*「大阪府の地震」は月1回発行し、近畿地方及びその周辺の地震活動状況をお知らせすると ともに、適宜、社会的に関心の高い地震について解説を行います。また、「地震一口メモ」で 地震防災等の知識普及に努め、皆様のお役に立てることを目的としています。 *この資料の震源要素及び震度データは、再調査されたあと修正されることがあります。 *本資料は、国立研究開発法人防災科学技術研究所、北海道大学、弘前大学、東北大学、東 京大学、名古屋大学、京都大学、高知大学、九州大学、鹿児島大学、国立研究開発法人産業 技術総合研究所、国土地理院、国立研究開発法人海洋研究開発機構、青森県、東京都、静岡 県、神奈川県温泉地学研究所及び気象庁のデータを基に作成しています。また、2016年熊本 地震緊急観測グループのオンライン臨時観測点(河原、熊野座)、米国大学間地震学研究連 合(IRIS)の観測点(台北、玉峰、寧安橋、玉里、台東)のデータを利用しています。 *この資料に掲載した地図は、国土地理院の数値地図 25000(行政界・海岸線)を使用していま す。
目 次
◎近畿地方及びその周辺地域の地震活動
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1
震央分布図と断面図
概況
◎近畿地方で震度1以上を観測した地震
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2
府県別震度一覧表と震央分布図
・大阪府で震度1以上を観測した地震
①13 日 00 時 13 分 和歌山県北部 ②18 日 20 時 21 分 和歌山県北部 ③19 日 12 時 57 分 大阪府北部 ④27 日 20 時 59 分 大阪湾★地震一口メモ
No.141
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「平成7年(1995 年)兵庫県南部地震」を活断層評価の視点から
大
阪
府
の
地
震
平成 29 年(2017 年)1月
大阪管区気象台気象防災部地震火山課
◎ 近畿地方及びその周辺地域の地震活動
(平成 29 年1月1日~31 日)
◎近畿地方で震度1以上を観測した地震
概 況
1月の上図の範囲内におけるM(マグニチュード)2.0以上の地震 は41回(前月38回)でした。このう ち最も規模の大きかった地震は、10日の岐阜県美濃中西部の地震(深さ10km、M3.8)で、岐阜県郡上市で 震度3を観測したほか、福井県、岐阜県、愛知県で震度2~1を観測しました。 1月に大阪府で震度1以上を観測した地震は、13日と18日の和歌山県北部の地震、19日の大阪府北部の 注: 図中の注釈は近畿地方で震度2 以上を観測した地震と大阪府で 震度1以上を観測した地震です 左上: 震央分布図 (地図中の細い黒線は活断層を表す) 右上: 南北断面図 左下: 東西断面図 ※2016 年 10 月、11 月、12 月号は、2016 年 10 月 21 日からの鳥取県中部の地震活動が活発であった ため、この活動を除いた回数でしたが、活動自体が落ち着いてきており、2017 年1月中は上図の 範囲内で1回であったことから、今月号以降はこれまでどおり上図の範囲内の回数とします。 ※◎近畿地方で震度1以上を観測した地震
府県別震度一覧表
近畿地方で震度1以上を観測した地震の震央分布図
(注釈の番号は上の表の番号に該当します。)
大阪府北部 No.2、8 和歌山県北部 No.3、4 大阪湾 No.9 和歌山県北部 No.7 和歌山県北部 No.5 奈良県 No.6 三重県中部 No.1 北緯 東経 深さ 年月日 時分秒 度分 度分 km 1 2017/1/4 17:16:36 三重県中部 34゚ 37.4' 136゚ 04.3' 58 3.3 1 1 2 2017/1/8 23:06:50 大阪府北部 34゚ 57.8' 135゚ 24.6' 11 2.5 1 1 3 2017/1/13 00:13:12 和歌山県北部 34゚ 16.3' 135゚ 10.5' 7 2.8 1 1 1 4 2017/1/13 00:21:09 和歌山県北部 34゚ 16.3' 135゚ 10.6' 7 2.8 1 1 5 2017/1/14 06:25:34 和歌山県北部 34゚ 13.6' 135゚ 11.4' 6 2.7 2 2 6 2017/1/16 00:52:26 奈良県 34゚ 11.9' 135゚ 44.8' 59 3.5 1 1 1 7 2017/1/18 20:21:58 和歌山県北部 34゚ 16.8' 135゚ 23.5' 8 3.3 2 1 2 8 2017/1/19 12:57:11 大阪府北部 34゚ 57.9' 135゚ 24.6' 11 2.4 1 1 1 9 2017/1/27 20:59:19 大阪湾 34゚ 30.4' 135゚ 19.7' 11 3.4 1 1 1 1 1 大阪 府 兵庫 県 奈良 県 和歌 山県 2017年1月1日~1月31日 No. 発震時 震央地名 M 最大 震度 滋賀 県 京都 府大阪府で震度1以上を観測した地震
① 13 日 00 時 13 分 和歌山県北部
2017 年 01 月 13 日 00 時 13 分 和歌山県北部 34 ゚ 16.3' N 135 ゚ 10.5' E 7km M2.8 --- 最大震度(地域震度) --- 震度 1 : 大阪府南部,和歌山県北部 --- 地点震度(大 阪 府) --- 震度 1 : 大阪岬町深日* 注:*印は、地方公共団体または防災科学技術研究所の震度観測点です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 概況 13 日 00 時 13 分 和歌山県北部の地震(深さ7km、M2.8)により、大阪府岬町、和歌山県和歌山市で 震度1を観測しました。 13 日 00 時 13 分 和歌山県北部の地震(深さ7km、M2.8)の観測点震度分布図 ×:震央大阪府
和歌山県
兵庫県
(淡路島)
② 18 日 20 時 21 分 和歌山県北部
2017 年 01 月 18 日 20 時 21 分 和歌山県北部 34 ゚ 16.8' N 135 ゚ 23.5' E 8km M3.3 --- 最大震度(地域震度) --- 震度 2 : 和歌山県北部 --- 地点震度(大 阪 府) --- 震度 1 : 泉南市男里*,熊取町野田* 注:*印は、地方公共団体または防災科学技術研究所の震度観測点です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 概況 18 日 20 時 21 分 和歌山県北部の地震(深さ8km、M3.3)により、和歌山県紀の川市で震度2を観測 したほか、大阪府、和歌山県で震度1を観測しました。 18 日 20 時 21 分 和歌山県北部の地震(深さ8km、M3.3)の観測点震度分布図 ×:震央大阪府
和歌山県
兵庫県
(淡路島)
③ 19 日 12 時 57 分 大阪府北部
2017 年 01 月 19 日 12 時 57 分 大阪府北部 34 ゚ 57.9' N 135 ゚ 24.6' E 11km M2.4 --- 最大震度(地域震度) --- 震度 1 : 大阪府北部,兵庫県南東部 --- 地点震度(大 阪 府) --- 震度 1 : 能勢町今西* 注:*印は、地方公共団体または防災科学技術研究所の震度観測点です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 概況 19 日 12 時 57 分 大阪府北部の地震(深さ 11km、M2.4)により、大阪府能勢町、兵庫県三田市で震度 1を観測しました。 19 日 12 時 57 分 大阪府北部の地震(深さ 11km、M2.4)の観測点震度分布図 ×:震央大阪府
京都府
兵庫県
④ 27 日 20 時 59 分 大阪湾
2017 年 01 月 27 日 20 時 59 分 大阪湾 34 ゚ 30.4' N 135 ゚ 19.7' E 11km M3.4 --- 最大震度(地域震度) --- 震度 1 : 大阪府北部,大阪府南部,兵庫県南東部,奈良県,和歌山県北部 --- 地点震度(大 阪 府) --- 震度 1 : 大阪東成区東中本*,大阪城東区放出西*,大阪東住吉区杭全*,岸和田市岸城町 岸和田市畑町*,岸和田市役所*,泉大津市東雲町*,貝塚市畠中*,泉佐野市市場* 富田林市高辺台*,松原市阿保*,大阪和泉市府中町*,高石市加茂* 忠岡町忠岡東*,熊取町野田*,千早赤阪村水分*,大阪堺市中区深井清水町 大阪堺市堺区山本町*,大阪堺市堺区大浜南町*,大阪堺市西区鳳東町* 大阪堺市南区桃山台* 注:*印は、地方公共団体または防災科学技術研究所の震度観測点です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 概況 27 日 20 時 59 分 大阪湾の地震(深さ 11km、M3.4)により、大阪府大阪市東成区・大阪市城東区・大 阪市東住吉区・堺市中区・堺市堺区・堺市西区・堺市南区・岸和田市・泉大津市・貝塚市・泉佐野市・ 富田林市・松原市・和泉市・高石市・忠岡町・熊取町・千早赤阪村、兵庫県神戸市兵庫区・神戸市長田 区・神戸市北区・三田市、奈良県奈良市・斑鳩町・川西町・上牧町、和歌山県紀の川市で震度1を観測 しました。 27 日 20 時 59 分 大阪湾の地震(深さ 11km、M3.4)の観測点震度分布図 ×:震央大阪府
京都府
兵庫県
奈良県
和歌山県
地震一口メモ No.141
「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」を活断層評価の視点から
死者6,434人(消防庁調べ)の犠牲者を出した「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」の発生から2017 年1月17日で22年となりました。今回の一口メモでは兵庫県南部地震を活断層の長期評価の視点からふ り返ってみたいと思います。 図は、兵庫県南部地震と周辺の地震活動及び地震調査研究推進本部による活断層を描いたものです。 兵庫県南部地震とその余震活動は『六甲・淡路島断層帯』に沿って発生しており、その範囲は大阪府箕 面市から兵庫県西宮市、神戸市などを経て淡路島に至ります。また、この地震の余震活動は現在も続い ており、図の青線四角で囲んだ領域では年に数回程度、震度1以上を観測する地震が発生しています。 『六甲・淡路島断層帯』は、大阪府箕面市から兵庫県西宮市、神戸市などを経て淡路島北部に至る『六甲・淡路島断層帯主部』と淡路 島中部の洲本市から南あわじ市に至る『先山断層帯』(図の緑線)からなり、『六甲・淡路島断層帯主部』は、断層の分布形態や過去 の活動時期の違いなどから、長さ約 71 km の『六甲山地南縁-淡路島東岸区間』(図の橙線)及び長さ約 23 km の『淡路島西岸区間』 (図の桃線)の2つに区分。また、地震調査研究推進本部は各活断層の今後 30 年以内の地震発生確率について、3%以上を「Sランク」、 0.1%以上~3%未満を「Aランク」、0.1%未満を「Zランク」、不明(すぐに地震が起きることが否定できない)を「Xランク」と 表記。 図 兵庫県南部地震の余震域およびその周辺の地震活動(1995 年 1 月 1 日~2017 年 1 月 31 日、M≧2.0、深さ0~20km) 2013 年 4 月以降の地震を赤色表示 (左図)震央分布図 (右図)震央分布図の青線四角内の地震活動経過および回数積算図 六甲・淡路島断層帯主部 淡路島西岸区間 Zランク 六甲・淡路島断層帯主部 六甲山地南縁-淡路島東岸区間 Aランク 先山断層帯 Zランク 「平成7年(1995 年)兵庫県南部地震」『六甲・淡路島断層帯』はいくつかの区間に分けられ、同本部は、兵庫県南部地震は淡路島西岸区間と 六甲山地南縁-淡路島東岸区間のうちの西宮市から明石海峡にかけての全長約 30 km の範囲が活動して 発生したとしています(図中の震央位置は最初の破壊点です)。具体的には、写真左のように野島断層 が地表に現われた淡路島西岸区間では、ずれの量から兵庫県南部地震がこの区間で想定される最大規模 (M7.1 程度)の活動であり最新の活動であると評価されました。対して、六甲山地南縁-淡路島東岸区 間では、地表に明らかな変動が見られなかったことや地震波の解析(M6.4 程度と推定)から、この区間 全域の活動(M7.9 程度)には及ばず、兵庫県南部地震はひとまわり小さい活動であり、最新活動時期は 従来どおりの 16 世紀であるとの評価が残りました。このため、現在の同本部による今後 30 年以内の地 震発生確率は淡路島西岸区間がZランク、六甲山地南縁-淡路島東岸区間がAランクとされています。 また、2013 年4月には淡路島の南部で M6.3 の地震(最大震度6弱)が発生し、負傷者 35 人など(消 防庁調べ)の被害が発生しました。この地震の余震域の南部に近接してZランクの先山断層帯が存在し ます。同本部は、この先山断層帯について、全体が活動すると M6.6 程度の地震が発生する可能性がある と評価していましたが、この地震と同断層との関係については不明であるとしました。 記憶に新しい「平成28年(2016年)熊本地震」も活断層である日奈久断層帯や布田川断層帯で発生し た地震です。そのうち、布田川断層帯の布田川区間は全域が活動したと評価され、今後30年以内の地震 発生確率は地震発生前のAランク相当からZランクに更新されました。このように、活断層の長期評価 においては、”固有の規模を持つ地震の繰り返し”の観点から活動履歴が重要であることがわかります。 しかしながら、兵庫県南部地震や熊本地震に限らず、想定規模の地震よりひとまわり小さい地震であ っても、甚大な被害が生じます。ひとまわり小さい地震は、地表に明瞭な痕跡を残さないことが多いた め、活動履歴を調査することは極めて困難とされるため、このような地震は、私たちが考えるよりも多 いのかもしれません。 長期評価を活用する側としては、いつ地震が発生してもおかしくないという意識を持ちながら、最大 規模の地震を踏まえた備えを行うことが大切です。 備えについての参考URL:消防庁HP「地震などの災害に備えて」 http://www.fdma.go.jp/html/life/jisin2jisin.html 写真 兵庫県南部地震の被害状況 気象庁技術報告 第 119 号 1997 年より