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Goldthioglucose肥満マウスのインスリン抵抗性と肝インスリン受容体に関する研究

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Academic year: 2021

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86 (19) 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

ヨシ ノ ヒロ コ

子(昭和3

医学博士 乙第1097号

平成2年6月15日

学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)

Goldthiog藍ucose肥満マウスのインスリン抵抗性と肝インスリン受容体に関

する研究 (主査)教授 平田 幸正 (副査)教授 出村 博,滝沢 敬夫

論 文 内 容 の 要 旨

目的 肥満者では一般に高インスリン血症を示すが,それ とともに高率にインスリン非依存型糖尿病を発症する ことが知られている.この肥満と糖尿病との関係を解 明するために,肥満におけるインスリン抵抗性の機序 を研究することは重要である.本研究では,ゴールド チオグルコース投与によって惹起した視床下部性肥満 マウスの肝臓から精製したインスリン受容体を用い て,インスリンとの結合および結合後の受容体の反応 』を検討し,肥満におけるインスリン抵抗性の機序を明 らかにすることを目的とした. 方法 1)肥満マウスの作製:4週齢の雄ICRマウスの腹 腔内に500mg/kgのゴールドチオグルコースを投与 し,経時的に体重,血糖,IRIを測定し,さらに糖負荷 およびインスリン負荷テストを行った.2)インスリン 受容体の精製:マウスより摘出した肝臓をホテジネー トし,1%TritonX-100で可容化した.この可溶化物質

をさらにWGAアフィニティ一軒ラムにかけインス

リン受容体を精製し,実験に用いた.3)インスリン受 容体結合:インスリン受容体に種々の濃度の非標識イ ンスリンと1251一インスリンを加え,結合した放射活性 を測定した.4)インスリン受容体の自己燐酸化:肥満 群と対照群の肝臓からインスリン受容体を精製し,そ れぞれγ一32P-ATPを加え受容体の自己燐酸化の比較’ を行った.5)インスリン受容体のチロシンキナーゼ活 性:精製インスリン受容体に細胞外基質の一つである ヒストソH2Bを加えて燐酸化アッセイを行った. 結果 1)対照群に比し肥満群では空腹時の血清に差はな いが,明らかな高インスリン血症を示した.糖負荷後, 肥満群では対照群より血糖の上昇を示した.2)肥満群 ではインスリン投与による血糖降下が障害されてお り,インスリン抵抗性を認めた.3)インスリン受容体 結合について両二間に有意な差は認められなかった. 4)インスリン受容体の自己燐酸化能について肥満群 では対照群の約50%に低下していた.また,同様にイ ンスリン受容体のチロシンキナーゼ活性についても肥 満群では対照群の約60%に低下していた. 考察と結論 ゴールドチオグルコース投与による視床下部性肥満 マウスでは著しいインスリン抵抗性を示すことが認め られた.肝臓インスリン受容体では,受容体数やイン スリンとの親和性に関して肥満マウスと対照マウスと の間で差を認めなかった.しかし,インスリン受容体 結合以降のズテップである受容体β一サブユニットの 自己隣酸化およびチロシンキナーゼ活性は,対照マウ スに比し肥満マウスでは著しく阻害されていることが 判明した.これらの異常は肥満マウスにおけるインス リン抵抗性の原因の一つになると思われた. 一696一

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論 文 審 査 の 要 旨

肥満におけるインスリン抵抗性の機序を検討することは肥満と糖尿病との関係を解明するために重要であ る. 本論文は,視床下部性肥満マウスの肝臓から精製したインスリン受容体を用いてインスリン結合および結合 後の受容体の反応を検討したものであり,その結果,受容体β一サブユニットの自己燐酸化およびチロシンキ ナーゼ活性は肥満マウスで著しく阻害されていることが判明した.本論文は,肥満によるインスリン抵抗性の 原因解明に役立つものであり,学術上,価値あるものと認める. 主論文公表誌 Goldthioglucose肥満マウスインスリン抵抗性と肝: インスリン受容体に関する研究 東京女子医科大学雑誌 第60巻 第4号 331-341頁(平成2年4月25日発行) 副論文公表誌

1)Evidence that receptor aggregatiop may play arole in transmembrane signaling through the insulin-like growth factorユreceptor Mol Endocrinol 2(9):831-837,1988 2)肥満マウス肝におけるインスリン受容体結合と 受容体リン酸化に関する検討 第8回肥満学会記録:79-80,1988 3)マウス肝におけるインスリン結合,インスリン 受容体リン酸化に対するIAPの影響 医学のあゆみ 143(3):173-174,1987

4)One Japanese MODY family with severe and

progressive microangiopathies

Diabetes Res Clin Pract 4:237-240,1988

5)原発性免疫不全症と肺,気道感染 臨床成人病 12(2):109-116,1982

参照

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