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高田雅之 北川理恵 小野理 景観生態学 14(2) 調査研究報告 野生生物分布データベースの構築 生物多様性の広域的評価に向けて 高田雅之 * 北川理恵 小野理 北海道環境科学研究センター 札幌市北区北 19 条西 12 丁目 Development of

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-145 -

野生生物分布データベースの構築

―生物多様性の広域的評価に向けて―

高田 雅之

*

・北川 理恵・小野 理

北海道環境科学研究センター 

060-0819 札幌市北区北 19 条西 12 丁目

Development of database for wildlife distribution: For evaluations of

biodiversity in wide-area

Masayuki Takada

*

, Rie Kitagawa, Satoru Ono

Hokkaido Institute of Environmental Sciences, 12-chome, 19-jo, kita-ku, Sapporo,

060-0819 Japan

景観生態学 14(2)145 - 151.2009

* 連絡先:[email protected]

受付:2009 年 9 月 20 日/受理:2009 年 10 月 1 日

Abstract: For Hokkaido, various data sources such as literature material and field survey data were integrated to

construct a wildlife distribution database for plant, bird, mammal, amphibian, reptile, fish, aquatic and terrestrial

insect species. Geographical position information was produced based on 1 km, 5 km, and 10 km mesh codes. The

database includes approximately 2,400 thousands data, rendering it the largest scale database for any region in

Asia. Using these data, distributions can be analyzed in comparison with the number of threatened species inside

and outside of protected areas, and the relation between ecosystem types and the number of species for Hokkaido.

Results clarify the possibility that the database can contribute to wide-area biodiversity evaluation and selection of

important regions for biodiversity conservation efforts.

Key Words: Wildlife, Distribution, Database, GIS, Biodiversity

要旨:北海道の陸域を対象として,文献資料や現地調査情報など,多様なデータソースを統合し,植物,鳥類,哺乳類,両生類,爬 虫類,魚類,陸生昆虫類,水生昆虫類に関する野生生物分布データベースを構築した。位置情報はメッシュデータ(1 km,5 km,10 km)を基本とした。データの総件数は約 240 万件となり,ひとつの地域としてはアジアでも例を見ない規模となった。これらのデー タを用いて,全道を対象に保全地域内外の希少種数の比較,さらに生態系タイプと種数の関係分析を行った。その結果,広域的な生 物多様性評価や保全上重要な地域の抽出に寄与する可能性を明らかにすることができた。 キーワード:野生生物,分布,データベース,GIS,生物多様性

調査研究報告

はじめに  動植物をはじめとする野生生物の分布に関する情 報は,最も基盤的な環境情報のひとつであり,生態 系や貴重種の保護,外来種対策,環境影響評価など, 生物多様性の保全と維持・回復,及び持続的な利用 を図る上で根幹をなすものといえる。分布を示す情 報の中には必然的に位置を示す情報が含まれてお り,近年発展と普及が目覚ましいGIS(地理情報シ ステム)技術と組み合わせて扱うことによって,視 覚的な表示や広域的な視点,他の地理因子との関係 性についての認識を深める効果が期待される。さら に,多くの情報を統合してデータベース化すること で,集積効果が発揮され,格段に科学的及び社会的 な利用価値を高めることが可能となる。  第三次生物多様性国家戦略(環境省 2008)におい ても,GIS を活用した情報データベースシステムの 重要性が掲げられており,また2010 年に日本で開催 予定の生物多様性条約締約国会議(COP10)に向けて,

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Observation Network)の活動のもとで日本国内の情 報ネットワーク化の取り組みも始まったところである。  世界規模の野生生物分布データベースの例として は, 国 際 機 関GBIF(Global Biodiversity Information Facility:http://www.gbif.org/)が運営する約 1.7 億件(種 及び生態系の分布,遺伝子情報などを含む)の情報 がインターネット上で閲覧及びデータ利用可能と なっているほか,WWF が構築した Wildfinder(http:// www.worldwildlife.org/wildfinder/) で は, 約 2.6 万 種 の鳥類,哺乳類,爬虫類,両生類の分布域を地図で 閲覧することができる。また,全国規模の野生生物 分布データベースの例としては,環境省の自然環境 保 全 基 礎 調 査( 動 植 物 分 布 調 査 な ど:http://www. biodic.go.jp/J-IBIS.html),国土交通省の河川環境デー タベース(河川水辺の国勢調査:http://www3.river. go.jp/)が利用可能である。これらの国~大陸スケー ルの分布情報は,より地域的に活用する上で精度は 粗く,データ数も十分とは限らない。また,所管が 異なる情報が必ずしも一元化されていないという課 題もある。  そこで本稿では,道州スケールで,既存のさまざ まなデータソースを統合化するとともに,広域的評 価及び解析に利用可能な精度水準を目指した集積効 果の高い野生生物分布データベースの構築を行っ た。県規模では,埼玉県生物多様性情報データベー ス(http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BA30/labo/ BDDS/BDDSTOP.html)や福井県緑のデータバンク (http://www.erc.pref.fukui.jp/gbank/)などの取り組み が進められているが,全国規模への拡張可能性を念 頭に,複数の市町村単位の精度よりも国土面積の2 割強に相当する道州規模での生物多様性評価への利 用を意図して,情報収集からデータベース化手法, さらにはGIS をベースとした活用を含め,一貫した 野生生物分布データベースモデルの構築を試みた。 1.データベースの構築 1.1 対象としたデータ  データ収集及び整備の対象とした範囲は北海道の 陸域とし,陸域から沿岸海域で確認された鳥類も含 めた。対象となる野生生物群は,動物は鳥類,哺乳類, 両生類,爬虫類,魚類,陸生昆虫類,水生昆虫類とし, 植物は高等植物(維管束植物)とした。  分布に関するデータソース(情報源)は,過去に 出版された雑誌,機関紙,報告書,書籍などの文献 資料のうち,種の情報と位置情報を共に有するもの を対象とし,できる限り多くの文献資料を収集した。 そのほか,印刷物になっていない情報として,個人 や団体が調査または観察し,記録としてそれぞれ所 有されている情報についても可能な限り収集した。 本データベースでは特に,鳥類,水生昆虫類,植物 において,個人または団体が所有する情報を個別に 依頼して入手した。  これらの情報は,各データソースによって目的, 調査方法,位置精度,準拠する分類体系などが異な るが,調査または観察者に関する情報から,選定の 段階で客観的精度の評価が可能であり,本データ ベースにおいては同定の信頼性が高いと見なされる ものを対象にした。 1.2 野生生物分布情報の特質  前記のようにさまざまなデータソースを統合しよ うとする場合,野生生物分布情報は下記の特質を有 することから,データベースの構築に当たっては, これを踏まえた取り扱いが必要となる。 ①種の名称が必ずしも統一がされていない。 ②「いる」ことを確認できても「いない」ことを確 認することは難しい。 ③地域によって調査努力量とそれに伴う情報量に偏 りが生じる。 ④特に種名について,精度の検証が難しい場合が多い。 ⑤動物の多くは一箇所に留まることなく移動する。  本データベースにおいては,①はデータベースの 設計において技術的に対処し(次節参照),②③は分 析評価段階において留意した。④はデータソースに 記されている分類同定者に関する情報等を参考に, その実績と客観的信頼性から精度が高いと思われる 情報のみを極力データベース化した。また⑤は逆に このことを利用して動物の移動についての解析が可 能であると見なした。 1.3 データベースの構造  分布情報として最も重要な項目は,「いつ(確認時 期)」「どこに(確認位置)」「何が(種名)」の3 つで ある。時期情報については,詳細に特定できない場 合でも,年次幅や発行年などを極力情報化した。位 置情報については総務省のメッシュコード二次(10 km)及び三次(1 km),並びに二次メッシュを 4 分 割した5 km メッシュを基本とし(北川 2007),位置 精度の高いものは1 km メッシュ,そうでないもの

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-147 - は5 km または 10 km メッシュコードを格納した。1 km 及び 5 km メッシュは,コード体系上,上位のメッ シュと関連づけられ変換可能な構造とした。併せて 市町村名,地域名(住所,河川名,湖沼名など),緯 度経度(地点情報)の項目を設けた。このほか精度 に関わる情報として確認者及び同定者情報,また参 考情報として,魚類の体長等の個体情報や,河川の 水深・水温・川床材料等の環境情報も極力入力した。  種名については,分類群ごとに目名リスト,科名 リスト,属名リスト,種名リスト(亜種を含む)のテー ブルを作成・コード化し,それぞれ上位の分類コー ドと関連づけ,分類群コード(2 桁)+目コード(2 桁) +科コード(4 桁)+属コード(4 桁)+種コード(6 桁)+亜種コード(5 桁)の計 23 桁で種名を表現す るコード体系化を行った。同様に学名についても, 属名テーブルに属学名,種名テーブルに種小名及び 亜種名を格納し,この3 つを結合して学名表示可能 な構造とした。  なお種名について,日本では準拠する種名リスト が分類群ごとに必ずしもひとつにまとめられていな いという種名の不統一に対応するため,基準となる 種名リストを決め,これと他の種名リストとを関連 づけるクロスリファレンス情報を種名テーブル内に 設けた。本データベースにおいて基準とした種名リ ストは,哺乳類,両生類,爬虫類,魚類,植物につ いては,北海道が2000 年に作成した北海道全種リス ト(北海道ギャップ分析研究会 2002),鳥類は日本 鳥類目録改定第6 版(日本鳥学会 2000),水生昆虫 類は日本産水生昆虫図鑑(川合・谷田 2005)とした。 なお陸生昆虫類は検討中である。  また種名に関して,正名のほかに異名をもつ場合 があることから,基準とした種名リストにおける和 名と学名を正名とした上で,異名に関するデータも 種名リストに加えた。そして日野間(1994)が考案 した正異区分に準拠し,和名が異なるもの,学名が 異なるもの,両方異なるものなどをコード識別し, さまざまなデータソースに対処し統合がしやすくす るとともに,異名のデータについても正名または正 名種コードに変換して扱うことができるデータベー ス構造とした。  このほか種名テーブルには,貴重種に関する情報 として,北海道(2001),環境庁野生生物課(2000a, b), 環境省野生生物課(2002a, b, 2003),及び IUCN に関 してTaylor(2001)に記載されている種ごとに設定 されたカテゴリーデータをそれぞれコード化し格納 した。  データベースはMicrosoft Access を用い,メッシュ コード,種名,貴重種カテゴリーなど個々の区分コー ドごとにテーブルを設けて相互に関連づけ,要求に 応じて必要な情報を検索・抽出し,集計またはGIS による分布図表示ができるよう設計し構築した。 1.4 データベースの整備  既往の文献資料及び専門家による調査等情報を収 集し,各情報源からデータベースに必要な情報を抽 出し入力を行った。データ作成作業は1996 年に開始 し,現在も継続中である。またデータ作成に当たっ ては,入力者以外の者がチェックすることにより, 誤データの最小化に努めた。  なお,独立行政法人国立環境研究所作成の魚類 データ(HFish),(株)野生生物総合研究所作成の水 生昆虫類データ,(有)ムーヴ植物設計作成の植物 データ,(有)イー・アイ・エル作成の植物データ(日 野間,1993, 1994, 1995, 1996)についてはデジタルで 提供を受け,必要な形式変換を行って統合した。 2.データベースの現状と活用 2.1 データ件数及び属性  2009 年 8 月末時点でこれまでに整備した分類群ご とのデータ件数,記録種数,及びデータソース数(文 献資料及び調査等)を表1 に示した。データ件数は 植物で最も多く114 万 8907 件,次いで鳥類が 70 万 6179 件,水生昆虫類が 32 万 9866 件となった。この ことは既往の文献資料や専門家による調査活動の量 と対応したものと考えられる。ただし昆虫類につい ては,相当量の既存情報があることを把握している ものの,労力や費用を投入する機会が得られず十分 なデータベース化には至っていない。データの総件 数は,239 万 9556 件となり,ひとつのまとまった地 域としては,国内及びアジア地域において例を見な い規模のデータベースが構築されたといえる。  データの属性のうち確認時期について,植物及び 鳥類の1920 年以降の年次別データ件数を図 1 に示し た。鳥類は1970 年代からデータ数が増加し 1980 年 代以降は比較的コンスタントに情報が得られている のに対して,植物は1990 年代から 2000 年代にデー タ数が集中していた。他の分類群についても1980 年 代以降データ数が顕著に高い傾向が見られ,北海道 において行われた野生生物調査量の変化を表すもの

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-148 - といえる。  次に確認位置について,植物及び鳥類に関する データ件数の10 km メッシュでの分布を図 2 に示し た。その結果,土地利用への要求が強い平地域や, 貴重な自然環境を有する自然公園等の地域において データ量が多い傾向が見られた。これは調査密度の 空間変動を示すものであり,このような偏在性の存 在を認識した上で野生生物分布データを取り扱う必 要がある。図3 に植物及び鳥類について種数の分布 図を示した。種数または貴重種数が多く見られる地 域が相対的に重要であることはいうまでもないが, 同時に調査量の偏在性も念頭に置き,調査が不十分 な箇所の選定にもこれらのデータが活かされること が望まれる。 2.2 広域的な評価の試み  データベースは活用されてはじめてその価値を発揮 するものといえる。公益的な要請に応じて随時行政機 関等にデータ提供を行うほか,広域的な視点に立った 評価活用を図ることが重要である。そこで全道を対象 に,保全地域内外の貴重種数の比較,生態系タイプ(土 地利用クラス)と種数の関係分析を試みた。 ⴫1䇭ಽ㘃⟲೎䊂䊷䉺ઙᢙ䍃⸥㍳⒳ᢙ䍃䊂䊷䉺䉸䊷䉴ᢙ 䊂䊷䉺ઙᢙ ⸥㍳⒳ᢙ 䊂䊷䉺䉸䊷䉴ᢙ ᬀ‛ 㪈㪃㪈㪋㪏㪃㪐㪇㪎 㪌㪃㪇㪐㪌 㪈㪃㪐㪇㪎 ູ੃㘃 㪈㪐㪃㪉㪋㪎 㪌㪎 㪍㪌㪇 㠽㘃 㪎㪇㪍㪃㪈㪎㪐 㪋㪐㪋 㪈㪃㪈㪍㪊 ਔ↢䍃Ῥ⯻㘃 㪊㪃㪌㪏㪊 㪉㪊 㪊㪏㪌 㝼㘃 㪈㪇㪋㪃㪍㪈㪐 㪊㪈㪎 㪈㪃㪌㪊㪌 㒽↢᣸⯻㘃 㪏㪎㪃㪈㪌㪌 㪋㪃㪌㪏㪏 㪎㪌㪎 ᳓↢᣸⯻㘃 㪊㪉㪐㪃㪏㪍㪍 㪉㪃㪉㪉㪋 㪍㪈㪏 表 1.分類群別データ件数・記録種数・データソース数 㪇 㪈㪇㪇㪇㪇 㪉㪇㪇㪇㪇 㪊㪇㪇㪇㪇 㪋㪇㪇㪇㪇 㪌㪇㪇㪇㪇 㪍㪇㪇㪇㪇 㪎㪇㪇㪇㪇 㪏㪇㪇㪇㪇 㪐㪇㪇㪇㪇 㪈㪐㪉㪇 㪈㪐㪊㪇 㪈㪐㪋㪇 㪈㪐㪌㪇 㪈㪐㪍㪇 㪈㪐㪎㪇 㪈㪐㪏㪇 㪈㪐㪐㪇 㪉㪇㪇㪇 ᬀ ‛ 䊂 䊷 䉺 ઙ ᢙ 㪇 㪉㪇㪇㪇 㪋㪇㪇㪇 㪍㪇㪇㪇 㪏㪇㪇㪇 㪈㪇㪇㪇㪇 㪈㪉㪇㪇㪇 㪈㪋㪇㪇㪇 㪈㪍㪇㪇㪇 㪈㪏㪇㪇㪇 㠽 㘃 䊂 䊷 䉺 ઙ ᢙ ᬀ‛ 㠽㘃 ࿑1䇭ᬀ‛෸䈶㠽㘃䈱1920ᐕએ㒠䈱ᐕᰴ೎䊂䊷䉺ઙᢙ 図 1.植物及び鳥類の 1920 年以降の年次別データ件数 (1) ᬀ‛ (2) 㠽㘃 ࿑2䇭ᬀ‛෸䈶㠽㘃䈱䊂䊷䉺ઙᢙಽᏓ࿑䋨10km䊜䉾䉲䊠䋩 図 2.植物及び鳥類のデータ件数分布図(10 km メッシュ) 3䇭ᬀ‛෸䈶㠽㘃䈱⒳ᢙಽᏓ࿑䋨10km䊜䉾䉲䊠䋩 (1) ᬀ‛ (2) 㠽㘃 図 3.植物及び鳥類の種数分布図(10 km メッシュ)

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-149 -  図4 に鳥獣保護区及び自然公園の内外の,昆虫類 を除く動物及び植物の貴重種(北海道 2001)数を比 較した結果を示した。比較は10 km メッシュを単位 とし,各保全地域に属するメッシュと属さないメッ シュを予め区分し,各メッシュ内の種数をカウント することによって行った。その結果,鳥獣保護区と 自然公園とで異なった傾向が見られ,鳥獣保護区内 では外と比べて動物の貴重種数が多い傾向が見られ たのに対して,自然公園内では外と比べて植物の貴 重種数が多い傾向が顕著に見られた。このことは, 動物を主眼においた鳥獣保護区と,植生景観に主眼 を置いた自然公園の指定の有効性を示唆していると もいえ,広域的視点からの施策効果の検証に本デー タベースが活用できる可能性が示された。  図5 に土地利用クラス別の,10 km メッシュ内の 植物及び鳥類の種数と貴重種(北海道 2001)数を示 した。土地利用クラスは,国土数値情報(1997 年版) をもとに10 km メッシュ内の最大面積を示す凡例を 採用した。その結果,鳥類種数は湿原・原野,湖沼・ 河川,森林,畑地で多く,植物種数は市街地,森林, ࿑4䇭଻ో࿾ၞౝᄖ䈱⾆㊀⒳ᢙ䈱Ყセ. ⴫␜䈲ᦨᄢ୯䋬ᦨዊ୯䋬╙৻྾ಽ૏䋬╙ਃ྾ಽ૏䋬ᐔဋ୯(䃂)䉕⴫䈜 㩿㪊㪀 㪇 㪈㪇 㪉㪇 㪊㪇 㪋㪇 ⥄ὼ౏࿦ౝ䇭䇭䇭⥄ὼ౏࿦ᄖ േ ‛䋨 ᣸⯻ 㒰 䈒 䋩 ⾆㊀ ⒳ᢙ 㩿㪋㪀 㪇 㪈㪇 㪉㪇 㪊㪇 㪋㪇 㠽₞଻⼔඙ౝ䇭㠽₞଻⼔඙ᄖ േ ‛䋨 ᣸⯻ 㒰 䈒 䋩 ⾆㊀ ⒳ᢙ 㩿㪈㪀 㪇 㪉㪇 㪋㪇 㪍㪇 㪏㪇 ⥄ὼ౏࿦ౝ䇭䇭䇭⥄ὼ౏࿦ᄖ ᬀ ‛ ⾆ ㊀ ⒳ ᢙ 㩿㪉㪀 㪇 㪉㪇 㪋㪇 㪍㪇 㪏㪇 㠽₞଻⼔඙ౝ䇭㠽₞଻⼔඙ᄖ ᬀ ‛ ⾆ ㊀ ⒳ ᢙ 図 4.保全地域内外の貴重種数の比較 注.表示は最大値,最小値,第一四分位,第三四分位,平均値(●)を表す 㩿㪊㪀 㪇 㪉㪇㪇 㪋㪇㪇 㪍㪇㪇 㪏㪇㪇 㪈㪇㪇㪇 㪈㪉㪇㪇 ᫪ᨋ㩷Ḩේ䍃ේ㊁㩷⇌࿾䇭㩷㩷᳓↰䇭㩷㩷Ꮢⴝ࿾㩷ḓᴧ䍃ᴡᎹ㩷ᶏጯ ᬀ ‛ ⒳ ᢙ 㩿㪈㪀 㪇 㪌㪇 㪈㪇㪇 㪈㪌㪇 㪉㪇㪇 㪉㪌㪇 ᫪ᨋ㩷Ḩ࿾䍃ේ㊁㩷⇌࿾䇭㩷㩷᳓↰䇭㩷㩷Ꮢⴝ࿾㩷ḓᴧ䍃ᴡᎹ㩷ᶏጯ 㠽 㘃 ⒳ ᢙ ࿑5䇭࿯࿾೑↪䉪䊤䉴೎䈱ᬀ‛෸䈶㠽㘃䈱⒳ᢙ䈫⾆㊀⒳ᢙ. ⴫␜䈲ᦨᄢ୯䋬ᦨዊ୯䋬╙৻྾ಽ૏䋬╙ਃ྾ಽ૏䋬ᐔဋ୯(䃂)䉕⴫䈜 㩿㪉㪀 㪇 㪈㪇 㪉㪇 㪊㪇 㪋㪇 ᫪ᨋ㩷Ḩේ䍃ේ㊁㩷⇌࿾䇭㩷㩷᳓↰䇭㩷㩷Ꮢⴝ࿾㩷ḓᴧ䍃ᴡᎹ㩷ᶏጯ 㠽 㘃 ⾆ ㊀ ⒳ ᢙ 㩿㪋㪀 㪇 㪉㪇 㪋㪇 㪍㪇 㪏㪇 㪈㪇㪇 ᫪ᨋ㩷Ḩේ䍃ේ㊁㩷⇌࿾䇭㩷㩷᳓↰䇭㩷㩷Ꮢⴝ࿾㩷ḓᴧ䍃ᴡᎹ㩷ᶏጯ ᬀ ‛ ⾆ ㊀ ⒳ ᢙ 図 5.土地利用クラス別の植物及び鳥類種数及び貴重種数 注.表示は最大値,最小値,第一四分位,第三四分位,平均値(●)を表す

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畑地,湿原・原野で多い傾向が見られた。また貴重 種数については,鳥類が種数と対応した傾向を示し たのに対して,植物は畑地や市街地では種数に比べ て貴重種が相対的に少ない傾向がうかがわれた。こ れらのことは,生態系タイプのもつ潜在的な種数と 貴重種の割合を定量的に評価する可能性を示唆する ものといえ,今後の景観生態学的なスケールでの応 用が期待される。  このように多様で多量の野生生物分布データを用 いることで,広域的な生物多様性評価や,いわゆる Hot Spot(生物多様性の豊かな地域)の抽出に寄与 する可能性が明らかとなった。 3.課題と展望  分布情報の収集における課題として,情報の多く は地域の愛好家や活動団体,研究者個人が所有し収 集が困難という問題があげられる。文献などで公開 された情報についても,正確な位置はやはり個人が 所蔵していることが多い。これらの大部分は信頼性 が高く貴重な情報であるが,苦労して取得した情報 だけに,安易に提供を依頼することは慎まなければ ならない。そこでひとつの試みとして,野鳥観察情 報の収集のための「野鳥情報分布図表示システム(と り地図)」を開発した。これは地域の活動団体から観 察情報を提供してもらう代わりに位置情報の伴った Access データベースを作成し,野鳥の分布を地図上 に検索表示して各種GIS 情報と重ねて閲覧できるフ リーツールとともに提供するものである(図6)。こ のシステムも活用しつつ,情報の知的財産権や使用 に当たってのクレジット表示などに十分留意し, 個々の所有者との交渉を今後とも重ねることが求め られる。また,デジタル化されていない紙媒体情報 (Legacy data)や環境影響評価書などの未利用データ も整備していく必要がある。その際,地域的な情報 の偏りにも配慮が必要である(北川 2007)。  次にデータベース取り扱い上の課題として品質管 理があげられる。具体的には分類同定精度,位置精 度,サンプル取得時のバイアスの有無,入力ミスな どである。これらについては,データベース作成時 に参考となる情報をできるだけ入力し,必要に応じ て出典に遡って確認できるようにすることが肝要で ある。入力ミスの防止については,プルダウン選択 による入力や他の人による再チェックなどで最小化 を図ることが可能である。このほか,文献等によっ て確認位置の記載方法が異なり,これに由来するス ケールの不統一という問題もある。これに対しては, 3 段階のメッシュデータを相互に関連づけて使うこ

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図 6.「とり地図」による情報提供者への GIS データのフィードバック

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-151 - とにより,活用において要求されるスケールに柔軟 に対応することで利用の幅を広げていくことが可能 であると思われる。  データベース管理上の課題としては,外部提供や 公開時における貴重種の取り扱いがある。外部提供 や公開に伴う保全効果と,盗掘や繁殖撹乱といった リスクとの兼ね合いで判断する必要があり,行政と 連携して取り扱うことが肝要である。本データベー スについても分類群に応じて非公開種を定めるな ど,行政の担当部署との意思疎通のもとに取り扱っ てきている。また,データベースを管理するための 組織的体制の確保が不可欠である。昨今の厳しい財 政事情のもとではデータベースに人員を割くことは 容易ではないが,地球規模の視点で生物多様性を保 全する上で,地域的な分布情報のデータベース化は 極めて有用である(環境省 2003)ことから,データ ベースを有効に機能させ,高い費用対効果で社会的 要請に応えるための最小限の人的体制を確保しなけ ればならないと考える。  最後にデータベース活用上の課題として,これま ではモニタリングの視点が欠如しており,今後,広 域的な利用推進に向けて,生物多様性または生態系 の変化を追跡することが可能となるようなデータ整 備が求められる。そのためには,時期情報を持った データの充実とともに,変化を抽出する解析手法の 研究も必要である。また,個体数や齢構成,性別デー タといった情報の質を向上させることにより,より 的確な分布及び動態評価とそれに基づく政策立案に 貢献していくことが求められる。以上は今後の課題 として引き続き取り組んでいきたい。 謝 辞  本データベースの構築に当たっては,(有)イー・ アイ・エルの日野間彰代表取締役,(有)ムーヴ植物 設計の五十嵐博代表取締役,独立行政法人国立環境 研究所の福島路生主任研究員,㈱野生生物総合研究 所,(社)北海道栽培漁業振興公社に,貴重なデータ 提供をいただきました。ここに記して深甚の謝意を 表します。 引用文献 日野間彰.1993.北海道植物データ処理システムの 開発について(その1).菩多尼訶 9: 22 ~ 28. 日野間彰.1994.北海道植物データ処理システムの 開発について(その2).菩多尼訶 10: 18 ~ 25. 日野間彰.1995.北海道植物データ処理システムの 開発について(その3).菩多尼訶 11: 39 ~ 46. 日野間彰.1996.北海道植物データ処理システムの 開発について(その4).菩多尼訶 12: 45 ~ 53. 北海道.2001.北海道の希少野生生物 北海道レッド データブック2001.309pp.札幌. 北海道ギャップ分析研究会.2002.北海道における ギャップ分析研究報告書.173pp.札幌. 環境庁野生生物課.2000a.改訂・日本の絶滅のおそ れのある野生生物3 爬虫類・両生類.124pp.(財) 自然環境研究センター,東京. 環境庁野生生物課.2000b.改訂・日本の絶滅のおそ れのある野生生物8 植物Ⅰ(維管束植物).662pp. (財)自然環境研究センター,東京. 環境省.2003.地理的スケールにおける生物多様性 の動態と保全に関する研究(課題代表者: 椿宜高). 環境省地球環境研究総合推進費 平成 13 年度終了 研 究 課 題,http://www.env.go.jp/earth/suishinhi/wise/ j/J01F0100.htm. 環境省.2008.第 3 次生物多様性国家戦略.323pp. ビオシティ,東京. 環境省野生生物課.2002a.改訂・日本の絶滅のおそ れのある野生生物1 哺乳類.180pp.(財)自然環 境研究センター,東京. 環境省野生生物課.2002b.改訂・日本の絶滅のおそ れのある野生生物2 鳥類.280pp.(財)自然環境 研究センター,東京. 環境省野生生物課.2003.改訂・日本の絶滅のおそ れのある野生生物4 汽水・淡水魚類.232pp.(財) 自然環境研究センター,東京. 川合禎次・谷田一三.2005.日本産水生昆虫.1360pp. 東海大学出版会,神奈川県秦野. 北川理恵.2007.報告書からの動植物分布データの 作成.『自然環境解析のためのリモートセンシン グ・GIS ハンドブック』(長澤良太・原慶太郎・金 子正美編),65-71.古今書院,東京. 日本鳥学会.2000.日本鳥類目録改定第 6 版.345pp. 東京.

Taylor, C.H.. 2001. IUCN Red List of Threatened Species. 64pp. Union Intl pour la Conservation de la Nature et de ses Ressources. Switzerland.

参照

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