オールフラッシュアレイ製品評価ガイド
2017-18
Chuck Cook/Ken Clipperton
共著
オールフラッシュアレイ
製品評価ガイド
オールフラッシュアレイ・
バイヤーズガイド
2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
目次
オールフラッシュアレイ製品評価ガイド1
はじめに
3
エグゼクティブサマリー
6
本バイヤーズガイドの使い方
6
開示
7
選択
/
除外基準
7
製品ランク付けプロセスの
8
つのステップ
8 DCIG
のコメント
8 フラッシュのビジネス価値 8 統合と簡素化はビジネス価値創出のカギ 9 統合を可能にする機能 9 簡素化を可能にする機能 9 組織上の考慮事項 9 容量と密度 9 サービス品質 (QoS) 9 管理の統合と自動化 10 ベストプラクティス10
改善が期待される機能領域
10 PCIe、NVMe、およびNVDIMMの採用 10 データガバナンス/セキュリティ 10 データファブリックとクラウドへのシームレスな階層化 10 パフォーマンスと価格11 DCIG
の所見
11 「推奨」ランク 12 「優秀」ランク 13 「良好」ランク15
オールフラッシュアレイのランキング
17
オールフラッシュアレイ製品
18 Dell EMC Unity 600Fオールフラッシュストレージ 19 Dell Storage SC8000 20 Dell Storage SC9000 21 富士通ストレージETERNUS AF650 22 日立データシステムズVSP F400 23 日立データシステムズVSP F600 24 日立データシステムズVSP F800 25 HPE 3PAR StoreServ 8400 26 HPE 3PAR StoreServ 8440 27 HPE 3PAR StoreServ 8450 28 Huawei OceanStor 5300 V3 30 Huawei OceanStor 5600 V3 30 Huawei OceanStor 5600 V3 31 Huawei OceanStor 5800 V3 32 IBM FlashSystem A9000 33 IBM FlashSystem A9000R 34 IBM FlashSystem V9000
35 NEC M710Fオールフラッシュアレイ 36 NetApp AFF A300
37 NetApp SolidFire SF19210 38 Nimble Storage AF9000
39 Pivot3 N5-6000 PCleオールフラッシュアレイ 40 Pure Storage FlashArray //m70
41 Tegile IntelliFlash HD T10KHD-200 42 Tegile IntelliFlash HD T10KHD-300
付録
A-1 付録A̶定義、説明、および用語集 B-1 付録B̶ベンダーの連絡先情報 C-1 付録C̶DCIGの連絡先情報2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイドはじめに
現在、多くの組織がオールフラッシュアレイのメリットに着目して、積極的な導入を進めて います。最新世代のオールフラッシュアレイはさまざまなビジネス上の優先課題を解決でき、 大半のケースで18
ヶ月未満での投資回収が可能です。実際のところ多くの組織が、IT
予算 の面だけで考えても、オールフラッシュへの移行に投資した資金を迅速に回収できています。 しかしながらオールフラッシュへの移行がもたらす最大の価値は、IT
予算の節減ではありま せん。オールフラッシュがもたらす最大の価値は、組織の俊敏性の向上です。インターコンチネンタルホテルズグループの
CIO
を務めるEric Pearson
氏が指摘するとおり、「今日の競争においては大が小を制するのではなく、より速いものが遅いものを制します1」。 オールフラッシュ、常時稼働 効率性とは、最小限の時間と労力でタスクを達成できる能力を指します。オールフラッシュ アレイ
(AFA)
は、アプリケーションの高速化、ストレージ管理負担の軽減、日常的なプロ セスの自動化などを通じて、効率性の向上に貢献します。今日のオールフラッシュアレイは、 あらゆる組織の容量ニーズに対応でき、必要とされるデータサービスを搭載し、より広範な 組織にとって現実的な価格帯で提供されるようになっています。その結果、あらゆるアクティ ブワークロードの加速を目的としてAFA
に移行する組織が増えつつあります。 フラッシュは高速です。オールフラッシュアレイのパフォーマンスの測定には、レイテンシ、 スループット、IOPS
をはじめとするさまざまな評価基準が使用されます。高度に仮想化さ れた典型的なデータセンターでは、従来のストレージからフラッシュに移行することで、こ の3
つの評価基準のすべてを劇的に向上させることが可能です。デジタル化イニシアチブに よって生み出されるデータのボリュームと生成速度は、従来のストレージの能力を超えつつ あります。オールフラッシュアレイなら、これらの要件に対応することが可能です。 フラッシュはデータセンターフレンドリです。すなわちデータセンターの効率化に貢献しま す。データセンターの運用は多大な経費を必要とし、不動産、電力、冷却コストは上昇の一 途をたどっています。フラッシュはこれらのコストを軽減でき、従来のストレージシステム に比べて消費するデータセンターリソースはわずか10
分の1
程度に抑制されます。事実、 本バイヤーズガイドで取り上げた製品のうち7
製品は、100TB/RU
以上のRaw
フラッシュ 容量を提供可能です。 さらにAFA
への移行により、ストレージのトラブルシューティングがほぼ不要になるほか、 日常的なタスクの自動化やサーバー管理タスクへの統合が可能になるため、ストレージ管理 の負担が大幅に軽減されます。 フラッシュは低コストです。言うまでもなく初期投資は必要ですが、ごく短期間での投資回 収が可能です。多くの組織から、オールフラッシュの導入コストは、従来のストレージシス テムの維持管理コストよりも低いとの報告が寄せられています。またデータセンター全体を 刷新した組織では、ほぼ瞬時のROI
を達成しています。 オールフラッシュアレイのベンダー間の競争は熾烈で、ベンダー各社は機能を絶えず追加ま たは強化し、最新のハードウェアを採用することで、競争力の向上を図っています。ベンダーA
とB
が同等の製品機能を実現したかと思えば、ベンダーC
がそれを上回る機能を実現し、 それに追いつくべく各社がさらなる改善を急ぐという状況が繰り返されています。こうした 資本主義そのものとも言えるベンダー間の自由競争は、消費者に利益をもたらします。DCIG
は、動的なオールフラッシュアレイ(AFA)
市場の最新状況を皆様にお届けできるこ とをうれしく思います。この『DCIG 2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガ イド』を、オールフラッシュアレイの選定にお役立てください。本バイヤーズガイドには、「推 奨」、「優秀」、または「良好」ランクを獲得した25
のエンタープライズクラスのオールフラッ シュアレイに関するデータシートが含まれています。1. 「VMworld 2015のステージにおけるPat Gelsingerの講演」(15:50)。YouTube。YouTube、2015年9月
1日。<https://www.youtube.com/watch?v=U6aF O0M0bZA&list=PLeFlCmVOq6yt484cUB6N4LhX ZnOso5VC7&index=3>。
2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイド
はじめに
(続き)本ガイドで取り上げたのは、
Dell EMC
、富士通、日立データシステムズ、HPE
、Huawei
、NEC
、IBM
、NetApp
、Nimble Storage
、Pivot3
、Pure Storage
、およびTegile
の12
社 の製品です。 本DCIG
バイヤーズガイドが購買担当者に提供するメリット 本ガイドでは、過去に発表されたDCIG
バイヤーズガイドと同様に、DCIG
のアナリスト が組織のテクノロジーバイヤーに代わって手間のかかる以下の作業を完了しています。•
多くの競合ソリューションで必要とされるが、購買担当者が比較データを入手するのが困難 な、一般的なテクノロジーニーズの特定•
市場で入手可能な製品についての広範な調査•
各製品がサポートする機能に関する正規化されたデータの収集•
エンドユーザーの視点に立った各機能についての客観的な第三者評価•
製品に関する主な留意事項と市場における重要な変化の確認•
機能ベースの比較に役立つDCIG
の見解と製品機能データの提供 この『DCIG 2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド』は、購買担当者が 固有のニーズに適した製品候補をすばやく絞り込めるようにすることで、製品選定プロセス に要する時間とコストの節減を可能にします。本ガイドを使用することで、購買担当者は製 品評価を効率的に完了して、競争入札プロセスへと迅速に進むことができます。 各DCIG
バイヤーズガイドには、市場の現状についての有益な情報が掲載されています。 言うまでもなく、各ベンダーからは新たな製品や機能拡張が継続的にリリースされており、DCIG
はこうした製品アップデートを当社の調査に定期的に反映させています。DCIG
が収集したデータをご覧になるには、
DCIG Competitive Intelligence Portal
への登録が必要です。
ダウンロード可能なバイヤーズガイドの補足資料として、本ガイドを入手するために
DCIG
Competitive Intelligence Portal
にご登録いただいたエンドユーザーは、『DCIG
インタラクティブバイヤーズガイド
(IBG)
』もご覧いただけます。IBG
を使用すると、製品選定プロセスの次のステップとして、特に関心の高い製品の詳細な機能比較を含んだカスタムレ
ポートを作成できます。
DCIG Competitive Intelligence Portal
の詳細については、www.dcig.com
をご覧ください。 なお本バイヤーズガイドは、各組織内で実施される製品テストの代わりとなることを意図し たものではありません。個々の製品の動作は、アプリケーションワークロードやデータセン ター環境によって変動するため、可能であれば各組織内で製品テストまたは概念実証を行う ことが引き続き推奨されます。本バイヤーズガイドが皆様のお役に立ちましたら幸いです。Chuck
およびKen
2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイドエグゼクティブ
サマリー
オールフラッシュアレイ市場は急速に成長しており、競争は激化する一方です。『DCIG
2015-16
年オールフラッシュ・バイヤーズガイド』がリリースされて以降の16
ヶ月間で、オー ルフラッシュアレイ市場ではさまざまな変化が発生しました。AFA
の容量、ストレージ密度、 およびパフォーマンスは大幅に向上し、さらに企業の大型買収あるいは撤退に伴う市場統合 も進んでいます。 ある意味、AFA
市場はストレージアレイ市場そのものになりつつあります。今日では、あ らゆる重要な製品ラインがAFA
構成で提供されており、オールフラッシュ構成に固有のオ プションを含むさまざまなフラッシュ最適化が実装されています。DCIG
はストレージアレイ調査の一環として、80
以上のオールフラッシュアレイについて 機能調査を実施しました。ストレージ市場には複数のセグメントが存在するため、DCIG
は まず各製品を中堅企業向け、中小規模エンタープライズ(SME)
向け、およびエンタープラ イズ向け製品に分類しました。この『DCIG 2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤー ズガイド』には、エンタープライズ向けアレイのうち、「推奨」、「優秀」、または「良好」ラン クを獲得した製品のみを掲載しています。本ガイドに掲載されている製品のほとんどは、中 堅企業やSME
向け製品からハイエンドのストレージアレイまでを含んだ包括的なシリーズ の一部として提供されています。またその他の製品も各シリーズにおける最も堅牢なモデル です。 ベンダー各社は新たな手法によるバリュープロポジションの向上を図っているオールフラッ シュアレイの導入目的が、ニッチな用途から日常的なワークロードの運用へと急速に移行す るなかで、顧客の要求も厳しさを増しています。今日のアレイにとって包括的なデータサー ビスの提供は必須要件です。厳しい市場競争を勝ち抜くために、ベンダー各社は購買担当者 にアピールするべく、次に示すような新たなオファーを展開しています。•
包括的なライセンス。DCIG
が前回実施したAFA
製品のレビュー以降、HPE
やNEC
などの多数のベンダーが、より包括的なライセンス供与アプローチへの転換を進めています。こ れは購買プロセスを簡素化し、機能の利用を促進し、継続的管理の負担を軽減することを 目的とするものです。
•
ユーティリティベースの価格設定。費用の削減を目指している組織の多くが、オンプレミス インフラストラクチャからクラウドベースのIT
サービスへの移行を検討しています。GB/
月 単位の課金モデルで利用可能なクラウドサービスは、CAPEX
の削減に効果を発揮します。今日では
HPE
やTegile
をはじめとする多くのAFA
ベンダーが、ユーティリティベースの類 似した料金オプションを提供しています。•
「無料」のハードウェア。「無料」という言葉は誰にとっても魅力的です。現在多くのベンダー が、買い手にアピールするために「無料」のハードウェアアップグレードを提供しており、有 効なメンテナンス契約を保有する顧客は3
∼5
年ごとにハードウェアを無料でリフレッシュ できます。こうしたプログラムの大半は開始されたばかりで実績はほとんどありません。そ のため利用にあたっては、契約条項を慎重に確認することをお勧めします。•
クラウドベースの分析。Nimble Storage
が中心となって推進している、クラウドベースの分 析に基づくプロアクティブな修復は、ストレージシステムの分野で注目を集める新機能です。 ほとんどの場合、ベンダーとIT
スタッフの双方が、問題の修復、パフォーマンスとアップタ イムの向上、およびキャパシティプランニングの簡素化に役立つデータにアクセスできます。2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイド
エグゼクティブサマリー
(続き)•
ユニファイドストレージ。SAN
(ファイバーチャネルおよびiSCSI
)とNAS
(NFS
、CIFS
、および
SMB3
)インフラストラクチャを個別に維持管理するのは非効率的であり、多くの組織でこの状況が解消されつつあります。
SAN
プロトコルとNAS
プロトコルの両方を実行可能な単一アレイ上にワークロードを統合することにより、冗長ハードウェアおよびそれに伴うコ スト(管理、データセンタースペース、メンテナンス契約など)を排除して、ビジネス価値を 向上できます。ファイルプロトコルサポートを提供するために個別のアプライアンス(ファイ
ラーヘッド)を必要とする製品も今なお存在しますが、最近では
HPE 3PAR
、NEC
、Dell
EMC
などの多くのベンダーが、それぞれのプライマリコントローラーにファイルプロトコル サポートを統合しています。 統合を可能にする機能はビジネス価値創出のカギ ここまでに挙げた事項に加えて、オールフラッシュアレイは、全体的なデータセンターコス トの大幅な削減による価値創出が可能です。統合は主要なコスト削減手段の1
つであり、こ こで言う統合はストレージの統合だけにとどまらず、サーバーさらにはデータセンター全体 の統合にまで及びます。以下では統合を可能にする基本的なハードウェア機能を説明すると ともに、DCIG
のコメントを示します。 ハードウェアの進化がもたらす新たな統合機会•
フラッシュ容量の平均値はここ数年で2
∼3
倍向上しました。『DCIG 2015-16
年AFA
バ イヤーズガイド』で取り上げたアレイに比べて、Raw
フラッシュ容量の平均値は445TB
か ら880TB
へとほぼ倍増し、またRaw
フラッシュ容量の最大値も3
倍近く上昇して10PB
に達しています。•
フラッシュ密度の平均値も3
∼4
倍向上しました。Raw
ストレージ密度の平均値は4
倍近 く上昇して80TB/RU
(ラックユニットあたりテラバイト)に達しています。本バイヤーズガイ ドで取り上げたアレイが達成可能な最高密度は、192TB/RU
という驚異的な数値です。•
最新モデルには、より多くのコアとより大容量のDRAM
キャッシュを搭載する最新のイン テルCPU
が採用されています。•
SSD
への12Gb SAS
バックエンド接続の採用が進み、各フラッシュメモリデバイスへの帯 域幅が倍増しています。•
16Gb FC
の採用が進み、ホストへのフロントエンド接続の帯域幅が倍増しています。 オールフラッシュアレイ市場の統合と混乱 複数の企業買収および撤退により、ストレージ業界では大きな混乱が生じています。企業買収の例としては、
Dell
によるEMC
の買収、NetApp
によるSolidFire
の買収、Pivot3
による
NexGen
の買収などが挙げられます。またAFA
のパイオニアであるViolin Memory
の 破産申請も市場に大きな衝撃を与えました。ストレージアレイ市場では今後さらなる統合が 進むとDCIG
は見ています。 本バイヤーズガイドの目的 『DCIG 2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド』には、フラッシュアレイ を購入しようとする組織が調査プロセスを効率よく実行し、的確な結論を得るうえで役立つ 最新情報が掲載されています。 過去に発行されたバイヤーズガイドと同様に、本ガイドは広範なオールフラッシュアレイの 一覧と標準化されたデータシートを提供することで、組織における重要な購買決定を支援す ることを目的としています。このDCIG
バイヤーズガイドを使用することで、各組織は自 身にとって重要な機能を明確化したうえで、より詳細な調査および/
または購入の候補とな る製品リストを迅速に作成できます。2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイドエグゼクティブサマリー
(続き) この『DCIG 2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド』の主な目的は、以 下のとおりです。•
市販のAFA
モデルの機能に関するデータを収集および標準化する•
エンドユーザーの視点に立って製品機能に関する客観的な第三者評価を提供する•
特に注意すべき市場の現状および製品機能についての有益な情報を提供する•
エンドユーザーにとっての重要性という観点から各モデルの機能を採点しランク付けするこ とで、どのモデルがどのような条件下においてニーズに最適であるかをエンドユーザーが迅 速に判断できるようにする•
2
のストレージプロバイダーから提供されている25
のオールフラッシュストレージアレイに ついて標準化されたデータシートを提供することで、エンドユーザーが50
以上の機能につ いて、各モデルでサポートされているかどうかを簡単に比較できるようにする•
組織が複数のストレージプロバイダーによる競争入札を行うにあたり、ほぼ同等な製品同士 を比較できるように支援する2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイド本バイヤーズガイドの使い方
このバイヤーズガイドは、ユーザーが製品の調査および選 定プロセスを効率よく推進し、調査にかかるコストを削 減しつつ、より確かな結論に到達できるようサポートする 目的で作成されています。本ガイドは特定製品の購入を ユーザーに推奨するものではなく、ユーザーが固有のニー ズに適合する競合製品の一覧を作成できるよう支援する ことに重点が置かれています。 製品の選定に役立つように、本バイヤーガイドでは各製 品の比較評価を示すとともに、市場で入手可能な各種製 品、およびそれらの製品が提供する具体的機能について の有益な情報を掲載しています。なお各製品データシー トに示されている機能には、DCIG
の見解が反映されて います。製品の購入にあたっては、とりわけ関心の高い 機能について、個々の組織で十分な事前検証を行うこと を強くお勧めします。 本バイヤーズガイドを以下の7
つの方法で活用して、製品 の選定にお役立てください。1.
ニーズに適合する製品候補を絞り込むための調査プロ セスの負担を軽減できます。本バイヤーズガイドでは、12
のストレージプロバイダー製の25
のストレージアレイ を評価し、標準偏差の範囲に基づいて各製品を「推奨」、 「優秀」、または「良好」にランク付けしています。評価 対象となった機能は100
以上にのぼり、製品のランクと 機能の一覧を見るだけで、購入候補となる製品を簡単 に絞り込めます。2.
異なるベンダー製の製品同士を適正に比較できます。製 品の購入にあたっては、複数ベンダーによる競争入札を 実施することで、有利な取引を行う必要があります。し かしながらこの戦術が機能するためには、各社から提案 される製品が比較可能なものでなければなりません。 本バイヤーズガイドは、この点に関して組織を支援する ことが可能です。3.
不適切な比較を回避できます。比較はほぼ同等な製品 同士で行う必要があり、不適切な比較対象の混入は避 けなければなりません。しかしながらベンダー各社から 提出される異なる製品の見積もりを比較して最良の取 引を行うのは、決して容易な作業ではありません。本ガ イドに示された各製品のランクを参照することで、ベン ダー各社の見積もりを適正に評価するのが容易になり ます。4.
知名度の低いベンダーの製品と実績ある有名ブランド の製品を適正に比較できます。有名ベンダーからの製 品購入には相応の安心感があり、一方で知名度の低い ベンダーからの製品購入には抵抗感が伴いがちです。 本バイヤーズガイドはこうした不安を和らげるのに役立 ち、製品のより公正な比較が可能になります。5.
複雑な用語を標準化できます。あらゆる業界セグメント では、固有の略語や専門用語が使用されがちです。本 バイヤーズガイドでは、意味のある比較を行うための基 盤として、こうした略語や専門用語を取捨選択して標準 化しています。標準化された用語の定義は本ガイドの用 語集をご覧ください。6.
標準化されたデータシートを活用して製品をすばやく 比較できます。通常、ベンダー各社から入手可能な製品 データシートは、レイアウトや掲載されている情報がそ れぞれ異なります。ベンダーによっては、自社ポートフォ リオ内でも製品ごとに異なるデータシートフォーマット が使用されています。本バイヤーズガイドは、各製品に ついて標準化された読みやすいデータシートを提供す ることで、この問題に対処しています。個々の製品デー タシートをプリントアウトして並べることで、各製品の 機能を迅速に比較できます。7.
事業部門に対する購入の推奨を正当化するのが容易に なります。各製品データシートの最上部には、その製品 の総合ランクとして、「推奨」、「優秀」、または「良好」の いずれかが記載されています。この総合ランクは、当該 製品の機能と本バイヤーズガイドに掲載されている他の 製品との総合的な比較評価を一言で表したものです。開示
ここ数年間の米国における一般的な傾向として、規模の大 小を問わず多くの調査会社が、売上の一部またはすべてを ベンダーに依存しています。 この点に関してDCIG
も例外ではなく、ベンダー向けの多 様なサービスから対価を得ています。DCIG
が提供してい るベンダー向けサービスには、ブログ、バトルカード、競 争優位性レポート、顧客検証、製品レビュー、エグゼクティ ブホワイトペーパー、ホワイトペーパー、スペシャルレポー トなどがあります。2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイド なお、このDCIG
バイヤーズガイドに掲載されているベン ダーの多くが、DCIG
のクライアントであるか、もしくは 過去にクライアントであった企業ですが、本バイヤーズガ イドにおいて、このことが製品評価に影響を及ぼしている ことは一切ありません。DCIG
はこれらのベンダーの製品 について、立場上得られる豊富な知識を生かして、本バイ ヤーズガイドに含めるかどうかを厳正に評価しています。 本バイヤーズガイドが提供する情報およびそのメリットに ついては、以下に示す点にご留意ください。•
DCIG
は本トピックに関する調査や到達した結論に関して、 いずれのベンダーからも謝礼金等は一切受け取っていませ ん。•
DCIG
はいずれのベンダーに対しても、その製品が本バイ ヤーズガイドに掲載されるかどうかを一切保証していませ ん。•
DCIG
は特定の製品が本バイヤーズガイドで高ランクを獲 得できるかどうかについて、調査の前および完了後に暗示 あるいは保証することは一切していません。•
すべての調査は、公開されている情報、ベンダーから提供 された情報、および/
または情報を評価する専門家の知識 に基づいています。•
本バイヤーズガイドは、このガイドに掲載されていない ベンダーや製品を否定するものでは一切ありません。•
本バイヤーズガイド内でランク付けされているベンダーま たは製品と、それ以外のベンダーまたは製品を比較するこ とは、本ガイドの正しい使い方ではありません。 分析および評価の対象となる機能の数が非常に多いために、 個々の製品が最終的にどのようなランク付けになるかを、DCIG
があらかじめ正確に予測することは不可能でした。 またDCIG
が各機能をどのように評価するかについて、特 定ベンダーに内々に伝えるようなことは一切していないこ とを、ここで明言しておきます。いずれのベンダーも、自 社製品のランクを知ることができたのは分析の完了後です。選択
/
除外基準
本「バイヤーズガイド」に特定のアレイモデルを掲載する かどうかは、以下の選択/
除外基準に従って決定しています。•
単一のSKU
により、自身のハードウェアおよびソフトウェ アで構成されるアプライアンスとして提供されていること。•
オールフラッシュアレイ(AFA)
として市場展開されている こと。この基準が満たされていることを示す最良の証拠 は、固有のオールフラッシュSKU
の存在です。•
フラッシュメモリが、単なる拡張キャッシュとしてではな く、プライマリストレージとして使用されていること。•
HDD
を搭載したディスクシェルフや外付けのディスクベー スアレイの仮想化によってストレージが拡張されていても 除外対象とはしない(これは基本的にオールフラッシュアレ イからハイブリッドストレージアレイへの転換を意味しま す)。•
次に示すストレージネットワークプロトコルの1
つ以上を サポートしていること。iSCSI
、ファイバーチャネル、InfiniBand
、NFS
。•
DCIG
によってハイエンドストレージアレイに分類されて いないこと。ハイエンドストレージアレイは別の市場に属 し、『DCIG
ハイエンドストレージアレイ・バイヤーズガイ ド』で取り上げています。•
DCIG
が意味のある判断を下すうえで十分な情報を入手可 能であること。DCIG
は可能な限り多くのストレージプロ バイダーから情報を入手するよう誠意をもって努めていま すが、信頼できるデータが不足しているために製品が本ガ イドから除外される可能性があります。•
2017
年2
月28
日の時点で、公式に発表されているか、ま たは市販されていること。本バイヤーズガイドを発行する ためには、締め切り日を設けることが不可欠でした。 結局のところ、特定のモデルが選択基準を満たしているか どうかは、各DCIG
バイヤーズガイドを担当しているアナ リストの専門家としての判断に委ねられています。製品ランク付けプロセスの
8
つのス
テップ
本バイヤーズガイドに掲載されている各製品を客観的に ランク付けするために、DCIG
は次に示す8
つのステップ で構成されるプロセスを実行しました。1.
最初にどの機能を評価対象とするかを決定しました。ま た評価対象の機能の選択に先立って、利用可能な各種 機能を数値化するとともに、機能の名称を統一するため の「標準化」を行いました。客観的な定義や理解が不可 能と判断された機能は、評価対象から除外しています。2.
次に評価対象の機能を4
つのカテゴリに大きく分類し ました。4
つの機能カテゴリとは、管理とソフトウェア、 ハードウェア、仮想化、およびサポートです。3.
各ベンダーの製品について調査を開始し、各製品の機 能データを収集しました。次にベンダー各社に調査結果 を送付し、自社製品に関するデータを確認のうえ、修正 や変更があれば指摘してくれるよう要請しました。すべ てのケースで、DCIG
が行った調査結果を確認しフィー ドバックを行う機会が全ベンダーに与えられました。4.
選択/
除外基準に従って、DCIG
による「オールフラッシュ アレイ」の定義を満たした製品の一覧を作成しました。2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイド5.
採点基準を確立するために、各機能の重み付けを行い ました。機能の重み付けは、DCIG
のリサーチアナリス トチームが担当しました。この重み付けは、特定機能が サポートされているかどうか、およびその機能がエンド ユーザーにとってどれだけ有益あるいは重要であるか を反映することを目的とするものです。6.
各製品の機能を、調査によって収集された情報に基づ き採点しました。各機能は「対応」または「非対応/
不 明」のいずれかに判定され、それに従って採点されてい ます。その後、ベンダーによるレビュー期間が終了する のを待って、フィードバックを反映した最終的なランク を確定しました。7.
標準的なスコアリング技法を使用して製品をランク付 けしました。本バイヤーズガイドの目標の1
つは、客観 的に得られた調査結果に基づく各製品の明瞭な比較評 価です。この目標を達成するために、DCIG
は全製品 の平均スコア、さらには標準偏差を求めました。次に製 品の総合スコアが標準偏差範囲のどこに位置するかに 基づいて、各製品の総合ランクを決定しました。8.
製品機能データのレビュー用ワークシートを作成し、結 果の公開に先立って、確認のために各ベンダーに送付し ました。この公開版バイヤーズガイドに掲載されている 各データシートは、確認とフィードバックのためにベン ダーに送付された、このレビュー用ワークシートを基に 作成されています。すべてのケースで、自社製品に関す るデータシートの内容を確認し修正を要求する機会が 全ベンダーに与えられました。DCIG
が評価した製品機能は多岐にわたっているため、 データシートには収集されたデータのサブセットのみが 掲載されている場合があります。データシートに掲載さ れている機能データは、(1)
製品ごとの変動が大きい、(2)
スコアの重み付けが大きい、(3)
アレイ購入予定者の 関心が高い、という基準で選択されています。製品機 能データのフルセットは、DCIG
のWeb
サイト(
www.
dcig.com
)
か ら アク セ ス で き るDCIG Competitive
Intelligence Portal
から入手可能です。DCIG
のコメント
マーク・トウェインは、自分の安否を心配している肉親に 向けて、「私が死んだという報道は誇張である」と書き送っ ています。同様に、(HDD
ベース)
のレガシーアレイが廃 れたというのは誇張に過ぎますが、とはいえオールフラッ シュへの移行は明らかに加速しています。AFA
がもたらす ビジネス価値は、既に無視できないレベルに達しています。 ストレージインフラストラクチャを新規導入する場合であ れ、既存の環境をリフレッシュする場合であれ、オールフ ラッシュストレージは魅力的な選択肢です。 汎用目的のストレージが持つ機能性よりもレイテンシの低 さが重視される重要なアプリケーションについては、数年 前からAFA
が選択されてきました。幸いにもこうしたト レードオフは既に過去のものとなっており、今日では多く のAFA
ベンダーのAFA
製品ラインにデータサービスが組 み込まれています。 複数の実績あるエンタープライズストレージベンダーが、 汎用目的の製品ラインにAFA
を追加したり、AFA
のスター トアップ企業を買収して自社ポートフォリオに組み入れた りしています。 このように現在では豊富な製品が提供されているため、デー タサービスの面で妥協することなく、AFA
のパフォーマン スを活用することが可能です。そのため多くの組織におい て、従来のエンタープライズストレージアレイからAFA
へ の移行が進められています。こうした状況を踏まえて本バ イヤーズガイドでは、組織のプライマリストレージアレイ で必要とされる幅広い機能について各アレイを評価してい ます。 フラッシュのビジネス価値 既存のストレージのリフレッシュを考えている多くの組織 にとって、オールフラッシュストレージに移行する最大の 魅力として、(
特定のアプリケーションだけでなく)
既存の すべてのアプリケーションの高速化が可能であること、さ らにはより多くのアプリケーションを処理可能なパフォー マンスや、増大するデータに対応可能な容量を得られるこ とが挙げられます。AFA
の導入を加速しているもう1
つ のファクターが簡素化で、REST API
のサポートによる自 動化フレームワークとの統合やハイパーバイザー管理コン ソールとの統合が可能です 統合と簡素化はビジネス価値創出のカギ 多くのワークロードをオールフラッシュアレイに統合する ことで、全体的なデータセンターコストの大幅な削減が可 能になります。AFA
が可能にする統合はストレージだけに とどまらず、サーバーさらにはデータセンター全体の統合 にまで及びます。2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイド 最新世代のオールフラッシュアレイはいずれも多数のワー クロードを同時に処理可能な容量とパフォーマンスを備え ているため、統合に必要な機能が搭載されているかどうか が評価の焦点となります。 統合を可能にする機能•
十分なストレージ容量•
従来のストレージシステムよりもはるかに高いストレージ 密度•
パフォーマンス-
レイテンシ、IOPS
、帯域幅•
マルチプロトコル(
ユニファイドSAN/NAS)
のサポート•
アプリケーションサーバーへの高速ファイバーチャネル(FC)
接続とEthernet
接続•
サービス品質(QoS)
機能•
マルチテナンシー•
アップタイム/
可用性を最大化する無停止でのアップグレード
(NDU: Non-Disruptive Upgrades)
と冗長機能•
エンタープライズアプリケーションのサポート認定 製品評価におけるもう1
つの焦点が、IT
アジリティ(俊敏性) の大幅な向上に欠かせない、簡素化を可能にする機能です。 本ガイドの冒頭でも指摘したとおり、「今日の競争において は大が小を制するのではなく、より速いものが遅いものを 制します」。 簡素化を可能にする機能•
自動化されたインテリジェントなキャッシングおよび/
また はストレージ階層化•
自動/
ポリシーベースのプロビジョニング•
管理者が新しい仮想マシンにストレージを迅速に割り当て るために必要な、ハイパーバイザー管理コンソールとの統合•
ストレージの分析に基づくプロアクティブな介入•
障害データに基づくプロアクティブな修復•
管理者が各アプリケーションやボリュームに優先度を迅速 かつ容易に割り当てるために必要な、事前定義されたサー ビスレベルに基づくQoS
•
セルフサービス型ITaaS
の基盤となる自動化フレームワー クとの統合を可能にするREST API
組織上の考慮事項 ストレージの統合と簡素化は、人員の配置や組織の編成に も影響を及ぼします。組織がオールフラッシュへの移行か ら最大限の価値を引き出すためには、こうした点も考慮す る必要があります。 容量と密度 エグゼクティブサマリーで紹介したとおり、本バイヤーズ ガイドに掲載されている製品の平均AFA
フラッシュ密度は80TB/RU
で、なかには192TB/RU
に達するアレイも存在 します。オールフラッシュならではの高いパフォーマンス とストレージ密度により、AFA
は従来のストレージシステ ムの1/10
のスペースで各組織のパフォーマンス/
容量要件 を満たすことができ、データセンターコストの大幅な削減 を可能にします。 サービス品質(QoS)
ストレージパフォーマンスの管理は複雑になりがちです。 導入当初はAFA
のRaw
パフォーマンスによって、あらゆ るアプリケーションに対応できていたとしても、多数のア プリケーションがAFA
に統合されれば、有限のリソースに 対する競合が必然的に発生するようになります。サービス 品質(QoS)
機能は、クリティカルなアプリケーションに対 して適切なパフォーマンスリソースが確実に提供されるよ うにすることで、統合された環境の信頼性を高めます。今 日市販されているAFA
の大半がQoS
機能をサポートして おり、実装が容易であるほど、その価値は高まります QoS機能 この機能をサポートして いるアレイの割合 (%) ユーザーによる定義済み サービスレベルへの割り当て 64% ユーザー定義の最大値 84% ユーザー定義の最小値 56% ユーザー定義の目標値 44% 管理の統合と自動化 多くの組織が業務プロセスの合理化を目指しているなか、 重要性を高めているのがワークフローの自動化です。スト レージベンダー各社はこの点を認識しており、アレイ管理 の柔軟性を継続的に向上させています。複数の管理イン ターフェイスがサポートされていると、AFA
を導入して既 存のワークフローと統合するのがそれだけ容易になります。VMware vCenter
は大半のアレイでサポートされており、 またMicrosoft
およびオープンスタンダードとの管理統合 も広くサポートされています。2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイド 管理方法 2017-18年 VMware vCenter 100% OpenStack Cinder 88% REST API 84% SMI-S 88% SCVMM SMAPI 76% ベストプラクティス 障害ドメインに留意します。統合は大幅なコスト削減を可 能にしますが、障害ドメインの観点から、組織のインフラ ストラクチャのうちどの程度を(オールフラッシュアレイ などの)単一コンポーネントに依存させるかを慎重に検討 することが大切です。 アプリケーションの高速化に注力します。ストレージボト ルネックを排除すると、アプリケーションパス上に存在す る別のボトルネックが明らかになることがあります。AFA
から最大のパフォーマンスを引き出すためには、アプリケー ションサーバーやストレージシステムへのネットワーク接 続の増加や高速化、サーバーDRAM
の増設、キャッシュサ イズの調整、およびその他のサーバー/
ネットワーク構成 の調整が必要になることが考えられます。一部のAFA
には、 データパス上に存在するボトルネックの特定に役立つユー ティリティが付属しています。 マルチテナンシー機能を活用します。マルチテナンシー機 能を使用して、個々のサーバー管理者またはソフトウェア 開発者が割り当て可能なAFA
リソースの割合を制限するこ とを検討してください。 自動化を追求します。自動化は、日常的なストレージ管理 に要する時間の大幅な短縮により、新たな次元のIT
アジリ ティを可能にします。さらにマルチテナンシー機能や堅牢 なQoS
機能を組み合わせることで、セキュリティも強化で きます。 概念実証(PoC)
を実施します。概念実証を行うことで、AFA
機能の有効性を検証するとともに、インフラストラク チャ内に存在するパフォーマンスボトルネックを特定する ことも可能になります。改善が期待される機能領域
PCIe
、NVMe
、およびNVDIMM
の採用個々のフラッシュデバイスへの帯域幅は、アレイ全体のパ フォーマンスに大きな影響を及ぼします。帯域幅による制 約は、各
SSD
の容量が増えるにつれて増大していきます。AFA
ストレージシステムのパフォーマンスの次なる飛躍は、NVMe
プロトコルを使用するPCIe
接続メディアの採用が 進むことで引き起こされると予想され、DCIG
ではこの移 行が2017
年から2018
年にかけて発生すると見ています。 さらにNVDIMM
はPCIe/NVMe
を超える新たな次元のパ フォーマンスを提供し、2018
年末までに重要な役割を担う ようになると予想されます。ブロックストレージデバイス として導入されるか、あるいは不揮発性メモリとして導入 されるかにかかわらず、NVDIMM
がもたらすパフォーマン スの向上は、データセンターに新たな統合の波を引き起こ し、次世代の分析アプリケーションのための基盤が構築さ れると考えられます。 データガバナンス/
セキュリティ データセキュリティは、あらゆる組織において重大な懸念 事項となっています。データの損失、盗難、漏洩などは、キャ リアやビジネスに多大なダメージを及ぼす恐れがあります。 データガバナンス機能の追加は、セキュリティを強化する うえで欠かせないステップです。 データファブリックとクラウドへのシームレスな階層化 データのアクセス頻度は、データが古くなるにつれて急激 に低下していきます。複数の調査により、数週間以上が経 過したデータの大半は、ほとんどアクセスされないことが 判明しています。組織内のデータの大半はこうした「コー ルドデータ」です。このようなデータを最高性能のフラッ シュメディア上に維持することは賢明とは言えません。コー ルドデータ用として「無限の」クラウド容量を活用するこ とで、ストレージコストの削減が可能になります。調査対 象アレイのうちクラウドへの階層化を標準でサポートして いる製品は25%
未満でした。DCIG
では今後より多くの ベンダーがハイブリッドクラウド/
クラウド階層化機能を アレイに追加すると見ています。 パフォーマンスと価格 購買決定に大きく影響する2
つのファクターは、パフォー マンスとコストです。そのため、この『DCIG 2017-18
年オー ルフラッシュアレイ・バイヤーズガイド』にパフォーマン スベンチマークや価格情報が掲載されていないことに驚く 方もいらっしゃるでしょう。DCIG
がパフォーマンスと価 格に関する情報を本バイヤーズガイドに含めていないのは、 主として次に示す2
つの理由によります。 第1
に、達成されるパフォーマンスは、データセンター環 境、格納されるデータ、および実装の詳細によって大きく 変動します。特定のパフォーマンスメトリックを採用する と、本バイヤーズガイドにおける分析がそれだけ主観的に なります。 第2
に本バイヤーズガイドは、ハイエンドストレージアレ イ市場の現状に関する情報を提供することを目的としてい ます。これらのアレイのすべてについてテストを実施し、パ2017-18
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オールフラッシュアレイ製品評価ガイド フォーマンスベンチマークを確立しようとすると、テストが 完了する前に次世代のアレイが新たに発売されて、本バイ ヤーズガイドが公開前に陳腐化してしまう恐れがあります。 価格に関しては、購入した容量、サービス、延長保証、交 渉など、さまざまなファクターが最終価格に大きな影響を 及ぼします。影響を及ぼすファクターは、個々のベンダー や組織によって異なります。DCIG
は、価格とパフォーマンスが重要なファクターであ り、ストレージアレイを購入する際の主要な考慮事項であ ることを承知しています。しかしながら、DCIG
のような 第三者がこれらの点を客観的かつ大規模に測定することは ほぼ不可能です。これらの点については、各組織が購買プ ロセスの一部として検証すべきであるとDCIG
は考えます。DCIG
の所見
「推奨」ランク
所見 オールフラッシュアレイ上にワークロードを統合すると、 より多くのアプリケーションを高速化しつつ、冗長ハード ウェアおよびその関連コストを排除することで、ビジネス 価値を高めることが可能になります。関連コストとは、管理、 メンテナンス契約、さらにはデータセンターの電力、冷却、 ラックスペースのコストなどを指します。アレイが多数の ワークロードを統合する能力は、さまざまな機能によって 実現されます。「推奨」ランクを獲得した製品は、
HPE 3PAR StoreServ
8450/8440/8400
、Dell Storage SC9000
、 日 立 デ ー タシ ス テ ム ズ
VSP F800/F600/F400
、Huawei OceanStor
5800/5600/5500/5300 V3
、およびNetApp AFF A300
です。
DCIG
が見るところ、「推奨」アレイの主な差別化要因 となっている特徴および機能は、以下のとおりです。•
ユニファイドストレージ(同時SAN/NAS
)、大半の推奨ア レイは個別のファイラーヘッドを必要とすることなくこの 機能を実現•
マルチテナンシー•
スケールアウト型アーキテクチャー•
PB
規模のフラッシュ容量•
ハードウェアアクセラレートされた重複排除•
総合的な仮想化サポート•
管 理 機 能 の 広 範 な 統 合(OpenStack
、REST API
、Microsoft SCVMM
、SMI-S
、VMware vCenter
など)•
充実したサービス品質(QoS)
オプション•
豊富な自己修復機能•
同期レプリケーションHPE 3PAR StoreServ 8000
シリーズHPE 3PAR StoreServ 8000
シリーズアレイには、ワーク ロードの統合を可能にするさまざまな機能が搭載されています。
8450
ベースの4
コントローラーMesh-Active
クラスターは、最大
40
のCPU
コア、384GiB
のDRAM
キャッシュ、および
736TB
のRaw
オールフラッシュ容量を、わ ずか4
ラックユニットで提供します。容量はストレージエン クロージャーと15.36TB
のSSD
を使用して2PB
近くまで スケールアップ可能で、184TB/RU
(ラックユニットあた りテラバイト)という驚異的なストレージ密度を達成でき ます。さらに
HPE 3PAR StoreServ
アレイは、単一アレイ内での
SAN
プロトコルとNAS
プロトコルの同時サポートによ り、ワークロードの統合を促進します。4
コントローラー クラスターでは、iSCSI
接続またはNAS
接続用に最大16
個の1GbE
または8
個の10GbE
ポート、および24
個の16Gb
ファイバーチャネル(FC)
ポートが提供され、大半の ワークロードを加速することが可能です。コントローラーには
HPE 3PAR Gen5 Thin Express ASIC
(Application Specific Integrated Circuit)
が搭載されてお り、ハードウェアアクセラレートされたゼロブロック検出 とブロックレベルのインライン重複排除により、Raw
容量/
密度をさらに向上させます。このASIC
は、シンプロビ ジョニング、シンパーシステンス、自動的なスペース再利用、 メタデータ操作、PCIe
クラスターインターコネクトの管理 機能も提供します。QoS
オプションも充実しており、帯域幅、IOPS
、および レイテンシのしきい値によりクリティカルなアプリケー ションのパフォーマンスを確保できるため、統合された環 境の信頼性が向上します。さらに管理API
とSDK
により、 サードパーティ製の自動化ツールやインフラストラクチャ 管理フレームワークとの統合も可能になるため、管理の負 担が軽減されて、IT
スタッフはより重要な業務に専念でき ます。Dell Storage SC9000
Dell Storage SC9000
アレイは、SC
アレイシリーズの最 上位モデルです。クラスターは最大8
コントローラーで構 成され、最大6PB
のRaw
オールフラッシュ容量を提供で きます。各SC9000
コントローラーには、16
個のプロセッ サーコア(8
コアプロセッサー×2
)と256GB
のDRAM
キャッシュが搭載されています。またDell Compellent
FS8600
ファイラーヘッドを購入することで、ファイルプ ロトコルサポートも追加できます。Compellent Storage
Center OS
には、広範な自動ストレージ階層化機能および スナップショット機能が組み込まれています。SC
アレイは15.3TB
のSSD
と自己暗号化ドライブをサ ポートしており、136TB/RU
のストレージ密度を達成可能 です。Dell Storage SC9000
では、パフォーマンス、SSD
の耐久性、およびコストを最適化するために、2
つのSSD
階層(書き込み中心および読み取り中心)が使用されます。SC9000
はまず、すべてのデータを書き込み中心のSSD
階2017-18
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オールフラッシュアレイ製品評価ガイド 層に書き込みます。その後重複排除が行われるタイミング で、アレイの自動データ階層化プロセスにより、データが 読み取り中心のSSD
階層に移されます。 日立データシステムズVSP F400
、F600
、およびF800
日立データシステムズのVSP F400
、F600
、およびF800
アレイは、日立製フラッシュモジュールデバイス(FMD
DC2)
を使用して、非常にきめ細かいQoS
管理およびそ の他のメリットを提供します。各FMD
にはASIC
が組み 込まれており、ハードウェアアクセラレートされたインラ イン圧縮/
圧縮解除機能が提供され、T10 DIF
によるエン ドツーエンドのデータ整合性が保証されます。日立のフラッ シュトランスレーションレイヤーには、基盤となるフラッ シュメモリのパフォーマンスと耐久性を向上させる独自の フラッシュ管理テクノロジーが実装されています。HDS VSP F
シリーズアレイは、「推奨」アレイのなかで唯一、VM
レベルのレプリケーションをサポートしています。さら にこのアレイは、各種クラウド(Amazon S3
、Microsoft
Azure
、日立クラウドプラットフォームなど)への データ 移行もサポートしています。 日立は100%
のデータ可用性を保証しており、ストレージ アレイの故障によりデータ可用性が失われた場合には、交 換用機器のための融資を約束しています。Huawei OceanStor 5000 V3
シリーズHuawei OceanStor 5300/5500/5600/5800 V3
アレイのRaw
オールフラッシュ容量は、1.8PB
から5PB
超にまで 拡張可能です。フルスケールアウトされたクラスターは、4
つのコントローラーペアで構成されます。各ペア内のコン トローラー同士は、8
レーンPCIe 3.0
高速ミラーリングチャ ネルを介して相互接続され、10Gb Ethernet
を介して他の コントローラーペアと接続されます。OceanStor V3
アレイは、IOPS
、帯域幅、またはレイテン シ要件を確実に満たすために、LUN
固有のSmartQoS
ポ リシーを使用して、ミッションクリティカルなアプリケー ションのためにリソース稼働率を最適化します。また異種 混在のストレージシステムの統合および集中管理を可能に するSmartVirtualization
機能を通じて、ストレージインフ ラストラクチャを合理化します。SmartVirtualization
の働 きによりデータサイロが解消されることで、ストレージ管 理、データ移行、およびディザスタリカバリの手順が簡素 化されます。Huawei
は全世界で事業を展開していますが、とりわけAPAC
地域で高いブランド認知度を誇ります。北南米ではHuawei
のストレージ製品の知名度はそれほど高くないも のの、同社は北米における研究開発および事業を拡大しつ つあります。NetApp AFF A300
NetApp AFF A300
は、オールフラッシュFAS
を刷新する製品として、
2016
年9
月に発表されました。このシステム は15.3TB
のSSD
を使用し、デュアルコントローラーペア あたり約6PB
のRaw
オールフラッシュ容量まで拡張可能 です。フルスケールアウトされたA300
クラスターは12
の 高可用性(HA)
ペアで構成され、70PB
を超える最大Raw
容量を提供します。クラスター同士は10Gb Ethernet
で相 互接続されます。A300
は、本バイヤーズガイドで取り上 げた製品のなかで32Gb FC
接続と40GbE
接続の両方を サポートしている唯一の製品です。NetApp
アレイは、単一アプライアンスの形で、SAN
プロ トコルとNAS
プロトコルをサポート可能なユニファイド ストレージインフラストラクチャを提供します。またAFF
A300
はハイブリッドNetApp FAS
システムとともにクラスター化できるため、高性能のオールフラッシュ階層と低
コストの大容量
HDD
階層の間でワークロードを移動することも可能になります。
このシステムは、
NetApp
が長年にわたって追求してきたハイブリッドクラウド・データファブリックのビジョンを
体現するものです。
AFF A300
上で実行されるClustered
ONTAP 9.1
には、(AWS
に加えて)Microsoft Azure
用のONTAP Cloud
サポートが新たに追加されています。「優秀」ランク
「優秀」ランクを獲得した製品は、
Dell EMC Unity 600F
オールフラッシュ、
Dell Storage SC8000
、富士通ストレージ
ETERNUS AF650
、NEC M710F
オールフラッシュ アレイ、Pivot3 N5-6000 PCIe
オールフラッシュアレイ、Pure Storage FlashArray //m70
、Tegile IntelliFlash HD
T10KHD-300
およびT10KHD-200
です。Dell EMC Unity 600F
オールフラッシュDell EMC Unity
は、VNX
ラインの後継として2016
年5
月にリリースされた製品です。
Unity
は単一アプライアンス の形でユニファイドストレージを提供します。Unity 600F
は15.3TB
のSSD
ドライブをサポートしており、わずか2U
のスペースで最大384TB
を提供可能です。最大容量は10PB
近くに達します。さらにこの卓越したRaw
容量をよ り一層向上させるインライン圧縮機能もサポートされてい ます。Dell EMC CloudIQ
は無料のクラウドベースのソフトウェア製品で、
Unity
環境向けにWeb
ベースの監視インターフェ イスを提供します。CloudIQ
によるストレージ分析では、 収集したシステムデータ(アラート、パフォーマンス、容 量、構成)がDell EMC
のベストプラクティスと比較されて、 各アレイのプロアクティブなヘルススコアが決定されます。 また検出された問題点が推奨される是正措置とともに示さ れます。2017-18
年オールフラッシュアレイ・バイヤーズガイド
オールフラッシュアレイ製品評価ガイドDell Storage SC8000
Dell Storage SC8000
は、SC9000
と 同 じ ア ー キ テ ク チャーを使用しますが、パフォーマンスリソースは若干劣 ります。これらのアレイは、iSCSI
、ファイバーチャネル(FC)
、およびFibre Channel over Ethernet (FCoE)
を同時サポートしています。また
Dell Compellent FS8600
ファイラーヘッドを購入することで、ユニファイドストレージ 機能を追加可能です。
富士通ストレージ
ETERNUS AF650
富士通ストレージ
ETERNUS AF650
は、ETERNUS DX
アーキテクチャーを基盤としています。
ETERNUS AF650
は調査対象のデータ保護機能の多くをサ ポートしており、「優秀」と評価されたベンダーのうち、エン ドツーエンドのデータ整合性を保証するためにT10 PI
標準 をサポートしている2
つのベンダーのうちの1
つです。ま たこのストレージでは、最大IOPS
に基づき、あるいは事 前定義されたサービスレベルを使用して、自動QoS
ポリ シーを設定できます。NEC M710F
オールフラッシュアレイNEC M710F
デュアルコントローラーアレイはSAN
プロ トコルを標準でサポートしており、NAS
ゲートウェイア プライアンスを使用してユニファイドストレージ機能を提 供します。このアレイは重複排除や圧縮はサポートしてい ないものの、最大960
ドライブまでスケールアップ可能 で、最大Raw
フラッシュ容量は3.6PB
に達します。ホス ト接続も堅牢で、最大48
の16Gb FC
ポートおよび24
の10GbE
ポートを提供できます。最大密度は45TB/RU
です。NEC
アレイはT10 PI
のサポートによりデータ整合性を保 証し、自己暗号化ドライブ(SED)
やDoD
準拠のデータ消 去テクノロジーを採用することで、データを盗難から保護 しています。さらにNEC
ではM
シリーズの導入を簡素化 するために、新しい包括的なライセンスアプローチも採用 しています。Pivot3 N5-6000 PCIe
オールフラッシュアレイPivot3
は2016
年2
月 にNexGen Storage
を 買 収 し、NexGen
のNVMe
対応PCIe
オールフラッシュアレイを再ブランド化しました。この
Ethernet
専用アレイは、最大240TB
のRaw
フラッシュ容量と20TB/RU
の密度を提供 可能です。Pivot3
アレイは、マルチレベルのフラッシュ階層化、動的 なQoS
、およびアクティブキャッシングを組み合わせる ことで、ビジネスニーズに応じてワークロードを優先順位 付けします。広範なQoS
機能には5
つの事前定義されたQoS
ポリシーが含まれており、各ボリュームにパフォー マンス特性を割り当てることが可能です。さらにPivot3
ア レイは広範な自動化/
プロビジョニングオプションをサポー トしており、例えばVMware
仮想ボリューム(VVol)
のサ ポートを通じて、vCenter Server
上でVM
単位にこれらのQoS
ポリシーを適用することも可能です。Pure Storage FlashArray //m70
Pure Storage FlashArray//m70
アレイはシャーシベース の設計を採用しており、複数のハードウェア世代をモジュー ル方式で拡張およびアップグレードできます。FlashArray
は、80
のCPU
コアと24
のストレージネットワークポー トをサポートしています。またFlashArray//m70
アレイに はNVDIMM
における最新のイノベーションが組み込まれ ており、NVMe
対応です。Pure Storage
アレイ上では、フラッシュ向けに設計さ れたPurity
オペレーティング環境が実行されます。Pure
Storage
の「Flash Reduce Ticker
」によると、このシステムを導入した同社の顧客は、平均
5:1
のインラインデー タ削減比率を達成しています。Pure Storage
が提供してい るEvergreen Storage
モデルでは、3
年ごとのメンテナン ス/
サポート更新とともにアップグレードされたコントロー ラーが提供され、またストレージ分析に基づくプロアクティ ブなサポートも提供されます。Tegile IntelliFlash HD T10KHD-300
およびT10KHD-200
IntelliFlash HD
アレイは、Tegile
のIntelliFlash Metadata
Accelerated
アクティブ/
アクティブ・デュアルコント ローラー・ユニファイドストレージ・アーキテクチャーをWestern Digital Corporation
のSanDisk InfiniFlash
高 密度フラッシュエンクロージャーと組み合わせることで、5RU
のスペースで最大522TB
のRaw
フラッシュ容量を提 供し、104TB/RU
のRaw
密度を達成可能です。IntelliFlash
アレイでは、プライマリデータパスからメタ データが分離されて、高性能メモリデバイスに格納されま す。このメタデータの分離によって、インライン重複除外、 インライン圧縮、スナップショットなどの機能が最適化さ れると同時に、すべてのI/O
処理が高速化されます。さら にTegile
では、ユーティリティベースの料金、クラウドベー スの分析、およびライフタイムにわたるストレージリフレッ シュプログラムも提供しています。「良好」ランク
「良好」ランクを獲得した製品は、