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ニューラルネットワーク,遺伝的アルゴリズム,ファジィ推論を用いたSP戦略策定システム

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ニューラルネットワーク,遺伝的アルゴリズム,

ファジイ推論を用いた SP 戦略策定システム

板垣朝子,高嶋守,西尾チヅル,中西章八郎

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はじめに

従来,スキャンパネルデータを用いたセールスプロ モーション(以下 SP) 効果分析には,関数型を仮定し てパラメータを推定し,個人別の選択行動を推定する という形の手法が中心であった.しかし, SP 効果分 析にあたっては,消費者個人の特性,市場内の主要プ ランドの SP 状況やブランドカなどの多数の要因を同 時に考慮する必要があり,適切な関数型の発見が非常 に困難である.そこで,本研究では,ニューラルネッ トワーク(以下 NN) ,遺伝的アルゴリズム(以下 GA) , 学習型ファジイ推論を組み合わせた手法で,パネルデ ータから消費者のブランド選択行動モデルを自動的 に構築するシステムを提案する.本システムは,大量 のパネルデータから自動的に知識を獲得し,消費者の 購買行動に関する複雑な因果関係を適切にモデル化 するシステムである.本システムでは,最初に複数の NN により消費者の特性を考慮したプランド毎の選択 確率に関する知識を獲得し,次いでファジイ推論を用 いてこれらを統合して,最終的なプランド選択確率を 推定する.また,ファジイ推論器の構成には GA と一 般化デルタルールを用いており,総合判断に必要な知 識を自動的に獲得し,モデル化する.学習(知識獲得) 後の本システムは,消費者の複雑な行動に関するモデ ル化が終了している.そこで,この学習後のシステム を用いて,シェア予測などいろいろ解析を行うことが いたがき あきこ,たかしま まもる 日本ナレッジ インダストリ 干 141 品川区西五反田 7-22-17

TOC

ピル にしお ちづる 筑波大学大学院経営システム科学 干 112 東京都文京区大塚 3-29-1 なかにし しょうはちろう 東海大学工学部 干 259-12 神奈川県平塚市北金目 1117 1995 年 9 月号 本システムを今回の目的であるインスタントコー ヒーのパネルデータを用いたプランド選択行動モデ ルの構築に応用し,構築されたモデルを用いてブラ ンドシェアを予測することで,本システムの有効性を 示す.

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システムの構成

図 1 にシステムの全体像を示す.システムは,サプ モデル 1 とサブモデル 2 に大きく分かれている.サブ モデル 1 は,消費者の各ブランドに対する反応(購買 特性)を考慮して,ある SP が実施されているときの 各ブランドの購買確率を求めるためのモデルであり, そのモデル化に NN を用いている.また, 1 プランド にひとつの NN が対応するために,同時に考慮してい るブランドの数だけ NN が必要になる.サブモデル 2 は,プランド毎に存在するネットワークの出力を統合 して,最終的に世帯毎のプランド別購買確率を求める モデルであり,最適なファジイ推論器を自動的に構成 するために, GA と学習型ファジイ推論を用いている.

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サブモデル 1 :ニューラルネットワーク

NN[3] は,入出力が対になったデータを与えること により,その間にある複雑な関係を自動的に学習する ことができる人工的回路網である.サプモデル 1 で は, NN を用いて,各ブランドに関する消費者の購買 特性を考慮した SP 効果についての知識を獲得する. NN によって表現される知識は, 2 ブランドの場合を 例にとって日常使用される言葉に直すと, r ブランド 1 をよく買う人は, SP 状況が B というパターンの時, ブランド 1 を a% , プランド 2 を b% の確率で選択する」 といったものになる.つまり,サブモデル 1 は,各ブ ランドについての消費者の特徴および SP 状況と,各 ブランドの選択確率の聞の関係についての知識を獲 (5)

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© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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7'7ンド I に対する特売反応性 7'7'/ ド n に対するロイ刊ティ プランド n の値引・エンド 7'7ンド 1 の 選択確率 7'7ンド 2 の ! 選択確率 7'7ンド n の 選択確率 図 1 システムの全体像 得し,これを用いてモデル化を行っている.本システ ムで用いる NN は Rumelhart [4] らの提案した階層型 ニューラルネットワークである.

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サブモデル 2 :遺伝的アルゴリズムを用

いたファジイ推論器の構成

ファジイ推論は,ファジイ数を持つ iιthen ルール で表わされる規則の組で推論を行うものである.サプ モデル 1 では,プランドの数だけ NN があり,各 NN にはブランドの数だけ出力がある.したがって,総合 的判断をするためには,これら NN の出力を統合する 必要がある.サプモデル 2 では,この統合プロセスを ファジイ推論を用いて行い,総合的な推論を行うため の知識をファジイルールを用いて記述する.その知識 を日常使用される言葉で表現すると, rA という人(= ブランド l はよく買うがブランド 2 はあまり買わな い人)が, SP 状況が B のとき,プランド 1 を選択す る確率とブランド 2 を選択する確率を,サプモデル 1 で得られた知識群をもとにして推論するための知識」 である.本研究で用いたファジイ推論は,後f宇都が実 数値をとる簡略型ファジイ推論である.推論器の入力 はサブモデル 1 の出力であり,推論結果は統合された

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(6) プランド選択確率である. ファジイ推論を自動的に構成するためには,前件部 (Jレールの if 節にあたる部分)と,各前件部に対応す る後件部 (then 節にあたる部分)を同定する必要があ る.ここでは, GA と一般化デルタルールを組み合わ せることにより,データから自動的にファジイ推論規 則を構成する方法を用いる [5 , 6] ,ファジイ推論の前 半 (if 節の部分)を同定するのに GA を用いており,同 定された前件部に対応する後件部の決定に一般化デ ルタルールを用いている[可.

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システムの入出力

本システムの目的はパネルデータに内包されてい る消費者のプランド選択に関する知識を獲得して,適 切なモデルを構築することである.システムは前節で 述べたように,各ブランドに関して知識を獲得するサ ブモデルと,ぞれを統合するサプモデルの 2 つのプロ セスから構成されている.本システムでは知識の獲得 (学習)は各サブシステム毎に行われる.すなわち,シ ステムの学習(知識獲得)は 2 段階で行われる.最初の 学習はサブモデル 1 における NN の学習であり,次の 段階はファジイ推論器の構成である.システムに学習 オベレーションズ・リサーチ © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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させるためには,学習用の入出力データ(パターン)を システムに提示する必要がある.そこで,パネルデー タから学習用データを構成する方法,すなわちシステ ムの基本的学習概念を,各サブモデル毎の入出力デー タ(パターン)に関して,次に述べる. (1) サプモデル 1 (NN の学習) (a) 入力パターン:消費者がある SP 状況に遭遇し た時の反応は,その人の購買特性によって異なると考 えられる.大きく値引きれているプランドを良く買う 人とあまり買わない人では,当然,そのプランド選択 行動は異なり,また,特売によく反応する人とそうで ない人とでもやはり異なる.そこで,入力パターンを 購買特性と SP 状況を示す 2 つの部分から構成する. 消費者の購買特性については,ロイヤルティと特売反 応、性を表わす 2 つの指標を導入し,この指標を用いて 購買行動を表す. SP 状況では値引とエンドを取り上 げ,各ブランドの値引とエンドを図 2 のように 2 値で 表す.今回使用したパネルデータには,他にチラシの 101011 ・・・・ 100

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SP 状況 図 2: NN の入力パターン 有無の状況も記録されていたが,実施件数そのものが 少なく,これを含めてもその効果が十分に反映される とは考えられないので除外した.購買特性は,プラン ド毎に異なるため,各プランドについてこのような入 力パターンを作成し,それぞれの NN の入力パターン とする.従って,入力パターンとして与えるデータは, 図 2 のように,購買特性を示す部分が当該プランドに 対するロイヤルティと特売反応性を示す 2 ピットと, SP 状況を示す部分が各プランドの値引とエンドの有 無を示す 2xn ピットとなる.ここで , n はモデル内 で考慮するプランドの数である. (b) 出力パターン:上で求めたパターンに対するそ れぞれのブランドの選択確率を,対応する NN の教師 信号として与える. (2) サブモデル 2 (ファジイ推論器の構成) サブモデル 2 ではサブモデル 1 の出力が入力とし て与えられる.ファジイ推論規則の構成にあたっては, 1995 年 9 月号 2.2 節で用いた手法で,前 f牛部同定用データはサブモ デル 1 の出力によって与えられる.このデータの最適 ファジイ分割(同定)を GA で行う.後{牛部同定はパネ ルデータの実際の選択確率からデルタルールによって 決定する.

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学習パターン抽出の手順

以下の手順でデータをパターン化し, NN の学習用 データを作成する. (1) 世帯別・プランド別ロイヤルティ指標の決定 1993 年 1 月 ~12 月のパネルデータから,世帯別に購 入機会数と各プランドの購入回数を算出し,後者を前 者で割って,ブランド別年間購入比率を算出する.当 該ブランドの年間購入比率が 50% 以上の場合には 1 , 50%未満の場合には 0 として,ロイヤルティ指標とす る. (2) 世帯別・プランド別特売反応性指標の決定 (1) と同じく,世帯毎に各ブランドの購入機会に着 目し,最も高かった時の購入価格(最大購入価格)を プランド毎に抽出する.当該プランドの最大購入価格 が,基準値よりも安ければ 1 ,高ければ 0 として,特 売反応、性指標とする.ここで,基準値には,対象デー タ全体についてのプランド別購入価格の中央値を用 いる.

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SP 状況のコード化 パネルデータ内の SP 状況(ブランド別価格掛率,エ ンド有無)を,値引額,エンド有無としてコード化す る.ここで,値引額は,価格掛率を,その中央値を基 準にして,大と小の 2 つに変換したものである.一 方,エンド有無は元のパネルデータ内でも二値データ なので,そのまま利用する. (4) プランド選択確率の算出 各ブランドの同じ購買特性を持つグループに対し て,上記 (3) でコード化された SP 状況別にブランド 別の選択確率を算出し,各 NN の教師信号とする.こ こで,プランド別選択確率は,世帯特性別・ SP 状況 別の購入機会中に占める当該プランドの購入回数の 割合である.

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シェア予測

1993 年 1 月 ~12 月のパネルデータを用いて NN お よびファジイ推論器を構成し,そのモデルを使用して (7)

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8 の 6 プ ランドとし,それ以外のプランド i

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は「その他J として取り扱った.理由は,上記 6 プラ ンド以外のプランドではほとんど SP が実施きれてい ないため, SP の効果として売上を説明することは不 可能であると考えられるからある.これらモデルに含 まれないプランドのシェア推定値,シェア予測値につ いては,次の式で算出している.

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ここで , Si はブランド t のシェア推定値,8,りはプラン ド j

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1 , 2 , 3, 4, 7, 8) のモデルによる当該年度シェア の推定値 , Sri はプランド i の 93 年実績シェアである. 予測結果を図 3 に示す.タイルの不一致係数は 93 年(推計) 94 年(予測) 不一致係数

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となり,どちらもきわめて良好な結果が得られてい る.また,本システムが消費者の異質性をどの程度と らえているかを見るために,ブランド 4 について,購 買特性の SP に対する反応を表したのが図 4である. 購買特性によって同じ SP でもプランド選択確率が 違うことがわかる.また,その違いは我々の直感にき わめて近いものである.すなわち,本システムが,消

費者の特性によるブランド選択行動の違いについて

の知識を的確に獲得し,極めて適切なモデルを構築し

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(8) プランド 4 の選択確率の変化 J(間

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まとめ

NN

,

GA ,学習型ファジイ推論を組み合わせて,

SP

効果を分析するモデルを構築した.その結果,データ に対して適合度が高く,また予測に際しでも汎化性の 高いモデルができた.また,構築したモデルは,消費 者の特性も織り込んだブランド選択行動に関するモ デルとなっていることを示した.

参考文献

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オベレーションズ・リサーチ

参照

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