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市民活動と市行政の協働を進めるための基本的な考え方と原則実現にむけた課題について

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Academic year: 2018

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市民活動と市行政の協働を進めるための基本的な考え方(協働の基本原則)

と原則実現にむけた課題について

1.相互理解の原則

市民活動と市行政との協働を進めていくには、市民活動団体等と市行政の双方が、「協

働」、「市民活動」や「行政」への正しい理解を深め、お互いに相手の特性を理解するこ

とが必要です。

そのためには、市民活動団体等と市行政の双方が情報を積極的に公開・提供し、お互

いの役割・組織の特質、協働への取り組みニーズを把握・理解し合うことが重要です。

【主な意見・提案】

・協働がスムーズに行われるためには、市行政と市民活動団体等の相互理解が不可欠である。 ・「自分たちのまち浦安をもっと住みやすいまちにしよう」という気持ちを大切にし、市民

活動団体等と市行政が互いの取り組みを尊重しあって活動することが、今後の協働につな がる。

(1)「協働」を正しく理解すること→※ 「協働」の定義と「協働」の意義

【主な意見・提案】

・市民・市民活動団体と市職員が、真の協働の意味をお互いが理解し合わなければ、相互に 対等の関係を保ちながら協働事業を進めていくことは難しい。

・すでに協働での事業を進めている部署もあるが、市民活動との協働の必要性や重要性を認 識していない職員も多く、行政も地域の一員として市民目線で業務に携わり、市民意識の 成熟を図るためには、協働に関する職員の意識を深めることが重要である。

・これからは行政運営を行う上で、NPO・地域活動団体等の力が必要となってくる。とも すると財政の豊かさから、すべて行政が担ったほうが市民にとって有益と思う職員の意識 を変える必要がある。

・職員の意識と同様に、市民にも市民活動や地域活動に対する理解を定着させることが重要 である。

・公共的な活動は、行政だけが行うべきと考えるのではなく、「自分たちのまち浦安をもっ と住みやすいまちにしよう!」という気持ちを大切にし、日々の生活のなかで市民・市民 活動団体も、お互いの取り組みを尊重し合って、自らが可能な範囲で自主的・自立的に活 動することが、今後の協働につながる。

(2)相手を理解しようとする意識を醸成すること→※ 「市民活動」等の定義・意義

【主な意見・提案】

・行政が実施している事業の隙間は何かということを考える、行政が事業として実施してい ない隙間を埋める活動を市民活動団体が実施しているといった、市民活動団体の特性につ いて市職員の理解を深める必要がある。

・「NPOはボランティア(無報酬)会社で無給で働いている」と間違った認識を持っている 職員もいる。協働事業の行政の委託仕様書に、人件費が必要経費に含まれるという観念す ら入っていないと感じることがある。「非営利」と「無報酬」の認識が間違っている人が市 民の中にも行政職員の中にも多い。

・行政の特質(公平性が求められる)と市民活動の特質(ひとつのことに特化できる)を認 識した上で、協働の目的を捉えるべきである。

(2)

・市民活動と市行政の協働を進めていくためには、行政の役割・組織、市の行政サービスの 内容に対する市民活動団体等の理解を深めながら、協働事業の計画を立案していく必要が ある。

(3)市民活動団体等と行政の双方が相手の特性が理解できるよう、お互いに情報を公

開・提供し、情報を共有できるようにすること

【主な意見・提案】

・協働を進めていくためには、行政・市民活動団体の双方からの積極的な情報公開・提供が 必要である。

・これまで行政が担ってきた業務の情報を市民や市民活動団体にわかりやすく開示し、市民 活動団体と対等な関係に立って議論を進めながら、市民活動団体が自立して行政と協働で きるような仕組みづくりが必要である。

・市の政策や活動に市民が積極的に参加できるよう、市の政策や活動計画を報告する場を設 けるなど、市民活動団体に積極的に情報を提供する。

・行政各部署が各種の市民活動団体の情報を把握できるよう、横断的な情報収集・提供体制 をつくる必要がある。市の情報を市民活動団体に開示すること、市民活動団体の情報を行 政各部署で共有することにより、「協働」体制を強化できる。

・行政として市民活動団体と協働して事業を進められるか、あるいは市民活動団体に事業を 委ねられるかどうかを検討するには、どのような市民活動団体がどういった活動をしてい るか具体的な情報が必要であり、これらの情報の収集と行政各部署での情報共有が必要で ある。

・市民活動団体が、活動内容や活動計画等の情報を積極的に提供できるように支援する必要 がある。

(4)市民活動団体と行政の双方の協働へのニーズをコーディネートする仕組みや体制

をつくること

【主な意見・提案】

・市民活動団体と行政の双方の協働へのニーズ、双方の長所・短所を理解し、渡しをするコ ーディネーターの存在が必要である。

・市民団体の内情にも通じ、行政のしくみにも通じた「協働コーディネーター」の存在が必 要である。市内部なら組織の設定、外部なら識者や団体から専任してはどうか。

・市職員が個人的に市民・市民活動団体との協働を進めていくのではなく、市民活動団体と 市行政との協働事業を組織的にサポートする体制をつくる必要がある。市民活動団体を育 成しながら協働事業を進め的には、個別の担当課では対応できない部分をサポートするコ ーディネーターとなる人や組織体制が必要である。

(5)協働事業のプロセスで、継続的にお互いが理解を深め、確認し合う場をつくるこ

【主な意見・提案】

・市民活動団体と行政の双方が、協働事業のプロセスで継続的にお互いが理解を深め、確認 し合う場をつくることが必要である。

・市民活動団体と行政の双方が、お互いをよく理解した上で、それぞれのできること、でき ないことをはっきりさせ、協働の目的に対して双方がどのような役割を担うのかを出し合 う必要がある。

(3)

2.目的共有の原則

市民活動と市行政との協働を進めていくには、市民活動団体と行政の双方が、協働で

進める「目的」をお互いに共有することが必要です。

そのためには、市民活動、市行政それぞれの活動の使命と目標のなかで、「協働」で

取り組む意義・効果を考え、企画段階から、お互いの対話のなかで協働事業の全体像を

理解・把握したうえで、相互の役割を認識・確認し合うことが重要です。

【主な意見・提案】

・何のために協働で事業・活動を進めていくのか、常に協働の目的を共有し、お互いに協力 して、より良い成果を作り上げていくという姿勢が必要である。

・NPO、地域活動団体、ボランティア活動団体等によっても意識や考え方などに違いがあ るので、それぞれの特性を生かしつつ、市行政と市民活動団体等がお互いに目的を共有し、 主体的な役割を担いながら対等な関係で連携し続けられるかどうかが大きな課題である。 ・「協働」がうまくいくかどうかは、協働の目標とお互いの取り組みの方向(目的)を明快

に定め、それを共有(コンセンサス)しながら、お互いに高い意欲(モチベーション)を 持ち続けられるよう、「心の対話・交流」(コミュニケーション)の機会や場が多く用意 されていることが必要である。

・協働に向けて、的確なニーズ把握と無駄な支出を削減するためには、初期段階から情報交 換することが必要である。

(1)市民活動、行政活動は、それぞれ独自の使命と目標を持って活動しており、お互

いにそれぞれの活動の使命と目標のなかで、「協働」で取り組む意義・効果を考え、

「協働の目的」を共有すること

【主な意見・提案】

・市民活動団体は、意識的に市と協働することをねらって設立・活動するものではなく、自 発的な関心事を起点として同志が集まって成立する。ここに行政が協働を仕掛けることと の大きなギャップが生じる。

・市民活動団体と行政の双方が共有した課題については、その課題解決が共通の目的になり、 お互いに連携協力が必要である。しかし、双方の活動の使命・目標は独自にあり、共通の 課題でないものについて協働する必要はないという理解が必要である。

(2)企画段階から、お互いの対話のなかで運営事務、事業収支などの協働事業の全体

像を理解・把握したうえで、相互の役割を認識・確認し合うこと

【主な意見・提案】

・協働事業というのは目的を共有するために、事業実施前に十分話し合うことが重要で、企 画段階からスタートすべきである。

・目に見えやすい実際の活動だけでなく、企画立案や運営事務、事業収支など、協働事業の 全体像をお互いに把握・理解したうえで、相互の役割を認識することが必要である。 ・協働協定書などで協働事業における双方の役割を明文化するような仕組みの検討が必要で

ある。

(3)事業実施の過程の中でも、常にお互いに対話を継続し、協働事業の目的を確認し

合い、協働の目的に沿った事業内容かどうか、その遂行がうまくなされているか

どうかを検証・調整する仕組みや体制をつくること

(4)

めば、結果として協働の目的も共有される。常に、f ac e t o f ac e で話し合う機会を持つこ とが重要である。

・協働事業の場合は、双方が共有する事業目的と、協働の得失と役割分担などについて、W eb上で公開するような仕組みを検討する必要がある。

(5)

3.情報公開・共有の原則

市民活動と市行政との協働を進めていくには、市行政との協働パートナーを選ぶプロ

セスの公平性・透明性を確保するとともに、協働事業の実施プロセスやその結果の評価

の情報を公表していくことが重要です。

(1)行政との協働パートナーを選ぶプロセスは公平性と透明性を確保すること

【主な意見・提案】

・公募による結果として特定の市民活動団体が行政のパートナーとなっても、募集情報や選 定評価の情報が公開されていないと、市民から不信感を抱かれることがある。

・今後、行政との協働が市民活動団体にとって大きなメリットを生むようになってくれば、 市民活動団体間の競争が発生し、協働のパートナー選定において公平性や透明性を確保す る仕組みが必要となる。

・複数の事業のパートナーとして特定の市民活動団体を選定しないという行政の慣例が見ら れ、行政との協働パートナーを選ぶ「公平性」の基準について透明にしていく必要がある。 ・協働パートナーを選定する際の募集情報、及び選定プロセスの公表が必要である。 ・規模の小さな市民活動団体であっても行政と協働できる分野があるので、市が協働事業を

企画する場合には、公募手法をとるべきである。

・協働事業提案制度等をつくり、協働事業のパートナー選定の基準などを公開していく必要 がある。

・当たり前なことではあっても、行政に対して特定団体の利権などの要求禁止などのガイド ラインを準備しておく必要がある。

(2)協働事業のプロセスやその結果の評価情報は公表すること

【主な意見・提案】

・協働事業の開始に際してのパートナーの公募はもちろんのこと、事業実施のプロセス等も 公表していく必要がある。

・協働による課題解決のプロセスが重要で、課題解決プロセスの事例として他の協働事業の 実施に際しての参考となるよう、協働事業のプロセスやその結果の評価情報は公表される 必要がある。

・協働の取り組みは途についたばかりであり、協働の効果の良し悪しは別にして、協働のプ ロセス(行政と市民活動団体の担った役割や関係など)については、積極的に自信を持っ て実施結果やその検証による課題等を公表していくこと。

・活動状況を公開Web上で相互に記録、確認しあう。守秘義務などがある場合は、その重 要 度に応じ て、チェ ック シートに して説明 ∼同 意書締結 などの方 法を 整備する 必要があ る。

(3)協働事業の選定や事業成果の評価について、公平に、客観的に審議する場を設け

ること

【主な意見・提案】

・協働事業を進める際には、評価の観点をしっかりして進めるべきである。

・継続する事業については、定期的に双方、あるいは第三者も含めた振り返り評価が必要で ある。

(6)

4.対等の原則

市民活動と市行政との協働を進めていくには、市民活動団体等と市行政の双方が、そ

れぞれの役割・責任を自覚して、対等な立場で協力しあい、相互に補完し合う関係をつ

くっていくことが重要です。

そのためには、市民活動団体等と市行政の双方が、それぞれの特性を理解した上で、

お互いに自立した活動を進める団体として対等な立場を自覚し合い、協働事業における

それぞれの役割を明確にし、責任を持って活動を進めていくことが重要です。

【主な意見・提案】

・協働を進めていくためには、それぞれの役割・責任を自覚して、対等な立場で協力しあい、 相互に補完することが必要である。

・お互いの役割分担を明確にして、相互に足りない部分を補完することにより、対等な立場で共 通の目的が達成できる。

・市民活動団体等と市行政の双方の自由な意思が尊重され、自立して役割分担が担えれば対 等といえる。

・市職員全員の「市民活動」や協働」に対する意識の向上と一定レベルの到達、及び市民活 動団体の自立が揃って、始めて対等な関係が成立する。

・市民活動団体と市行政の役割をきっちり分けることにより、協働事業の一層の効果が得られる。

(1)市民活動団体等と市行政の双方が、お互いに自立した活動を進める団体として対

等な立場を自覚し合うこと

【主な意見・提案】

・市職員の市民活動団体に対する「協働をさせてあげている」という感覚を排除し、まずは、 対等に話し合える土壌づくりが必要である。

・対等の立場に立つには、市民活動団体にも自らの役割に責任を持つ意識の醸成が必要であ る。

・市民活動団体の企画・立案能力を向上させることにより、より対等な関係を築くことがで きる。

(2)対等な立場を確認し、確立するしくみをつくること

【主な意見・提案】

・協働においては、「まち」を思う気持ちは市行政・市民活動団体双方に共通していても、取り 組みの方法や思いが双方に異なることでお互いの役割分担や対等の立場の構築を難しくする。 ・市行政・市民活動団体がお互いに独自に考えたものを持ち合い、どうするべきかを考慮してい

き手間を抑えることも考えるべき。

・個々の案件について役割・責任の分担方法は異なるが、対等な立場で準備・検討し、それを実 行する体制を築き、それらの経緯や結果について明文化し、双方の認識がずれないようにする 必要がある。

・協働事業においては、市行政・市民活動団体双方の対等な関係を保てるような、契約内容・手 続きを確立する必要がある。

・対等でお互いに信頼しあう関係を築く手段として、協定書(書面にすることが重要)を取り交 わすような仕組みが必要である。

・一般的な行政の委託の場合、委託者・受託者の上下関係ができてしまうことから、例えば、委 託ではない補助事業という概念をルール化するなど、協働事業の場合の委託のルールづくりが 必要である。

(7)

(3)対等な立場でお互いの役割分担を明確にするしくみをつくること

【主な意見・提案】

・どちらかに任せっぱなしにするのではなく、事業全体の実施に際しては相互協力により役割を 明確にしたうえで、随時進捗の確認や意識合わせの場を持つことが必要である。(協働協定書 などにより業務細目の洗い出しや役割分担の明文化)。

・協働協定書には、次のような点の具体例を明記すること。①行政側が責を負うべきこと(コン プライアンスや安全配慮など)、②市民側が責を負うべきこと(関係する市民や関連機関との 調整および成果の活用)

・協働とは言っても、市の役割と市民の役割を明確にしておかないと、結局、市がほとんどやら なくてはならなくなる可能性もあるので、責任の所在を明確にするため、事業の役割分担を明 確にする必要がある。

・過干渉や、過大依存などについて、双方で合意形成ができない場合に利用できる調整機関など を検討する必要がある。

(8)

5.活動の自主性尊重・自立の原則

浦安市の市民活動と市行政の協働は、まだまだ未成熟な段階です。市民活動団体等と

市行政の双方が、協働による取り組みを通して、お互いにそれぞれの役割・責任につい

て学び合う、育ち合う関係をつくっていくことが重要です。

そのためには、協働を進めるなかで、自治における市行政の役割、市民活動の役割を

お互いに確認し合いながら、お互いに自主性を尊重し、自立した活動へと展開していく

参照

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