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放課後等デイサービスにおける発達支援プログラム開発の試み

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Ⅰ.はじめに

平成24年4月から放課後等デイサービスが創設された。放課後等デイサービスは、「学校通学 中の障害児に対して、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上のための訓練等を 継続的提供することにより、学校教育と相まって障害児の自立を促進するとともに、放課後の居 場所作りを推進する」事業である。これまで、小学生から高校生までの障害がある児童生徒の放 課後の過ごし方としては、家族で過ごすことや福祉サービスの活用、学童保育での受け入れが中

  * かみむら まさや NPO 法人正讃会相談支援かみひこうき   ** おのざと みほ  文教大学教育学部

放課後等デイサービスにおける発達支援プログラム開発の試み

―地域での生活を見据えたプログラム設定を通して―

Developing a Developmental Support Program for After-school and Day Care Services:

Through a program intended to support users to live in a community

上 村 誠 也 *・小野里 美 帆 **

Masaya KAMIMURA, Miho ONOZATO

要旨:平成24年4月より放課後等デイサービス事業が開始された。放課後や学校休業 日において、身近な地域における障害児への発達支援の充実が図られるようになった。

一方、支援の質の不十分さの指摘もなされるようになった。そこで、放課後等デイサー ビスにおける発達支援プログラムの開発を試みた。その際、地域生活を見据えたプログ ラム内容になるように配慮するとともに、アセスメントと支援が同時にできる項目設定 を行い、簡便に評価及び支援目標設定ができるようにした。結果、短期間での適用では あったが、一定の発達的変化が認められた。要因として、①多領域にわたる評価が実施 でき、かつ評価が妥当であったこと、②支援プログラムにより優先的に支援を行う内容 が整理・焦点化されたこと、③日々の個別・集団療育を中心に本支援プログラムの項目 を参考とした指導案を作成したことで、様々な領域を包括的に支援することが可能であ ったことがあげられる。

キーワード:放課後等デイサービス,包括的支援プログラム,発達支援,アセスメント事例

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心であったが、放課後等デイサービスの創設に伴い、放課後の育ちや発達支援の場が拡充される ようになった。また、放課後等デイサービスが担う機能として、「第三の生活の場」、「余暇や生 活」、「保護者の就労保障」という機能もあることが指摘されている(丸山,2013;丸山,2015)。

子どもに対する影響を考えると、放課後等デイサービスの創設に伴い、小学生から高校生までの 異年齢の児童生徒や同年齢の仲間との関わりの機会が増えるとともに、生活能力向上をはじめと した様々な活動に参加することを通して、障害がある児童生徒が地域にある放課後等デイサービ スで様々な経験を積むことが可能となったといえる。

放課後等デイサービスは量的な拡大が著しく、利用児童数・事業所数ともに年々急速に増加を している(厚生労働省,2016)。放課後等デイサービスの拡大に伴い、障害がある児童生徒が学 校及び家庭以外での環境においても発達支援を受ける機会が保障されるようになった一方、発達 支援が提供されず単なる居場所となっている事例や、発達支援の知識技術が不十分な事業所が軽 度の障害児のみを対象にしているという問題点が指摘されている(厚生労働省,2015)。これら を受け、厚生労働省は、平成27年4月に「放課後等デイサービスガイドライン」を作成し、放課 後等デイサービスの実施における基本的事項について示した。ガイドラインでは、一人ひとりの 状態に即した放課後等デイサービス計画(=個別支援計画)に沿った発達支援の実施や自立支援 と日常生活の充実のための活動、創作活動、地域交流の機会の提供、余暇の提供を複数組み合わ せた支援の重要性などが示されている。このことから、放課後等デイサービスでは、アセスメン トに基づき、児童生徒の発達特性に応じた個別支援計画の作成を行うとともに、日常生活や自立 を見据えた支援プログラムによる支援を行うことが求められる。

障害がある児童生徒が通う放課後等デイサービスは、小学校から高校までの12年間という長き にわたる発達支援の場であり、その役割は非常に大きいと考えられる。発達支援が十分に提供さ れていない背景の1つには、長期間にわたる生涯発達を見通した体系的かつ簡便に利用できる評 価指標や支援プログラムがほとんどないことも影響している。そこで、障害がある児童の放課後 の学びや生活の保障に加え、就労や余暇等の観点を盛り込んだ生涯発達を見据えた包括的な支援 の実施を目的に、「放課後等デイサービス発達支援プログラム」の開発を試みた。あわせて、放 課後等デイサービスに通う児童に適用し、本支援プログラムの妥当性の一端を検討したい。

Ⅱ.「放課後等デイサービス発達支援プログラム」の作成 1.プログラムの作成と概要

「放課後等デイサービス発達支援プログラム」は、主に放課後等デイサービスに通う障害があ る児童生徒(小学生から高校生)までを対象とし、チェックリストによるアセスメント→支援目 標設定・支援プログラム設定を包括的に行うものである。

アセスメントの項目の設定にあたっては、アセスメントで評価を行う項目=支援内容・支援目 標となるように項目を連動させ、アセスメント結果と支援内容・目標の内容を一致させることで 個別支援計画への反映や日々のプログラムが容易になるようにした。特別支援学校学習指導要 領(文部科学省,2009)、先行研究(長崎・小野里・清川,1998;橋本・熊谷・大伴・林・菅野,

2014;上岡,2006等)を参考にすると共に、学校関係者・保護者等へのインタビューを実施し、

学校及び家庭との連携や、家庭で応用・実践しやすい内容となるように留意するとともに、地域

生活を見据えたプログラムになるように配慮をした。

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2.プログラムの適用手続き

チェックリストによる小項目は計290項目である。「ことば・認知」と「生活・社会性」の大き く2領域から成り、領域に対して下位領域・大項目を設定し小項目をまとめた。構成をTable1 に示した。

ことば・認知領域:「聞く・話す」(38項目)、「読む」(43項目)、「書く」(40項目)、「数・数 量」(45項目)の4つの下位領域から成り、やりとりの基礎となることばや数を中心に項目を設 定した。生活・社会性領域:「日常生活」(45項目)、「集団生活・社会性」(38項目)、「就労・余 暇」(41項目)の3つの下位領域から成り、日常生活で必要となるスキルと共に、他者との協同 経験や社会性に関わる項目を設定した。あわせて、学校教育終了後の地域での生活を見据えて、

就労や余暇の視点についても取り入れた。

Table1 支援プログラムの概要

領域 下位領域 大項目 小項目数 小項目(具体的な評価及び支援項目)の例

ことば・認知

ことば・やりとり

(聞く・話す)

「聞く・話す」の基礎 10 「自分の名前に反応することができる」

「聞く・話す」の定着 21 「要求や拒否をことばやサインで伝えることができる」

「聞く・話す」の応用 7 「今日の予定を聞いて、理解できる」

ことば・やりとり

(読む)

「読む」の基礎 9 「自分の持ち物に書かれた名前を読むことができる」

「読む」の定着 25 「身近なものの名前を読むことができる」

「読む」の応用 9 「レシピなどを見て、必要な情報を読み取ることが できる」

ことば・やりとり

(書く)

「書く」の基礎 10 「始点と終点を意識して、直線を描くことができる」

「書く」の定着 24 「自分の姓名を書くことができる」

「書く」の応用 6 「必要な情報をメモすることができる」

数・数量

「数・数量」の基礎 8 「同じ・違うがわかる」

「数・数量」の定着 13 「数の数量(10まで)ができる」

「数・数量」の応用 24 「〜時を理解することができる」

生活・社会性

日常生活

身辺自立 15 「衣服の着脱を一人でできる」

日常生活 30 「支援者と一緒に買い物の一連の流れに取り組むこ とができる」

集団生活・社会性 対人行動 14 「あいさつをすることができる」

集団生活 24 「子ども同士で話し合いをすることができる」

就労・余暇 就労 21 「手順書を見ながら、一定の時間作業に取り組むこ とができる」

余暇 20 「自由時間に遊びや活動を自分で選択できる」

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1)アセスメントの実施とプロフィールの作成

適用手続きについて、Figure 1に示した。チェックリストに基づき全290の小項目について、

「できる」(一人でできる)と「芽生え」(簡単な支援があれば一人でできる)で評価を行う。小 項目についてTable2及びTable3に示した。「できる」は2点、「芽生え」は1点に換算し、各 領域別に達成率(得点/領域の総得点×100)を算出する。その後、各領域間の発達差を比較し、

領域間のプロフィールを作成する。

2)優先支援領域・目標の選定

プロフィールを基に放課後等デイサービスでの活動の中で、児童生徒に対し優先的に支援する 領域および小項目を決定し、支援目標を設定する。

3)支援

選定された優先支援領域・目標(項目)を中心に、日々の放課後等デイサービスでの支援を実 施する。また、放課後等デイサービスにおいて作成する個別支援計画に反映することも可能とな る。その際、抽出された支援領域・項目のみを機械的に当てはめて支援するのではなく、活動全 般を通して、包括的に支援を行うという基本的な支援体制で支援を実施する。支援形態として は、以下の2つの形態が考えられる。

A集団支援:放課後等デイサービスにおける活動の中で、集団での活動の中に優先的に支援す る領域及び小項目を組み込んだ指導案に基づいた支援や日々のルーティンに基づいた支援形態。

例としては、おやつ、制作、体操などが挙げられる。

B個別支援:個別での課題を設定し、支援者と1対1もしくは少人数で実施する形態。例とし ては、机上課題、個別場面における少人数での活動・課題などが挙げられる。

Figure1 「放課後等デイサービス発達支援プログラム」実施の流れ

Figure 1 「放課後等デイサービス発達支援プログラム」実施の流れ

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ことば・認知領域 ことば・やりとり(聞く・話す)ことば・やりとり(読む)ことば・やりとり(書く)数・数量 〈聞く・話すの基礎〉〈読むの基礎〉〈書くの基礎〉〈数・数量の基礎〉

要求伝達

自分の名前に反応することができる

文字や表示に興味をもつことができる興味関心 基本動作

細かい物をつまむことができる

概念・基礎

「同じ」「違う」がわかる 大人を見て発声し、要求することができる「○○はどれ?」に応じることができるにぎり持ちをすることができる「大きい」「小さい」がわかる 指さしをして、要求することができる自分の持ち物を理解している鉛筆を正しく持つことができる「多い」「少ない」がわかる 拒否を示すことができる自分の持ち物に書かれた名前を意識することができる枠内をぬりつぶすことができる「重い」「軽い」がわかる 様々な手段をあわせて、要求することができるお友達の名前や先生の名前を意識することができる物と物とを線で結ぶことができる「長い」「短い」がわかる

相互伝達

イナイイナイバーなどの動作模倣ができる

「△」「○」「□」の形はめができる認 知 線・形 始点と終点を意識して、直線を書くことができる「同じ物同士」を選ぶことができる ボールを転がすと返すことができる複雑な図形の形はめができる始点と終点を意識して、曲線・角度のある線を書くことができる「同じ物」を集め、分類することができる やりとり遊びや役割交替を伴う遊びを楽しむことができる簡単なパズルができる点線のなぞり書きができる様々な見分けをすることができる ポジティブな情動の表出・共有ができる「同じ」と「違う」がわかる線模写ができる〈数・数量の定着〉 ネガティブな情動の表出・調整ができる〈読むの定着〉図形模写ができる

数の基礎 具体物および半具体物を一対一対応することができる 〈聞く・話すの定着〉

〈書くの定着〉自分の名前カードを選ぶことができる(視覚/聴覚)「○こちょうだい」に応じることができる 名 前

聞 く

返事をすることができる自分の名を読むことができる

名 前 自分の名をなぞることができる数の数唱(10まで)ができる 短い時間(1分程度)集中して話を聞くことができる自分の姓/名カードをそれぞれ選ぶことができる(視覚/聴覚)自分の名を書くことができる数唱と物を対応させながら数えることができる 簡単な指示(○をちょうだい)に応じることができる自分の姓を読むことができる自分の姓をなぞることができる数詞に対応した数を集めることができる 長い時間(5分程度)集中して話を聞くことができる自分の姓/名の書かれた物を持ってくることができる自分の姓を書くことができる「○こずつ」に応じることができる 複雑な指示(○を△に置いてきて)に応じることができる

(視覚/聴覚)名前に含まれているひらがなから構成される単語を選ぶことができる ひらがな ひらがな 名前に含まれているひらがなから構成される単語を書くことができる10以上の数の数唱、対応をすることができる ストーリーのあるお話の内容を聞き取ることができる名前に含まれているひらがなから構成される単語を読むことができるひらがなで書かれた単語と対応する身近な物の絵を線で結ぶことができる

計 算

増える・減るを理解できる

話 す 要求や拒否をことばやサインで伝えることができる身近な物の名前を選ぶことができる(視覚/聴覚)身近な物と対応する単語を選択肢から選び書くことができる簡単な足し算をすることができる 自分の不安やストレスをことばやサインで伝えることができる身近な物の名前を読むことができる身近な物の名前を書くことができる簡単な引き算をすることができる 生活で必要となる身近な質問に応じることができるひらがなで単語を構成することができるひらがなで様々な単語を書くことができるかけ算をすることができる 自分や家族に関する身近な質問に応じることができるひらがな50音を選ぶことができる(視覚/聴覚)ひらがな50音を書くことができる割り算をすることができる ことばやサインを使い、相手に質問をすることができるひらがな50音を読むことができる特殊音節の含まれる単語を書くことができる割合の計算をすることができる 動作語や心情を表す語を使いながら、ことばやサインで伝えることができる特殊音節を読むことができる

様々な言葉

(音声により)聞き取った単語を書くことができる〈数・数量の応用〉 今日の出来事について、ことばやサインで伝えることができる

カタカナ・漢字

日常生活でよく用いる単語を理解し、読むことができる簡単な質問文に対し、単語で書くことができる

お 金 お金には紙幣と硬貨があることを理解している 過去・未来の出来事について、ことばやサインで伝えることができる動物、乗り物、食べ物等のカテゴリーに関する単語を理解し、読むことができる動詞や形容詞を表すことばを書くことができる硬貨の6種類を分類し、違いを理解している 格助詞や助詞に気をつけてことばやサインで伝えることができる動作語や形容詞の意味を理解し、読むことができる字の大きさや形を意識して、単語を書くことができる同一硬貨を複数枚渡すことができる(200円、40円等)

会 話 あいさつをすることができる短い文章を読むことができる適切な助詞を使い、短い文章を書くことができる複数の硬貨を組み合わせて金額を渡すことができる(130円等) 相手の顔を見てやりとりをすることができる短い文章を読み、内容を理解することができる句読点を意識して、文章を書くことができる文字カードで書かれた硬貨を渡すことができる テーマを維持しながら、やりとりをすることができる長い文章を読むことができる長い文章を書くことができる提示された金額よりも多くのお金を渡すことができる(おつりをもらう) 先生や友達とのやりとりを楽しむことができる長い文章を読み、内容を理解することができるカタカナを使い、単語を書くことができる

時計と時刻 デジタル時計を読むことができる 相手が聞き取りやすいようなやりとりをすることができるカタカナで書かれた身近な物の単語を読むことができるカタカナ50音を書くことができるアナログ時計の針の違いを見分けることができる 言葉遣いに気をつけてやりとりをすることができるカタカナ50音を読むことができる日常生活でよく用いる漢字を書くことができる60までの数を理解できている 〈聞く・話すの応用〉簡単な漢字の含まれた文章を読むことができるテーマに沿った短い文章を書くことができる「〜時」を理解することができる

応 用 今日の予定を聞いて、理解できる日常生活でよく用いる漢字を読むことができる日記を書くことができる「午前」「午後」を理解することができる アナウンスを聞いて行動できる日常生活でよく用いる英単語を読むことができる簡単な英単語を書くことができる「15分」「30分」「45分」を理解することができる テレビを見て必要な情報を得ることができる〈読むの応用〉〈書くの応用〉「〜分」を理解することができる ことばあそびを楽しむことができる

時間割表や日課表から、活動内容を読み取ることができる 応 用 応 用 日付や天気等の情報を書くことができる「〜時〜分」を理解することができる 自分自身について伝えることができる(名前・住所等)手順書(説明書)を見て行動をすることができる自分自身についての内容を文章で書くことができる(名前、住所)時間(〜分前、〜分後、〜時間前、〜時間後)がわかる ことばを使い自分の気持ちを調整することができる標識や表示の意味を理解し、読み取ることができる必要な情報をメモすることができるカレンダーの見方がわかる 自分の状態(体調等)について伝えることができる日常生活でよく用いる文書やメールを読み、内容を理解することができる相手が読み取りやすいような文書やメモを書くことができる

暦 30までの数を理解できている レシピなどを見て、必要な情報を読み取ることができるパソコン等を使い、文字入力をすることができる季節や月を理解することができている 小説や漫画を楽しむことができる手紙や申込書を書くことができる曜日を理解している 手紙を読むことができるカレンダーを見て、日付(「月」「 日」「曜日」)がわかる 時刻表や運賃表を読むことができる「今日」「昨日」「明日」がわかる バスや電車の路線図を読み取ることができる

量 ものさしを使い、〜cmを理解し測ることができる 測りを使い、〜gやkgを理解し測ることができる 計量カップを使い、mLを理解し測ることができる

 Table 2 放課後等デイサービス発達支援プログラムの項目(ことば・認知領域)

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生活・社会性領域 日常生活集団生活・社会性就労・余暇 <身辺自立><対人行動><就労>

身 辺 自 立

手洗いの習慣があり、正しく手を洗うことができる

対 人 行 動

あいさつをすることができる

基本的視点 大人と子どもの区別をすることができる 自分の持ち物と他人の持ち物を区別することができる正しい言葉遣いをすることができるお手伝いに進んで取り組もうとする 衣服の着脱を1人でできる順番を待つことができる身近な職業について理解している 鼻をかんだりふいたりすることができる相手が不快に感じないような態度や振る舞いをすることができる将来の夢や希望について考えることができる トイレを汚さずに1人で使うことができる距離感を意識して関わることができる就労することを身近にとらえることができる 身だしなみ(服装)を整えることができるルールや約束を守ることができる自身の特性に応じた卒業後の進路や就労について考えることができる 清潔を意識することができる(鏡をみる習慣がある)注意や指摘された事項を受け入れることができる

基本的スキル 簡単なお手伝いをすることができる 1人で道具を使い、食事をすることができる誰とでも協調し、落ち着いて活動することができる支援者と一緒に簡単な工作や作業に取り組むことができる 食事の際、みんなが食べ終わるまで待つことができる他者の心情を理解し、思いやりをもって人と関わることができる分類することができる 忘れ物をしないようにすることができる自身の振る舞いや言動が第三者にどのように映るか、意識して過ごすことができる細かい手先を使った操作ができる ゴミをゴミ箱に捨てることができる与えられた役割を遂行することができる1人で簡単な作業に取り組むことができる 靴ひもを結ぶことができる年齢に応じた振る舞いをすることができる手順のある作業に取り組むことができる 椅子に座って待つことができる遊びや活動の際、リーダーとして全体をまとめようとすることができる見本通りに作業に取り組むことができる 服のボタンやべルトを1人でつけることができる集団でのルールやマナーを守って、誰とでも過ごすことができる必要な時に援助を求めることができる 道具を使い、掃除をすることができる<集団生活>身近な道具(はさみ・のり・テープ)を使うことができる <日常生活>

対 大 人

先生からの働きかけに応じることができる手順書を見ながら一定の時間作業に取り組むことができる

基本的スキル お手伝いに進んで取り組むことができる自分から先生に働きかけをすることができる正確に作業に取り組むことができる 自分の誕生日を伝えることができる先生と一緒に協同活動に参加することができる長い時間、注意を持続して作業に取り組むことができる 自宅の住所を伝えることができる簡単なやりとり遊び(手遊び等)ができる丁寧にすばやく取り組むことができる 電話をとり、会話をすることができる簡単なルールのある遊びに参加することができる作業終了時に報告することができる 相手の電話番号を入力し、電話をかけることができる勝敗のあるゲームに参加することができる準備や後片付けを1人ですることができる パソコンや携帯電話を適切に使用することができるルーティンのある活動(朝の会、おやつ等)に1人で参加することができる<余暇> 防災意識や防犯意識をもって、生活することができる(鍵閉め等)小集団の中で、先生と一緒に「場の共有」をすることができる

室内の余暇的遊び 支援者の提案する遊びや活動に参加することができる テレビなどの情報から必要な情報を読み取ることができる小集団の中で、先生と一緒に活動に参加することができる自分から様々な遊びに能動的に参加することができる 留守番について意識することができる大集団の中で、先生と一緒に「場の共有」をすることができるおもちゃや道具を能動的に使用しながら、遊ぶことができる

移 動 支援者と一緒に歩くことができる大集団の中で、先生と一緒に活動に参加することができる先生や友達の会話を楽しみながら、遊ぶことができる ペア・集団を意識して、ペースをあわせて歩くことができる突然の変更等に先生と一緒であれば落ち着いて対応できる友達と一緒に動きのある遊びや活動をすることができる 横断歩道や信号のある場所で安全に気をつけて、歩くことができる

対 子 ど も 先生がそばにいなくても、友達と一緒の場を共有できる友達と一緒に動きの少ない遊びや活動をすることができる 交通ルールを意識して、歩くことができる友達のしている遊びや活動に興味・関心をもつことができる自由時間に自分で遊びや活動を選択することができる 施設の周辺から、施設まで歩いて戻ってくることができる友達からの誘いかけに反応することができる友達を誘いかけて遊ぶことができる 安全に気をつけて自転車に乗ることができる自分の興味のある活動であれば、自分から参加することができる短い時間であれば、1人で室内で過ごす(読書等)ことができる 支援者と一緒に車に乗って移動することができる先生がいれば、自分の思いを友達に伝えることができる絵を描く・ 読書などの活動を楽しむことができる 支援者と一緒に公共交通機関を利用することができる自分の思いを友達に伝えることができる簡単な機器を使い、ビデオや音楽を楽しむことができる マナーを守って公共交通機関を利用することができる子ども同士で協同活動に参加することができる

屋外の余暇的遊び

大人と一緒に公園の遊具等で遊ぶことができる

買 い 物 支援者と一緒に買い物の一連の流れを取り組むことができる簡単なルールのある遊びに参加することができる友達と一緒に公園の遊具等で遊ぶことができる 自分の欲しい商品を選ぶことができる勝敗のあるゲームに参加することができる散歩などの身体を動かすことを楽しむことができる レジに並び、商品を購入することができる相手からの助言を受け入れて、遊びや活動をすることができる自宅や施設の周辺であれば、1人で過ごすことができる レシートや釣り銭を受け取ることができる子ども同士で話し合いをすることができる公共施設を利用して、先生と一緒に過ごすことができる 買い物の一連の流れを1人で行うことができる集団の中で1日過ごすことができる友達と一緒に公共施設を利用して過ごすことができる 必要に応じて店員に尋ねることができる公共施設を1人で利用することができる

調 理 先生と一緒に身近な調理道具を使用することができる少ない金額のお金を使い、ゲームコーナーなどで過ごすことができる 短い手順の調理に先生と一緒に参加することができる1人で屋外で過ごすことができる 食器を下げるなどの洗い物に進んで取り組むことができる 短い手順のある調理(簡単なおやつ等)を1人で行うことができる 分量を正確に量りながら、調理をすることができる 電子レンジを用いて調理をすることができる

Table3 放課後等デイサービス発達支援プログラムの項目(生活・社会性領域)

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Ⅲ.プログラムの事例的適用 1.目的

本研究では「放課後等デイサービス発達支援プログラム」を放課後等デイサービスに通う6名 の障害児に適用し、支援プログラムの妥当性について検討することを目的とした。

2.方法 1)対象

A放課後等デイサービス施設(以下A施設:定員20名)に通うDown症児2名、ASD児2名、

知的障害児2名を対象とした。KIDS-TによるDAは4:6〜 5:6であった。プロフィールをTable 4に示した。平日の主な活動は、おやつ、個別(支援者1名に対し子ども1〜3名)の学習・作 業、集団療育(集団遊び等)であった。学校休業日は集団療育を中心に活動を行っていた。

2)手続き 

先述したプログラムについては、X年9月に6名の生徒(Table 4)に対しアセスメントを行 い、優先支援領域・目標の設定を実施した。あわせて、個別支援計画に支援目標を反映させると ともに、日々の指導プログラムにも反映させるようにした。約5か月間、A 施設において支援 を実施した。支援は、ことばや数の学習を中心とした個別の「学習・作業」(約20分間)と、集 団療育(約40分間)を中心に行った。利用回数や利用時間が異なるため、支援内容にはばらつき が生じている。その後、支援効果の検証のため、X+1年2月に再度アセスメントを行った。

3)分析方法

各項目における支援前後の達成率について検討した。

4)倫理的配慮

研究実施にあたり、施設長に説明を行い、同意を得ると共に、全ての保護者から文書による同 意を得た。

3.結果

Table5に支援の頻度についてまとめた。Table6に障害種別の支援前後のプロフィールの変 化を示した。

A施設への登室回数及び日によって支援内容や活動形態が異なってくるため、支援回数や支援 内容のばらつきがある。得点率の向上が認められない項目もみられるが、一人当たり0.4〜 1.3%

(2〜7点)の向上が認められた。特に「聞く・話す」「集団生活・社会性」といった他者との相 互作用が求められる課題での向上が認められる傾向があった。

Table4 対象児のプロフィール

A児 B児 C児 D児 E児 F児

性別 男 男 女 男 男 女

障害種 Down症 Down症 ASD ASD 知的障害 知的障害 生活年齢 14歳4ヶ月 14歳3ヶ月 14歳2ヶ月 14歳7ヶ月 12歳5ヶ月 13歳9ヶ月 発達年齢(KIDS-T) 5歳6ヶ月 4歳6ヶ月 4歳9ヶ月 5歳0ヶ月 5歳3ヶ月 5歳6ヶ月

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4.考察  

5か月という短期間での事例適用であったが、支援前後におけるプロフィール(達成率)の変 化が認められた。大きな変化とは言い難いが、一定の発達的変化が認められたことは作成したプ ログラムの一定の妥当性を示していると思われる。変化が認められた要因として、①多領域にわ たる評価が実施でき、かつ評価が妥当であったこと、②支援プログラムにより優先的に支援を行 う内容が整理・焦点化されたこと、③日々の個別・集団療育を中心に本支援プログラムの項目を 参考とした指導案を作成したことで、様々な領域を包括的に支援することが可能であったことが あげられる。他者との相互作用が求められる課題での得点率の向上が認められた要因として、本 研究では主に中学生を対象とした事例適用となり、基本的な日常生活スキルやことばや数の基本 的なスキルは概ね獲得されていた。よって、日常生活スキルや言語や数といった認知面の課題で の変化は認められなかったものの、集団生活や他者とのやりとりが求められる領域での発達的変 化が大きかったと考えられる。このことを踏まえると、小学生に対して適用した場合、基本的な 概念理解が求められる「ことば・やりとり」に関する領域や「数・数量」領域の大きな発達的変 化や身辺自立に関する「日常生活」の領域の大きな発達的変化が認められる可能性がある。

実践現場においては、簡便な評価→支援目標決定→日々の支援という一連のツールの利用が不 可欠である。今後は、多数事例によるプログラムの適用を行い、妥当性や項目の適切さについて 検討を行っていくことが必要である。あわせて、様々な現場で使いやすくするための工夫という 点についてさらに検討していく必要がある。

Table5 支援の頻度

Table6 達成率の変化

A児 B児 C児 D児 E児 F児

個別 学習・作業 64 48 46 61 71 74

集団

ことば・やりとり 19 10 11 18 21 27

就労・余暇 28 29 17 14 20 28

集団生活・社会性 34 23 24 40 40 43

日常生活 15 15 9 11 11 15

(回)

ことば・認知領域 生活・社会性領域

聞く・話す ことば・やりとり

読む 書く 数・数量 日常生活 集団生活・社会性 就労・余暇

支援前 支援後 支援前 支援後 支援前 支援後 支援前 支援後 支援前 支援後 支援前 支援後 支援前 支援後 Down症 A児 77.6 78.9* 77.9 79.1* 68.7 68.7 76.7 77.8* 61.1 62.2* 56.6 57.9* 48.8 48.8

B児 63.2 64.5* 65.1 65.1 58.8 58.8 60.0 60.0 50.0 50.0 47.4 48.7* 31.7 34.1*

ASD C児 47.4 48.7* 70.9 70.9 73.8 75.0* 80.0 81.1* 64.4 64.4 43.4 47.4* 41.5 42.7*

D児 50.0 51.3* 77.9 77.9 75.0 76.3* 84.4 85.6* 60.0 62.2* 39.5 40.8* 43.9 43.9 知的障害 E児 78.9 80.3* 65.1 66.3* 60.0 61.3* 58.9 60.0* 57.8 57.8 67.1 68.4* 48.8 50.0*

F児 67.1 69.7* 74.4 74.4 67.5 67.5 72.2 72.2 64.4 64.4 63.2 64.5* 50.0 51.2*

*:支援後期に達成率が向上した項目 数値:(%)

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付記

本研究は平成26年度日本特殊教育学会研究助成事業の助成を受けた。

謝辞

本研究にご協力いただいたご本人とその保護者、A放課後等デイサービスの皆様に感謝申し上 げます。本研究の実施にあたり、協力いただいた油科美千代氏に感謝いたします。

文献

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参照

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