ACTA
PHYTOTAXONOMICA
ET
GEOBOTANICA
植 物 分 類 及 植 物 地 理
Vo
且.IX
.Nov
.1940No
.4
樺 太 島 の 竹 笹 科
B
αmbus
αceae
ofSachalien
小
泉
源 一( by
G
.KOIDZUMI )
緒
言樺太の 竹笹科植物の研究は 1868 年
FR
・SCHMIDT 氏の 樺太植物誌 (Reisen im Amurlande und auf der insel Sacha!in, in Mem . Acad . Imp . Sci. St.・Petrsbg.7ser
. XII,2, 1868) 百九八 頁に次の 三品 を報 告せ しを以て初 と な す。
Amndinaria
髟躍 漉 π露∫RUPR
チ シ マ サ サvar .
功廊碗 5〃
FR
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阻 mT .var.μ 〃加 勉如
FR
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“MT ・ ク マ イ ナ サ此 中第三品 は現 今 獨立 して Sasa pαniculnt α (血 ・Sc/7HMXDT )MAKINO et SrBl’A とな り, 第二 品 は, かつ て牧 野 翕によ り我ス ズ タ ケ と考へ られ Sasa spicugosa (FR 。
SCIIMI
−DT )MAKrNo (Tok . Bot. Ma 跡 XXW , 1912 p.12.) と さ れ しも, 樺太にはス ズ ク ケ 厨 (
Sasamorpha
)は一一もなき を以て是は不當と なる, 而此第二晶は果して如 何なる もの か,記載 簡に して原 品 を 見 ざれば知る能 は一
S
“s 或は球 節 類 (enas8t‘ηodii)の もの に あ らざるか。
1924 年,故工藤面舜法師は 北樺太植物調査書六 二頁に て,チ シマ サ サは露 領樺太の 南部
Alexandrewsk
, カ メン シ ノ イ峠に逹 するを報 じた るの みに て, 樺 太の 竹 笹 科の 研究は何等進 歩せ す1931 年, 中井博士は MIYABE et KuDo , Flora of Hokkaido and Sachalien, vo1. II.
p. p.180 −・tg5, (in Journal of FacUlty of ムgricUlture, Hokkaido Imperial University. SaPPOro, vol
XXVL
part 2, 193 π年七月 十 五 日發行 )に於て 樺太にはSasa
kurilensis
MAKINO
etSllZBATA
チ シ マ ラ・サ
S
.pseudonipponica
TATEwAKz
カ ラ フ 5 コ サ ナ ー一165
一The Japanese Society for Plant Systematics
NII-Electronic Library Service
The Japanese Sooiety for Plant Systematios
166 Vol
.1X
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・pilesa
NAKAI
オ ク エ ゾツ・ナ
S
・sachalinensis
MAPtiN
・ et・NAKAr
カ ラ フ トササ米
S
.riVularis
NAfCAr
サ フ ウン サ サS
・paniculata
MAIm
“o etSHIBATA
ク マ イ ず ナの 六種あるを報 じ・ 茲に大なる進 歩 を見 た り。
然 し此 中オ クエ ゾ ナ サ (
Sas
αPttas
αNAKAI ) なるものは既知 二種の矮 生 品より混 成した る もの に て,
樺
太の は, ウ ラゲカラフ ト サ サ (Sasa Sugawarai NAKAI) の極 端 型 及び クマ イサ サ (Sasa panictglαta)の 極 端 型 よ夢成る事は, 其 基 本とな りし菅原繁 藏 氏の標 品及び ‡
L
幌農科大學植物歡 室の 標 晶 を見 れば解 るの み な らす, 3ζ野 外 踏 査に よ りて も是 を知 るぺ し;北樺太の サフ ウンサ サ (Sasa riVttlan’
s NAKAI) は 其 原 品 は單に チシ マ サ サ なる事 は 本 誌 前號 163 頁
に報 す・る所な りo
I935 年, 中 井 博士は MAPuNe ,s Jap . Jour. Bot. XL No .
9p
. p.601
.604
.に於て樺 太には更にSasa
Sugawarai
NAficA
: ウ ラ ゲ カ ラ 7 トナ サSasa
meakanensisNaKA
:メ ア カ ン 尹 サ の二種 あ るを報ぜ りo
最近 (【
937
)の 菅原繁藏 氏の苦 著, 樺太 植 物 圖 誌Ut
−一卷 レ P310 −328
や樺太植 物 (訌937)に は總 計現 在次の 八種あ る事 と せ り,Sasa
kurilensls
MAK
. etSnB
.チ シ マ サ サ, ネY ガ
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サ ナSSSSSSS
馨 崇
pseudonipPonica
TATEw
.カ ラフ ト ロ サ サ
Sugawarai
NAKA
:. ウラグカ ラ フ トサ サ meakanensisNAKAI
. メ ア カ ン ず サteshiwoensis
TATew
.テ シ ホ サ ナpllosa
NAKAI
.sachalinensis
MAK
. etNAStAi
.カ ラ フ トサ ナ
paniculata
MAK
・etSHB
。クマ イ ず サ
此 中
Sasa
f)ilOSaなる もの は 既 に記せ・し如 く, ウ ラ ゲ カ ラ 7 トサ サ の極 型に して,テ シ ホ サ サ と ぜ るはヒゲナ シ ウラゲカ ラフ トサ サ (SCtsa Shryawarai NAEcAl)の誤 記 な り。
予 は本 夏樺太 に到 り, 自ら各地 を踏査 して南樺太 に於 ける竹 笹 科の 分 布 を知るを得 た り, 以下茲に 報 告 する もの に して, 今回の 調査 によ り三十一種 を 産 する を 明 に せ
り。 滯在申 は樺太廳 博 物 館 員, 菅 原 繁藏氏, 高 橋 多藏 氏, 豊原高等 女 學 校 長 福 山 惟 吉 氏, 落 合 東大演習 林, 中野助激授, 渡経費仲氏の 大なる援 助 を賜 り, 今 回 意 外の 好結 果 を得しは, 一に こ の諸氏の 賜 なり, 深 く感 謝の 意を表す。
一一.一一 壬 壬一Erl£ otronio Library
Nov
..1940
. ユ67 樺 太 竹 笹 科 分 お
今回 予の探究に より樺太 全島産 竹笹科植物として 知 らる・N も
のは 次の 三十一種 な り,樺太島竹笹科 目録
Sasa
● 冒
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キ タ ヤ マ サ サS
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. エ ゾタ カ ネ サ ナS
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・n. spオ ホ オ ク エ ゾコ サ サ
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正笹區 ) 14
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田 .ク マ イ ず サ
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.sachalinensis MAK . et
NAKAi
.カ ラ フ トサ サ
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・sikotanensis
NAKAI
. オ ホ シ コ タ ン サ サvar .
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.ホ ロ ノ ペ サナ
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。 n. spヒ ナ タ ナ テ
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.soyaensis
NAKAI
コ エ ゾチ v キThe Japanese Society for Plant Systematics
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The Japanese Soolety for Plant Systematlos
168
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.ウ ラゲ カ ラ フ トサ サ
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.uyetsuensis
KolDz
.オ タ カ チ マ キ
以上 三 +一種の分 布
を述ぶ るに當 り, 南樺太の地勢 氣候に就き一嘗 すべ し
。
南 樺 太 地 勢 氣 候1
繭樺太 は南端西能 登呂岬の 北緯四 五度五四分 よ り北は北緯五十度に逹 し,九 州よ り 稍小に, 臺灣よ
1
は稍大で ある, 西 能 登 呂 岬に立 てぱ廿 四 浬の宗 谷海峽 を隔て て北 見 國 や利 尻 島 を 望 見 し, 北 端 安別に於て滑 海 州の高 山 を 望 見 し得べ し, 樺太 は 日本北彎の北 端に して地勢南北に長 く細く既に大 長島の名あ り,高さ 千五百米 突に逹 する山は 唯一個に過 ぎ ざる低 山 性の山地 や甼 原よ り成る・ 島の 中央に は中央 凹地帶あ りて, 其
束に東部山地帶, 西に西部山地帶あ
b
。西 部 山地帶 は 西 樺 太 山脈に して周 日本 海 縁邊の弧 歌 山 脈 な り, 南 北に 長 く邏亙 し本 島面積の 過 宇を占 むる脊梁 な 砂, 眞 縫, 久 春 内間の地 峽七里,轟峠七八米 突 を堺 とし
て地 形 著しく南 北 性 を示 す, 以南の蓮 嶺 は 内 淵 川, 留 多 加 川の 二 川に ょ
1
東西に 二分 し高度小 な り, 南す れば愈 低 く南 端 は 終に 二三百 米 突の 能 登 呂高 臺となる ;北 部 は南 部 よ り も地 勢高くして幌登 山(1382 切 を起 し, 北樺
太 ヅェ の 南に リ ヤ, マ ル チ =・ル山 (1500m ・)を崛起 して全 島の最高 點 を成 す。 東 部 山地帶は島の 東南 端 中知床岬より 遑 り知 床 山脈,其西に富内潟湖帶を隔て て鈴谷山脈を 成し,其 北部は一度 海 中に沒 す れ
ど も
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北走して再び多來加灣の北に東北 樺太山 脈を 崛起 し 北 方 北樺太の ツィ ミ河口附 近に 陵夷す。 知床山脈は最高點重藏 由 (667 m ・) vaして北の愛郎岬に終 り, 此 に
愛郎 高臺 (IOO−200 m ・)を威し; 塗合谷 山脈の最高點は鈴谷 岳 (【021m .)に して南 方は 楠湲 高 臺 (100−200 肌 ) を成 し, 北 端は 乙名高
i
藝 (IOO−200 M ・)を成 す。 樺太東北 山 脈はツイ ミ, 幌内大縱谷の 東を限り, 南方に沖 見 山 (iO80m ・), 北にネベ リス キ ー山(1200 肌 )の高 點 を有す。
中 央 凹地帶は東西兩 山地帶の間にあ りて南北の 二に分る, 北 中 央 凹 地 帶 はツイ ミ,
幌 内 兩 河の流 域に して大部分 はツ ン ド ラの 幌内 竿 野二 五萬ヘ クfi ・一ル を成し, 南 中央 凹 地帶は鈴谷 川, 内淵川の 支 流大谷 川の 流域に して南北百キ ロ にわ た 為鈴谷 甼 野 を 成 し, 小ツ ン ドラ諸
處
にあ り; 富 内潟 湖帶は鈴谷 山 蹶の撓 曲壇が沈 水 し知 床 山脈との 聞に富 内 平野を 成 し三十 餘の大小潟 湖 を有 す。
氣 候
樺太は 他の同緯 度の地方 よりも塞冷に して北緯五十 度 以 南で あ りなが ら, 北 牛 球五 十 度 李 均 氣 澀に逹せ歩 して十度も低 温で あるか ら寒 帶 中に
八
れ られて ある;氣温零下一一一一一一一N 壬 壬一ele −e−tronlo Llbrary
Nov
,1940
.169
の 月數は五 六 ケ 月に亙 り, 夏季の温 度 も低 濫 なる に年較差は 三 十度に も及ん でゐ る, 之を以て見て も冬季如 何に塞冷なる か を知るぺ きで あ るが , かか る低 温過塞の上に濕 度大なるが故に冷 濕 氣候とな り冬 は 惡 塞, 夏は蒸暑を 感づ 加之土 地は一般に劣悪な る 亜寒 帶ポ トゾル型で あ る,それで樺太の地 理的 位置 は如 何に 自然の 思惠の 薄 き甚不 利なる處に ある か は何 入 も首肯する所な ら ん。
樺太冬期の氣 候を決 定す る重 大 な る 要素は, 先づ第一に地 理的位置は大陸の東北端
に位 する大 陸東 北 岸 氣候の 苛極 性て ふ通 則に支 配される事に して,十 月よ ゆ三月ま で は 高 氣 壓が西 比 利亜 大陸に あ り,低氣壓は 三陸沖よ り遙か干島東部に去 り, 所 謂 西高 東低の 冬期 標準氣壓 配 置 と な り, 天氣快 晴に して 西比利亜 よ り吹 きだす北 西季節風 所 謂勢力 著しき西 比利亜寒 波 を 吹 きつ けら れ, 氣澀の 降下 は甚しい, 殊に其間南方よ り 北上する低氣壓の 中心 が 日本海に入 り次で オ コ ツ ク 海に入るや氣壓 傾 袈 急 とな り猛 烈な る吹 雪 を起 す。
夏 季iは 高 氣 壓の 中 心 は太平 洋上 に移 り共勢力 は奥
M
地方 まで伸び迫 り,低壓 部は西比利亜, 滿 洲 北 部に移 り, 冬期 と正 反對に な り, 温か い南 風 を大陸に向つ て途る が 故
に本島も氣 温 上 昇 するか と云 ふに然 らす, 實 際は此 南 風の 勢ヵ極めて溺 く, 且つ 皮 肉
に も本島の地形が南北 に甚狹 長に して海 岸 線の 出入な く, 暖流の恩 惠 活動は薄 躬に し
て, 唯主 と して 西海岸 を洗ふ 劉馬暖流が少しく北に伸進し, オ コ ツ ク寒流が東岸北知 床岬まで退 去 するの みに て, さし
k
る氣焜の上昇もな く所 謂 海 洋 性 氣 候 と なる, 特に 夏 季東風 吹 き濃霧起るや氣 温 は3
−4
度の 降下 をなし,北 風 吹 けば一變して塞冷を極め 冬服 を着る, 之 が爲め生物に及ぼす 影響は 少くない。然し樺太の降水量は夏季他 に比 して決 して竈 少 な らす, 夏季四ケ月に亙る南風は割 合に劣 勢 なが ら雨 を齎らす, 然 し濕 度 は 割 合に大に して 八 月最大なる を以て少k 蒸暑
となる, 之に 反 し冬は低 温過濕 なる を以て悪塞を感 じ,降雪量は 少 きも積 雪 期甚だ 長 く,五 月に入 り漸 く積雪融解する や急に草 も萠え, 青葉の 春は瞬聞 的に して直に 夏に 入る,冬 至の書 間時數8 ・
5
時間 なるに夏 至 は 16 時間とな り, 夏 季の 日照は本 邦申最大 となり, 草 木は’慌しく急に長大す。
樺太に於 ける竹笹 科の 分布に大 なる影響あ るは 西 樺太脊梁 山 脈 を堺 と して東西 兩 牛の氣 候の差な り;東樺太 は年中オコ ツ ク寒 流に洗 はるるを以て 中知床牛 島, 能 登 呂 孚 島 を除 けば同緯度の 西岸よ りも低 温に て, 年 較 差 も日較 差 も大な り, 濕度 も霜 日數 も西 部 より大 な り,殊に冬は塞 流南に進出し近海は冬 期 全 部 結 氷し, 積 雪 量,日數共
に 大 で あ る, 殊 に敷 香 附近 は樺太の最 寒 地に して零 下氣温は六 ケ月に亙 り年準均 盗 度 零度に逹せす, 保 惠に ては夏 も地下に凍土帶あ り; 霜は九月 下旬よ り五 月末に及 ぶ,
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170 Vo1
.1X
.彼の大ツン ド ラ地帶は特に髭 寒 冷に因る存在な り。
西樺太の北部は來漏寒流に洗はれ, 南方は對 馬 暖 流に洗は るる を以て, 北樺太 を除 け ば 東海岸よ りも高澀 な り・ 夏 は 暖流北に進出するを以て殊に然 り, 故に本 斗以南は 海 も結氷せ す,霜は 十 月上 旬より五 月中旬に
表
ぶ も冬 期の雲 量 は 東 岸 よ り大 な るを以て 又其影響あ り, 降水 日數 も東岸よ 夢概して 多れども, 殘雪も五 月に入れば殆 之 を 見 す, 而西樺太に は絶て一のツ ン ド ラを も見 ナ
。
樺
太IC
鷙る竹笹科の分 布 1・一 般 分 布樺 太に於 る笹の 一般 分 布は南蠕能 登 呂岬に 始 り,北 端は北樺太の西岸亜 港 (Alexan・ drewsk)(北緯五十 度五十分, 年罕均温度 α2 度 )及 び其東上ア ル ムダン の カメン シ ノ
イ峠附近 に終る もの の如 し, 而して其生育の 盛に して大 群
落
を成 すは能登呂 牛島の上池 月, 内幌の線以南にして笹薮 は 海岸よ ゆ山腹及び高臺の全 面 を被へ り, 此線よ り以 北・ 久 春 内眞縫の轟峠地峽 (年甲均盗度 2,
7
−−3
,0) に到る間は山 腹に於 ける笹の大群 落も稀 な らす,所に よ り申々大に盛大 な り, 此線以 北に於てば
東樺太 方 面 は全 く普 通 笹の發生 を缺 き, 獨 リチシ マ サ サ の み山腹の 奥に生 する處あるの みなる も, 西樺太に あ りては 久 春 内以北 幸濱までは普通 笹の 群落を見 之 より以北ば
國 境の安別の 南妻内峠
に到 るま で海岸各 處の段丘高臺 上に球節笹の群 落 を見, 之よ り奥は樺太脊梁 山 脈 上に チ シ マ
VS
「の群 落 あP
て・ 是は 中央 分 水 嶺 をた ど りつ つ 北樺太の殆 北 緯五一F
−−me
のas
港, カ メ ン シ ノイ峠に逹し
て絡 る。鈴 谷 山脈に於る分布は其山腹山麓 等に は普 通笹の群落なし, 上方に チ シマ サ サ を生 じ, 南 方の楠湲高臺に は笹を生ぜす, 北端の 乙 名 高 臺は矮 小 なる眞正笹區の密生あ り 南中央 凹 地 帶 は北は榮濱, 落合 白濱よ り豊原市の北 方 まで斷續的に矮 少笹の群 落 あ りて豊原 以南には全 く生ぜ す, 中 知床孚島は 又山 足よ り山 頂 まで北端の愛郎岬に到る 間各處に 大群落あ り, 富 内 潟 湖帶に は荒 栗 擾の ツ ン ド ラ に小群叢あ り, 北 中 央凹地帶
には 全 く笹 を缺 き唯樺太山脈の山 足に矮小 なる チ シマ サ サ を散 見す る に過ぎす,樺太 東北 山脈には僅に振 戸川の上流に少 許の チ シ マ サ サ ある他re野 頃の東 北 方國 有 林内
に矮 小 笹 を散 見 する のみな り。
2・大捍區 (Maer・chlamyS )笹類の分 布
本區の 笹は樺太には 六種 あり, 主 と し て西樺太腋の脊 梁及 び山 腹に分 布し, 八 眺嶺 や春日峠 等に盛大なる群落 を形 成 し,地 峡 以北の 脊 粱に て はチ シ マ サ サ の一形 エ ゾ タ カネサ サの 密 生 する處あ り, そ れ よ砂南樺太の北限大岩峠 を經て北樺太の北 緯五 十一
N工 工一Eleotronlo Llbrary
Nov
.1940
.171
度亜 港, カ メ ン シ ノ イ峠 附 近vageり, 樺太 笹 類 全 部の北 限 を成 す, ア ヲ ネマ ガ リ, ナ ン プネマ ガ リ等は野田, 白濱等の 低地に も分布すれども, 最も奇な る は能 登 呂孚島南 部 白主分 水 嶺や能 登 呂 高 臺に あ りて は, チ シマ サ サ も却て 山足 に低下 し來 る 事 に し
て即ち東方は古江 以南, 西 方 は 宗仁山道 以 南 白 主に野 生し, 白 主に ては海岸段丘臺地 上に 生 じて矮 小 とな り,谷間に生 じて高さ數 尺 となる, 鈴谷 山脈に ては
h
方の深 山のみに生 じ, 東北樺太山脈にては振戸川の上流振 戸山に生す と云ふ。
3.嫁節笹區 (Orassinodi)の分 布
本區の 笹は樺太に は 七種あ り, 悉 く南樺太の西海岸地 方の海 岸 段 丘上の原野に笹原
を成 して 生 じ, 北は安別の 南 方妻内峠に絡 り, 南は 本 斗郡 内幌村に 及ぶ, 殊に惠 須 取 以北 は
珊
節笹の純群 落に して他の 種 類を混
ぜす, 幸濱以南の もの は往 々他 區の笹の群叢 を も交 ゆ, 東樺太 には全 く皆無なるも, 東部 中最暖 處 と云はる る中知床孚島は札塔
に唯一種 を生する の みな り, 即 ち皆日本 海 岸 方 面の み なるVτs 北海道に到れば之に反 して 日本海方 面には一種もなく,皆太卒 洋海岸方面の みに分布し,北 見の南部オ コ ツ
ク海 方面 に少しあ り, 以 是て樺太 と北海道とは球節笹の分 布va於て正 反對 なるを寄 と す,
4 貢正笹區 (Eu8a8a)の分 布
本區の 笹は樺太に は最も多種に し て 18 あ り, 其大群落は樺太植物 群 落 中の 目 下 最 主 要 なるものの 一な り
,樺太植物群落の最主要 なるものとは,針 葉 樹 林,草 原,高 草 地
ツン ド ラ及び笹原である, 然る に高橋 健二氏の 樺太 植物生 態 地 理 (Vorlaufige Mittei−
Iunge皿 uber die Vegetation Karafutos, in ENGI.. Bot.」泓hrb・Bd・
78
, s・・s・269 −−344・1937 )には一・言 も此 顯 著な る群落に及ぱざるは如何なる ものか, 南樺太 が北 孚 球亞塞 帶に あ りて他地域と異りて最大特 色を發揮する は獨 り此 笹 大 群 落に非るか。
本 礁の 笹は 主 とし て眞縫, 久 春内地峽 以南に分布し, 即 ち西海岸に ては 幸 濱以南, 東海岸に ては保呂山 以南に して, 山腹山足に大群落を成 すの みな らす 往 々第一
段丘上
に も群 生せ り, 共最 も盛大 なるは中 知 床孚島の知床山脈, 豊眞線に滑へ る山地, 翼 岡 第二段丘,豊 翼 線以南の樺太山脈の 山腹山 足, 能登呂牛 島の 上 池 月, 内 幌 線以南の海 岸よ り丘陵, 山 脇 臺 地 を被へ る笹の 廣大なる純 群 落であ る, 鈴谷 山腋は唯北 端の乙 名高臺上 のみに生 じ, 南 中 央凹地 帶は北 端 より豊 原の北 方に到る間に績 噺 的の 矮小群 落 を成せ り;而 本 笹區の ものは荒 栗, 留 多加等の ツ ン ドラに も小 群 叢 を成 す こ と あ
り。