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気象モデルを用いた着雪予測法の検討

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

2005 年 1 月に富山県宇奈月町付近で送電線に大量の雪が付着した。当時、北陸地方では西ないし北西からの 季節風が卓越していたが、現地では送電架線にほぼ直角な方向である南西からの風が長時間続いていた。この ような着雪現象は、降雪とともに送電線に対して直角方向に吹き付ける風に加え、着雪が起こりやすい気温帯 (0 ∼ 2 ℃)が長時間続いて発生するものである。風向きを中心とした大量の着雪をもたらした気象場を調べる とともに、着雪予測手法の開発が望まれている。

目 的

ドップラーレーダによる観測値から着雪時の風速場を解析し、気象モデルによる着雪予測手法を開発する。

主な成果

1.ドップラーレーダによる風向不連続面の解析 アメダスデータと高層データから、現場付近では南よりの風が吹き、高度 1500m より上空では西風が吹 いていたことが確認された。この風向不連続面は、大雪をもたらすことが知られており、衛星写真からもこ の風向不連続面による雪雲が長時間にわたり北陸地方付近に滞在していたことが判明した。ドップラーレー ダ情報から風速を算出した結果、富山県においては下層で南よりの風、上層で西よりの風となっており、風 向不連続面を詳細にみることができた。下層の南よりの風は、大雪時にはその高度も高くなっており、雪雲 を伴う西からの風が飛騨山脈を越えられずに北へと迂回するために発生し、風向不連続面の形成に寄与して いる。 2.気象モデルによる気象場再現結果と着雪ポテンシャル 気象モデルを用いて、最小 5km の格子による降雪時の再現計算を行った。その結果、着雪が起こりやす い気温帯が宇奈月付近で長時間続いていたことを再現したほか(図 1)、風向風速についても観測値とよく 一致した結果を示していた。 送電線に付着する雪の量の指標となる着雪ポテンシャルという概念を導入した。送電線に直角な風速成分 を計算するため、数値気象モデルによる風速計算値を方位別にそれぞれ成分分離し、これら成分に計算した 降雪量を掛け合わせ、さらに着雪に危険な気温 0 ∼ 2 ℃の箇所のみ値を抽出するものである(図 2)。時刻毎 に計算された着雪ポテンシャルを時間積分していくことにより、送電線の走行方位別の着雪量に比例した値 をみることが可能となる。5km 四方のメッシュ毎に着雪ポテンシャルを計算した結果、富山県東部におい て南東から北西への架線に対する着雪ポテンシャルが大きな値として計算された。これは着雪架線の方向と 一致しており、着雪ポテンシャルによる着雪予測の有効性を示すことができた(図 3)。 なお、本研究は、北陸電力株式会社との共同研究として実施した。

今後の展開

着雪ポテンシャルの値は降水量の値に影響されやすいため、レーダによる降水量を使った検討を行うともに、 着雪ポテンシャルと実際の着雪量との関係を求め、着雪率等の係数を明らかにしていく必要がある。 主担当者 地球工学研究所 流体科学領域 主任研究員 豊田 康嗣 地球工学研究所 流体科学領域 主任研究員 和田 浩治 関連報告書 「数値気象モデルを用いた着雪予測法の検討」電力中央研究所報告: N05058(2006 年 3 月) 106

気象モデルを用いた着雪予測法の検討

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9.電力施設建設・保全/自然災害対策

107 36.0 36.5 37.0 37.5 136.5 137.0 137.5 138.0 pt_48_nw 0 50 60 70 80 90 100 110 120 150 200 500 36.0 36.5 37.0 37.5 136.5 137.0 137.5 138.0 −1.0 −0.5 0.0 0.5 0.8 1.2 1.5 2.0 2.5 3.0 ℃ 送電線 実際の風  V 送電線に直角な風 Vn 0 1 2 気温(℃) 1. 0 R×Vn× f(T)dt 3600 1 kg ・m/m2

図1 気象モデルによる着雪が起こりやすい    気温分布(初期値より36時間後の計算値) 富山県東部では海岸付近が、西部では平野と山岳域 の境において着雪が起こりやすい気温帯となっており、 この状態が長時間続く結果となった。 図2 着雪ポテンシャルの概念 上図は北西から南東にむけて架けられている送電線 に対する着雪ポテンシャルである(計算開始から48 時間積分値)。送電線の走行別に計算することが可 能である。 図3 気象モデルによる着雪ポテンシャル R :降水量(mm/hour) Vn :送電線に直角な速度成分(m/s) f (T) :着雪率 T :気温(℃) t :時間(s) 着雪ポテンシャル(kg・m/m2)=

参照

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