こ と ば を 、 あ ち ら で

て 、 こ こ で

る の は ど う し て か 。 」 答 え る 。 「 本 当 に 、 前 と

と が 相 違 し て い る よ う で

る 。 た だ し 、 あ ち ら で

て る の も 、 こ こ で 取 る の も 『 一

鉄 』 の 良 し 悪 し を

じ た の で は な い 。 仏 性 と い う こ と を だ け を 一 層 明 ら か に さ せ る た め に 言 う と 理 解 す べ き で

る 。 こ の よ う に は っ き り 認 識 す る と

は 、

け る の で は な い 。 ほ め る の で は な い 。 仏 道 の 道 理 に 、 二

処 と も ひ と し い と し て 、 ぴ っ た り 合

る の で

る 。 『 あ ら ず 』 と 斥 け る と こ ろ で も 、

に 曁 条

』 の

い わ け を 出 さ な い 。 と る と き も 、 そ の

が 顕

(9)

Komazawa University Kom 三1z三1w三1 Unlverslty ス ル ナ リ ア ラ ス ト キ ラ フ 所 ニ テ モ 、 別 一 条 鉄 ノ ワ ロ キ ユ ヘ ヲ イ タ サ ス 、 ト ル ト キ モ 其 ノ ト ク 徳 ア ラ バ レ ス 、 仏 性 二 客 塵 ヲ ヲ カ シ ノ 心 地 ヲ イ ハ ( 一 六 七

b

) ム ト バ カ リ ナ リ   国 師 タ ト ヒ 会 得 ヲ 道 得 二 承 当 セ ス ト モ 、 承 当 ノ 期 ナ キ ニ ア ラ ス ト 云 ハ 、 国 師 ノ コ ト ハ 今 ノ 会 釈 ノ コ ト ク ナ ク ト モ 、 承 当 ノ 期   向 ナ カ ル ヘ キ ニ ア ラ ス ト イ フ ナ リ 、 国 師 ノ 心 ヲ シ ハ ラ     シ ム ク 未 審 ス ル 也、   イ 7 カ シ   今 日 道 得、 イ タ ツ ラ ニ 宗 旨 ナ キ ニ ア ラ ス ト イ フ ハ 、 サ キ ニ 承 当 ノ 期 ナ キ ニ ア ラ ス ト イ フ 詞 ヲ 宗 旨 ト ハ イ ハ ル ル ナ リ   道 取 ニ カ カ ル 生 生 ト 云 ハ 、 迷 妄 ノ 衆 生 ノ 生 生 ヲ フ ル ト イ フ ハ ミ ナ 道 取 ニ カ カ リ タ ル ナ リ 、 ( 一 六 八 a )   道 取 モ 一 生 二 道 取 ス ル コ ト モ ア リ ト イ ヘ ハ 、 今 生 ヤ カ テ 道 取 ス ル モ ア ル ヘ シ ト ナ リ 、 タ タ シ 我 等 前 生 モ ア リ ケ ム 、 ソ レ ハ 道 取 ニ カ カ ル ニ テ ア ル ヘ シ コ ノ 道 取 ニ ア マ ル 六 道 四 生 ア ル ヘ カ ラ ス ワ カ 道 取 セ サ ル リ ツ ル 程 ハ 道 取 ニ カ カ ル ナ リ 、 シ カ ア レ ハ コ ソ ミ ツ カ ラ ム 写 取 セ サ レ ト モ 、 四 大 五 薩 モ ア リ 皮 肉 髄 モ ア リ 、 シ カ ア ル カ コ ト ク 、 道 取 モ 一 生 ニ カ カ ル 道 取 モ ア リ 、 道 取 ニ カ カ ル 生 生 モ ア リ ト 被 ン       『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) わ れ な い 。 仏 性 に 客

を お か な い と い う 意 味 あ い を 言 お う と す る だ け で あ る 。 」 へ 「 国 師 た と ひ 会

を 道 得 に 承 当 せ ず と も 承 当 の 期 な き に あ ら ず 」 と 言 う の                                                       と き は 、 国 師 の こ と ば が 、

の 会 釈 の よ う で な く て も 、 承 当 の 期 が 全 く な い は ず で は な い と 言 う の で あ る で あ る 。 国 師 の 考 え を 、 一 時 的 に 疑 わ し い と す る の で あ る 。 へ 「

日 〔 の 〕 道

、 い た づ ら に 宗 旨 な き に あ ら ず 」 と 言 う の は 、 期 な き に あ ら ず 」 と 言 う こ と ば を 、 「 宗 旨 」 と 言 わ れ る の で あ る 。 へ 「

取 に か か 〔 れ 〕 る 生 生 」 と あ る が 、 皆 、

に か か わ っ て い る の で あ る 。 先 に 「 承

の 迷

生 が 生 生 を 経 る と 言 う の は 、 へ 「 道

も 一 生 に 道 取 す る こ と も

り 」 と 言 う か ら 今 生 に お い て す ぐ さ ま 道

す る こ と も あ る は ず で あ る と 言 う の で あ る 。 た だ し 、 我 々 に は 前 生 も あ っ た で あ ろ う 。 そ れ は

に か か わ る こ と で あ る は ず で あ る 。 こ の 道 取 に は ず れ る 六 道 四 生 が あ る は ず が な い 。 自 分 が 道 取 し な か っ た

は 、 道 取 に か か わ っ て い る の で あ る 。 そ う で あ る か ら こ そ 、 「 み つ か ら 会 取 せ ざ れ ど も 、 四 大 五

も あ り 、 皮 肉 骨 髄 も あ り 。 し か あ る が ご と く 、 道

も 一 生 に 」 か か わ っ て い る 「 道 取 」 も あ り 、 「

取 に か か 〔 れ 〕 る 生 生 も あ り 」 と 解 釈 さ れ る の で

る 。 「 道 取 」 と い う こ と も 仏 性 、 「 皮 肉 骨 髄 」 と い う こ と も

性 。 た だ し 、 こ の よ う に 解 脱 し た な ら ば 、 「 生 二

Q

(10)

      『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) ケ 解 γ 之 也、 道 取 ト イ フ モ 仏 性、 皮 肉 髓 ト 云 モ 仏 性 、 但 如 レ 此 解 脱 シ ヌ レ ハ 、 生 生 ト テ 一 生 二 生 ト バ カ ソ ( 一 六 八 b ) ウ ヘ カ ラ ス 生 生 ハ タ タ 一 生 ト 可 二 心 得 →   迷 シ 時 ハ 生 生 ア レ ト モ 、 サ ト リ ノ 後 ハ 一 生 ヨ リ ホ カ ノ ヲ キ 所 ナ シ タ ト ヘ ハ 海 水 ヲ 一 杓 ク ミ テ モ チ タ ラ ム 程 ハ 、  一 杓 ト 覚 タ レ ト モ 、 本 ノ 海 二 入 ナ ハ 、 イ ツ ク マ テ ノ 際 限 モ ミ ユ マ シ 、 大 海 ノ 水 ト ノ ミ コ ソ ミ エ ム ス ル ト キ ニ 、 コ ノ 生 生 モ ハ テ ハ 一 生 ナ ル ヘ シ ト ナ リ 、 ( 一 六 九 a ) ( 20 ) 若 有 二 畜 生 類 一 得 y 聞 二 釈 迦 名 一 永 離 二 二 悪 道 一   不 レ 生 二 八 難 所 一 云 云 、         セ ン 悪 見 邪 見 単 提 断 善 根 者 殺 無 レ 罪 云 云 経 文 及 論 文 如 レ 此 僧 始 書 文 字 一 時 必 先 可 書 二 三 宝 一 云 云 、 経 云         北 国 者 名 也   離 車 衆 辺 国 也         ( 一 六 九

b

) 生 」 と 言 っ て も 、 す べ き で あ る 。 一 生 二 生 と 数 え る べ

で は な い 。 「 生 生 」

た だ 生 と 理

9

っ て い る 時 は 「 生 生 」 は あ る け れ ど も 、 悟 っ た

は 一 生 よ り ほ か の 置 き 場 所 が な い 。 た と え ぽ

水 を 一 杓 く ん で

っ て い る 間 は 、 一 杓 と 思 っ て い る け れ ど も 、 も と の

に 入 れ た な ら ば 、 ど こ ま で と い う 際 限 も 見 え な い 。 大 海 の 水 と だ け 見 え る よ う な 時 に 、 こ の 「 生 生 」 も 、

後 は 一 生 で あ る は ず で あ る と 言 う の で あ る 。

し 畜 生 の

い 有 り て 、 釈 迦 の 名 を 聞 く こ と を

ぽ 、 永 く 三 悪 道 を 離 れ 、 に 生 せ ず … … 。 悪 見 ・ 邪 見 ・ 闡

・ 断

根 の 者 、 殺 す も 罪 無 し … … 。

の 文 及 び

の 文 、 し 。 僧 始 め て 文 字 を 書 く 時 、 必 ず 先 ず 三 宝 と 書 く 可 し … … 。   経 に 云 く             北 国 は 名 な り 、         離

衆 辺 国 な り 八 難 所 此 の 如 (

1

)   『 全 集 』 は 「 師 」 の 下 に 「 は 」 と あ る が 『 抄 』 ( 一 六 〇 a ) に よ っ て 削 除 し た 。 (

2

)   『 正 法 眼 蔵 三 百 則 』 巻 中   第 一 五 則 ( 『 全 集 』 下   二 二 二 頁 ) 。 『 宗 門 統 要 集 』 巻 四 ( 三 五 a ) 及 び 『 宗 門 聯 燈 会 要 』 巻 七 ( 続 蔵 = 二     六 ・ 二 七 一 c ) 瀉 山 霊 祐 章 。 (

3

)   『 全 集 』 に は 「 の 」 が あ る が 、 『 抄 』 ( 一 六 一 a ) は 欠 く 。 し か し 『 聞 書 』 ( 一 六 四

b

) に は あ る か ら 改 め な か っ た 。

(11)

Komazawa University Kom 三1z三1w三1 Umversrty A         A 1514  

13

)    )    ) A     A    A          A    A    A    A     

121110987654

)    )    )    )    )    )    )    )    ) A18 ) A    A1716 )    ) (

19

) (

20

) 『 全 集 』 ・ 『 抄 』 ( 一 六 一 a ) に は 「 仏 道 に 」 は あ る が 、 『 聞 書 』 ( 一 六 五 a ) は 欠 く 。 『 全 集 』 は 「 お 」 と す る が こ の 段 の 『 聞 書 』 ( 一 六 五 a ) 及 び 第 二 ご 段 の 『 聞 書 』 ( 二 三 三 a ) に よ っ て 「 を 」 と 改 め た 。 『 全 集 』 に は 「 有 」 が あ る が 、 『 抄 』 ( = ハ 一 a ) は 欠 く 。 し か し 第 一 三 段 の 『 聞 書 』 ( 二 三 三 a ) に は あ る か ら 改 め な か っ た 。 『 全 集 』 は 「 か く の ご と し 」 と す る が 、 『 抄 』 ( 一 六 一

b

) に は 「 如 此 也 」 と あ る か ら 、 「 か く の ご と き な り 」 と 改 め た 。 『 全 集 』 に は 「 い ま だ 」 の 下 に 「 か な ら ず し も 」 と あ る が 、 『 抄 』 ( 六 三 a ) に よ っ て 削 除 し た 。 『 全 集 』 は 「 陰 」 と す る が、 『 抄 』 ( 一 六 三 a ) 『 聞 書 』 ( 一 六 八

b

) に よ っ て 「 蘊 」 と 改 め た 。 『 全 集 』 ・ 『 抄 』 ( 一 六 三

b

) に は 「 れ 」 は あ る が 、 『 聞 書 』 ( 一 六 八

b

) は 欠 く 。 『 妙 法 蓮 華 経 』 巻 一   方 便 品 第 二 ( 正 蔵 九 ・ 一 〇 a ) 拙 稿 「 『 正 法 眼 蔵 抄 』 研 究 ノ ー ト 日 」 ( 『 曹 洞 宗 研 究 員 研 究 生 研 究 紀 要 』 第 一 一 号 、 昭 和 五 四 年 八 月 ) 参 照 。 『 妙 法 蓮 華 経 文 句 』 巻 一 上 ( 正 蔵 三 四 ・ 一 c ) 巻 一 下 ( 同 一 〇 c ) 「 一 切 衆 生 … … 無 有 変 易 」 は 、 『 大 般 涅 槃 経 』 巻 二 七   師 子 吼 菩 薩 品 第 一 一 ( 正 蔵 一 二 ・ 五 二 二 c ) に あ る か ら こ れ は 誤 り で あ る 。 第 一 段 で 「 一 切 衆 生、 悉 有 仏 性 」 を 『 聞 書 』 が 次 の よ う に 註 釈 し て い る 点 に は 注 意 し な く て は な ら な い 。   一 切 衆 生 ト 云 、 此 衆 生 ハ 螻 蟻 蚊 虻 ヨ リ 仏 マ テ 也 ( 六 一 a ) 『 妙 法 蓮 華 経 』 方 便 品 で 説 く 二 乗 の 者 の 作 仏 を 指 す ( 正 蔵 九 ・ 八 a ) 『 妙 法 蓮 華 経 』 如 来 寿 量 品 か ら の 引 用 で は な い が 子 供 が 毒 薬 を 服 し て 本 心 を 失 っ た 譬 喩 ( 正 蔵 九 ・ 四 三 a ) を 指 す 。 『 黄 檗 山 断 際 禅 師 伝 心 法 要 』     供 二 養 十 方 諸 仏 不 レ 如 二 供 二 養 一 個 無 心 道 人 刈 何 故 。 無 心 者 無 二 切 心 騨 也 。 ( 正 蔵 四 八 二 二 八 〇 a ) 『 景 徳 伝 燈 録 』 巻 一 五   洞 山 良 价 章     僧 問 師 尋 常 教 言 学 人 行 二 鳥 道 未 審 如 何 是 鳥 道 。 師 目 不 レ 逢 二 人 → 日 、 如 何 行 。 師 日 、 直 須 二 足 下 無 絲 去 輔 日 只 如 レ 行 二 鳥 道 一     莫 二 便 是 本 来 面 目 一 否 . 師 日 、 闍 梨 因 二 什 麼 一 顛 倒 。 日 什 麼 処 是 学 人 顛 倒 。 師 日 、 若 不 顛 倒 一 因 二 什 麼 一 認 レ 奴 作 レ 郎 。 日 、 如 何 是 本     来 面 目 。 師 日 不 ン 行 二 鳥 道 司 ( 正 蔵 五 一 ・ 三 二 二 c ) 『 正 法 眼 蔵 』 遍 参 の 巻 の 『 聞 書 』 で は 「 足 下 無 絲 去 」 を 次 の よ う に 註 釈 し て い る 。     足 下 無 絲 去 ト イ フ 、 此 詞 ノ ア ル 様 ハ 、 タ ト ヘ ハ 足 下 ナ ル 程 ハ 、 絲 ス チ 程 モ ノ コ ル 所 ナ シ ( 下 略 ) ( 『 蒐 成 』 = 二 ・ 六 六 一

b

) 以 下 は 『 正 法 眼 蔵 抄 』 第 二 冊 末 尾 の 識 語 。 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 )    

 

       

 

       

 

       

 

       

 

       

 

  二 〇 三

(12)

『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) 正 法 眼 蔵 抄 第 三 ( 1 )   フ シ テ 釈 道 秦 寝 レ 病 四 日 四 夜 専 念 二 観 音 于 時 観   テ     ワ                   ク 音 放 レ 光 告 二 道 秦 日 、 若 其 機 感 厚 定 業 亦 能 転 、 若 過 現 縁 浅 少 苦 亦 無 レ 験 、 若 発 二 帰 ノ   ワ           ル           か コ あ コ ト ワ       ハ         セ 命 心 騨 当 レ 知 機 感 厚 若 聞 不 二 称 念 当 レ 知     ト ま コ ト ワ     テ       シ テ         ァ ル       イ ニ ヌ 宿 縁 浅、 便 覚 躰 軽 所 レ 患 忽 愈 矣 、     持 念 要 文 一 反 被 レ 覧 之 次 抄 二 出 之 →                       ( 2 )   仏 説 二 阿 含 経 呻 御 シ シ 時 、 八 億 諸 天 皆 得 二 無   生 忍 一 タ リ キ 、 是 大 乗 器 ナ ル 故 也   四 諦 声 聞 ハ 証 一 羅 漢 果 一 シ キ 是 小 乗 ノ 器 ナ   ル 故 也 、 始 仏 性 第 九 大 瀉 山 大 圓 禅 師 無 仏 性 段 ヨ リ 第 十 四 景 岑 和 尚 段 マ テ 書 レ 之 ( 一 七 二

b

) 正 法 眼

抄 第 三 二 〇 四               ふ   釈 道 秦 、 病 に

し て 四 日 四 夜 、 専 ら 観 音 を 念 ず 。 時 に 観

、 光 を 放 ち て 道

  に

げ て 曰 く 、 若 し 其 の 機 感

け れ ば

亦 た

く 転 ず 。 若 し 過 現 の 縁 浅   け れ ば 、 少 苦 亦 た 験 無 し 。 若 し 帰 命 の 心 を

せ ば 、 当 に 知 る べ し

感 厚 し と   い う こ と を 。

し 聞 い て 称

せ ざ る は 、 当 に 知 る べ し 宿 縁 浅 し と い う こ と   を 。

便

ち 覚 っ て 、 体 軽 く し て

う る 所 忽 ち 愈 ぬ 。       『 持

』 一 反 覧 ら る る の 次 い で 、 こ れ を 抄 出 す 。 仏 が 『 阿 含 経 』 を お 説 き に な っ た 時 、 八 億 の 諸 天 は 、 皆 無 生 忍 を

た 。 こ れ は 大

の 器 で あ る か ら で あ る 。 四 諦 を 観 ず る

は 羅 漢 果 を 証 し た 。 こ れ は 小 乗 の 器 で あ る か ら で あ る 。 仏 性 第

大 瀉 山 大 円 禅 師 無 仏 性 の 段 よ り 始 め 、

十 四 景 岑 和 尚 の 段 ま で を 書 く 。 第 九 段                           ( 3 …                                           … 3 )   大 潟 山 大 圓 禅 師 、 あ る と き 衆 に し め し て い は く 、 一 切 衆 生 無 仏 性 。   こ れ を き く 人 天 の な か に 、 よ ろ こ ぶ 大 機 あ り 、 驚 疑 の た ぐ ひ な き に あ ら ず 。

尊 説 道 は 、 一 切 衆 生 悉 有 仏 性 な り 。   大 瀉 の 説 道 は 、 一 切

生 無 仏 性 な り 。 有

の 言 理 は る か に こ と な る べ し 、 道

の 当 不 う た が ひ ぬ べ し 。 し か あ れ ど                                           ( 4 )   も 、 一 切

仏 性 の み 仏 道 に 長 な り 。 塩 官 の 有 仏 性 の 道 、 た と ひ 古 仏 と と も に 一 隻 の 手 を い だ す に に た り と も 、   な ほ こ れ 一 条 抂 杖 両 人 舁 な る べ し 。 い ま 大 瀉 は し か あ ら ず 、 一

挂 杖 呑 両 人 な る べ し 。 い は ん や 国 師 は 馬 祖 の 子 な   り 、 大

は 馬

の 孫 な り 。 し か あ れ ど も 、 法

は 師 翁 の 道 に 老 大 な り 、 法 子 は 師 父 の 道 に

な り 。 い ま 大 瀉 道 の

(13)

Komazawa University Kom 三1z三1w三1 Umversrty   仏 言 ハ 悉 有 仏 性、 塩 官 ハ 一 切 衆 生 有 仏 性 、 今 ノ 大 瀉 ハ 一 切 衆 生 無 仏 性 、 是 ハ 打 任 テ 有 無 ノ 詞                               ニ ヲ 心 得 ハ 大 二 水 火 ノ 相 違 ナ ル ヘ シ 、 仏 巳 悉 有 仏 性 ト 被 レ 仰 、 実 ニ モ 此 道 理 顕 然 也 、 而 今 一 切 衆 生 無 仏 性 ノ 詞 ハ 大 略 徒 物 ニ ナ リ ヌ ヘ シ 、                       ア ラ ス     ワ ト ロ ク 但 祖 門 ノ ッ カ フ 有 無 ノ 詞 今 更 非 レ 可 レ 驚、 所 詮 以 二 有 詞 ’ 仏 性 ヲ ア ラ ハ シ 、 以 二 無 詞 一 仏 性 ヲ ア ラ ハ ス 上 者 勿 論 事 也 、 ( 一 七 三 a )   然 而 尋 常 ニ ハ 、 有 仏 性 ハ 信 セ ラ レ 、 無 仏 性 ノ 詞 ハ 驚 疑 シ ツ ヘ シ 、   ユ ヘ ニ ヨ ロ コ フ 大 機 ア リ 、 驚 疑 ノ タ ク ヒ ナ キ ニ ア ラ ス ト ハ 被 レ 釈 ナ リ 、   ヨ ロ コ                     マ レ ナ ル   カ フ 大 機 ト ハ 、 非 二 祖 門 ∵ 者 定 希 歟 実 ニ モ 釈                                     〔 5 ) 理

は 、 一 切

生 無 仏 性 を 理 致 と せ り い ま だ

然 縄 墨 外 と い は

。 自

屋 裏 の

典 、 か く の ご と く の 受 持 あ り 。 さ                                           ( 6 ) ( 7 )         ( 8 )                                                                               ( 9 ) ら に 摸 擦 す べ し 、 一 切 衆 生 な に と し て か 仏 性 な ら む 、 仏 性 あ ら む 。 仏 性 あ る は 、 こ れ

な る ぺ し 。 魔 子 一

を                                       ( 10 )                     *   ( 10 )                                             ( 11 ) 将

し て 、 一 切 衆 生 に か さ ね む と す 。 仏 性 こ れ 仏 性 な れ ば 、 衆 生 こ れ

生 な り 。 衆 生 も と よ り 仏 性 を 具 足 せ る に あ           ( 12 )                 * ら

、 た と ひ 具 せ む と も と む と も 、 仏 性 は じ め て き た る べ き に

ら ざ る 宗 旨 な り 。 張 公

酒 李 公

と い ふ こ と な か       ( 13 )         *     ( 14 )                                                                       ( 15 ) れ 。 も し を の つ か ら 仏 性 な ら ん は 、 さ ら に 衆 生 に あ ら ず 。 す で に

生 あ ら ん は 、 つ い に

に あ ら ず 。 こ の ゆ へ に         ( 16 . . グ       昌   リ ト           タ   ズ ル ナ リ         ヲ     グ       ニ   シ ト           タ ズ ル ナ リ         ヲ = . 16 ) 百 丈 い は く 、 説 豸

生 有 二 仏 性 ( 亦 謗 二

 

仏 法 僧 叩 説 三

生 無 二 仏 性 →

 

仏 法

輔 し か あ れ ば す な は ち 、

仏 性 と                                                                     ( 17 ) い ひ 、 無 仏 性 と い ふ 、 と も に

と な る 。 謗 と な る と い ふ と も 、 道 取 せ ざ る ぺ き に あ ら ず 。 且 問 称 、 大 濔 ・ 百 丈 し ば ら く き く べ し 。

は す な は ち な き に あ ら ず 、 仏 性 は 説 得 す や い ま だ し や 。 た と ひ 説 得 せ ば 、 説 著 を 墨 礙 せ む 。 説 著                                                                                     ( 18 )       * あ ら ば 聞 著 と 同 参 な る べ し 。 ま た 大 瀉 に む か ひ て い ふ べ し 、 噌 切

生 無 仏 性 は た と ひ 道

と い ふ と も 、 一 切 仏 性 無

生 と い は ず 、 一 切 仏 性

仏 性 と い は ず 、 い は む や 一 切 諸 仏

仏 性 は 夢 也 未

在 な り 。

挙 看 。                                             *       エ ン ク ワ ン 『 正 法 眼 蔵 抄 』 口 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 )   仏 の こ と ば は 「 〔 一 切 衆 生 〕 悉

仏 性 」 ( 第 一 段 ) 、 塩

は コ 切

仏 性 」 ( 第 八 段 ) 、 今 の 大 潟 は 「 一 切 衆 生 無 仏 性 」 。 こ れ は 、 普 通 一

に 有 無 の こ と ぽ を 理 解 す る の と は 、 大 い に 水 と 火 の 相 違 で

ろ う 。

は 既 に 「 悉 有 仏 性 」 と お っ し ゃ ら れ 、 全 く こ の 道 理 は 顕 ら か で あ る 。

の コ 切

生 無 仏 性 」 の こ と ば は 、 大 体 無 用 の も の に な る に ち が い な い 。 た だ し 、

門 の

使

う 有 無 の こ と ば は 、 今 更

く べ き で は な い 。 結 局 、

の こ と ば で 仏 性 を 表 わ し 、 無 の こ と ば で 仏 性 を 表 わ

か ら に は 、 勿 論 の こ と で あ る 。 そ う で は あ る が 、 普 通 に は 、 有 仏 性 は 信 ぜ ら れ 、 無 仏 性 の こ と ば は 驚 き 疑 う に ち が い な い 。 だ か ら 、 「 よ ろ こ ぶ 大 機 あ り 、 驚 疑 の た ぐ ひ な き に あ ら ず 」 と 釈 か れ る の で あ る 。 「 よ ろ こ ぶ 大 機 」 と は 、 祖

で な い 者 は 多 分 少 な い か 。 全 く 「 釈 尊 説 道 」 の 「 悉 有 仏 性 」 と 、 大 濾 の 「 無 仏 性 」 と は 「 有 無 の 言 理 」 が は る か に 異 な っ て お り 、 「 道

の 当 不 〈 当 が あ る べ き か 〉 う た 二 〇 五

(14)

『 正 法 眼 蔵 抄 』 ロ 語 訳 の 試 み ( 伊 藤 ) 尊 説 道 ノ 悉 有 仏 性、 大 瀉 ノ 無 仏 性 有 無 ノ 言                         当 ア ル ヘ キ カ ( 珀 ) 理 ハ ル カ ニ コ ト ナ リ 、 道 得 ノ 当 不 ・ ウ タ カ ヒ ヌ ヘ キ 事 也 、 但 シ カ ア レ ト モ 一 切 衆 生 無 仏 性 ノ ミ 仏 道 二 長 ナ リ 云 云 、 是 ハ 大 瀉 ノ 無 仏 性 ノ 詞 ヲ 被 二 讃 嘆 一 ナ リ 、 釈 尊 ノ 悉 有 仏 性 ノ 道 理 ヲ ウ ケ テ コ ソ 其 理 ノ ヒ ヒ ク 所 一 = ア 、 ( 一 七 三

b

) 今 ノ 無 仏 性 ノ 詞 モ 出 キ タ レ ト モ 、 此 無 仏 性 ノ 詞 ノ サ シ ア タ リ テ ツ ヨ ク 理 ノ ア ラ バ レ                 ヱ ン ク ワ ン タ ル 所 ヲ 被 レ 讃 也、 又 塩 官 ノ 有 仏 性 ノ 道 、 タ                 セ キ ト ヒ 古 仏 ト ト モ 一 二 隻 ノ 手 ヲ イ タ ス ニ ニ タ リ     ナ ヲ             シ ユ チ ヤ ウ         ヨ ト モ 、 猶 是 一 条 抂 杖 両 人 舁 ナ ル ヘ シ ト ハ 、 塩                     カ ク 官 ノ 有 仏 性 釈 尊 ノ 悉 有 仏 性 、 只 同 詞 ナ ル 所 ヲ 、 古 仏 ト ト モ ニ ト ハ 被 レ 指 也、 如 レ 此 ト モ ニ   セ キ     テ 一 隻 ノ 手 ヲ 出 シ テ 釈 尊 ト 塩 官 ト 一 条 ノ 挂 杖 ヲ       ホ ト                                     ナ リ コ   フ ツ カ キ タ ル 程 ノ 道 理 也 ト ナ リ 、 是 ハ 猶 古 仏 ノ 詞 ニ ニ タ ル 所 ヲ 、 両 人 舁 ト ハ イ ハ ル ル ( 一 七 四 a ) ナ リ 、 今 大 瀉 ハ 非 レ 爾 ト テ 一 条 挂 杖 ト ン 呑 両 人 ナ ル ヘ シ ト 云 云 是 ハ 大 瀉 ノ 無 仏 性 ノ 詞 ヲ 被 二 讃 嘆 一 也 此 無 仏 性 ノ 詞 力 古 仏 ヲ モ 呑 大 瀉 モ 被 γ 呑 タ ル ナ リ 、 如 レ 此 云 ヘ ハ ト                           シ ツ テ 、 有 仏 性 無 仏 性 ノ 詞 相 違 シ 得 失 ア ル ヘ キ           シ ハ ラ ク           ウ             シ ヤ ク ニ テ ハ ナ シ 、 鏨 就 F 詞 一 往 其 理 ヲ 被 レ 釈 也 ト                                   ソ ン 可 昌 心 得 噛 国 師 ハ 馬 祖 ノ 子 也、 大 瀉 ハ 馬 祖 ノ 孫                                 ハ ツ 究 也 云 云 、 如 レ 文 、 所 詮 只 返 返 無 仏 性 ノ 詞 ノ 抜 群 二 〇 六 が ひ ぬ べ き 」 こ と で あ る 。 た だ し 、 「 し か あ れ ど も 、 一 切

生 無 仏

の み 仏 道 に 長 な り 」 と あ る 。 こ れ は 、 大 瀉 の 「 無 仏 性 」 の こ と ば を 讃 嘆 さ れ た の で あ る 。 釈

の 「 悉 有 仏 性 」 の 道 理 を 受 け て 、 そ の 理 が 及 ぶ こ と に よ っ て 、

の 「 無 仏 性 」 の こ と ぽ も 出 て 来 た け れ ど も 、 現 に 強 く 理 が あ ら わ れ て い る こ の 「 無 仏 性 」 の こ と ば を 讃 え ら れ る の で あ る 。 ま た 、 「 塩

の 有 仏 性 の 道 、 た と ひ 古 仏 と と も に 「

の 手 を い だ す に に た り と も 、 な ほ こ れ 一 条

杖 両 人 舁 な る べ し 」 と は 、 塩 官 の 「

性 」 と 釈 尊 の 「 悉 有 仏 性 」 と が 、 た だ 同 じ こ と ば で あ る と こ ろ を 、 「 古 仏 と と も に 」 と

し 示 さ れ る の で あ る 。 こ の よ う に 、 「 と も に 一

を 出 」 し て 、 釈

と 塩 官 と が コ 条 」 の 「

杖 」 を 「 舁 」 ( か つ ぐ ) い で い る ほ ど の 道 理 で あ る と 言 う の で あ る 。 こ れ は 、 〔 塩 官 の 「 一 切

生 有 仏 性 」 の こ と ぽ が 〕

仏 の 〔 = 切 衆 生 悉 有 性 」 の 〕 こ と ば に 似 て い る と こ ろ を 、 「 両 人 舁 」 ( 両 人 し て 舁 く ) と 言 わ れ る の で あ る 。 「 い ま

潟 は し か あ ら ず 」 と 言 っ て 、 「 一 条

両 人 な る べ し 」 と あ る 。 こ れ は 、 大 濡 の 「 無

性 」 の こ と ば を 讃 嘆 さ れ る の で

る 。 こ の 「 無 仏 性 」 の こ と ば が 、

仏 を も 呑 み 、 大 濔 も 呑 ま れ て し ま っ た の で

る 。 こ の よ う に 言 う か ら と 言 っ て 、 「 有 仏 性 」 と 「 無 仏 性 」 の こ と ぽ が 相

し 、

失 が あ る わ け で は な い 。 一 応 、 こ と ば に し た が っ て 、 一 通 り そ の 理 を 釈 か れ る の で あ る と 理

                                                  ( 20 ) す べ き で あ る 。 「 国 師 は 馬 祖 の 子 な り 、 大 濔 は 馬

な り 」 と あ る 。 文 の 通 り 。 結 局 、 た だ 繰 り 返 し 、

り 返 し 、 「 無 仏 性 」 の こ と ば が 抜

で あ る と こ ろ を

翫 さ れ る の で あ る 。 「 有 仏 性 」 の こ と ば が 、 決 し て 「

性 」 の こ と ぽ に

っ て い る わ け が な い 。 そ う で あ る な ら ば 、 普 通 〜

に 人 が い つ も

っ て い る 道 理 に 聞 こ え る 。 「 無 仏 性 」 の こ と ば は 、 「

仏 性 」 の こ と ば よ り 理 が 勝 っ て い る わ け で は な い け れ ど も 、 普 通 一 般 の 道 理 と

い 、 し か も

法 の 道 理 で あ る と こ ろ を 讃 え ら れ

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