令和3年度実地指導における 主な指導事項
~障害福祉サービス事業者等向け~
埼玉県 福祉部 福祉監査課
総務・障害施設・事業担当
【実地指導における主な指導事項①】
■ 障害者虐待防止の取組が不十分
×指摘事項:虐待防止の研修を実施していない 虐待防止委員会を設置していない
虐待防止のための責任者を設置していない
[改善すべき事項]
・従業員へ虐待防止の研修を定期的に実施して、研修内容を記録する
⇒研修は年1回以上実施する
・虐待防止委員会(*)を設置して体制を整備する
委員会を定期的に開催して、検討結果を従業員に周知徹底する
⇒委員会は少なくとも1年に1回は開催する (*)虐待防止委員会に求められる役割は、
・虐待防止のための計画づくり、虐待防止のチェックとモニタリング
・虐待事案発生時の検証・再発防止策の検討など
・虐待防止の責任者を設置して責任者を明確にする
【実地指導における主な指導事項②】
■ 身体拘束等の適正化の取組が不十分
×指摘事項:身体拘束適正化委員会を設置していない
身体拘束等の適正化のための指針を整備していない 身体拘束等の適正化のための研修を実施していない
[改善すべき事項]
・身体拘束適正化委員会(*)を設置して体制を整備する
委員会を定期的に開催して、検討結果を従業員に周知徹底する
⇒委員会は少なくとも1年に1回は開催する
(*)虐待防止委員会と一体的に設置・運営することも可能
・ 身体拘束等の適正化のための指針(
※
)を整備する(
※
)基本的な考え方、組織、職員研修、報告方法、発生時の対応など・従業員に対し研修を定期的に実施して、研修内容を記録する
⇒研修は年1回以上実施する
(虐待防止研修で身体拘束等の適正化について取り扱えば実施したとみなす)
★身体拘束をしていない場合も下記の取組が必要
取組が適正に行われていない場合は令和5年度から1日5単位減算
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【実地指導における主な指導事項③】
■ 職場におけるハラスメント対策の取組が不十分
×指摘事項:従業員に方針等が示されていない・周知していない
ハラスメント相談窓口を定めていない・周知していない
[改善すべき事項]
・事業者としての基本方針等を明確化して( ① と② を文書で明記する)
従業員に周知・啓発する
①職場におけるハラスメントの内容
②職場でハラスメントを行ってはならない
・ ハラスメントの相談(苦情を含む)に対応する担当者を定め、従業者に 周知する
職場におけるセクシャルハラスメントやパワーハラスメントの防止のための 雇用管理上の措置を講じることが義務付けられています
【実地指導における主な指導事項④】
■ 非常災害対策1:入所・通所の全ての施設・事業所が該当
~地震や火災などに備えた計画が未作成・避難訓練の実施が不十分~
×主な指摘事項 ・非常災害対策計画を策定していない
・避難等の訓練を実施していない
・訓練の実施回数が不足している
・訓練の内容の記録を作成していない
[改善すべき事項]
・地震や火災などの災害時に対処するための計画を策定する
(避難場所、避難経路、災害時の人員体制等を定めた計画)
※県社会福祉課のホームページ「社会福祉施設等における非常災害対策計画の策定の手引」を参照してください
・避難等の訓練は3種類あるので、それぞれ必要な回数を実施する
①消火の訓練:年2回以上 ②避難場所へ避難する訓練:年2回以上
③消防署へ通報する訓練:年1回以上
※職員のほか、可能な範囲内で利用者にも参加してもらう
・上記の避難訓練を実施したら訓練内容の記録をする
※日時、参加者(数)、内容(消防署へ通報、消火器使用、〇〇へ避難)、反省点などを記載 5
【実地指導における主な指導事項⑤】
■ 非常災害対策2:要配慮者利用施設が該当
~浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設の避難確保計画未作成~
×指摘事項:避難確保計画を作成していない 計画を市町村⾧に報告していない
計画に基づく避難訓練を実施していない
[改善すべき事項]
・ハザードマップを参照し要配慮者利用施設に該当するか所在市町村に確認して、
該当する場合は、避難確保計画を作成する
(防災体制、避難誘導、避難訓練などを定めた計画)
※国土交通省水管理・国土保全局のホームページ「避難確保計画の作成の手引き」を参照してください
・避難確保計画を作成・変更したときは所在市町村の防災担当課に提出する
・避難確保計画に基づき避難訓練を実施する
※避難経路を確認し避難場所へ速やかに避難する訓練を実施する
【実地指導における主な指導事項⑥】
■ 欠席時対応加算の算定
×指摘事項:相談援助等の記録を作成していない、内容が不十分 1回の欠席連絡で複数日分(当日・翌日など)を加算
利用を中止した日の前々日より前に連絡を受けた分も加算
[改善すべき事項]
・加算を算定する場合は相談援助等の内容を必ず記録する
※利用者の状況、次回の利用日、療養の助言・指導、欠席理由等を記録
・加算の算定は相談援助の回数で行う
※複数日の欠席を1回の連絡で受けた場合は1日分の加算のみ
・利用を中止した日の前々日、前日又は当日に欠席の連絡を受けた場合に 算定する ※2営業日前までの間の連絡なら算定可能
【実地指導における主な指導事項⑦】
■ 業務継続計画
(*)の策定等[令和6年4月1日から義務化]
×指摘事項:業務継続計画を策定していない
従業員に対して必要な研修及び訓練を実施していない
[改善すべき事項]
・感染症に係る業務継続計画を策定する
⇒平時からの備え、初動対応、感染拡大防止体制の確立等を記載する
・災害に係る業務継続計画を策定する
⇒平常時の対応、緊急時の対応、他施設及び地域との連携等を記載する
・従業員に研修を実施する(年1回以上)
⇒研修では業務継続計画の具体的内容を従業員間で共有する
・訓練(シミュレーション)を実施する(年1回以上)
(*)
感染症や災害が発生した場合にあっても、利用者が継続してサービスの 提供を受けられるよう、サービスの提供を継続的に実施するための、及び 非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画【実地指導における主な指導事項⑧】
■ 感染症の予防及びまん延の防止のための措置
[令和6年4月1日から義務化]
×指摘事項:感染症の対策を検討する委員会を設置していない
感染症の予防及びまん延の防止のための指針を作成していない 従業員に対して研修及び訓練を実施していない
[改善すべき事項]
・感染症の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会を設置・開催する
※構成メンバーの責任及び役割分担を明確にする・感染対策を担当する者を決める
・感染症の予防及びまん延の防止のための指針(*)を整備する
(*)衛生管理、感染対策、発生時の対応、連絡体制などを明記する
・感染症の予防及びまん延の防止のための研修を実施する
⇒研修では感染対策の適切な知識の普及、衛生管理の徹底などを励行する
・感染症の予防及びまん延の防止のための訓練(シミュレーション)を実施する
⇒実際に感染症が発生した場合を想定し、発生時の対応について訓練を実施する
【その他の留意事項】
×サービス管理責任者(児童発達支援管理責任者)が欠如となる
(訪問系除く)(勤務形態が常勤となっていない場合も含む)
➡【対応策】・他の有資格者を配置する
・欠如減算(翌々月から算定)
・早急に県(障害者支援課)に報告すること
※管理責任者不在はサービス提供に影響及ぼすので、早期に配置すること
×加算要件の児童指導員等を配置せず加算を請求している
(障害児通所支援の場合)
➡ 要件を欠く際は速やかに変更届を県(障害者支援課)に提出する
※欠如状態を放置して加算を算定した場合、後日給付費返還となります
×個別支援計画を未作成のままサービス提供を行っている
(訪問系・短期入所除く)※未作成の月から解消された月の前月まで減算の対象となる
➡ ・新規利用者は利用開始の月には作成されている必要がある
・利用者(保護者)の同意を得た上で交付すること
※計画を作成していても同意・交付が無い場合は減算の対象となる