ビジネスパーソンの資質・能力を育成する高等学校商業教育の研究-秘書技能検定の可能性に着目して-

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ビジネスパーソンの資質・能力を育成する高等学校商業教育の研究 ー秘書技能検定問題の可能陛に着目してー 人間教育専攻 現代教育課題総合コース 名和 晋也 1 .見題の所在 高等学校全体の問題点として,小中学校に比 べ知識伝達型の授業にとどまりがちであり,卒 業後,学習や社会生活に必要な力の育成につな がっていなし~ 商業高校では,卒業後,地域社会や産業社会 を支える人材の担い手として,必要な力を身に 付ける教育内容を展開すべきであるが,検定試 験重視で詰め込み教育の例があとを絶たず,生 徒の思考力向上を教員が奪っている。これでは 「主体的・対話的で深い学び」ができず,将来 のビジネスパーソンとなる生徒の資質・能力育 成につながっていない。 2.司移巳7)目的と方法 (1)研究の目的 ①ビジネスパーソンの資質・能力を明らカ’こする ②ビジネスパトーソンの資質・能力を育成する隊韓 校商耗女育の在り方を明らカ’こする の2点を田院の目的とした 研究の目的をi勤必するために仮説を3点設定し た (I戻務クオ莱々な見題場面にどう対応するかを考える 事がビジネスパーソンの資質・能力を育成する (②り務のさまざまな見題易面について考えるものと して,秘割蛸旨錠の昇題泊効である (明窃知様々な見顕場面で多様な考えを練り合い どれが最う醐勤、を言編侖する割こよりビジネスパー 指導教員 藤村 裕一 ソンの資質・能力が育成される (2)可秩三の方法 育f良加珂秩〕7)目的を通戎するため 下記6つの方 法で田秩」を行った (I芳皆JwI 踏 ②ビジネスパトーソンのコンピテンシー1鈴寸 ③ビジネスパーソン育}づ訪策α検討と馴特血七 @混書技育旨寅定「髄を活用した寿膨翻繰7)実 施 (動繰後に質見爵編愚査7)麟包・分析‘考察 ⑥ビジネスパーソンの資質・能力を育)iIとするため (7園lI刀)妥当「虫D市錆寸 3,本司移三と関重する先行司暁 ビジネスアナリスト知識体系ガイド(BABOI0 のビジネスパーソンに必要な基礎的コンピテン シーより, 思考傾向として, ①顧客が喜んでくれるものを提供する ②会社には利益がある ③社会全体に貢献できる の3点を有するものを基本とした。そして, いくつかのビジネスパーソンのコンピテンシー の要素を独自に整理すると,①顧客分析,②問 題発見能力,③リスクマネジメント・クライシ スマネジメント,④協働的・創造的問題解決能 力,⑤顧客や同僚のコミュニケーション能力, ⑥上司とのコミュニケーション能力,の6 項目 にまとめることができた。

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そこで,上記6 項目を本研究におけるビジネス パーソンのコンピテンシーとした。 4 .秘書技能検定問題を活用した実証実験授業 そこでA商業高校の「課題研究」ビジネスマ ナー秘書を選択した3 年生30 名の対象生徒に 検定取得を主目的とせず,秘書技能検定問題の 主に2 級および準1級の問題を使用し,主体的・ 対話的な学びで取り組む授業を2019 年4 月~6 月に合計10 回行った。 5.生徒対象質問紙調査の内容 実証実験授業を終え,2019 年7月,仮説に基 づき質問紙調査を実施した。調査は18 項目と した。内容は,学力の三要素を踏まえ,ビジネ スパーソンのコンピテンシーの仮説6 項目の質 問内容とし,回答は5 件法で求めた。 質問紙調査の分析・考察では,まず回答をヒ ストグラムにした。また,相関分析,x2検定を 行い, p <0.05 かつr >0. 2 の66 項目につい て散布図を作成し,分析した。分析では「能力 成長」 と相関が認められる項目を中心として分 析したが,特筆すべきは「最適解探究」と「問 題発見の工夫」の相関関係である。 r = 0. 57, p <0. 01 である。「問題発見のエ夫」をするた めには,教員による仕掛けが必要だが,仕掛け が少なかったという証」契にある。「問題発見の工 夫」は,教員が最も力を入れなければならない ところであるが,r値が考える値より低い。こ れは教員の手抜きである。相関は,問題を生徒 が見つける。そして追究せずにはいられない状 況を創り出す。すると生徒が主体となって最適 解を求めようと,多様な考えについて話し合う 場が発生し,考えを深め,生徒が主体的に追究 するためには問題発見がいかに重要であるかが 示唆された。教員が,問題を発見する工夫は, 今までの常識と違うことを教材にすれば 生徒 の“くいつき”度合は増すと考えられる。最終 的な目標は,と 「問題発見のエ夫」と「最適解 探求」の相関を高くすることである。 6 .ビジネスパーソンとしての資質・能力を育 成するための要件 分析により,秘書技能検定問題に主体的・対 話的な授業で取り組むと,以下のことを要件と して,ビジネスパーソンの資質・能力が育まれ ることが明らかになった。 これまでの分析結果より明らかになったこと 馴害志向 間.発見龍力 トラブル対応 臨●尋考 .書・岡僚との コhニケーション 上可との コしニケーション ビジネスバーソンの 資質・能力宵成

,

ビジネバーソンとしての 最適解はどれか線り合う

,

発表し意見の対立・措抗

,

多様 な 考 え

'

一人一人が考えた予想を書く

,

秘書検定(ビジネスでの実際場面〕 の中から生徒が問題を発見

教 員 の 問 題 発 見 の 工 夫 ①生徒に問題発見能力が必要である。そのため に教員は問題発見の工夫が絶対条件となる。 生徒の問題意識を引き出させるように教員が 導入場面の緻密な設計が必須である。 ②仮説を立てる力(仮説(予想)を書ける力) を育て,仮説(予想)を一人で書けるようにす るための場の設定と支援が必要となる。 3 昂、●解探究のために,教員は考え方の違いを 際立たせ,議論を活性化する必要がある。 ④問題解決のためには,顧客・同僚とのコミュ ニケーションが必要になる。顧客は何を欲し ているのかを考え,他者と協力すれば, トラ ブル発生時にも適切に対応できる。 今後は,より主体的・対話的な学びにより秘 書技能検定問題に取り組み,サンプル数を増や してのその確度を上げて研究していくことが課 題である。 3 -60 一

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